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統合評価モデル DNE21 の概要
統 合 評 価 モ デ ル DNE21 の 概 要 第 1章 構築したモデルの特徴 地球温暖化問題は、グローバルかつ長期、しかも、我々の社会基盤であるエネルギ ーシステムと密接に結びついている非常に複雑な問題である。そのため、地球温暖化 対策は、グローバルかつ長期的な視点に立って、その対策費用と温暖化抑制への効果 を評価し、政策の方向付けを行うことが重要である。しかし、問題の複雑さゆえ、頭 の中での思考や机上での計算では、多くの事柄を整合的に捉えた上での効率的な対策 評価を行うことは不可能である。そこで、複雑な事象を数多くの数学式によって記述 し、これをコンピュータによる高速計算によって解くことによって、考えられる膨大 な対策の中から、ある基準の下で望ましいと考えられる温暖化対策を見出すことが可 能となる。 図 1- 1 1.1 グローバルかつ長期の温暖化対策シナリオの提示 モデル分類 エネルギー・地球温暖化問題を扱う数学モデルを簡単に分類すると、下記のように 分類できる。 <計算手法的分類> -1- ○シミュレーション型モデル ○最適化型モデル シミュレーション型は、過去のトレンド等を基にした将来の推定(化石燃料の今後 の使用量推移をロジスティック曲線で想定等)を行うことが多く、予測型とも言える ( た だ し 前 提 条 件 下 で の 予 測 )。 こ れ に 対 し て 、 最 適 化 型 は 、 想 定 し た 条 件 下 で の 合 理 的な将来のシステムを提示することができ、規範的モデルと言える。ただし、シミュ レーション型においても、一般均衡モデルのように、各財の需給が一致するような解 を繰り返し計算によって導出し、ある種の最適解を得ているモデルも多い。一方、計 算の困難さの点から見ると、一般に、シミュレーション型の方がモデルを大規模化し 易く、一方、最適化型モデルは、大規模化すると、急激に解法時間が増大し、解法が 困 難 に な る 傾 向 が あ る 。本 調 査 研 究 で 、開 発 ・ 利 用 し た DNE21 モ デ ル 、LDNE モ デ ル 、 世界地域細分化エネルギーモデルは、すべて最適化型モデルに分類される。 <技術の記述方法> ○トップダウン型 ○ボトムアップ型 トップダウン型は、弾性値パラメータを用いるなど、マクロ的な扱いをするタイプ であり、一方、ボトムアップ型は、個々の技術の積み上げをするタイプである。前者 は、概ね、マクロ経済モデルに相当し、主に経済学者のモデルに多く見られる。また、 後者は、工学分野の研究者のモデルに多く見られる。個々の技術の評価をするために は 、 ボ ト ム ア ッ プ 的 な モ デ ル 化 が 必 要 で あ る 。 DNE21 モ デ ル 、 LDNE モ デ ル 、 世 界 地 域細分化エネルギーモデルは、すべてボトムアップ型モデルに分類されるが、エネル ギー利用サイドの技術(例えば、燃費の良い自動車、効率の良いエアコンなど)につ い て は 、 技 術 が 非 常 に 広 範 に 亘 り 、 2 100 年 と い う 長 期 的 な 分 析 に お い て ボ ト ム ア ッ プ 的な評価は困難なため、いずれのモデルでもトップダウンアプローチをとっている。 これらモデルのタイプは、どちらが優れているというものではなく、評価したい目 的に応じて選ばれるべきである。ただし、対策技術の評価を行うという目的には、ボ トムアップ的にモデル化された最適化型モデルが適している。 1.2 DNE21 モ デ ル フ ァ ミ リ ー の 位 置 付 け 本 調 査 研 究 で は 、 評 価 目 的 に 応 じ て 、 統 合 評 価 モ デ ル DNE21 、 LDNE モ デ ル 、 世 界 地 域 細 分 化 エ ネ ル ギ ー モ デ ル と い う 3 種 類 の コ ン ピ ュ ー タ モ デ ル を 開 発 し た( 表 1 -1)。 い ず れ の モ デ ル も 、 2 100 年 も し く は そ れ 以 上 の 期 間 に つ い て 複 数 時 点 を 同 時 に 最 適 化 する動学的最適化型モデルであり、将来世代の負担も考慮した上でのコスト効率的な 温暖化対策を導出可能である。また、いずれのモデルも特にエネルギー供給側技術、 CO 2 回 収・貯 留 技 術 と い っ た 温 暖 化 対 策 技 術 が 詳 細 に モ デ ル 化 さ れ て い る た め 、具 体 的 な対策技術の評価が可能である点に特徴を有している。更に、3 種類のモデル別にも、 表 1 -1 で 示 す よ う な 特 徴 を 有 し て お り 、 今 後 も 評 価 目 的 に 合 わ せ て 、 適 宜 、 適 切 な モ デルを選択して分析することが可能である。 -2- 一方、これら本調査研究で開発したモデルの位置付けを、世界における他の主要モ デ ル と 共 に 、 図 1 -2 に 示 す 。 た だ し 、 世 界 に お け る 各 モ デ ル は 改 良 が 続 け ら れ て お り 、 また、モデル構造の情報公開の程度にもモデルによって差があるため、モデルの概要 を 正 確 に 把 握 す る こ と は 容 易 で は な く 、 図 1 -2 は 概 略 と 認 識 さ れ た い 。 こ の よ う に 多 く の 世 界 に お け る モ デ ル に あ っ て も 、 DNE21 フ ァ ミ リ ー は 、 特 に 温 暖 化 対 策 技 術 の 分 析・評価において、際立った特色を有していると言える。また、世界地域細分化エネ ルギーモデルについては、地域解像度についても、他のモデルと一線を画している。 表 1- 1 モデル名 開 発 し た DNE21 フ ァ ミ リ ー モ デ ル の 特 徴 3 種類のモデル間の特徴 モデル構造 統合評価モデル DNE21 非線形最適化形モデル 地域分割:世界 10 地域 温暖化対策に伴う GDP 損失等も算出可能。 LDNE モデル 線形最適化形モデル 核燃料サイクルなどの長期将来技術の評価が 地域分割:世界 10 地域 可能。短時間でモデル計算可能なため、多く 気候変動、マクロ経済モデルの統合に特徴。 の感度解析が実施可能。 世界地域細分化エネルギー モデル 線形最適化形モデル 世界に類を見ない詳細な地域解像度を有す 地域分割:世界 50 地域以上 * る。地域解像度を生かしたエネルギー・CO2 の長距離輸送や地域的な評価に有用。 * エネルギー需要側、供給側、エネルギー種、CO2 等により異なり、54∼158 地域分割程度 -3- 図 1- 2 各種モデル系譜及び開発状況 -4- 第 2章 2.1 DNE21 モ デ ル の 概 要 と 主 な 前 提 条 件 DNE21 モ デ ル の 概 要 DNE21( D yna mic N ew Earth 2 1) モ デ ル は 、 グ ロ ー バ ル か つ 長 期 的 な 視 点 か ら 、 ど の ような温暖化対策を取るのが世界全体にとってコスト効率的なのか、そしてその際、 各地域はどのような対策分担を行うのがそれぞれの地域にとってコスト効率的なのか を見出すことを目的に開発してきた。 DNE21 モ デ ル フ ァ ミ リ ー に は 、評 価 目 的 に 応 じ て 、様 々 な バ ー ジ ョ ン が 存 在 す る が 、 ここでは、 「 マ ク ロ 経 済 モ デ ル 」、 「 気 候 変 動 モ デ ル 」を 統 合 し た 統 合 評 価 モ デ ル DNE21 の 概 要 を 説 明 す る 。 D NE21 モ デ ル は 、 エ ネ ル ギ ー 生 産 、 変 換 、 消 費 お よ び CO 2 回 収 、 貯留・隔離等のプロセスを詳細に記述した「エネルギーシステムモデル」を中心に、 マ ク ロ 経 済 全 体 を 把 握 す る 「 マ ク ロ 経 済 モ デ ル 」、 CO 2 濃 度 や 気 温 上 昇 等 を 算 出 可 能 な 「 気 候 変 動 モ デ ル 」を 一 体 化 し た 最 適 化 型 の モ デ ル と な っ て い る( 図 2 -1 参 照 )。