Comments
Description
Transcript
資料2-1-1・・・・工業所有権情報・研修館の取組み実績
資料 2−1−1 工業所有権情報・研修館の取り組み実績 平成17年3月 独立行政法人工業所有権情報・研修館 理事長 清水 勇 第2段階に入った情報・研修館の業務 ● 13年春の設立時には、特許庁の内部部局 だった「工業所有権総合情報館」が、そのまま 独立行政法人に移行した。 ● 昨年春の法改正で対象事業を追加。 10月に「工業所有権情報・研修館」に改称。 既に業務展開は第2段階に踏み込んでいる。 〈平成13年4月 設立時〉 〈平成16年10月 事業追加〉 ●公報閲覧事業 ●情報普及事業 ・東京ほか全国主要8都市に展開 ・5300万件の特許情報をインターネットで検索 ●審査・審判資料の提供事業 ●研修事業 ・内外の図書、技術文献を収集、提供 ・審査官など特許庁職員向け研修を実施 ●特許流通促進事業 ●人材育成事業 ・約160名のアドバイザーが特許の活用を支援 ●相談事業 ・電話、窓口、出張等で工業所有権に関するあら ゆる相談に対応 ・サーチャーなど民間の知財人材を育成 〈平成18年度 事業追加予定〉 ●情報システム事業 ・特許庁情報システムの整備及び運営 1 特許審査促進のための情報・研修館の役割 ●昨年の法改正で、情報・研修館には、特許庁をサポートして特許審査促進の 一翼を担う重要な役割が与えられた。 [特許庁の取り組み] [情報・研修館の貢献] ●任期付き審査官を毎年100名 採用。早期養成(4年→2年) により審査体制を強化 ●多数の任期付き審査官に対し、 2年で1人前となれる質の高い 研修を提供 ●登録調査機関制度によって、 先行技術調査の外注先を 多様化 ●登録調査機関のサーチャーの 技術水準を維持するため、 1月半にも及ぶ法定研修を実施 ●重複出願を排除するため、 出願者に対して、十分な 先行技術調査の実施を要請 ●平成11年3月に運用開始した 特許電子図書館(IPDL)を通じて、 基盤的な先行技術検索ツールを 無償提供 インターネットで身近にアクセス できる検索環境を実現 2 知財立国に向け情報・研修館に求められている役割 − ツール(情報)と使い手(人材)を同時に創出 − 情報・研修館 特許電子図書館の提供 公報等の閲覧サービス 審査・審判資料の提供 特許庁 特許情報システムから 生み出す各種情報 ・内外公報データベース運営 ・和文抄録、英文抄録の作成 ・整理標準化データ作成 IP・eラーニング 審査・審判資料の提供 審査官等の研修 相談事業 サーチャー、知財人材の育成 先行技術検索システムの提供 工業所有権に関する 人材ネットワーク ・研修講師陣、相談員、指導員 ・特許流通アドバイザー ・特許情報活用支援アドバイザー IP・eラーニング 相談のワンストップ化 外国特許庁への情報提供 特許流通促進事業 対国民、対企業サービス 対大学・研究機関サービス ●特許情報システムの運営を担当し、 情報提供、人材育成の両面から 幅広く知財立国への取り組みに 貢献していく(18年度から)。 世界最高レベルの迅速・的確 な特許審査実現のための支援 3 運営に当たって常に心がけてきたこと 1.独立行政法人の持つ機動性、柔軟性を活用して、 特許庁時代よりも、サービス、効率性を向上させる。 2.情報・研修館の事業は、情報提供、人材育成の両面から 特許制度活用を促す環境を整備するものであり、 利益を求めることなく普遍的なサービスを提供する。 3.円滑な業務実施のために即戦力を確保することとし、 制度を熟知した特許庁出向者を核として運営する。 研修講師、各事業補助者など外部人材がふさわしい場合には、組織 の機動性、柔軟性を維持しつつ、積極的に導入していく。 4 事業実施に当たって常に心がけてきたこと ○情報・研修館は、全く性質の異なる2つの業務を抱えている。 ○両者の性質を踏まえながら、それぞれに適した取り組みを行い、 サービスと効率性の向上を実現する。 ○特許庁が 自ら実施していた業務 閲覧事業 相談事業 研修事業 ○特許庁が 委託等で外注していた業務 特許流通事業 情報普及事業 (IPDL、英抄・和抄など) ●職員がやるべき仕事 ●専門家の協力が必要な仕事 ●誰にでもできる仕事 仕事の内容に応じて外部人材を積極的に 活用し、適材適所でサービス向上を実現。 ●成果物の品質、コストの妥当性 ●コスト削減に向けた工夫 ●ニーズを踏まえた改善への取り組み 主体的かつキメ細かな業務管理を実施し、 国費の最大効用を実現。 