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2016 年 9 月 4 日
WEC第 5 戦メキシコ 6 時間 決勝
TOYOTA GAZOO Racing 初めてのメキシコで表彰台獲得
TOYOTA GAZOO Racing はメキシコで行われた WEC 第 5 戦メキシコ 6 時間レースで表彰台に返り咲いた。
TS050 HYBRID #5 号車:
(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ)
決勝:リタイア、62 周、ピットストップ 2 回、
スターティンググリッド:5 番手、
最速ラップ:1 分 26 秒 767
TS050 HYBRID #6 号車:
(小林可夢偉、ステファン・サラザン、
マイク・コンウェイ)
決勝:3 位、230 周、ピットストップ 7 回、
スターティンググリッド:6 番手、
最速ラップ:1 分 26 秒 567
2 台のトヨタ TS050 HYBRID で挑んだメキシコのレース。中でも#6 号車は厳しい週末のスタートだった。木
曜日の午前中に行われたテスト走行中に事故に遭ったせいでその後に行われた 2 度の練習走行に出走できず、レー
スに向けてのロングランテストを行うことができなかった。しかし、苦境を乗り越え、#6 号車は見事に 3 位表彰
台を獲得した。この結果、#6 号車の 3 人のドライバー、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ、小林可夢
偉は 2016 年シーズンのドライバーズ選手権で 2 位に浮上した。
1
しかし、メキシコのレースは TOYOTA GAZOO
Racing にとって決して簡単なものではなかった。レ
ースを完走できた TS050 HYBRID は#6 号車だけで、
#5 号車はパワートレーンのトラブルでリタイアを
余儀なくされた。
レースの開催されたアウトドローモ・エルマノ
ス・ロドリゲスは、1 周が 4.304km で、WEC の行
われるサーキットでは 1 周が最も短い。ゆえに LMP1
車両にとればトラフィックが大きな問題になり、今
日のレースでも接触があるなど通常とは異なるハプ
ニングが発生した。
レースが 90 分を過ぎた頃、コンウェイのドライブする#6 号車が LMP2 クラスの車両と接触、そのためドライ
ブスルーのペナルティが科せられた。車両にダメージはなかったものの、ペナルティ消化で 20 秒のタイムを失う
ことになった。
#6 号車がペナルティを受けた数分後、#5 号車はさらに大きな不運に見舞われた。中嶋一貴がドライブ中、パ
ワートレーンの電気系に問題が生じ、修理のためにピット・ガレージへ持ち込まれたのだ。そこでは懸命の修復が
試みられたが、時間内の完了は困難と判断され、リタイアの判断が下された。
レースが半分を過ぎた頃、予想通りに雨が降り始
めた。#6 号車のサラザンはすぐさまピットに向かい
ウエットタイヤに交換した。その後の順位の変更は
目まぐるしく、#6 号車はインターミディエイトタイ
ヤを装着したアウディ R18#7 号車に抜かれるまで 3
位を走っていたが、その後はポルシェ#2 号車を 2 度
にわたって抜く速さを見せた。
ゴール前のピットストップを控え、インターミデ
ィエイトタイヤを装着した#6 号車がアウディ#7 号
車をかわして 2 位に上がった。しかし、最後のスト
ップで 3 位に後退、そのままの順位でゴールを迎え
た。#6 号車にとっては今季 3 度目の表彰台だった。サラザンは後半の 3 スティントを 1 人でこなし、ゴールした
ときには 2 位に僅か 8 秒 267 遅れていただけだった。
メキシコのレースを終えた WEC はアメリカ・テキサスのオースティンに移動し、2 週間後に COTA(Circuit Of
The Americas)で開催される第 6 戦 COTA6 時間レースで覇を競う。
2
佐藤俊男
チーム代表:
今年から初めての開催となった WEC メキシコ戦は、トヨタチームにとっては厳しいスタートの週末でしたが、決
してあきらめることなく準備を行い、価値のある結果を得ることが出来ました。#5 号車に関しては残念なことに
なってしまいましたが、#6 号車と同様に速さを持っていたと確信しています。スタッフ全員がハイ・ダウンフォ
ースサーキット用パッケージの性能向上に全力を尽くし、見事な働きをしてくれました。また、メキシコのファン
の皆様と今回、素晴らしいご支援を頂いたトヨタメキシコの関係者の皆様の前で、力強い走りをしっかりお見せ出
来たことはとても嬉しく思います。次戦に向けても引き続き性能向上を続け、WEC 米国戦でトップ争いを繰り広
げることを目指したいと思います。
中嶋一貴:
我々にとっては厳しい一日となってしまいましたが、#6 号車が表彰台を獲得出来たのは良かったですし、競争力
の高さを確認できたのも嬉しいです。観戦していても楽しいレースでしたが、それだけに最後まで戦いたかったで
す。序盤良いペースでレースが戦えていただけに、完走出来なかったのは残念です。
セバスチャン・ブエミ:
#6 号車の表彰台獲得とドライバーズランキング 2 位という素晴らしい結果を祝福します。我々は最初のスティン
トで速さを見せられただけに残念な結果となってしまいました。トラブルに見舞われるまではアウディやポルシェ
との接近戦を繰り広げ、良いペースでレースを戦うことが出来ました。チームにとっては表彰台獲得という良い結
果となりましたが、我々の気持ちは既に次戦オースティンに向かっています。
小林可夢偉:
予想外の結果です。我々にとってはタフなレースウィークでしたが、表彰台獲得という、チームにとって良い結果
で終えることが出来ました。メカニックにとっては大変な週末でしたが、それに報いることが出来たと思います。
表彰台で皆の喜ぶ姿を見ることが出来て嬉しいです。予選の後、ポルシェを抜いて 2 位を争えるとは誰も予想して
いなかったと思いますが、それだけにこの結果には満足しています。
ステファン・サラザン:
木曜日に私がクラッシュしたことで厳しいレースウィークのスタートになってしまいましたが、メカニックが夜を
徹した素晴らしい仕事で TS050 HYBRID を修復してくれました。序盤はアクシデントもありましたが、我々は全
力を尽くして戦い、良い結果に終わることが出来ました。メカニックのことを考えながら走り、それが後押しして
くれたことで更に力強くレースを戦えました。TS050 HYBRID は好調で、マイクと可夢偉、そしてメカニックと
共に素晴らしいチームで戦うことが出来ました。表彰台獲得とランキング 2 位というのは驚くべき結果です。
マイク・コンウェイ:
表彰台獲得は素晴らしい結果です。序盤はやや問題もありましたが、私のスティントは、ドライブスルーペナルテ
ィーを受けるまでは順調でした。その後のペースも良く、2 つのスティントを 1 セットのタイヤで走れたことも有
利に働きました。後半、雨に見舞われた後、路面が乾いていくという難しいコンディションの中で、ステファンが
素晴らしい走りを見せてくれました。2 位獲得も可能だと思わせる走りでしたが、雨が降るのが少し遅かったよう
です。フィニッシュ出来たのはメカニックの努力のおかげであり、チーム全体で獲得出来た表彰台です。
3
第 5 戦 メキシコ 6 時間 決勝結果
順位
No.
1
1
ドライバー名
チーム/車種
ティモ・ベルンハルト
ポルシェ・チーム/
マーク・ウェバー
ポルシェ 919 ハイブリッド
周回
ベストタイム
230
1:25.880
230
1:26.083
230
1:26.567
230
1:26.531
167
1:25.954
62
1:26.767
ブレンダン・ハートレー
2
3
7
6
マルセル・ファスラー
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/
アンドレ・ロッテラー
アウディ R18
小林可夢偉
TOYOTA GAZOO Racing/
ステファン・サラザン
トヨタ TS050 HYBRID
マイク・コンウェイ
4
2
ロマン・デュマ
ポルシェ・チーム/
ニール・ジャニ
ポルシェ 919 ハイブリッド
マルク・リーブ
27
8
ルーカス・ディ・グラッシ
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/
ロイック・デュバル
アウディ R18
オリバー・ジャービス
5
中嶋一貴
TOYOTA GAZOO Racing/
セバスチャン・ブエミ
トヨタ TS050 HYBRID
以上
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