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JIS T 8127 高視認性安全服 規格制定から 1 年が

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JIS T 8127 高視認性安全服 規格制定から 1 年が
2016.10.30
ニ ッ セ ン ケ ン 分 室 「 思 い つ き ラ ボ 」 No.75
JIS T 8127 高視認性安全服
規格制定から 1 年が・・・
2015 年 10 月 26 日 に JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 の規 格 制 定 から 1 年 を経 過 しました。オリン
ピックがあったことも重 なってスポーツウェアで蛍 光 生 地 を使 った商 品 が多 く見 られるようになったり 反 射
材 を取 り入 れた交 通 事 故 対 策 品 を目 にすることも増 えてきましたが 高 視 認 性 安 全 服 としては 対 象 が
もともと道 路 作 業 従 事 者 や鉄 道 保 全 管 理 者 の安 全 から始 まった規 格 なので
街 で見 かける高 齢 者 や
幼 稚 園 児 や小 学 生 の子 ども達 にまではなかなか広 まってはきていません。ということで規 格 発 行 から現 状
の動 きをまとめておきたいと思 います。
規 格 発 行 か ら 現 状 まで
まず この 1 年 の間 に筆 者 が耳 にした問 題 点 や要 望 について列 挙 すると
● 色 数 が 少 ない た め 配 色 展 開 がしに く い
● 再 帰 性 反 射 材 の 巾 が 5 0 mm で は太 すぎてデ ザイ ンしに く い
● 再 帰 性 反 射 材 を胴 部 で 1 周 とい うデザイ ンが 好 まれ ない
● 使 用 面 積 規 定 があ る の で 女 性 用 などの 小 さい サイ ズが対 応 で き ない
● 夏 場 の 暑 熱 対 策 に メッ シ ュ素 材 は必 要 で あ る
● 子 ども 用 の 高 視 認 性 安 全 服 の 規 格 がほ しい
● 欧 州 規 格 E N 1 1 5 0 高 視 認 性 安 全 作 業 服 - 一 般 向 け 規 格 を JIS 化 して ほしい
などが挙 げられます。と言 われても JIS T 8127 の規 格 が分 からないとなにが問 題 なのか理 解 しにくいと
思 いますので JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 規 格 の特 徴 的 な項 目 をおさらいしておきたいと思 います。
一 般 的 な衣 料 品 とどこが違 うのかといいますと大 きな相 違 点 は 次 の3つが挙 げられます。
JIS T 8 1 2 7 高 視 認 性 安 全 服 規 格 の 大 き な特 徴
・ 蛍 光 生 地 を 使 用 し なけれ ばなら ない
・ 再 帰 性 反 射 材 を 取 り 付 けなけれ ばなら ない
・ 蛍 光 生 地 と 再 帰 性 反 射 材 の 使 用 最 小 面 積 が定 め ら れ てい る
蛍 光 生 地 については 蛍 光 イエロー 蛍 光 オレンジレッド 蛍 光 レッドの
3 色 のみが対 象 色 になっています。蛍 光 グリーンや蛍 光 ピンクなどもよ
く目 立 つので「なぜ 3 色 なのか?」という質 問 も多 くあります。この規 定
は作 業 者 がいることを車 両 運 転 者 に注 意 喚 起 することを目 的 にしてい
るので注 意 を意 味 する“イエロー”と禁 止 を意 味 する“レッド”とその間 の
色 である“オレンジレッド”のみ規 定 されています。ちなみに国 際 ルール
として“グリーン”は安 全 を“ブルー”は案 内 を意 味 します。蛍 光 グリーン
蛍 光 オレ ン ジ レ ッ ド の ベ ス ト
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 〒111-0051 東京都台東区蔵前 2-16-11 (本部) TEL: 03-3861-2341 FAX: 03-3861-4280 WEB: www.nissenken.or.jp
2016.10.30
や蛍 光 ピンクの視 認 性 が悪 いということではなく色 の持 つ意 味 合 いからの規 定 になっています。制 定 後 測
色 試 験 も数 多 く扱 いましたが結 果 として蛍 光 レッドに関 しては数 点 しか基 準 を満 たすものがありません。
