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軍縮・不拡散教育 国連研究と実施状況
軍縮・不拡散教育 国連研究と実施状況 土岐雅子 モントレー国際大学院不拡散研究所 James Martin Center for Nonproliferation Studies (CNS) アウトライン z z z z z z z 軍縮・不拡散教育の必要性 国連における軍縮・不拡散教育推進の努力と経緯 2002年国連総会採択の「軍縮および、不拡散教 育に関する、国連事務総長の報告書」 軍縮・不拡散教育の実施状況と課題 核兵器不拡散条約(NPT)に関連した、軍縮・不拡 散教育 当研究所(CNS) における軍縮・不拡散教育の実施 の紹介 今後の課題と展望 なぜ軍縮教育は必要か? z 冷戦後15年以上たつ今も核兵器を中心とし た国際安全保障の環境 – 全世界に20,000発以上の核弾頭 z z 大量破壊兵器の拡散など、国際平和・安全 保障の問題の山積 危機に直面する核兵器不拡散(NPT)体制 なぜ軍縮教育は必要か? z z “教育とは平和構築のための異名 ” “教育は防衛費の最も効果的な使い道 ” -- 前国連事務総長コフィ・アナン z z ‘冷戦後における軍縮問題に関する“無関 UN Photo 心”、“自己満足、油断”が最大の敵’ “教育は、軍縮・平和推進のために最も重要 であるにもかかわらず、ほとんど活用されて いない。” --ウィリアム・ポッター博士(CNS所長) 国連における軍縮・不拡散教育 推進の歴史と経緯 z z z z 1978年第1回国連軍縮特別総会に おいて軍縮教育の緊急性を宣言 1980年ユネスコ軍縮教育世界会議 最終文書の採択 1982年国連総会決議を受け、国連 世界軍縮キャンペーン開催 1992年国連軍縮情報プログラムが 世界軍縮キャンペーを引き継ぐ。ただ し予算軽減 UN Photo 国連における軍縮不拡散教育推進 の歴史と経緯(続き) z z z z 2000年に軍縮不拡散教育が新たに注目され始 めた理由 2000年11月国連総会:2002年の国連総会で 国連事務総長が、軍縮不拡散教育についての 報告書を発表することが決定 2002年4月:NPTの会議で初めて軍縮不拡散 教育について討議 2002年国連総会で、2年間にわたる研究の成 果として軍縮・不拡散教育に関する国連事務総 長の報告書が採択 2002年の国連事務総長の報告書 z 政府専門家グループ(2000年に結成)に よる研究 – 構成国:エジプト・ハンガリー・インド・日本・メ キシコ・ニュージーランド・ペルー・ポーランド・ スウェーデン・セネガル – 国際機関、各国政府、NGO, 教育機関などと 協力し、調査研究 – 2000年から2年間、4度の研究会 2002年の国連事務総長の報告書 http://disarmament.un.org/education-new/unefforts.html z z z z 34項目の具体的提案事項 軍縮問題について、“何を考えるか”よりも “どのように考えるか”を強調 情報を受け取る側の市民の“批判的能力” を伸ばす。“Critical Thinking Skills” 不拡散教育と軍縮教育の相互関係 2002年の国連事務総長の報告書(続き) z 具体的提案事項の例 – 伝統的教育方法と革新的な教授法との統合 – インターンシップなど教室での授業以外の教育・訓練 – 軍縮教育を受ける対象者 – 「教育者の教育」。“Train the Trainers” – 参加型方式の授業、ロールプレイ、シミュレーション – オンラインの教育資料の充実 – 大学レベル以外に、高校生レベルの軍縮教育も推進 軍縮不拡散教育報告書の実施状況 z 進展した分野の例 – オンライン教育資料の充実(NGO,国連軍縮局、 教育機関、政府) – NPT関連の会議で、軍縮不拡散教育の議論、 賛同 • 2002年以降、軍縮不拡散教育の重要性は、毎回 賛同を得て、文書に盛り込まれるようになる。 – (限られた)政府によるイニシアチブ 軍縮・不拡散教育報告書の実施状況 z 課題 – 関心が一部の国に限定 – 2年ごとの報告書の提出国も限られている。 • 2004年:6ヶ国、2006年:7ヶ国 – NPTで基本的には賛同を得るが、具体的な措 置の不足 核不拡散条約(NPT)強化のための 軍縮・不拡散教育 z 不拡散教育は、軍縮 (兵器の削減と全廃)のた めの教育の重要な一部(2002年報告書) z 軍縮・不拡散は相互に関連しあって実施される べきもの 核兵器国、非核兵器国共に、NPTの各条項(不 拡散、軍縮、平和利用)を遵守し、NPT体制の強 化のために、軍縮、不拡散教育、訓練を活用 z CNSでの軍縮・不拡散教育の例 z Mission Statement (CNSの使命、目標) “次世代の不拡散専門家を訓練、教育し、タ イムリーな情報と分析を提供することによ り、大量破壊兵器の拡散と戦う。” CNSでの軍縮・不拡散教育の例 z 大量破壊兵器不拡散資格の授与 http://cns.miis.edu/cns/edu/index.htm 各国、特に、旧ソ連、中国から、物理学者、化学者、外交 官などを招聘、軍縮不拡散の講義を提供。 z 高校生、高校教員対象に軍縮不拡散教育プログラムを 提供 (Critical Issues Forum) http://www.criticalissuesforum.org/ z 数々のオンラインチュートリアルの開発 http://www.nti.org/h_learnmore/h3_tutorial.html z 軍縮・不拡散関連のインターンシップ などなど z オンラインチュートリアル http://www.nti.org/h_learnmore/h3_tutorial.html クリティカル・イシューズ・フォーラム(CIF) 核兵器の脅威についての研究発表をする高校生 核兵器不拡散条約の会議のシミュレーションをするロシアとアメリカ の高校生 国連機関でのインターンシップ IAEA インターンとエルバラダイ事務局長 国連軍縮局インターンと俳優マイケル・ダグラス(国連 平和大使) 今後の課題と展望 z z z z 軍縮・不拡散の推進のために教育は必須 更なる財源、人材が必要 各国政府の具体的な取り組みに期待 政府、国際機関、NGO、教育機関の更な る連携が必要 Thank you for your attention! Questions & Comments Masako Toki [email protected]