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磁束オブザーバに基づく制御電流源駆動誘導電動機ベクトル制御域の解析
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 磁束オブザーバに基づく制御電流源駆動誘導電動機ベクトル制御域 の解析 Author(s) 辻, 峰男; 李, 漢強; 小淵, 太樹; 泉, 勝弘; 山田, 英二 Citation 長崎大学工学部研究報告, 24(43), pp.181-188; 1994 Issue Date 1994-07 URL http://hdl.handle.net/10069/24447 Right This document is downloaded at: 2017-03-31T03:22:16Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 長崎大学工学部研究報告 第24巻 第43号 平成6年7月 181 磁束オブザーバに基づく制御電流源駆動誘導電動機 ベクトル制御域の解析 辻 峰男* ・李 漢強** 小淵 太樹***・泉 勝弘 O* 山田 英二* Analysis of a Flux Observer Based Vector Control System of an Induction Motor Driven by ContrQlled Current Source by Mineo TSUJI*, Hanqiang LI**, Taiki KOBUCHI***, Katsuhiro IZUMI*and Eiji YAMADA* In order.to improve the robustness against the parameter change, a flux observer based vector control system has been proposed in the Iiterature. However, the relation betwegn the conventionaI vector control and the observer based one is not evident, because the former is composed.of the induction motor model in rotating reference frame and the stationary one 1s used in the Iatter.1n this paper, a vector control systern using the stationary reference frame model and an observer based vector control system using the rotating one are proposed and the relation between. them are made clearly. Furthemiore, the flux observer based vector control system is analyzed taking account of a PI speed controller. The trajectories of the poles and zeros of the speed transfer function are computed by a linear model and the transient characteristics are discussed. 1.まえがき 静止座標系での誘導機のモデルを用いたベクトル制御 誘導電動機のベクトル制御は,トルクの瞬時制御を や回転座標系で表現したオブザーバに基づくベクトル 可能とし,実用化が進展している.しかし,制御に用 制御系を示して,これらの関係を明確にする.ところ いる二次抵抗の値が実際値と異なると,特性が劣化す で,筆者らは先に磁束オブザーバに基づくベクトル制 る問題点がある.これを改善するため磁束オブザーバ 御系の定常及び安定解析を行うたが,回転速度の変動 に基づくベクトル制御系が提案されている1).ところ は無視していた2).本論文では,PI速度制御器を考慮し がこれまで,オブザーバとベクトル制御の関係につい た磁束オブザーバに基づくベクトル制御系の定常及び て,あまり明確ではなかった.. アれは,オブザーバが 安定解析についても述べる. 