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プログラム・抄録集(1.69MB - 一般社団法人日本呼吸ケア
第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 プログラム・抄録集 ◆ 会 期 2016 年 5 月 21 日(土) ◆ 会 場 岡山大学医学部 保健学科棟 301 205 204 講義室 〒700-8558 岡山市北区鹿田町 2-5-1 ◆ 会 長 岸本 卓巳 岡山労災病院 副院長 第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 会長挨拶 第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 会長 岸本 卓巳 岡山労災病院 副院長 この度第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会を岡山市 (岡山大学医学部保健学科教室)にて開催させていただきます。 厚生労働省は病診連携や地域医療における包括化など、患者に対する急性期から慢性期まで 切れ目のない医療を目指し、在院日数を減らして在宅医療を中心とした医療体制を確立するよ うな施策を実行しています。この医療体制において、呼吸ケアを多職種で急性期から慢性期にわ たり一貫したチームで対応することは極めて重要であると思います。特に肺癌や COPD などの 呼吸器疾患のみならず、脳・心臓疾患をはじめとする全身疾患において呼吸ケアは重要であり、 チーム医療としての呼吸ケアのニードは大変大きいと感じています。 今回の本学会では超急性期、急性期及び慢性期における呼吸ケアに分けて特別講演、教育講演 及び 2 つのシンポジウムを組み、我々が目指して行くべき方向性の一端を考える時間を持つこ とができればと思い、この道の専門家の先生方に参加いただき、我々と一緒にこれらに対する問 題点と対策等について討論できればと思っております。ひとりでも多くの関係者の皆様方のご 出席をお願い致します。 また、一般演題も 40 題の幅広い出題があり、各論についても熱心な討論がなされると期待し ております。 ランチョンセミナーは呼吸ケア・リハビリテーション分野とは多少異なりますが、環境再生保 全機構のご協力で石綿による肺癌の救済法における認定基準や申請方法等についての説明を本 学会長である岸本卓巳からさせていただく予定としておりますのでご拝聴下さい。 交通案内 岡山駅から ●東口バスターミナル 「5 番乗り場」から「2H」系統の 岡電バス 「大学病院」構内バス停下車 ●東口バスターミナル 「12」 ・ 「22」 ・ 「52」 ・ 「62」・「92」 系統の岡電バス 「大学病院入口」下車 ●タクシーで約 5~10 分 ●路面電車 「清輝橋」行き路面電車で 12 分 「清輝橋」下車西へ徒歩 5~10 分 お車でお越しの方 山陽自動車道 岡山ICで降り、岡山市内方面へ又は、早島 IC を 降り岡山市内方面へ 《駐車場のご案内》 一 般 駐 車 場 入場から 30 分以内 無料 30 分以上 1 時間以内 300 円 1 時間以上 30 分毎に 100 円加算(1 日上限 2,000 円) ※ 駐車場スペースに限りがございますので,お越しの際はできる限り公共交通機関をご利用 くださいますようお願いいたします。 ※ お車でお越しの際は、岡山大学病院の駐車場におとめください。 無料駐車券をお配りしますので、受付でお声がけください。 数に限りがございますので、予めご了承ください。 会場のご案内 会場 : 岡山大学医学部 保健学科棟 301 205 204 講義室 〒700-8558 岡山市北区鹿田町 2-5-1 1F 3F 2F (204 会議室) (205 会議室) WC WC WC EV WC WC 記名台 総合受付 玄関 ホール EV バルコニー 玄 関 PC受付 WC WC WC WC (301 会議室) (201 会議室) (202 会議室) (203 会議室) 参加者へのご案内 1. 参加受付 日 時 : 5 月 21 日(土) 9 時 00 分より受付を開始いたします。 場 所 : 岡山大学医学部 保健学科棟 1F ロビー『総合受付』 参加費 : 2,000 円(学生は参加無料、但し受付にて学生証のご掲示がなければ 有料) ※ プログラムは当日配布する予定ですが、数に限りがありますので、できるだけ各自 ご持参ください。 <ネームカード> 受付時にお渡しするネームカード(兼出席証明書・領収書)に所属・氏名を記名台 にてご記入ください。 (記名台は、1F エレベーター前に設置しております。 ) 会期中は必ずご着用ください。 参加証を着用しておられない方のご入場はお断りいたします。 2. 開催予定 代議員会 時 間 : 9:20~9:50 会 場 : 2F 第 2 会場(205 講義室) 3. クローク クロークは、2F 201 講義室に設置いたします。 4. 企業展示会場 企業展示は、2F 204 講義室に設置しております。 5. 紛失物 忘れ物、落し物は、学会本部(2F 202 講義室)にてお預かりいたします。 6. その他注意事項 会場内での携帯電話のご使用はご遠慮ください。入場の際は電源を切るか、マナー モードの設定をお願いいたします。 会場内でのビデオ・写真撮影はお断りいたします。 館内は禁煙となっております。 会場内での呼び出しは一切行いません。 7. お問い合わせ先 ≪主催事務局≫ 岡山労災病院 実行委員長:藤本 伸一 〒702-8055 岡山市南区築港緑町 1-10-25 TEL:086-262-9166 FAX:086-282-2828 発表者へのご案内 1. 発表時間について 座長の進行のもと、時間厳守をお願いいたします。 一般演題 1 演題 7 分(発表 5 分・質疑応答 2 分) 2. 発表データ受付 場 所 : 1F ロビー 『PC 受付』 時 間 : 9 時 00 分より受付を開始いたします。 ✳ ご発表時間の 1 時間前までにデータ受付、試写をお済ませください。 ✳ 一般演題セッション 1「呼吸リハ・理学療法(Ⅰ) 」10 時 10 分~10 時 45 分にご発 表の方につきましては、30 分前までにデータ受付、試写をお済ませください。 ✳ 受付にて試写は可能ですが、データの修正はできません。 ✳ ファイル名は「演題番号演者名.ppt」としてください。 発表データ持込 ① 発表データは USB メモリに限ります。それ以外のメディアはご遠慮ください。 ② メディアの中には当日ご発表分のデータのみ入れてください。 3. 会場内での待機について 前演者の発表開始と同時に会場内前方の「次演者席」へご着席ください。 4. 発表での利益相反(COI)申告のお願い 地方会における医学研究に関する発表演題での公明性を確保するため、発表者に利益 相反事項に関する申告を行っていただきます。 申告方法は、1)演題登録画面での利益相反事項の入力、2)発表データでの利益相反事 項の開示となります。詳細は学会ホームページ(http://www.jsrcr.jp/)をご確認くださ い。 5. 個人情報保護法に関するお願い 2006 年 4 月より個人情報保護法がご発表に際して適応されております。個人が識別 され得る症例の提示に関しては、ご発表内容について演者が患者のプライバシー保護の 観点から十分な注意を払っていただくようお願いいたします。 6. 発表データ作成について 発表形式 ご発表は PowerPoint によるデジタルプレゼンテーションのみとなります。35mm スラ イドやビデオは使用できませんのでご注意ください。また、発表中のスライド操作に関 しましては演台上にモニター、マウス、レーザーポインタを設置いたしますので、発表 者ご自身により操作をお願いいたします。 PC 環境 事務局では PC を下記環境でご用意いたします。 O S : Windows PowerPoint 2003・2007・2010・2013 ✳ 規定外のバージョンで作成された発表データは、表示に不具合が生じる可能性があ ります。ソフトの問題で生じた不具合につきましては全て自己責任となりますの で、ご了承ください。 作成推奨フォント、文字サイズ 文字化けを防ぐこと及びスライドの見易さを考慮し、下記フォントと文字サイズを推 奨いたします。 フ ォ ン ト : 日本語・・・・・・MS ゴシック/MS P ゴシック/MS 明朝/ MS P 明朝 外国語・・・・・・Century/Century Gothic ※ 文字サイズ : 28 ポイント以上 データの取り扱いについて 各発表者からお預かりした発表データは、事務局の責任において学会終了後に破棄いた します。 ◎座長の先生へのお願い ご担当いただくセッション開始 15 分前までに会場内の「次座長席」にご着席くださ い。運営上、時間厳守でお願いいたします。 ◆単位について 1. 呼吸ケア指導士認定単位取得:出席者 10 単位、発表者 10 単位 2. 3 学会合同呼吸療法認定士資格更新単位取得 a.出席:20 点 b.呼吸療法に直接関連した演題の第 1 演者:20 点 c.呼吸療法に直接関連した演題の共同演者:10 点 d.講師として講義・講演した場合:30 点 3. 