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Web カメラを利用した病理検査室の医療安全対策
139 Web カメラを利用した病理検査室の医療安全対策 ◎田中 浩樹 1)、中村 靖広 1)、小笠原 一彦 1)、吉澤 真智子 1) 小樽市立病院 1) 【はじめに】病理作業工程は用手作業が多く、エラー発生 るシステム化(発番時、カセット、ガラスのバーコード等) 時に事後の再発防止要因を特定する検証は重要であるが、 が浸透してきた。しかし手作業等多い工程を各々適切に実 記載や肉眼所見のチェックは行っているも客観的な証拠は 施しているかを客観的に保証することは容易ではない。輸 少ない現況がある。そこで Web カメラを利用し、作業や検 血検査では結果を撮影する機器も増えており病理において 体の状況を撮影保存し適正な作業を保障する方法を紹介し、 も積極的に活用することは作業の適正性を主張することが 有用性を報告する。 でき、精度管理の観点からも有用である。期待効果として、 【方法】使用機器は Web カメラ:Logicool HD Pro Webcam ①検体到着時の矛盾がないかの確認行為の徹底と証明②カ C920t、カメラアーム:サンワサプライ CR-LACAM2 を加 セット処理時の包埋の検体の向き、順番の入れ替え防止 え稼働システム EXpathⅢに機能追加した。病理検査の検体 ③画像の共有として薄切時に検体の形状が確認できるため 受付時、カセットへの切り出し時の状況を撮影した。 粗削りによる検体のロスの防止④エラー時の要因分析等が 【結果】①受付業務:病理検査発番時に患者情報と検体の ある。 氏名ラベル情報と個数、ボトルの形状を Web カメラで同時 【まとめ】病理検査室の検体数の増加、マンパワー不足か に撮影し、システムの受付情報に加える。②カセット切り ら安全安心の作業環境の構築は急務である。Web カメラを 出し処理時ではボトルの番号と氏名、カセットに印字され 用いた作業記録を撮影することは客観的な業務確認、およ た標本番号、カセットに組織を詰めた状況で同時に撮影す び作業確認をシステムの中で確立することは重要である。 る。ルーチン時では取得画像の受付時の画像、カセット処 今後作業荷重や新たなエラーを誘発しないかの観点でチェ 理時、薄切時に必要に応じて取得画像を参照している。 ックすることが大切であると考えている。 【考察】病理検査において他の検査同様にバーコードによ 小樽市立病院 0134-25-1211