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参考資料1 (PDF形式 268 キロバイト)
参考資料1 柏崎刈羽原子力発電所の放射性廃棄物処理系配管における 誤接続の有無を確認するための調査結果について 平成21年12月 東京電力株式会社 目 次 1.調査目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.調査期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3.調査範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 4.調査内容および調査対象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 5.調査方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 6.調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7.誤接続が確認された箇所および放出された放射能評価 ・・・・・・ 3 8.原因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 9.対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 添付資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 1 1.調査目的 当社福島第二原子力発電所において、ストームドレン(非放射性の液体廃 棄物。以下、「SD」という)ファンネルに対し、放射性廃棄物を処理する 配管が接続されていたことにより、誤って放射性物質であるトリチウムが放 出される不適合が確認されたこと、および当所1号機においてもSDファン ネルへの配管の誤接続が確認されたことを踏まえ、非放射性液体廃棄物を処 理するファンネルに対する、放射性の液体廃棄物を処理する配管の誤接続の 有無について調査を実施した。 2.調査期間 平成 21 年 11 月2日 ∼ 平成 21 年 12 月6日 3.調査範囲 液体廃棄物処理系は、処理する液体に応じて放出管理を実施している。液 体放射性廃棄物処理系は放射性物質を含む可能性がある処理水であり、ガン マ線核種とトリチウムを測定した上で、放出しており、原則として非放射性 の液体廃棄物を扱うSD系などは、ガンマ線核種を測定した上で、放出して いる。 また、非管理区域に設置されている液体廃棄物処理系(SWSD系、NS D系など)は、放射性物質が混入する可能性がないため、放射能の測定を実 施せず放出している。 このように適切に放出管理を実施しているが、非放射性液体廃棄物を処理 するファンネルに対し、放射性液体廃棄物を処理する配管が誤接続されてい る場合は、適切な管理がなされず、計画外にトリチウムが放出される可能性 がある。 したがって、発電所内の全てのファンネルのうち、トリチウムが含まれる 液体廃棄物が流入する可能性がある管理区域内のファンネルで、当該ファン ネルへ流入した液体廃棄物を収集タンク等から放出するにあたりトリチウ ムの放出量の評価が行われていないファンネルと、そこに流入する配管を調 査範囲とした。 (添付資料−1) 4.調査内容および調査対象 (1)SD系の誤接続の調査 【調査内容】 福島第二および柏崎刈羽の事例と同様、管理区域内に設置されている SDファンネルに対し、放射性廃棄物を処理する配管との誤接続の有 無について調査を行う。 1 【調査対象】 ・ストームドレン系 (SD:管理区域) ※柏崎刈羽3、4、6、7号機については、管理区域内に設置されてい るSDファンネルの接続先が液体放射性廃棄物処理施設であるシャ ワードレン系(HSD)収集タンクであるため、放出に際しトリチウ ムの放出量を評価していることから、計画外にトリチウムが放出され ることはないため調査の対象外。 (2)類似系統の誤接続の調査 【調査内容】 管理区域内に設置されているSD系以外のファンネルに対し、トリチ ウムの放出量の評価がなされずにトリチウムを含む水が放出されるよ うな誤接続の有無について調査を行う。 【調査対象】 ・ストームドレン海水系 (SWSD:管理区域) ※過去に当該系統から水の放出を実施していない場合も、念のため調査。 ※放出に際し、トリチウムの放出量を評価している号機は調査の対象外。 (3)更なる水平展開調査 【調査内容】 非管理区域に設置されており、トリチウム混入の可能性はないが、今 回の不適合事象に鑑みて、念のため誤接続の有無について調査を行う。 【調査対象】 ・ストームドレン海水系 (SWSD:非管理区域) ・ストームドレン系 (SD:非管理区域) ・非放射性ストームドレン系(NSD:非管理区域) ※放出に際し、トリチウムの放出量を評価している号機は調査の対象外。 (添付資料−2) 5.調査方法 SD系については、以下の手順で調査を行った。 ①ライザー線図をもとに、SD系に導かれるファンネルを確認する。 ②上記①で確認されたSDファンネルに接続する配管を現場で追跡調査 し、当該配管に接続される機器等を確認することにより当該ファンネル に導かれる排水が非放射性であることを確認し、その調査結果を点検表 に記録する。 ③現場での追跡調査を実施する際に、ファンネル番号ならびに流入配管の 配管番号等を点検表に記録する。 ④現場で記録したファンネル番号ならびに流入配管の配管番号等が、配管 計装線図上の記載と相違ないことを確認し、その確認結果を点検表に記 録する。 2 ②が確認された時点で当該ファンネルへの放射性物質の流入は無いものと 判断するが、誤った接続の有無の判断にあたっては、③、④の調査とあわせて 確認する。 なお、類似系統の誤接続の調査にあたっては、上記「SD」の記載を類似系 統に読み替えた。 6.調査結果 調査結果を下表に示す。 1号機 2号機 3号機 4号機 5号機 6号機 7号機 SD:管理区域 3※1/329 0/304 対象外 対象外 1/223 対象外 対象外 SWSD:管理区域 0/2 0/1 0/1 − − − 0/1 SWSD:非管理区域 0/234 0/135 0/125 0/108 0/113 0/129 0/176 SD:非管理区域 0/72 0/73 対象外 対象外 0/23 対象外 対象外 NSD:非管理区域 0/423 0/249 0/384 0/245 0/209 0/436※2 0/290 −:該当設備なし (誤接続のあるファンネル数/全ファンネル数) ※1:うち2箇所は純水(MUWP)が充填される配管であるが、トリ チウムを含む流体の混入の可能性を否定できないドレン配管がS Dファンネルに接続されていた箇所。 ※2:6/7号機共用のRw/Bのファンネル 108 箇所を含む。 7.誤接続が確認された箇所および放出された放射能評価 (1)上流図書では、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続すること が指示されていた配管が、施工の段階でストームドレン系(SD)ファ ンネルに接続されていた箇所 ①1号機 格納容器酸素分析計のドレン配管における接続 放出放射能量評価:トリチウムが放出されたと推定されるが、放出放射 能量を評価した結果、トリチウムの放出濃度は検出限 界値※3未満であることから周辺環境へ影響を与えるも のではない。 ※3:柏崎刈羽原子力発電所の放出管理における測定下限、以下同様。 (添付資料を含む) ②5号機 再生水補給水系(MUWT)のドレン配管における接続 放出放射能量評価:トリチウムが放出されたと推定されるが、放出放射 能量を評価した結果、トリチウムの放出濃度は検出限 界値未満であることから周辺環境へ影響を与えるもの ではない。 