日本呼吸器学会呼吸器専門医資格更新単位取得:出席者 2 単位 日程表 時 間 9:00~ 第1会場(301講義室) 第2会場(205講義室) 第3会場(204講義室) 9:00~ 9:20~9:50 受 付 10:00~10:10 開 会 式 10:10~11:10 教育講演Ⅰ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪における理学療法」 座 長: 中西 徳彦、小幡 賢吾 演 者: 神津 玲 代 議 員 会 10:00~16:30 10:10~10:45 「呼吸リハ・理学療法(Ⅰ)」 01~05 座 長 : 濱田 麻紀子 10:45~11:20 機 器 展 示 「呼吸リハ・理学療法(Ⅱ)」 06~10 11:00 11:10~12:00 シンポジウムⅠ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪に対する 呼吸リハビリテーション」 座 長 : 関川 清一 ** 展示ご協賛企業 ** 11:20~11:48 司 会 : 中西 徳彦、小幡 賢吾 「教育と対策」 11~14 シンポジスト : 林野 収成、小田 峻也 花田 真嘉、原 祐樹 座 長 : 木村 啓介 12:10~13:10 ランチョンセミナー 「石綿健康被害救済法による石綿肺癌の 認定について」 12:10~13:10 機器の体験が可能です ぜひお立ち寄りください 共 催 : (独)環境再生保全機構 13:15~13:50 「患者教育・指導」 15~19 13:30~14:30 特別講演 座 長 : 河﨑 雄司 「集中治療における早期リハビリテーション」 13:50~14:32 座 長 : 岸本 卓巳 「酸素療法・人工呼吸管理」 20~25 演 者 : 氏家 良人 座 長 : 広瀬 絵美子 14:40~15:30 教育講演Ⅱ 14:40~15:22 「呼吸ケア・呼吸管理」 26~31 15:00 「慢性期の呼吸管理(NPPVを中心に)」 座 長: 多田 敦彦 座 長 : 國近 尚美、佐藤 雅昭 演 者 : 坪井 知正 15:22~15:50 「COPD」 32~35 15:30~16:50 シンポジウムⅡ 「慢性呼吸器疾患の在宅支援の取り組み」 16:00 15:50~16:25 「喘息・COPD等」 36~40 シンポジスト : 北川 知佳、安東 雅美 座 長 : 谷本 安 16:50~17:00 座 長 : 崎元 直樹 司 会 : 國近 尚美、佐藤 雅昭 橋本 順子 閉 会 式 ミナト医科学株式会社 ランチョンセミナー中継 座 長 : 森 由弘 演 者 : 岸本 卓巳 14:00 有限会社富士機工 株式会社星医療酸器 12:00 13:00 日本メディカルネクスト株式会社 教育講演Ⅰ 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)10:10~11:10 座長 愛媛県立中央病院 中西 徳彦 岡山赤十字病院 小幡 賢吾 「慢性呼吸器疾患の急性増悪における理学療法」 長崎大学大学院医歯薬学総合研究所 神津 玲 シンポジウムⅠ 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)11:10~12:00 司会 愛媛県立中央病院 中西 徳彦 岡山赤十字病院 小幡 賢吾 「慢性呼吸器疾患の急性増悪に対する呼吸リハビリテーション」 シンポジスト KKR 高松病院 林野 収成 三豊総合病院企業団 小田 峻也 倉敷中央病院 花田 真嘉 島根大学医学部附属病院 原 祐樹 ランチョンセミナー 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)12:10~13:10 座長 KKR 高松病院 森 由弘 「石綿健康被害救済法による石綿肺癌の認定について」 岡山労災病院 岸本 卓巳 共催:独立行政法人環境再生保全機構 特別講演 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)13:30~14:30 座長 岡山労災病院 岸本 卓巳 「集中治療における早期リハビリテーション」 川崎医科大学 氏家 良人 教育講演 Ⅱ 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)14:40~15:30 座長 山口赤十字病院 國近 尚美 コープリハビリテーション病院 佐藤 雅昭 「慢性期の呼吸管理(NPPV を中心に)」 国立病院機構南京都病院 坪井 知正 シンポジウムⅡ 5 月 21 日(土)第 1 会場(301 講義室)15:30~16:50 司会 山口赤十字病院 國近 尚美 コープリハビリテーション病院 佐藤 雅昭 「慢性呼吸器疾患の在宅支援の取り組み」 シンポジスト 長崎呼吸器リハビリクリニック 北川 知佳 石川病院 安東 雅美 矢掛町国民健康保険病院 橋本 順子 呼吸リハ・理学療法(Ⅰ) 一般演題 1~5 第 2 会場(10:10~10:45) 座長 濱田 麻紀子(四国がんセンター リハビリテーション科) 01. 当院市中肺炎患者における入院時栄養状態が ADL 能力に及ぼす影響 さぬき市民病院リハビリテーション技術科 1 さぬき市民病院呼吸器内科 2 KKR 高松病院リハビリテーションセンター3 村川 勇一 1、南木 伸基 2、寒川 美由紀 1、堀 竜馬 1、中井 友里恵 1、 名出 美紀 1、宮崎 慎二郎 3 02. ANCA 関連血管炎後 ICU-AD を来たした症例に対する取り組み 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院呼吸器内科 2 萩森 康孝 1、濱田 綾 1、仙波 愛 1、植田 聖也 2 03. 高齢肺炎患者の ADL 能力と入院期間との関係~超高齢社会の総合病院におけ る特色~ 津山第一病院リハビリテーション科 1 津山第一病院呼吸器内科 2 鳥取大学医学部分子制御内科 3 渋谷 諒 1、倉田 和範 1、安部 大昭 1、河崎 雄司 2、3 04. 肺癌周術期患者に対する CONUT 法による術前栄養状態評価の有用性 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院呼吸器外科 2 仙波 愛 1、萩森 康孝 1、濱田 綾 1、沖田 将斗 1、森山 翔太 1、 藤岡 真治 2、蜂須賀 康己 2、魚本 昌志 2 05. 呼吸サポートチームの活動と今後の課題 綜合病院山口赤十字病院リハビリテーション技術課 1 綜合病院山口赤十字病院内科 2 綜合病院山口赤十字病院歯科口腔外科 3 綜合病院山口赤十字病院臨床工学技術課 4 綜合病院山口赤十字病院看護部 5 綜合病院山口赤十字病院歯科衛生士 6 末永 真一郎 1、國近 尚美 2、上村 俊介 3、河野 慎 1、谷村 知明 4、 伊藤 真詞 4、山野井 康 4、加藤 君江 5、弘中 祐介 5、小川 陽子 5、 八坂 潤 6 呼吸リハ・理学療法(Ⅱ) 一般演題 6~10 第 2 会場(10:45~11:20) 座長 関川 清一(広島大学大学院医歯薬保健学研究科生体機能解析制御科学研究室) 06. 肺切除術後に嫌気性代謝閾値レベルの有酸素運動を行い、運動耐容能が改善 した 1 症例 松江赤十字病院リハビリテーション科 1 松江赤十字病院呼吸器外科 2 馬庭 春樹 1、須山 竜二 1、武部 晃平 1、福山 直樹 1、佐々木 順一 1、 宮本 英明 2 07. 呼吸不全患者における運動療法中の Nasal High Flow 併用効果の検討 国立病院機構四国がんセンターリハビリテーション科 1 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 2 国立病院機構愛媛医療センター臨床工学技士 3 濱田 麻紀子 1、阿部 聖裕 2、伊東 亮治 2、渡邉 彰 2、佐藤 千賀 2、 大久保 史恵 2、中村 行宏 2、楠 啓輔 3 08. 高齢誤嚥性肺炎に対する呼吸器リハビリテーションの一例 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター呼吸器内科 1 独立行政法人国立病院機構岩国医療センターリハビリテーション科 2 田中 彰 2、久山 彰一 1、梅野 貴裕 1、道広 博之 2、本田 今日子 2、 梶原 明日美 2、小田 浩之 2、古川 雄貴 2 09. 当院の誤嚥性肺炎クリニカルパス実施患者についての検討 寺沢病院 斎村 玉緒、後藤 廣平、幾原 幹子、原 理沙、堀筋 富士子、 野上 貴盛、松本 幸恵、森 久志、細川 智矢、森上 雄三、 山口 慶子、橋本 晶慶、鶴尾 美穂、寺澤 敏秀 10. 慢性期病棟での肺理学療法~看護師と連携した体位ドレナージ~ コープリハビリテーション病院リハビリテーション科 1 コープリハビリテーション病院看護部 2 コープリハビリテーション病院診療部 3 七條 豊 1、佐藤 雅昭 1、貝原 仁美 2、浜口 典子 2、鍛本真一郎 3 教育と対策 一般演題 11~14 第 2 会場(11:20~11:48) 座長 木村 啓介(三豊総合病院 リハビリテーション科) 11. 急性期病棟における肺炎患者の再入院に関する因子の検討 田野病院リハビリテーション部 森下 誠也 12. 作業療法における呼吸リハビリテーションの卒前教育について 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 1 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 山下 真琴 1、片岡 靖雄 1、出羽 裕太郎 1、曽根 弘喜 1、丸山 康徳 1、 河田 典子 2 13. 当院独自の ADL 評価表の検討-事例を通じて- 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 1 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 出羽 裕太郎 1、曽根 弘喜 1、片岡 靖雄 1、丸山 康徳 1、河田 典子 2 14. 当院中央リハビリテーション部におけるヒヤリ・ハット事例の検討 岡山労災病院中央リハビリテーション部 1 岡山労災病院勤労者呼吸器病センター2 萬田 修久 1、岸本 卓巳 2 患者教育・指導 一般演題 15~19 第 2 会場(13:15~13:50) 座長 河﨑 雄司(津山第一病院 呼吸器内科) 15. 吸入補助具の工夫と作業療法により吸入使用が可能となった高齢患者の 1 例 下関市立豊田中央病院看護部 1 下関市立豊田中央病院リハビリテーション部 2 築地 純子 1、増田 準 2 16. 在宅酸素療法患者の急性増悪を早期発見するには-開業医の取り組み- 伊勢丘内科クリニック 1 独立行政法人南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 高尾 和志 1、谷本 安 2 17. 当院気管支喘息専門外来でのチーム医療による取組み 国立病院機構南岡山医療センター薬剤部 1 国立病院機構南岡山医療センター看護部 2 国立病院機構南岡山医療センター臨床検査科 3 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 4 児玉 沙織 1、黒岡 昌代 2、高松 泉 3、小山 朋子 1、田村 浩二 1、 木村 五郎 4、谷本 安 4、宗田 良 4 18. 呼吸器教室における災害に対するアンケート 寺沢病院 野上 貴盛、細川 智矢、森 久志、後藤 廣平、森岡 隆子、斎村 玉緒、 鶴尾 美穂、寺澤 敏秀 19. 病薬連携による吸入指導・吸入確認 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 1 みなら薬局 2 伊東 亮治 1、大久保 史恵 1、中村 行宏 1、佐藤 千賀 1、渡邉 彰 1、 阿部 聖裕 1、堀尾 郁夫 2、三好 佐保里 2、瀬野 剛 2、山田 陽子 2 酸素療法・人工呼吸管理 一般演題 20~25 第 2 会場(13:50~14:32) 座長 広瀬 絵美子(KKR 高松病院 看護部) 20. メラソフィト O2 アダプタを使用して 原田訪問看護センター 原田 さをり、原田 典子 21. 