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『資料6』「投票運動の規制」について(PDF:121KB)
資料 6 (平成 26 年 3 月 11 日資料) 「投票運動の規制」について 選挙運動については、公職選挙法の規定により規制されていますが、条例に基づく住民 投票については、公職選挙法の規定が適用されないことから、選挙のような制限を加えず、 可能な限り自由としている自治体が多いのが現状です。 論点 1 住民投票運動の手法として、どこまで認めるか。投票勧誘や戸別訪問なども認め るか。 2 条例上の義務違反があった場合、その違反者に対して相当の行政罰を加えるため に罰則規定を設定するか。 上記の論点について、検討委員会では、以下のように検討しました。 1 検討委員会における検討内容 ◇公職選挙法と違い、住民投票についてはできるだけ規制を設けないこととする。し かし、買収や脅迫、強要といった住民の自由な意思が拘束され、又は不当に干渉さ れるような行為については制限される、一般的な不正行為の禁止規定は必要である。 ただし、罰則規定までは必要としない。 ◇投票運動期間や署名収集期間が選挙期間と重なる場合の対応(投票運動や署名収集 の中断等)について、引き続き検討を重ねることになりました。 (委員意見) ・投票運動でも選挙と重なれば中断するというやり方がいいのではないか。法的 に可能かどうか。 ・投票運動は当然自由とすべきだが、署名収集期間の1か月と選挙の期間が重な る場合にどういう取扱いをするかが問題になる。他市でも署名収集期間を中断 した事例がある(茅ヶ崎市で署名収集を2日残して中断した事例。小平市で市 長選挙と重なるので投票期日を延ばした事例)。場合によっては選挙期間中は署 名収集を中断すること、また、そのことによって投票期日までの90日を超え ても可とする何らかの規定がいるかも。 - 50 - 2 事務局案 ⑴ 署名収集の中断等について 茅ヶ崎市で署名収集を2日残して中断した事例は、平成24年10月18日に直接請 求のための署名活動を開始し、署名取集期間の1か月(代表者証明書を交付した旨の告 示があった日から1か月以内)になろうとしていた11月16日に衆議院が解散され、 総選挙が12月16日を投票期日として実施されることとなったため、解散日の11月 16日に活動を一時中断し、投票終了後の12月17日に署名活動を再開し、同18日 をもって終了したものです。 地方自治法第74条第7項の規定により、当該市町村の区域内で衆議院議員、参議院 議員、地方公共団体の議会の議員や長の選挙が行われることになるときは、一定期間(地 方自治法施行令第92条第4項の規定に定める期間)、当該選挙が行われる区域内にお いては署名収集を行うことができません。これは、選挙運動と直接請求のための署名収 集とを時間的に分離することで、それぞれの制度の適切、公正な運用を図るために措置 されたものです。 選挙が行われるために署名収集行為が禁止された場合には、その区域における署名収 集期間は署名収集行為が中断された期間を除いて、代表者証明書の交付の告示があった 日の翌日を第1日目として31日以内とされています。 署名収集禁止期間は、選挙の区分に応じて次のとおりとなっています。 任期満了による選挙 任期満了の日前60日に当たる日から当該選挙 の期日までの間 衆議院の解散による選挙 解散の日の翌日から当該選挙の期日までの間 衆議院議員又は参議院議員の公職選挙 選挙を行うべき事由が生じた旨の告示があった 法第33条の2第2項に規定する統一 日の翌日又は当該選挙を行うべき期日(公職選挙 対象再選挙又は補欠選挙 法第33条の2第3項によるものについては参 議院議員の任期満了の日)前60日に当たる日の いずれか遅い日から当該選挙の期日までの間 都道府県の設置による都道府県の議会 地方自治法第6条の2の規定により当該都道府 の議員の一般選挙又は長の選挙 県が設置された日から当該選挙の期日までの間 都道府県の議会の議員の増員選挙 都道府県の議会の議員の定数条例(地方自治法第 