DNE21 モ デ ル は 、 世 界 全 体 を 1 0 地 域 に 分 割 ( 図 2 -2 参 照 )、 21 00 年 ま で の 長 期 に 亘 る 期 間 を 評 価 対 象 と し て お り 、世 界 の 210 0 年 ま で の 消 費 効 用 を 最 大 化 す る エ ネ ル ギ ー シ ス テ ム を 中 心 と し た CO 2 削 減 方 策 を 導 出 す る こ と が 可 能 で あ る 。な お 、消 費 効 用 の 最 大 化 は 、 エネルギーシステムコストも含んだ、より広範な経済システムの最適化を意味する。 ま た 、こ れ に よ っ て 得 ら れ る シ ナ リ オ は 、10 0 年 間 に 及 ぶ 期 間 を 同 時 に 考 慮 し た も の で あ り 、例 え ば 、計 算 に よ り 得 ら れ た 201 0 年 の 温 暖 化 対 策 は 、210 0 年 ま で の 将 来 世 代 の 負担も考慮した上でのコスト効率的な対策を意味する。特に、エネルギー供給部門の 技 術 お よ び CO 2 回 収 ・ 貯 留 技 術 を 具 体 的 に モ デ ル 化 し て い る た め ( 図 2 -3 )、 こ れ ら に ついてマクロ的な評価のみならず、具体的な技術オプションの提示が可能となってい る 。具 体 的 に は 、1 次 エ ネ ル ギ ー は 、天 然 ガ ス 、石 油 、石 炭 、バ イ オ マ ス 、水 力 ・ 地 熱 、 太陽光、風力、原子力の 8 種類に、最終需要は、気体燃料、液体燃料、固体燃料、電 力の 4 部門にモデル化している。また、天然ガス、石油、合成油、石炭、メタノール、 水 素 、 CO 2 の 7 種 類 の 品 目 は 1 0 地 域 間 の 長 距 離 輸 送 を モ デ ル 化 し て い る 。 一 方 、 エ ネ ルギー変換技術としては、各種発電技術を始め、バイオマスのガス化、液化、メタン 醗酵、石炭のガス化、液化、これらガスや天然ガスからの水素生成、水電気分解によ る水素生成、メタノール合成、合成油生成など現行技術のみならず現在開発中の技術 もモデル化している。また、時代が進むにつれ技術改良が進展する(たとえば、化石 燃料燃焼発電の熱効率の向上、太陽光や風力発電のコスト低減など)との想定も取り 入 れ て い る 。化 石 燃 料 に つ い て は 資 源 量 デ ー タ を も と に 低 コ ス ト の も の か ら 生 産 さ れ 、 累 積 生 産 量 が 増 大 す る に つ れ コ ス ト が 増 大 す る と し て い る 。C O 2 貯 留 技 術 と し て は 、石 油増進回収、地下帯水層注入、廃ガス田注入、海洋貯留の 4 つの技術をモデル化して いる。これらを整合的に表現するために、約 1 万個の変数と約 1 万本の方程式を含む 大規模なモデルとなっている。これをコンピュータによって最適化計算することによ り 、 21 00 年 ま で の 将 来 を 考 慮 し た 上 で 、 1 0 地 域 別 、 時 点 別 に 、 コ ス ト 効 率 的 な 温 暖 化 対策シナリオを整合性を持って具体的に描き出すことができる。 -5- 図 2- 1 DNE2 1 モ デ ル の 構 成 概 略 と 主 な 入 出 力 FUSSR&E.Europe W.Europe N.America Japan C.P.E.Asia M.East&N.Africa Other Asia S.S.Africa L.America Oceania 図 2- 2 DNE2 1 モ デ ル に お け る 世 界 地 域 区 分 -6- From Other Regions To Other Regions Coal Synthetic Oil Crude Oil Synthetic. Oil Methane (pipeline) Methane (tanker) Hydrogen (pipeline) Hydrogen (tanker) : Electricity Use Crude Oil Methane Hydrogen CH4 Liquefaction Natural Gas Natural Gas Splitting H2 Water Electrolysis Methane Synthesis Gaseous Fuel Oil Refinery (Gasoline) Oil Refinery (Distillation) Syn.Oil Synthetic Oil Coal Gasification Coal CH4 Oil Crude Oil Coal Liquefaction CO Methanol Synthesis H2 Liquefaction SOx Rec. in End Use Gasoline Oil Refinery (Gasoline) Oil Refinery (Distillation) H2 power gen. N.Gas power gen. Light Fuel Oil Methanol Upgrading (into Gasoline) IGCC with CO2 Rec. Heavy Fuel Oil Energy Crops Modern Fuel Woods Wood Residues Sawmill Residues Timber Scraps Cereal Harvest Residues Sugarcane Harvest Resid. Bagasse Coal Cleaning Biomass Liquefaction Biomass Liquefaction SOx Rec. in End Use Coal power gen. Paper Scraps Black Liquor Ethanol (Fermentation) CH3 OH Shift Reaction Biomass Gasification Meth. power gen. Kitchen Wastes Sorbent Injection Wet limestone scrub. Wellman-Lord Oil power gen. Oil power gen. Animal Wastes Biomass Gasification Human Feces (Anaerobic Digestion) CO2 Methanol Synthesis CO2 Recovery Water Electrolysis Photovoltaics Wind&O.R.E. Hydro Geothermal SOx Biomass power gen. Sorbent Injection Wet limestone scrub. Wellman-Lord Photov. power gen. Hydro power gen. Geoth. power gen. Nuclear power gen. Solid Fuel Electricity Electricity CO2 Compression Nuclear CO2 Injection Methanol CO2 Liquefaction Coal Methanol CO2 (pipeline) CO2 (tanker) Ocean EOR Gas Well Aquifer CO2 Disposal CO2 From Other Regions 図 2- 3 To Other Regions DNE2 1 モ デ ル に お け る エ ネ ル ギ ー 変 換 、 CO 2 回 収 ・ 貯 留 プ ロ セ ス の 想 定 -7- 2.2 2.2.1 DNE21 モ デ ル の 主 な 前 提 条 件 エネルギーシステムモデル関連データ (1) 化 石 燃 料 資 源 量 と 採 掘 コ ス ト の 想 定 表 2 -1 に 、 Ro gne r 1 2 ) に よ っ て ま と め ら れ た 石 油 の 資 源 量 推 定 を 示 す 。 こ れ は 、 199 2 年 の 世 界 エ ネ ル ギ ー 会 議 ( WEC)、 199 6 年 の BP( British P e tro leu m) の デ ー タ 等 に 基 づ い て 作 成 さ れ て い る 。