5 これまでの取り組み① −人材の有効活用− ●嘱託、派遣といった外部人材を積極活用 ○組織を柔軟に変更 ○閲覧、資料、相談に 外部人材を積極活用 ・分類指導員 ・閲覧指導員 ・相談調査員 ・受付には派遣職員 ○正職員が多い総務も 仕事の内容を見て 外部人材を活用 ○リストラで生み出した 7名の正職員は 新規業務に積極参加 7名(設立前) 適材適所の実現 ・閲覧部と資料部を統合 20名(現在) ●正職員はスリム化して、新規業務に参画 56名(現在) 63名(設立前) 7名(新規業務) −事業別職員数の推移(当初業務)− 設立前 現在 (平成12年4月) (平成16年10月) 役員 総務 閲覧・資料 相談 流通 1 7 35 9 11 (0) (0) (7) (0) (0) 2 (0) 18 (2) 16 (16) 11 (2) 9 (0) 計 63 (7) 56 (20) 増減 +1 +11 −19 +2 −2 (0) (+2) (+9) (+2) (0) −7 (+13) ※( )は嘱託または派遣職員で外数 6 これまでの取り組み② −サービスの向上− [公報等閲覧業務] [相談業務] ① 閉館時刻の延長 ① 相談要員の増強 午後5時(特許庁時代) → 5時45分まで延長 ② プリペイドカードの導入 コピー代金の支払いに活用 → 13年度から 東京 → 14年度から 大阪 ③ 外部保管公報の閲覧迅速化 申込みから提供までの期間を 7日以内 → 1日に短縮 増大する相談に対応するため、 非常勤2名(庁OB)を含めて、 担当者を大幅に増強 8名(設立時) → 13名(現在) ② 回答待ち期間の短縮 内部決裁を簡素化。 メールや手紙相談に対し、 回答待ち期間を大幅に短縮 3日以内 → 翌日には処理 7 これまでの取り組み③ −事業の活性化− [特許流通促進事業] ① 平成15年度から「検索指導アドバイザー」を、特許情報の活用全般を 支援する「特許情報活用支援アドバイザー」に順次切り替え。 17年度には全面的に移行。 ② 「特許流通アドバイザー」の俸給制度を、前期実績にもとづく年俸制から 当該年度の実績を反映する「固定給+実績給」に変更。歩合部分を高め て活動を活性化(14年度から順次。活用支援アドバイザーも同様)。 平成13年度 俸給単価 成約件数 1,180 万円/人 9.0件/人 平成15年度 1,050万円/人 12.5件/人 増減 130万円/人の減 3.5件/人の増 ③ 知財振興に積極的に取り組む団体(=活動費を提供してくれる団体)に アドバイザー派遣を絞ることにより、事業費の効率化を推進。 4.5億円分の活動費を効率化 (平成15年度) 8 これまでの取り組み④ −新規業務(研修)− [任期付き審査官研修] ●従来の研修に加えて、毎年100名 採用される任期付き審査官向けの 研修を実施 ●従来の半分の期間(2年)で審査官 となるために、密度の高い集中的 な研修を用意 ●具体的な研修内容は、特許庁と 十分に打ち合わせ ●機動的な講師のアレンジ、外部 借室手配により、問題なく終了 [派遣職員の導入] ●研修旅費計算事務のために、総務 部及び研修部に計4名採用 ●特許庁各部の庶務担当係員の 負担を大幅に軽減 [英語研修の充実] ●特許出願の国際化、特許制度の 国際調和に対応できる人材つくり のために、英語研修を充実 ●17年度から新たな英語研修 コースを立ち上げる予定 9 これまでの取り組み⑤ −新規業務(人材育成)− [サーチャーに対する法定研修の実施] ●1月半に及ぶ研修 ●第1回は56名 ・平成17年1月∼2月実施 ・受講者の84%が終了認定 ●第2回の研修も開始 ・受講者は100名強 ●テクノサーチ(株)と(社)化学情報協会の 2調査機関が、3月11日に初めて特許庁 に登録された。 今後、特許庁での外注先選定会議を経て、 検索外注の受け皿となっていく。 外注先の多様化は、順調にスタート。 [IP・eラーニングの開始] ●次の3コンテンツを作成 ・「産業財産権を巡る我が国の 現状と今後」 ・「特許審査実務の概要」 ・「先行技術調査の進め方」 ●5月末まで評価を実施 ●特許庁職員の評価を今後に反映。 17年度は、10コンテンツを作成する予定。 ●成果物は、特許庁職員のみならず、 インターネット経由で一般にも公開して、 知財人材の育成に活用してもらう予定。 10 主要事業の実績推移① −相談、閲覧− ※平成16年度は2月末の実績 相談件数の推移 公報閲覧室利用者数の推移 150000 50000 40000 その他 34157 30000 27578 39519 FAX、手紙 メール 100000 電話 29440 20000 窓口 50000 17292 79019 10000 0 11260 11848 13769 H13 H14 H15 総件数 41,040 43,479 50,744 12681 H16 55,094 電話相談の増加が著しく、相談員増員に加え、 新たな対応策を検討していく必要がある。 0 H13 総人数 108,386 17558 15844 11843 67134 57524 H14 H15 H16 96,621 85,008 65,847 その他 大阪 東京 44046 東京、大阪の利用者は毎年減少。その他地方は 下げ止まってきたが、増加に転じる勢いはない。 