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メキシコ レポート Ⅳ
2012年6月22日 情報提供資料 メキシコ レポート Ⅳ <財政・通貨の安定への取組み> 1980年代に公的セクターの累積債務問題から経 済が混乱した反省を踏まえ、メキシコでは中長期 の財政均衡を義務付けることで財政規律の維持 に努めています。リーマン・ショック後には財政赤 字の規模が大きくなったものの、政府総債務の対 GDP比率は40%程度で安定しています。欧州だ けでなく、日米などの先進国が軒並み財政問題を 抱える中、メキシコが堅実な財政運営を行なって いる点は特筆すべき点だと思われます。 通貨政策を見てみます。メキシコでは1994年に通 貨危機(テキーラ・ショック)が起こり、ペソは大暴 落に見舞われました。近年のメキシコは外貨準備 の積み増しを進め、為替相場の急激な変動時に 通貨の安定に努める姿勢を示しています。1 1 2011年11月、メキシコ中央銀行は1日のペソの下落率が2%を超えた場 <政府総債務の対GDP比率> (%) 120 先進国 80 60 40 20 0 2001年 2003年 2005年 2007年 2009年 <増加する外貨準備高> (億ドル) 2,000 <外交・・・存在感が高まるメキシコ> 1,000 (2001年~2011年) メキシコ外貨準備高 500 0 2001年 ※年末値 2003年 2005年 2007年 2009年 2011年 出所:Bloomberg ミニコラム:世界一の大金持ち 米誌「フォーブス」が2012年3月に発表した2012 年の世界長者番付で、メキシコ人実業家のカル ロス・スリム氏が3年連続の1位となりました。メキ シコの通信サービス会社を所有するスリム氏の 純資産は約5兆6000億円にものぼります。 (メキシコレポートは今回で終了します。) ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものでは ありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成してお りますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記 載されている今後の見通し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告 なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグ ラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではあり ません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証する ものではありません。 2011年 ※メキシコの2011年の数値はIMF予想。先進国の数値はIMFが 選定した34か国の総計値(先進国にメキシコは含まれない) 出所:IMF 1,500 堅実な成長が見込まれる経済、安定した財政、国 際社会での地位の高まりなどを背景に、今後、メ キシコがラテンアメリカ、ひいては世界において飛 躍することが期待されます。 メキシコ 100 合に、最大4億ドルの米ドル売りを実施するという通貨防衛策を導入しまし た。2012年5月23日にはこの手段を用い、ペソ安阻止のドル売り介入が行 なわれました。 今年の6月18日から19日まで行なわれたG20(主 要20か国・地域)首脳会議では、議長国をメキシコ が務めました。欧州債務問題が主題となった今回 のG20で、健全な財政を維持するメキシコは議長 として適任だったと言えるかもしれません。1993年 からはAPEC(アジア太平洋経済協力)に参加、 1994年にはOECD(経済協力開発機構)に加盟し ており、国際社会でメキシコの存在感は除々に高 まっています。 (2001年~2011年) 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 社団法人投資信託協会、社団法人日本証券投資顧問業協会