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木村興農社 木村秋則氏(PDF:388KB)
有機農業の推進について語る会 平成 25 年 11 月 18 日 13:00~ 甲府富士屋ホテル 昇仙閣 (講演1:「奇跡のリンゴ」が語る自然の力について 木村興農社 木村秋則氏 青森県) ○ 皆さんこんにちは。知事から農業ルネサンスという言葉を頂いたが、正に今は農業ル ネサンスの時期だと思っている。 ○ 山梨県と静岡県に位置する富士山は、世界の遺産として、人間の歴史が有る限りここ にある。この豊で恵まれた大自然の中で営む山梨県の農家人は、本当に恵まれている。 ○ きれいな水にはきれいな流れがある。その中で日本を代表する農業を営んでいると思 っている。 ○ 私は、今りんごの収穫期の最中でもあるが、仕事で九州からここに駆けつけた。私の ところでは(青森県)、里にも雪が降った。九州は私からすると南国のような感じだっ たが、日本はなんて北から南に長いものか痛感した。 ○ 今は、一番まぶたが仲良くなる時間帯かもしれないが、耳を澄ませて聞いて欲しい。 ○ 私の本職はりんご手伝い業。りんごと言えば、人との付き合いが一番深い作物と思っ ている。ニュートンが引力を発見したのもりんご。アダムとイブもなぜかりんご。白 雪姫もりんご。更に、皆さん大勢の人が持っている iphone も、かじったりんごがマー クである。人間とりんごの歴史は、切っても切れない関係があると思っている。 ○ それを栽培している。私の栽培は、皆さんの前で話ができるほど良いことばかりでは ない。数え切れないほど失敗をした。誰も挑戦したことの無いことを私がしたものだ から、世間からの批判も大変なものだった。でも、大勢の人から今、やって良かった、 やめないで良かったという言葉を頂き、私はこうして舞台に立っている。 ○ 私の話すことは、皆さんからすると常識外れのことかもしれない。でも、皆さんが知 っているアインシュタインが残した言葉では、 「18 歳までに得た知識が常識。でも常識 を守った者には発展、進歩は無い。」というもの。アインシュタインから見れば、私は 非常識な男の1人かもしれない。そんな常識に欠けた男の話に1時間お付き合いをお 願いしたい。 ○ 今、映像にあるのがりんごの花、山梨県にもりんごはある。りんごはバラ科でトゲが ある。大きくなるとそのトゲは無くなる。りんごの花はきれいであるが、このきれい なりんごの花が、私の畑から 10 年間消えた時がある。 ○ 自然の壁は何よりも大きな壁であるが、それ以上に大きかったのは自分を超えること。 2人自分が頭の中にいた。1人はやめろ、家族を考えろ。もう1人は続けろそう言っ ていた。私の頭は破裂しそうだった。具体的なものは無かったが、続ける道を選んだ。 ○ この映像は今年の3月の写真。今年の雪は異常尽くめだった。これでも雪をりんごの 木から降ろした後の写真である。初めて春畑に行ったとき、自分のりんごの木がどこ にいったのかわからなかったが足下にあった。積雪は有に3mは超えていた。 ○ でも、りんごは強いと思った。確かに雪解けは遅く、平年より 20 日から1ヶ月遅い開 花となったが、その雪にも耐えて今収穫を迎えているところ。 ○ 今、日本の食料事情は少し寂しい。このことは皆さんもご存知のとおり。日本は世界 に誇る経済大国であるが、この経済大国の台所事情は極めて寂しいもの。いつからこ のようなことになったのか?それは生産者だけでなく、買って食べて下さる消費者、 更には国や県、市町村、みんなが考えなければならない問題の1つ。 ○ かつて 1,000 万人以上いた農業人口は、わずか 260 万人に減少した。そして耕作放棄 地は 40 万町歩(ha)以上と言われている。でも、悲観することは無いと思っている。 ○ それは私が提唱する栽培の話には、どこに行っても若者でいっぱいになるから。