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尿失禁手術(TVT手術) を受けられる患者様へ

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尿失禁手術(TVT手術) を受けられる患者様へ
泌尿器科26
尿失禁手術(TVT手術)
を受けられる患者様へ
◆多くの方が尿失禁で悩んでいます
くしゃみや咳、重いものを持つ、階段を昇り降りするなど、お腹に力が
はいると尿漏れをおこすのが腹圧性尿失禁です。腹圧性尿失禁は尿失禁
の中で最も多く、中高年女性の4人に1人に見られる症状です。尿道、
膀胱などの臓器を支えている骨盤底筋という筋肉が、妊娠、出産、肥満、
加齢によって弾力性を失いゆるむために尿が漏れやすくなります。骨盤
底筋を強くする体操や薬を使う治療もありますが重症の尿失禁や確実に
治したい方は手術の適応となります。
手術で治療した場合、85%の方が完全に尿漏れがなくなっています。
◆TVT手術とは
膣からメッシュ状のテープを尿道の下に留置し、尿道を支えるようにし
ます。お腹に力がかかってもこのテープが尿道を支えるため、尿漏れを
防ぐことができます。
局所麻酔で手術を行うことができますが、下半身の腰椎麻酔を行うこと
もあります。手術は膣と下腹部に合計3カ所、約1.5㎝の傷で行います
が術後は抜糸も不要で傷はほとんど目立ちません。手術時間は麻酔時間
をいれて約1時間から1時間半です。局所麻酔の場合は、手術当日から
食事や歩行も可能です。腰椎麻酔でも翌日から食事、歩行が可能になり
ます。手術当日のみ尿
道カテーテルを留置し、
翌日にはカテーテルを
抜去し、排尿に問題な
ければ術後2∼3日で
退院できます。
◆手術後の注意点・合併症
合併症として、出血、痛み、感染(発熱や傷口の化膿など)、排尿困難、
ときにまったく尿が出ない(尿閉)となる場合があります。排尿困難や
尿閉を認めたときは、長めに尿道カテーテルを留置したり、導尿で対処
しますが、局所麻酔をしてテープを少し緩める追加処置を行うことがあ
ります。また、TVT手術後には切迫性尿失禁(トイレまで間に合わなく
て下着が濡れる)を認める方がまれにいます。この場合はお薬で対処し
ます。
退院後は普段の日常生活は可能ですが、1ヶ月間は激しい運動、自転車、
重いものを持つ、性生活などは控えてください。また時間の経過ととも
に、尿漏れが再発したり、テープの不具合が生じる場合があり、定期的
な経過観察を行います。そのような場合は適切な追加治療を行います。
これまで、テープが膣や尿道に出てくるようなことは報告されていませ
んが、万一そのようなことが生じた場合は再手術が必要になります。そ
の際、尿失禁がひどくなる恐れがあります。
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