主として静止座標系によって構成ざれているのに対し て,ベクトル制御は回転座標系(滑り周波数制御形) として構成されているためである.そこで本論文では, 2.磁束オブザーバとベクトル制御の関係 本論文においては,固定子電流を瞬時に制御できる 平成6年4月28日受理 *電気情報工学科(Department of Electrical Engineering and Computer Science) ** *** 蜉w院海洋生産科学研究科(Graduate School qf Marine Science and Engineering) d気情報工学専攻(Graduate Student, Department of Electrical Engineering and Computer Science) 182 辻峰男・李漢強・小淵太樹・泉勝弘・山田英二 入力と考えて以下の理論を展開する.Fig.1に静止座 演算は誘導電動機の式をそのまま用いたいわゆる磁束 標系の電流モデルを用いた誘導電動機ベクトル制御系 シミュレータによ、って行われる.一方,制御理論では を示す.ここで,電流モデルは次式で表される. 三一[∴1;][淵+擁1](i) 状態量を推定するものとして,状態オブザーバが広く 知られている.この状態オブザーバには,出力とモデ ル問の誤差修正項が加えられ,オブザーバの極を自由 に設定できるように工夫されている.この場合,状態 θ*=tan−1(ψ笏/ψ徳) (2) 量は磁束であるから磁束オブザーバと呼ばれている. (1)式をθ*に同期して回転する4一σ座標系に変換す 磁束オブザーバの構成を以下に述べる2)β).まず,静止 ると,ψ袴=0とおけ,次式が得られる. 座標系における誘導機の電圧モデルを次式に示す. 「二1]一時雨隠三三] ρψ箔=一σ歩ψ捲+σ翅’*端 (3) (5) ω*=ωγ十σ委ノ匠’*ガ奮9/ψ捲 (4) ただし,ω*=ρθ*. (1)式を(5)式に代入すると次式が得られる. 上式より,Fig.2の良く知られたすべり周波数制御形 [畿]一徳学+露華] ベクトル制御系が得られる.Fig.1とFig.2は等価で ある.Fig.1やFig.2のベクトル制御系では,磁束の +誓「∴1瀾 (6) (6)式を出力方程式と考え,(1)式で磁束オブザーバを 構成すると次式が得られる. ・* i轟 .* 一1 C3 i轟 IM ・*、 欄一[∴1;]圏礎[鴬] +K[1ご (7) i轟 一1 C2 ωr Current i轟 Modd ただし, mゑ一髪:1、 窃 盛 K一 An図e Resolver Fig. l Vector control system(stationary reference θ。α,θ。βは実際の電動機の電圧である.Fig.3に,(7) 式の磁束オブザーバの構成を示す.Fig.1では電流モ frame). デルにより磁束が演算されるが,Fig.3では実際の出 ・* i論 一1 C3 i叢 ・* IM .* ・* esa 1 1α 一1 .* b3 。* esb es 。* IM 一「 一一 一一 一 一 一 一 一 用 一 一 一 一 一 璽 一一 l Cbmpu・ of esα 一十 es CM l∫dt 備 1::iωr P C1 ¥PE l ω* 8 e嘉 es Rotor l Voltage L__ 一「 ・砺吉 elux lObselver l I :Lψ’i毛 犀「 燕 σ}M lodd ωr 輔 ++1 一_ _ _____ __ _」 Current Modd Fig.2Vector control system(rotating reference frame). 一 ________________」 ユ窃CM:C・n・血@Modd、 PE:Prediction Error Fig.3 Rotor flux observer(stationary reference frame). 183 磁束オブザーバに基づく制御電流源駆動誘導電動機ベクトル制御系の解析 力電圧と電圧モデルによる演算値との誤差修正項を加 座標系で構成するかの違いだけで,両者は等価である. えて磁束が演算される点が異なっている.Fig.3の磁 Fig.5に, PI速度制御器を付加するとFig.6が得られ 束オ.ブザーバを用いてベクトル制御系を構成するには, る.本論文では,Fig.6の解析を行う. 演算した磁束の方向に基づいて4一σ軸電流癌,鵡 を流せばよい..このときのベクトル制御系をFig.4に 3.