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経営者はセラピスト！？ ～リハの概念を地域社会に～ 株式会社プライマリーネット 代表取締役 理学療法士 亀井 貴史 株式会社プライマリーネット 開業に至った経緯 株式会社プライマリーネット プロフィール 生年月日：昭和５２年７月３１日 出 身：大阪府阪南市出身 Ｐ Ｔ 経験： ９年 勤 務 歴：療養型→外来→回復期→通所リハ ↓ 会社設立←リハ施設立上←訪問リハ 株式会社プライマリーネット 泉州地区 株式会社プライマリーネット 泉州地区の要介護者を取り巻く環境 訪問リハに対する 認知度が低い ＝ 需要・ 需要・供給ともに 供給ともに低 ともに低い 訪問介護や通所介護によるサービスが中心 住宅改修後の住環境再アセスメント不足‥ ＡＤＬ能力の低下→介護職のマンパワー不足 ずさんな住環境 退院後の 退院後のリハの リハの必要性が 必要性が認識されていない 認識されていない 訪問リハ 訪問リハ供給量 リハ供給量の 供給量の不足 株式会社プライマリーネット セラピストを取り巻く環境 〔大多数のセラピストの所属先〕 • 回復期リハ病棟を有する病院（充足率119％） • その病院が併設する老健等（入所・通所） 〔訪問リハが増えない理由〕 • 訪問に出る時間がない • コストが割りに合わない • 地域リハの概念が浸透していない ならば… 株式会社プライマリーネット 私のやるべき事は… セラピストが介護保険事業に参入 在宅リハの必要性を地域に啓発 （需要の拡大） 在宅リハを十分に供給できる環境作り 株式会社プライマリーネット 株式会社プライマリーネット誕生 プライマリーネット誕生!! 株式会社プライマリーネット 訪問看護ステーション開設までの過程 株式会社プライマリーネット 法人設立 株式会社プライマリーネット • 登記日 平成18年2月2日 医療法人に在職中であったため、1円法人 は不可能。資本金は在職中に貯金。 • 資本金 500万円 株式会社プライマリーネット 資金調達 • 資本金は在職中の貯金 • 運転資金 金融機関にて800万円の融資（国金） • 助成金の活用 特定労働者の雇用に対する助成金の申請 （現在は介護職のみ・・） • 事務所は個人の住宅ローンにて設置 株式会社プライマリーネット 人材確保 看護師は各機関の知り合いから紹介していた だいたため、求人媒体等は使用せず。 〔開設当初の人員〕 • 看護職員：看護師２名（内１名は管理者） 准看護師１名 • リハ職員：理学療法士１名 言語聴覚士１名 • 事務職員：ケアマネジャー１名 株式会社プライマリーネット 指定申請 平成18年4月頃より指定申請書類の準備開始 平成18年6月１日指定 プライマリー訪問看護ステーション阪南 申請書類の作成はスタッフで共同作業にて行 なった。 株式会社プライマリーネット 弊社訪問看護ステーションによる サービス提供の推移 株式会社プライマリーネット 弊社の報酬額の推移 \7,000,000 \6,000,000 \5,000,000 訪問看護 居宅介護支援 訪問介護 \4,000,000 \3,000,000 \2,000,000 \1,000,000 \0 ６月 ９月 １２月 １２月 ３月 ６月 ９月 株式会社プライマリーネット １２月 １２月 訪問看護ステーションの内訳① （平成19年１２月現在） • 全体の契約者数 １４０名 • 月間訪問件数 ７２０件 医療保険 ３００件 介護保険４２０件 株式会社プライマリーネット 訪問看護ステーションの内訳② （平成19年１２月現在） 〔医療保険による訪問〕 ①難病等の特定疾患患者 ・パーキンソン病関連 ・ALS ・脊髄小脳変性症 ・多系統萎縮症 ②40歳未満の患者 ・脳血管疾患 ・脳性麻痺 ③悪性腫瘍のターミナル患者 株式会社プライマリーネット 訪問看護ステーションの内訳③ （平成19年１２月現在） 〔介護保険による訪問〕 要支援１から要介護５まで平均して訪問 訪問看護７ 訪問看護７を利用する 利用する理由 する理由は 理由は・・ ①医療機関でのリハ打ち切りの影響大 ②医療保険と介護保険の併用×の影響も・・ ③訪問リハと訪問看護７２の提供時間の差 株式会社プライマリーネット 訪問看護７と訪問リハ 〔訪問看護７〕 PT・OT・STが行なう訪問看護 • 訪問看護７１ 425単位 30分未満 • 訪問看護７２ 830単位 30分以上１時間未満 ※訪問看護７は看護師が行なう訪 問看護の回数を超えてはいけな い 