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ねぎべと病なび - 千葉県ホームページ
試験研究成果普及情報 部門 病害虫 対象 普及 課題名:ネギべと病防除支援情報システム「ねぎべと病なび」 [ 要 約 ]「 ね ぎ べ と 病 な び 」 は Microsoft® Excel® 2007、 2010、 2013 上 で 稼 働 し 、 ア メ ダスデータをもとに、秋冬ネギのネギべと病の推定発生確率及びネギべと病の感染しや すい気象条件が出現した日などをチャート化して示す。チャートにより、ネギべと病の 発生予測や薬剤防除の要否及び散布時期が容易に把握できる。 フリーキーワード 実施機関名 病害虫、ネギ、ネギべと病、アメダス、システム 主 査 協力機関 農林総合研究センター・生産環境部・病理昆虫研究室 JA ち ば み ど り 、担 い 手 支 援 課 、千 葉 農 業 事 務 所 、海 匝 農 業 事 務 所 、山 武 農 業 事 務 所 、農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー・生 産 環 境 部・ 生 物 工 学 研 究 室 、農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー・北 総 園 芸 研 究 所 ・ 東野菜研究室 実施期間 2011年度~2013年度 [目的及び背景] 平 成 21 年 12 月 ~ 平 成 22 年 1 月 上 旬 に 九 十 九 里 沿 岸 で ネ ギ べ と 病 が 多 発 生 し 、品 質 ・ 収量が低下し大きな問題となった。ネギべと病の防除は被害が激しくなってからでは難 しく、初期発生をとらえての薬剤防除が効果的である。秋冬ネギのネギべと病の推定発 生確率は8月の日最低気温の平均値から予測でき、感染に好適な気象条件が出現した日 を目安に薬剤防除すると発病を抑制できる。そこで、秋冬ネギのネギべと病の推定発生 確率や薬剤防除の要否及び散布時期の情報を視覚化して示す、ネギべと病防除支援情報 システム「ねぎべと病なび」を開発する。 [成果内容] 1 ネ ギ べ と 病 防 除 支 援 情 報 シ ス テ ム 「 ね ぎ べ と 病 な び 」( 図 1 ) は Microsoft ® Excel ® 2007、 2010、 2013( 以 下 、 Excel) 上 で 稼 働 す る 。 年 次 、 ア メ ダ ス 地 点 を 指 定 し て 、 時 別気温データを取得すると、秋冬ネギのネギべと病の推定発生確率及びネギべと病の 感染しやすい気象条件の出現日などの情報がネギべと病防除支援チャート(以下、チ ャ ー ト ) と し て 表 示 さ れ る ( 図 2 )。 2 ア メ ダ ス デ ー タ の 取 得 は イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 下 、 Excel の web ク エ リ 機 能 に よ り 気 象 デ ー タ 仲 介 ソ フ ト MetBroker(( 独 )農 研 機 構 中 央 農 業 研 究 セ ン タ ー )を 介 し て 自 動 的 かつ即時的に行われる。 3 チャートには8月の日最低気温の平均値に基づく秋冬ネギのネギべと病の推定発生 確 率 が 、 横 棒 グ ラ フ と し て 表 示 さ れ る ( 図 2 )。 4 チ ャ ー ト に は ネ ギ べ と 病 の 感 染 に 好 適 な 気 象 条 件 の 日「 日 平 均 気 温 が 13℃ 以 上 20℃ 以 下 で 、1 日 の 日 照 時 間 が 1 時 間 以 下 か つ 降 水 量 4 mm 以 上 」の う ち 、日 平 均 気 温 が 13℃ 以 上 20℃ 以 下 で 1 日 の 日 照 時 間 が 1 時 間 以 下 の 条 件 の 日 に は 桃 色 の □ 印 が 表 示 さ れ る 。 