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Ⅰ 業務運営状況 - 秋田県信用保証協会

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Ⅰ 業務運営状況 - 秋田県信用保証協会
◎平成 26 年度経営計画の評価
秋田県信用保証協会
秋田県信用保証協会は、公的な保証機関として秋田県内中小企業及び小規模事業者の資金調達の円滑化を図り、県内経済の発展に貢献
してまいりました。平成 26 年度の経営計画に対する実績評価は以下の通りです。
なお、実績評価にあたっては、長谷部光哉税理士を委員長とし、秋田県立大学 朴元熙教授、佐瀬道則中小企業診断士で構成される当協
会の「外部評価委員会」のご意見・アドバイスを踏まえて作成しております。
Ⅰ
業務運営状況
1 業務環境
(1) 県内の経済・雇用情勢
平成 26 年度の県内経済は、個人消費の持ち直しの動きに足踏みがみられ一部に弱さがあるものの、生産活動では電子部品・デバイスが自動車、
スマートフォン向けで高操業となっているなど、全体としては緩やかに持ち直しを続けました。また、東京商工リサーチによる「秋田県企業倒産状
況」では、平成 26 年度の企業倒産は、件数 53 件(前年度 63 件)、負債総額 61 億円(前年度 71 億円)と件数・金額ともに平成年代に入ってから最少と
なっています。県内有効求人倍率は、平成 27 年 3 月では 0.97 倍となり改善の動きが続いていますが、全国平均の 1.20 倍を 0.23 ポイント下回って
おり、依然として低い水準にあります。
(2) 県内中小企業の状況
県内の中小企業は、消費増税後の売上の反動減や原材料・エネルギーコスト高などの影響が残り、アベノミクスによる経済効果の恩恵は乏しく厳
しい状況が続いています。また、全国一のスピードで進んでいる人口減少・少子高齢化に伴うマーケットの縮小や事業承継問題が、県内中小企業に
大きな影響を与え廃業の増加につながっています。
(3) 県内中小企業の資金繰り状況及び融資動向
日本銀行秋田支店の短観(平成 27 年 3 月調査)によると、県内中小企業の資金繰り判断 DI は「苦しい」が「楽である」を上回っているものの、
金融機関の貸出姿勢は積極的で資金繰りは改善傾向にあります。また、金融機関同士の金利競争の激化に伴う信用保証料の負担感から、保証付融資
の利用が低調に推移し、低金利のプロパー資金へのシフトが加速しています。
(4) 県内中小企業の設備投資動向
当協会の平成 26 年度設備資金に係る保証承諾額は 126 億円と、前年比 95.8%の実績となりました。工場建設等の不動産投資が比較的堅調に推移
したものの、機械・車両の新規・更新設備が 64 億円で前年比 88.7%に留まっています。また、再生可能エネルギー固定価格買取制度の見直しから
太陽光発電事業等の大口投資案件が減少しました。
-1-
秋田県信用保証協会
2 業務概況
(1) 事業実績
① 保証業務関係
保証承諾は 700 億円とセーフティネット保証を対象とした県制度「緊急経済対策枠」の取扱終了と低金利のプロパー資金へのシフト、借換保
証の減少などから、計画比 87.5%、前年比 89.7%と落ち込んでいます。
保証債務残高は市町村制度が増加したものの、県制度の減少幅が大きく 2,431 億円と計画比 99.8%、前年比では 170 億円減少の 93.5%となり
ました。
最重要課題として取り組んできた保証利用企業者数の拡大も、14,253 企業と計画比 97.6%、前年に比べ 122 企業減少しました。
② 代位弁済
代位弁済は年間計画額 60 億円に対し 37 億円にとどまり、計画比 61.3%、前年比 91.9%の実績となりました。東京商工リサーチによる平成
26 年度の倒産は、件数・負債総額とも平成年代に入ってから最少となるなど、建設業や製造業の代位弁済が減少していることから計画を大幅に
