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7月のご挨拶
いよいよ夏本番ですね。7月は七夕から始まります。
「七夕」
から、何を思い浮かばれますでしょうか? 澄んだ夜空に満点の
星、天の川をはさんだ2人が、今まさに、出会おうとする・・・
夜空に思いを馳せると、星たちの声が聞こえてきそうです。その
声に耳を傾けているうちに、自分の中からも声が聞こえてきそう
です。さあ、今年の夏はどんな冒険をしようか。あの人に愛を伝
えているかしら。怒りが放りっぱなしだ・・・荘大な夏の夜空
は、大きな大きな対話の空間にもなるかもしれません。L,A, News
7月号、爽やか・・・いや、熱さに満ちた相談室からお届します。
第32号:July
PCS ニューズレター
2009年7月14日発行
編集/企画:森岡あすか
揖斐衣海 荻本快
国際基督教大学
高等臨床心理学研究所
心理相談室
〒181-8585
東京都三鷹市大沢3-10-2
オープンハウスから
心理相談室では、毎月1回、地域の皆様に向けて「オープンハウス」を行っています。
我々心の専門家と皆さんが一緒に思ったこと、感じたことを自由に語り合う場です。
L,A,Newsでは、小谷先生による小講演に参加した相談員が、刺激を受けて感じたこと、思ったことを
毎月お伝えしています。また、オープンハウスに参加された方の小講義レポートや感想などもお待ちしています。
6月「大人の心:愛する力」
今回の小谷先生の講演は、「大人の心、愛する力」というテーマでした。講義を聴き
ながら、愛する人のことを考えると同時に、むくむくと湧いてきたのが「会って、私を
愛しているか聞きたい!」という考えです。講演の例にあったように、マリリン・モンロー
に言い寄った男たちも、こんな風に彼女を追い詰めたのだろうと思います。「愛する」こと
が、「愛してくれるのか」という要求に、すり替わってしまったのかもしれません。
私は、愛されたくてもんどりうっているときには、一人になって部屋を片付けたり
します。そうすると、「愛してくれ!」という考えが頭から退いてくることがあります。
その替わりに、愛する人の姿が心の中に浮かんできて、「やはり私にとってこの人は
かけがえのない人だ」という気持ちと共に、身体がゆっくりと火照ってきます。
「なぜ愛してくれないのだ!」という憤怒の先にあるのは、「この人はかけがえのない
人だ」という静かな熱です。その熱は、ただ私の中にあります。それが私の愛する力です。
竹のように、青々として、まっすぐに。それでいてしなやかな力。
小谷先生は、愛する能力が磨かれていると、キレること、恨むこと、嫉妬すること、羨望
することからも自由になれるとおっしゃいました。愛する能力につながっているとき、さわ
やかな風が、私を揺らします。
荻本 快
5月の小講演は、「子どもの心:愛される力」でした。
4ページをご覧ください。
コラム:
2009年度L, A, Newsでは、現場で日々フレッシュな心意気で立っている相談員が、
「私の中の子ども・大人」
「私の中の男・女」をテーマに、コラムをお届けします。
私たちの中には、大人の自分、子どもの自分、男の自分や女の自分がすんでいます。
いろいろな自分を感じてみると、心がひろがってきます。
相談員達は様々な自分をどのように感じて、使っているのでしょうか?
「私の中の子ども・私の中の大人」
このテーマをもらった時、どうやって自分の中の子どもや大人をみていこう
かと思った。いろいろと考えた末、私は自分の中の声に注目してみることにし
た。私たちは声に出す言葉の他に、気づかないうちにも心の中でたくさんのこ
とを言ったり、自分の中で会話をしている。私の中の子どもは私に対して何を
言っているだろうか、私の中の大人は私に何を伝えているだろうか。
私の中の子どもは、嬉しいことに喜び、悲しい時に泣き、腹が立った時には
怒っている。このような私の中の子どもの声は、純粋で素直だと感じる。でも
一方で、あれはめんどうだからやりたくない、面白くないことよりも好きなこ
とをしたい、などわがままな子どもの声もある。この声に負けて聞いてしまう
と、後でひどいことになることがある。
私の中の大人は、怖がっている時に安心するように言ってくれたり、頑張ら
なければならない時には励ましてくれたりする。一方で、失敗をした時に責め
たてたり、批判がましく言ったりと、私自身が萎縮するような声もある。
こうして書いてきてみてふと思った。私の中の大人の声で足りない声。それ
は私自身を立ち上がらせる声。奮い立たせる声。苦難に立ち向かわせる声。そ
のような声を発する私の中の大人を育みたいと思った。
佐々木
心理相談室 夏休みのお知らせ
7月18日(土)から9月3日(木)まで、心理相談室は閉室となります。
