Comments
Description
Transcript
期待値の表を作る
2010.6 χ2 検定の例 テープ剥離剤を変えたら、皮膚のかぶれは減るか? ベンジンを剥離剤に使ったら 33 人中 20 人に皮膚のかぶれが見られた。オリーブ油を使った 40 人 の患者では 16 人にかぶれが見られたが 24 人は無かった。 さて、この結果から、ベンジンよりオリーブ油のほうがかぶれにくいといえるでしょうか。 χ2検定の流れ ①期待値の表を自分でつくる。 ②実測値(調査結果)と期待値の表から、p 値を自動計算 ③p 値が 0.05 より小さいかどうかをみる。 期待値の表を作る χ2 検定では期待値の表が必要です。これは自分で作らなければなりません。 期待値の表とは、「ベンジンでもオリーブ油でも影響が全く同じだった場合は、調 査結果はこうなるであろう」という仮想の表です。かぶれ有りも無しも、オリーブ油とベ ンジンで人数の比率は同じ、という意味です。期待値は期待度数、理論値などともい います。 4 つのセルに入れる期待値は、実測値の小計・合計から下記の計算方法で算出します。 Excel では、実測値のセル番号を使って、 期待値の表のセルに計算式を記入してい きます。 ×は* 、÷は/ を使います。 計算式を入力すると、計算結果の数値が表示されます。 ※小計・合計は必ず実測値と同じ数値になります。 期待値がひとつでも 5 以下の場合 は、誤差が大きくなるためχ2 検定 は使えません。調査対象の人数を ふやす、別の計算方法で p 値を求 める、などの対処が必要です。 p値を求める p値を表示させるセルを決めて、そこに計算式(p値を自動計算する関数)を入力します。 =CHITEST(C3:D4,C9:D10) 実測値のセル範囲 期待値のセル範囲 p値は 0.05 より小さいか p値が 0.05 より小さければ有意の差がある (ベンジンとオリーブ油では結果に差がある) と判断します。 左の表によると、p 値は約 0.08 なので、ベ ンジンとオリーブ油では、効果に差が認めら れない(今回の調査結果のような差は偶然で も起こりうる)、という結論になります。 情報センターでは こんな本も 置いています 統計解析なんかこわくない データ整理から学会発表まで 田久浩志・ 岩本晋著 医学書院 2004 統計処理に使う Excel2007 活用法 相澤祐介著 カットシステム 2007 かんたん Excel 看護研究パソコン活用術 田久浩志・岩本晋著 羊土 社 2004 なるほど統計学とおどろき Excel 統計処理 改訂 6 版 山崎信也著 医 学図書出版 2009