パラメータ変動を考慮した解析 示す.Fig.10制御系に誤差修正項を加えたものが Fig.6のベクトル制御系について,一次抵抗や二次 Fig.4である. Fig.4で,θ*に同;期して回転する4一σ 抵抗のパラメータ変化を考慮した解析法を提案する.. 軸を考えると,ψ噛=0とおけ,(6)式は以下のようにな 3.1 系の記述 る. 解析に際し以下の仮定を設ける. 「鄭ド+螺懲+鵡・ (i)電流制御は理想的で,瞬時に制御できる. (ii) 一次抵抗γ、,二次抵抗塔の変化のみ考慮し,他 ・君+譜:麟鵡1陵] のパラメータはノミナル値とする. +裟団ψ捲 .* i轟 (8) 一1 sb ,* eSC b3 i議 sa .* IM また,(7)式は,次式のように変換される. 門 一 欄一L熱熱惟] ㎝ 一一一 一 u 1 esd ComP11・ 十 PE @of PE 十 一 esq 1 十 +躍[;1]+Kl臨二1::」 C3 一 *esq l 撃・w (9) 1 1備 .轟 VM 燕 、(9)式で,ψ拷=0とおいて以下の式が得られる. ω* 十十 ♂ ∫dt ρψ捲=一σ㌻ψ’揚+σ翔4’*叢 ・* ω*=ω。+σ翅’*ゴまq/ψ’糞d ωr σ蒼M*始q 軒瓦(θ隅一θSd)一山(罐q−6εq) (10) 備 十 十 1 一 _ _ _ _ _ _ _ _」」 十危(θ詣一εSd)/ψ’海十κ(召憲q一θsg)/ψ’揚 (11) CM:Curre皿t Mbdd VM:Vbltage Mpdd PE:Predictio且 Efror (8),.(10),(11)式によるべクトノレ制御系をFig.5に示 Fig.50bserver based vect6r control system す.Fig.4とFig.5は,静止座標系で構成するか回転 (Rotating reference frame). ・* i轟 誹 1・* esa i轟 一1 b3 iま b2 i議 1 sb eSC :;1ωr u 1 PE ・ 十 一 1 十 he詣 i VM 1備 hllω* 一 An屡e qesolver ________________犀 ゙ CM:Cu∬ent@Modd oE:Pτediction Erlor esq C3 一* esq i轟 燕戟D 十十 ∫dt R・t・r ;F豆UX lObserver l 阯 Voltage lodel lLψ益 ♂ * 「 es ♂ ・* *σrM IM esd @of ¥PE e嘉 sa .* ・* Compu・ 一+ c1 es CM 一一一 一 lCM 一一一一一『『一一一一一一一一一一一 一1 PI 一 F 一 ・* es esα i議 十 ● esb i轟 cず ¥1sq 砺き ωr 十 十 1 一________j CM:Current.Modd VM:Voltage Modd.. PE:Prediction Error Fig.40bserver based vector control$ystem(sta− Figl 60b・e・v・・b・・ed vectρ・c・nt・・1・y・t・m with ti6nary reference frame). aspeed contro11er. 184 ・ 辻 峰男・李 漢強・小淵太樹・泉 勝弘・山田英二 PI速度制御器について以下の式が得られる. 三一飾(ω歩一ω。)+κθ、‘. (12) る. 3.(10)よりρψ捲を計算する. 4.(14)式よりρψ知,ρψ勧を計算する. ρε。=ω歩一ω. (13) θ*に同期して回転する座標系において,誘導機の式は 5.(18)式よりρω。を計算する. 6.(13)式よりヵ6、を計算する. 次式で与えられる. 翻ω:∵∵lll回;::] (14) 路面細一姻轡)* に11−r噂危1脚・ 1 ㌦+講露仏、;:1] +報二心..(15) ∴+露一町)認∴砺) α(一、呂ω7十凡σr) 1動 ] ω7一ω* 0 ψ犠 ψ徳 * σ7 一σ7〃’ (8),(15)式より,仮定(i),(ii)を考慮して次式が得 られる. εまd一θSd一∂惹d一α(6≠ψ箔一67ψ徳一ωγψ≦q) (16) 召春9一(2εq=わ踏q十α(ωrψ捲一ω7ψ知十σ7ψ争9) (17) ただし, ルf’ α(一1(2ωr一瓦σ7)一σ翔’一瓦∂ ψ争q ゴま9 σ秀〃’+、呂ろ σ7〃’ = 叢 (20) 0 魚δ. 上式をクラウト法で解いて定常解を得る. α=π 〃’2 3.4 線形モデル L争 叢の変化はないものとして,状態量ゐ微小変動を考 また,機械系の運動方程式は,次式で与えられる. えることにより線形モデルを導出する.(10),(14),. ∂一7ま一7。