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スターチス-シヌアータ「アイスター」シリーズの種苗増殖技術
東北農業研究 (Tohoku Agrlc Res.)55,255-256(2002) 「アイスター」シリーズの種苗増殖技術 スターチス・シヌアータ 星 伸枝・阿部 潤 (岩 手県農業研究センター) Micrclpropagation system of ι,″ ο″″″ s,"″ ′″・ I‐ Star'sedes “ Nobuc Hoshi and Jun Abc (Iwate Agrlculmral Research Ccntcr) 1 3 は じめに 岩手県オ リジナルの栄養繁殖系 ス ターチ ス品種 「アイ ス ター 」 シ リーズ 5品 種が平成 10年 度 に開発 された。 試験結果及び考察 (1)増 殖方法及 び順化方法 と初代培養 における材料 の好 適 ステージ これ らの増殖 に関す る基礎技術は、 (財 )岩 手生物 工学 増殖及 び順化方法は表 1に 示す通 りである。初代培養 研究センターにより報告 されて いる。 そ こで 、 この技術 に用 い る材料 として、岩手生工研 にお いては 、腋芽部分 の実用化 を図るため、効率的な種苗 の増殖法 について検 を茎頂培養 した もの を材料 としていたが、花穂部分 の方 討 を行 つた。 が大きく扱 いやう いことか ら、材料はウイル スにかか つ てい な い苗 の花穂部分 とした 2 (図 1)。 好適 な培菱花穂 のステージは、分化率 が 7割 以上になる試験区 2ま でが 試験方法 材料 として適 してい ると思われた (表 2)。 そ の後 の増 (1)初 代培養 における供試材料 の検討 殖率は品種 によ り 5∼ 8倍 程度であるが 、 これを繰 り返 供試品種はアイ ス ター・ モー ヴを用 いた。初代培養 す ことによつて大量増殖 が可能である。 に用 い る花穂 の状態 は、表 2の 4区 を設定 し、初代培養 (2)発 根 における前培養 の効果 増殖培地 か ら前培養な しで発根培地 に移植 した場合、 開始 lヶ 月後 のシュー ト分イヒ本数 を調査 した。 (2)発 根における前培養 の検討 発根率は 3割 前後 と低 く、根 の状態 も短 く太 い根 が数本 供試品種はアイ ス ター・ ロー ジー ビンク、ライラック、 でただけであつた。 しか しなが ら、増殖培養後にホルモ モー ヴを用 いた。増殖培地 で増殖 した個体を 1本 ずつ分 ンフ リー の基本培地 で前培養 を 4週 間行 つた 区は、発根 割 し、それ を材料に表 3の 3区 を設定 して、発根開始 率 が 9割 以 上 と良好で、根 の状態 も順化 に適 した細や か 1 な根が多 くみ られた。また同様に前培養 を 3週 間行 つた ヶ月後 の発根率及び発根 の状態 を調査 した。 (3)培 菱 中における通気膜 の影響 区では発根率 が 5割 か ら 7割 であつた ことか ら、前培菱 供試品種 はアイ ス ター・ ラベ ンダー を用 いた。 カルチ の操作 は発根 に際 し重要な操作 であ り、実用的な前培菱 ャーボ トルで培養 した場合 の通気膜 (ア ル ミ箔 のふ たに 直径 5mlnの 通気膜 を 3個 つ けたもの)の 影響 について、 期間は 4週 間であると思われた (表 3、 図 2)。 (3)培 菱時 における通気膜 の効果 通気膜 があるものは、ない ものに比較 して、シュー ト 増殖開始 lヶ 月後増殖状態、葉色、 ビ トリフ ィケーシ ョ の葉色が非常に良 く、また ビ トリフ ィケーシ ョン も見 ら ン等 を調査 した。 (4)増 殖時における継代期間 とバ クテ リアの発生 れず良質な苗 が得 られた ことか ら、通気膜 の効果 が認 め 供試品種 はアイ ス ター・モー プを用 いた。増殖 時にお られた (表 ける継代期間の違 いがバ クテ リアの発生や植物 の生育 に (2)、 時間 日長で行 つた。 (3)、 図 3)。 (4)増 殖時における継代期間 増殖時 における継代間隔を 4週 間 (慣 行 )と 8週 間 で 及ぼす影響について調査 した。 なお、試験 (1)、 4、 (4)の 培養条件 は、23℃ 16 調査 した ところ、4週 間では内生菌 と思われ るバ クテ リ アが発生 しなかつたのに対 し、8週 間では部分的 なもの -255- 東 北 農 業 研 究 第 を含 めると供試 したほ とん どにバ クテ リアの発生がみ ら 5)。 表2初 代培養 における供識 材料 のステージの検討 これ らのパ クテ リアが発生 したボ トルでは 趣 1 -2 ィb函 絶 3 -地 継代期間 として、4週 間程度が適 していると思われた。 4 4 … 28 ― 花冠栓」効裁 %α 時 的 州敏 鯛 胸 総 9 申 姿聟 … 著く "らゆ始め 0 4 4 Ю 最終的に褐変枯死す る個体が多か つたことか ら増殖 時の ′的 れた (表 55号 (2002) 141745D 420 24 17 12鯛 まとめ ス ター チ スオ リジナル 品種 「アイ ス ター」 シ リーズに ついて、初代培養 の材料、発根前における前培養、通気 図1花 穂 と 1芽 に分解 した小花 膜 の使用や継代期間を検討することによ り、効率的な種 表3発 根における前培養 の効果 苗 の増殖法 と順化育成技術を確 立 した。 この技術 を用 い た種 苗生産がす でに (社 )岩 手県農産物改良種苗 センタ ― ー で行われてお り、現在までに約 6111Xl株 を現地に供給 1 - 2銅 3増 しているが 、 この手法による変異は今 の ところ見 られて いな い。 ・ ・ 条牛 8囃 (9 ―田る 期 孵 観 卿 駒 →綱 艶 岬 編 湘 激 朔 )→ 翻 艶 瓢 瓢 躙 わ ク脅 瓢ゆ 翻 m ttD聞 m ttη 閲 引用文献 1)(財 )岩 手生物 工学研究センター 1998 研究成果集 P6‐ 7 図2 表 1「 アイスターJシ リーズの増殖及』頂化法 発根状況 (左 供試品種 試験区 3、 右 試験 区 1 ロー ジー ピンク) 表4増 殖時における通気膜 の効果 離 ちり И 4“ “聯 炒 … 避認め 時 いい数 耀滉り惣 l・ 難 詢 ダ 側 フ″‐シ ●ス詢 檬 (れ 欄 ◎ o△ 雄 "レ 麒 助 掬 れ れ a501 64360 5 1 1 4 1 t 1,こ ■ノJ物 際」 ‖■ ガ `魚 (・/・ J溜 翅壺露撼駿 ― Zヽ 電車 ´え ヽ ∼ 認 対"馘調 ジ ェー核 秦 勉 恭 ■硼 匙 だ 々 卦 lあ勧 愧 グ 蛯 К 猟 錮 剰 郎 りこ瀞 耐 観 ψ 光 園3通 気膜 の有無 (左 QQQの QQQ⑤ QQ⑥ 1-ル , 冽 鰤 動 嚇 蛯 ― 四 Q畑 鼎月 日長 螂 残 機 維 勝 讚 憲 φ師 肉 旧側 レ リ ウ轟 嘲 滲 ´研他 を申 ∼ な し、右 あ り) P 表5培 養時における継代間隔 とパ クテ リアの発生状況 (バ 4週 間 8週 間 バ クテリア発生状況 クテリアによリシュート部分が褐変 した個体/全シュー ト) 911∝ (79/79 0 0 lb∝ (7/7) 5box(25/45) 3box(22/27) *供 試数はカルチャーボトル 9box(79シ ュー ト) -256-