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教員紹介 - 京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

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教員紹介 - 京都大学 大学院経済学研究科・経済学部
Graduate School of
Economics and
Faculty of Economics,
Kyoto University
京都大学大学院 経済 学 研究 科・経済 学部
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 TEL.075-753-3400 FA X.075-753-3492
京都大学
大学院経済学研究科・経済学部
URL http://www.econ.kyoto-u.ac.jp
2 0 1 5
03 経済学部・経済学研究科の歩み
04 ご挨拶
05 経済学部
13 大学院経済学研究科
18 学生・院生の活躍
19 アカデミック・カレンダー
21 国際交流
23 研究/教育推進
25 附属センター
27 附属組織
29 共同研究講座
31 同窓会
32 フェロー制度/社会連携
33 教員紹介
42 アクセス
1
2
京都は歴史的に日本文化の中心地であり、
今なお多くの伝統産業が盛ん
カリキュラムを提供しています。
また、早くから少人数教育を重視しており、
である一方で、
世界屈指のハイテク産業をはじめとする多くの革新的な企業
入門演習、2回生演習、3・4回生演習と、全ての学年に対してゼミナールを
①京都大学 経済学部 Faculty of Economics, Kyoto University
を輩出し、
今日では世界のイノベーション・センターとしての地位も確立して
開講しています。
近年では、
学術交流協定を締結し授業料が免除される海
②京都大学 大学院経済学研究科 Graduate School of Economics, Kyoto University
います。
また、
京都は世界有数の大学の集積地域であり、
40校以上の大学
外の大学への留学も盛んです。
本学部の卒業生は、
大学院へ進学して研究
①1919年(大正8年)5月 ②1953 年(昭和28年)4月
で16万人もの学生、
それに7000人を超える外国人留学生が学んでいます。
者を目指す人から、
内外の民間企業や官公庁に就職し、
国内のみならず海
学 生 数
①1,149名
②257名
京都大学経済学部は、東京大学経済学部と同じ1919年に設立され、
日
外においても経済の第一線で活躍する優秀な人材を多く輩出しています。
入 学 定 員
①240名
②44名
本の大学でも最も長い歴史を持つ経済学部の一つです。
『貧乏物語』
や数
1953年に設置された大学院経済学研究科には、現在では250名以上
修 業 年 数
①学士課程4年
②修士課程2年 博士後期課程3年
多くの漢詩などで名文家としても著名な河上肇は、本学部の最も初期の
の大学院生(うち100名近くが海外からの留学生)が在籍しており、5年間
卒業/修了要件
①学士課程124単位
②修士課程30単位(修士論文要)
学位授与数累計
①学士22,650名
②修士1,693名 博士981名
教 員 数
57名(併任を含む)
所 在 地
京都大学吉田キャンパス
(京都市左京区吉田本町)
基本情報
正 式 名 称
設 立
(2015年3月現在)
経済学研究科・学部は、
人間性豊かで、進取の気性に富み、
創造性に溢れた学生の皆さんに対して、
教授陣の一人でした。
その後の高田保馬、柴田敬、青山秀夫は、
日本にお
一貫教育で経済学博士の学位取得を目指します。研究科では、
まずコア
ける近代経済学の
「京都学派」
とも称されるユニークな業績を残しました
コースと呼ばれる基礎科目と、6つのコースに配置された多様な専門科目
(Takashi Negishi, “Kyoto School of Modern Economic Theory”,
を提供し、経済学の理論分析と実証分析をマスターした後、論文指導委
The Kyoto Economic Review, 73-1, 2004)。
日本の数理経済学を世
員会による指導の下、学位論文の完成を目指します。
また、2009年に設
界水準にまで高めた一人である森嶋通夫は、青山秀夫の門下生でした。
置された
「東アジア持続的経済発展研究コース」
では、世界各国から優秀
比較制度分析という新しい領域を開拓したことによって、世界の経済学界
な学生を募り、原則として英語で講義を行っています。
に大きな影響を与えた青木昌彦は、1969年から1977年まで京都大学の
本学部には、55万冊もの蔵書を誇る経済学部図書室や、Wi-Fiを通じ
経済研究所で教鞭をとっていました(青木昌彦『スタンフォードと京都の
てデータベースや電子ジャーナルにアクセスできるなどの知的インフラが
あいだで』1991年)。
整備されており、経済学の勉学を行うために最も相応しい環境が提供さ
現在、本学部で教育を担当している50名以上の教員は、経済学の各領
れています。私たち経済学研究科・学部は、人間性豊かで、進取の気性に
域を最先端の水準で研究し、
それらを教育に還元しています。
われわれの
富み、創造性に溢れた学生の皆さんに対して、常に門戸を開いています。
強みは、京都という地域に相応しい
「伝統と革新」、
そして本学部の先人た
ちによって共有されてきた
「リベラルな知的雰囲気」
にあります。
こうした強
みを生かした高い水準の業績により、本学部の教育と研究は、
内外より高
い評価を受けております。
経済学部には、1000名を越える学生が在籍しており、入門科目から専
門科目へと積み上げて履修していく深い専門性と、各科目を4つのコース
常に門戸を開いています。
に分類し隣接科目も柔軟に履修できる広い学際性を兼ね備えた体系的な
岩本 武和
経済学研究科長・経済学部長
経済学部・経済学研究科の歩み
History
沿 革
明治 30(1897) 京都帝国大学設立
33(1900) 経済学第一講座財政学の設置
大正 4(1915)「経済論叢」創刊
8(1919) 経済学部創設
15(1926) The Kyoto University Economic Review
(後にThe Kyoto Economic Reviewと改称)創刊
昭和 24(1949) 新制京都大学設置
28(1953) 大学院経済学研究科設置、
2専攻(理論経済学・経済史学、経済政策学)
34(1959) 学部を経済学科、経営学科に再編
37(1962) 経済研究所設置
16(2004) 国立大学法人京都大学となる
18(2006) 経営管理大学院と公共政策大学院の設置
組織経営分析、現代経済学を統合、現代経済・経営分析とする。
(研究科は3専攻となる)
20(2008) 研究科の3専攻を経済学専攻に統合
21(2009) 学部の2学科制を廃止し、経済経営学科に統合
研究科に東アジア国際人材開発コースを設置
22(2010) 上海センターを東アジア経済研究センターと改称
研究推進支援室、企画戦略室を設置
38(1963) 研究科に経営学専攻を設置
23(2011) 調査資料室を経済資料センターと改称
47(1972) 法経新館(後の法経済学部本館)
を建設
24(2012) 京都大学アジア研究教育ユニット
(略称:KUASU)
の発足に伴
59(1984) 経営学科が大講座制に移行、順次大講座化
外国人留学生特別選考開始、3年次編入開始
63(1988) 論文入試導入
平成 4
(1992) 卒業論文を開始(選択制)
い、KUASU経済分室が開設
東アジア国際人材開発コースを東アジア持続的経済発展研究
コースと改称
26(2014) 共同研究講座「自然資本経営論講座」
「 再生可能エネルギー経
7
(1995)「経済学叢書」刊行開始
済学講座」
「エネルギー政策講座」
を開設
9(1997) 研究科を4専攻に再編(経済システム分析、経済動
文部科学省スーパーグローバル大学創成支援事業による
「京都
態分析、組織経営分析、現代経済学)
大学ジャパンゲートウェイ構想」
に人文社会科学系サブユニット
10(1998) 研究専念期間(サバティカル)制度の導入
12(2000) プロジェクトセンターを設置
3
13(2001) 法経総合研究棟竣工(のち法経済学部東館)
14(2002) 上海センター開設
主幹部局として参画
27(2015) 事務部に国際連携推進室を開設