+(σ卜σ,) (18)式より次式を得る. P2、醒’ (鵡ψ徳一鑑ψ争9) ρωr= 41乙争 於∬1一且1△泌1+β1△配・+B・△π・+β・△π・ 一牛研一藷 (18) ここで, △認1=[△ψ犠,△ψ知,△ψ争,,△ω。]T (10), (11), (12), (13), (14), (16), (17), (18)式 により系が記述できたことになる.. △吻=△踏q △配、=[△ω*,△畿一△ε。。,△θまゲム8。,】T 3.2 非線形応答の計算 △π・=47Σ 叢は一定と仮定し,負荷トルク五や速度指令ω≠の 一σ李 0 0 一σ7 0 * ω7一ω 変化に対ナる過渡応答をRUhge−Kutta法により求め る.状態変数灘とレて ∬=[ψ’需,ψ徳,ψ争q,ωア,2s]T (19) .41= 0 1.(12)式より趨を計算する. 2.(16),(17)式より8詣.一ε8d,面一θ。。を計.算す P2ノレf’ゴ為/(4ノエ」9 0 0 を選ぶ.Runge−Kutta法を用いる場合には,餌が1頂序 よく計算できればよく,以下の手順で求まる. * ω*一めr 一ψ知 *. 一σ。 ψ徳 一Rル/ノ’ 一1:)2ノレ1’ゴ蕊/(4ノエ⊃の (21) 185 磁束オブザーバに基づく制御電流源駆動誘導電動機ベクトル制御系の解析 △即=[△ψ捲,△ψ勉,△ψチ9,△ωr,△eε]丁 0 0 。溢・&一1 B1= 三一 1)2ノレ1’ψ徳/(4J肥り) 一.P/(2ノ’) mム+嚴+1罫+蜘・ ] κ,(B、+B、ω * 0 」邸 一」磁 0 ψ争9 0 0 β2= β一 一ψ徳 0 0 0 0 0 秩i∵ω1,三一「劉 また,出力方程式は次式で与えられる. また,(11), (16),(17)式より,次式が得られる. (27) △9=o△∬ △π2=乙を△∬1十こん△ω1 (22) ここで, ただし, △〃=△ω。,0=[00010] (26),(27)式より速度伝達関数△ω。(s)/△媒(s)の極や 零点が計算できる. 4.解析結果 α(凡ω。十瓦σγ)/ψ捲 解析に用いた誘導機のノ’ミナル値は,2.2kW,γ。= * αωr 0.662Ω,79=0.645Ω,Lε=Lチ=0。086H,乃4’=0.082H, ασr 1=0.0617kg・m2(含直流機)である. Fig.7∼Fig.10 一「∵1 は,(26)式より求めた速度伝達関数△ω。(ε)/△諺(s)の 極や零点の軌跡で,一次および二次抵抗値をパラメー タとして変化させている. ω。一ω*一1丘ασ奏+瓦αω。 c= Fig.7はオブザーバゲイン瓦コ凡=oの従来形に相 ψ犠 当し,Fig.8∼Fig.10がオブザーバを用いた場合であ 凡αψ争q十」臨α(ψ捲一ψ知) る.いずれの場合においても,パラメータ変化のない, 4=1十 ψ犠 γ。=罐,γ㌻=7チ*の場合,極ρ1,ρ2と零点21,g2は完全 (22)式を(21)式に代入すると,次式を得る. ρ△∬、=(.4、+B2ω△∬、+(.B、+B2の△麗、 臣十、B3△配3 (23) これは, トルク電流指令を入力と考えた系の線形モデ Im poIe 一(〉一一 zero 十 30 5 9 ルである.PI速度制御器に関する(12),(13)式で,状 態量の微小変動を考えることにより次の線形モデルが 得られる. 4 5 リ リボ ホ rs/rs 嵩 rr/rr 1:0.6 △π1=℃1△∬1十飾△r十Kr△θS (24) ρ△θε=e2△鋤十△r (25) 321 4 Z1 3 2 1 2:0.8 3:1.0 4:1.5 5:2.0 20 P3 ホ c1=[000−1剴 1甜謂3.2(A) N漏1000(rpm) S=0.1 c,=[000−1] 3 2 4 1 10 K!環10.0 5 △r=△ω李 Kp=1. O K1躍0. O 1・》5(Z3) 1∼5(P2,Z2) K2=0.0 (23),(24),(25)式より,次式が得られる. Re ● ρ△認=且△認十B△r十BL△郡3 ここで, (26) 一20 一10 Fig.7 Trajectories of poles and zeros. 0 186 辻 峰男・李 漢強・小淵太樹・泉 勝弘・山田英二 に消去し,トルク伝達関数は定数となる.また,この (28)式の極を中心に動くので,適当な位置に移動する 場合の複素共役極ρ1は次式で与えられる2). ことが可能である.以上の結果,オブザーバの極は(28) 式で設計できることが判明した.オブザーバゲインの σ。M’ ω詔4’ λ=一(σ。+Kl ) 十Kl 五多 L争 選定に関しては,上記の他に定常トルク誤差や観測ノ イズが安定性に及ぼす影響を考慮しなくてはならない. σ7ルf’ ω7」M〆 ±ノ(ω*一ω。+凡 ) 一κ1 (28) Fig.11, Fig.12は,速度指令1畔を50rpmステップ 五争 L参 これらの極と零点は誘導電動機のベクトル制御に関す るものである.一方,極ヵ3と零点z3は,機械系の運動 方程式とPI速度制御器に大きく関係している.従来 のベクトル制御の場合,極ρ2と零点g2は互いに消去さ れているので,極ヵ、,ρ3と零点Z1, g3によって過渡特性 変化させた場合の応答で,それぞれ線形モデルの応答 波形,非線形モデルの応答波形である.応答波形を比 較すると,良く一致していることから,非線形モデル から線形モデルの導出が正しく行われたことが確認さ れる. が決まることになる.この場合,ρ1は二次時定数とすべ り周波数によってその値が決まるため,パラメータ変 poie十 zero十 動時の動特性を変えることは不可能である.オブザー バを用いると,Fig.8に示すように,極ρ1を自由に設 定することができる.ρ、の実部を小さくすることで,多 少パラメータが変動しても,この根が過渡特性に及ぼ 1 Z1 ことになり,大変に都合が良い.極ヵ3は,Fig.7では 大きく変化するが,Fig.8ではほとんど変化せずパラ メータ変動の影響をあまり受けない. 1:0.6 2:0,8 3:1.0 4=1.5 5:2.0 45 ・ P!23 4 5 ルク制御が行われることを意味する.この結果,機械 系の運動方程式とPI速度制御器だけで応答が決まる 220 i轟二3.2(A) N=1000(rpm) s=0.1 Kl 310. O Kp=1. O K1嵩一1. O 20 5 P3 脇 K2=0.5 Fig.9は,慣性モーメントがノミナル値の1/2の場 240 r、/オ=r}/溢* 2 1 3 す影響は無視できるようになる.これは,理想的なト Im J昌JN/2 P2 Z2 合である.Fig.8と比べると極ρ3が大きく変化するだ Re 5 54 32 1 0 ● ● けで,ほかの極や零点はあまり変化していないことが 一20 1∼5(Z3) 0 わかる.Fig.10は,回転速度2>=100rpmめ場合であ る.瓦,凡をN=1000rpmの場合と同じ値にしている Fig.9 Trajectories of po玉es and zeros. ため,ρ1,g、が虚軸に近づいている.しかし,ρ、, g1は Im pole一(〉一・ zero 十 240 pole −O− Iln zero 十 P1 30 噸1:ゼ1搾 1 Z【 r、/r澄一r}/孟* 2 1 P1 2 3 45 3 4 5 220 .N=1000(rpm) 20 S昌0.1 Kp旨1. O K1=一1. O K2=0.5 20 i晶=3。2(A) N=100(rpm) S=0.1 コ 1sd == 3.2(A) KI=10. O Z1 3:1.0 4:1.5 5:2.0 1:0.6 2:0.8 3:1.0 4:1.5 5:2.0 嬉1恥 P2 Z2 5 4 32 1 .●● ● 0 一20 1∼5(Z3) Fig.8 Trajectories of poles and zeros. KI冨10. O 5 1(33P・ Kp=1。 O K1隅一1. O 10 K2=0.5 1∼5(Z3) P2 Z2 Re 5 Re 5 4 3 2 1 ● ● ● 一20 一10 0 Fig.10 Trajectories of. poles and zeros. 187 磁束オブザーバに基づ.く制御電流源駆動誘導電動機ベクトル制御系の解析 1100. s=0,10 i彗d=3.20 N=1000.O rslrξ=0.8 rf!r…㌔o・8. KFr1・00 K2=q・50 10.0 iξd=3.20 rslrξ=0.8 TL r‘1r∼㌧0.8 (N−m) 堺 (rpm) 0.0 X00.0 20.O 23.O _4/K・旨0・00・K2=0・00 ’/ ㌔「一㍉」隔r一一_咽一_陶_一幽一一__一r一__ iξq \ (A) iξq (A) K1=一1・00 , K2=0・50 0.0 3,0 0,5 0.5 ψr (Wb) ψr (Wb) 0,0 0,0 10.0 ” ㌔、一∼㌔砧__=_____一__ 士ε 12ρ . (N−m)、 T芭 』0.0 (N−m) 2.0 10.O 12.O Te (N一皿) Te (N−m) 0.0 2.0 1100, 1100. Nr (τpm) 900.0 (rpm) 0.0 0.2 0.4. 