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人間関係プログラム - さいたま市教育委員会
人間関係プログラム 「人間関係プログラム」に係る調査(効果測定) 1.効果測定とは さいたま市では、独自に開発した「人間関係プログラム」に係る調査(効果測定)を、プログラムを実施した 全児童生徒を対象に行い、人間関係に係る技術・意識の変容など、プログラムの実施による効果を明らかにする とともに、プログラムの改良や、学校・学級における指導の一助としている。 2.効果測定について (1)調査概要 ① 調査対象:市立小学校3年生から中学校1年生までの児童生徒。 (「人間関係プログラム」を実施した全児童生徒) ② 調査項目:平成17年度「人間関係プログラム」推進委員会において、予備調査の検証に基づき、本市が独 自に作成した28項目からなる効果測定調査用紙(SSS‐28)を使用。 (2)実施時期 回数 実施時期 分析結果 1回目 4月上旬(プログラム実施前) 6月上旬に学校へ提示 2回目 7月上旬 8月下旬に学校へ提示 3回目 11 月中旬 12 月下旬に学校へ提示 平成20年度も昨年同様、プログラムで学習した内容を、教師、児童生徒が共通理解し、各教科、学校行事等、 日頃の直接体験の場において、意図的、計画的に実践し、その定着を図られているかを測定するため上記の日程と した(下図参考)。 <参考> 人 ☆1 HRT 授業 (SS) 間 関 係 プ ロ グ ラ ム ☆2 日頃の直接体験の場での定着 コミュニケーションスキルの定着度(イメージ図) 58 56 54 52 50 48 46 直接体験(少) 直接体験(多) (3)調査項目 本調査は、28項目の質問により、児童生徒の状態を判断するものである。これらの項目は、平成17年度に 予備調査をおこなったモデル校のデータをもとに標準化したもので、児童生徒の状態を測定する尺度として確定 したものである。 28の質問項目は以下のとおりである。 <解決スキル> 1 私は、知らない人とでも、すぐに話が始められます。 2 私は、クラスが替わっても仲の良い友達がすぐにできます。 3 私は、まわりの人たちとのあいだで問題が起きても、うまくやっていけます。 4 私は、冗談を言って周りの友達を笑わせることがあります。 5 私は、けんかをした友達と、上手に仲直りすることができます。 6 私は、クラスの誰とでも、笑顔であいさつを交わすことができます。 7 私は、友達が話しているところに、気軽に仲間へ入れてもらうことができます。 <言語的スキル> 8 私は、何か失敗したとき、すぐに謝ることができます。 9 私は、忙しいときに、友達に「手伝って」と言うことができます。 10 私は、自分のことばかり話をしないで、友達の話をじっくりと聞くことができます。 11 私は、友達の頼みでも、嫌なときは嫌ですと言えます。 12 私は、自分の気持ちや考えなどを、素直に言う事ができます。 <気遣い> 13 私は、友達からどう見られているか気になります。 14 私は、友達が何を思っているのかを、よく考えます。 15 私は、友達を傷つけないように気をつかいます。 <信頼他者> 16 私の友達は、私の考えや意見をよく聞いてくれます。 17 私の友達は、私が困ったときに相談にのってくれると思います。 18 私は、まわりの人を信頼しています。 19 私のクラスは、明るくて楽しいクラスです。 20 私には、信頼できる友達や家族などがいます。 <信頼自己> 21 私は、自分のことが、好きです。 22 私には、ほかの人にはない良いところが、いっぱいあります。 23 私は、何かについてがんばろうと思えばいつでもがんばれる気がします。 <感情統制> 24 私は、かっとなると、そのことがすぐに顔や態度に表れます。 25 私は、ちょっとした言い合いでも、声が大きくなってきます。 26 私は、友達と意見が合わないとき、言い合いをしたくなります。 27 私は、かっとなって、物を壊したくなることがあります。 28 私には、私のことをよく思っていない人がいると思います。 (4)調査方法 本調査は、さいたま市独自の調査用紙を使用し、児童生徒が上記の28項目に対し、以下の4件法で回答した ものを集計したものである。 1:全くそのとおりだと思う 2:どちらかといえばそう思う 3:どちらかといえばちがうと思う 4:全くちがうと思う (5)6つの尺度因子(以下尺度とする)と質問項目の関係 本調査の28項目については、大きく6つの群に分けることができる。これらの群を児童生徒の人間関係に起 因する6つの尺度と捉える。6つの尺度については、以下のとおりである。 ○解 決 ス キ ル:日常場面だけでなく、初対面の相手との場面や葛藤場面等、様々な場面 での相手との関わり方の中で、十分な人間関係を作り上げていくことに 関わる因子 ※ 質問項目 1∼ 7(7項目) ○言語的スキル:言葉をとおして、自分の考えや気持ちを相手に伝えることに関わる因子。 相手との関係の中で、言葉によるやりとりの重要性に関わる因子 ※ 質問項目 8∼12(5項目) ○気 ※ 遣 い:学級・学年等の友人関係の中で、人に対しての気兼ねや、相手からの評 価をどのように受け止めているかに関わる因子 標準得点(SS)が高ければよいというものではない。標準得点(SS) が高すぎることは相手への気兼ねが高いことにつながる。 質問項目 13∼15(3項目) ○信 頼 他 者:学級内の友人や他者に対する信頼感に関わる因子 個人が所属する集団・あるいはそれに類する関係の中でどの程度心が許 せるかを示す。 ※ 質問項目 16∼20(5項目) ○信 頼 自 己:自己肯定感や自己効力感に関わる因子 標準得点(SS)が低い場合、学級内での人間関係が作りにくい場合が 多い。 ※ 質問項目 21∼23(3項目) ○感 情 統 制:自分の感情のコントロールに関わる因子 標準得点(SS)が高ければよいというものではない。標準得点(SS) が高いことは、帰属する集団内での自己開示がしにくい状況を示す場合 もある。 ※ 質問項目 24∼28(5項目) 3.「学年・学級のまとめシート」の活用 昨年度に引き続き、本年度も調査結果を分析し、「学年・学級のまとめシート」 <別添資料>を作成し、各学校に配布した。 学級担任用「学級のまとめ」シート 調査結果は学級ごとに示され、各学級担任は学級の全体的な児童生徒の様子と、個々に課題のある児童生徒を 把握することで、それ以降の学級経営や、指導・支援に活用する。 <内容> ・個人別標準得点 ・市標準との比較 ・学級プロフィール(レーダーチャート) ・スキルの定着の推移 ・スキルと信頼感のバランス ・コメント記述