4
Faculty of
Economics,
Kyoto University
経済学部
教育理念
アドミッションポリシー
経済学部の教育理念は、真理の探究を通して、現在の社会が直面し
経済学の研究対象である経済活動は、人間が生きていくためにもっ
ている様々な課題の解決を目指し、激動絶え間ない現代社会の平和
とも基本的なものです。私たちが毎日生活しているのは、多くの人々
Mission and Ideals
Admission Policy
で調和ある発展に貢献する人材を育成することにあります。
そのため
が日々経済活動を営んでいるからこそ可能となっているのです。
しか
には専門的知識の教育にとどまることなく、学生の自主的な学問へ
しその経済活動は決して単純なものではなく、産業の空洞化、雇用
の取り組みを尊重しつつ、柔軟な思考力とともに豊かな人間性を涵
問題、財政赤字、地球環境問題など、私たちが解決すべき経済問題
養することを目指しています。
が、次々と新たに発生し、複雑性を増しています。
経済学は効率と合理性の価値を教える学問でもありますが、
しか
このような状況を前にして、経済学の課題を解決するためには、即効
し、その価値は、同時に人間的価値、地球社会の繁栄、人びとが協
性のある個々の断片的な知識をつめこむよりも、
どのような事態に
力し合う社会と両立しなければなりません。
しかも、社会の諸問題
なっても対応できる柔軟な思考力と創造性を備えることが、
むしろ重
は複雑高度化しているから、確かな専門的基礎知識の教育も重要
要であると私たちは考えています。
であります。
本学部は、大正8(1919)年に創設された、
日本でもっとも古い伝統
そのため、経済学部では系統的で多元的なカリキュラムを整備して
を誇る経済学部のひとつですが、
この長い歴史を通じて、基礎的な
教育にあたるとともに、演習を重視して個人指導および集団学習を
科目の教育を充実すると共に、絶えず新しい分野の学問を教育する
おこなっています。
また、
日本国内に限らない背景をもつ学生を多数
ことを心がけ、社会経済の激動に柔軟に対応し、解決策を発見、創
受け入れ、国際的視野のもとで教育にあたっています。教育活動の
造できる人材を育成することを目標としてきました。そして現にわが
全体を通じて、時代の進展に対応した専門基礎学力を備えさせると
学部は、学界、官界、産業界などで、
このような能力を持つ多くの人
ともに、豊かな人間愛、人権感覚を備え、公正を求める廉潔な姿勢と
材を輩出してきたと自負し、
またそのような評価も受けています。
豊かな心情をもった人材の育成に努めています。
私たちは、
このような京都大学経済学部の良き伝統を継承し、
そこに
新たな歴史の一ページを刻み込む強い意欲を持つ学生諸君が門を
叩いてくれることを望んでいます。
多様な背景をもつ学生を受け入れるため、本学部では、前期日程試
験において
「一般入試」、
「 論文入試」
および「理系入試」
という3種類
の学力検査を実施しています。
これら3種類の入試すべてで、高等学
校までに十分な基礎的学力を身につけることを求めていますが、
とく
に論文入試においては、総合的な学力とともに自学自習の能力を重
視した選抜を行います。
また理系入試では数理的能力を重視した選
抜を行います。
5
6
経済学部
Faculty of Economics, Kyoto University
一学部一学科制
経済学部では長い伝統に安住するのではな
く、学部教育の改善を進めています。国内外
の経済の複雑化、企業経営の変容を踏まえ
て、
かつての二学科制を廃止し、一学部一学
科制に統合しました。京都大学経済学部は、
経済経営学科の1学科の中で、経済学・経営
学およびそれらの隣接領域で出現する先端
理論・歴史コース
政策コース
マネジメントコース
ファイナンス・会計コース
ディプロマポリシー1:経済メカニ
ディプロマポリシー2:理論的・実
ディプロマポリシー3:民間企業の
ディプロマポリシー4:高度化・国
ズムの本質について理論的・歴史
証的分析に裏付けられた実践的
コーポレートガバナンスやビジネ
際化が進むファイナンスの最新知
的に深い考察が行える能力を身
な政策提言が行えるような能力を
スデザインのみならず、NPO法人
識と、会 計のグローバル・スタン
につける。
身につける。
の設立・経営など、組織経営の実
ダードを身につける。
践的で主体的な意思決定を行え
的な専門分野に対して、領域横断的な学習
ができるようにし、
また先端的な知識も含め
科目は、平成26年度開講のものであり、専門科目には各コースに重複しているものがあります。
コース制に基づく科目履修は卒業要件ではありません。
て、幅広い知識と深い思考力を身につけるこ
卒 業 論 文
とができるように配慮しています。
専門基礎
科目
コース制
4年次
本学部では理論・歴史コース、政策コース、
マ
この表は、経済学部経済経営学科の履修モデルコースを表したものです。
る能力を身につける。
理論・歴史
コース
専目科目Ⅰ
理論・歴史
コース
専門科目Ⅱ
政策コース
専門科目Ⅰ
政策コース
専門科目Ⅱ
マネジメントコース マネジメントコース
専門科目Ⅰ
専門科目Ⅱ
ファイナンス・
会計コース
専門科目Ⅰ
ファイナンス・
会計コース
専門科目Ⅱ
特別科目
演習
・経済数学1
・アジア経済史
・日本経済論
・ヨーロッパ経済論
・経営史
・計画理論
・経済数学1
・会計監査論
・ミクロ経済学2
・経済数学2
・ヨーロッパ経済論
・公共経済学
・比較経済システム論
・日本経済論
・意思決定論
・経済数学2
・原価計算論
・マクロ経済学1
・社会思想史
・国際金融論
・社会政策論
・世界経済論
・組織経済論
・経営情報論
・国際経営史
・国際会計論
・マクロ経済学2
・経済学史
・国際経済学
・農業経済論
・国際金融論
・開発経済論
・国際経済学
・行動経済学
・計画理論
・民法第一部
・社会経済学1
・日本経済史
・金融政策
・行動経済学
・国際経済学
・比較経営論
・労働経済論
・ファイナンス工学
・意思決定論
・民法第二部
・社会経済学2
・欧米経済史
・現代経済思想
・開発経済論
・市場経済移行論
・国際経営史
・産業組織論
・証券投資論
・経営情報論
・民法第三部
・経済史1
・公共経済学
・公共政策論
・情報処理論1a~1b
・労働経済論
・ITビジネス論
・医療経済学
・派生証券論
・国際金融論
・商法第一部
・経済史2
・比較経営論
・医療経済学
・情報処理論2a~2b
・地域産業論
・財務会計
・市場構造と企業戦略
・保険論
・国際経済学
・商法第二部 ・経済政策論
・農業経済論
・交通経済論
・地域開発論
・管理会計
・産業・企業成長論
・財務会計
・金融政策
・刑法第一部
・財政学
・経営史
・都市経済学
・国際農政論
・情報処理論1a~1b
・人的資源管理論
・管理会計
・人的資源管理論
・国際法第一部
・金融論
・国際経営史
・産業組織論
・租税論
・情報処理論2a~2b
・応用経済学
・情報処理論1a~1b
・オペレーション・
・国際法第二部
・計量経済学
・現代日本経営史
・市場構造と企業戦略
・金融政策
・現代日本産業論
・情報処理論2a~2b
・経済統計学
・情報処理論1a~1b
・産業・企業成長論
・公共政策論
・オペレーション・
科目、専門科目Ⅰ、専門科目Ⅱ、法学部提供科
・経営学原理
・情報処理論2a~2b
・動学的マクロ経済
・地方財政論
目、特殊講義等に区分しており、基本的に積
・経営戦略
の4コースを設けています。体系的な履修モ
デルにしたがって学習することによって専門
性を高めることができます。
このコース制は
弾力的な制度であり、
それぞれのコースの履
修成績優秀者にはコース認定を行います。
積み上げ方式
講義科目は、入門演習、入門科目、専門基礎
124単位ですが、
すべてが2単位科目になっ
3年次
み上げ方式となっています。卒業必要単位は
ています。
卒業に必要な要件
士試験に合格したものと認められ、学士の学
位が授与されます。
マネジメント
・税法
・イノベーション・
・労働法
マネジメント概論
・政治原論
・流通論
・流通論
・法社会学
・医療経済学
・環境経済論
・経営分析論
・英米法概論
・経営組織2
・交通経済論
・イノベーション・
・国際経営論
・行政学
・マーケティング1
・環境経済論
・事業創成
・西洋法制史
・マーケティング2
・応用経済学
・経営分析論
・国際貿易政策
・金融法と銀行業務
・経営財務
・東アジア経済論
・国際経営論
・信託法の理論と実務
・会計学1