象 (s) 0.6 .900.0 “o @“2 ρも a6 0.8 0.8 1.0 LO 貢ig.13 Transient responses for the step change of Fig.11 Transient responses for the step cha耳ge of load torque. speed command(liner model). 10.O i§d=3.20 sL s呂0.10 i彗d環3.20 N;1000・O rs/r§=0.8 r『1f葺*旨0呂 K1冨一1・00 1100, rslr§謂1.2 r∼1r多㌔12 (N−m) K2=050 @0.0 理 20.O (甲n1) i窓q 900.0 (A) 0.0 23.O iξq 05 孟/巡1=0・00’K2=0・00 (A) ψr 3.0 ,’一亀、r舳馳r一一一一一r●層一一一一一一一一曽。扁一’ \K、・一1・・,・、。・.5・ (Wb) 0.0 0.5 ψ1 10,0 (Wb)) T; 0.0 (N−m) 0.0 12.O Tε 10.O (N一皿) Tc 2.0 (N−m) 0.0 12.O Te 1100, (N−m) Nr 2.0 (rpm) 900,0 1100, 0.0 0.2 0.4 t(s)、.0.6 0.8 1.0 Nr (τpm) Fig.14 Transient responses for the step change of 900.0 αo @“2 ρ‘)α‘ O.8 1.0 Ioad torque. Fig.12 Transient responses for the step change of speed command(nonlinef mode1). れていない場合の結果である.従来のベクトル制御 Fig.13, Fig.14は,非線形モデルにおいて負荷トル 転数の応答が定常状態に早く整定したり,.遅くまで整 (凡=髭=0.0)においては,磁束の変動が大きく,回 クを5.ON・mステップ変化させた場合の応答である. 定しなかったりして,.抵抗変化の影響を大きく受ける Fig,13, Fig.14はそれぞれγ。/7ぎ=〃7孫*が。.8及び ことがわかる.一方,オブザーバ方式においては,電 1.2の場合で,一次及び二次抵抗がともに正しく推定さ 流,磁束,回転数:の応答はFig.13とFig.14でほとん 188 辻峰男・李漢強・小淵太樹・泉勝弘・山田英二 ど一致し,抵抗の変化に対しロバストである. σ=1一』4’2/(L。しり:漏れ係数(0.0909) σ.=γ7跡:二次時定数の逆数(7.5) 5.あとがき P:極数(4) 本論文をまとめると以下のようになる. 召、α,θ、β:α軸,β軸の一次電圧(静止) (1)静止座標系でのベクトル制御系の構成を新たに ゴ。α,ゴ。β:α軸,β軸の一次電流 示し,磁束オブザーバに基づくベクトル制御系と従来 ψ争。,ψ短:α軸,β軸の二次鎖交磁束 のベクトル制御との関係をより明確にすることができ ε。d,召、g:4軸,σ軸の一次電圧(回転) た. 応,漏:4軸,σ軸の一次電流 (2)速度制御器を含めた磁束オブザーバに基づくベ ψ微,ψ争g:げ軸,σ軸の二次鎖交磁束 クトル制御系の線形モデルを提案した. ω。:回転角速度(電気角) (3)解析の結果,誘導機のベクトル制御に起因する ゐ:発生トルク 極はオブザーバによって自由に移動でき,機械系の極 ρ:微分演算子(=4/ゴの を考慮して速度制御器が設計できることが判明した. △:微小変動量 (4)オブザーバに基づくベクトル制御系では,一次 ブ:虚数単位 及び二次抵抗が変化しても,設計した速度の応答が得 られることが明らかになった. 最後に本研究の図面作成に協力いただいた本学研究 生の川藤善彦君に感謝する.また,本研究の一部は文 部省科学研究費(一般研究C)によったことを記し,謝 意を表す. 参考文献 1)掘・V.Cotter・茅:「誘導電動機の磁束オブザー バに関する制御理論的考察」,電学論B,106,11 (圓召61) pp.1001−1008. 2)辻・山田・泉・小山:「磁束オブザーバに基づく 制御電流源駆動誘導機のベクトル制御1,電学論 D,113,10(平5)pp.1145−1153. 3)G.CVerghese and S. R. Sanders:‘‘Observ6rs for Faster Flux Estimation in Induction Machines”, IEEE PESC’85 Rec.(1985)pp.751 −760. 付 録 α一 α一 唐Pに留鯛 m暗:部=1 周鵜:忽轡嚇儒1 7。,垢:一次,二次抵抗 五3,島:一次,二次自己インダクタンス 〃’:相互インダクタンス