こ れ に よ る と 、在 来 型 石 油 の 確 認 埋 蔵 量 は 15 0Gto e( 約 1 兆 1 0 00 億 バ レ ル )、 非 在 来 型 も す べ て 含 め る と 、 約 2,6 00Gtoe ( 約 19 兆 5000 億 バ レ ル ) と 膨 大 な 石 油 資 源 が 推 定 さ れ て い る 。 一 方 、 表 2 -2 に 天 然 ガ ス 資 源 の 推 定 量 を 示 す 。 天 然 ガ ス 資 源 量 に つ い て も WEC や BP 等 の デ ー タ に 基 づ き 作 成 さ れ て い る 。 在 来 型 天 然 ガ ス の 確 認 埋 蔵 量 は 12 9 Gtoe( 約 5 530 兆 立 方 フ ィ ー ト )、メ タ ン ハ イ ド レ ー ド 等 、非 在 来 型 も 含 め た 資 源 量 と し て は 、 約 20, 000G to e と い う 極 め て 大 き な 資 源 量 が 推 定 さ れ て い る 。石 炭 資 源 に つ い て は 、Bu nde sa nsta lt fü r Geo wisse nscha fte n と Roh sto ffe( BGR)の 推 定 を 基 に 表 2 -3 の よ う に ま と め ら れ て い る 。 一 方 、 国 際 応 用 シ ス テ ム 分 析 研 究 所 ( IIA SA)と WEC に よ る 研 究 13) で は 、化 石 燃 料 の 採 掘 コ ス ト に つ い て 、表 2 -1 ∼ 表 2 -3 に 対 応 す る そ れ ぞ れ の 資 源 グ レ ー ド ご と に 表 2 -4 の よ う な 想 定 値 が 用 い ら れ て い る 。 DNE21 モ デ ル で は 、 こ れ ら の 推 定 値 を 参 考 に し て 、 化 石 燃 料 の 供 給 コ ス ト を 図 2 - 4 の よ う に 想 定 し た 。 た だ し 、 図 2 -4 は 世 界 全 体 で 合 計 し た も の で あ る が 、 実 際 に は 、 DNE21 モ デ ル の 地 域 分 割 別 に デ ー タ を 与 え て い る 。 モ デ ル に お け る 石 炭 の 供 給 コ ス ト に つ い て は 、石 炭 の 陸 上 輸 送 費 は 高 く つ く た め 、地 域 内 輸 送 費 と し て 30$ /to e を 想 定 し 、 全 グ レ ー ド に 対 し て 更 に 付 加 し て い る 。 な お 、 表 2 -1 、 表 2 - 2 の よ う に 、 石 油 、 天 然 ガ ス の グ レ ー ド V II、VIII の 資 源 量 が 極 め て 大 き く 想 定 さ れ て い る が 、モ デ ル 計 算 の 結 果、本報告書で示すいずれのケースにおいても、これらのグレードに分類された資源 を使用する結果とはなっていない。 表 2- 1 石 油 資 源 の 推 定 従来型 非従来型 確認回収 追加的推 追加的予 可能埋蔵 定埋蔵量 測埋蔵量 増進回収 量 地域 資源 追加的な可能性 埋蔵量 I II III IV V VI VII VIII 合計 8.5 8.6 6.7 15.9 7.6 98.8 172.8 287.4 606 17.4 8.9 15.5 18.9 2.6 91.5 160.1 270.8 586 5.6 2.1 3.6 5.1 1.3 7.6 13.3 34.6 73 北アメリカ ラテンアメリカ オイルシェール、ビチュメン、重質油 回収可能 西ヨーロッパ 0.3 0.2 0.6 0.7 0.0 0.5 1.0 3.8 7 旧ソ連 17.1 13.6 19.3 23.4 3.3 19.4 34.0 125.6 256 中東・北アフリカ 87.9 17.0 21.9 56.2 22.3 39.6 69.3 279.0 593 4.0 3.4 4.9 5.4 1.4 5.1 8.9 29.7 63 計画経済圏アジア 5.1 4.7 8.2 7.4 2.3 42.2 73.8 118.7 262 太平洋 OECD 0.4 0.3 0.6 0.7 3.7 25.8 45.1 60.3 137 他の太平洋アジア 2.9 1.6 2.5 3.4 0.6 4.8 8.3 23.0 47 南アジア 1.0 0.3 0.6 0.8 0.1 0.3 0.5 3.5 7 61 84 138 45 336 587 1237 2638 東ヨーロッパ サハラ以南のアフリカ 世界全体 150 単位)Gtoe(石油換算 10 億トン) 出典: H-H. Rogner, 199712) 表 2- 2 天 然 ガ ス 資 源 の 推 定 従来型 非従来型 確認回収 追加的推 追加的予 可能埋蔵 定埋蔵量 測埋蔵量 増進回収 回収可能 量 地域 北アメリカ コールベッドメタン、タイトガス等 資源 追加的な可能性 埋蔵量 I II 11.8 III IV V VI VII VIII 合計 14.3 15.6 8.4 35 70 105 6100 6361 ラテンアメリカ 7.6 8.0 13.8 3.9 13 30 44 4571 4691 西ヨーロッパ 7.3 4.9 7.2 3.0 4 9 13 765 813 0.7 0.7 1.2 0.5 1 2 3 1 10 旧ソ連 39.1 45.0 65.0 20.2 26 45 68 4208 4517 中東・北アフリカ 48.2 23.0 26.9 12.5 13 29 44 203 400 3.9 5.3 8.4 2.2 4 9 14 383 431 東ヨーロッパ サハラ以南のアフリカ 計画経済圏アジア 1.1 4.6 7.1 1.6 21 24 36 432 527 太平洋 OECD 2.1 0.5 0.8 0.5 14 30 45 1523 1616 他の太平洋アジア 5.4 3.8 5.0 1.9 3 8 11 192 231 南アジア 1.6 1.8 2.6 0.8 1 2 3 381 395 112 153 56 138 258 387 18759 19990 世界全体 129 単位)Gtoe(石油換算 10 億トン) 出典: H-H. Rogner, 199712) 表 2- 3 石 炭 資 源 の 推 定 石炭 A 地域 北アメリカ ラテンアメリカ B 褐炭 C D E A B C D E 合計 140 0 104 97 387 12 0 3 28 111 883 6 1 3 7 28 0 0 0 0 1 47 西ヨーロッパ 18 3 14 46 185 9 1 8 1 4 289 東ヨーロッパ 22 22 26 9 35 8 4 2 0 2 129 旧ソ連 88 0 22 506 2025 22 0 2 44 176 2885 0 0 0 3 12 0 0 0 0 0 15 中東・北アフリカ サハラ以南のアフリカ 37 0 37 16 64 0 0 0 0 0 153 計画経済圏アジア 34 40 274 165 660 14 28 22 12 47 1295 太平洋 OECD 20 147 18 47 188 9 23 1 0 0 452 他の太平洋アジア 2 0 1 0 1 0 0 0 1 3 9 南アジア 7 28 19 7 28 1 0 0 0 0 89 世界全体 372 241 単位)Gtoe(石油換算 10 億トン) 出典: H-H. Rogner, 199712) 518 903 3612 75 56 38 86 344 6246 表 2- 4 化 石 燃 料 資 源 の コ ス ト 想 定 I II III IV V VI VII VIII 石油 <12 12-19 19-25 25-35 35-38 38-52 52-62 62-160 天然ガス <10 10-16 16-25 25-29 29-34 34-42 42-50 50-145 A B C D E 1-9 9-11 11-16 16-24 24-36 石炭 単位)1990 年米ドル/石油換算バレル 出所: H-H. Rogner, 199712) 化石エネルギー生産コスト ($/toe) 400 石油 300 天然ガス 200 石炭 100 0 0 200 400 600 800 累積生産量 (Gtoe) 図 2- 4 化石エネルギー生産コストの想定 1000 (2) 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 供 給 可 能 量 と 供 給 コ ス ト の 想 定 ① バイオマス バイオマスポテンシャルについては、食糧需給や食糧生産を含む土地利用競合等を 世 界 11 地 域 別 に 整 合 的 に 評 価 す る こ と が 可 能 な 世 界 土 地 利 用 エ ネ ル ギ ー モ デ ル G LUE ( Glob a l Lan d Use an d Ene rg y Mod e l) 1 3 ) 1 5 ) を 簡 略 化 し た 表 計 算 ソ フ ト に よ っ て 整 合 的 に 算 出 し て い る 。