下回る実績となりました。
③ 求償権回収
求償権回収は担保処分による回収は低調でしたが、不定期のスポット回収の増加などから 9 億 16 百万円となり、計画比 101.7%、前年比 94.0%
となりました。
平成 26 年度主要業務数値
(単位:百万円、%)
計画額
保証承諾
保証債務残高
保証平均残高
保証利用企業者数
代位弁済
求償権回収
80,000
243,700
247,300
14,600
6,000
900
実
績
69,964
243,148
247,675
14,253
3,676
916
計画比
87.5
99.8
100.2
97.6
61.3
101.7
-2-
前年比
89.7
93.5
94.3
99.2
91.9
94.0
秋田県信用保証協会
(2) 決算状況
① 経常収支
保証料収入や運用益収入などの経常収入は、29 億 70 百万円となり計画比 20 百万円増となりました。
業務費、信用保険料などの経常支出は、20 億 38 百万円となり計画比 1 億 8 百万円減となっています。
この結果、経常収支差額は 9 億 32 百万円となり計画比 1 億 38 百万円増となりました。
② 経常外収支
責任準備金戻入や求償権補填金戻入などの経常外収入は、51 億 50 百万円となり計画比 12 億 28 百万円減となりました。
求償権償却や求償権償却準備金繰入などの経常外支出は、53 億 38 百万円となり計画比 16 億 62 百万円減となっています。
この結果、経常外収支差額は▲1 億 88 百万円となり計画比 4 億 34 百万円増となりました。
③ 当期収支差額
当期収支差額は、8 億 65 百万円となり計画比 5 億 49 百万円増となりました。
当期収支差額の処理は、基金準備金に 4 億 33 百万円を、収支差額変動準備金に 4 億 32 百万円を繰り入れしております。
平成 26 年度決算概要(収支計算書)
経常収入
経常支出
経常外収入
経常外支出
制度改革促進基金取崩額
収支差額
(単位:百万円、%)
計画額
2,950
2,146
6,378
7,000
135
316
実
績
2,970
2,038
5,150
5,338
121
865
計画比
100.7
94.9
80.7
82.4
89.5
273.9
-3-
前年比
96.8
99.1
79.5
82.4
118.0
77.6
秋田県信用保証協会
Ⅱ
重点課題に対する取組状況
(1) 政策保証の積極的対応
セーフティネット対象業種の大幅な縮小(平成 25 年 4 月 727 業種⇒同 26 年 4 月 206 業種)から、セーフティネット保証の受け皿となる経営力強
化保証(※)や借換保証などを推進し、県内中小企業に円滑な資金供給を図りました。
① 経営力強化保証の推進
25 年度
承諾額
前年比
2件
79 件
3,950.0%
56 百万円
20 億 16 百万円
3,600.0%
経営力強化保証承諾件数
〃
26 年度
※中小企業が外部の専門家(金融機関、税理士等)の力を借りながら、経営改善に取り組む場合に信用保証協会が保証料を減免し、金融面だけでなく、経営の状態を改善する
取組を強力にサポートする保証制度(平成 24 年 10 月創設)
② 借換保証の推進
借入金口数の多い企業に対し、返済額の軽減を図るため借換保証による債務集約を推進しましたが、件数・金額ともに前年実績を下回りまし
た。
25 年度
借換保証承諾件数
〃
承諾額
26 年度
前年比
1,786 件
1,484 件
83.1%
255 億円
180 億円
70.6%
(2) 創業支援体制の強化
平成 26 年 4 月、創業前から事業が安定するまで一貫した経営支援を行うことを目的に、職員 12 名で構成する創業支援チームを立上げました。
その後、女性の目線を活かしながら女性創業者を積極的に支援するため、チーム内に女性職員 5 名で構成する「チームポラリス」を組織し、秋田