次回のオープンハウス
2009年9月8日(火) 14:00-17:00
小講演のテーマ
心を閉じる: 見える自分
皆さんのご参加をお待ちしています。
良子
「私の中の男・私の中の女」
大きな男を前にし、怖じ気づく男がいる。男は自分を男じゃないと
思いつづけ、強いふりをしてきた。そんな男を女々しいと言う男たち
がいる。男はびびるものだ。男は少しずつ小さな男を認め始めた。
しかし、まだ強いふりをする。私の中の男は小さい。
好きな女を思い浮かべ、愛おしいと思う。その女が目の前にいて、
じぃっと見ているとやはり愛おしいと思う。そんな女に食べさせよう
とうまいものを時々作る。ただうまいものをうまいものにするために
材料を探し、手順にこだわり、無心に作る。その時、私は男を感じ
る。その奥に、鍋奉行の父、肉を食わせる師が浮かぶ。ちなみに私は
カルボナーラ。
いい男を前にし、惚れる私がいる。私の中の女が惚れている。おろ
し金を作る職人が、刃を一本一本彫ってゆく姿に惚れ惚れした。いい
男には惚れるものだ。その女は私にいい男を教えてくれている。
私の中に、私の中の男を愛する女がいる。仕事に専念した後、無心
に何かをした後、私の中のその女は私を愛する。その女は私がサボる
とそっぽを向く。狩りをしない男にいい女は厳しいものだ。そんな女
に私は出会えているのだろうか。
あなたの中の男、女は如何に。
花井 俊紀
このコラムを読んで、
自分のことを表現してみた
くなった読者の皆さん、
是非お便りをお寄せくださ
い。
相談員紹介
House of L, A, にはたくさんの職員や相談員の先生方がいます。
このコーナーでは、心理相談員に自己紹介をして頂きます。
チャウ
今月は、船間先生と 周 先生のお二人です。
船間 千鶴 先生
太陽からのエネルギーに真っ直ぐ向かう
ひまわりのように、真っ直ぐ背が伸びると、
愛と怒りのエネルギーを感じられる私が
い ま す。一 緒 に 真 っ 直 ぐ に 話 し な が ら、
エネルギーを感じてみませんか?
チャウ
ジ
イン
周 梓蛍 先生
ニーハォ 香港という小さな港から三鷹まで
やってきました。 棒々鶏、酢豚と味噌汁、
納豆を一緒に食べても楽しめる私です。『変な
外人だ』と思われるかもしれませんが、面白い
日本の文化と、自分が大切にしている自国の
文化を両立しながら毎月のオープンハウスで
皆と会っています。
5月のオープンハウス小講演
「子どもの心:愛される力」
「皆さん、子どもの心の強い部分は何だと思われますか?」「皆さんは愛される力を存分に
使っていますか?」と小谷先生は問われました。この問いかけは大の大人の心にどのように
響いたでしょうか。私は最初、「子どもの心」という言葉からは、わくわくする感じと同時に
大人になる方向と逆行する少し躊躇する感じを受け、「愛される力」という言葉はなぜか心に
引っ掛かる、見過ごしたくない感じを受けました。どちらもエネルギーを感じる言葉でした。
Anger
e and
v
o
L
f
o
House
私は「子どもの心」の魅力とは、自由な感覚とそれでいて愛されるところであるような気が
します。子どもは日常のどのような物でもおもちゃにして遊ぶことができるように、自由な
感覚を基盤として、いとも簡単に創造性を発揮します。大人の心をもつ自分が窮屈になって
いるとき、街中で見かける子どもに目がいったり、自分の子ども時代を思い出したりすること
があります。子どもの自由な感覚に触れることで、自分の空間をゆったりと保とうとしている
自分に気付きました。
また、「愛される力」という言葉を聞くと、私はドキドキする感じが湧き上がってきます。
それは赤ん坊や子どもが持つ愛される力、かわいいと思わせる力に、生きるための力、生命力
を感じるからです。人間が育てられる環境で生を受ける動物であり、一人では生きていけませ
ん。愛されることに必死になり、愛されるという人とのやりとりの中で成長していきます。
「愛される力」には自分らしく生きる土壌を育む力がありそうです。「子どもの心」を
ヒントにして、愛されることに臆病にならない勇気を持ちたいと思いました。
関戸
直子
編集者より:
■ 「愛する」ということの表現はこんなにも十人十色です。私の色はどんな色だろう・・・やってみないとわかり
ません。私にとってはけっこう勇気がいる感じがします。(森岡 あすか)
■ 「愛する」「愛される」・・心の中でいつも考えていて、いざ口にするのはためらわれる・・・今回はそんな
テーマについて言葉にして頂きました。皆さんも言葉にしてみませんか?お便りお待ちしています。(揖斐衣海)
■ 今回も相談員たちの挑戦の作が揃いました。ぜひお楽しみください。(荻本 快)
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