バ イ オ マ ス ポ テ ン シ ャ ル 算 出 の た め の 人 口 想 定 は IP CC SRES B2 を 用 い て い る ( 後 述 の 図 2 - 12 参 照 )。 図 2 -5 に バ イ オ マ ス エ ネ ル ギ ー 資 源 の ポ テ ン シ ャ ル 想 定 を 示 す 。 ま た 、 表 2 -5 に は 、 バ イ オ マ ス エ ネ ル ギ ー 資 源 の コ ス ト 想 定 を 示 す 。 な お 、 コストが負となっている資源があるが、これは、現状で処分費用がかかっている状況 を反映したものである。 Primary energy potentails (Mtoe/yr) 5000 Energy crops & modern fuel wood Wood residues Sawmill residues Timber scraps Cereal harvest residues Sugarcane harvest residues Bagasse Paper scraps Black liquor Kitchen wastes Annimal wastes (dry) Annimal wastes (wet) Human Feces 4000 3000 2000 1000 0 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 Year 図 2- 5 バイオマスエネルギー資源のポテンシャル想定 表 2- 5 バ イ オ マ ス エ ネ ル ギ ー 資 源 の コ ス ト 想 定 エネルギー作物・新型燃料用丸太 産業用丸太伐採残渣 製材残渣 廃材等 穀物収穫時残渣 サトウキビ収穫時残渣 バガス 古紙 黒液 家庭ゴミ 家畜糞尿(乾) 家畜糞尿(湿) 人糞 † ‡ 供給量に依存 地域に依存 供 給 コ ス ト ( $ / to e) 120 - 1200 † 80 30 30 - 60 † 80 60 30 320 - 390 ‡ -340 0 -550 -550 0 ② 水力・地熱 水 力 ・ 地 熱 発 電 、 風 力 発 電 の 供 給 可 能 量 に つ い て は 、 IIASA の Nak ic eno vic ら の 報 告 16) を参考に想定した。これを基に、水力・地熱発電の最大供給可能量は世界全体で約 15,0 00TWh /yr( 水 力 : 約 13, 500TW h /yr、 地 熱 : 約 1, 500TW h/ yr)、 水 力 ・ 地 熱 発 電 の コ ス ト 供 給 曲 線 を 、 図 2 -6 の よ う に 想 定 し た 。 200 発電単価( $/MWh) 150 北アメリカ 西ヨーロッパ 日本 オセアニア 計画経済圏アジア その他のアジア 中東・北アフリカ サハラ以南のアフリカ ラテンアメリカ 旧ソ連・東欧 100 50 0 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 年間利用量( TWh/yr) 図 2- 6 ③ 水力・地熱発電のコスト供給曲線の想定 風力 一 方 、風 力 発 電 の ポ テ ン シ ャ ル に つ い て も 、IIASA の Nak ic en o vic ら の 報 告 16) を参考 に 約 7 ,60 0TWh /yr と し た 。 そ し て 、 風 力 発 電 の コ ス ト 供 給 曲 線 を 図 2 -7 の よ う に 想 定 し た 。た だ し 、風 力 発 電 に つ い て は 、2 050 年 ま で 年 率 1 %で コ ス ト 低 減 す る も の と 想 定 した。 200 発電単価( $/MWh) 150 100 50 北アメリカ 西ヨーロッパ 日本 オセアニア 計画経済圏アジア その他のアジア 中東・北アフリカ サハラ以南のアフリカ ラテンアメリカ 旧ソ連・東欧 0 0 500 1000 1500 2000 2500 年間利用量( TWh/yr) 図 2- 7 風 力 発 電 の コ ス ト 供 給 曲 線 ( 199 0 年 時 点 ) の 想 定 ④ 太陽光 太 陽 光 発 電 の 地 域 別 の 年 間 利 用 可 能 量 と 発 電 単 価 の 想 定 を 表 2 -6 に 示 す 。 年 間 利 用 可 能 量 は 、 世 界 全 体 で 約 286, 000TW h /yr と 大 き な ポ テ ン シ ャ ル を 想 定 し て い る 。 発 電 単 価 に つ い て は 、米 国 電 力 研 究 所( EP R I)の 見 通 し 17) を 参 考 に 、2 050 年 ま で 年 率 3.4% で低減するものと想定した。ただし、近年のコスト低減傾向からすると、楽観的な推 定であることには注意されたい。太陽光発電は、昼間においてのみ発電可能なため、 後 述 の 図 2 -10 に 示 さ れ る 年 負 荷 持 続 曲 線 に お け る ピ ー ク 時 間 帯 で の み 発 電 可 能 で あ るとした。ただし、西ヨーロッパ、旧ソ連・東欧地域のような高緯度地域では、電力 需要のピークが朝夕にあるため、中間時間帯でのみ発電可能なものと想定した。太陽 光発電は、出力が間欠にならざるを得ないため、電力系統の信頼性を維持するために は 、 太 陽 光 発 電 の 導 入 量 を あ る 一 定 値 以 下 に 抑 え る 必 要 が あ る 。 そ の た め 、 DNE2 1 モ デ ル で は 、 太 陽 光 発 電 の 供 給 電 力 の 上 限 を 、 電 力 需 要 の 15 %と 想 定 し た 。 た だ し 、 電 力貯蔵設備を通して他の時間帯に供給される電力や、水電気分解に供給される電力に 関しては、この制約からは除外している。 表 2- 6 太 陽 光 発 電 プ ラ ン ト に 関 す る 想 定 地域 年間利用可能量 ( T W h / yr ) 2000 年 時 点 単 価 ( $ / MW h) 2050 年 以 降 の 単 価 ( $ / MW h) 北アメリカ 西ヨーロッパ 日本 オセアニア 計画経済圏アジア その他のアジア 中東・北アフリカ サハラ以南のアフリカ ラテンアメリカ 旧ソ連・東欧 2,528 673 208 23,310 20,097 4,284 122,796 94,799 10,544 7,200 282 469 396 317 384 302 235 256 384 396 50 83 70 56 68 54 42 45 68 70 (3) 原 子 力 発 電 に 関 す る 想 定 原子力発電には、放射能汚染のリスクも存在すると考えられるが、そういったリス ク に 対 す る 評 価 は 本 モ デ ル に は 含 ま れ て い な い 。前 述 の よ う に 、本 モ デ ル に お い て は 、 エネルギーシステムコストの最小化という評価基準での技術評価を行っている。これ は、原子力発電に限ったことではないが、本モデルによって示される結果は、あくま でこの評価基準の下での結果であることを理解すべきである。しかし、原子力発電に 対する社会的受容性等を鑑み、非現実的に大きな原子力発電の導入という計算結果が 導 か れ な い よ う に 、 原 子 力 発 電 の 最 大 発 電 設 備 容 量 に 図 2 -8 の よ う な 容 量 制 約 を 設 け ている。