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おたよりスペシャル

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おたよりスペシャル
10月
6日O.:.
スタジオ出演
おたよりスペシャル
◆ 大橋グレース
英 尚枝
電話出演
・・・自立生活センター職員
多発性硬化症
(はなぶさ・ひさえ) ・・・NHKディレクター
◆ ギャルママさん
・・・1 才の脳性まひの子どもをもつ母
はるな愛:は~い!バリアフリー・バラエティー「バリバラR」の時間で~す。
パーソナリティのはるな愛で~す。よろしくピ~ス。
「バリバラR」は、毎週金曜よる9時、E テレ
で放送している障害者情報バラエティー「バリバラ」のラジオバージョンです。今日はですね、
バリバラ R のオリジナル企画、おたよりスペシャル~!イエーイ!ということで、
番組あてに、みなさんからいただいた「声」をどんどんご紹介していきたいと思います。
ゲストは、おなじみ、大橋グレースちゃんです。お願いします。
グレース:はーい、よろしくお願いします。
はるな愛:久しぶり!
グレース:久しぶりですね。
はるな愛:お願いします。そして英 尚枝(はなぶさ・ひさえ)ディレクターとともに、番組をすすめてい
きたいと思います。
英D
:よろしくお願いいたします。
はるな愛:お願いします。はーい、いっぱいきてますか?おたより。
英D
:そうなんです。たくさんの方からよせていただいています。どうも本当に、ありがとうございま
す。できるだけ今日はたくさんご紹介していきたいと思います。
はるな愛:はい。
英D
:では、早速、1通目のおたよりなんですけども、実は、はるなさんあてにこんな質問をいただい
ていますので、ご紹介します。小学校 2 年生の「けんちゃん」からです。
はるな愛:けんちゃん?けんちゃんから、けんちゃんに?
おたよりありがとうございます。
けんちゃん (小学校 2 年生)
ぼくは、はるなさんみたいに、女の子になりたいです。
大好きなはるなさんに、聞きたいことがあります。
リカちゃんにんぎょうとか、バービーとかもっているんですか?
それと、なんで女の子になりたかったのですか?
はるな愛:すごーい、うれしーい。あぁ、でもすごいわかる。私も人形遊び大好きで、人形いっぱい持ってまし
たね。リカちゃんとか、バービーとか。そういうの持って遊んでたし。あと、ままごとと言えば、
お母さんとかお姉さん役をしていたし。あの、「なんで女の子になりたかったのですか」って言われ
たら、たぶんわからないんですよね。たぶん物心ついたときには、女の子に憧れて、スカートもはき
1
たくて、で、周りの男の子たちに女の子扱いしてもらいたくて・・っていう。たぶん、けんちゃんも
同じ状態なのかな、どうなのかな、と思います。私の場合は、性同一性障害っていって、心と体がち
がう、って違和感を感じているんですけども、なんでこう、なんかみんなと違うんだろう?とか、女
の子になりたい、っていうか、これから女の子になっていくつもりなのに、体がどんどん男性化して
いく、っていうその差にどんどん悩む時期って言うのが、やっぱり成長期にきたりすると思うんです
ね。そこで、女の子にはなれないという現実に、どんどんどんどんぶちあたることが多くなるんです
よ。小学校時期になるとやっぱり、着替えとか分けられたりとか、男の子と女の子の授業が別々で行
われたりとか。それでどんどんどんどん、現実に、あ、女ではないんだな、って自分で思うしかなく
て。
英D
:まあ、けんちゃんが、性同一性障害かどうかっていうのは、まだ小学校 2 年生ですからね、まだそこ
までわからないと思うんですけれども・・・
はるな愛:そうですよね。私の場合はこうやって、ま、問いかけながら、自分に、どうなの?どっちで生きてい