90条第5項の規定による議員の定数の増加に 係る同条第1項の条例)が施行された日から当該 選挙の期日までの間 市町村の設置による市町村の議会の議 地方自治法第7条の規定により当該市町村が設 員の一般選挙又は長の選挙 置された日から当該選挙の期日までの間 市町村の議会の議員の増員選挙 市町村の議会の議員の定数条例(地方自治法第9 1条第5項の規定による議員の定数の増加に係 る同条第1項の条例)が施行された日(合併特例 - 51 - 法第8条第2項の規定の適用がある場合には同 法第2条第1項に規定する市町村の合併の日)か ら当該選挙の期日までの間 その他の選挙(地方公共団体の議会の 選挙を行うべき事由が生じた旨の告示のあった 議員及び長の補欠選挙又は再選挙、地 日の翌日から当該選挙の期日までの間 方公共団体の議会の解散による選挙、 地方公共団体の議員又は当選人がすべ てない又はなくなった場合の選挙等) 上記に掲げる地方自治法及び同施行令に定める直接請求の取扱いと同様に署名収集を 中断すべきと考えます。なお、任期満了等で選挙が予定されている場合は、運用で署名 収集禁止期間終了後に代表者証明書の交付の告示を行うことも考えられます。 ⑵ 投票運動の中断等について 小平市で市長選挙と重なるため直接請求による住民投票期日を延ばした事例がありま したが、住民投票について投票運動を原則自由として投票の勧誘や戸別訪問などを認め る場合、投票運動期間(住民投票の実施の告示日~投票日の前日)と選挙運動期間(投 票期日の告示日~投票日の前日)が重なると、当該住民投票運動が政治活動とみなされ 公職選挙法に抵触し、投票運動が制限されることになります。 選挙運動期間前であれば投票運動を行うことは可能ですが、その活動に選挙の候補者 への投票依頼等の行為が含まれる場合は公職選挙法上の事前運動とみなされるおそれが あります。また、いつから投票運動の制限を行うのかも不明確です。 任期満了による選挙については投票期日があらかじめ想定できますが、衆議院の解散 による総選挙の場合は、直前まで想定しにくいことが考えられます。場合によっては、 選挙と住民投票の投票日との関係で、住民投票の投票日の直前でありながら戸別訪問な どの投票運動が制限されるといった事態も起こり得ます。そうなると、投票資格者への 非常に効果的な情報提供手段が奪われることになり、投票率にも少なからず影響が出る のではないかと考えます。 このように考えますと、投票運動の期間が決まっている状況の中で投票運動を中断す るということはデメリットしかないため、投票期日を延期すべきと考えます。 また、検討委員会では、検討項目に挙がっている「投票期日」について、 「公職選挙法 等により、選挙の告示後は、住民投票運動が制限されてしまうことなどから、他の選挙 と投票日が重なる場合は、投票日の変更を可能とする。」としていますが、他の選挙と 投票期日が重ならない場合でも、 「必要がある場合は、住民投票の期日の変更を可能とす る。」ようにすべきと考えます。 - 52 - 参考資料 【地方自治法】 地方自治法】 (条例の制定又は改廃の請求とその処置) 第74条 普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者(以下本編におい て「選挙権を有する者」という。)は、政令の定めるところにより、その総数の五十 分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条 例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。) の制定又は改廃の請求をすることができる。 7 第 1 項 の 場合において 場合 において、 において 、 当該地方公共団体の 当該地方公共団体 の 区域内で 区域内 で 衆議院議員、 衆議院議員 、 参議院議員又 は 地方公共団体の 地方公共団体 の 議会の 議会 の 議員若しくは 議員若 しくは長 しくは 長 の 選挙が 選挙 が 行 なわれることとなるときは、 なわれることとなるときは 、 政 令 で 定 める期間 める 期間、 期間 、 当該選挙が 当該選挙 が 行 なわれる区域内 なわれる 区域内においては 区域内 においては請求 においては 請求のための 請求 のための署名 のための 署名を 署名 を 求 め ることができない。 