この制約は、昨今の先進国における原子力発電に対する情勢からすると、比 較的緩い制約とも考えられるが、本モデルが行っているエネルギーシステムコストの 最小化という評価基準での技術の評価を大きく歪めないように、あえて厳しい上限制 約 を 課 す こ と は 避 け て い る 。 な お 、 原 子 力 発 電 の 可 変 費 と し て は 、 2 cen t/kW h を 想 定 した。 原子力発電プラント最大発電容量 (GW) 1500 旧ソ連・東欧 ラテンアメリカ サハラ以南のアフリカ 1000 中東・北アフリカ その他のアジア 計画経済圏アジア オセアニア 500 日本 西ヨーロッパ 北アメリカ 0 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 西暦年 図 2- 8 原子力発電プラント最大発電容量の想定 (4) 各 種 エ ネ ル ギ ー 変 換 プ ラ ン ト 諸 特 性 の 想 定 各 種 発 電 プ ラ ン ト の 建 設 単 価 、 年 経 費 率 、 稼 動 率 の 想 定 値 を 表 2 -7 に 、 日 本 に お け る 発 電 効 率 の 想 定 値 を 表 2 -8 に 示 す 。 他 地 域 に つ い て は 、 現 状 に お け る 発 電 効 率 の 地 域 的 な 差 異 を 考 慮 し つ つ 、 将 来 的 に は 表 2 -8 の 効 率 に 収 斂 す る よ う な 想 定 を 行 っ て い る 。 ま た 、 各 種 化 学 プ ラ ン ト の 建 設 単 価 、 稼 動 率 の 想 定 値 を 表 2 -9 に 示 す 。 な お 、 各 種 化 学 プ ラ ン ト の 年 経 費 率 は 25%と 想 定 し た 。想 定 値 は 、NEA/IEA に よ る 報 告 の Wo r ld Ene rg y O utlo ok (WEO) よる研究 21) 18) 、 IP CC 第 2 次 評 価 報 告 書 に お け る 報 告 、He rz og ら に よ る 研 究 22) 20) 18) 、IEA 、藤井らに 等 を 基 に 想 定 し た 。各 種 プ ラ ン ト の 耐 用 年 数 は 基 本 的 に 3 0 年 と し て い る 。 な お 、 表 2 -7 中 の 稼 働 率 は 、 メ ン テ ナ ン ス 等 で 休 止 し な け れ ばならないことから生じる値であり、電力負荷追従の際の休止は、後述の年負荷持続 曲線を用いたモデル化により、最適化計算結果として求められる。 表 2- 7 各 種 発 電 プ ラ ン ト の 諸 特 性 の 想 定 発電プラント 建 設 単 価 ( $ / kW ) † 年 経 費 率 ( %) 稼 働 率 (%) 天然ガス 石 油 石炭(脱硫装置付) CO2 回 収 装 置 付 石 炭 ガ ス 化 複 合 発 電 バイオマス メタノール 水 素 原 子 力 電力貯蔵(揚水) 1060 – 500 410 – 270 2050 – 970 2170 – 1240 1230 – 1000 1200 – 600 1100 – 500 2620 – 1790 1500 – 1000 17 17 17 17 17 17 17 19 13 85 85 85 85 85 85 85 80 90 † 地域、時点に依存 表 2- 8 各種発電プラントの発電効率の想定(日本) 発電プラント 天然ガス 石 油 石炭火力(脱硫装置付) CO2 回収装置付石炭ガス化複合発電 バイオマス メタノール 水 素 電力貯蔵(揚水) 2000 年 47.0 36.0 40.7 36.0 24.1 44.9 51.4 70.0 2010 年 49.6 41.2 42.6 38.2 29.6 48.3 52.3 70.0 2030 年 54.8 46.4 46.3 42.6 40.6 51.6 54.1 75.0 2050 年 60.0 49.0 50.0 47.0 45.0 55.0 55.9 75.0 2100 年 65.0 49.0 55.0 52.0 45.0 60.0 65.0 75.0 注)低位発熱量基準。CO2 回収装置付石炭ガス化複合発電の発電効率には CO2 回収に伴うエネルギー損失を含めている。 表 2- 9 エネルギー変換プロセス 石炭ガス化 天然ガス分解 バイオマスガス化 シフト反応 メタノール合成 (CO から) メタノール合成 (CO2 から) メタン合成 水電気分解 石油精製 ガソリン精製 石炭液化 バイオマス液化 メタノールのガソリン化 † ‡ 各種化学プラントの諸特性の想定 建設単価 ($/(toe/day)) 203,000 164,000 193,000 14,000 113,000 126,000 112,000 223,000 29,000 42,000 200,000 230,000 46,000 稼働率(%) 90 90 90 90 90 90 90 90 70 70 90 90 70 変換効率(%)† 61 76 52 99 62 62 77 80-90‡ 95 90 67 75 93 発電効率を 33%と仮定したときの値 時点に依存 (5) 二 酸 化 炭 素 分 離 回 収 、 貯 留 ・ 隔 離 に 関 す る 想 定 CO 2 の 分 離 回 収 法 と し て は 、 ア ミ ン 系 溶 剤 に よ る 発 電 所 排 ガ ス か ら の 化 学 吸 収 法 と 、 SE LEXO L プ ロ セ ス に よ る ガ ス 化 プ ラ ン ト に お け る 物 理 吸 収 法 を 想 定 し た 。 CO 2 の 分 離 回 収 設 備 コ ス ト お よ び 分 離 回 収 に 伴 う エ ネ ル ギ ー 損 失 は 、 He rzog ら に よ る 報 告 22) 等を 基 に 、 表 2 -10 の よ う に 想 定 し た 。 一 方 、 C O 2 貯 留 ・ 隔 離 と し て は 、 CO 2 を 注 入 し 石 油 を回収する石油増進回収、枯渇した天然ガス田に圧入する方法、地下の帯水層に圧入 す る 方 法 、 お よ び 、 海 洋 貯 留 の 4 種 類 を 想 定 し た 。 CO 2 貯 留 ・ 隔 離 に 要 す る コ ス ト と 貯 留 ・ 隔 離 容 量 の 想 定 値 は 、 表 2 -11 の と お り で あ る 。 表 2- 10 † CO 2 分 離 回 収 設 備 に 関 す る 想 定 建設単価 ($/(tC/day)) エネルギー損失† (MWh/tC) 発電所排ガスからの化学吸収 56,500 0.927 – 0.719 ガス化プラントにおける物理吸収 14,500 0.902 – 0.496 時点に依存 表 2- 11 CO 2 貯 留 ・ 隔 離 に 関 す る 想 定 C O 2 貯 留 ・ 隔 離 単 価 ( $ / t C) † 石油増進回収 87 – 125 廃ガス田注入 46 地下帯水層注入 10 – 150 25 海洋隔離 C O 2 貯 留 容 量 ( G t C) ‡ 9.2 8.2†† 499.0 ‡‡ – 出所:「グローバルエネルギー戦略」他 † 貯留・隔離地点までの輸送コストは別途考慮している。 ‡ 回収される石油の売却益は別途考慮している。 †† 2000 年時点の初期値であり、2000 年以降の天然ガス採掘量に依存して増加する。 ‡‡ 陸上での CO2 液化コストと洋上処理施設コストの合計額である。 (6) 植 林 に よ る 大 気 中 CO 2 固 定 に 関 す る 想 定 植 林 に よ る CO 2 固 定 に つ い て は 、 植 林 か ら 3 0 年 ( 2 07 5 年 時 点 、 2 10 0 年 時 点 の 計 算 で は 25 年 ) で 成 熟 林 に な る と 仮 定 し 、 成 熟 林 に 達 す る ま で の 期 間 中 一 定 率 で 大 気 中 の CO 2 を 固 定 で き る も の と し た 。 想 定 し た 値 を 表 2 -1 2 に 示 す 。 た だ し 、 本 モ デ ル で は 、 CO 2 固 定 の た め に 植 林 す る バ イ オ マ ス と 、エ ネ ル ギ ー 利 用 と し て の バ イ オ マ ス 、気 候 変 動 モ デ ル で 想 定 さ れ る 森 林 破 壊 に よ る CO 2 排 出 と の リ ン ク は し て い な い 。 表 2- 12 地域 植 林 に よ る 大 気 中 CO 2 固 定 に 関 す る 想 定 値 最大植林可能面積 年間最大植林 成熟林時の単位面積 植林費用 (Mha) 可能面積(%) 当りの炭素固定量(tC/ha) ($/tC) 北アメリカ 43.80 2 100 30 西ヨーロッパ 6.84 2 100 30 日本 0.08 2 100 30 オセアニア 15.75 2 100 30 計画経済圏アジア 4.95 2 100 15 その他のアジア 17.10 2 150 10 中東・北アフリカ 2.70 2 100 15 サハラ以南のアフリカ 88.00 2 150 10 ラテンアメリカ 43.80 2 150 10 旧ソ連・東欧 27.90 2 100 15 注)年間最大植林可能面積の比率は、最大植林可能面積に対する比率である。 (7) エ ネ ル ギ ー ・ 二 酸 化 炭 素 輸 送 コ ス ト の 想 定 地球的規模で最適なエネルギーシステムの構築を目指すには、従来の石油や天然ガ ス等のエネルギー輸送に加え、水素やメタノール、そして回収された二酸化炭素の長 距 離 輸 送 が 重 要 な 役 割 を 果 た す と 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 DNE2 1 モ デ ル に お い て は 、 天 然ガス、石油、石炭、水素、メタノール、二酸化炭素の 6 品目の輸出入を考慮してい る 。 図 2 -9 に は 、 DN E21 モ デ ル で 想 定 し て い る 各 種 エ ネ ル ギ ー の 長 距 離 輸 送 コ ス ト を 輸 送 距 離 の 関 数 と し て 示 す 。た だ し 、図 中 の 試 算 で は 便 宜 的 に 液 化 動 力 の 電 力 単 価 は 5 (ce n t/kWh ) を 想 定 し た が 、 実 際 の 計 算 に お け る 電 力 単 価 は 地 域 別 に 内 生 的 に 求 め ら れ る。モデル内においては、地域間の輸送距離は、各地域の代表都市間の距離で見積も っている。ただし、石油、石炭、メタノールの輸送コストは、比較的安価なため、そ れらの輸送コストは距離に依らず一定としている。 輸送コスト ($/toe、CO2 のみ $/tC) 800 二酸化炭素パイプライン 液化二酸化炭素タンカー 600 メタノールタンカー 石炭タンカー 400 石油タンカー 天然ガスパイプライン 液化天然ガスタンカー 200 水素パイプライン 液化水素タンカー 0 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 輸送距離 (km) 図 2- 9 各 種 エ ネ ル ギ ー 、 CO 2 の 長 距 離 輸 送 コ ス ト (8) 電 力 需 要 年 負 荷 持 続 曲 線 の 想 定 電気は、さまざまなエネルギーから転換が可能であり利便性も高い。エネルギーの 電力化は着実に進んでおり、今後も続くものと考えられる。しかし、電気は、現状で は保存がほとんどできないという欠点がある。電力需要は刻々と変化するため、それ に合わせて発電する必要がある。発電の経済性を考えると、単位発電電力当りのプラ ント建設コストは高いが燃料費は安い発電プラント(原子力等)を、電力需要に負荷 追従させずに運用し、燃料費は高いが単位発電電力当りのプラント建設コストは安い 発電プラント(天然ガス火力、石油火力等)を負荷追従させるのが、コスト的に有利 に な る 。 DNE21 モ デ ル に お い て は 、 発 電 部 門 の 定 式 化 は こ の 年 負 荷 持 続 曲 線 を 介 し て 行っている。一年の電力需要を大きな需要から並べたものが年負荷持続曲線である。 年負荷持続曲線の利用により、実際には複雑な発電プラントの運用パターンを比較的 簡 単 に 表 現 す る こ と が で き る 。そ の 年 負 荷 持 続 曲 線 と し て 図 2 -1 0 に 示 す よ う な 4 時 間 帯(瞬時ピーク、ピーク時間帯、中間時間帯、オフピーク時間帯)で表現される矩形 状のものを想定している。 供給力分担 電力需要 (キロワット) (キロワット) 供給力分担 (GW) 供給予備力 瞬時ピーク 各種火力発電と 揚水発電 負荷持続曲線 太陽光発電 水力・地熱発電 風力発電 原子力発電 ピーク 図 2- 10 2.2.2 中間 オフピーク(時間) 年負荷持続曲線の想定 マクロ経済モデル関連データ (1) 人 口 、 基 準 GDP、 基 準 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 の 想 定 人 口 、 基 準 GDP 、 基 準 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 は 、 図 2 -11 の よ う に 、 IP CC SRES 6 ) の B 2 シ ナ リ オ と OECD/IE A の 統 計 デ ー タ 7)8) を 基 に シ ナ リ オ を 作 成 し て い る 。な お 、SRE S B2 の 人 口 シ ナ リ オ は 、国 連 の 19 98 年 に お け る 中 位 推 計 23) が 利 用 さ れ て お り 、本 モ デ ル に お け る 人 口 想 定 も そ れ を 利 用 し て い る 。基 準 GDP は 、SRES B 2 に お け る 一 人 当 た り GDP 成 長 率 と 、 人 口 シ ナ リ オ よ り 作 成 し て い る 。 な お 、「 基 準 」 G DP は 、「 リ フ ァ レ ン ス ケ ー ス 」に お け る GDP で あ り 、CO 2 濃 度 制 約 等 の CO 2 排 出 抑 制 政 策 を 想 定 し た 場 合 に は 、 GDP は 変 化 す る 。 一 方 、 基 準 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 は 、 固 体 、 液 体 、 気 体 燃 料 、 電 力 の 4 燃 料 種 別 に 、 SRES B2 に お け る GDP 当 た り 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 成 長 率 と 、 GDP シ ナ リ オ よ り 作 成 し て い る 。 な お 、「 基 準 」 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 は 、「 基 準 GDP 」 と 同 様 に 、 「 リ フ ァ レ ン ス ケ ー ス 」 に お け る 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 で あ り 、 C O 2 濃 度 制 約 等 の CO 2 排 出抑制政策を想定した場合には変化する。 DNE21 モ デ ル で 想 定 し て い る 10 地 域 別 の 人 口 、 基 準 GDP を 、 そ れ ぞ れ 、 図 2 -12 、 図 2 -13 に 示 す 。 ま た 、 燃 料 種 別 の 世 界 全 体 の 基 準 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 を 図 2 -14 に 示 す。 