3 (2)計測対象のプロセス流体と同じ処理をする放射性廃棄物処理系へ接続 すべき配管であるが、設計当時はその考え方が文書で明確化されておら ず、設計の段階からSDファンネルに接続されていた箇所(計測器およ びその配管には純水が充填されているが、プロセス流体と接触している ため、拡散による当該流体の混入の可能性を否定できないもの) ①1号機 原子炉隔離時冷却系(RCIC)蒸気管差圧検出配管における接 続 放出放射能量評価:通常の点検手順においてプロセス流体をSDファン ネルに流すことはないが、SDファンネルに排出する ことが可能な配管構造となっていることから、計器か らのドレンの全量がプロセス流体であると保守的に仮 定して放出放射能量を評価した結果、トリチウムの放 出濃度は検出限界値未満であることから周辺環境へ影 響を与えるものではない。 ②1号機 燃料プール冷却浄化系(FPC)スキマサージタンク水位計のド レン配管における接続 放出放射能量評価:通常の点検手順においてプロセス流体をSDファン ネルに流すことはないが、SDファンネルに排出する ことが可能な配管構造となっていることから、計器か らのドレンの全量がプロセス流体であると保守的に仮 定して放出放射能量を評価した結果、トリチウムの放 出濃度は検出限界値未満であることから周辺環境へ影 響を与えるものではない。 (添付資料−3) 8.原因 (1)1号機 格納容器酸素分析計のドレン配管における接続 プラントメーカの設計では、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接 続することとしていたが、当該分析計が設置されたラックの詳細設計が遅 くなってしまい、ラック近傍に液体放射性廃棄物処理系のファンネルが設 置されなかった。 建設時に、当該分析計の設置工事を実施するサンプリングメーカが施工 図書を作成したが、サンプリングメーカとプラントメーカとの間で十分な 調整及び整合性確認がないまま、施工図書に接続先を近傍のSDファンネ ルと記載し、そのまま施工されてしまった。 現在は、サンプリングメーカによる施工図書の作成後に、プラントメー カ設計者が確認を行うよう改善されており、同様な不具合は発生しないも のと考えられる。 4 (2)5号機 MUWT系のドレン配管における接続 誤接続が確認された箇所の基本設計として、配管計装線図(P&ID) を起こしたプラントメーカは、一般的な認識としてMUWT系のドレン配 管を液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続するものと認識してい たが、詳細設計を行った企業が現場調査した際に、当該箇所近傍に予定し ていた液体放射性廃棄物処理系のファンネルがなかったため、近傍にあっ たSDファンネルに接続することとした。現場施工をした企業は詳細設計 の通りに施工し、SDファンネルに接続することに疑問を持たなかった。 当社は、MUWT系は基本的にはトリチウム以外の放射性核種は含まれ ないことや、当時はトリチウムの管理に対する認識が低かったことから、 SDファンネルに接続することに疑問を持たなかった。 現在の設計管理においては、設計に係る系外放出の有無を設計レビュー にて確認する運用になっているため、現在の設計では同様の事象は発生し ないものと考えられる。 (3)1号機 RCIC蒸気管差圧検出配管における接続 計器ドレンの排出先は、計測対象のプロセス流体を処理する場合と同じ 液体放射性廃棄物処理系へ接続すべきであるが、設計当時はその考え方が 文書で明確化されていなかったため、当該箇所は設計段階からSDファン ネルに接続されたものと推定される。 現在の設計においては、ドレン接続先をプロセス流体のドレン接続先と あわせることを明確にしており、同様な不具合は発生しないものと考えら れる。 (4)1号機 FPCのドレン配管における接続 「(3)1号機 RCIC蒸気管差圧検出配管における接続」と同じ原 因と推定される。 (5)配管の誤接続がこれまで発見できなかった原因 配管の接続については、基本的に建設時や試運転の段階で通水試験や各種 パラメータの測定などを通じて問題がないことを確認している。