横押しタイプの携帯酸素ボンベカードの製作 吉備高原医療リハビリテーションセンター研究情報部 1 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 2 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 3 木下 勝令 1、谷本 義雄 1、森川 竜也 2、出羽 裕太郎 2、河田 典子 3 22. NPPV 装着中患者の口腔ケア方法についての取り組み KKR 高松病院看護部 1 KKR 高松病院リハビリテーションセンター2 KKR 高松病院呼吸器内科 3 植田 法子 1、松田 由美香 1、山本 真希 1、中西 健二 1、内海 由加里 1、 見山 千代 1、宮武 ちえ 1、石川 淳 2、市川 裕久 3 23. 胸膜中皮腫患者の終末期リハビリを経験して 岡山労災病院中央リハビリテーション部 1 岡山労災病院副院長 2 岡山労災病院腫瘍内科 3 岡山労災病院がんサポートチーム 4 中野 勝仁 1、岸本 卓巳 2、藤本 伸一 3、武田 正則 1、江口 彰 1、 山本 博道 4、大月 健郎 4、加藤 恵子 4、中川 淳子 4、原 桂子 4、 坂井 淳恵 4、新谷 雅美 4、福島 由江 4、岡本 知久 4、内田 邦子 4 24. 当院における呼吸ケアの現状と今後の展望 中島病院看護科 1 中島病院リハビリ科 2 田渕 香菜 1、井上 祐子 1、赤松 久恵 2 25. 当院におけるネーザルハイフロー使用例の検討 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 渡邉 彰、中村 行宏、大久保 史恵、佐藤 千賀、伊東 亮治、阿部 聖裕 呼吸ケア・呼吸管理 一般演題 26~31 第 2 会場(14:40~15:22) 座長 多田 敦彦(府中市民病院 呼吸器内科) 26. 集中治療室での呼吸ケアチームの活動(理学療法士の立場から) 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院救急看護認定看護師 2 松山市民病院臨床工学室 3 松山市民病院呼吸器外科 4 濱田 綾 1、萩森 康孝 1、冨岡 久美子 2、岡山 潤 3、魚本 昌志 4、 蜂須賀 康己 4、藤岡 真治 4 27. 慢性期病棟における RST の現状と課題 第 2 報 金田病院看護部 1 金田病院臨床工学室 2 金田病院内科 3 中西 直子 1、大嶋 勝 2、鎌尾 高行 3 28. 呼吸ケアサポートチームへの臨床工学技士の関わり 金田病院臨床工学室 1 金田病院内科 2 金田病院看護部 3 大嶋 勝 1、鎌尾 高行 2、中西 直子 3 29. 当院における呼吸ケアサポートチームの活動成果と課題 国立病院機構岩国医療センター救命救急 ICU1 国立病院機構岩国医療センター2 吉村 一徳 1、久山 彰一 2、難波 研二 2、能島 大輔 2、梅野 貴裕 2、 本田 今日子 2、吉本 晃子 2 30 重症の ARDS に対して腹臥位療法により人工呼吸器離脱,救命できた一例 国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器内科 1 国立病院機構山口宇部医療センターリハビリテーション科 2 国立病院機構山口宇部医療センター画像診断科 3 村田 順之 1、坂本 健次 1、瀬分 慎二 2、中尾 淳一 2、松本 常男 3 31. 終末期の COPD 患者の自宅退院へ向けた多職種の関わり KKR 高松病院看護部 1 KKR 高松病院臨床工学部 2 KKR 高松病院リハビリテーションセンター3 KKR 高松病院呼吸器内科 4 橘 修司 1、内海 由加里 1、広瀬 絵美子 1、船田 幸奈 1、山本 晃市 2、 北山 奈緒美 3、宮崎 慎二郎 3、市川 裕久 4、荒川 祐佳子 4、森 由弘 4 COPD 一般演題 32~35 第 2 会場(15:22~15:50) 座長 崎元 直樹(市立三次中央病院 リハビリテーション科) 32. GOLD2011 分類における COPD 患者特性の比較 KKR 高松病院リハビリテーションセンター1 KKR 高松病院呼吸器科 2 宮崎 慎二郎 1、片岡 弘明 1、石川 淳 1、北山 奈緒美 1、林野 収成 1、 市川 裕久 2、荒川 裕佳子 2、森 由弘 2 33. 慢性閉塞性肺疾患を繰り返し複数回入転院した患者経験 岡山赤十字病院リハビリテーション科 1 岡山赤十字病院呼吸器内科 2 藤井 南花 1、小幡 賢吾 1、西本 めぐみ 1、原 尚史 2、深松 伸明 2、 中西 将元 2、尾形 佳子 2、細川 忍 2、佐久川 亮 2、別所 昭宏 2 34. 倉敷市での慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策第 1 報―スクリーニング調査― 倉敷第一病院リハビリテーション課 1 公益財団法人みずしま財団 2 水島協同病院診療部 3 藤原 耕三 1、藤原 園子 2、里見 和彦 3 35. 倉敷市での慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策第 2 報―認知度調査― 倉敷第一病院リハビリテーション課 1 公益財団法人みずしま財団 2 水島協同病院診療部 3 藤原 耕三 1、藤原 園子 2、里見 和彦 3 喘息・COPD 等 一般演題 36~40 第 2 会場(15:50~16:25) 座長 谷本 安(国立病院機構南岡山医療センター 内科) 36. 呼気 NO 導入後の気管支喘息患者の診断法についての検討 愛媛県立中央病院呼吸器内科 1 愛媛県立中央病院生理検査室 2 中西 徳彦 1、大塚 康弘 2、小林 知子 2、高石 修 2、森 いづみ 2、 近藤 晴香 1、佐伯 和彦 1、橘 さやか 1、塩尻 正明 1、井上 考司 1、 森高 智典 1 37. COPD 患者でのチオトロピウムからグリコピロニウムへの切り替えにおい ての臨床的検討 KKR 高松病院呼吸器内科 1 KKR 高松病院呼吸ケアサポートチーム 2 市川 裕久 1、広瀬 絵美子 2、山本 晃市 2、石川 淳 2、片岡 弘明 2、 宮崎 慎二郎 2、荒川 裕佳子 2、森 由弘 2 38. 瀉血と在宅酸素療法が病態の改善に有効であった慢性閉塞性肺疾患に続発し た二次性多血症の一例 国立病院機構岩国医療センター呼吸器内科 能島 大輔、梅野 貴裕、工藤 健一郎、久山 彰一 39. COPD 患者における mMRC と呼吸機能の関連 高松市民病院呼吸器内科 1 高松市民病院呼吸器外科 2 岸本 伸人 1、大黒 由加里 1、河野 洋二 1、加藤 歩 2、三崎 伯幸 2 40. 慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者の息切れと労作時換気の関連について 国立病院機構岡山医療センター 安川 達哉、西崎 真里、大松 佑也、下岡 久美香、廣川 晴美 特別講演・教育講演・シンポジウム ランチョンセミナー 抄録 特別講演 「集中治療における早期リハビリテーション」 川崎医科大学 氏家 良人 最近の集中治療における話題に Post Intensive Care Syndrome (PICS)があげられ る。ICU 入室中に起こった筋力低下(ICU acquired muscle weakness ; ICU-AW) 、認 知機能障害、せん妄などが ICU 退室以降も続き、社会復帰が遅れ、経済的にも困窮 し、家族にうつ病なども多くなると言う状態である。 PICS の解決策として、ICU における適切な鎮痛、鎮静や早期リハビリテーションが 期待されている。2012 年に米国集中治療医学会(SCCM)が発表した PAD ガイドライ ンにはせん妄の予防に早期リハビリテーションの有効性が記載されており、ABSDEs バ ンドルの E は early rehabilitation/ mobilization である。いくつかの論文で早期リハビ リテーションの安全性が報告されているが、適応、開始基準、進め方、中止基準など、 我が国の現状を考慮して検討しなければならないことが多々ある。 本講演では、ICU における早期リハビリテーションへの期待と解決すべき点について 述べたい。 教育講演Ⅰ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪における理学療法」 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科内部障害リハビリテーション学 長崎大学病院リハビリテーション部 神津 玲 慢性呼吸器疾患の急性増悪とは、 「安定状態にある呼吸器疾患が、何らかの誘因によ って急激に悪化し、治療の追加および変更を要した状態」である。COPD の急性増悪が代 表であるが、すべての慢性呼吸器疾患で生じうる重要なイベントである。急性増悪は症 状の増悪のみならず、患者の日常生活活動(ADL)および生活の質(QOL)の低下、入院 による生活の分断、生命予後の悪化など、そのインパクトは重大で計り知れない。した がって、急性増悪の予防および早期改善は、本患者群における治療と管理の主要な位置 を占めている。 その治療目標は、可及的速やかな患者毎の「平常状態の達成」であり、呼吸機能の正 常状態、すなわち「生理学的正常値」を目指すものではないということは、大きな特徴 である。具体的な治療目標は、基礎疾患や増悪の原因(誘因)、重症度によって異なる が、その基本は誘因の同定、薬物療法、呼吸管理(酸素療法および換気補助)によって 可及的速やかに安定期の呼吸状態に復することである。理学療法は急性増悪発生の急性 期から回復期まで、呼吸管理と呼吸リハビリテーションとしての役割を担うが、急性増 悪をきたした早期から「予防的」に介入する必要がある。本患者群は、高齢者、基礎疾 患の進行例、重症例が多いため、急速に各種合併症や様々な悪循環を形成しやすく、治 療に長期間を要することも少なくない。その間に患者の運動機能や ADL は容易に低下す る。予防的早期介入から回復後の呼吸リハビリテーションへの円滑な移行、すなわち理 学療法の連続性と一貫性をいかに意識し、進めるかが、本患者群の理学療法の重要なポ イントとなる。 本講演では、慢性呼吸器疾患の急性増悪における理学療法の位置づけや意義、手段な らびにその実際について、COPD および間質性肺疾患を代表に解説させていただく予定で ある。 シンポジウムⅠ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪に対する呼吸リハビリテーション」 KKR 高松病院 リハビリテーションセンター 林野 収成 症例は、肺結核後遺症を既往にもち、肺炎による入院時に COPD と診断された 90 代 男性である。