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Web カメラを利用した病理検査室の医療安全対策

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Web カメラを利用した病理検査室の医療安全対策
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Web カメラを利用した病理検査室の医療安全対策
◎田中 浩樹 1)、中村 靖広 1)、小笠原 一彦 1)、吉澤 真智子 1)
小樽市立病院 1)
【はじめに】病理作業工程は用手作業が多く、エラー発生
るシステム化(発番時、カセット、ガラスのバーコード等)
時に事後の再発防止要因を特定する検証は重要であるが、
が浸透してきた。しかし手作業等多い工程を各々適切に実
記載や肉眼所見のチェックは行っているも客観的な証拠は
施しているかを客観的に保証することは容易ではない。輸
少ない現況がある。そこで Web カメラを利用し、作業や検
血検査では結果を撮影する機器も増えており病理において
体の状況を撮影保存し適正な作業を保障する方法を紹介し、
も積極的に活用することは作業の適正性を主張することが
有用性を報告する。
でき、精度管理の観点からも有用である。期待効果として、
【方法】使用機器は Web カメラ:Logicool HD Pro Webcam
①検体到着時の矛盾がないかの確認行為の徹底と証明②カ
C920t、カメラアーム:サンワサプライ CR-LACAM2 を加
セット処理時の包埋の検体の向き、順番の入れ替え防止
え稼働システム EXpathⅢに機能追加した。病理検査の検体
③画像の共有として薄切時に検体の形状が確認できるため
受付時、カセットへの切り出し時の状況を撮影した。
粗削りによる検体のロスの防止④エラー時の要因分析等が
【結果】①受付業務:病理検査発番時に患者情報と検体の
ある。
氏名ラベル情報と個数、ボトルの形状を Web カメラで同時
【まとめ】病理検査室の検体数の増加、マンパワー不足か
に撮影し、システムの受付情報に加える。②カセット切り
ら安全安心の作業環境の構築は急務である。Web カメラを
出し処理時ではボトルの番号と氏名、カセットに印字され
用いた作業記録を撮影することは客観的な業務確認、およ
た標本番号、カセットに組織を詰めた状況で同時に撮影す
び作業確認をシステムの中で確立することは重要である。
る。ルーチン時では取得画像の受付時の画像、カセット処
今後作業荷重や新たなエラーを誘発しないかの観点でチェ
理時、薄切時に必要に応じて取得画像を参照している。
ックすることが大切であると考えている。
【考察】病理検査において他の検査同様にバーコードによ
小樽市立病院 0134-25-1211
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