万一、この 段階での確認が不十分だった場合があったとしても、一般設備であれば供用 期間の段階で、設計で想定していないパラメータの変化などの不適合が発生 するので、正規の接続に是正される。しかしながら、今回の誤接続について は、ドレン配管からファンネルまでの確認が、当該設備を設置以降これまで の間、以下の理由により積極的に行われなかったものと考えている。 1.発電所の運転部門および保全部門は、運転実績を有する現場の状態を 基準に劣化の観点で管理を行っており、ドレンを処理する現場のファ ンネルの接続が誤っているという視線で業務を行っていない。(通常 業務の中では、発見することが困難な不適合である) 。 2.液体放射性廃棄物処理系で処理すべき流体が大量にSDファンネルに 流入したり、SD系の放出時にガンマ核種を検出したりするような事 5 象の発生がなかったことから、SD系の配管の接続が誤っていたこと を発見することがなかった。 3.過去に実施した発電設備の点検調査では、その目的と調査範囲を明確 にして実施(例えば、中越沖地震後の点検調査は、地震を受けた設備 の健全性を確認するために実施しており配管の誤接続は対象外であ った。)しており、今回のSDファンネルの配管誤接続は、調査の中 で誤接続に関する情報は得られなかったため、調査対象外であった。 同様の誤接続は今回の調査により是正されるとともに、上述の対策(設計 管理及び施工管理を適切に運用すること)で新たな誤接続の発生を防止でき ると考える。 9.対策 今回誤接続が確認された4箇所のドレン配管については、使用することが できないような措置を既に講じたが、今後、当該配管を改造し液体放射性廃 棄物処理系のファンネルに接続する。 以 6 上 添付資料 (1)柏崎刈羽原子力発電所 液体放射性廃棄物処理系 (2)調査対象系統一覧表 (3)放射性廃棄物処理配管の接続調査結果 7 系統概略図 非管理区域 管理区域 機器・配管 機器・配管 (3) (3) SD (2) SWSD NSD HCW LCW SWSD SD HSD LCW NSD LCW NSD SWSD サンプ LCWサンプ SWSD SD SWSD SWSD HCW HSD NSD サンプ SD HSD HCW SWSD SD 機器・配管 HCWサンプ SD HSDサンプ SD サンプ *1より *1 HSD 受タンク 8 NSD収集 タンク γ線測定は K6、K7のみ LCW 収集槽 HCW収集 タンク 処理装置 処理装置 LCW サンプル槽 HCW サンプル槽 SWSD サンプ 処理装置 HSD 収集槽 SD:ストームドレン処理系 NSD:非放射性ストームドレン移送系 SWSD:海水ストームドレン移送系 LCW:低電導度廃液系 HCW:高電導度廃液系 HSD:ホットシャワードレン系 復水貯蔵槽へ :ファンネル :トリチウムとガンマ線を測定し放出 プラント余剰水の排出 放水口 :ガンマ線を測定し放出 柏崎刈羽原子力発電所 液体放射性廃棄物処理系 系統概略図(例:管理区域のストームドレンをHSDより排出 K3,K4,K6,K7) 添付資料−1−1 ・ファンネルから下流側は、埋設配管であり、施工完了時に通水確認を実施済み ・サンプから収集タンクまでの間は、移送時におけるサンプの水位レベルの低下 および収集タンク水位レベルの上昇の確認を実施 非管理区域 管理区域 機器・配管 機器・配管 (3) (3) NSD (3) SD SWSD NOD NSD K1のみ DD HCW NSD NSD サンプ SD サンプ SWSD SD CHD OD SWSD CHD OD SWSD SWSD LD DD NOD サンプ (2) SD HSD HCW NOD SD HSD LCW LD SD K1のみ (1) K1およびK5 LCW LD DD SWSD NOD K1およびK5 機器・配管 SWSD サンプ LCW HCW OD HSD DD サンプ LCWサンプ *4より HSDサンプ HCWサンプ CHD SD *1より CHD サンプ SD サンプ 9 *4 *2 LD収集 タンク *2より LCW 収集槽 *1 LCW サンプル槽 復水貯蔵槽へ プラント余剰水の排出 放水口 *2 SD収集 タンク 処理装置 処理装置 OD サンプ (K5のみ) 処理装置 *3へ (K5のみ) SWSD サンプ HSD 受タンク HCW収集 タンク OD収集タンク *3より (K5のみ) *2 処理装置 HSD 収集タンク 処理装置 HCW サンプル槽 HCW 貯留槽 OD サンプルタンク MUWTへ ・ファンネルから下流側は、埋設配管であり、施工完了時に通水確認を実施済み ・サンプから収集タンクまでの間は、移送時におけるサンプの水位レベルの低下 および収集タンク水位レベルの上昇の確認を実施 NOD::非放射性オイルドレン系 LD:洗濯廃液系 DD:除染廃液系 CHD:化学廃液系 :ファンネル :トリチウム及びガンマ線を測定し放 出 :ガンマ線を測定し放出 柏崎刈原子力発電所 液体放射性廃棄物処理系 系統概略図(例:管理区域のストームドレンを直接排出 K1、K2、K5) 添付資料−1−2 SD:ストームドレン処理系 NSD:非放射性ストームドレン移送系 SWSD:海水ストームドレン移送系 LCW:低電導度廃液系 HCW:高電導度廃液系 HSD:ホットシャワードレン系 OD:オイルドレン系 調査対象系統一覧表 柏崎刈羽原子力発電所 放出ラインの 放出実績の 有無 有無 系統名称 設置場所 HCW(高電導廃液系) 管理区域 有 有 分析の 有無 ○ LCW(低電導廃液系) 管理区域 無 無 − HSD(シャワードレン系) 管理区域 有 有 ○ 対象外 1 ● 2 ● 設備設置号機 3 4 5 ● ● ● 6 ● 7 ● 対象外 ● ● ● ● ● ● ● 対象外 ● - ● - ● ● - 調査対象 ※1 対象 (3) (3) (1) ●※2 ●※2 (3) ●※2 ●※2 - 非管理区域 有 有 ×/△ SD(ストームドレン系) 管理区域 有 有 対象 (1) SD(ストームドレン系) 非管理区域 有 有 △/○※2 △ 対象 (3) OD(オイルドレン系) 管理区域 有 無 ○ 対象外 ● NSD(非放射性ストームドレン系) NOD(非放射性オイルドレン系) LD(洗濯廃液系) 非管理区域 無 無 − 管理区域 有 有 ○ 対象外 ※3 対象外 ● ※3 ● (3) (3) ※1 ※1 放水前にNSD収集タンクへ貯 め、分析後排水を行う ※2 ※2 HSDに移送し処理 (3)※1 (3) (3) (1) ●※2 ● (3) ●※2 ●※2 - - - - - - - - - - - ● - - 10 ※4 ※4 ※4 備考 ※2 HSDに移送し処理 OD系へ移送し処理 ※3 調査計画書では「調査対象、③」 と記載したが、OD系へ移送し処理・分 析しているため訂正 ※4 調査計画書では「調査対象、②」 と記載したが、調査の結果ファンネル がなかったことから「−」とした SWSD(海水ストームドレン系) 管理区域 有 有 △ 対象 (2) (2) (2) SWSD(海水ストームドレン系) 非管理区域 有 有 × 対象 (3) (3) (3) (3) (3) (3) (3) 除染廃液系 管理区域 無 無 − 対象外 ● - - - - - - HCW系へ移送し処理 化学廃液系 管理区域 無 無 − 対象外 ● - - - - - - HCW系へ移送し処理 (1):SD系の誤接続調査 管理区域内に設置されているSDファンネルに対し、放射性廃棄物を処理す る配管との誤接続の有無について調査を行う。 (3):更なる水平展開調査 非管理区域に設置されており、トリチウム混入の可能性はないが、今回の 不適合事象に鑑みて、念のため誤接続の有無について調査を行う。 − − (2) 「設備設置号機」の欄 凡例 ●:当該設備あり(調査対象外) −:当該設備なし :調査実施済 添付資料−2 (2):類似系統の誤接続の調査 管理区域内に設置されているSD以外のファンネルに対し、トリチウムの放 出量の評価がなされずにトリチウムを含む水が放出されるような誤接続の 有無について調査を行う。 「分析の有無」の欄 凡例 ○:α線、β線(トリチウム含む)、γ線測定 △:γ線測定 ×:測定なし −:下流側系統で分析有り − 添付資料−3−1 放 射 性 廃 棄 物 処 理 配 管 の 接 続 調 査 結 果 件 名 1号機 格納容器酸素分析計のドレン配管における接続 調査結果の概要 対 策 〔確認された事実〕 ○当該ドレン配管を改造し液体放射性廃棄物処理系のフ ○D/W酸素分析計ドレン配管が、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続されるべきところ、ストームドレン(SD)ファンネルに ァンネルに接続する。 接続されている箇所が1箇所確認された。 ○現在は、サンプリングメーカによる施工図書の作成後 に、プラントメーカ設計者が確認を行うよう改善され 〔推定原因〕 ており、同様な不具合は発生しないものと考えられる。 ○プラントメーカの設計では、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続することとしていたが、当該分析計が設置されたラックの詳 細設計が遅くなってしまい、ラック近傍に液体放射性廃棄物処理系のファンネルが設置されなかった。建設時に、当該分析計の設置工 事を実施するサンプリングメーカが施工図書を作成したが、サンプリングメーカとプラントメーカとの間で十分な調整及び整合性確認 放出放射能量評価 がないまま、施工図書に接続先を近傍のSDファンネルと記載し、そのまま施工されてしまった。 ○トリチウムの放出濃度 ・D/W内雰囲気にはサプレッションプール水が蒸発 したトリチウムを含む湿分が微量に存在するが、今 〔系統概略図〕 回誤接続が確認された配管からはD/Wからサンプ 原子炉格納容器 ルしたガス中の湿分の凝縮水(ドレン)がファンネ ポンプ 冷 ルへ排出される。ドレンの発生量を 210cm3/月と仮 空間部のN 2を吸引 却 定して、SD収集タンクから放出されるトリチウム 器 濃 度 を 保 守 的 に 評 価 し た 結 果 、 濃 度 は 2.4 × 凝縮水 10-3Bq/cm3 と評価され、検出限界値(1.4×10-1Bq/cm3) 3 約210cm /月 発生 空間部のN 2を吸引 未満となった。 脱湿されたN 2が戻る O2 酸素分析計 液体放射性廃棄物処理系 ファンネル ストームドレン ファンネル 今回、排出間違いが確認されたライン 本来、接続すべきであったライン ポンプ ストーム ドレン サンプ ストーム ドレン 収集タンク 高電導度 廃液 サンプ 高電導度 廃液 収集タンク 放水口 廃棄物処理建屋 において廃液処理 ○法令との比較 ・法令で定める周辺監視区域外の水中の濃度限度 (60Bq/cm3)と比較すると、本事例で放出されるト リチウム濃度(2.4×10-3Bq/cm3)は約 20,000 分の1 となる。 外部への影響 ○放出されるトリチウムの濃度は検出限界値未満である ことから、本事例は周辺環境へ影響を与えるものでは ない。 11 添付資料−3−2 放 射 性 廃 棄 物 処 理 配 管 の 接 続 調 査 結 果 件 名 5号機 再生水補給水系(MUWT)のドレン配管における接続 調査結果の概要 対 策 〔確認された事実〕 ○当該ドレン配管を改造し液体放射性廃棄物処理系のフ ○平成12年のアクシデントマネジメント(AM*1)対策工事に伴って追設した再生水補給水系*2のドレン配管がストームドレン(S ァンネルに接続する。 D)ファンネルに接続されている箇所が1箇所確認された。 ○現在の当社の設計管理においては、設計に係る系外放 *1:AMとは、事故発生時、それがシビアアクシデントに拡大するのを防いだり、シビアアクシデントに拡大した場合でも、その影 出の有無を設計レビューにて確認する運用になってい 響を緩和するための措置。 るため、現在の設計では同様の事象は発生しないもの *2:原子炉一次系の水を再生したものでガンマ核種は検出限界以下であるがトリチウムは含まれている。 と考えられる。 放出放射能量評価 〔推定原因〕 ○トリチウムの放出濃度 ○誤接続が確認された箇所の基本設計として、配管計装線図(P&ID)を起こしたプラントメーカは、一般的な認識としてMUWT系 ・平成12年11月1日に施工後の通水確認として当 のドレン配管を液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続するものと認識していたが、詳細設計を行った企業が現場調査した際に、 該ドレン配管にMUWT系の水を流している。ドレ 当該箇所近傍に予定していた液体放射性廃棄物処理系のファンネルがなかったため、近傍にあったSDファンネルに接続することとし ンの全量がMUWT系の水であり且つSDサンプへ た。現場施工をした企業は詳細設計の通りに施工し、SDファンネルに接続することに疑問を持たなかった。 の流入量を 7300cm3(元弁069弁からホースコネク 当社は、MUWT系は基本的にはトリチウム以外の放射性核種は含まれないことや、当時はトリチウムの管理に対する認識が低かった ションまでとドレン配管の体積の2倍)と保守的に ことから、SDファンネルに接続することに疑問を持たなかった。 仮定して、SD収集タンクから放出されるトリチウ ム濃度を評価した結果、濃度は 3.9×10-2Bq/cm3 と評 復水補給水系 〔系統概略図〕 再生水補給水系 価され、検出限界値(1.4×10-1Bq/cm3)未満となった。 (MUWC) (MUWT) 切断 AM工事前 再生水補給水系 AM工事後 (MUWT) ○法令との比較 ・法令で定める周辺監視区域外の水中の濃度限度 (60Bq/cm3)と比較すると、本事例で放出されるトリ チウム濃度(3.9×10-2Bq/cm3)は約 1,000 分の1と なる。 ペネ ホースコネクタ F069 ペネ 切断 F058 F055 ホース (ペデスタルへ 注水時のみ接続) F058 RPVペデスタル 除染用 CRD補修室 除染用 RPVペデスタル AM対策工事 F641 F055 RPVペデスタル 除染用 SDサンプへ RPV:原子炉圧力容器 CRD:制御棒駆動系 :新設箇所 CRD補修室 除染用 外部への影響 ○放出されるトリチウムの濃度は検出限界値未満である ことから、本事例は周辺環境へ影響を与えるものではな い。 12 添付資料−3−3 放 射 性 廃 棄 物 処 理 配 管 の 接 続 調 査 結 果 件名 1号機 原子炉隔離時冷却系(RCIC)蒸気管差圧検出配管における接続 調査結果の概要 対 策 〔確認された事実〕 ○当該ドレン配管を改造し液体放射性廃棄物処理系のフ ○原子炉隔離時冷却系蒸気管差圧検出配管*1のドレン配管が、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続されるべきところ、ストーム ァンネルに接続する。 ドレン(SD)ファンネルに接続されている箇所が1箇所確認された。 ○現在の設計においては、ドレン接続先をプロセス流体 *1:RCICタービンの駆動蒸気の差圧を検出する配管で、検出配管には水位検出器側から純水(MUWP)が充填されている。 のドレン接続先とあわせることを明確にしており、同 様な不具合は発生しないものと考えられる。 〔推定原因〕 ○計器ドレンの排出先は、計測対象のプロセス流体を処理する場合と同じ液体放射性廃棄物処理系へ接続すべきであるが、設計当時はそ の考え方が文書で明確化されていなかったため、当該箇所は設計段階からSDファンネルに接続されたものと推定される。 〔系統概略図〕 プロセス流体(RCIC駆動蒸気)と検出配管 の充填水(純水)は接しているため、プロセス 流体が検出配管内に拡散することが懸念される が、検出配管内の水は静止流体であり接触面積 が極わずかであること且つ検出配管長が長いこ とから、計器点検時にドレンとして排出される 可能性のある計器廻りの水中にプロセス流体は 含まれておらず、排出したドレンは純水と考え られる。 放出放射能量評価 プロセス流体と接している状態 ○トリチウムの放出濃度 ・通常の点検手順においてプロセス流体をSDファン ネルに流すことはないが、SDファンネルに排出す ることが可能な配管構造となっていることから、計 器からのドレンの全量がプロセス流体且つ計器点検 時に排出されるドレン量を 210cm3 と保守的に仮定し て、SD収集タンクから放出されるトリチウム濃度 を評価した結果、濃度は 2.4×10-3Bq/cm3 と評価され、 検出限界値(1.4×10-1Bq/cm3)未満となった。 検出座 検出元弁 計装ラック 入り口弁 計器弁 ○法令との比較 ・法令で定める周辺監視区域外の水中の濃度限度 (60Bq/cm3)と比較すると、本事例で放出されるトリ チウム濃度(2.4×10-3Bq/cm3)は約 20,000 分の1と なる。 DPT 計器点検後のインサービスにあたっては、計器テスト弁か 計器テスト弁 (水抜き、水張り口) ファンネンル入り口弁 外部への影響 ら純水を充填し、プロセス側の母管まで計装配管を逆流さ 液体放射性廃棄物処理系ファンネル せるように水張り操作を行う。 SDファンネル ○トリチウムが仮に放出されたと保守的に評価しても、 その濃度は検出限界値未満であることから、本事例は 周辺環境へ影響を与えるものではない。 →:今回、排出間違いがあったライン →:本来接続すべきであったライン 13 添付資料−3−4 放 射 性 廃 棄 物 処 理 配 管 の 接 続 調 査 結 果 件 名 1号機 燃料プール冷却浄化系(FPC)のドレン配管における接続 調査結果の概要 対 策 ○当該ドレン配管を改造し液体放射性廃棄物処理系のフ 〔確認された事実〕 ァンネルに接続する。 ○燃料プール冷却浄化系(FPC)スキマサージタンク水位計配管のドレン配管が、液体放射性廃棄物処理系のファンネルに接続される ○現在の設計においては、ドレン接続先をプロセス流体 べきところ、ストームドレン(SD)ファンネルに接続されている箇所が1箇所確認された。 のドレン接続先とあわせることを明確にしており、同 様な不具合は発生しないものと考えられる。 〔推定原因〕 ○計器ドレンの排出先は、計測対象のプロセス流体を処理する場合と同じ液体放射性廃棄物処理系へ接続すべきであるが、設計当時はそ の考え方が文書で明確化されていなかったため、当該箇所は設計段階からSDファンネルに接続されたものと推定される。 〔系統概略図〕 使用済燃料プール スキマサージタンク FPCポンプへ 計器テスト弁 MUWP水張り LT021 LT020 液体放射性廃棄物処理系 ファンネル 計装ラック SD FPC系統水 純水充填部 本来接続する配管 プロセス流体(FPC系統水)と検出配 管の充填水(純水)は接しているため、 プロセス流体が検出配管内に拡散するこ とが懸念されるが、検出配管内の水は静 止流体であり接触面積が極わずかである こと且つ検出配管長が長いことから、計 器点検時にドレンとして排出される可能 性のある計器廻りの水中にプロセス流体 は含まれておらず、排出したドレンは純 水と考えられる。 計器点検後のインサービスにあたっては、計器 テスト弁から純水を充填し、プロセス側の母管 まで計装配管を逆流させるように水張り操作 を行う。 放出放射能量評価 ○トリチウムの放出濃度 ・通常の点検手順においてプロセス流体をSDファン ネルに流すことはないが、SDファンネルに排出す ることが可能な配管構造となっていることから、計 器からのドレンの全量がプロセス流体且つ計器点検 時に排出されるドレン量を、370cm3 と保守的に仮定 して、SD収集タンクから放出されるトリチウム濃 度を評価した結果、濃度は 4.2×10−3Bq/cm3と評価 され、検出限界値(1.4×10−1Bq/cm3)未満となった。 ○法令との比較 ・法令で定める周辺監視区域外の水中の濃度限度 (60Bq/cm3)と比較すると、本事例で放出されるトリ チウム濃度(4.2×10−3Bq/cm3)は約 10,000 分の1 となる。 外部への影響 ○トリチウムが仮に放出されたと保守的に評価しても、 その濃度は検出限界値未満であることから、本事例は 周辺環境へ影響を与えるものではない。 14