・現代日本産業論
・事業創成
・国際企業取引の
・会計学2
・動学的マクロ経済
・国際貿易政策
・国際貿易政策
マネジメント概論
実務と法
・生命保険の実務と法
・国際貿易政策
2年次
して、以下に定める単位を取得した人は、学
・行政法第一部
・職業指導
分析
4年以上在学(3年次編入学者は2年以上)
・憲法第一部
・憲法第二部
(独、
仏、
中、
韓・朝、
西)
・財政政策論
・経営組織1
分析
マネジメント
全コース共通科目
法学部科目
・ミクロ経済学1
ネジメントコース、
ファイナンス・会計コース
・外国経済書講読
特殊講義
2回生
演習
卒業に必要な単位数は124単位以上です。
専門科目を84単位以上取得しなければな
りません。
卒業論文(選択)の合格者には6単位が認
1年次
そのうち全学共通科目は40単位以上、学部
入門科目
[ミクロ経済学入門、マクロ経済学入門、社会経済学入門、基礎統計学、経済史・思想史入門、現代経済事情、経営学入門、会計学入門、情報処理入門 ]
入門演習
全学共通科目
められます。
7
8
経済学部
Faculty of Economics, Kyoto University
自学自習の伝統
留学生支援室
自学自習の精神を実効あらしめるためには、設備の充実も重要で、地
経済学部・経済学研究科に在学する留学生を支援するため、法経東
下1階にコンピュータ室を設け改善をはかっています。
また、10室ある
館309号室に留学生支援室を設置しています。
演習室は、空き時間を、学生の自習、議論の場として開放しています。
留学生支援室で行っている支援は、授業関連の支援(授業内容案内、
文献検索方法や勉強方法の相談、
レポートの日本語チェックなど)、事
務手続きの支援(受講登録、諸手続き補助、奨学金案内など)、その
他、学内施設案内、入管文書説明、就職活動相談などです。
また、閉室となる春・夏・冬休み期間中でも、
メールでの質問・相談を受
け付けるなど、広く柔軟な支援体制で、留学生の支援を行っています。
演習の重視
京都大学経済学部では、
創立以来、
演習(ゼミナール)制度を重視し、
少
人数の学生と担当教員による対話型学習システムを築いてきました。
演習(ゼミナール)では、担当教員の指導のもと、少人数の学生同士
で様々な具体的テーマについて報告・討論しながら、問題の本質を
捉え明らかにする思考力と創造性を養います。
また、
自発的な参加意欲や勉学意欲をつちかい、
コミュニケーション
能力を高めることができます。
1回生の入門演習に続いて、2回生演
学部優秀卒業論文の顕彰
習、3・4回生演習が開設されていて、少人数教育を毎年受けられるよ
うにしています。
経済学部は必修科目を設けていません。
自由闊達な勉学を奨励すると
いう方針だからです。卒業論文も選択制です。
2010年度からは優秀な卒業論文を顕彰する制度を設け、
より多くの
学生が卒業論文に取り組むことを推奨しています。
(2013年度、2014年度優秀卒業論文→P18)
オフィス・アワー
原則的に全教員が研究室で学生に面会し、個別的なガイダンスをお
こなうためのオフィス・アワーを設けています。授業についての質問を
したり、学習への助言を受けたり、
またゼミ生などが論文指導や生活
指導を受けるために用いることができます。
学習支援
教育の前提として学生の生活上の安全と支援、教育面での相談など
についても情報を提供し
(学生安全ハンドブック/Student’s Safety
Handbook)、窓口
(学生委員会など)
を開設しています。
相談室
2013年度より、経済学部・経済学研究科学生、大学院生を対象と
した相談室を開設しました。学生生活を送る上で、困ったこと、悩み
等の相談を随時受けています。
9
10
経済学部
Faculty of Economics, Kyoto University
経済学部在籍学生数
寄附講義
2010年度
現代経済はますます複雑な金融制度を生み出しながら変動しつつ発展しています。その複雑な
動態を理解するためにも、原理についての知識だけでなく、各種産業や商業の経済活動の実態の
理解やプラクティカルな知識がますます重要になってきています。
2012年度
2013年度
2014年度
982
989
974
937
建設業
5
5
0
0
3
女
201
191
193
211
218
製造業
39
37
44
41
54
1,166
1,173
1,182
1,185
1,155
電気・ガス
10
10
7
11
6
情報通信業
23
23
18
19
23
運輸・郵便業
11
13
11
8
15
卸売・小売業
14
23
25
19
19
金融・保険業
45
49
55
62
65
4
4
3
2
4
学部卒業後の進路
きな意義があり、多くの学生が強い関心をもって聴講しています。
◆三井住友銀行寄附講義「投資銀行業務とグローバル戦略」
◆みずほフィナンシャルグループ寄附講義「先端バンキング論」
◆日本投資顧問業協会・投資信託協会寄附講義「アセットマネジメントの実務と法」
◆農中信託銀行
(農林中金バリューインベストメンツ)
寄附講義「企業価値創造と評価」
◆京都銀行寄附講義「京都経済論」
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
就職
190
197
217
209
244
進学
32
26
19
23
20
受験準備
25
17
12
17
15
その他
5
13
10
9
12
252
253
258
258
291
合計
農中信託銀行寄附講義「企業価値創造と評価」開講にあたり
2014年度から農中信託銀行(2015年度からは農林中金バリューインベストメンツ)
の寄附講義が始まった。講義名は
「企業価値創造と評
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
がこの寄附講義に込められている。2014年度は京都企業5社(オムロン、
日本電産、堀場製作所、島津製作所、
ワコール)
にお願いした。世
京大経済学研究科
界的な競争力を有した企業が、
いかにして事業展開をし、成長し、
日本経済に付加価値をもたらしているのか。
その一端を知ってもらえれ
不動産業
学術研究・専門技術サービス
21
19
28
10
16
飲食・宿泊
0
0
0
2
0
教育・学習支援業
3
3
2
5
6
14
8
17
23
16
1
3
7
7
17
公務員
サービスその他
主な就職先(2013年度)
卒業者進学先
価」
である。エクセレントな企業について、
そのトップ経営者(会長もしくは社長)
の生の声を経済学部の学生に聞いてもらえればとの思い
2013年度
伊藤忠商事/SMBC日興証券/大阪国税局/関西電力/京都銀行
京都市役所/京都府庁/厚生労働省/国土交通省/住友商事/住友生命保険
14
13
9
11
10
京大経営管理大学院
4
5
2
0
ばとの思いである。
ついでに、エクセレントな企業の株式に投資するために、投資家として意識し、実行すべき基本を学んでもらえればと
2
東大経済学研究科
3
0
1
4
考えている。
1
日本商工会議所/日本証券取引所/日本生命保険/日本放送協会
一橋大学経済学研究科
1
0
0
1
0
野村総合研究所/野村證券/丸紅/みずほフィナンシャルグループ/みずほ銀行
しかしながら、学生諸君には社会経験がないので、
エクセレントな企業の経営者の思いや行動の真意がどこにあるのか、多分、本当のとこ
一橋大学商学研究科
2
0
0
1
ろは理解できないだろう。一方、
そのような経営者と直接会う機会は、実のところ、若手の社会人にとって皆無に近い。必要と感じた時には
0
阪大経済学研究科
0
0
0
0
なかなか会えないのである。
ということで、学生として経営者の声を聞き、印象を頭の片隅に留めておいてもらえればいいのではないか。
1
京大法科大学院
2
1
0
講義の記憶が、社会人となった時に何らかの役に立つ。
つまり、
この講義は長く効くものだと、真面目に想定している。
0
0
東大法科大学院
1
0
0
0
0
阪大高等司法研究科
0
1
0
0
0
その他法科大学院
0
0
1
0
0
京大公共政策大学院
1
1
3
1
1
京大その他大学院
2
2
2
5
2
東大その他
1
1
1
0
0
教授 川北英隆
11
2013年度
965
ています。寄附講義の講師はおもに実務の第一線で活躍する方々が担っており、
ときには会長や
取締役にも出講いただいています。授業を通じての実務家との接触は人材育成という点からも大
