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2013年度マル査事績-脱税額は減少傾向
2013年度マル査事績-脱税額は減少傾向 ●脱税額は大幅ダウン 2013年度に全国の国税局が着手した強制調査は 185件(前年度190件)でした。 悪質と判断され検察庁へ告発された件数は118件で、 脱税総額は145億円で前年の60億円も減少し、197 4年以来最も少ない金額となりました。1件当たりの 脱税額も前年は1億3,500万円だったのが、9,900 万円と大きくダウン!大口事案も減り、脱税額3億円 以上の案件は11件あったのが4件に減っています。 国税庁によれば「調査対象時期と経済が低迷してい た時期が重なり、それが反映された結果」とのこと。 ●毎度おなじみの脱税業種は? 脱税が最も多かった業種は「クラブ・バー」12 件。そもそも脱税できるのは儲かっているからで、 景気回復で夜の街にも活気が戻ってきたとも考えら れます。 2位建設業、3位不動産業も毎期のように登場す る常連業種。被災地復興需要や東京五輪などで活況 を帯びている業種で、さらに注目度があがる業種と いえそうです。 ●脱税の手口あれこれ… ●びっくり!こんなところから札束が… <業種別の手口> クラブバー:ホステス報酬の源泉所得税を納付しない。 不動産業:不動産の売上と仕入両方を除外。 建設業:架空外注費を計上。 保険業:架空の接待交際費を計上。 <税目別の手口> 消費税 ●顧客からの預り消費税を申告せず納付もしない。 ●建物売上を非課税となる土地売却と偽って申告。 ●架空の輸出免税売上と架空の課税仕入を計上し、 不正還付を受ける。 相続税 ●相続人名義の預金を相続財産から除外。 国際事案 ●海外の取引先と通謀して仕入代金を水増 し、その分の資金をバックさせる。 どこかの厚生年金基金で横領された24億円はす べて遊興費に充てられたそうですが、脱税資金はち ょっと違うようです。元はといえば会社の資金、無 駄遣いするより、貯め込んでいるケースが多いよう です。 売上除外した売上代金や架空経費の水増しで確保 した資金は、銀行に預金すればばれてしまうため、 脱税者は隠し場所に頭をひねることに…。今年はこ んなところから札束が発見されました。 ★床下貯蔵庫から4,800万円 ★ベットのマットレス下に9,600万円 ★本の形の木箱に160万円 (写真はリビングのバッグに隠された 1,000万円) 他に、有価証券、高級外車、別荘などに姿を変え ていました。 ●国際化とIT化が進む査察 2013年度の査察は、1事案あたり初日「158名」を動員し「45ヵ所」を調査しています。 調査から告発までの期間は約8ヵ月。大量の人員と時間が費やされ、始めて告発に至ってい ます。 外国税務当局との情報交換制度も活用されており、7事件延べ11回海外の税務当局へ情報提供を要請し ています。査察官を海外派遣したケースもあるとか。 IT技術の活用では、ハードディスクから消去された会計データを復元して証拠化した事例などがあります。 MONTHLY NEWS LETTER 2014.7 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved