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India Insights (5月号)

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India Insights (5月号)
India Insights (5月号)
(インド市場を見る眼~現地からの報告)
HSBC投信株式会社
2015年6 月16日
<トピックス>
1.モディノミクスの1年を振り返る
2.注目されるモンスーン期の降雨量
マーケットサマリー(株式・債券・為替市場)
 5月のインド株式市場は上昇、債券市場の利回りは低下した一方、通貨ルピーは対米ドルで下落
 利下げ期待が株式・債券市場に好材料となり、実際、インド準備銀行(中央銀行)は6月2日に利下げを実施
<トピックス>
1.モディノミクスの1年を振り返る
モディ流改革を実践
実体経済は改善
 モディ政権1年目は政策面
で大きな前進が見られ、構
造的なインフレ要因、汚職、
失業、税制、ビジネス環境
等の重要課題の解決に向
けて、様々な措置が打ち出
された。
 この1年間、主要経済指標は改善しており、インフ
レ率は低下、景気は緩やかに回復、経常赤字は縮
小した。また、ルピー相場が比較的安定して推移し
ている点も注目される。
写真提供:インド首相府
 具体的には、以下を実行している。
①燃料価格の規制緩和
②インフレ目標の設定
③新たな天然資源配分方針
④手当の直接給付制度(DBT:各種補助金など手
当てを受益者の銀行口座に直接振り込む制度)
⑤労働法改正
⑥税制改革
 また、インドを世界の生産・輸出基地とする「メー
ク・イン・インディア(インドでものづくりを)」構想、若
者の技術力向上を図る「スキル・インディア」構想を
含む多くの改革試案を推進している。
 モディ首相は、インドへの投資促進を目的に、過去
1年間、米国、日本、中国、フランス、ドイツなど諸外
国を積極的に訪問した。
 米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・
サービスは4月にインド国債の格付けの見通しを
「安定的」から「ポジティブ」に引き上げている。これ
はインド経済に対する信認回復の表れであり、投資
先としてのインドの魅力を向上させている。
 1年目に複数の重要法案を成立させたモディ政権
は、今年度も改革を積極的に推進すると見られ
る。物品・サービス税(GST)の導入、土地収用法
改正等の重要法案の成立は難航しているが、モ
ディ政権は改革前進に向けた強い決意を表明、ま
た非伝統的な政策手段(大統領令発令など)を活
用する用意があることも示しており、今後の展開に
期待が持てる。
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
2.注目されるモンスーン期の降雨量
債券市場
気象局は降雨量不足を予想するが・・・
 5月はインド10年国債利回りが一時8%近くまで上
昇した後に低下し、前月末を下回る7.64%で取引を
終えた。
 インド準備銀行(中央銀行)は6月2日、今年3回目
の利下げを実施し、レポ金利を0.25%引き下げ7.25
%とした。今年に入り前倒しで利下げを実施してお
り、当面は政策金利を据え置くと見られる。中央銀
行は次の一手の前に、モンスーン期の降雨量、金
融政策の波及効果、米国の金融政策、原油価格動
向等の重要な要素を注視すると見られる。
 インド経済にとり、モンスーン期(6月~9月)の降雨
量は非常に重要だ。雨量が少ない場合には、農産
物の不作から経済成長率の低下、また食料品価
格上昇からインフレの加速を招く可能性がある。
 インド気象局は今年のモンスーン期の降雨量の予
測を長期実績平均に対し93%から88%に下方修
正した。90%以下は雨不足と見なされる。
 市場では、インフレへの影響が懸念されている
が、予想以上の降雨不足の場合でも、政府は在庫
の取り崩しなど、供給サイドからの対応策を講じる
ことが見込まれる。
 6月末には状況がより明確になるが、現時点までで
は、長期実績平均を5%上回る降雨量が観測され
ているとの現地報道もある。当面は、インド経済を
見る上で、気象情報に注意したい。
<マーケットサマリー>
図表2 インド10年国債利回りの推移
(2015年1月1日~5 月29 日)
(%)
8.1
8.0
7.9
7.8
7.7
7.6
7.5
2015/1
2015/5
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
株式市場
 5月のインド株式市場は2ヶ月連続で下落した後、上
昇に転じた。企業決算が低調となったものの、利下
げ期待の高まりが上昇要因となった。
 2015年1~3月期の企業業績は予想より弱い内容と
なり、 MSCI インド指数構成企業のうち純利益が市
場予想を下回った企業の割合は約50%に達したが
上回った企業は約35%にとどまった。
 企業収益の本格的回復は後ずれする見通しだが、
投資効率の向上、財政・金融両面での緩和策と経
済成長の加速を背景に、インド企業の利益率は今
後3~4年間で約2倍に上昇する見込みである。
図表1 SENSEX指数の推移
(2015 年1月1日~5月29 日)
(ポイント)
30,000
2015/2
2015/3
2015/4
為替市場
 インドルピーは5月も対米ドルでは下落傾向となった
が、大半の主要アジア通貨をアウトパフォームした。
 米国の利上げ観測を背景とした米ドル全面高の流
れが続いているが、対米ドルで65ルピーを超えるル
ピー安進行はインフレ圧力の高まりに繋がる恐れが
あり、中央銀行は容認しないと考えられる 。
 今後のルピー相場について引き続き強気に見てい
る。米国とインドの間のインフレ率格差は安定ないし
縮小傾向、原油安と経常赤字の縮小も引き続きル
ピー相場の下支え要因となろう。インドルピーは、対
米ドルでは現在の64.1ルピーから強含み、中期的に
米ドルに対して60~64ルピーのレンジ内で推移する
と予想。
図表3 インドルピーの推移
(2015年1月1日~5月29日)
29,000
(ルピー/円)
28,000
(米ドル/ルピー、逆目盛)
26,000
2015/1
2015/2
2015/3
2015/4
2015/5
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
1.95
62
1.90
63
対円(左軸)
1.85
64
1.80
65
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
2
ルピー安
(年/月)
61
対米ドル(右軸)
27,000
ルピー高
2.00
留意点
投資信託に係わるリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場に
おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまし
て、投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機
構または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は投
資者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見
書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内
容をご確認頂きご自身でご判断ください。
投資信託に係わる費用について
購入時に直接ご負担いただく費用
購入時手数料 上限3.78%(税込)
換金時に直接ご負担いただく費用
信託財産留保額 上限0.5%
投資信託の保有期間中に間接的に
ご負担いただく費用
運用管理費用(信託報酬) 上限年2.16%(税込)
その他費用
上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。
「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論
見書補完書面等)」等でご確認ください。
※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。
※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく
それぞれの費用における最高の料率を記載しております。
※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず
「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。
HSBC投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第308号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
ホームページ
www.assetmanagement.hsbc.com/jp
電話番号 03-3548-5690
(受付時間は営業日の午前9時~午後5時)
【当資料に関する留意点】
 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の金
融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、
データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。
 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。
 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。
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