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
男
合計
そこで経済学部では、寄附講義として学外の専門実務家の方々を招いて実践的な講義を開設し
2011年度
卒業者就職先
阪大その他大学院
1
0
0
0
0
その他大学院
0
1
0
2
1
医学部進学
0
1
0
0
0
商船三井/信金中央金庫/総務省/財務省/デロイト トーマツコンサルティング
東京海上日動火災保険/トヨタ自動車/日本テレビ放送網/日本銀行
三井住友銀行/三井住友信託銀行/三井物産/三菱商事/三菱東京UFJ銀行
メリルリンチ日本証券/あずさ監査法人
12
Graduate School of
Economics,
Kyoto University
大学院経済学研究科
教育理念
アドミッションポリシー
経済学研究科修士課程では、研究者を目指す人に対して、授業およ
日本で最も古い伝統を誇る経済学研究科の一つである京都大学大
び修士論文作成を中心にした個人指導により、経済学と関連領域の
学院経済学研究科は、大正8年(1919年)
の創設以来、経済学分野
Mission and Ideals
Admission Policy
蓄積を継承させ、研究に必須の基礎学力および分析能力を身に付け
における教育研究の一大拠点として活動を続けてきました。
させることを目標としています。
博士課程5年一貫の教育・研究を通して、経済・経営における諸活
博士後期課程では、
自由と自主を尊重する学風のもと、修士学位を
動を、科学的に分析し、財政、産業、雇用、経営、金融、地球環境など、
取得したのちに博士学位(経済学)の取得を目指す人に研究の場と
現在の日本が抱える諸問題に対して、本質的な解決策を提示しうる
指導を提供し、経済学の先端的課題や経済社会の諸問題に果敢に
研究者の養成を行ってきています。
挑戦し、社会の期待に応えられる研究者を養成することを目的とし
激動する今日的環境において、経済学の最先端を切り開き続けるた
ています。平和かつ豊かで調和ある地球社会とその輝かしい未来の
めには、即効性のある個々の断片的な知識を詰め込むよりも、過去
構築に寄与するという、わが国の学術の崇高な理念に照らして、経
に例のない様々な種類の問題に対して創造的に対応できる以下の
済学という学問の知恵、知識、技術を通じて現代社会の様々な課題
ような能力が必要であると考えています。
に貢献することのできる創造的能力をもった専門的人材を育成する
●論理的合理的な思考力
ことが研究科の教育の基本理念です。
●自ら問題を発見し解決しうる能力
この理念を実現するために、わが研究科では多様で高度な専門能力
●個性と独創力
をもつ教員を擁し、経済哲学から理論、歴史、政策、応用経済学、経
●卓越した知を継承しうる創造的融合能力
営・会計学等の諸分野にわたる幅広い教育をおこなっています。多
私たちは、
「 学問の自由と自主独立」
という良き伝統を踏襲しつつも、
元的な研究方法と多様性に富む研究課題も尊重されています。研究
日本、世界の経済学における未踏の難関に挑戦し続ける気概のある
科では、多数の演習とワークショップを設け、諸外国や学外からも多
人材を求めています。
数の研究者を招き、様々なプロジェクトをおこなっていますが、大学
院生は個人指導を受けるほかにそれらにも積極的に参加して研究
能力を高めています。
こうした経験を通じて、広範な知識と、専門家
としての論理的かつ独創的な分析力を備え、国際的な視野をもち、
今日の社会の複雑で多様な要請に応える創造的・開拓者的な研究
者へと成長することが望まれます。
また、研究科を修了する多くの人
は、将来、教育・学術・その他の分野において指導的役割を果たすこ
とが期待されているので、公正で寛容、かつ人間愛豊かな人格を磨
くことも目標の一つです。
13
14
大学院経済学研究科
Graduate School of Economics, Kyoto University
修士課程・博士後期課程
東アジア持続的経済発展研究コース
大学院教育の中軸は研究者養成であり、5年一貫の研究者養成をおこなっています。
International Graduate Programme for East Asia Sustainable Economic Development Studies
修士課程(博士前期課程)
では、科目を基礎科目、専門科目、特別講義に分類し、基礎科目と専門
科目の履修モデルとして6つの専門コースを設け、各コースで履修すべき基礎科目と各コースに分
本コースは英語を共通言語とした秋入学の大学院プログラムであり、
類される専門科目を提示しています。博士後期課程では、大学院生ごとに複数の教員による博士
日本および東アジアの経済について多角的・学際的・国際的な視点か
論文指導委員会がつくられ、3年間で博士論文を作成できるように個別指導をおこなっています。
ら研究し、同地域に生起する社会経済的諸問題の実践的解決と持続
また、研究状況に応じて発表を行うとともに高度な討論切磋琢磨の場を設けるために「ワーク
的発展に資する学術研究者および実務エコノミストを養成することを
ショップ」
を開設しています。
目的としています。
本大学院で、修士の学位を授与された人は、2015年3月現在で累計1693名、博士の学位を授与
修士課程(2年)
・博士後期課程(3年)の計5年間のプログラムで、
された人は、累計981名に達しています。その多くが研究者となって大学やシンクタンクで研究職
2013年から日本人にも門戸を広げています。
に就き、内外の学界で活置しています。
本コースに所属する学生は、
アジアを中心に世界各地の出身者で構成
また、2009年度から、英語を共通言語とした秋入学の大学院プログラムとして
「東アジア持続的
されています。
また、海外からの招へい研究者による講義も提供される
経済発展研究コース」
をスタートし、
日本および東アジアの経済について多角的・学際的・国際的
など国際的な環境の中で学修することができます。
(参考)東アジア持続的経済発展研究コース 志願者・入学者数推移
60
出願者数
50
●
入学者数
40
30
20
10
0
●
●
●
2009年度
2010年度
2011年度
●
●
2012年度
●
2013年度
2014年度
な視点から研究し、同地域に生起する社会経済的諸問題の実践的解決と持続的発展に貢献でき
る学術研究者および実務エコノミストの養成を行っています。
修士課程
(2年)
■インターンシップ・ワークショップ
博士課程
(3年)
究分野の壁を越えた人々との交流を持つことができます。
ワークショップ
近代経済学応用コース
経済政策コース
また学生は、大学院生ワークショップ科目を履修し、国内外で研究発表を行うこ
とが推奨されています。発表の経験を積むだけでなく、様々な分野の著名な研究
者や海外の学生と交流を持つ機会ができます。2013年度はドイツ及びオラン
基礎
科目
専門
科目
ダに2週間滞在し、両国の大学において英語による研究発表、農場見学や
修士
論文
経営学・会計学コース
NGO・労働組合等への訪問調査を行いました。
このほか、東アジア諸国で実施
博士論文
する海外フィールド調査も履
ドネシアの 各 国 で 実 施した
基礎 専門
科目 科目A
修士
論文
国際交流プログラム
専門科目A・B
博士論文
フィールド調査や短期研修プ
ログラムに多数の学生が参加
しています。
エラスムス大学でのワークショップの様子
■フィールドリサーチ
また、経済学研究科は、2014年9月にタイ派遣国際交流(フィールド調査)
プロ
グラムを実施しました。講義とフィールドワークの二本柱で構成され、最終的に
は相互が有機的にリンクして学びが深まるようにカリキュラムが組まれているの
が特徴です。
タイ派遣プログラムでは、本学より経済学研究科をはじめとする3研究科、1学部
から10名の学生が12日間の日程で派遣されました。
タイ王国の現状を全般的
に捉えるため、講義を受けるだけではなく、
バンコク近郊では工業団地などで聞
き取り等調査を行ったほか、
プーケット県では知事と面会し、廃棄物処理NGO
や農場を訪ねるなど、現場を見
る機会が多く設けられました。
一方、バンコクではタマサート
大学、
チュラロンコーン大学の
Field Research in Japan A / B
Research Design A / B
Introduction to East Asian Economies
Firms and Industrial Organization in Japan
Microeconomics
Macroeconomics