きたいの?って。男なの?女なの?っていうのを毎回毎回ききながら生きてきたんですけど、でも、
まあ、けんちゃんまだ小学校 2 年生なのでね。ほんと、あの、かっこうだけちょっとね、女の子のキ
ャラクターに憧れてなりたい、っていうパターンもあるしね。別に女の子になりたい!ってみんなに
言っちゃったから、ずっと女の子でいないといけないのかな、っていうのもなくて。
だからほんとに、これからいろんな方々に出会って、いろんな経験をふんで、自分は何なんだろう、
っていうことをいっぱい考えると思います。でも、その考える事ってすごく大切で、あの、それこそ
が自分であることっていう、しっかりとした個性を見つけることなので。ぜひこれからの経験、不安
がらずに、素晴らしいことだと思うから。私、素晴らしいこと待ってたから。あの、これからどんど
んいい経験して、
「自分」っていうものをしっかり持って下さい。
またその時に、何か相談できることがあったら、私も、相談にのるので。はい、相談してください
英D
:では続いてのおたより、はるなさんの方からお願いします。
はるな愛:はい。続いてのおたよりです。北海道におすまいのユカさん、20 代の女性の方からいただきました。
ありがとうございます。
北海道 Yuka☆(^∀^)ノ さん (20 代女性 広汎性発達障害)
私は広汎性発達障害と診断されて 5 年ほど経つのですが、いまだに自分の障害を受け入れること
ができません。この障害は、よく、「場の空気や人の気持ちが読めない」と言われますが、読め
ないから別にいいと思ってるわけではなく、コミュニケーションにおいてさまざまな場面で非常
に困っています。
バリバラに出演されているみなさんは、障害を受け入れて、いきいきと生きているように見え、
すごいなと思いました。みなさんは、どうやって自分の障害を受け入れることができたのですか?
切実に知りたいです。
はるな愛:グレースちゃん、どうですか?
グレース:そうですね。ま、私の場合は、1 人暮らしを始めてからのことだと自分では思っていて、まあ、
その前は、結構、障害があるからここまで、とか、結構、制限をうけることが多い生活を受けて
いたので・・・
2
はるな愛:あ、周りの人から?
グレース:そうですね。勝手に自分の中でも、これが自分の限界なんだ、みたいなものを作り上げている部
分もあったみたいなところがあって、今、振り返ってみると、まだ成長段階だったのかな、と思
っていて。で、今もまだ、成長段階かなと思ってはいるんですけれども。1 人暮らしをし始めて
からは、ヘルパーを入れ始めて、たしかに自分 1 人ではやっていないかもしれないけれども、
ま、結果的にはヘルパーに指示を自分がして、ま、料理を作ったりとか、いろいろできたりして
いったことが、結果的には「できる!」みたいなことが・・・
はるな愛:一個一個・・・
グレース:そうなんです。「できる」がいっぱいつながっていって、最終的には障害を受け入れることがで
きるようにもなったし、こんな障害を自分は実は持っているんです、っていうところも言えるよ
うになった、というところもあるかなぁ、って。
はるな愛:今、あのグレースちゃんのね、言葉の中でね、あの、まだまだ成長段階って言っていたじゃない
ですか。ということは、ちょっと受け入れたくないな、っていう場面も今でもあるっていうこと?
グレース:今でもぜんぜん・・・たぶん自分の中では客観的に見てまだ80%とか、でも日によっては90%
だったりとか、やっぱりそこは揺れるし、まだまだ障害歴で言ったらほんとに短くて、受け入れ
るのに時間がかかるから、あせらずゆっくりでもいいんじゃないかなって私は思ってますね。
英D
:あの、このユカさんの場合は、障害ゆえにコミュニケーションにおいて特に困ってらっしゃると
いうことなんですけれども、グレースの場合もやっぱりコミュニケーションで困ったりすること
ってあるんですよね?