OECD/IEA For Base Year & Region Histrical Data of Population in OECD/IEA 2002 (World Bank 2002) Histrical Data of Final Energy Consumption by Fuel in OECD/IEA 2002 Histrical Data of GDP in OECD/IEA 2002 (World Bank 2002) IPCC SRES Population for IPCC SRES B2 (UN, 1998) Population Annual Growth Rate of GDP per capita for IPCC SRES B2 Annual Growth Rate of Final Energy Demand by Fuel per GDP for IPCC SRES B2 Reference GDP Reference Final Energy Demand by Fuel Model Assumption by Region between 2000 and 2100 for DNE21 図 2- 11 世 界 1 0 地 域 別 の 人 口 、 基 準 GD P 、 基 準 最 終 エ ネ ル ギ ー 需 要 の 想 定 方 法 OECD/IEA Statistics (World Bank) 10000 DNE21 - Scenario (IPCC SRES-B2; UN '98 Medium) FUSSR & E.Europe L.America Sub-saharan Africa 8000 M.East & N.Africa Other Asia 6000 C.P.E. Asia Oceania 4000 Japan W.Europe 2000 N.America Year 図 2- 12 人口シナリオ 2100 2090 2080 2070 2060 2050 2040 2030 2020 2010 2000 1990 1980 0 1970 Population (million people) 12000 250000 OECD/IEA Statistics (World Bank) GDP (billion US1990$/yr) 200000 DNE21 - Reference Scenario (IPCC SRES-B2) FUSSR & E.Europe L.America Sub-saharan Africa M.East & N.Africa 150000 Other Asia C.P.E. Asia 100000 Oceania Japan 50000 W.Europe N.America 2100 2090 2080 2070 2060 2050 2040 2030 2020 2010 2000 1990 1980 1970 0 Year 図 2- 13 基 準 GD P シ ナ リ オ Final energy consumption (Mtoe/yr 25000 OECD/IEA Statistics DNE21 - Reference Scenario (IPCC SRES-B2) 20000 Electricity 15000 Gaseous fuel 10000 Liquid fuel Solid fuel 5000 2100 2090 2080 2070 2060 2050 2040 2030 2020 2010 2000 1990 1980 1970 0 Year 図 2- 14 2.2.3 基準最終エネルギー需要シナリオ 気候変動モデル関連データ DNE21 モ デ ル で は 、IP CC の 第 一 作 業 部 会( WG I)で も し ば し ば 用 い ら れ て き た Wig le y ら に よ っ て 開 発 さ れ た MAG ICC ( Model for the Assessment of Greenhouse gas Induced Climate Change) と 呼 ば れ る 簡 易 気 候 変 動 モ デ ル 24)25) に、新データ 26)27) に基づいて修正を加え た 気 候 変 動 モ デ ル を 統 合 し て い る 。 DNE2 1 モ デ ル で は 、 二 酸 化 炭 素 や メ タ ン 、 亜 酸 化 窒 素 、 ハ ロ カ − ボ ン ( フ ロ ン 、 ハ ロ ン な ど 計 27 種 類 ) の 各 種 温 室 効 果 ガ ス を 考 慮 し て いる。そして、それらの排出量から大気中の濃度、放射強制力、気温上昇(北半球、 南 半 球 の 陸 海 別 )、 海 面 上 昇 ( 半 球 別 に 40 層 で 表 現 さ れ た 1 次 元 の 湧 昇 流 エ ネ ル ギ ー バランス)を計算することができる。また、硫黄酸化物エアロゾルによる冷却効果も 大雑把ではあるが考慮している。本来、気候変動現象は非常に複雑であり、それを記 述したモデルは非常に計算量がかかり、スーパーコンピュータを使ってシミュレーシ ョンする必要がある。しかし、この「簡易」モデルは、大気海洋大循環モデルと呼ば れる大規模な気候変動モデルの結果を模擬した結果を、パーソナルコンピュータでも 解 法 で き る 程 度 の 少 な い 計 算 量 で 解 法 で き る 。 DNE21 モ デ ル で は 、 気 候 変 動 モ デ ル の 入力変数となる各種ガスの排出量に関して、エネルギーシステムからの二酸化炭素と 硫黄酸化物の排出量についてはエネルギープロセスモデルとリンクさせている一方、 セメント生産、森林破壊による二酸化炭素排出量や、その他の温室効果ガス排出量に つ い て は 、 基 本 的 に IPCC の SRES B2 シ ナ リ オ を 外 生 的 に 用 い て い る 。 ま た 、 気 候 変 動 モ デ ル に お い て 計 算 結 果 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す パ ラ メ ー タ の 一 つ で あ る 19 80 年 代 の 森 林 破 壊 に よ る 年 平 均 炭 素 排 出 量 は 、 IP CC が 最 良 推 定 値 と し て い る 1. 1GtC /yr と 想 定 し た ( IP CC の 第 2 次 評 価 報 告 書 26) 等 に よ る と 0 .6 ∼ 2. 6GtC /yr と 推 定 さ れ て い る )。 更 に 、気 温 上 昇 算 出 に 最 も 大 き な 影 響 を 及 ぼ す パ ラ メ ー タ で あ る 気 候 感 度 は 、こ れ も IP CC が 最 良 推 定 値 と し て い る 2.5 ℃( IP CC 第 2 次 評 価 報 告 書 で は 1. 5 ∼ 4. 5℃ と 推 定 )を 想 定 し た 。 ま た 、 そ の 他 、 温 室 効 果 ガ ス の 放 射 強 制 力 等 の パ ラ メ ー タ に つ い て は 、 IP C C の 第 3 次評価報告書 27) に基づいている。 DNE21 モ デ ル に お い て は 、 CO 2 濃 度 目 標 や 気 温 上 昇 目 標 を 満 た し つ つ 、 コ ス ト 効 率 的な温暖化対策を導出するために、この気候変動モデルを線形近似した上で、最適化 モ デ ル の 制 約 条 件 式 と し て 完 全 統 合 し て い る 。な お 、最 適 化 モ デ ル に お け る 10 年 と い っ た 時 点 間 隔 に お い て は 、CO 2 濃 度 や 気 温 上 昇 は 緩 や か な 変 化 に 留 ま る た め 、多 く の 場 合 、収 束 計 算 無 し 、も し く は 、1 回 程 度 の 収 束 計 算 で 極 め て 良 好 な 近 似 が 得 ら れ て い る 。 2.3 CO 2 排 出 削 減 効 果 グ ラ フ に つ い て 本 書 で は 、 多 く の CO 2 排 出 削 減 効 果 の グ ラ フ を 用 い て い る 。 こ の グ ラ フ は 、 排 出 削 減 ケ ー ス を 実 現 す る た め に 、特 段 の CO 2 排 出 削 減 対 策 を 取 ら な い ケ ー ス(「 リ フ ァ レ ン ス ケ ー ス 」) と 比 較 し 、 ど の よ う な 対 策 に よ っ て 排 出 削 減 し 、 排 出 削 減 ケ ー ス を 実 現 す るかを対策技術別に示すためのグラフである。本報告書では、それぞれの削減効果を 以下のように定義することによって対策技術別に分解している。 ま ず 、CO 2 排 出 削 減 効 果 を 大 き く 4 つ の 要 素( CO 2 固 定 に よ る 削 減 、化 石 燃 料 代 替 に よる削減、非化石エネルギーへの代替による削減、省エネによる削減)に分解する。 