次の 世代を背負う若者、この若者達がこれほど多く農業に興味を持って下さることは、日 本の食料自給率は間違いなく解消されていくものと明るい展望を持っている。 ○ 会場の皆さん良く考えて欲しい。同じ種を畦を挟んで僅か2~3mの範囲内植え付け でどんな姿になったか。A の写真は水田の転作地に大豆を植えたところ、生育が悪く 農協の指導員に相談した畑。指導員は肥料が足りない、肥料を施して下さい、そう指 導した。会場の皆さんはどう考えるか?本当に肥料が足りなかったのか? ○ この生産者が私のところに相談に来て、本当に肥料が足りないのか聞かれた。私は「違 う、大豆も水はけが悪いところはいやなもの。畦のところに深くなっても良いから溝 を掘れば良い。水はけを良くすれば小さな大豆が良く育っていく。」と話した。 ○ 生産者は私の言うとおりの作業した。その結果、B のようにほとんど同じ姿で収穫を 終えることができた。肥料が無ければダメだ。肥料が無ければ作物が育たない。そう 考えて来たこれまでの農業は、観察や作物の生育、そのことを忘れているのではない かと思った。 ○ 今年も気象庁が異常気象という言葉を良く使う。日本各地で1ヶ月以上の雨が1時間 で降るとんでもない異常気象に見舞われた。ついこの前は、風速 90mに近いと言われ る巨大台風がフィリピンを襲った。 ○ 年々、自然災害は巨大化してきている。この犯人を明らかにするため、世界の科学者 が様々な研究をした。その結果、ようやく答えが出た。それは人口の増加に伴って、 年々増え続ける食料生産。肉食が拡大し飼育頭数劇的に増大している。その農家が使 う、肥料、農薬、除草剤が温暖化の1人の犯人だと言うこと。 ○ 世界中の農家が変わらなければ、この温暖化は益々進行する。そこで日本が世界に先 んじて、今までの農業から一歩前に出た農業を進めていくべきだと感じている。日本 から歯止めをかけていく。それが日本人に課せられた課題と思っている。 ○ 農薬がなければダメだと言われてきたが、実際農薬がなければ全てが減収するのか。 どれだけ減収するのか、このグラフを見て欲しい。りんごときゅうりを除けば 1/3 位よ りは減収しないということ。1/3 位の減収なら皆が知恵を出し合えば、更に少なくする ことが出来る。さすがにりんごは壊滅的な打撃を受けると解釈してあるが。 ○ 農薬が無ければダメだと言ったが、確かに無農薬で栽培したから農薬の有難味が良く わかった。2010 年の資料では、世界一の使用国になっているのが日本である。そのた め、海外のある国では、国民が最も農薬慣れしていると評価する程である。その汚名 を少しでも皆が力を合わせて解決していこうではないか。 ○ 私は肥料、農薬、除草剤を悪いとは少しも思っていない。それは日本経済の発展の裏 方として、世界の食料の増産に大きく貢献した立役者だからである。しかし、農家は 使いすぎる傾向にあり、そのため、除草剤のこれほど量が使われてきたのだと思う。 ○ 決して悪者ではない、肥料、農薬、除草剤も長い間使っているうちに環境を破壊して きた事実は、解消させていかなければならない。それが今だ。 ○ 堆肥は、有機栽培なら何でも良いか? 今から 30 年前にアメリカやヨーロッパでとん でもない事件が起こった。離乳食を与えてもらった赤ちゃんが次々と死んでいった。 口から泡を吹いて、顔が紫になって死んだため「ブルーベビー症候群」という言葉が 出来た。 ○ 世界中で有機栽培は安心ブランドだが、この赤ちゃんが死んだ家庭の離乳食に使って いた野菜が有機栽培のものだった。一般の化学肥料で育てた野菜を使った離乳食では 赤ちゃんにこのてんかんは無かった。 ○ この有機栽培の野菜を調査した結果、とんでもない劇毒なものが入っていた。それが 未熟堆肥に多く含まれている硝酸態窒素である。ちなみに一番多く含まれていた堆肥 には 16,000ppm も含まれていた。一口で言うと2歳以下の子供が、このコマツナの葉 を2枚食べれば危険な状態になるということ。