市起業創業支援担当課、ヴィーナスクラブ(※)などと創業支援に向けた連携会議の開催や秋田銀行と提携し女性創業者向け保証制度「Bizこま
ち(※)」の取り扱いを平成 26 年 5 月より開始しています。26 年度の創業者向け保証の取扱いは 106 企業(うち女性経営者 30 企業)
、567 百万円
となり、当該 106 企業において 272 名分の雇用が創出されています。
また、創業支援チームが中心となり、県内 6 か所で創業者同士の情報交換会及び創業支援セミナーを 43 企業の参加を得て開催するとともに、創
業資金利用者にアンケートを実施、希望者 87 企業に訪問によるアドバイスや業界動向などの情報提供を行っております。
※秋田でイキイキとがんばる女性同士がつながるきっかけづくりを進める会員制の会。会員数は 310 名(平成 27 年 3 月末現在)
※平成 26 年度の Biz こまちの保証承諾実績は 15 件、63 百万円
-4-
秋田県信用保証協会
(3) 適正保証の推進
「目利き能力」を発揮し、中小企業の経営実態や将来性にも着目した適正保証を推進するため、保証申込のあった創業先、債務超過先、大口保
証先、設備投資先などを中心に延べ 804 企業(前年 779 企業)に対し実地調査を行いました。
(4) 担保の有効活用と第三者保証人に過度に依存しない保証の推進
商品在庫や売掛債権を担保とした流動資産担保融資保証(ABL)を促進し保証承諾件数・金額とも前年を上回る実績となりました。また、引き続
き第三者保証人に過度に依存しない保証の推進に努め、平成 26 年度の第三者保証人を付した保証は 85 件(全承諾の 1.06%)となっています。
25 年度
流動資産担保融資保証承諾件数
〃
保証承諾額
26 年度
前年比
45 件
53 件
117.8%
8 億 20 百万円
11 億 99 百万円
146.2%
(5) 保証利用企業者数の拡大
当協会が最重要課題として取り組んだ保証利用企業者数の拡大については、リーフレット「信用保証のごあんない」の発行や商工団体、あきた
企業活性化センターが発行する機関誌等への広告掲載、ホームページでの WebCM の放映などで広告・宣伝を強化し認知度のアップを図りました。
平成 26 年 8 月~9 月には「企業サポート強化月間」を設けて保証完済リスト等を活用し、当協会未利用企業や過去に利用のあった企業を訪問し
中小企業支援内容や業界動向などの情報提供を行っています。また、11 月~12 月に関係機関の協力を得て「保証推進キャンペーン」を実施し新
規先 640 企業を獲得することができました。
しかし、保証需要の伸び悩みや利用者メリットの大きい商品の不足、休廃業する企業の増加などから年度末の保証利用企業者数は前年比 122 企
業マイナスの 14,253 企業となりました。なお、平成 26 年度の保証完済企業は 1,208 企業となり前年の 1,078 企業を大きく上回っています。
この結果、当協会の保証利用率は 39.3%(保証利用企業者数÷中小企業者数)と前年の 39.6%を 0.3 ポイント落ち込みましたが、全国平均 36.6%
を 2.7 ポイント上回っています。
-5-
秋田県信用保証協会
2 経営支援、期中管理部門
(1) 企業訪問、アフターフォロー等の強化
① トップセールスの実施
前年度に引き続き、役員自らが未利用企業・将来性のある企業など 20 企業を訪問し地域・業界動向の情報収集・提供を行いました。
訪問企業の情報については、職員間で共有し当該企業からの保証申込時に有効活用することができました。
② アフターフォローの強化
平成 26 年度は、返済緩和先、原油価格高騰や円安による影響が懸念される企業などを中心に 2 ケ月ごとにテーマを設定し 1,228 企業(前年 832
企業)の企業訪問を実施し、これにより得られた情報を分析・取りまとめて全職員にフィードバックしました。