En = Eg En PE F × × × PE E g PE F PE (2 -1 ) た だ し 、 E n : CO 2 正 味 排 出 量 、 E g : CO 2 総 排 出 量 、 PE F : 化 石 燃 料 の 生 産 量 、 PE: 一 次エネルギー生産量 右 辺 の 1 項 目 が CO 2 固 定( CO 2 の 地 中 貯 留 や 海 洋 隔 離 、植 林 )に よ る 寄 与 を 、2 項 目 が化石燃料内の構成による寄与を、3 項目が化石エネルギーへの依存による寄与を、4 項目が一次エネルギー生産量による寄与を示す。 今 、CO 2 排 出 削 減 対 策 を 取 ら な い ケ ー ス(「 リ フ ァ レ ン ス ケ ー ス 」)を 上 付 き の 添 え 字 で「 REF 」と 表 記 し 、二 酸 化 炭 素 排 出 制 約 ケ ー ス( 例 え ば 、大 気 中 CO 2 濃 度 を 550p p mv に 安 定 化 す る 「 濃 度 安 定 化 ケ ー ス 」) を 同 じ く 「 CON」 と 表 記 す る と 、 E n R E F - E n C O N を それぞれの要素に分解することを考える。それを本書では、次式のように分解するこ と と し 、第 1 項 を CO 2 固 定 に よ る 削 減 効 果 、第 2 項 を 化 石 燃 料 内 代 替 に よ る 削 減 効 果 、 第 3 項を非化石エネルギーへの代替による削減効果、第 4 項を省エネによる削減効果 と定義した。 En REF − En CON ( = Eg REF ) ( − D REF − E g CON − D CON ) CON Eg Eg = (D CON − D REF ) + PE CON − PE REF PE CON REF = (D CON −D + PE CON REF ) + PE CON CON PE F PE CON E g REF + (PE REF − PE CON ) PE REF E g REF E g CON − PE F REF PE F CON CON E g REF PE F REF PE F − REF REF PE CON PE F PE (2 -2 ) E g REF REF + − PE CON ) PE REF (PE た だ し 、 D : CO 2 固 定 量 式 中 の そ れ ぞ れ の 値 は 、 DNE21 モ デ ル を 特 段 の CO 2 排 出 削 減 対 策 を 取 ら な い ケ ー ス と CO 2 排 出 制 約 ケ ー ス の 2 ケ ー ス を 計 算 す る こ と に よ っ て 求 め る こ と が で き る 。 本報告書では、非化石エネルギーへの代替による削減効果を、更に、それぞれのエ ネ ル ギ ー 源 別 に 要 素 分 解 し て い る 。そ れ は 、CO 2 排 出 制 約 ケ ー ス に お け る 各 非 化 石 エ ネ ル ギ ー の 一 次 エ ネ ル ギ ー 生 産 量 が 、CO 2 排 出 削 減 対 策 を 取 ら な い ケ ー ス か ら ど れ だ け 増 加したかに比例させて、それぞれの削減効果と定義している。 ただし、あくまで本報告書では以上のような定義によって削減効果を対策技術別に 分 解 し て い る に す ぎ ず 、 他 の 定 義 も 可 能 で あ る 。 ま た 、 こ こ で 行 っ た 定 義 で は 、 CO 2 の地中貯留や海洋隔離に伴う増エネルギーは、主として最終需要部門で生じる省エネ ル ギ ー 効 果 と 総 計 さ れ 、「 省 エ ネ に よ る 削 減 効 果 」 と し て 表 示 さ れ る 。 つ ま り 、 CO 2 の 地中貯留や海洋隔離に要するエネルギーを除いた本来の省エネ分は、 「省エネによる削 減効果」として表示される効果よりも大きいことにも注意されたい。 参考文献 1) 新エネルギー・産業技術総合開発機構/(財)地球環境産業技術研究機構、 「平成 5 年∼13 年度「地 球再生計画」の実施計画作成に関する調査事業報告書」(1994∼2002) 2) Y. Fujii, and K. Yamaji, “Assessment of technological options in the global energy system for limiting the atmospheric CO2 concentration”, Environmental Economics and Policy Studies, 1, 113-139 (1998). 3) 山地憲治、藤井康正、「グローバルエネルギー戦略」電力新報社 (1995) 4) K. Yamaji, J. Fujino, K. Osada, Global energy system to maintain atmospheric CO2 concentration at 550 ppm. Environmental Economics and Policy Studies, 3, 159-171, (2000). 5) 茅 編、 「CO2 削減戦略−地球を救うシナリオ」、日刊工業新聞社 (2000) 6) N. Nakicenovic (eds.), “Emissions Scenarios”, Cambridge University Press, 2000. 7) OECD/IEA, “Energy Balances of OECD Countries: 1999-2000”, OECD, 2002 8) OECD/IEA, “Energy Balances of Non-OECD Countries: 1999-2000”, OECD, 2002 9) C.D. Keeling and T.P. Whorf, “Atmospheric CO2 records from sites in the SIO air sampling network”, In: Trends: A Compendium of Data on Global Change (Online). Darbon Dioxide Information Analysis Center (CDIAC), Oak Ridge National Laboratory, 2002. http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/trends.htm 10) P.D. Jones, D.E. Parker, T.J. Osborn, and K.R. Briffa, “Global and hemispheric temperature anomalies-land and marine instrumental records”, In: Trends: A Compendium of Data on Global Change (Online). Darbon Dioxide Information Analysis Center (CDIAC), Oak Ridge National Laboratory, 2002. http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/trends.htm 11) IPCC WGIII, “Climate Change 2001 – Mitigation”, Cambridge University Press, 2001 12) H-H. Rogner, “An Assessment of World Hydrocarbon Resources”, Annu. Rev. Energy Environ. 22, 217-262 (1997). 13) N. Nakicenovic, A. Grübler and A. McDonald, “Global Energy - Perspectives”, Cambridge University Press (1998). 14) 山本、藤野、山地、 「多地域型世界土地利用エネルギー・モデルによるバイオエネルギー供給可能 量の評価」 、電力中央研究所研究報告 Y98023、1999 15) 山地 編、 「バイオエネルギー」 、ミオシン出版、2000 16) N. 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