Comments
Description
Transcript
インドの所得格差分析 ~ピケティの理論に基づいて
インドの所得格差分析 ~ピケティの理論に基づいて~ 東京外国語大学 ヒンディー語専攻 宇野ゼミ3年 相馬有梨絵 Agenda 1. 研究目的・付加価値 2. 仮説 3. 「21世紀の資本」概要説明 4. 計算方法・データ 5. 結論 6. 考察 7. 参考文献 Purpose of this research トマ・ピケティによる 「21世紀の資本」の理論が発展途上国にも通じるのか? 理論:r(資本収益率)>g(経済成長率)が広がり、富の格差が拡大 条件:経済成長率、人口増加率共に低迷している先進国が対象 Added-value 経済成長率、人口増加率共に増加しているインドでも この理論が通じるのかを検証。 データ25年分しか手に入らないため、過去26年分を予測値で 補い、合計51年分を検証。 Hypothesis r>gは成立せず、富の格差は広がらない。 Introduction1 国民所得=資本所得+労働所得 労働所得の成長率は経済成長率に比例する。 資本所得の割合が大きくなる=増加率が高くなると、富の格差が 問題となる。富の格差は、人間の労働意欲を失いかねない。 (ex) 国民所得 2014 2015 0% 20% 40% 資本所得 60% 労働所得 80% 100% Introduction2 r(資本収益率)>g(経済成長率) 資本収益率(Return on capital)…資本が生み出す収益率。 先進国は歴史的に見てr=4~5% 経済成長率(Growth rate)…人口増加率+労働生産性上昇率。 先進国は歴史的に見てg=1~1.5% Introduction3 How to calculate? 経済成長率(g)= 人口増加率+労働生産性上昇率(Labor productivity) 資本収益率(r)= 資本所得シェア(α)/資本所得比率(β) 資本所得シェア(α)=GDP-GDPに占める労働所得シェア 資本所得比率(β)=貯蓄率/経済成長率 Data ・World Development Indicators ・US Census Bureau-International Data Base ・Maddison Historical Statistics(Maddison,2010) ・Total Economy Database ・Eurostat-Database Conclusion r>gはほぼ成立している。富の格差は広がらないことが予測される。 Discussion 人口増加率、経済成長率共に上昇しているインドにおいて なぜr>gが成立しているのか? →人口増加率と言っても減少する先進国と大きな差はなかった。 →経済成長率の要となっているのは、労働生産性上昇率。 しかしこれには限界があるため、結局は先進国と同じ道を行く可能 性がある。つまり、富の格差の拡大。 Graphs-Growth rate- Future Issues 富の格差を係数でみる。 条件が異なる他の国々での検証。 ピケティ並み(約200年分)のデータ収集。 References • • • • • • • • • • World Development Indicators 2015 http://data.worldbank.org/news/release-of-world-development-indicators2015 US Census Bureau-International Data Base https://www.census.gov/population/international/data/idb/informationGat eway.php Total Economy Database https://www.conference-board.org/data/economydatabase/ Maddison Historical Statistics(Maddison,2010) http://www.ggdc.net/maddison/maddison-project/home.htm Eurostat-Database http://ec.europa.eu/eurostat/help/new-eurostat-website