グレース:そうですね、ま、私の場合、ちょっと障害が違って、えっと、高次能機能障害というところで、
ヘルパーさんと感情がバーンとぶつかってしまったりとかで、コミュニケーションにちょっと障
害が生じちゃう時があるんですけれども、自分ってどういうしゃべり方してるんだろう、とか、
知っていって、それを伝えていって、だからこういうふうにつきあってね、私とって・・・って
いうのが、けっこう大事な一歩目なのかな、っていうふうには思いますね。
自分でいくら客観視して見ようと思っても、なかなかわからなかったりしていた部分があって、
それで私の場合はですね、病院に行って、特徴、話す特徴が、まるで自分のことのように全てを
話してしまう特徴があるっていうことを言われて。まあ、そういう方向にいったら、話を一旦止
めて、「ちょっと待って」って言って、もう一回話しを戻して下さいっていう風にお願いしてか
らは、このぶつかりあいっていうのはなくなってきましたね。
はるな愛:なんかコミュニケーションってね、ほんとに難しい、普通でも難しいと思うんですけど。
グレース:そうなんです。私ってどんな人なんだろうとか、実際困っているのはどんなところなんだろうっ
て。結構いっぱいあるじゃないですか、場の空気とか、人の気持ちが読めない、っていろんなパ
ターンがあると思うので。ぜひこの、どういうところでまず困っているんだろうっていう、もっ
と具体的に攻めてみたらどうなのかな、っていうふうに思いますね。
英D
:なるほどね。
はるな愛:なるほどね。
はい、続いてのメール、ご紹介します。
静岡県にお住まいの、
「すだりへ」さんです。20 代の女性で、軽度の知的障害のある方です。
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静岡県
すだりへ さん
(20 代女性
知的障害)
私は昔から、周囲から、「変な子、不思議ちゃん、天然ボケ」と言われてきました。勉強、運動
が苦手で、仲間外れにされることは当たり前、一人でいることに、慣れてしまいました。
社会人になっても、仕事ができず、どこへいっても煙たがられました。前の会社をクビになり、
生きている意味がわからなくて、悲しかったです。
今年の 2 月、軽度の知的障害があることが発覚しました。無事、療育手帳を取得し、嬉しくて
手帳を毎日、持ち歩いてます!障害枠での就職も決まりました!
知的障害、これが本当の私なんだなぁと思いました!
はるな愛:今年の 2 月に、発覚したんですね。
英D
:そうですね。この方のように、軽度の知的障害がある場合、ご本人も、周りの人たちも障害があ
るっていうことがすごくわかりにくいので、障害があるっていうことがわからずに、
「みんなと
同じようにできない」と落ち込んだり、周りから責められたりして、しんどい思いをしているっ
ていう方が結構、いらっしゃるんですよね。だから、この方も、障害があることがわかったこと
で、「自分は、このままでいいんだ」って思えた、というのがすごく大きかったんじゃないかな
って。
はるな愛:そうですよね。
グレース:障害を知ったことで、あ、本当の自分ってこうなんだ、っていうのを、知ることができる、でき
たっていうのは、すごい大きなことだな、と思っていて。やっぱりこうやってわかって、自分に
自信がつくっていうか、これが原因だったのか、みたいなところがわかるのはすごくよかったな
あ、というふうに思いますね。
はるな愛:そうね。
英D
:障害ってわかるとね、サポートがいろんな形で、ね、サポートすればできること、っていろいろ
でてきますもんね。
はるな愛:そうですよね。なんか逆に、あぁ、そうだったんか、って落ち込む人もいると思うんですよ。
でもなんかこう、すごく前向きにプラスになんかね。すごいすばらしいですよね。
ぜひ、すだりへさん、がんばって下さい。
はるな愛:続いてのおたよりです。愛知県にお住まいの「ギャルママ」さんからです。
愛知県
ギャルママ さん (20 代女性)
重度の脳性まひの 1 歳の子どもをもつ、22 歳のママです。出産事故で、将来も寝たきりの可能
性が高いと言われています。この 1 年あまり、いろんなことがありました。成長するにつれ、周
りの友達とあきらかに違っていく姿、知らない人に指をさされたり、コソコソ言われたり。
ここには書ききれないほど辛くて、不安で、悩んだ日々でした。
そんなあたしでも、やっぱり、自分の子どもが世界で 1 番かわいくて愛しいことに、変わりはな
かったです。障害にも興味がなかった。でも子どものおかげで勉強したり、知ったり、初めてみ
る世界と触れることができました。今はもう、子どもの障害を受け入れて、何をすべきか、何を
したらいいかっていうふうに、変わりました♪
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なにより、頑張っている姿をみると、親のあたしも負けてられないって思えます。それからブロ
グで知り合った障害児のママと、療育で知り合ったママたちとの出会いでも、かなり変わりまし
た。あたしは、子どもを信じています。1年でだめなら、また1年がんばる!!