また、法人企業 234 社に対し経営分析ツール McSS(※)現状診断書を提供し、当該企業の財務分析や経営改善活動をサポートしました。
※中小企業経営診断システムの略称。一般社団法人 CRD 協会が開発したシステムで同一業界内での位置付けや財務諸表の平均値との比較によるバランスチェックが可能。
(2) 成長分野の支援
保証利用先企業の販路開拓や受注機会の創出を支援するため、県内食料品製造業者 8 社を対象に秋田県産食材等マッチング商談会 2014 への出
展をサポートしました。
また、成長が期待される食料品製造業者 5 社を対象に FOODEX JAPAN2015 国際食料飲料展(千葉県幕張メッセ)への出展をサポートしています。
この取組みにより出展 5 企業合計で 238 先との商談が行われ、うち 24 先、4,336 千円の商談が成立するなどしています(27 年 3 月末)。この他に
も、中小企業に対する情報提供の一環として、専門家を講師に介護分野や海外展開のセミナーを開催しました。(4 回、131 名参加)
(3) 中小企業連携支援
中小企業が「強み」を持ち寄り、
「弱み」を相互に補完する企業連携によるビジネスチャンスの創出や新たな事業展開を促すため、講演会を開催
し、企業連携を具体的に実践している事例などを紹介しました。
(4) 中小企業支援ネットワーク等関係機関との協働
① 中小企業支援ネットワーク
中小企業支援ネットワークの構成機関と県内中小企業の支援策について情報交換や意見交換などを実施しました。
当協会が事務局となっている経営サポート会議(バンクミーティング)を 35 企業に対し延べ 40 回開催(前年度 26 企業、延べ 35 回)し、取引金
融機関と協調し返済緩和等の条件変更措置を講じるなど、企業の再生支援に取り組みました。また、同様に事務局となっている集中支援ワーキ
ンググループでは対象企業 6 社に運転・設備資金の保証や専門家派遣などの支援策を講じております。
-6-
秋田県信用保証協会
② 金融機関等との連携強化
金融機関本部との定期協議会・情報交換会議をはじめ、金融機関営業店本・支店長を対象とした金融地域別会議、各現課と金融機関・商工団
体との勉強会などを開催し、中小企業支援に向けた連携を図りました。また、経営支援や事業承継に関する理解を深めてもらうため、平成 26 年
10 月に県内に本店のある 5 金融機関融資担当者向けに「業務研修会」(31 名参加)を開催しました。
開
催 会 議
実施回数
勉強会・情報交換会
実施回数
金融機関本部定期協議会(秋田銀行・北都銀行・秋田信用金庫)
5回
金融機関融資担当者向け勉強会
25 回
金融地域別会議
6回
商工団体指導員向け勉強会
8回
秋田県農業信用基金協会情報交換会議
1回
秋田県中小企業再生支援協議会
1回
(5) 経営支援・再生支援に向けた取組強化
経営支援対象企業として中・長期的に経営の改善が見込まれる 269 企業を抽出し、訪問相談や追加保証支援、条件変更対応等の経営支援を行い
ました。また、秋田県再生支援協議会との連携強化に努め、同協議会が策定支援した経営改善計画 50 件について当協会でも同意し、返済緩和の
条件変更支援等を行っています。
(6) 専門家派遣の活用
当協会独自の「専門家派遣事業」を積極的に活用し、課題を抱える中小企業に対し無料で専門家から指導・助言を受ける機会を提供しました。
派遣実績は 106 企業に 304 回(前年 84 企業、213 回)で、マーケティング、販路拡大、生産管理、経営改善計画策定など様々な課題について専門家
がアドバイスを行い、企業の業績改善を促進することができました。
(7) 電算システムの安定的・効率的運用
電算基幹システムのいっそうの安定的運用と顧客サービスの向上を図るため、次期システムを大阪信用保証協会と NEC が開発した「ORBIT シ
ステム」に決定し、平成 28 年 10 月の本番稼動に向け作業部会を立ち上げて検証環境の構築とインフラの整備を行いました。
-7-