市区町村により対応が異なる 〔訪問リハ〕 医療機関（病院・診療所・老健） のみが設置可能 訪問ﾘﾊﾋﾞﾘﾃｰｼｮﾝ費 500単位 20分以上 ＋ リハマネ加算 20単位 ＋ 短期集中ﾘﾊ加算Ⅰ 330単位 （1ヶ月以内） 短期集中ﾘﾊ加算Ⅱ 200単位 （3ヶ月以内） ※短期集中ﾘﾊ算定には、週2回以 上の訪問が必要 株式会社プライマリーネット ①医療機関でのリハ打ち切りの影響 • 脳血管・運動器リハの制限日数の影響により、 明確な制限のない訪問リハを選択する利用 者・ケアマネジャーが増加 • 各医療機関によって、制限日数超えの取り扱 いが違う（週１～２回の回数制限もしくは終 了） 株式会社プライマリーネット ②医療保険と介護保険の併用×の影響 外来リハの終了 通所リハ（デイケア）の利用 個別訓練の実施時間に不満 個別リハのみ受けたい（レクなどは嫌） 訪問看護７２を希望 株式会社プライマリーネット ③訪問リハと訪問看護７２の提供時間の差 • 訪問看護７２では1時間弱、訪問リハでは２０ 分程度という差 • 訪問リハでは短期集中リハ加算算定中は週2 回程度の対応をしてもらえるが、その後は週 1回もしくは終了となる場合がある。 株式会社プライマリーネット 当社の特徴 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット ケアプランセンターと訪問介護の併設 平成18年 8月 居宅介護支援事業所 開設 平成18年10月 訪問介護事業所 開設 • リハの概念を地域に根ざすためには、リハス タッフだけが頑張っても× • お手本事業所になりたい!! 経営面には大きく影響・・・（＞＿＜） 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット ケアマネジャーとの前向きプラン立案 ケアプランに セラピストの 目標を反映 受身のケアプラン （対処療法的？？） 各障害に対する プロジェクト チーム のサービス 前向き 前向きケアプランの ケアプランの立案 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット 訪問介護スタッフによるADLトレーニング 〔訪問介護のサービス種別〕 • 生活援助 • 身体介護 • 通院乗降等介助 • 移動支援（自立支援法） 調理や洗濯などを家族の支援を得ながら 介護職と共同して行なう 公共交通機関等を利用した外出の支援 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット プロジェクトチーム作り • 在宅患者の心身障害に対するアプローチは単発の サービス（訪問看護や訪問リハ）だけでは対応が難 しい 訪問によるチームアプローチが必要!! 他事業所とでは情報共有が不十分であったり、経営 方針の違いがあり上手く機能しない・・・。 ならば・・・ 当社でプロジェクトチームを作り、効果を示していこう 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット 認知症リハビリプログラム 〔構成員〕 • 作業療法士（訪問看護７１） • 言語聴覚士（訪問看護７１） • 介護福祉士（訪問介護 身体介護２） • ケアマネジャー • 家族 〔アプローチ〕 セラピストは月１～２回の評価 アプローチを行なうのは介護福祉士と家族 株式会社プライマリーネット 事例① 調理を通じて・・ サービス開始まで ①STによる認知機能評価 ②OTによる生活環境評価 ③プログラムの立案とケアプランの作成 ④家族へのオリエンテーション サービス開始 １．本人へ調理メニューの提示 ２．食材などの準備と調理手順を確認 ３．調理開始（介護職とともに作業） ４．完成品を家族に食べてもらって感想を聞く ５．作ったメニューや自分が行なった作業、家族から聞いた感想などを本人 がノートに記載 ※月1回、家族を含めてカンファレンスを行ない、目標とアプローチの確認 株式会社プライマリーネット 多職種協働によるリハの提供 • ケアプランセンターと訪問介護の併設 ・ケアマネジャーとセラピストでの前向きプラン ・訪問介護スタッフによるADLトレーニング • プロジェクトチーム作り ・認知症リハビリプログラム ・嚥下訓練マニュアル 株式会社プライマリーネット 嚥下訓練マニュアル 〔構成員〕 • 言語聴覚士（訪問看護７１） • （准）看護師（訪問看護２） • かかりつけ医 〔アプローチ〕 • STによる月１～２回の評価と手技の確認 • 看護職による週２回程度のアプローチ • 月１～２回の主治医の往診 ※主治医にはメールやFAXを通じて綿密に報告 ※STによる訪問は看護師の訪問時に同行 株式会社プライマリーネット 経営・業務上に起こる問題点 株式会社プライマリーネット 経理関係の知識 • 医療関係の職種は社会保険・税務関係の知識が乏しい？？ • 支出の内訳を綿密に分ける事が大切 〔当社の場合〕 ・給与 ・リース料 ・健康保険（介護保険） ・通信費 ・雇用保険 ・光熱費 ・賃貸借 ・車関係（ガソリン・保険・修理・・） ・顧問料（税理士・社労士）・ローンの返済 ・求人広告費 ・福利厚生費 ・備品（事務・制服・衛生） ・コピー機使用料 株式会社プライマリーネット 訪問リハに対するケアマネジャーの理解 • いまだにマッサージ目的のリハ依頼がある • 主治医の指示で動くシステムを知らない • OT、STが行なう訪問リハを知らない （まだまだ隠れたニーズがある!!） 株式会社プライマリーネット かかりつけ医との連携と情報共有 〔かかりつけ医との連携〕 単独型のステーションでは、指示医は地域の診療 所が多い 当ステーションにおいては・・ 医療機関は５７施設 指示医は７０名にも及ぶ 〔問題点〕 • 同施設に主治医がいないため細かな情報のフィー ドバックが行いづらい • リハへの認知度が低い医師もいる • 指示書のやりとりに時間がかかることが多い 株式会社プライマリーネット 看護師による24時間緊急体制 • 毎日、当番の看護師が会社の転送電話を持ち帰る ため、看護師の時間的、精神的束縛が大きい • 夜間の緊急連絡があっても、当法人に入院施設が ないため、救急搬送になり、看護師の訪問が救急 車の到着に間に合わないこともしばしば・・・ • 給与に反映させても、看護師の疲労の軽減にはつ ながらず、モチベーションの低下を引き起こすこと も・・・ 株式会社プライマリーネット 当社の経営方針 株式会社プライマリーネット ㈱プライマリーネット 職員倫理 一．職員は、利用者、家族、他事業者、当社職 員において、徹底した接遇を心掛ける 一．職員は、地域ケアのプロフェッショナル（専 門家）としての自覚と、自己研鑽に努める 一．職員は、半ばは利用者様のために、半ば は会社（自分）のためになる行動（業務）を 心掛ける 株式会社プライマリーネット 在宅にも総合リハサービスの提供を!! • • • • • • • • 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 看護師 介護支援専門員 介護福祉士 ヘルパー２級 事務員 （常勤５名 非常勤３名） （常勤１名 非常勤１名） （常勤２名 非常勤１名） （常勤５名 非常勤２名） （常勤２名） （常勤３名 非常勤１名） （非常勤７名） （常勤１名） それぞれの職種がお互いの専門性を理解し、 良いチーム作りを目指しています。 職種の壁も無く、老若男女仲がいいです。 株式会社プライマリーネット 複合ケアステーション作り • • • • • • • • 訪問看護ステーション（訪問PT・OT・ST、訪問看護） 訪問介護 介護タクシー 居宅介護支援 訪問美容 福祉用具レンタル デイサービス（総合リハセンター） 介護予防デイサービス これら全てに対応できる多機能施設を、 リハ資源の少ない地域に小規模な施設で展開していきたい 株式会社プライマリーネット 利用者のための前向き施設作り 訪問サービス 通所サービス 維持・予防リハ（職能訓練的な施設） 障害を持った方が、のぼり階段を上がっていく 前向きな施設が少ない 株式会社プライマリーネット 地域との連携 • 南泉州地域リハビリテーション連絡会 回復期リハ病棟を有する病院・地域包括支援セン ター・南泉州介護支援ネット（ケアマネの会）・老人 保健施設・特別養護老人ホーム・在宅サービス事業 所 • 泉州たまねぎ会 介護保険関連で働く職種の情報交換の場 定期的な勉強会 月１回の飲み会 株式会社プライマリーネット ちょっと苦労話・・・ • プライベートの時間が作れない • 婚期を逃がす • 自分のお金がない • 付き合いが非常に増える • ねたみ・・・ 株式会社プライマリーネット これから独立を目指す方へ 私の自論 • 地域社会に貢献するために努力をする事業 は、儲からなくても潰れることはない • 法律上の事業だけでは先行きが不安・・・な のでリハの概念をそれ以外の様々な手段を 用いていく 株式会社プライマリーネット ご清聴ありがとうございました 株式会社プライマリーネット