はるな愛:ということでね。ギャルママで・・・
英D
:ね。若い・・まだ 22 才ですかね
はるな愛:そうですね。お子さんが出産事故で、こういう脳性まひ、重度の脳性まひになって、なんか、
よくね、出産したお母さんが子どもから教わることってすごいいっぱいあるっていうじゃないで
すか。たぶん、なんか、ギャルママさんに、必要だったこととか、たくさん教えてくれているん
だろうなっていうのが、この文でわかりますよね。
英D
:そうですよね。そのギャルママさんと今、電話がつながっていますので。
はるな愛
:そうですか。ギャルママさん、こんにちは!
ギャルママ:こんにちは~
はるな愛:(笑)はるな愛です!かわいい・・しゃべり方もなんかギャルママって感じで。
ギャルママ:ほんとですか?
はるな愛 :お子さんはいま、1 才ですよね。最初、障害があるということがわかった時ってどう思いまし
た?
ギャルママ:最初は、ぜんぜん受け止められなくて、信用できなかったです。絶対治るって思ってました。
障害っていう分野に自分の子どもを入れないようにしていました。
はるな愛
:でも徐々にいろいろと自分でもわかっていくわけですよね。
ギャルママ:そうですね。だんだん、やっぱり成長とともに全然ちがってくるんで。それでだんだんわかっ
てきて、このままでは私もダメだなと思って。子どもにとって何かやってあげれることを・・・
私も変わっていかなきゃなと思って。
はるな愛 :へえー、そういうきっかけって、何かあったんですか?子どもさんの障害を受け入れるきっか
けになったのは。
ギャルママ:同じ病気のママのブログを見つけて、前向きにやっている姿を見て、あ、この人すごいな、と
思って。私もこんなふうになれたらいいな、って。子どもとまず向き合っていかないとこうな
らないな、って思って。
英D
:それは、いつ頃の話しなんですか?
ギャルママ:それは、半年ぐらいですね、子どもが。2 か月ぐらい家の中に閉じこもっていたこともあった
し、外に出るのが嫌な時もあったし・・。ブログを始めたきっかけが、やっぱり子どものこと
を知ってほしかったっていうのがあったんです。周りに。と、子どもの成長と。子どもの成長
を見ていくと、自分も成長したっていうことがわかってくるから。
はるな愛
:ブログを始めて、どうですか。なんか自分でも変わったな、変化って、あります?
ギャルママ:そうですね。前向きに何でも捉えられるようになったのと、とにかく何か、私が動かないと
子どもは動けないから、私が行動することがかなり増えましたね。全然知らない、私と面識の
ない人や、年もそうだけど、男女問わずいろんな方が見るじゃないですか。それによって幅が
広がるんですよ、いろんな。
はるな愛
:なるほどね。
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ギャルママ:で、コメントとかメッセージとかきて、こうしたほうがいいよ、とか、ああしたほうがいいよ、
とか、そういうのも、すごい参考にしてて。
はるな愛
:ちなみに、同じような、悩んでいるお母さんがいると思うんですけれども、その人たちに今、
伝えられることってどういう・・?
ギャルママ:やっぱりショックだけど、自分の子だからかわいいんですよ。今一緒にいる時間を、楽しく、
いかに幸せに一緒にいられるか。
はるな愛
:ちなみに、一番楽しいこと何ですか?子育てで。
ギャルママ:え~ ふたりでまったりすること~(笑)
はるな愛
:(笑)いいよね、しゃべりかたもいいよね。そうなんだ、やっぱり、この、いただいたおたよ
りからね、子どもがかわいい、っていう愛がすごく伝わってくるんですけど、どんな存在なん
ですか、お子さんは?