以前からデイサービスにて労作時に低酸素血症および呼吸困難を認めてい たが COPD は未治療であった。今回の入院を機に、COPD に対する包括的な呼吸リハビ リテーションが実施でき、その結果入院(急性増悪)前に比べ労作時の低酸素血症および 呼吸困難改善に繋がり、運動耐容能および身体活動量の向上が図れた。COPD は筋力お よび身体活動量の低下を来たすとされており、身体活動量の低下は急性増悪および生命 予後に関連するリスク因子であるとの報告がなされている。したがって、COPD を発見 し適切な呼吸リハビリテーション介入を行い、より高い身体活動性を維持していくこと は非常に重要になると思われる。 シンポジウムⅠ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪に対する呼吸リハビリテーション -COPD-」 三豊総合病院企業団 リハビリテーション科 小田 峻也 当院の COPD 急性増悪により人工呼吸器管理となる患者は、入院前から在宅酸素療法 (以下 HOT)を導入していることが多い(過去 2 年間にて 7/9 例) 。症例は 89 歳男性農 業従事者。既往歴に COPD があり、急性増悪 4 ヶ月前から HOT 導入されていた。HOT 導入時、運動耐容能は 6 分間歩行距離 360m(予測値 400m)と比較的良好。今回、過活 動により心不全を合併し、Ⅱ型呼吸不全となり NPPV 管理となった。入院時の左室収縮 機能が EF:19%と低下しており、低酸素血症に注意しながら運動療法を進めていった。当 院では初回 HOT 導入症例には 1 か月間の退院後訪問指導を実施している。自宅生活場 面での指導や急性増悪時のセルフチェック方法を習得させることが重要だと考えられ た。 シンポジウムⅠ 「当院における間質性肺炎患者の急性増悪に対する呼吸リハビリ テーションの現状」 倉敷中央病院 リハビリテーション部 1 倉敷中央病院 呼吸器内科 2 花田 真嘉 1、継田 晃平 1、綾井 清香 1、永田 幸生 1、 有田 真知子 2、伊藤 有平 2 当院は、岡山県西部の地域基幹病院として呼吸器疾患患者に対し急性期呼吸リハビ リテーションを提供している。主科からの直接処方にて早期から開始し、リスク管理 のもと実施している。間質性肺炎患者急性増悪後のリハビリテーション実施状況につ いては、治療期間 22.1±13.8 日、初回介入日 5.3±3.6 日である。主なプログラム内 容は、入院中から身体活動量の維持・向上に努めるとともに、状態に応じてマシント レーニングなどの積極的な運動療法を実施している。また、難渋症例にはベッド上で のサイクルマシンを使った運動療法を行い、必要時には主治医の指示のもと労作時の 酸素化の評価を行っている。ADL 指導は、パンフレットと実際の評価で実施してい る。また、当院にとどまらず、関連医療機関・在宅を含めた多施設間地域連携につい ても紹介する。 シンポジウムⅠ 「慢性呼吸器疾患の急性増悪に対する呼吸リハビリテーション 〜間質性肺炎症例をもとに〜」 島根大学医学部附属病院 リハビリテーション部 原 祐樹 近年、間質性肺炎(Interstitial Pneumonia 以下 IP)に対する外来フォローアップ での呼吸リハビリテーションについての有効性が示され、運動耐容能、健康関連 QOL、呼吸困難の改善が報告されている。しかし、IP は疾患タイプによって進行も異 なり、また急性増悪期には疾患の進行に拍車がかかり、呼吸困難感・苦痛等によりリハ ビリテーション介入、効果の維持が困難な症例も少なくない。今回、当院の IP 急性増 悪患者の傾向から IP 急性増悪期の呼吸リハビリテーションのあり方について考察し報 告する。 教育講演Ⅱ 「慢性期の呼吸管理(NPPV を中心に) 」 国立病院機構南京都病院 坪井 知正 慢性呼吸不全症例に対する長期の呼吸管理は、主として酸素療法のみであったところ へ、約 25 年前にマスクを用いた人工呼吸(NPPV)が登場し枠組みが大きく変更され た。特に高二酸化炭素血症を有する肺結核後遺症、筋ジスや ALS を中心とした神経筋疾 患、一部の COPD に対して、在宅の長期 NPPV は有効に機能し、血液ガスのみならず生命 予後と QOL が改善した。その後、数年前から高流量系の酸素療法であるネーザルハイフ ローが開発され ICU 等で用いられ良好な成績をあげ、最近では在宅療法としての可能性 が探られている。おそらく将来的には、酸素療法と NPPV の中間的位置づけがなされて いくものと思われる。 シンポジウムⅡ 「慢性呼吸器疾患の在宅支援の取り組み」理学療法士の立場から 考える 長崎呼吸器リハビリクリニック 北川 知佳 慢性呼吸器疾患患者は肺炎などによる急性増悪や、呼吸困難の悪化、栄養状態の低下 などで容易に日常生活活動が低下する。慢性呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーショ ンの目標は、感染増悪を予防し、できるだけ長く在宅生活を過ごすことができること、 また呼吸困難などの呼吸器症状で日常生活活動が制限されている場合が多いので、それ らをコントロールし、できるだけ楽に生活してもらうことである。そのためには在宅に おける呼吸困難など自覚症の改善、運動耐容能(活動量)の向上、家族を含めた自己管 理能力の向上、急性増悪の予防が重要になる。 当院は 19 床の有床診療所で、入院、外来、通所、訪問にて呼吸リハビリテーション を行っている。当院における在宅支援の取り組みを紹介し、理学療法の立場から報告し たい。 シンポジウムⅡ 「慢性呼吸器疾患の在宅支援の取り組み」チームマネージメント の役割 石川病院 安東 雅美 慢性呼吸器疾患を抱える患者の多くは、複数の合併症を持つ高齢者である。その患者は 急性増悪を繰り返す度に、治療中の安静、低栄養、ステロイド投与などで、更に筋力低下、 「息苦しさ」の増長という負のスパイラルに陥ってしまう。また、急性増悪の引き金に、 個々の持つ背景や症状コントロールのコツが隠されている。療養病棟で呼吸療法認定士 として活動を行い、10 年目が経過した。現在、所属病棟だけでなく、外来診療にも関わ っている。入院から在宅までを看る事で、チーム医療の大切さを感じる。在宅までの支援 活動の事例を通じて紹介する事で、様々な病院に所属される呼吸療法認定士の方とチー ムマネージメントについて意見交換したい。 シンポジウムⅡ 「慢性呼吸器疾患の在宅支援の取り組み」呼吸器疾患症例への管 理栄養士による当院での介入の現状 矢掛町国民健康保険病院 橋本 順子 当院は人口約1万 5 千人、高齢化率 36.5%の矢掛町にある町内唯一の公的病院で、日 本呼吸器学会関連施設認定、栄養サポートチームを有し、2 名の管理栄養士で多職種と連 携し診療している。入院患者の約 8 割は 75 歳以上の高齢者で、2015 年の NST 介入症例 のうち、呼吸器疾患症例は 70 例(全介入例の 23.9%)で、肺炎 53 例、COPD7 例(HOT3 例)であった。平均年齢 85.8 歳、男女比 32/38、平均 BMI17.0、平均%IBW77.3%(% IBW<80 は 44 例)であった。いずれも経口摂取量の低下で慢性的なエネルギー不足を来 しており、効率の良い栄養摂取を目的に食事調整と退院後も継続可能な食事指導をして いる。在宅復帰支援を含む地域医療を担う立場から、管理栄養士の役割について当院の現 状を報告する。 ランチョンセミナー 「石綿健康被害救済法による石綿肺癌の認定について」 岡山労災病院 内科 岸本 卓巳 共催:独立行政法人環境再生保全機構 石綿健康被害救済法は環境省所管で、職業性石綿ばく露歴が明らかでない日本国民が 良性石綿胸水以外の石綿肺、びまん性胸膜肥厚、中皮腫、肺癌に罹患した際に治療等に必 要な費用の一部を給付する法律である。肺癌は年間 7 万人以上の日本国民が死亡してい る日本で最も頻度の高い悪性腫瘍である。平成 17 年に兵庫県尼崎市においてその一部患 者で職業性石綿ばく露以外によって発生していることが明らかとなって以降、一定の要 件を満たした場合には救済されるようになっている。 一定の要件とは以下の如くである。 石綿健康被害救済法における石綿肺癌認定基準(平成 25 年 6 月改正) 肺癌発生を 2 倍にする石綿ばく露量(25 石綿繊維/ml×年) 原発性肺癌と確定診断され、以下の 1 項目を満たす 1)胸部レントゲンあるいは CT 上胸膜プラークが存在し、かつ胸部レントゲン上、 じん肺法に定められる第 1 型以上の不整形影があるか胸部 CT 上肺の線維化病変が ある 2)肺乾燥重量 1gあたり、5,000 本以上の石綿小体、200 万本以上(5μm 以上) または 500 万本(1μm 以上)の石綿繊維が認められる または、気管支肺胞洗浄液 1ml 当たり 5 本以上の石綿小体が認められる 3)胸部レントゲンで胸膜プラークを認めるか又は胸部 CT 上で片側胸郭の 4 分の 1 以上の胸膜プラークを認める場合 4)肺組織切片中に石綿小体を認める場合 本セミナーでは石綿健康被害救済法による石綿肺癌の診断とその申請方法等について 解説する。 一般演題 抄録 01 当院市中肺炎患者における入院時栄養状態が ADL 能力に及ぼす影響 さぬき市民病院リハビリテーション技術科 1 さぬき市民病院呼吸器内科 2 KKR 高松病院リハビリテーションセンター3 村川 勇一 1、南木 伸基 2、寒川 美由紀 1、堀 名出 美紀 1、宮崎 慎二郎 3 竜馬 1、中井 友里恵 1、 【はじめに】今回、当院における市中肺炎患者の入院時栄養状態が ADL 能力に及ぼす 影響を検討した。 【対象と方法】対象は、市中肺炎の診断により入院及び呼吸リハ開始となりデータ収集 が可能であった 51 名とした。調査項目は、ADL 能力として退院時 BI、栄養状態として 入院時の体重、BMI、Hb、TP、Alb、経口・経腸栄養開始日数、GNRI、CONUT をカ ルテより後方視的に抽出した。 【結果】体重、Alb、TP、経口・経腸栄養開始日数、GNRI、CONUT は退院時 BI と有 意な相関関係を認めた。 【考察】早期より栄養状態を適切に判断してリスク管理及び呼吸リハを実施することが ADL 能力を改善する可能性が示唆された。 02 ANCA 関連血管炎後 ICU-AD を来たした症例に対する取り組み 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院呼吸器内科 2 萩森 康孝 1、濱田 綾 1、仙波 愛 1、植田 聖也 2 【はじめに】長期人工呼吸器や重症疾患に対する ICU 管理は、せん妄を誘発する事が多 く、ICU 退室後や退院後の患者の認知機能障害や抑うつ、重症例では PTSD を引き起こ す原因となり、精神的 QOL を低下させることが明らかになっている。 