11 主要事業の実績推移② −特許流通①− 特許流通アドバイザー成約件数の推移 特許流通促進事業による経済効果 − 成約件数は毎年急速に増加しており、平成16年2月末まで に累計で5,300件を突破 − −経済的効果は急増し、平成15年12月末までに約1,202億円− (平成15年度までの投入事業費は約173億円) 1379 1400 1223 1400 1200 1200 成約件数 経 済 的 イ ンパ クト( 億 円 ) 890 1000 800 409 600 400 6 200 0 1202 43 130 1000 800 H10 H11 200 H12 年度 H13 H14 H15 258 400 0 H9 462 600 15 H9 H11 142 H9 H12 H9 H13 H9 H14 H9 H15 暦年 12 主要事業の実績推移③ −特許流通②− 特許提供者(ライセンサー)と導入者(ライセンシー)分布の推移 − 中小企業、TLOによるライセンスが飛躍的に増加 − 平 成 11年 度 件数 400 400 350 350 300 300 250 250 200 200 ライセンシー (導入者) 150 100 50 0 平 成 15年 度 件数 大企 業 中小 企業 TL 中小企業 大企業 その他 O その ライセンシー (導入者) 150 100 50 0 大企 業 他 ライセンサー (提供者) 中小 企業 TL 中小企業 大企業 その他 その O 他 ライセンサー (提供者) ライセンサー(提供者) ライセンサー(提供者) 中小企業 TLO その他 その他 0 3 0 0 大企業 2 6 6 1 中小企業 22 36 21 33 ライセンシー ︵導入者︶ ライセンシー ︵導入者︶ 大企業 大企業 中小企業 TLO その他 その他 4 29 14 24 大企業 7 55 236 35 中小企業 36 375 324 240 13 主要事業の実績推移④ −情報普及ー ※平成16年度は2月末の実績 見込数 検索回数 ア クセ ス 回 数 特許電子図書館アクセス回数の推移 単位:万件 7,000 6,000 5,997 550 5,000 5,441 4,524 4,000 3665 3,000 3163 2,994 2253 2,000 1464 1,000 0 H13年 度 H14年 度 H15年 度 H16年 度 ○アクセス回数:特許電子図書館の各サービス画面にアクセスした(各サービス画面を開いた)回数の合計 ○検索回数 :特許電子図書館の各サービス画面内で検索を行った回数の合計 14 情報・研修館の決算状況(支出) ●中期計画や年度計画に盛り込んだ業務は全て実施、達成してきている。 ●剰余金は、単価削減、調達減、給与引き下げなどの自助努力に伴うもの。 ●特許流通促進事業では、開放特許データベースの拡充やアドバイザーの増員などを実現。 年 度 項目 予算 決算 剰余 主な要因 総計 5549 4950 599 13 情報流通 3778 3438 340 ・アドバイザー報酬単価の減など 年 公報等閲覧 676 573 103 ・閲覧用機器の安価調達等による減 度 人件費 668 585 83 その他 427 354 73 総計 5596 5162 434 14 情報流通 3816 3638 178 年 公報等閲覧 683 556 127 度 人件費 668 587 81 その他 429 381 48 総計 5602 5260 342 15 情報流通 3909 3728 181 年 公報等閲覧 624 594 30 ・閲覧用IPDL機器の更新による増 度 人件費 654 576 78 ・人事院勧告に伴う給与引き下げによる減 その他 415 362 53 ・人事院勧告に伴う給与引き下げによる減 ・開放特許DB抜本強化による増(2.7億円) ・「固定給+実績給」の運用に伴う減など ・アドバイザーの増、開放特許DBの拡充による増 ・「固定給+実績給」の運用に伴う減など 15 これからの取り組みの方向① [重点を置く分野] ①中小企業や大学の特許活用など、相対的に取り組 みが遅れている分野に重点を置いて、情報提供や 人材育成を進めていく。 ②特許流通に取り組んでいる海外関係団体との連携 など、特許活用の国際化に対応していく。 [事業運営の重点] ③引き続き、サービスと効率性の向上を目指して、 随時、業務内容の見直し、充実を図っていく。 16 これからの取り組みの方向② [17年度] ●業務が増大している相談、研修、人材育成関係に6名の外部人材を導入して、 円滑な事業推進を行う。 ・相談業務 − 調査員1名 ・人材育成業務 − 派遣職員1名 ・研修業務 − 調査員1名、派遣職員3名 ●外部専門機関を活用して、外注事業を品質、コストの両面からチェックする。 IPDL(特許電子図書館)事業、英文抄録作成事業 ●インターネットIPDLの機能向上(印刷機能など)を進め、一層の普及を図る。 [18年度以降] ●増大する電話相談に対応できるよう、定型的な質問には外部人材が答える コールセンター機能の導入を進める。 ●蓄積された研修ノウハウを活用して、各種の研修ニーズにきめ細かく対応する。 ●インターネットIPDLの普及状況を見つつ、地方閲覧事業のあり方を検討する。 17