Econometrics
Political Economy
Comparative Industry Policy Studies
Comparative Business Ethics
Academic Writing & Discussions
Introduction to Field Research Methods
Japanese Economic History
East Asian Economic History
Econometric Analysis of Asian Economies
Econometric Analysis of Developing Economies
Contemporary Japanese Industry Studies
Contemporary Chinese Economy Studies
International Political Economy of Agriculture
International Agribusiness Studies
International Finance Theory
International Trade Theory
Development Economics
Economic Development in Asia
ASEAN Economy and Sustainable Development
Comparative Development Studies
Environmental Management
Environmental Economics
International Business
Strategic Management
Global Financial Crisis and Asia
Readings on Institutional Economics
Readings on International Economics
Readings on Human Resources
Readings on Organizational Behavior
Corporate Finance and Capital Markets
Geopolitical Economy of Development
Sustainable Development and Ethics
Overseas Field Research
Internship
[ Advanced Courses B (only for doctoral programme) ]
大学院生と国際ワークショッ
プを開催し、研究発表とお互い
の意見を交換し、交流が深まり
ました。
プーケット県知事へのインタビューの様子
15
[ Basic Courses ]
[ Advanced Courses A ]
修科目として提供しています。
これまで中国、韓国、
タイ、
イン
歴史・思想史コース
東アジア持続的
経済発展研究コース
ワークショップ科目を提供しています。学生は必要に応じて、国内外の国際機関
やNGO等でインターンシップを行い、個々の研究分野の理解を深めると共に、研
近代経済学理論コース
社会経済学コース
東アジアコースでは、通常の専門科目に加え、
インターンシップ科目や大学院生
東アジア持続的経済発展研究コース 科目一覧
Field Research in East Asian Region A (China)
Field Research in East Asian Region B (South Korea)
Field Research in East Asian Region C (ASEAN)
International Graduate Student Workshop
Case Studies in East Asian Economy
16
大学院経済学研究科
Graduate School of Economics, Kyoto University
大学院経済学研究科在籍学生数
2010年度
修士
課程
博士
後期
課程
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
男
62
63
81
85
71
女
18
24
36
42
39
計
80
87
117
127
110
男
102
86
92
97
113
女
37
32
31
30
34
計
139
118
123
127
147
219
205
240
254
257
合計
修士課程修了後の進路
優秀卒業論文
2014年度卒業論文の中から、特に優れた卒業論文1編に優秀卒業論文賞が顕彰されました。
矢田 敦士
「貿易における企業のadaptabilityの重要性:消費者嗜好の不確実性の導入」
2013年度京都大学経済学部優秀卒業論文
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
博士課程進学
学 生 ・ 院 生 の 活 躍
2013年度
24
15
18
19
23
大学及び研究機関
0
0
0
0
0
官公庁関係
1
0
0
2
1
企業
5
14
11
11
24
その他
1
2
4
9
3
帰国
2
2
2
0
4
合計
33
33
35
41
55
妹尾 暁彦
「動学的マクロ経済学による銀行行動の研究―金融市場の外部性とリスクテイクの評価―」
星田 佳祐
「人口減少が経済成長に与える影響について―内生的成長モデルによる―」
宮﨑 俊亨
「「いちば」
を超えて―変革期の京野菜に見る都市農業再編主体に関する考察―」
山本 尚忠
「保有ポートフォリオを考慮したクリエイティブサービス価値の持続・向上施策」
ケヴヘイッシュウィリ・ルースダン
博士後期課程修了後の進路
2013年度優秀卒業論文賞表彰式の様子
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
大学及び研究機関
2013年度
18
28
19
12
15
官公庁関係
2
1
0
0
0
企業
3
5
1
4
2
その他
「マルコフ転換モデルによるバブル期の分析」
15
6
8
8
3
帰国
0
1
1
2
0
合計
38
41
29
26
20
Students' VOICE
北川 亘太さん(大学院経済学研究科博士課程3年)
2014年11月、
キプロスにて開催された欧州進化政治経済学会(EAEPE)第26回大会において、EAEPE-Simon Young Scholar
Prize 2014を受賞しました。
この賞は若手研究者の最優秀報告に与えられる賞で、
日本人としては初めての受賞です。
学位(課程博士・論文博士)授与状況
またこの受賞により北川亘太さんは、顕著な活躍で京都大学の名誉を高めた学生および学生団体を表彰する「京都大学総長賞」
の平成26年度受賞者となりました。
課程博士
論文博士
合計
2008年度
33
10
43
私は,官庁で務めた経験から,国家と民間団体との関係に興味をもっていま
2009年度
27
7
34
す。近年,政労使の関係が変化しつつある国がドイツです。
この変化は,
どのよ
2010年度
22
5
27
うな経済的・政治的駆引きや創意工夫によって引き起こされているのか? 私
2011年度
33
8
41
は,
ドイツ・ゲーテ大学留学中に,
こうした経済構造,労働法,政治力学が絡まり
2012年度
23
9
32
合う変化を解きほぐす機会に恵まれました。立場と専門の異なる当事者や研究
2013年度
12
2
14
者たちと対話しながら,社会的に意義のある示唆を引き出そうと努めました。
そ
2014年度
24
6
30
の成果が受賞というかたちで当のヨーロッパの人々に評価されたことを,大変
名誉に思います。宇仁宏幸教員,黒澤隆文教員,徳丸夏歌教員の包容力あるご
主な就職先(2010年度から2013年度)
大阪産業大学/中央大学/大阪大学/帝塚山大学/京都大学/東京都市大学
金融庁/(独)
日本学術振興会/熊本学園大学/日本銀行
(独)経済産業研究所/(社)
日本経済団体連合会/滋賀大学
(株)日本政策投資銀行/首都大学東京/阪南大学/椙山女学園大学
指導,事務の方々のご支援に感謝いたします。
[報告タイトル]
General statutory minimum wage debate in Germany:
Degrees of political intervention in collective bargaining Autonomy
広島修道大学/成蹊大学/福岡大学
17
18
Academic Calendar
アカデミック・カレンダー
4
April
5
May
●入学式(4/7)
6
June
●創立記念日(6/18)
7
July
8
August
●夏季休業(8/6~9/30)
●入学ガイダンス
学部・大学院共通
9
September
●前期科目
成績開示
10
October
●後期授業開始
●後期科目履修登録
●前期終了(9/30)
●前期授業開始
11
November
12
December
●冬期休業
(12/29~1/3)
1
January
2
February
3
March
●大学入試センター試験
(1/15 準備のため授業休止)
●後期終了(3/31)
●後期試験期間(1/25~1/29)
予備期間( 2/1~ 2/5)
●卒業式(3/24)
●11月祭
(11/20~11/24 授業休止)
●前期科目履修登録
●定期健康診断
●前期試験期間(7/23~7/29)
予備期間(7/30~ 8/5)
●2回生演習・演習参加申込
●卒業論文提出
●学部特色入試
学部関係
●学部入学者選抜試験(2/25・26)
●外国学校出身者特別選抜
●外国人留学生特別選抜
●博士後期課程研究計画書提出
大学院関係
19
●修士論文提出
(EAコース)
●修士課程入学者選抜試験
●修士論文提出
●博士研究報告書提出
(EAコース)
●大学院学位授与式(EAコース)
●博士研究報告書提出
(EAコース)
●入学式・ガイダンス
●博士後期課程編入学選抜試験
(EAコース)
●博士研究計画書提出
●博士後期課程編入学社会人特別選抜
●大学院
学位授与式(3/23)
20
国際交流
部局間交流
留学生の受入・派遣
京都大学では全学レベルで全世界40か国・地域・機関の111大学4大学群2機関(2014年5月1日現在)
と交流協定を結んで
多くの留学生が、経済学部・経済学研究科で学んでおり、本学部学生・大学院生も海外へ留学しています。
いますが、
それ以外に経済学研究科・経済学部では、部局としての外国の大学・研究機関と国際交流協定を締結し、国際交流
学部では、留学生特別入学選考によって、正規学部生として毎年10名程度受け入れています。
また、短期(半年から1年)
の交換留学生も毎年受け入
協定の促進を図っています。
れています。2013年度では、受入国は中国が1名、韓国3名、
フランス1名、
ドイツ2名を含む計18名となっております。
さらに2015年度からは、部局間学生交流協定締結校への派遣留学生募集を一括して年に2回、秋学期出発分と春学期出発
大学院では下図のように留学生が多く学んでいます。他方、
日本人の学部学生に対し外国の大学での科目履修を認めており、2013年度では、派遣国
分に分けて行っています。協定校で修得した単位が、事前・事後の申請・審査を経て京都大学での修得単位として認められる
はドイツが5名、
中国5名を含む計で25名に達しています。
単位認定制度もあります。
国籍別在籍外国人大学院留学生数(2014年5月現在)
部局間交流協定一覧
国 名
協定校名(部局名)
協定校名(部局名)アルファベット表記
アメリカ
合衆国
ハーバード燕京研究所
Harvard-Yenching Institute
インドネシア ガジャマダ大学(経済・ビジネス学部)
Universitas Gadjah Mada (Faculty of Economics
and Business)
韓 国
慶北大学校経済(経営研究所)
Kyungpook National University (Research Institute
of Economics and Business Administration)
韓 国
慶北大学校経商大学
Kyungpook National University (College of
Economics and Business Administration)
スウェ-デン イェンシェピンク大学(国際ビジネススクール)
Jonkoping University (Jonkoping International
Business School)
◉ハンガリー 1(0/1)
◉グルジア 1(1/0)
◉トルコ 1(0/1)
◉中国 70(45/25)
◉韓国 7(3/4)
◉台湾 5(1/4)
◉米国 1(1/0)
◉エジプト 1(1/0)
2(1/1)
◉ネパール 1(0/1) ◉ベトナム
◉タイ
2
(2/0)
◉南アフリカ 1
(0/1)
◉インドネシア 3(3/0)
タ イ
タマサート大学 (国際学部)
Thammasat University (Pridi Banomyong
International College)
タ イ
チュラコンローン大学(経済学部)
Chulalongkorn University (Faculty of Economics)
タ イ
タマサート大学(経済学部)
Thammasat University (Faculty of Economics)
台 湾
国立政治大学(社会科学院)
National Chengchi University (College of Social
Sciences)
台 湾
国立台湾大学(文学院)
National Taiwan University (College of Liberal Arts)
台 湾
国立台湾大学(社会科学院)
National Taiwan University (College of Social
Sciences)
中 国
中国社会科学院(経済研究所)
Chinese Academy of Sciences (Institute of
Economics)
文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されました
中 国
復旦大学(日本研究中心)
Fudan University (Center for Japanese Studies)
京都大学は2014年度の文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されました。経済学研究科は、本学の採択事業「京
中 国
復旦大学(経済学院)
Fudan University (School of Economics)
中 国
中国人民大学(経済学院)
Renmin University of China (School of Economics) ドイツ
ヨハン・ヴォルフガンク・ゲーテ大学
Johann Wolfgang Goethe-Universitat Frankfurt
am Main
ハイデルベルグ大学
Heidelberg University (Heidelberg Centre For
Transcultural Studies And Cluster Of Excellence
"Asia and Europe In A Grobal Context")
フランス
パリ第4大学-ソルボンヌ
Universite de Paris-Sorbonne (Paris IV)
フランス
パリ・ドフィヌ大学
Universite Paris-Dauphine
ブルガリア
ソフィア経済大学
University of National and World Economy, Bulgaria
ドイツ
21
2015年2月現在
◉ブラジル 1(1/0)
合計 97
(60/37)
※カッコ内は(修士課程/博士後期課程)
都大学ジャパンゲートウェイ構想」
を構成する4分野の一つ、人文社会科学系サブユニットの主管部局として、文学研究科、農学研究科
(生
物資源経済学専攻)
とともに、欧州5大学、アジア3大学との双方向型の国際連携大学院プログラムの構築に向けて取り組みます。人文
社会科学系サブユニットの構想は、
「Asian Platform for Global Sustainability & Transcultural Studies: AGST)
」
を形成し、東・東南ア
ジア地域と欧米地域の学生・若手研究者が相互に交流するハブ
(ゲートウェイ)
として自らを位置づけることによって、
日本人学生を含む本
学学生・若手研究者を、アジア地域に立脚しながらもグローバルな視野をもってアジアと世界の持続的発展に貢献しうるグローバル人材と
して育成することにあります。
本研究科は既存の大学院国際プログラム
「東アジア持続的経済発展研究コース」
を基盤にしながら、新たに①Environmental Policy & Rural
Development Studies、②Business History & Industry Policy Studies、③International Trade & Financial Studies、④Social Policy
& Labour Studies、⑤Developing & Transition Economies Studiesの各分野で国際競争力を有する欧州3大学、アジア2大学ととと
もに国際連携共同学位
(修士・博士)
プログラムを構築します。当該分野の世界最高水準の講師陣・若手研究者を招聘し、共同研究を通じ
て大学院国際プログラムのための教材を作成するとともに、
それらを活用した共通科目の提供を進め、双方の既存科目とあわせた単位互
換を拡充するなど、大学院教育のグローバル化を深化させて行きます。
22
研究/教育推進
教員の受賞
科学研究費
企画戦略・研究推進支援室では、代表的な科学研究費への応募の促進支援を行っています。
依田 高典
▶日本学術振興会 第6回日本学術振興会賞(2010年)
研究代表として採択されている件数
「ブロードバンド・工コノミクス情報通信産業の新しい競争政策」
日本経済新聞出版社、2007年
40
▶ドコモ・モバイル・サイエンス賞 奨励賞(2007年)
▶大川情報通信基金 大川出版賞(2007年)
35
「時間選好、危険選好ならびに喫煙習慣」応用経済学研究、2007年
30
▶日本応用経済学会 第1回学会賞(2007年)
25
植田 和弘
「福祉(well-being)
と経済成長 -持続可能な発展へ」計画行政、2010年
▶日本計画行政学会論説賞(2011年)
20
15
江上 雅彦
「信用リスク管理のためのアラームシステム構築」
(山崎和俊との共著)、2009年
▶(株)金融工学研究所設立10周年記念懸賞論文入選(2009年)
10
5
0
「情報及び健康に関する消費者選好の実証経済学的研究」
佐々木 啓明
“Cyclical growth in a Goodwin-Kalecki-Marx model” Journal of Economics、2012
▶第3回経済理論学会奨励賞(2012年)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
椙山 泰生
「技術を導くビジネス・アイデア -コーポレートR&Dにおける技術的成果はどのように向上するか-」組織科学、2005年
▶第23回組織学会高宮賞(学会賞)論文部門(2007年)
主要な研究課題
武石 彰
基盤研究
(A)
植田 和弘
制度を媒介とした持続可能な発展と主観的福祉のリンケージ
基盤研究
(A)
黒澤 隆文
地域の競争優位 -国際比較産業史の中のヨーロッパと東アジア
基盤研究
(A)
諸富 徹
分散型電力システムの制度設計と社会経済的評価、
その地域再生への寄与に関する研究
基盤研究
(A)
武石 彰
日本型企業間分業の変容と日本企業の競争力
「イノベーションの理由 -資源動員の創造的正当化」
(青島矢一、軽部大との共著)有斐閣、2012年
▶第55回日経・経済図書文化賞(2012年)
田中 彰
「戦後日本の資源ビジネス -原料調達システムと総合商社の比較経営史」名古屋大学出版会、2012年
▶国際ビジネス研究学会2012年度(第19期)学会賞(単行本の部)
(2012年)
▶第16回日本流通学会賞(2012年)
成生 達彦
「情報、卸および流通経路」
(鳥居昭夫との共著)流通研究、2007年
▶日本商業学会2008年度優秀論文賞(2008年)
若手研究
(A)
川名 雄一郎
19世紀前半のイギリスにおける功利主義思想の展開 -理論と実践の相克-
若手研究
(B)
井上 恵美子
再生可能エネルギー関連イノベーションを促進する企業のインセンティブ構造の解明
若手研究
(B)
敦賀 貴之
金融危機の発生メカニズムと経済政策
基盤研究
(B)
依田 高典
電力消費デマンド・レスポンスの経済効果の実証研究
基盤研究
(B)
高野 久紀
貧困削減政策のプロジェクト設計の改善:構造推計とランダム化比較試験を用いて
基盤研究
(B)
久野 秀二
アグリフードレジーム再編下における海外農業投資と投資国責任に関する国際比較研究
基盤研究
(B)
宇仁 宏幸
J.R.コモンズ
「制度経済学」
と新発見された1927年草稿との比較分析
基盤研究
(B)
江上 雅彦
資産市場における構造変化の検出と投資理論への応用
藤井 秀樹
「会計理論の課題と研究方法 -実証研究の方法論的基礎の検討を中心に-」会計理論学会年報、2011年
▶会計理論学会賞(2012年)
「制度変化の会計学 -会計基準のコンバージェンスを見すえて」
中央経済社、2007年
▶日本公認会計士協会学術賞(2008年)
▶国際会計研究学会賞(2008年)
諸冨 徹
「私たちはなぜ税金をおさめるのか -租税の経済思想史」新潮選書、2013年
▶第23回祖税資料館賞受賞 著作の部(2014年)
「地域再生の新戦略」
中公叢書、2010年
▶日本公共政策学会賞著作賞受賞(2011年)
「金融のグローバル化とトービン税」現代思想、2002年
▶第12回祖税資料館賞受賞 論文の部(2003年)
「環境税の理論と実際」有斐閣、2000年
▶国際公共経済学会賞(2000年)
▶日本地方財政学会佐藤賞(2001年)
▶NIRA大来政策研究賞(2001年)
基盤研究
(B)
堀 和生
東アジアにおける資本主義形成に関する研究 -1930年代~1960年代を中心に-
基盤研究
(B)
菊谷 達弥
内部組織と成果主義賃金 -自動車ディーラー賃金制度の国際比較の視点から
若林 靖永
23
「顧客志向のマス・マーケティング」
同文舘出版、2003年
▶第8回日本流通学会賞(2004年)
24
附属センター
プロジェクトセンター
三井住友銀行金融研究教育センター
京都大学大学院経済学研究科附属プロジェクトセンターは、①現代産業社会活性化のためのプロジェクト型研究を組織し、
2011年10月に三井住友銀行からのご寄付をもとに、
「三井
②教育技法・教材の開発、産業社会の分析などを行うことにより、広く経済学・経営学の教育研究の向上に寄与することを目
住友銀行金融研究教育センター」
がオープンしました。
的として、2000年11月に設立されました。
センターには、
「データストリーム」
(Thomson Reuters社)
①の目的を達成するため、
「大学院教育研究高度化プロジェク卜」
を募集し、
プロジェクトセンター運営協議会で審査の上、
と呼ばれる金融・経済分析のためのデータベースを配備して
2010年度に5件のプロジェクトを採択し現在に至っています。
また②の目的を達成するため、任期付きの若手研究者の積極
います。
的登用などを進め、現在6名の専任教員が採用されております。
株価・企業財務データ・債権・金利・オプション・為替・マクロ
また、学内外の研究員や特任研究員
(シニア・リサーチ・フェロー、
リサーチ・フェロー、
ジュニア・リサーチャー)
をセンターのメ
経済データなど、約250万種類の時系列データを取ることが
ンバーに加え、国際協力機構(JICA)
や三菱総合研究所(MRI)
との共同研究をはじめとして、開かれた産官学連携活動を推進
可能です。
その際は、
エクセルをインターフェイスとして使うこ
してきました。
さらに、学外において先端的研究を行っている講師を招へいして、
「数理ファイナンスセミナー」、
「先端ファイナン
とができますので、簡単にデータをダウンロードすることがで
スビジネス研究会」、
「制度的経済動学研究会」
「金融工学理論研究会」等を開催し、
その発展と普及につとめ、
「ランチタイム・
きます。
これらのデータは、学部生・大学院生が、講義の課題
ワークショップ」
(2014年末現在で81回)
では、主として若手研究者の育成につとめております。
これらプロジェクトセンターの
に取り組む際、
また論文を執筆する際の実証研究には欠かせ
成果の一部は、
「ディスカッションペーパーシリーズ」
(2014年末現在で76本)
として公表されています。以上の研究ミッション
ないものであります。講義で得た理論的な知識をもとに、
自分
に加えて、教育相談室と共同で、新入生対象アンケート調査プロジェクトなども新たに始めました。
でデータを分析することにより、新たな問題意識や研究の着
なお、本センターの運営は、専任および兼任の教員から構成され、
月1回開催される
「プロジェクトセンター運営協議会」
が行っ
想を得る契機となる可能性もあります。
ております。
またセンターでは、研究発表やセミナーを開催するための設
備もあり、京都大学経済学研究科・経済学部における金融研
東アジア経済研究センター
究教育のひとつの拠点となるものと期待されます。