【症例紹介】74 歳・女性。平成 27 年 10 月 10 日;ANCA 関連血管炎による肺胞出血に て経口挿管で人工呼吸器管理。挿管後,体動激しくドルミカムにて鎮静。27 日;PT 呼吸 リハ開始。28 日;低活動型せん妄発症。11 月 5 日;抜管後 NPPV 管理。6 日;ST 介入し経 口摂食開始。9 日;OT 開始。25 日;自宅退院となる。退院前まで、認知機能低下、高次脳 機能障害を認めた症例の経過と当院での取り組みを紹介する。 03 高齢肺炎患者の ADL 能力と入院期間との関係~超高齢社会の総合病院 における特色~ 津山第一病院リハビリテーション科 1 津山第一病院呼吸器内科 2 鳥取大学医学部分子制御内科 3 渋谷 諒 1、倉田 和範 1、安部 大昭 1、河﨑 雄司 2、3 【目的】高齢者の肺炎は身体機能の低下を招きやすく、入院期間が長期化すると報告さ れている。当院における肺炎患者の患者因子および ADL 能力と入院期間の関係を調査 した。 【対象と方法】2013 年 1 月~2015 年 12 月の 3 年間に自宅で肺炎を発症し当院呼吸器 内科に入院した 33 例。カルテより情報を抽出し、入院期間と比較を行った。 【結果】入院前・退院前の起居動作の可否および排泄能力と入院期間との間に関連を認 めた。 【考察】起居動作や排泄動作は、日常のセルフケアや活動を行うためには重要な動作で あり、介護負担に影響を与えるとされている。よって、この二つの動作が可能となるこ とで入院期間の短縮を図れ、自宅に退院しやすくなったと考えられる。 04 肺癌周術期患者に対する CONUT 法による術前栄養状態評価の有用性 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院呼吸器外科 2 仙波 愛 1、萩森 康孝 1、濱田 綾 1、沖田 将斗 1、森山 翔太 1、 藤岡 真治 2、蜂須賀 康己 2、魚本 昌志 2 【目的】肺癌における周術期の低栄養は、術後合併症や創傷治癒遷延、在院日数延長な どを引き起こす事が知られている。栄養評価には様々な尺度があるが、CONUT (controlling nutritional status)法は簡便な評価法であり、主観的包括的アセスメント (SGA)との相関も報告されている。 【対象・方法】対象は、平成 26 年 4 月から平成 27 年 12 月で、肺癌の診断で肺切除術 を施行した 53 例である。栄養評価は,CONUT 法を使用し、術前・術後因子との相関関 係を調査した。統計処理は、スピアマン順位相関関係数検定を用いた。 【結果】術前 6 分間歩行距離、術前 BI(barthel index)値、退院時 BI 値に有意な相関関 係を認めた。 【考察】術前の栄養評価は、効果的な周術期理学療法を行う上で、重要である事が示唆 された。 05 呼吸サポートチームの活動と今後の課題 綜合病院山口赤十字病院リハビリテーション技術課 1 綜合病院山口赤十字病院内科 2 綜合病院山口赤十字病院歯科口腔外科 3 綜合病院山口赤十字病院臨床工学技術課 4 綜合病院山口赤十字病院看護部 5 綜合病院山口赤十字病院歯科衛生士 6 末永 真一郎 1、國近 尚美 2、上村 俊介 3、河野 慎 1、谷村 知明 4、 伊藤 真詞 4、山野井 康 4、加藤 君江 5、弘中 祐介 5、小川 陽子 5、八坂 潤 6 【はじめに】当院では、2015 年 3 月に呼吸サポートチーム(以下、RST)を立ち上げ た。他職種でチームを構成し、週 1 回のラウンドを実施している。 【目的】ラウンド実績を分析し今後の課題を検討する。 【方法】2015 年 3 月~2016 年 1 月に人工呼吸器装着患者を対象とし、ラウンドを実施 した 55 例の転帰、ラウンド時の指摘した情報 111 例を分類、後ろ向き研究にて調査し た。 【結果】55 例中人工呼吸器離脱は 32 例、離脱患者の内リハビリ介入は 17 例。指摘し た情報 111 例中、リハビリ関連 22 例、口腔関連 18 例、呼吸器時間・離脱に関連 11 例 であった。 【結語】呼吸サポートチームの活動と今後の課題について若干の文献的考察を加えて報 告する。 06 肺切除術後に嫌気性代謝閾値レベルの有酸素運動を行い、運動耐容能が改 善した 1 症例 松江赤十字病院リハビリテーション科 1 松江赤十字病院呼吸器外科 2 馬庭 春樹 1、須山 竜二 1、武部 晃平 1、福山 直樹 1、佐々木 順一 1、 宮本 英明 2 【目的】肺切除術後症例に嫌気性代謝閾値 (AT) レベルの有酸素運動を行い、運動耐容 能の変化を検討した。 【症例】60 代女性。肺腺癌にて胸腔鏡下左下葉部分切除術が施行された。既往歴:高血 圧、喘息、脂質異常症。BMI:29.7 kg/m²。ADL 自立。%肺活量:106.8%。1 秒率: 72.2%。 【方法】術後 25 日目に心肺運動負荷試験 (CPX) を実施した。AT レベルの有酸素運 動を指導し、自主練習を継続した。術後 90 日目に再度 CPX を実施し、結果を比較し た。 【結果】最大酸素摂取量は 2.6 ml/min/kg 増加した。二酸化炭素換気当量は 2.9 減少 した。 【結語】肺切除術後症例に AT レベルの有酸素運動を継続したところ、運動耐容能が改 善した。 07 呼吸不全患者における運動療法中の Nasal High Flow 併用効果の検討 国立病院機構四国がんセンターリハビリテーション科 1 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 2 国立病院機構愛媛医療センター臨床工学技士 3 濱田 麻紀子 1、阿部 聖裕 2、伊東 亮治 2、渡邉 彰 2、佐藤 千賀 2、 大久保 史恵 2、中村 行宏 2、楠 啓輔 3 【はじめに】Nasal High Flow(NHF)と運動療法の併用効果を検討したので報告す る。 【対象】肺結核後遺症(76 歳、男性)と間質性肺炎(74 歳、男性)の各1例。 【方法】A:標準的酸素療法併用と B:NHF(AIRVOTM2:FiO2 は A 法と同濃度に設 定)併用で、エルゴメーターによる漸増運動負荷(1 分毎に 5w ずつ漸増)を、所定の 運動負荷中止基準まで各 4 回実施した。観察項目は、SpO 2 、PR、呼吸困難感、下肢筋 疲労、運動持続時間、運動中止因子とした。 【結果】平均運動持続時間は、Old Tb 症例で A 法:248.8 秒、B 法:293.5 秒、IP 症 例で A 法:420.5 秒、B 法:475.5 秒と B 法で良好な結果を示し、SpO 2 、呼吸困難感、 下肢筋疲労も同様の結果を示した。 【結語】呼吸不全患者に NHF を併用する事で、より長時間・高強度負荷の運動療法が 実施できる可能性が示唆された。 08 高齢誤嚥性肺炎に対する呼吸器リハビリテーションの一例 国立病院機構岩国医療センター呼吸器内科 1 国立病院機構岩国医療センターリハビリテーション科 2 田中 彰 2、久山 彰一 1、梅野 貴裕 1、道広 博之 2、本田 今日子 2、 梶原 明日美 2、小田 浩之 2、古川 雄貴 2 【症例】83 歳男性。 【主訴】呼吸困難。 【既往歴】慢性心不全、アルコール依存症。 【現病歴】誤嚥性肺炎による呼吸不全。 【経過】入院前の不活動に加え、入院後 2 週間の臥床により廃用症候群が進行。リハビ リテーション(以下リハ)開始時、鼻カヌラ 2L/分投与されていたが労作時の呼吸困難 あり、起居動作は要介助、歩行困難、Barthel Index(以下 BI) 0/100 点。 【結果】呼吸器リハ、動作反復練習、歩行練習を施行し呼吸困難が軽減した。杖歩行 40m 程度、BI 55/100 点、動作全般は監視下遂行レベルまで改善。家族の協力と社会資 源の活用により自宅退院可能となった。 【考察】長期臥床により ADL 低下をきたしたが介入効果は得られた。リハ開始時期の 検討が必要と認識した。 09 当院の誤嚥性肺炎クリニカルパス実施患者についての検討 寺沢病院 斎村 玉緒、後藤 廣平、幾原 幹子、原 理沙、堀筋 富士子、野上 貴盛、 松本 幸恵、森 久志、細川 智矢、森上 雄三、山口 慶子、橋本 晶慶、 鶴尾 美穂、寺澤 敏秀 【はじめに】当院では呼吸リハビリチームで誤嚥性肺炎クリニカルパス(CP)を 作成、実施をしたので、1 年間の結果を検討した。 【対象】2015 年 1 月~2016 年 2 月に当院入院中に CP を使用した 51 名の患者。 【方法】血液検査、症状、胸部 XP 等からゴールを設定し、ゴール到達期間が、10 日未 満を A 群、10 日以上を B 群として、各々の原疾患、転帰、栄養状態、抗生剤使用期 間、禁食期間等について比較、検討した。 【結果】A 群は、抗生剤使用期間、禁食期間が B 群より有意に短く、血清 ALB 値は有 意に高かった。 10 慢性期病棟での肺理学療法~看護師と連携した体位ドレナージ~ コープリハビリテーション病院リハビリテーション科 1 コープリハビリテーション病院看護部 2 コープリハビリテーション病院診療部 3 七條 豊 1、佐藤 雅昭 1、貝原 仁美 2、浜口 典子 2、鍛本 真一郎 3 【背景】当院では以前より看護師と共通シートを活用し、吸入・スクイージング・吸引 の一連の流れをルーチン化し、呼吸器症状の増悪を予防してきた。今回、新たに前傾側 臥位での体位ドレナージを導入し、その効果を検証したので報告する。 【方法】対象は ADL 全介助で気道分泌物が多い患者。前傾側臥位の実施前後の発熱頻 度と観察結果等の病棟職員アンケートを行った。 【結果】前傾側臥位の実施後で発熱頻度が低下し、アンケートで気道分泌物の吸引業務 が軽減していた。 【考察】前傾側臥位の導入で看護師にも呼吸器症状の改善がフィードバックされたこと で、病棟業務ルーチン化にも至ったと考える。 11 急性期病棟における肺炎患者の再入院に関する因子の検討 田野病院リハビリテーション部 森下 誠也 【はじめに】今回当院の肺炎患者における再入院の要因を検討した。 【対象】平成 26 年 4 月~12 月までに肺炎で急性病棟に入院しリハビリを行ない退院と なった患者 54 名。年齢 86.43±7.91 歳。 【方法】①対象を再入院群と単発群に分け、それぞれにおいて肺炎のタイプ、性別、年 齢、リハビリ実施期間、1 日平均算定単位数、Barthel Index(以下 BI)を目的変数と して検討した。②肺炎のタイプ別に性別、年齢、リハビリ実施期間、1 日平均算定単位 数、BI を目的変数として検討した。統計学的分析には Wilcoxon 検定を使用し、有意水 準を 5%未満とした。 【結果】①では全ての項目において統計学的有意差は認められなかった。②では BI に おいて統計学的有意差を認めた。 