ギャルママ:いやあもう、世界で一番大好きですね、旦那より子ども(笑)。この子と出会って、ほんとに
全てが変わりました。すごい感謝してます。
はるな愛
:あ~すてき~。
ギャルママ:子どもがいたから学べて、子どもがいたから私が変われて、ほんとうに感謝してますね。
はるな愛
:なんか、幸せいっぱいの声です、ほんとに。
英D
:あの、障害のある方、障害者に対する見方っていうのも変わりましたか?お子さん、生まれて。
ギャルママ:そうですね。なんか今までは同情していたんですよ、かわいそうだな、とか。自分の子もやっ
ぱり変なこと言われたりとか、「かわいそうに」って言われたことあるんですけれども、かわ
いそうじゃなくて、がんばってるんだよ、って思うんですよ。そういう見方がすごく変わりま
したね。
はるな愛 :ふーん、ほんとに。ほんとなんか幸せな。電話からひしひし伝わりました。子育てがんばって
くださいね。
ギャルママ:はーい。ありがとうございます。
はるな愛
♪
:ありがとうございます。
インターミッション
はるな愛:はるな愛の「バリバラ R」
。今日は、「おたよりスペシャル」ということで、グレースちゃんと
一緒にお届けしています。
続いてはですね、障害者のあるある話、「バリバナ」。
今日は、バリバラ R のオリジナルバージョンです。
「やめられない」
強迫性障害 モンクさん
私は、大好きな洋服や小物のお店に入ると、商品の並べ方が気になってしかたない。
前のお客さんが乱した所を、次々と並べ直す。
お店には大貢献?!
一方で、「不審な動き」に思われてはいないかと、ハラハラする。
でもやっぱり、やめられない
6
はるな愛:ね、強迫性障害ってこの番組でもやりましたけど、あれなんですよね、ほんと気になったらすご
くそこが気になるから、手を 1 回洗ったら100回ぐらいは洗わないと・・・
英D
:そうですよね。そういう方なんですけれども、お店には大貢献ということで。
グレース:(笑)でもこれってお店の人にとってはすごく嬉しいことなんじゃないですかね?
はるな愛:ね、そこの服ばっかりずっと見てるんでしょうね。
英D
:でも一方で、不審な動きじゃないかと、気にもして・・
はるな愛:たしかに。後ついてまわるみたいな感じでしょ?触っていった人の・・・ね。
続いてはこちらです。
「映画の楽しみ方」 アスペルガー症候群 しょうた さん
子どものころのこと。お母さんとアニメの映画を見に行った。
開演時間になって照明が消されると、映写機から光の筋が出てくる。
それが気になって、本編が始まっても、光の筋を見続けていたら
映画を全く見ないまま、終わってしまった。
連れて行ってくれたお母さんは、ガッカリしていたらしい。
はるな愛:(笑)気になったんでしょうね。
グレース:でもまあ、これも一つの映画の楽しみ方じゃないんですかね(笑)。
はるな愛:あの、スーってやつでしょ?ちょっとあの、映画館のチリが浮いているのが見えるようなね。
でも、お母さんも一緒に感想言いたかったでしょうね(笑)
以上、バリバラのコーナーでした。
♪インターミッション
はるな愛:さて、「バリバラ」では、新しいテーマでみなさんからのメッセージを募集しています。
「あなたの、社会に対する“ブーイング”募集!!」ということなんですけど、英さん、これ、
どういうことですか?
英D
:今年6月に、
「障害者差別解消法」という法律が成立したんですね。3年後に施行されることに
なっているんですけれども、これは、文字通り、障害を理由とする差別を解消する、禁止すると
いう法律なんです。でも現実には、どういうことが「差別」にあたるのか、線引きが難しいとい
うケースも、結構ありますよね。で、番組では、みなさんが日ごろ生活する中で、なんとなく感
じている不満や、社会に対して“ブーイング”したいことを、できるだけ具体的に寄せていただい
て、みんなでそれを考えていきたいと思っています。
そこで、お二人にもお聞きしたいんですけれども、まず、グレースさん!色々ありそうですけれ
ども、ブーイング・・・
グレース:ありますよ!
はるな愛:ありますか?ブーイング
グレース:ありますよ、ブーイング。
7
はるな愛:何?
