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楽しく学ぼう コンピュータ! ~ 北灘小パソコンクラブの活動を通して ~ 宇和島市立北灘小学校 中 山 総 大 1 はじめに 教育の情報化が進み、学習中、子どもたちがコンピュータやインターネットを活用する機会が増え てきた。そこで本校では、 「情報や情報手段を主体的に活用する能力」および「情報モラル」を楽しみ ながら身に付けさせ、情報活用のリーダーを育てることを目的として、数年前にパソコンクラブが発 足した。現在は 4 年生以上の児童 14 名が所属し、どの児童も意欲的に活動しながらコンピュータの 操作技能を伸ばしている。 また昨年度は、パソコンクラブの児童全員が、未来をテーマにしたコンピュータグラフィックを作 成し、コンテスト(ひたちパソコン画伯コンテスト)に応募した。中には、入賞を果たす児童もおり、 みんなで喜び合った。 2 活動内容について 年間の活動内容については、年度当初、児童による話合いと教師のアドバイスにより決定した。今 年度の活動内容は以下のとおりである。 ( ※ は今後予定しているもの ) 月 内 容 使用した機器およびソフトウェア・Web ページ 4月 活動計画を立てよう 5月 名刺を作ろう 名刺 MAKER(フリーソフト) 6月 ブラインドタッチに挑戦 ジャストスマイル(Just System) インターネットの ドラえもんのまんがでわかるルールとマナー集(Web・小学館) 7月 落とし穴 コピーライトワールド(Web・著作権情報センター) 9月 アニメーションを作ろう EasyToon(フリーソフト) 10 月 表計算ソフトを使おう Excel(Microsoft) 11 月 Excel でグラフを作ろう Excel(Microsoft) 12 月 北灘写真コンテスト 1月 ※ カレンダー作成 2月 ※ 電子メールを使おう Outlook Express(Microsoft) 3月 ※ 思い出をまとめよう わいわいレコーダー(JR 四国コミュニケーションウェア) ペンタブレット デジタルカメラ わいわいレコーダー(JR 四国コミュニケーションウェア) デジタルカメラ JTrim(フリーソフト) ジャストスマイル(Just System) パソコンクラブの活動ではオンラインソフトを利用することが多いが、安全性を考慮し、多くの人 が使用していて評価が高いもの、また、インストールの必要のないもの、なるべくレジストリを変更し ないものを利用するように配慮している。 3 各月の内容について (1) 名刺を作ろう(5月) 「名刺 MAKER」(フリーソフト)を使用し、名刺 作りを行った。パソコンクラブでは毎年、1学期中に、 この名刺 MAKER を使用して名刺作りを行っている。 名刺作成ソフトにはいろいろな種類があるが、この 名刺 MAKER は余分な機能が省かれており、 Windows を操作する上で身に付けさせておきたい基本的事項 をしっかりと身に付けさせることができる。 今年度、初めてパソコンクラブに入った児童はまだ 十分に Windows の操作に慣れていないため、活動の 際には、操作に慣れている児童とペアを組ませた。 どの児童も夢中になって取り組み、名刺を作り終える頃には、ファイルの操作や「ダブルクリッ ク」「ドラッグ」「画像の挿入」「色の変更」など、基本的な操作を身に付けることができた。また、 文字を重ねて影をつける等、新しい方法を発見する児童もおり、友達を驚かせていた。 (2) ブラインドタッチに挑戦(6月) インターネットを利用して情報を検索する際など、文字入力の速さで学習の効率が大きく変わっ てくる。ブラインドタッチは習得のコツさえつかめば、小学生にとってもそう難しいものではない。 北灘小パソコンクラブでは、クラブ活動の前半に 15 分間、毎回、キーボードの入力練習を行い、み んなでブラインドタッチの習得を目指している。 6月は「ブラインドタッチ に挑戦」として、児童 1 人に 1 枚ずつ、右のようなキーボ ード図を用意した。これを厚 紙に貼り付け、ディスプレイ の横に立て掛けて、この図を 見ながらブラインドタッチの 練習を行った。 児童が行っている練習方法は以下のとおりである。 ① 左手を A・S・D・F・J・K・L・+ の部分(ホームポジション)に置き、他のキーを 押した後、必ずもとの場所へ指を戻す。 ② 手元を見ないで、キーボード図とディスプレイだけを見て、キーを探りながら入力する。 また、キーボード入力の上達ぶりを確認するため、ジャストスマイルのキーボード練習を使用し て、毎回、記録をとっている。個人差はあるが、最も上達した児童では、4 月の測定と比べ、約 4 倍の速さで文字を入力できるようになった。キーボード練習は上達ぶりがはっきりと表れるため、 子どもたちも記録の向上を目指し、とても意欲的に練習を行っている。 (3) インターネットの落とし穴 (7月) 本校でも、家庭でインターネットを利用したり、保護者の携帯電話を借りて友達同士でメールを 送り合ったりしている児童がいる。インターネットや携帯電話は非常に便利であるが、1歩間違え ば犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性をもつということに気付いていない児童も多い。