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次世代への技術伝承なくして組込み業界の将来 はあるだろうか

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次世代への技術伝承なくして組込み業界の将来 はあるだろうか
Software Reliability
E n h a n c e m e n t C e n t er
Information-technology Promotion Agency, Japan
(IST 11th, 2014ブース内セミナー)2014年5月14日
次世代への技術伝承なくして組込み業界の将来
はあるだろうか
~組込み開発現場が取り組む類似障害未然防止の事例と教訓~
研究員
松田
Copyright© 2014 Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved.
充弘
Software Reliability Enhancement Center
今の20代、30代の組込みエンジニアにとって
 わくわくするような仕事をさせてもらっているだろうか?
 世界で一番を目指している自負心があるだろうか?また
は育っているだろうか? プロダクト責任者は自負心があ
るはずだが。
 開発の主役は、かつての現場のスター、今や事業や製品
の責任者?。または、品証部門、標準推進部門で今の製
品を築きあげてきたベテラン技術者が開発の主役になっ
ていないだろうか? たぶん若者は、つまらないはず。
IST 11th, 2014ブース内セミナー Copyright© 2013 Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved.
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1
組込みソフトウェアの今
(今)成熟期
・大規模化
・ネットワーク化
・高機能化。
市場
組込みシステム
(今)
・競争のため短納期
・常に新しいもの
・面白いもの
・便利なもの。
ベンダー組織
プロジェクト管理
品質保証
(今)
組込みソフトに関す
る失敗事例、ノウハ
ウがDBに蓄積。
(今)
手法が理解さ
れ、当たり前に
実施
開発プロセス
システム設計
(今)
適切化
効率化
(今)
ハード部隊
ソフト部隊
経営・企画
(今)
ソフトウェア売
価・原価の適
切な考え方
人材
品質部門の
ベテラン技術
者・スタッフ
現場の
ソフト技術者
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2
組込みソフトウェアの昔
(昔)黎明期
・ハードロジック
の代替
・中規模化
人材
市場
組込みシステム
(昔)市場に技術
をアピール
現場の
ソフト技術者
現場のリーダ
(スーパー技術者)
システム設計
(昔)
ハード部隊中心
ベンダー組織
品質保証
(昔)
組込みソフトに関する
失敗だらけ。リソース不
足。
プロジェクト管理
(昔)
試行するが上手く
行かず
開発プロセス
(昔)
試行錯誤
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経営・企画
(昔)
・納期遅延が常態
・ソフトウェアの売価
原価の考え不明確
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組込み業界
ベテラン世代 VS 現役の若い世代
ベテラン世代が現役の頃
比較
今現役の若い世代
・上司はハードウェア出身で、ソフトに詳しく
ない。
・数少ない先輩の職人技を盗む。頼ることは
できない。
上司・先輩
上司はその装置のハード・ソフト両方に詳し
い。先輩の口出しが細かい。
・新しいことばかり
・スクラッチからの新規開発が基本
・時間がたっぷりあった。
・知らないところを自分で調べ納得した。楽
しかった。
・拡張性を自分で考えて汎用化を目指せた。
個人の果たす役割が大きかった
・既に確立された技術に従えばよい
技術
・差分開発が基本で全体を細かく知る
チャンスなし。
時間
・ソフト技術者の労務管理がきっちりなされ
る。
遊び心
・きっちり管理され遊び心がない。楽しくな
い。
責任
チーム、プロジェクトが組織的に開発
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ベテラン世代の自負と危惧
 今の事業・この製品をここまで持って来たのは自分たち。
 標準プロセスも作ったし、過去のトラブルDBも蓄積したし
、プロジェクトマネジメントも浸透しているが。。。
 今の若い人は、言われたことしかしない。
 自分たちが退いたあと、ゼロからのモノづくりが出来るの
であろうか。
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日本のモノづくりの特徴
 ガラパゴスケータイ VS スマホ
【日本】:
独自にゼロから開発してガラパゴスケータイを世に出してきた。
★高品質ビジネス。
【中国】:
中国市場の安価なスマホ。←米国Qualcommや台湾MediaTek社(
聯発科技)が低価格チップと共に提供する「ターンキーソリューショ
ン」をベース。 ★低価格ビジネス。
日本の組込みシステム将来を考える一つの方向性として
「高品質なモノづくり」は一つの候補のはず
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組込みシステムで「高品質なモノづくり」が出来る理由
 (理由1)ベンダーに品質を確保・管理・保障する仕組み
がある。
 例えば。社内のソフトウェア工程に設計レビューがある。
 設計レビュー記録を残す仕組みがある。
 設計レビューでの指摘事項が解決されていることをチェックする
仕組みがある。
 出荷前に出荷可否判定する仕組みがある。
仕組み
 (理由2)開発対象ドメインの相当な技術スキルを持った
人が居るはず。だからこそ品質を作り込める。
人材
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将来の日本の組込みシステムために何をすべきか?