グレース:えっと、これは、記憶にすごく強く残っているブーイングなんですけれども、まあ、栃木にまだ
住んでいたときに、バスに乗ろうとしたときに、すごい混んでたんですよね。車いすだと二席分
ちょうど使わないといけない、じゃないと乗れないので。
はるな愛:なるほど、車内が混んでたんだ、わーっと。
グレース:そうなんですよ。混んでいて、(車いすで乗ると、次に)乗ってくる人が乗れなくなるから、ま
あ、次ので行ってくださいよ、っていう話を言われて。
はるな愛:え?誰に?それは・・
グレース:バスの運転手さんに言われて。それは、みなさんも通勤でしょうけれども、私、通学、ちょうど
通学、いかなきゃいけなかったんで、「それはおかしいでしょ」っていうことで、ちょっと戦っ
たことがあるんですけれども。
はるな愛:それは戦おうよ。それはどうなったの?乗せてもらえなかったの?
グレース:検証して、ま、結果的にはバスの本数を増やせばいいじゃないかっていう話しでまあ、差別かど
うかはこちらとしては、っていう話だったんですけれども、とりあえず本数は増やして、問題は
解消されたっていう状態なんですけども。
はるな愛:すごい、でも、バスの本数が増えるまでの話しにね、やっぱりもっていったところ、グレースち
ゃんらしいよね。
英D
:みんなのためにもなるというね・・・
グレース:みんなのためにも・・
(笑)
はるな愛:私はですね、マンションを借りる時に、大家さんの立ち会いで部屋を見にいったことあるんです
よ。で、すごい気に入ったんですって言って。私、そのとき、こんなにテレビでてなかったんで
すけども、「ああ、こういうなんか明るい女性の方に借りていただけたら嬉しいわ」みたいな。
「あ、女の人と思ってる!」って思ったんですよ。大丈夫かな、と思いながらも、
「じゃあ、こ
れ気に入ったので、この物件気に入ったから、あとで申込書かいてお送りします」って言って私、
「大西賢示」って本名でかいて、いろいろかいて送ったら、向こうからかえってきた言葉が、
「ご家族もいっぱい住まれてるので、ちょっとこういう方は住まれたら困るから」っていわれた
んですよね。これはちょっと、ねえ!どういうこと?それは。教育に悪いっていうこと?私がず
かずかと隣の家で夕食をよばれるとかなんか、そんなぐいぐい行く性格ってこと?なんなんだろ
う、と思って。ちょっとこれはひどいな、って思ったんです。たぶん、もっとこんな同じような
性同一障害とかいろんな方が、ああこういうので苦労してるんだな、って思った瞬間でしたね。
英 D
:視聴者のみなさんからも、
“ブーイング”がいくつか寄せられているので、ご紹介したいと思いま
す。
福岡県
ほわいと さん(盲ろう)
みんな、広い道でも、どうしてわざわざ点字ブロックの上や横を歩いたり、
物を置いたりするのか、わからない。
点字ブロックを敷いているわけをもっと理解してほしい!!
そして、みんなが安心して歩ける歩道を作ってほしい。
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英D
:これは、まあ・・・
グレース:これは当然・・・
英D
:ブーイングですね。
はるな愛:うん。
東京都
さくら
さん(聴力障害)
私は、転職を繰り返して来ました。聴力障害があり補聴器を付けています。面接の際、私の話し
言葉が健聴者と変わらないようなので驚かれます。そして就職が決まると必ず「電話応対」を
依頼されます。「できません」と断ると干されるかクビにされそうなので、我慢して必死に受話
器を耳に押し付けて聞き取ったりしてきましたが、無理は続かず、徐々に体を壊すはめに。
聴力障害であっても、事務職には電話応対が必須条件なんでしょうか。配慮ってどこまでを言う
んでしょうね。
英D
:これまた難しいですね、これね。
グレース:これ、ここの文章からの想像なんですけれども、障害者枠でこれ、聴覚障害っていうことで就職
されている感じの文章ですよね。それだったら聴力に障害があるんだから、そこは配慮があって、
っていうか、配慮がないと困るところではありますよね。
はるな愛:そうですよね。体をこわすぐらい、すごく神経使ってやっていると思うから、やっぱりまずそこ
は体こわしたらあかんし、なんかもしかして重要な電話が間違って受け取ったりとか、受けたり
しても問題になるので、早めに言って、ね。
英D
:まあね、職場の方の配慮がないんだったら、自分で言っていった方がいいことですよね、これは
ね。で、それでも配慮してもらえないっていうんだったら、ちょっとこれはおかしい、と。
グレース:そうですよね。それで言ってクビにされたらそれこそ問題ですよね。なのでそこは堂々と「ちょ
っと聞き取れません」って言ってもいいんじゃないかな、って思いますけど。その前に配慮があ
ってもいいのかなって思いますけどね。
はるな愛:そっか、会社にね。
北海道
まありー さん(下肢障害・松葉杖ユーザー)
職場では普通に接してくれているけど、飲み会に誘われてないことがわかった瞬間、差別されて
いることを感じてしまいます。 「たかが飲み会で」という人もいるけど、「されど飲み会」。
親睦を深める為の場に誘わないのは、実はとても深い差別だと思ってしまいます。
はるな愛:これはあれですかね、みーんな誘われているのに 1 人だけ、とかかなぁ?