実 質 的 には高 視 認 性 安 全 服 の色 は“蛍 光 イエロー”と“蛍 光 オレンジレッド”の 2 色 でほとんど作 られてい
ます。
再 帰 性 反 射 材 については初 期 基 準 を満 たすものは多 くありますが 耐 久 試 験 で劣 化 が見 られるものも多
くあります。再 帰 性 反 射 材 にはいくつかのタイプがありまして 大 きくは“ガラスビーズタイプ”と“プリズムタイ
プ”に分 けられます。ガラスビーズタイプは球 体 のガラスを利 用 したもの なのですが このガラスビーズをそ
のままむき出 しにしたものを“オープンタイプ”とよびガラスビーズの保 護 のために表 面 にフィルムで覆 ったも
のを“クローズタイプ”と呼 びます。オープンタイプの方 が遮 るものがないので反 射 性 能 の高 いものがつくれ
ますが 表 面 の保 護 がないので耐 久 性 には難 点 があります。一 方
クローズタイプは表 面 を覆 った分 反 射
性 能 は落 ちますが 耐 久 性 には優 れています。メーカーの考 え方 でもどちらを使 うか異 なりますが反 射 性
能 を優 先 すれば オープンタイプ で製 品 の耐 久 性 を優 先 するのであれば クローズタイプ ということにな
ります。多 面 体 を利 用 している“プリズムタイプ”もクローズタイプになります。
そして蛍 光 生 地 と再 帰 性 反 射 材 の使 用 面 積 なのですが 当 然 のことながら
商 品 によってすべてデザインが異 なります。デザイナーの方 たちも生 地 の面
積 を気 にしながらデザイン画 を起 こすわけではないので当 初 は不 合 格 になる
ものも多 くありました。面 積 は足 りていても再 帰 性 反 射 材 の取 り付 け位 置 だ
ったりライン間 隔 が守 られていなかったり デザインごとに検 討 する必 要 があ
るものが多 くあります。デザインに関 していえば最 小 面 積 規 定 があるために
小 さいサイズが作 りにくいという声 が多 くあります。もとの規 格 がヨーロッパで
作 成 されたこともあって 日 本 人 のサイズでは女 性 用 の小 さいサイズを定 番
に加 えることが難 しいのが実 状 です。
普 及 に む けた 取 り 組 み
というような特 徴 的 な規 定 があるので 1 年 という時 間 が経 過 してみていろいろと最 初 に記 載 したような
問 題 点 や要 望 が分 かってきたのです。これらの要 望 に対 応 していければクラス付 けはできないものの高 視
認 性 安 全 服 の普 及 もさ ら に進 められるよ う に思 って います 。実 際 に JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 の原
案 作 成 委 員 会 の関 係 でも「一 般 利 用 者 向 け高 視 認 性 安 全 服 」の規 格 化 ができないかと検 討 がはじまっ
ています。ヨーロッパ規 格 に“ EN 1150 高 視 認 性 安 全 服 - 一 般 向 け”という規 格 があるのですがこちら
は ISO 化 の動 きがないので国 内 で検 討 しようということになっています。もちろん色 数 や子 どもサイズなど
要 望 に対 応 できるもので メッシュ素 材 の使 用 についても検 討 の対 象 にしたいと思 っております。
そのほかにも (一 財 )日 本 交 通 安 全 教 育 普 及 協 会 が JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 を参 考 にして「児
童 向 け高 視 認 性 安 全 服 」と「 自 転 車 通 学 者 向 け高 視 認 性 安 全 服 」という独 自 の団 体 規 格 を制 定 する
動 きになっています。こちらの規 格 では児 童 や学 生 向 けですので 子 どもに対 応 できるサイズや蛍 光 色 も
8 色 にして夏 用 のメッシュ生 地 についても規 定 してあります。作 業 者 だけではなく子 ども達 や高 齢 者 やスポ
ーツウェアなどにも高 視 認 性 安 全 服 が普 及 することで作 業 事 故 や交 通 事 故 を減 らすことに繋 がるものと
考 えています。防 災 ・安 全 評 価 グループとしては商 品 検 査 だけでなく普 及 活 動 にも積 極 的 に取 り組 んで
いきたいと思 っております。
原 稿 担 当 :竹 中
直 (チョク)
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