12 作業療法における呼吸リハビリテーションの卒前教育について 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 1 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 山下 真琴 1、片岡 靖雄 1、出羽 裕太郎 1、曽根 弘喜 1、丸山 康徳 1、 河田 典子 2 呼吸リハに関わる作業療法(OT)は、生活指導や環境調整などを専門としている。今 回、卒後まもなく間質性肺炎患者を担当したが、病態の理解から困難で評価が適切に行 えず、専門性を発揮できなかった。卒前教育時、呼吸器疾患に対する OT について学ぶ 機会は臨床実習を含めても少なかった。カリキュラムは各養成校の自由裁量が PT・OT 共に一部認められている。PT は呼吸理学療法が確立しているが、OT は体系化された概 念が未確立であり、呼吸リハの卒前教育について自由裁量や臨床実習で十分にサポート されていない部分が多いと思われる。よって、呼吸リハの OT 教育は卒後で対応せざる を得ず、卒前教育の充実化が今後の課題になると考える。 13 当院独自の ADL 評価表の検討-事例を通じて- 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 1 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 出羽 裕太郎 1、曽根 弘喜 1、片岡 靖雄 1、丸山 康徳 1、河田 典子 2 呼吸器疾患で用いる ADL 評価表は、合計得点から ADL 状況を判定する。しかし、息 切れは軽減したが労作時低酸素状態を認める事例などは、合計得点の解釈のみでは実際 の ADL 状況や治療の効果判定が困難となる。したがって、効果判定をするには、動作 方法の工夫などによる ADL への影響を考慮して各項目を解釈する必要がある。 今回、SpO 2 値と介助量を含めた新たな ADL 評価表を当院独自で作成し、検討した。 この評価表は、各項目が意味する内容や項目間での相互関係の解釈ができ、包括的に ADL 状況を把握することが可能となるよう考案した。また、ADL 上の問題点等、情報 共有を容易に他職種と行える有用な評価表ではないかと考える。 14 当院中央リハビリテーション部におけるヒヤリ・ハット事例の検討 岡山労災病院中央リハビリテーション部 1 岡山労災病院勤労者呼吸器病センター2 萬田 修久 1、岸本 卓巳 2 岡山ろうさい病院中央リハビリテーション部で報告されたヒヤリ・ハット事例の内、 治療中に呼吸・循環動態の異変を来した事例について検討した。対象は平成 24 年 1 月 から平成 27 年 12 月までの 4 年間に報告された 85 件中、呼吸・循環動態の異変を来し た 9 件とした。基本情報は男性 4 例、女性 5 例、平均年齢 75.0 歳(14~100 歳)であ った。主な症状は起立性低血圧 7 例、低酸素血症、脈拍数増加が各 1 例で、インシデン ト・アクシデントレベルは 2 であった。基礎疾患の内訳は下肢障害 3 例、脳血管疾患 4 例、脊椎疾患 1 例、呼吸器疾患 1 例と、呼吸・循環器疾患が占める割合が約 10%と低 率であった。 15 吸入補助具の工夫と作業療法により吸入使用が可能となった高齢患者の 1 例 下関市立豊田中央病院看護部 1 下関市立豊田中央病院リハビリテーション部 2 築地 純子 1、増田 準 2 吸入薬は種類が多くデバイス操作や吸入方法にはポイントがある。吸入薬が合えば患 者の特徴ごとにデバイスを選択することも出来る。しかし、高齢者ではデバイスが変わ ることで取り扱いも難しくなることが多い。 在宅に退院予定の 90 歳代 COPD 患者の吸入指導を担当した。ディスカスの操作は出 来るが、吸気が弱く吸入薬が吸えていない状態であったためエアゾールタイプの吸入薬 に変更となった。しかし、今度は握力が弱くエアゾールのボンベを押すことが困難であ った。さらに、レスピマットも回すことが困難であった。 そこで、作業療法士と協力して吸入補助具の工夫と共に作業療法を主にリハビリを行 い吸入操作が可能となった事例を経験したので報告する。 16 在宅酸素療法患者の急性増悪を早期発見するには-開業医の取り組み- 伊勢丘内科クリニック 1 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 2 高尾 和志 1、谷本 安 2 【背景と目的】在宅酸素療法患者の急性増悪(以下 AE)は予後に直結するため、AE の 早期発見・治療は重要である。療養日誌(日誌)が早期発見に有用か明らかにする。 【方法】日誌記録項目は安静時の体重、体温、血圧、脈拍、SpO 2 、呼吸回数(RR)、ボ ルグスケール(ボルグ) 。2016 年 3 月までの過去 2 年間に評価可能な AE は9例。安定 期と比較し何日前から異常を認めたかを検討した。 【結果】1日以上前から異常を認めた項目/例数は、体温/4、脈拍/2、SpO 2 /2、RR/1、 ボルグ/2 で、1−7 日前から認めた。 【考察】日誌により最大 7 日前から AE を早期発見でき、在宅患者の管理に非常に有用 と考えられた 。 17 当院気管支喘息専門外来でのチーム医療による取組み 国立病院機構南岡山医療センター薬剤部 1 国立病院機構南岡山医療センター看護部 2 国立病院機構南岡山医療センター臨床検査科 3 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 4 児玉 沙織 1、黒岡 昌代 2、高松 泉 3、小山 朋子 1、田村 浩二 1、 木村 五郎 4、谷本 安 4、宗田 良 4 【はじめに】気管支喘息治療においては吸入ステロイドを主体とした長期管理が中心と なるが、アドヒアランスの低下や吸入手技の煩雑さが問題となる。 【目的】当院では平成 26 年 4 月より、週に 1 回気管支喘息専門外来(以下、専門外 来)を開設しており、チーム医療の一員として薬剤師が吸入指導を中心に携わってい る。 【考察】専門外来という普段の診療以外で時間を十分に確保して吸入指導を行い、評価 内容をその場で医師や看護師へフィードバックすることにより治療継続の支援や改善点 等の提案を行うことができた。チームとして患者に継続的に関わることで、様々な視点 から患者と向き合うことができ、患者の QOL 向上に貢献することができた。 18 呼吸器教室における災害に対するアンケート 寺沢病院 野上 貴盛、細川 智矢、森 久志、後藤 廣平、森岡 隆子、斎村 玉緒、 鶴尾 美穂、寺澤 敏秀 【背景】呼吸器疾患患者は、災害時に感染症や呼吸困難悪化が推測され十分な災害対策 が必要である。 【目的】呼吸器疾患患者の呼吸困難感と災害に対する不安感、災害対策についてのアン ケートを行い検討した。 【対象と方法】当院の呼吸器教室に参加している呼吸器疾患患者に対してボルグスケー ルを用いた呼吸困難感と、災害対策を 5 段階評価し比較した。 【結果】呼吸困難感と災害への不安感の間には相関は見られなかったが、呼吸困難感と 災害対策には相関が見られた。 【考察】呼吸困難感の強い患者でも災害時に生じる事態が想像できず備えが十分でない ため指導が必要である。 19 病薬連携による吸入指導・吸入確認 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 1 みなら薬局 2 伊東 亮治 1、大久保 史恵 1、中村 行宏 1、佐藤 千賀 1、渡邉 彰 1、 阿部 聖裕 1、堀尾 郁夫 2、三好 佐保里 2、瀬野 剛 2、山田 陽子 2 【背景】2015 年 11 月より当院と「調剤薬局」連携して吸入指導と吸入手技の確認を行 っている。 【目的・対象】当院で 1 年以上吸入薬を維持処方している気管支喘息、COPD 症例の吸 入手技を確認する。 【指導方法】当院呼吸器内科、当院薬剤部、調剤薬局と作成した吸入指導確認シートを 用いて吸入手技を確認した。 【結果】きちんと吸入できている症例は 60%にとどまっていた。75 歳以上の高齢者で はほとんどの症例で何らかの誤った手技があった。最もできない項目は「吸入後の息止 め」であった。 【結語】長期投与している症例でも吸入手技の確認・指導が必要である。 20 メラソフィト O 2 アダプタを使用して 原田訪問看護センター 原田 さをり、原田 典子 A 氏は肺結核後遺症にて人工呼吸療法を間欠的に実施している。人工呼吸器の機種変 更のために一時入院した。同時に気管カニューレも泉工医科工業のメラソフィットカニ ューレに変更し、O 2 アダプタの使用を開始した。O 2 アダプタをワンウェイバルブに装 着すると気管切開孔からの酸素投与が可能となる。病院では新たなカニューレの安全性 の確認や取り扱いなどが指導された。O 2 アダプタは、ADL が自立した在宅療養者の使 用例は少ない。そのため退院後に個別の酸素ホースの固定、入浴時の防水のための工夫 など A 氏の様々な生活スタイルに合わせた取扱方法を検討した。また、鼻カニューラと 比較し鼻腔刺激の緩和など A 氏の悩みも解決したので報告する。 21 横押しタイプの携帯酸素ボンベカードの製作 吉備高原医療リハビリテーションセンター研究情報部 1 国立病院機構南岡山医療センターリハビリテーション科 2 国立病院機構南岡山医療センター呼吸器・アレルギー内科 3 木下 勝令 1、谷本 義雄 1、森川 竜也 2、出羽 裕太郎 2、河田 典子 3 在宅酸素療法を行っている呼吸不全患者は、外出の際に、両手で押すシルバーカータ イプか、片手で引くキャリータイプのカートを使用して携帯酸素を持ち運んでいる。今 回、片手で操作でき、携帯性、デザイン、操作時の姿勢を考慮した横押しタイプの携帯 酸素ボンベカートを開発した。開発したボンベカートは、体幹の横にカートを配置する ことにより、軽い力で姿勢よくボンベを運ぶことが可能となっている。少し体重をかけ ても倒れないように支持面を広くし、直進性と操作性を考慮して後輪を固定輪に、前輪 を自在輪にしている。さらに、後輪の直径を 15cm とやや大型にし、前後逆にして後輪 のみを接触させることにより、階段昇降が可能となっている。 22 NPPV 装着中患者の口腔ケア方法についての取り組み KKR 高松病院看護部 1 KKR 高松病院リハビリテーションセンター2 KKR 高松病院呼吸器内科 3 植田 法子 1、松田 由美香 1、山本 真希 1、中西 健二 1、内海 由加里 1、 見山 千代 1、宮武 ちえ 1、石川 淳 2、市川 裕久 3 非侵襲的陽圧換気療法(以下 NPPV)装着患者は加湿管理下であっても口腔内の乾 燥、唾液分泌の低下、また口腔ケアの困難さから口腔内汚染が進み、呼吸や嚥下機能の 減退などにより歯科疾患や感染症に罹患しやすい状態にある。