英D
:そこはどうかわからないですけれどもね。
はるな愛:たとえば合コンみたいな飲み会だと、別に障害があるとかじゃなくて、なんかあれ、開く人が、
一番自分が有利になるメンバーを選びません?
グレース:そうそうそう・・・
(笑)
はるな愛:とか、いろんなこと考えて。そういう飲み会とはまた違うっていうことかな?会社のみんなで
集まったりとかっていうことかな?
9
グレース:たしかにそれが「障害があるから」という理由で、もし誘われてないのであるならば、私は差別
だと思いますけど、もうプライベートだから、っていう感じで誘われていなかったら、それは、
ちょっと微妙なラインかな、っていうふうに思いますね。
はるな愛:そうなんだ。どう?飲み会に誘われないこととかは、グレースちゃんは?
グレース:私、よくはぶかれる者なので、別に・・・(笑)。
はるな愛:そんなときはどうするの?
グレース:自ら「ちょっと~!」と言うときもあれば、ほんとに疲れてたら、まあ疲れてるしラッキーぐら
いの勢いで家に帰りますけど。でも、だからそれはもう、自分自身しかわからない。だからそこ
はあんまり気にしなくてもいいのかな、なんて個人的には思いますけどね。
はるな愛:なるほどね。
英D
:
「バリバラ」ではですね、12月に、特別番組を予定しています。いろいろなシチュエーション
を想定して、それが差別にあたるかどうか、また、障害ゆえの配慮がどこまで必要なのか、楽し
みながら考えていこう、という企画です。みなさんからの投稿も参考にさせていただきますので、
ぜひ、「あなたの“ブーイング”」
、どんどんお寄せください。
はるな愛:お待ちしています。
英D
:それからもう一つですね、番組では、今、「バリバラ川柳」を大募集しています。ご自身の障害
に関すること、家庭でのあるある話、街なかで遭遇した面白エピソードなど、障害に関するつぶ
やきや、ぼやきを、五、七、五の十七音で表現してお送り下さい。
グレースさん、一句、いかがですか?
グレース:はい、えっと、じゃあ行きます!
「難病で
障害ばかり
デパートか」
(笑)
はるな愛:そういう、障害のあるあるエピソードをまじえての川柳を?
英D
:はい。で、入選作は、12月に「バリバラR」で発表する予定ですので、ぜひ、たくさんの投稿、
お待ちしています。
はるな愛:お待ちしています。
今日はですね、
「お便りスペシャル!」ということで、グレースちゃんと、英ディレクターと一緒
に、お送りしました。またぜひね、こういうお便りお寄せいただいて、またみんなでお話しした
いと思いますのでね、お待ちしております。ありがとうございました。
さて、はるな愛の「バリバラR」
、いかがでしたか。感想やメッセージをお待ちしています。
宛先は郵便番号540-8501。NHK大阪放送局、
「バリバラの係」です。
メールは、番組ホームページから送って頂けます。
ホームページのアドレスは、
nhk.jp/
バリバラ、スペルは baribara です。
来週の「バリバラR」も、どうぞお楽しみに。はるな愛でした!バイバイ!
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