そこで、 7月は「インターネットの落とし穴」と題し、情報モラルについて指導を行った。 ① 個人情報の保護について ② 著作権・肖像権について ③ 悪質なサイトについて ④ コンピュータウィルスについて ⑤ ネットワーク上のエチケット(ネチケット)について ⑥ ネットいじめについて まず、インターネットの仕組みについて簡単に説明を行った。その後、 「ドラえもんのまんがでわ かるルールとマナー集」 (小学館)の Web ページを利用しながら学習を進めた。そして特に、イン ターネットは匿名ではないということ、また、掲示板等への書き込みでは名前を隠しても身元が分 かることなどを知らせ、うまく使えば大変便利なものであるが、使い方を間違えると大変危険なも のであるということを伝えた。また、その後は「コピーライトワールド」 (著作権情報センター)の Web ページを利用して、著作権や肖像権についての学習を行った。 インターネットの便利さや楽しさばかりに目が行きがちな児童であるが、今後もインターネット についてしっかりと理解させ、 「自分の身は自分で守る」という姿勢を徹底させたい。 (4) アニメーションを作ろう(9月) 9月には、「EasyToon」(フリーソフト)を使用し、GIF アニメーション作りに取り組んだ。 EasyToon は、1 枚ずつ画像を作成して、それをパラパラ漫画のように動かしてアニメーションを作 るソフトウェアであり、作品を GIF アニメーションとして出力することもできる。 EasyToon の大まかな使い方を説明した後、児童は作品作りを開始した。ペンタブレットを初め て使う児童が多く、最初は四苦八苦していたが、すぐに操作に慣れ、夢中になって作品作りに取り 組んだ。そして児童は、自分たちの描いた絵が動く様子を見て喜んだり、友達とお互いに見せ合い、 笑い合ったりしながら、楽しそうに活動を行った。 また完成後は、それぞれの作品をプロジェクタでスクリーンに投影し、作品発表会を行った。そ して、作成する上で難しかったところや苦労したところ、また、友達の作品のよかったところなど、 お互いに感想を述べ合った。 (5) 表計算ソフトを使おう (10 月) Excel でグラフを作ろう (11 月) 本校は平成 19 年度より統計教育研究指定校となっており、日頃より児童は、さまざま表やグラフ の作成に取り組んでいる。その際、表計算ソフトを上手に利用することができれば作業の効率化に つながると考え、10 月と 11 月の 2 回、 「Excel」を使用してグラフの作成に取り組むことになった。 10 月は、 「表計算ソフトとはどんなソフトか」を説明し、その後、基本的な操作を体験した。児 童は、オートサムやオートフィルなど、Excel の優れた機能に触れ、その便利さに感心していた。 また、11 月は各自が自分の学級などから集めてきたアンケート結果をもとに、Excel で表やグラ フを作成した。児童は、思っていたよりもスムーズにグラフ作りを進め、進んで色やフォントを変 えたり、グラフの種類を変えたりし、楽しみながら作業を行った。また、グラフを作成した後、そ こから分かることなどを発表し合った。 結婚して住みたいのは? アパート 0% 理想の結婚式は? マンション 25% 外国で二人き り 8% 結婚式は開か ない 25% アパート 一軒家 75% マンション 一軒家 外国で二人きり 結婚式は開かない 親戚や家族が いっぱいいて の結婚 67% 親戚や家族がいっ ぱいいての結婚 スキなテレビ番組アンケート 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 歌 組 番 ド マ ラ バ イ ラ テ ィー 組 番 ア メ ニ 組 ク イ 番 ズ 画 係 関 映 動 物 (6) 北灘写真コンテスト(12 月) 12 月は、児童が二人一組となり、デジタルカメラを使って池の魚や木々、校舎など思い思いの場 所を撮影した。そして、その撮影した写真を、電子模造紙ソフト「わいわいレコーダー」 (JR 四国 コミュニケーションウェア)に貼り付け、写真集作りを行った。わいわいレコーダーは、複数のコ ンピュータから、ネットワーク上に作られた電子模造紙を同時に共同編集できるものである。大変 便利なソフトウェアであり、今後もいろいろな活用の方法が考えられる。 (7) 今後の予定 1月のクラブ活動では、デジタルカメラ、「ジャストスマイル」(Just System)、フォトレタッチ ソフト「JTrim」 (フリーソフト)を利用して、カレンダー作りを行う予定である。また2月の「電 子メールを使ってみよう」では、実際に友達同士で電子メールを送り合い、電子メールのよさや電 子メールを送る際に留意する点などを考えさせようと思っている。 4 終わりに 3学期の活動を楽しみに待っている子どもたちであるが、今後も「パソコンクラブに入って楽しか った。」で終わることなく、「パソコンクラブに入ったおかげで・・・ができるようになった。」と言える ようなクラブ活動を目指したい。また、このパソコンクラブでの活動を通して、コンピュータという 便利な道具を十分に使いこなす力を身に付け、学習や生活をより充実させるとともに、情報モラル等 のリーダーとして、各学級で活躍してほしい。