当院でのインターフェー スの選択はフェイスマスクが一般的であるが、フェイスマスクを装着したままでは口腔 ケアは実施できない。また当院には NPPV 装着患者用の口腔ケアマニュアルも無かった ため、個々の看護師が一時的にマスクのつけ外しを行い手探りで口腔ケアを行ってい た。そこで今回フェイスマスクから鼻マスクへ変更して行う口腔ケアマニュアル・プロ トコールを作成し安全かつ効果的に行えるか試みたので報告する。 23 胸膜中皮腫患者の終末期リハビリを経験して 岡山労災病院中央リハビリテーション部 1 岡山労災病院副院長 2 岡山労災病院腫瘍内科 3 岡山労災病院がんサポートチーム 4 中野 勝仁 1、岸本 卓巳 2、藤本 伸一 3、武田 正則 1、江口 彰 1、山本 4 、 大月 健郎 4、加藤 恵子 4、中川 淳子 4、原 桂子 4、坂井 淳恵 4、 新谷 雅美 4、福島 由江 4、岡本 知久 4、内田 邦子 4 博道 【はじめに】今回、化学療法継続が困難となった胸膜中皮腫患者に関わり終末期を支援 する経験をしたので報告する。 【症例】60 代 男性 【経過】他院にて左胸膜肺全摘術施行、同年術後化学療法を当院にて実施するも局所再 発。治療継続するも PD となりリハビリ介入となる。経過中、疼痛、吐気、精神症状等 に難渋したが、多職種による介入を継続、症状緩和を図りつつ PS を維持した状態で他 院緩和ケア病棟へ転院。 【考察】胸膜中皮腫は他の癌と比較し様々な症状が出現し、重症化しやすいと言われ る。終末期患者の症状に対する適切なケアや最期の選択を支援するためには多職種によ る協調的な関わりや各々の専門性を生かした介入が必要不可欠である。 24 当院における呼吸ケアの現状と今後の展望 中島病院看護科 1 中島病院リハビリ科 2 田渕 香菜 1、井上 祐子 1、赤松 久恵 2 【序論】HOT 患者への本格的な指導を始めて 10 年が経過し、今までの指導を振り返り つつ在宅での看取りも視野に入れながら活動したいと思った。 【本論】過去 10 年間の在宅呼吸ケア患者の統計を基に、院内の取り組みを振り返り、 在宅でも継続したケアを行うために他職種の連携を図っている。 【結論】呼吸器疾患に限らず、さまざまな疾患の終末期において HOT や NPPV の果た すべき役割は大きい。在宅での看取りでも院内で行っているようなケアができるように 努めたい。 25 当院におけるネーザルハイフロー使用例の検討 国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科 渡邉 彰、中村 行宏、大久保 史恵、佐藤 千賀、伊東 亮治、阿部 聖裕 ネーザルハイフロー(NHF)を使用した 78 症例について、使用期間と使用終了時の状況 について検討した。 平均年齢 76.7 歳、平均使用期間は 8.6 日であった。開始時の平均 FiO 2 は 69%であっ た。NHF 終了理由は、病状軽快が 32 例、死亡 25 例、NPPV に変更 8 例、IPPV に変更 4 例であった。不快感などで NHF を中止した症例は 9 例であった. 使用中止した 9 例を除くと、NHF 使用期間 7 日以内では病状軽快例は 32 例中 11 例で あった。使用期間 8-14 日では 20 例中 13 例、15 日以上では 17 例中 9 例が病状軽快例で あり、使用期間がより長期になっても NHF の成功率は著変なかった。 26 集中治療室での呼吸ケアチームの活動(理学療法士の立場から) 松山市民病院リハビリテーション科 1 松山市民病院救急看護認定看護師 2 松山市民病院臨床工学室 3 松山市民病院呼吸器外科 4 濱田 綾 1、萩森 康孝 1、冨岡 久美子 2、岡山 潤 3、魚本 昌志 4、 蜂須賀 康己 4、藤岡 真治 4 【はじめに】当院、呼吸ケアチームは 2015 年 4 月から集中治療室(ICU)のラウンド を開始した。ICU での役割と課題について検討する。 【方法】2015 年 4 月~12 月に ICU でラウンドを行った 17 例(のべ 25 症例)の指 摘・介入内容と診療科、転帰、鎮静、せん妄の有無、リハビリ介入状況等を後方視的に 調査した。 【結果】指摘内容は設定変更、離脱と抜管後のデバイス選択が多かった。APACHEⅡス コア平均;22.2、転帰は一般へ転室;15 例、死亡;2 例。せん妄は 6 例(35.3%)にみられ た。リハビリは 3 例が開始遅延していた。 【考察】当院は Open ICU であり、人工呼吸器管理について統一されていない。早期離 脱・離床を進めるためにもチームでの評価,介入が必要である。 27 慢性期病棟における RST の現状と課題 第 2 報 金田病院看護部 1 金田病院臨床工学室 2 金田病院内科 3 中西 直子 1、大嶋 勝 2、鎌尾 高行 3 当院の RST は 2009 年に活動を開始した。急性期病棟での活動を主体としていたた め、長期人工呼吸器装着患者が入院する慢性期病棟(以下、療養病棟)での活動は不定 期となり、人工呼吸器装着患者のせん妄ケアに行き詰まったことから、2013 年同学会 で「RST の現状と課題」について発表し、RST 活動の見直しを行った。毎月第 3 週水 曜日は療養病棟回診日と定め、毎月必ず療養病棟の回診を行った。管理栄養士と社会福 祉士が新たに加わり、より多方面から呼吸状態の観察やケアの検討を行うようになっ た。人工呼吸器装着患者がより良い療養生活を送ることができるように、食事や姿勢調 整などの日常生活に関する呼吸ケアの継続を支援することが今後の課題である。 28 呼吸ケアサポートチームへの臨床工学技士の関わり 金田病院臨床工学室 1 金田病院内科 2 金田病院看護部 3 大嶋 勝 1、鎌尾 高行 2、中西 直子 3 当院では平成 21 年より医師・看護師・臨床工学技士を中心に、呼吸ケアサポートチ ーム(以下:RST)を立ち上げ主治医・メディカルスタッフ協力のもと活動を行ってい る。 臨床工学技士は日常業務の一環として病棟ラウンドを実施おり、人工呼吸管理中の患 者に関する情報をより多く把握している。それらの患者情報を的確に RST へ提供する ことが求められている。 そのため、よりチーム医療に即した対応について当院 RST での臨床工学技士の役割 を振り返り今後の関わりについて考察したので報告する。 29 当院における呼吸ケアサポートチームの活動成果と課題 国立病院機構岩国医療センター救命救急 ICU1 国立病院機構岩国医療センター2 吉村 一徳 1、久山 彰一 2、難波 研二 2、能島 大輔 2、梅野 貴裕 2、 本田 今日子 2、吉本 晃子 2 当院では 2011 年より呼吸ケアサポートチーム(以下 RST とする)の活動を開始し、 週 1 回のラウンドをはじめ、人工呼吸器管理の勉強会や 3 学会合同呼吸療法認定士取得 の支援などを行っている。ラウンドでは、人工呼吸器からの早期離脱を目指し、チームで のカンファレンスの実施、患者に適した設定の検討、呼吸リハビリテーションの推進など を行っている。2013 年から 2015 年で患者数 85 名、延べ 174 回の RST ラウンドを実施 し、人工呼吸器離脱は 34 例あった。また、体位や加温加湿管理などの指導を行い、病棟 での定着ができている。しかし、当院では複数の人工呼吸器を所有しており、基礎知識や 機器操作などに不安を持つスタッフが多いことが明らかになった。 30 重症のARDSに対して腹臥位療法により人工呼吸器離脱,救命できた一例 国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器内科 1 国立病院機構山口宇部医療センターリハビリテーション科 2 国立病院機構山口宇部医療センター画像診断科 3 村田 順之 1、坂本 健次 1、瀬分 慎二 2、中尾 淳一 2、松本 常男 3 症例は 53 歳男性。X 年 10 月 14 日頃より発熱と呼吸困難を自覚したため前医を受診 し、両側肺炎として入院。抗生剤投与されたが酸素化は増悪し、10 月 19 日に当院に転 院。転院後すぐに挿管人工呼吸管理となり、CT 所見含め ARDS と診断。P/F 80 と重症 で、抗生剤やシベレスタット投与も改善乏しく、10 月 21 日からステロイド投与及び医 師・看護師・理学療法士で腹臥位療法を行った。23 日には P/F 155 まで改善、27 日に 抜管して人工呼吸器より離脱した。11 月 30 日に酸素療法無しで退院でき、X+1 年 1 月からは仕事にも復帰した。ARDS は有効な治療に乏しく、重症群では死亡率も高い が、本症例では腹臥位療法を行うことで人工呼吸器離脱と救命を行うことができた。 31 終末期の COPD 患者の自宅退院へ向けた多職種の関わり KKR 高松病院看護部 1 KKR 高松病院臨床工学部 2 KKR 高松病院リハビリテーションセンター3 KKR 高松病院呼吸器内科 4 橘 修司 1、内海 由加里 1、広瀬 絵美子 1、船田 幸奈 1、山本 晃市 2、 北山 奈緒美 3、宮崎 慎二郎 3、市川 裕久 4、荒川 祐佳子 4、森 由弘 4 【はじめに】終末期にある COPD 患者において、多職種の関わりにより自宅退院できた 事例を報告する。 【経過】83 歳、男性。終末期 COPD 患者であり、NPPV からの離脱が困難な症例であ ったが、本人と家族は自宅退院を強く希望していた。しかし、ADL 低下や家族背景など の要因から退院困難な状況であった。そのため、院内スタッフだけでなく、家族やケア マネージャー・訪問診療医・訪問看護師などの在宅スタッフを含めた多職種カンファレ ンスを開催した。情報共有することで、退院後に必要とされるサービスの調整や退院指 導が行え、自宅退院となった。 【考察】多職種で関わることによって、ニーズに合わせた退院調整が行え、自宅退院が 可能となった。 32 GOLD2011 分類における COPD 患者特性の比較 KKR 高松病院リハビリテーションセンター1 KKR 高松病院呼吸器科 2 宮崎 慎二郎 1、片岡 弘明 1、石川 淳 1、北山 奈緒美 1、林野 収成 1、市川 裕久 2、 荒川 裕佳子 2、森 由弘 2 【はじめに】GOLD2011 分類における患者特性を明らかにすることを目的とした。 【方法】COPD 患者 87 例を対象に、GOLD 分類 A~D 群における年齢、Incremental Shuttle Walking Test(ISWT)歩行距離、BMI、2 年間の急性増悪入院率を比較した。 【結果】A 群 14 例(16%) 、B 群 29 例(33%) 、C 群 7 例(8%) 、D 群 37 例(43%) であった。A~C 群に比べ D 群では、ISWT 歩行距離および BMI が有意に低く、急性増 悪入院率が有意に高かった。 【結論】GOLD 分類において C 群の患者割合は低い。