人材の育成
1. ベテラン技術者の経験・ノウハウを後世に残る形で整理
する。ベテランが居るうちに。
2. 若い技術者が、その経験・ノウハウを知りたいと思わせ
る。
3. 若い技術者にその経験・ノウハウを身に付けてもらう。
IPA/SECは、何をしてくれるのか?
これまで何をしてくれたのか?
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IPA/SECがこれまでにやってきたこと
 ソフトウェアエンジニアリングセンターの時代(10年)
 ベテラン技術者の経験・ノウハウをガイドブックの形に書き留め
た。
 ESxRシリーズとしてガイドブックを作ってきた。組込み業界共通のガイドブ
ックとして。開発フェーズ(要求、設計、実装、テスト)をメイン。
 組込み技術者のスキル向上を目指してETSSスキルフレームワ
ークを作った
 スキルとは何か、
 スキルはどのようにして図るのか
 どのようにしてスキルを身に付けるのか
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▌組込みシステム開発技術リファレンスESxRシリーズ
開発プロセスガ
イド ESPR
プロジェクト計画ガイド
ESMG
ESMR
品質作り込みガ
イド ESQR
コーディング作法ガ
イド ESCR
(C言語)
(C++言語)
バグ管理手法ガイド
ESBR
設計ガイド ESDR
テスト事例集 ESTR
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▌組込みスキル標準
ETSS概説書
ETSSシリーズ
ETSS導入推進
者向けガイド
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ETSS教育プログラム
デザインガイド
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ESxRシリーズに対する評価
 良い評価
 組込み現場で「当たり前」と言われていることが記述されている
。そこに新たな気付きがある。
 国内の複数の企業から参加した委員会で議論した内容なので、
社内の現場に対して助言する際に引用すると説得力がある。
 自社の取組みが間違っていないかどうかの判断材料になる。
 良くない評価(要望)
 分厚いガイドブックの内容・・・・簡易なもの。小規模開発に使え
るもの。
 書かれていることの背景が知りたい。
 ESxRを活用して役に立ったのか。役に立った事例を紹介して
ほしい。
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これからのIPA/ソフトウェア高信頼化センターが
行うこと
 ノウハウ・知識の収集整理⇒事例の収集整理
 起きた失敗をどのように解決し、類似の失敗をどのように未然防
止しているか。
 組込み業界共通のガイドブックの作製
 ドメインに特化したガイドブックの作成は、その業界に促す。
 開発フェーズ⇒運用フェーズ
 運用フェーズでのトラブル ⇒ 障害の分析手法・分析事例
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2013年度のアウトプット:事例ベースガイドブック
 教訓集、対策手法・事例集、分析手法・事例集
情報処理システム高信頼化
教訓集(製品・制御システム編)
2014年5月13日
IPA・ソフトウェア高信頼化センター
WEBにて公開。
障害対策手法・事例集
障害分析手法・事例集
2013年度版
 出来栄え。
 新しい取組みアピール版
 このISTに間に合わせるため活動わずか半年
の内容にて公開
 若い技術者の方が行列してでも賞味したくなる
味付けはこれから。
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 教訓集、対策手法・事例集、分析手法・事例集
構成
Ⅰ トラブル未然防止事例と教訓:18件
Ⅱ 事例と教訓から導いた対策を工程別に整理
Ⅲ トラブル発生時の原因分析手法と事例:8手法10事例
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Ⅰ トラブル未然防止事例と教訓:18件
※以下、直接の対策と恒久対策に続く
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Ⅱ 事例と教訓から導いた対策を工程別に整理
 導いた対策は、ESxRの関連項目とリンク付けている
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Ⅲ トラブル発生時の原因分析手法と事例:8件(1/4)
 障害分析の流れ
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Ⅲ トラブル発生時の原因分析手法と事例:8件(2/4)
 原因分析の手法
1. ブロック図
2. 事故経過表
3. VTA (VARIATION TREE ANALYSIS)
4. 問題行動分析
5. PNA(プロセスネットワーク分析法)
6. 発生源・検出漏れ分析
7. 例外分析
8. なぜなぜ分析
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※手法8件は、
開発の現場で普
段利用されてい
るものを中心に
選んだ。
※10個の事例
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Ⅲ トラブル発生時の原因分析手法と事例:8件(3/4)
 分析手法を試みた事例
1. 湘南モノレール
2008年2月24日。列車のブレーキ制御に起因する事故。
2. 天竜川水系阿知川の駒場ダム
2002年5月9日。異常放流事故。
3. アリアン5ロケット
1996年6月4日。慣性制御異常による爆発事故。
4. カンタス航空
2008年10月7日。意図しない急降下が繰り返し発生。
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まとめ
 教訓集、対策集、分析集・事例集(2013年度版)
★これらを若い技術者に役立つように、ブラッシュアップを
続ける。教材も含めて。
★若い技術者がもっと凄いものを作ってやるんだと思える
ような、広がる未来が見えてくるようなガイドブックにして
行きたい。
★みなさんのご意見、ご要望をいただいて更に良いものに
して行きます。
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IPAからのお願い
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