こういう農産物を市場に出荷している ことは、農家として恥じるべき。 ○ 私に賛同してくれた農家の人達の野菜からは、極めて低いか出てこない。もとが少な いから。有機栽培をこれから始めてみたい人は必ず完熟堆肥を使って欲しい。完熟化 するには1年では無理。3~5年かけて完熟化していく。こうしてつくったものを土 に返していく。そういう配慮が必要ではないかと考える。食べるものをつくっている という意識を高めて欲しい。 ○ 今まで農業開発が様々な形で行われてきた。第1は肥料、農薬、除草剤が出現したこ と。これにより世界が大きく変わったことは先ほど話した。第2は遺伝子操作をした 種子が登場したこと。これには世界中で賛否両論が分かれている。私としては、本日 出席している野口種苗研究所を大きくお勧めする。そしてもう1つ、第3は私が提唱 する栽培。肥料、農薬、除草剤を使わない栽培である。 ○ 今、世界中から第3の農業革命と賞されるようになった。温暖化にストップをかける 一番の栽培。肥料、農薬、除草剤を使わないために環境に極めて優しい。更に、それ を保全する大きな働きも備えた栽培である。解毒性もある。これが第3の農業革命と 言われる由縁である。 ○ 私は肥料を使わない、堆肥も使わない、だから畑はさぞかし痩せこけているだろうと 思われている。しかし、地元弘前大学農業生命学科が調査したところ、驚くことがわ かった。それは肥料を使わない畑の方が肥料分が多いということ。これは何年やって も何カ所やっても同じ結果。理由は雑草や土のバクテリアが活動しているからではな いかと思っている。 ○ 会場の皆さん。雑草という言葉には邪魔者という意味合いが強いと思う。右側の白っ ぽい土は、肥料、農薬、除草剤を使った土で硬くしまっている。一方、雑草がある左 側の土は、手で軟らかくほぐれる。もしも皆さんが野菜の種だったら、どちらの土に 置いてもらいたいか?誰もが柔らかい土に置いてもらいたいと思う。わざわざ硬い土 を選ぶ人はいないと思う。雑草は邪魔者ではなく、土をつくっていた。 ○ この写真は私のりんご畑の 8/31 の様子である。丁度外気は 34℃あった。今年、甲府は 40℃を超えた。このとき皆さんは外で我慢して立っていられたか。暑くて暑くて、涼 しいところに移動したに違いない。 ○ しかし、畑に植えられている野菜や木は暑くても移動できない。それを守っていたの が雑草である。草刈りをしない雑草の中の土の温度は約 23℃、一方、草を刈ったとこ ろは直射日光を受け約 33℃になった。草が暑い土を冷やし、木の根を冷やしていた。 草は邪魔をしているのではなく、大いに作物を助けていた。 ○ 11 月 15 日、35cm 私の畑に雪が積もった。曇空のため写真は暗いかもしれないが、こ れは 100 年以上も世界中で(無農薬では)絶対不可能と言われてきたりんごだ。この 事実を皆さんはどう捉えるか。私に賛同頂いた仲間達の畑では、ようやく今年収穫を 迎えたと連絡があった。私は出来ないではなく、やらなかっただけと思っている。 ○ 1mの枝に 100 匹以上いた虫達が今は居なくなった。この事実に誰も疑いを持たない。 この1本のりんごの樹に 1500 個のりんごが着いている。肥料を貰わなくなって 30 年 以上過ぎる樹が、これほど実らせている現実の姿を日本のみんなに研究して貰いたい。 ○ 私の畑では小さな生き物たちが頑張ってくれている。エンドファイトという聞き慣れ ない言葉がある。NHK クローズアップ現代で初めて登場した。りんごの葉や自然の山 の木に住んでいる菌のことだ。 ○ 私の畑のことを研究している弘前大学の先生方は、葉の真ん中に穴が空いているの見 て虫が食べたと言った。私は虫が葉の端から食べるので違うと言ったが、たまたまそ うだったと否定された。ところがあまりにも私が違うといったので、初めて葉の病原 菌を調べ、そこでわかった。りんごの葉が自分の葉に発生した病気を自分から治療し ていた。だから私のりんごが無農薬にもかかわらず栽培できているのではないか。 ○ 上3つの写真は、農薬を撒いている畑のりんごの葉から採取した菌類。殆どいない。 ところが下3つの写真は私の畑の葉に着いていた菌類。これが葉っぱを守っていた。 農薬を必要としない栽培を可能としている大きな立役者である。 ○ この状況を研究者達が更に研究を進めており、もっともっと効率的の良い作業が期待 できるのではないかと思う。 ○ 私の提唱する自然栽培は何も難しくはない。土を活かす、作物を活かす、根を活かす というだけ。 ○ 2008 年にドイツに行ってきた。ドイツは世界中のオーガニックの師匠である。オーガ ニックで 80 年の歴史のある畑の土を見て、ドイツ人は「この土は 80 年間肥料を撒い て無いからジャガイモが小さい。」と言った。それに対して私は「それは違う。あなた 方は間違っている。」と批判したが凄いブーイングが来た。 ○ これから私の様な畑作をする人は土を知って欲しい。土壌分析など必要ない。土の温 度を知って欲しい。穴を掘って 10cm 毎に温度を測って欲しい。それで土の温度がわ かる。 ○ そこで実際温度を測ったところ、80 年間オーガニックを続けた畑は僅か 10cm 掘った だけで8℃も温度差があった。幸い私の畑の温度はほぼ一定(0.4℃)であった。では 人が入らない山の土の温度はどうか?50cm 穴を掘って違いは僅か 1~2℃であった。 ○ 木村の言ったとおりやったら失敗した、騙されたという人には、自分の畑の温度を測 ったことがあるかと聞く。そんなのは知らないとかえってくるが、土を知らない人が 土を活かすということ言えない。土の温度差は大きいほど野菜の生育が悪くなる。だ からドイツのジャガイモは小さかった。 ○ 土の中で野菜の根は、硬盤層(硬い層)が出来ていれば、これを壊すことが出来ない ので、硬いところ浅いところを横に伸びる。皆さんも寒いときに水道の蛇口に手をや ることは、少しおっくうになる。根も同じこと。この硬盤層のところの温度が低い。 だから土の温度を測って欲しいというのである。 ○ 日本は雨が多いので根の高さで調整する。更に、良く乾いた土を耕すこと、乾土効果 を活かすことがポイントである。 ○ 私に賛同する人が日本各地に広まりつつある。最初は個人で始めたものが法人になり、 更に農家のことを思って取り組む JA も数多く出てくるようになった。 ○ ここ山梨においても「木村式自然栽培勉強会@やまなし」のメンバー達が中心となっ て大活躍をしている。会場の皆さん、この人達に合ったときには是非激励の言葉をか けて欲しい。 ○ 今、高校生も自然栽培に取り組むようになった。写真は岡山県の例。また宮崎県高鍋 農業高校の一例だが、この農業高校では生徒達が作った農産物の売り上げが 7000 万円 を超えている。来年は自然栽培でつくった農産物で 1 億円を目指すと校長先生が言っ ていた。今、教育現場にもルネサンスが起きている。大人の農家の人達は、若者から 「まだそんなことをしているのですか」と言われるときがやってくると思う。 ○ 耕作放棄地は 40 万 ha もあると言われている。これは茨城県谷町の事例だが、かつて 農家のにぎやかな声が飛び交った水田も今は誰も寄りつかなくなり、柳が生え茅が茂 っている。この水田を復元してくれないかと町長から頼まれた。 ○ 酷い状況だったが引き受けた。町の人は木村が失敗して二度と茨城県に来られなくな ると噂していた。それが写真のとおり農家が驚いてしまう様な見事な水田に生まれ変 わった。私が夜こっそり来て除草剤を撒くのでは無いかと心配して、24 時間の監視カ メラも設置してあった。でもこのおかげで全部の生育の記録を取ることができた。こ のことは小学館発刊の「BE-PAL」という雑誌に掲載されたので参考にして欲しい。 ○ 耕作放棄地とは、長い間、農薬や肥料、除草剤が使われていないということを裏付け ている。私の提唱する自然栽培にとっては宝物。直ぐにでも対応できる畑だ。