秋田県信用保証協会
3 回収部門
(1) 管理業務体制の構築、サービサーの活用
① 管理業務体制の構築
前年度に引き続き、管理部が各現課の回収統括及び進捗管理を徹底した結果、回収額は 9 億 16 百万円と計画比 101.7%、前年比 94.0%の
実績となりました。また、求償権管理の効率化を図るため、求償権の管理事務停止(※)及び求償権整理(※)手続を集中的に行い、2,254 件(前年
1,273 件)の整理手続等を行いました。
※管理事務停止は将来に渡って回収見込みがなく、管理の実益がないと認められる求償権について、保全及び取立に関する事務を積極的に行わないこと。
※求償権整理は管理事務停止債権の内、法的又は実質的に権利喪失している求償権について、債権が消滅したものとして実質求償権残高から除外すること。
② サービサーの活用
サービサーの回収実績は、2 億 69 百万円と計画比 107.6%、前年比 93.8%の実績となり、求償権回収総額の 29.3%(前年 29.4%)を占めました。
※計画及び実績数値は、(求償権元金+損害金+保証料)の合計額
サービサーへの委託は、件数 2,385 件、求償権残高 149 億円(前年件数 2,463 件、求償権残高 154 億円)と前年比では件数、金額ともに減少しま
したが、求償権全体に占める割合では件数 27.0%、金額 21.9%と高い委託率となっています。
(2)
(3)
(4)
担保処分の推進と保証人免除・損害金減免
担保不動産の処分による回収額は 2 億 58 百万円と前年比 67.4%と低調でした。
一方、保証人免除や損害金減免等による不定期回収額は、地道な調査、督促・交渉の継続により 3 億 78 百万円と前年比 126.4%、前年回収実績
との比較では 79 百万円増加しました。
債権管理の徹底
時効管理については、リストに基づき管理部管理第 1 課が進捗管理を行いました。また、求償権の状況を個別に管理し、回収見込、管理事務停
止、担保処分対象案件資料等に活用し回収促進に役立てました。
要代位弁済先の管理強化
金融機関から提出される事故報告書の内容点検や返済緩和先の定期調査において、代位弁済可否の見極め、代位弁済後の保全措置、早期競売申
立などを具体的に指示した結果、回収方針が明確となり代位弁済手続きがスムーズに進みました。
-8-
秋田県信用保証協会
4 その他間接部門
(1) 「自ら考え、行動する自律的な職員」の育成
① 関係機関、海外への職員派遣
中小企業支援を行うスキルを習得するため、秋田銀行及び秋田県中小企業再生支援協議会などに職員を派遣しました。また、全国信用保証協会
の海外視察研修に2名、秋田県貿易促進協会実務研修、TKC 秋田支部海外視察研修に職員各1名を派遣し、ビジネスマッチングや海外展開におけ
る支援スキルなどを学んでいます。
② 1人1分野の推進
各種資格の取得や特定分野への見識を深める「1人1分野」の取組を奨励し専門性の高い知識の習得に努めました。
③ 内部集合研修の実施
職員を対象とした階層別研修、創業支援チーム研修等を11回実施し経営・創業支援スキル習得と実務能力の向上を図りました。
④ 関係機関主催のセミナー等への参加
関係機関が主催する中小企業向けのセミナー・ビジネスフェア等に職員が参加し、業界動向や新たな商品・技術などへの見識を深めました。
⑤ 計画的なOJT、OFF-JTの実施
日常業務を通じたOJTを計画的に行いました。また、全国信用保証協会連合会等で開催する外部研修についても計画的に職員を派遣し、知識
習得や支援スキル向上を図りました。
【実施・参加研修内容一覧】
研
修 内
容 等
人数・回数
研 修 内
容 等
人数・回数
秋田銀行(地域サポート部)への実務研修
1名
秋田県中小企業再生支援協議会実務研修
1名
全国信用保証協会海外視察研修
2名
海外職員派遣・研修
4名
3名が発表
内部集合研修の実施
11回
1人1分野報告会年 1 回開催
関係機関主催セミナー等への参加