ま た 、日 平 均 気 温 が 13℃ 以 上 20℃ 以 下 で 1 日 の 降 水 量 が 4 mm 以 上 の 日 に は 赤 色 の ○ 印 が 表 示 さ れ る 。な お 、1 日 の 降 水 量 が 1 mm 以 上 4 mm 未 満 の 日 に は ○ 印 の 代 わ り に 黄 色 の △ 印 が 表 示 さ れ る( 図 2 )。チ ャ ー ト 上 で □ 印 と ○ 印 が 揃 っ た 日 を 感 染 に 好 適 な 気 象 条件の出現日(以下、感染危険日)と判断する。 5 秋 冬 ネ ギ の ネ ギ べ と 病 の 発 生 確 率 が 50% 以 上 の 年 は 、ネ ギ べ と 病 が 発 生 す る 可 能 性 が 高 く 、 薬 剤 防 除 す る 必 要 が あ る 。 推 定 発 生 確 率 が 50%以 上 の 年 で 、 9 月 ま で 感 染 危 険日が2日以上出現した年は、全ての年で発生がみられることから、チャートを参照 し、1 回目の薬剤防除を、9月までに出現した最初の感染危険日を目安として行い。 以降、薬剤の残効期間と感染危険日の出現を考慮して薬剤散布を行う。 6 アメダスデータの取り込み時期を、秋冬ネギのネギべと病発生時期以外の時期、例 えば2月からに設定すると、春から初夏のネギべと病の発生時期における感染危険日 などが判断できる。 [留意事項] 本システムを使用するためには、インターネットに接続する必要がある。 [普及対象地域] 千葉県内のネギ生産地 [行政上の措置] 本 シ ス テ ム は 担 い 手 支 援 課( TEL 043-223-2907)に 利 用 申 請 書 を 提 出 す る こ と に よ り 入手できる。 [普及状況] 海匝農業事務所や山武農業事務所において防除指導に利用されている。 [成果の概要] 図1 図2 ネギ病害防除支援情報システム「ねぎべと病なび」の初期画面 ネギべと病防除支援チャート画面(一部) 注)横棒グラフ:秋冬ネギのネギべと病の推定発生確率 折 れ 線 : 気 温 ( 平 均 、 最 高 、 最 低 、 平 年 値 )、 棒 :( 正 ; 降 雨 量 、 負 ; 日 照 時 間 ) □ 印 : 日 平 均 気 温 が 13℃ 13 以 上 20℃ ℃以下で1日の日照時間が1時間以下の条件の日 ○ 印 : 日 平 均 気 温 が 13℃ 13 以 上 20℃ 以 下 で 1 日 の 降 水 量 が 4 mm 以 上 の 日 △ 印 : 日 平 均 気 温 が 13℃ 13 以 上 20℃ 以 下 で 1 日 の 降 水 量 が 1 mm 以 上 4 mm 未 満 の 日 [発表及び関連文献] 1 平 成 26 年 度 試 験 研 究 成 果 発 表 会 ( 野 菜 部 門 ) 2 横山ら、千葉県秋冬ネギべと病防除支援情報システム「ネギべと病なび」の開発、 関 東 東 山 病 害 虫 研 究 会 報 、 第 61 巻 、 2014 年 ( 印 刷 中 ) 3 緊急技術開発促進事業「ネギべと病防除支援情報システムの構築」研究成果集、平 成 26 年 4 平 成 26 年 度 試 験 研 究 成 果 普 及 情 報 「 秋 冬 ネ ギ の ネ ギ べ と 病 の 発 生 予 測 法 」 5 ( 独 )農 研 機 構 中 央 農 業 研 究 セ ン タ ー 成 果 情 報「 MetBroker か ら 気 象 デ ー タ を 取 得 す る web ア プ リ ケ ー シ ョ ン 」、 2005 年 [その他] 1 平 成 22 年 度 試 験 研 究 要 望 課 題 ( 提 起 機 関 : 山 武 農 業 事 務 所 ) 2 緊 急 技 術 開 発 促 進 事 業 「 ネ ギ べ と 病 防 除 支 援 情 報 シ ス テ ム 」 の 構 築 ( 平 成 23~ 25 年度)