ることができない 。 【地方自治法施行令】 地方自治法施行令】 (署名捺印を求める手続) 第92条 条例制定又は改廃請求代表者は、条例制定又は改廃請求者署名簿に条例制定 若しくは改廃請求書又はその写し及び条例制定若しくは改廃請求代表者証明書又は その写しを付して地方自治法第74条第5項に規定する選挙権を有する者(以下「選 挙権を有する者」という。)に対し、署名(盲人が公職選挙法施行令(昭和25年政 令第89号)別表第1に定める点字で自己の氏名を記載することを含む。以下同じ。) をし印を押すことを求めなければならない。 2 条例制定又は改廃請求代表者は、選挙権を有する者に委任して、その者の属する市 町村の選挙権を有する者について前項の規定により署名し印を押すことを求めるこ とができる。この場合においては、委任を受けた者は、条例制定若しくは改廃請求書 又はその写し及び条例制定若しくは改廃請求代表者証明書又はその写し並びに署名 し印を押すことを求めるための条例制定又は改廃請求代表者の委任状を付した条例 制定又は改廃請求者署名簿を用いなければならない。 3 前2項の署名及び印は、前条第2項の規定による告示があつた日から都道府県及び 地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつ ては2箇月以内、指定都市以外 指定都市以外の 市町村にあつては1箇月以内 指定都市以外 の 市町村にあつては1 にあつては1 箇月以内でなければこれを求 箇月以内 めることができない。ただし、地方自治法第74条第7項の規定により署名を求める ことができないこととなつた区域においては、その期間は、これらの規定により署名 を求めることができないこととなつた期間を除き、前条第2項の規定による告示があ つた日から都道府県及び指定都市にあつては62日以内、指定都市以外の市町村にあ つては31日以内とする。 4 地方自治法第74 地方自治法第74条第 規定 する政令 める期間は 各号に 掲 げる選 げる 選 74 条第7 条第 7 項 に 規定する する 政令で 政令 で 定 める期間 期間 は 、 次 の 各号に 挙 の 区分に 区分 に 応 じ 、 当該各号に 当該各号 に 定 める日 める 日 から当該選挙 から 当該選挙の 当該選挙 の 期日までの 期日 までの間 までの 間 とする。 とする 。 ⑴ 任期満了による選挙 任期満了の日前60日に当たる日 - 53 - ⑵ 衆議院の解散による選挙 解散の日の翌日 ⑶ 衆議院議員又は参議院議員の公職選挙法(昭和25年法律第100号)第33条 の2第2項に規定する統一対象再選挙又は補欠選挙 当該選挙に係る選挙を行う べき事由が生じた旨の告示があつた日の翌日又は当該選挙を行うべき期日(同条第 3項の規定によるものについては、参議院議員の任期満了の日)前60日に当たる 日のいずれか遅い日 ⑷ 都道府県の設置による都道府県の議会の議員の一般選挙又は長の選挙 地方自 治法第6条の2の規定により都道府県が設置された日 ⑸ 都道府県の議会の議員の増員選挙 地方自治法第90条第3項の規定による議 員の定数の増加に係る同条第1項の条例の施行の日 ⑹ 市町村の設置による市町村の議会の議員の一般選挙又は長の選挙 地方自治法 第7条の規定により市町村が設置された日 ⑺ 市町村の議会の議員の増員選挙 地方自治法第91条第3項の規定による議員 の定数の増加に係る同条第1項の条例の施行の日(市町村の合併の特例に関する法 律(平成16年法律第59号)第8条第1項の規定の適用がある場合には、同法第 2条第1項に規定する市町村の合併の日) ⑻ 前各号に掲げる選挙以外の選挙 当該選挙に係る選挙を行うべき事由が生じた 旨の告示があつた日の翌日 - 54 -