33回
外部集合研修への職員派遣
延べ51名
【資格取得状況】
資
格 名
資格取得人数
資 格 名
資格取得人数
資
格 名
資格取得人数
信用調査検定マスター
1名
信用調査検定アドバンス
3名
信用調査検定ベイシス
3名
建設業経理士 2 級
1名
動産評価アドバイザー
1名
販売士 2 級
1名
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秋田県信用保証協会
(2) コンプライアンスに基づく業務運営
コンプライアンス・プログラムに基づき、コンプライアンスに係る会議・研修を実施し、組織全体でコンプライアンス態勢の徹底を図りました。
① コンプライアンス・プログラムの実施
平成 26 年度コンプライアンス・プログラムに基づいた業務運営を行い、内部研修やセクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど総合的
なハラスメント対策の充実を図るとともに、外部機関が実施する各研修会へ職員を参加させ役職員のよりいっそうの意識向上と組織内におけるコ
ンプライアンス態勢の確立を図りました。
また、基幹業務(保証、期中管理、回収)の事務処理についての適格性監査の他、具体的な対応方法や支援方法・内容が適切、妥当であったか
の妥当性監査を実施しました。
なお、反社会的勢力の排除を対外的に発信するため「反社会的勢力への対応方針」をホームページに掲載しました。
② 経営管理(ガバナンス)の強化、経営計画等の公表
理事会が決定した年度経営計画に基づく協会運営に関する重要事項について、役員及び部長等で構成する定例会(月1回開催)において協議、
決定、情報共有を図りました。更に、計画の取組状況を本部が継続的に管理し四半期に1回開催する現課長、支所長を加えた拡大定例会において
現課との情報・目的意識を共有しました。これら会議の議事録はイントラネット上に掲示し全職員が閲覧し内容を確認しています。
経営計画等の公表や外部評価委員会の評価は、ディスクロージャー誌やホームページに掲載しました。
③ コンプライアンスチェック体制の整備
平成 26 年 9 月に発生した保証料送金伝票の誤送付事案を受け、個人データの移送・送信にあたっては、必ず複数の職員で行うこととする等、
個人データ取扱運用細則を改正しチェック体制の強化を行いました。
また、平成 27 年 3 月に発生した個人情報紛失事案の発生を受け、個人データ安全管理対策プロジェクトを設置(平成 27 年 4 月 17 日)し、個
人データの安全管理体制について、組織・人・技術の各方面において安全管理上の問題点や脆弱性の有無について検証し、改善策の検討を進めて
います。
-10-
秋田県信用保証協会
Ⅲ
平成 26 年度計画の自己評価
1
事業実績の自己評価
平成 26 年度においても「顔の見える保証協会」を全ての行動の基本として、実地調査を含め 1,962 企業への訪問、講演会・各種セミナーや創
業者同士の交流会などを開催し、県内中小企業との接点を増加させる取組を行いました。
また、専門家派遣事業や中小企業支援ネットワーク・経営サポート会議を積極的展開し「頑張る中小企業」への経営支援を実施することがで
きました。
しかし、保証業務数値はセーフティネット保証を対象とした県制度の取扱終了や低金利のプロパー資金へのシフトなどから保証承諾・保証債
務残高とも計画未達・前年割れとなり、また、最重要課題として取り組んだ「保証利用企業者数の拡大」も前年比 122 企業減の 14,253 企業とな
り 8 年連続の増加とはなりませんでした。今後、当協会を利用する中小企業にとって魅力ある保証制度の創設や経営支援・創業支援の更なる強
化策などについて検討が必要となっています。
2
決算状況の自己評価
保証承諾・保証債務残高は計画を下回ったものの、代位弁済も計画を 23 億円下回ったことなどから、当期収支差額は計画を 5 億 49 百万円上