もしも これから山梨県で農業をやりたいという方は、是非これを参考にして欲しい。 ○ これは肥料を施した稲の根と肥料を施さなかった稲の根の比較だが、どちらが肥料を 施した根か? 肥料を施された根は働かなくても良いから少ない。一方、肥料を施さ れない根は一生懸命根を張って働かなければならない。だから多い。 ○ 先ほど、アインシュタインが「18 歳までに覚えた知識を常識」というが、ジャガイモ を植える時どの様に植えるか? 種芋を切って切り口をどうするか。切り口を下にし ていないか? 日本では鎌倉時代からそう伝えられてきた。ヨーロッパでも同じだ。 ダビンチは常識を守る人に発展は無いと言ったが、切り口を下にするとジャガイモは 種芋の上に付く。だから土の上に出て来ようとするので土寄せが必要になる。 ○ 私は非常識な人間なので切り口を上にした。そうしたところジャガイモは種芋の横か 下に付き土寄せも必要なくなった。皆さんどちらが楽か?もちろん土寄せしない方で ある。だからドイツ人は私の言うことを聞いてくれた。来年のジャガイモ是非こうし てほしい。 ○ ゲーテは偉大な言葉を残した。 「大豆を植え、野菜を植え、雑草を育てる。そうすれば 永遠に農業が出来る」と。この言葉の意味がなかなか解らなかったが、是非、皆さん はメモして欲しい。 ○ この写真は大豆を植え、麦を植え、大豆を植え、麦を植え、次の年には大豆を植えた ところに麦を植え、麦を植えたところに豆を植えたもの。そうしたところ連作障害は 起こらずどんどん収量が増えていった。肥料も堆肥も入れてないもちろん虫も来ない。 ○ 現代農業の記事だが女性が持っているのは、間引きした髭のようなニンジン。これが 収穫期にニンジンである。これを何とかして直して欲しいと相談を受けた。3年たっ たら隣の立派なニンジンに戻った。 ○ では具体的にどの様なことを行ったのか。それはゲーテの言葉のとおり、麦を植え、 大豆を植え、その大豆の間に除草をせず野菜を植えた。また、これはトウモロコシ。 トウモロコシは4本に大豆1本で良い。 ○ 肥料を与えず自然栽培で作ったトマトは左右対称に成熟する。肥料や堆肥を施用する とこの左右対称の生育は崩れてしまう。是非、皆さん試して欲しい。 ○ 日本の農業、自然栽培を PR するため、先月、世界農業ショーに行ってスピーチしてき た。日本の農業はまだまだ伸びしろがある。みんなで工夫していけば TPP も怖くない。 ○ この鳥は世界の保護鳥トキである。自然栽培を実施した3年目の石川県羽咋市の水田 に 44 年ぶりに戻ってきた。トキも遠くからこの取組を見ていたのではないか。栽培を 変えたらトキが住むようになった。 ○ また、ミツバチが非常に少なくなった。詳しいことは解らないが、みんなで力を合わ せ次の世代のためにこの環境をより正しい環境にしていく努力が必要ではないか。そ れは1人2人の努力ではだめ、生産者、消費者、行政が一丸となって取り組んで1つ の目標が達成できるものと思っている。 ○ そのためにも一歩前に出て行くことが必要だが、山梨県民の皆さんなら出来ると思う。 Made in yamanashi を 2020 年の東京オリンピックにおいて、世界に誇る肥料、農薬、 除草剤を一切使わない食材で、世界から集まる関係者一同に提供したらいかがか。そ して全国からも集め、オリンピックの食材を世界一安全な食材と PR したらどうかと思 う。世界にどんどん輸出出来る食材として、皆が少しずつでも取り組んでもらえたら 思う。 ○ 日本各地で、私に賛同する農産物を販売するお店が出来てきた。私の夢は世界一安全 な食を、いつでもそこで誰でも購入できる日本にしたい。みんなで力を合わせてやっ ていきたい、これが夢でもある ○ いよいよ時間となった。皆さん一歩前に出る生き方を、常識を越えた生き方を、みん なでやって、手を取り合って歩んでいきたい。新しい農業をみんなで手を取り合って 行こう。そんな気持ちで山梨に来た。長い時間ありがとうございました。