D 群は明らかに重症度が高い が、他の 3 群間の特性に一定の順位性は認められなかった。 33 慢性閉塞性肺疾患を繰り返し複数回入転院した患者経験 岡山赤十字病院リハビリテーション科 1 岡山赤十字病院呼吸器内科 2 藤井 南花 1、小幡 賢吾 1、西本 めぐみ 1、原 尚史 2、深松 伸明 2、 中西 将元 2、尾形 佳子 2、細川 忍 2、佐久川 亮 2、別所 昭宏 2 慢性閉塞性肺疾患は急性増悪を繰り返し、呼吸機能の悪化や廃用の進行により ADL の低下を来してしまう。従って急性増悪による再入院を防ぐための指導をいかに行うか は、呼吸理学療法の重要な内容の一つといえる。今回、急性期病院である当院と転院病 院とを急性増悪により入退院を繰り返した症例を経験したので報告する。症例は 62 歳 男性、元々当院に慢性閉塞性肺疾患にて通院治療を行っていたが、平成 27 年に急性増 悪にて当院入院。約 3 か月後転院。しかし約 1 か月後に転院病院にて急性増悪となり再 度当院入院。9 日間の入院後再度転院するも 4 か月後に同じく転院病院にて 3 度目の急 性増悪で当院に再入院。約 1 か月の入院後に再度転院し現在に至る。 34 倉敷市での慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策第 1 報―スクリーニング調査― 倉敷第一病院リハビリテーション課 1 公益財団法人みずしま財団 2 水島協同病院診療部 3 藤原 耕三 1、藤原 園子 2、里見 和彦 3 【背景】COPD は日本において 500 万人以上の患者が潜伏していると推測されており、 倉敷市では「くらしき COPD ネットワーク」による COPD 対策を行っている。今回地 域住民に対して COPD スクリーニングを実施した。 【方法】2015 年に倉敷市内で開催した健康展へ参加の一般市民 181 名(男性 28 名、女 性 153 名 平均年齢 67.6 歳)に問診表「11Q」と簡易スパイロメーター「ハイチェッカ ー」を用いスクリーニングを実施した。 【結果・結語】11Q で 5 点以上 94 名(51.9%) 、ハイチェッカーで COPD 疑い群 64 名 (35.4%)であった。COPD 疑い群と非疑い群の比較では疑い群で有意に 11Q 総得点が 高かった(6.0±3.4 vs 4.9±2.7 p<0.05)。年齢・性別には有意差を認めなかった。今後 も COPD 早期発見につながる取り組みを続けていきたい。 35 倉敷市での慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策第 2 報―認知度調査― 倉敷第一病院リハビリテーション課 1 公益財団法人みずしま財団 2 水島協同病院診療部 3 藤原 耕三 1、藤原 園子 2、里見 和彦 3 【背景】健康日本 21(第二次)の基本方針の 1 つに「生活習慣病の発症予防と重症化予 防の徹底」があり、COPD は対象疾患に選定されている。しかし、COPD の認知度は低 く全国調査では「名前は聞いたことがある」と回答した人を含めても 27%であった (2015 年)。今回、 「くらしき COPD ネットワーク」の COPD 対策の一環として COPD 認知度調査を実施した。 【方法】2015 年に倉敷市内で開催した健康展へ参加の一般市民 120 名(男性 12 名、女 性 108 名 平均年齢 66.2 歳)へ COPD 認知度調査を行った。 【結果・結語】COPD を知っていると答えた人 18 名、聞いたことがある 26 名、認知度 36.7%であった。性別・喫煙歴による認知度の有意差は認めなかった。今後も COPD 認 知度を向上する取り組みを続けていきたい。 36 呼気 NO 導入後の気管支喘息患者の診断法についての検討 愛媛県立中央病院呼吸器内科 1 愛媛県立中央病院生理検査室 2 中西 徳彦 1、大塚 康弘 2、小林 知子 2、高石 修 2、森 いづみ 2、 近藤 晴香 1、佐伯 和彦 1、橘 さやか 1、塩尻 正明 1、井上 考司 1、 森高 智典 1 【緒言】喘息の診断は、症状(発作性の呼吸困難、喘鳴など)、可逆性の気流制限、気 道過敏性亢進、アトピー素因の存在、気道炎症の存在、他疾患の除外などから総合的に つけられる。しかし、慢性咳嗽を主訴に受診した場合は必ずしも容易ではない。一方、 近年では呼気 NO による気道炎症の評価が容易になっている。 【対象】今回、2015 年 11 月~2016 年 3 月の 5 か月間で新規に診断した気管支喘息の 診断根拠を後方視的に検討した。対象は 20 例(男 7 例、女 13 例) 、年齢は 45.8±17.1 歳。 【結果】病歴、理学的所見、呼気 NO により診断したのは 13 例で、気道過敏性陽性ま で必要だった症例は 7 例であった。 【結論】喘息の診断に気道過敏性検査は必要である。 37 COPD 患者でのチオトロピウムからグリコピロニウムへの切り替えに おいての臨床的検討 KKR 高松病院呼吸器内科 1 KKR 高松病院呼吸ケアサポートチーム 2 市川 裕久 1、広瀬 絵美子 2、山本 晃市 2、石川 淳 2、片岡 弘明 2、 宮崎 慎二郎 2、荒川 裕佳子 2、森 由弘 2 【目的】グリコピロニウムの有効性について、従来の長時間作用型抗コリン薬 (LAMA)の標準薬であるチオトロピウムと比較検討した。 【方法】対象は当院にてチオトロピウムを投与中の COPD 患者 20 名。チオトロピウム をグリコピロニウムに変更し、薬剤の使用感や COPD アセスメントテスト(CAT)ス コア、スパイロメトリー、モストグラフについて変更前と変更 4 ヶ月後の諸指標を前向 きに検討した。 【結果】両薬剤の使用感について同等との回答が 11 例、チオトロピウムが良いのが 5 例、グリコピロニウムが良いのは 4 例。CAT スコアやスパイロメトリー、モストグラフ の各データでは有意差を認めなかった。 【結論】グリコピロニウムはチオトロピウムと同等に有効である。 38 瀉血と在宅酸素療法が病態の改善に有効であった慢性閉塞性肺疾患に 続発した二次性多血症の一例 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター呼吸器内科 能島 大輔、梅野 貴裕、工藤 健一郎、久山 彰一 62 歳男性。1 ヶ月前から呼吸困難を認め当院に救急搬送された。来院時、低酸素を認 めるが、顔面は紅潮していた。胸部 CT では高度の気腫性変化を認めた。採血で高粘稠 度の血液を認め、Hb21.1 g/dl と著明に上昇していたため、多血症と診断した。入院 後、NPPV による呼吸管理が必要になるまで酸素化が増悪した。真正多血症の可能性が 考えられたため、骨髄生検を施行し、瀉血 400ml を計 5 回施行した。骨髄は全体的に低 形成で赤芽球系に異常は認めなかった。JAK2 遺伝子変異も陰性で二次性多血症と考え られた。多血が改善するにつれて呼吸状態も徐々に改善し、在宅酸素療法導入後に退院 となった。 39 COPD 患者における mMRC と呼吸機能の関連 高松市民病院呼吸器内科 1 高松市民病院呼吸器外科 2 岸本 伸人 1、大黒 由加里 1、河野 洋二 1、加藤 歩 2、三崎 伯幸 2 【背景・目的】呼吸困難の程度を評価する方法として、mMRC(modified British Medical Research Council)の質問票がよく使用されている。COPD における呼吸困難 の原因には、気流閉塞、動的肺過膨張、ガス交換機能の低下などがある。今回、mMRC と呼吸機能との関連を検討した。 【対象と方法】対象は COPD 患者 33 例、男性 31 例、女性 2 例、平均年齢は 71.2 歳、 Ⅰ期 2 例、Ⅱ期 16 例、Ⅲ期 11 例、Ⅳ期 4 例であった。mMRC は担当医が質問し評 価、呼吸機能検査は、安定期にミナト医科学社製システム 21 を用いて測定した。 【結果】mMRC は VC、FVC、FEV1、%FEV1、DLco などと相関を認めた。 【考察】mMRC と DLco が最も相関し、呼吸困難の指標として優れていた。 40 慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者の息切れと労作時換気の関連について 国立病院機構岡山医療センター 安川 達哉、西崎 真里、大松 佑也、下岡 久美香、廣川 晴美 【背景】閉塞性換気障害を呈する患者の息切れは労作時のエアトラッピングが関与する とされる。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者の労作時息切れと労作時換気の 関連についての報告は少ない。 【対象と方法】WHO 機能分類Ⅰ(15 名)・Ⅱ(15 名)の CTEPH 患者 30 名に呼吸機 能・筋力検査と右心カテーテル留置下に半臥位式エルゴメータを用いた心肺運動負荷試 験を実施し、運動能力と呼吸応答を両群間で比較した。 【結果】吸気・下肢筋力、AT レベルでの酸素摂取量は機能分類の I 群で有意に高かっ た。死腔換気率・PETCO 2 に差は認めなかった。 【結論】WHO 機能分類には死腔換気でなく筋力や心拍出量が関係する可能性が示唆さ れた。 謝 辞 アステラス製薬株式会社 アストラゼネカ株式会社 MSD 株式会社 小野薬品工業株式会社 キッセイ薬品工業株式会社 杏林製薬株式会社 第一三共株式会社 大正富山医薬品株式会社 大日本住友製薬株式会社 大鵬薬品工業株式会社 株式会社ツムラ 田辺三菱製薬株式会社 中外製薬株式会社 帝人在宅医療株式会社 独立行政法人環境再生保全機構 日本イーライリリー株式会社 日本メディカルネクスト株式会社 ノバルティスファーマ株式会社 久光製薬株式会社 フィリップス・レスピロニクス合同会社 有限会社富士機工 株式会社星医療酸器 ミナト医科学株式会社 Meiji Seika ファルマ株式会社 株式会社ヤクルト本社 平成 28 年 5 月 11 日現在 本支部会の開催にあたり、上記の企業・団体の皆様より協賛いただきました。 ここに深く御礼申し上げます。 第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 会長 岸本 卓巳 岡山労災病院 副院長 第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 プログラム・抄録集 発行 平成 28 年 5 月 編集 第 3 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 中国・四国支部学術集会 事務局 実行委員長 藤本 伸一 〒702-8055 岡山市南区築港緑町 1-10-25 岡山労災病院 TEL:086-262-9166 FAX:086-282-2828