回る 8 億 65 百万円を計上することができました。
この結果、当期収支差額処理後の収支差額変動準備金は 36 億 9 百万円、保証債務残高の 1.48%(前年 1.22%)となりました。
また、基本財産は 167 億 14 百万円となり、前年比 4 億 33 百万円増加し財政基盤の強化を図ることができました。
-11-
秋田県信用保証協会
Ⅳ
外部評価委員会の意見等
1.業務運営と重点課題
貴協会にあっては「顔の見える保証協会」を全ての行動の基本とし、依然として厳しい経営環境にある県内中小企業及び小規模事業者との直接
的な接点の増加に努め、関係機関とも連携しながら政策保証の推進や経営支援への取組みを強化するなどし、次の事項に重点を置き業務運営に努
めてきました。
一.保証業務においては、経営改善に向け努力する中小企業の事業維持・発展のため、県や市町村制度融資などの政策保証を活用した積極的な資
金支援に努め保証利用企業者数の拡大を図ること。
一.経営支援及び期中管理業務においては、企業訪問、フォローアップの強化により企業実態を適時的確に把握した経営支援の実施、及び柔軟且
つ効果的な条件変更や借換需要への対応を図ること。また、創業前から事業が安定するまで一貫した経営支援を行うことを目的に創業支援チー
ムを立上げ、支援セミナーを開催するなど創業支援体制の強化を図ること。
一.求償権回収業務においては、本部による現課の回収統括及び進捗管理を徹底することや、また、保証協会債権回収(株)との連携を強化する
ことにより回収実績の積上げを図ること。
一.その他の部門として「自ら考え、行動する自律的な職員」の育成とコンプライアンス態勢の一層の強化を図ること。
2.外部評価委員会の評価
業務運営などの現状に対する評価は、次のとおりです。
一.人口減少や後継者問題を起因として県内の中小企業者数が減少するなか、企業サポート強化月間の設置による地道な企業訪問や関係機関と連
携した保証推進キャンペーンの実施などにより、保証利用企業者数の減少を最小限に止めたことを評価します。
一.ポスターやホームページへの掲載をはじめ、マニュアルの整備など反社会的勢力の介入を防止・排除する態勢の整備には万全を期しており評
価します。
一.県内、国内だけでなく、海外にも目を向けなければならない現代にあって、保証利用者への支援充実に繋げるため、職員を海外研修等へ積極
的に参加させている点を高く評価します。
-12-
秋田県信用保証協会
3.外部評価委員会の提言
当委員会は、貴協会が引き続き県内中小企業の振興と県内経済の発展に貢献していくことを期待し、次のとおり提言します。
(1) 新たな保証商品等の開発について
セーフティネット対象業種の縮小や金利競争を背景としたプロパー貸出の増加など外部要因により保証実績が伸び悩みの状況にあるなか、中小
企業支援機関として信用保証協会自らの魅力を向上させるよう努力し、保証利用者の目線に立った新たな保証商品や支援手法の開発などに積極的
に取組むこと。
(2) 内部統制の強化について
職員の管理やコンピューターシステムの運用も含め、全体的な内部統制システムの構築について万全を期すこと。また、コンピューターシステ
ムの管理については、外部からのハッキング等、リスクが増大する状況にあることから、セキュリティ機能の強化を中心に十分なコストをかけて
取組むこと。
(3) 人材の育成について
中小企業支援機関として保証利用者のニーズにマッチした各種資格の奨励や外部研修への派遣について、今後も継続的に実施し職員を育てる取
組を続けていくこと。
(4) 非財務に係る実績の検証について
非財務の計画にも業績評価指標(KPI)を設定し、バランストスコアカードの仕組みを利用するなど、財務と非財務の因果関係に着目した検証
を行うことができる体制を整備し、よりユーザー目線に立ったサービスの構築に取組むこと。
以 上
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