21世紀はアジアの世紀だとよく言われますが、
アジアの中では、
とりわけ中国をはじめとする東アジアの存在が益々大きくな
り、
日本経済との相互依存関係も深まる一方です。本センターは2002年に設立され、急成長を遂げる中国及び他の東アジア
諸国の経済に関する研究の実施、東アジア地域における研究ネットワークの形成、研究成果の社会への還元、
および、東アジ
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
奥 正之 取締役会長からのメッセージ
アで活躍する人材の育成を自的とした活動を展開しています。
主な活動内容は以下の通りです。
1.シンポジウム・研究会の開催
近年、経済学の果たす役割がますます重要になってきていると感じています。戦後70年を経
本センターでは年2回の定例シンポジウムを開催しています。夏には東アジア経済または中国経済、秋には中国自動車産業をテーマとするシンポ
て、
日本や世界を形作ってきた経済・社会・政治システムが制度疲労を起こして様々な問題を
ジウムを開催しています
(詳細は別項目参照)。
さらに11月に自動車産業に関するシンポジウムの開催をしました。
また、
中国経済を研究する学
生ずるに至り、新たなシステムの創造とそれへの移行が急務となっているためです。
内外の研究者や学生同士の学術交流を深めるために、
「中国経済研究会」
を年8回、
「アジア経済発展論研究会」
を年7回、
および
「アジア中古車
例えばわが国は、人口減少と少子高齢化、長期化するデフレや景気低迷、財政問題やエネル
流通研究会」
を年4回開催しました。
この他に、
中国、韓国、台湾、
ベトナムなど諸外国の協定校との国際交流セミナー、講演会、
ワークショップな
ギー問題等に直面しています。世界に目を転じても、地球温暖化対策が喫緊の課題となるとと
どを随時開催しています。
もに、各国社会・経済のグローバル化が加速度的に進行し、世界同時不況や世界金融危機な
2.情報発信
本センターでは、2013年末まで機関紙に当たる
「東アジア経済研究」
を年1回発行しておりましたが、
その後、東アジアセンター・ワーキングペー
ども発生するようになりました。
また、新興国の台頭で国際社会の多極化や無極化が進行した
パーとしてセンターのホームページにおいて電子媒体で公表しています。
また、
ニュースレターを週1回発行し、
内外の研究者や学生、
そして本セ
こともあり、世界各地で地政学的あるいは文明の衝突的リスクが高まっています。
ンター支援会会員向けに中国経済や東アジア経済に関する新しい情報を発信しています。
さらに、経済成長を目指すことに対する懐疑的な見方や、成長の果実の分配の仕方や格差の拡大を問題視する向きも増
3.人材育成
東アジア地域の経済発展、
とりわけ持続的な発展を促進するためには、人材育成が必要不可欠です。本センターは2009年からベトナム・タイか
ら若手研究者を日本に招き、市場経済移行に関する短期研修を行ってきました。
アジア自動車シンポジウム
毎年11月にアジア自動車シンポジウムが開催されています。2011年は
「現代自動車から何を学ぶか-新興圏における競争要因-」、2014
年は
「アセアン統合にいかに備えるか」
をメインテーマとして開催しています。
シンポジウムへの参加者は、海外の自動車メーカー数社の参加
えてきています。それだけに経済の舵取りにおいては、微妙なバランスが求められ、その点でも経済学の知恵が求められ
ています。
今年1月に出席したダボス会議で、2013年にノーベル経済学賞を受賞したR.
シラー・イェール大教授と会いました。彼は著書
「Finance and the Good Society」
(邦訳「それでも金融はすばらしい」)
の中で、金融は
「良い社会」
の構築に役立つものだとして
その責任を説くとともに、金融を用いた課題解決のためのアイデアを幾つか提案しています。
このように経済の血流である金融
は、経済学と密接な関係を持っています。
がみられること、国内からの参加者も、大学研究者のみでなく、
自動車業界関係者の方が多く、
自動車メーカーや部品メーカー、
自動車流通
三井住友銀行では、皆さんが経済学と金融をより深く学ぶための一助として、2011年から
「投資銀行業務とグローバル戦略」
を
関連会社、総合商社,シンクタンク等が過半を占めております。毎年約200~400名が参加
テーマに寄附講義を実施しています。第一線で活躍するプロフェッショナル達が、金融ビジネスの実務や市場のダイナミズムを
し、百周年時計台記念館百周年記念ホールを満席とすることもあります。
このように関心が
高いため、2011年からは京都だけでなく、東京(京都大学東京オフィス)
でも開催されるよ
お伝えしています。
さらに、
その寄附を基に
「三井住友銀行金融研究教育センター」が設置されました。本センターでは、我々金
うになりました。
このシンポジウムが発信する情報が貴重であるため、毎年数社の報道機関
融機関が実務で利用している膨大なデータを取得し分析することができます。
どのような理論も一つ一つのデータ、すなわち
が取材に訪れ、
これまでにNHKテレビのニュースに二度、報道されています。
また、
日本経済
Factの積み重ねの上に成り立っています。学習や研究に大いに役立てて頂きたいと思います。
そしてその過程で、
自らの論理的
新聞、
日刊自動車新聞、Japan Times等の記事においても紹介されています。
また2010年
思考力や創造力を是非磨いてほしいとOBの一人として願っています。
のシンポジウムからは、その内容が翌年に出版されるようになり、
「中国自動車市場のボ
リュームゾーン-新興国マーケティング論-」
(昭和堂)
や
「現代自動車の成長戦略」
(日刊
自動車新聞社)等として上梓されました。
25
26
附属組織
出版助成
経済資料センター
経済学研究科には図書・資料を扱う部署として、図書室のほか2011年6月に調査資料室から改組された経済資料センターが
研究科ではPDなど若手研究者の出版助成を実施しています。
あります。
当センターでは図書とアーカイブの両面から研究科の学術研究の支援を行っています。
出版助成した著作のうち、2010年度の厳成男氏「中国の経済発展と制度変化」
は、第2回(2011年度)経済理論学会奨励草を受賞しました。
また
図書室では経済学や経営学に関する学術図書・雑誌などを対象としているのに対し、経済資料センターは経済・経営の分析の
ための多様な資料を収集・提供しています。
主に政府や民間団体から刊行される統計書や白書などの報告書、
有価証券報告書
総覧、OECD資料などのほか、CD-ROMといった電子資料を扱っています。
また、経済資料や統計データなどの検索・収集に関
するレファレンスサービスや日経テレコン21、
日経FinancialQuestなどのデータベースの運用・管理を行っています。
さらに、
経済資料センターに改組されるにあたり、
従来の図書業務に加え、
京都を中心とした関西地域の企業・団体等の資料の
収集・提供等を主たる目的としたアーカイブ業務を行っています。企業・団体等の資料は一般に出回ることのほとんどない非公
2011年度の川名雄一郎氏「社会体の生理学 -J・S・ミルと商業社会の科学」
は、第1回(2013年)水田賞(名古屋大学)
を、2012年度の劉洋氏
「China’s Urban Labor Market -A Structural Econometric Approach-」
は、
第30回大平正芳記念賞を受賞しました。
2014年度は2 件を採択しました
◆ 何 彦旻 「中国の資源税」
◆ 大久保 和宣 「パーク・バレル・ポリティクス:委員会制度の政治経済学」
開のものが多く、
さらに近年、
企業の買収・合併、
あるいは組織の改廃等により、
資料の廃棄・散逸が起こっているのが現状です。
これらの内部資料は、企業や組織の事業活動の実態を解明するために、研究の基礎材料となるもので、大きな学術的な意味
をっています。現在これらの所蔵蓄積はまだ初発の段階ですが、今後事業を進めるなかで、企業・団体の協力を得ながら資料の
経済学研究科・経済学部 図書室
収集・提供を図っていきます。
図書室は、経済学研究科・経済学部所属者および経営管理大学院所属者のホームラ
イブラリーとして、
また図書館機構の一翼を担う図書室の一つとして図書資料の収集・
京都大学経済学会
整理や、閲覧業務を行っています。
京都大学経済学会は、
「経済学・経営学に関する研究・教育の振興
が努力して収集してきた各年代の国内外の資料も豊富に所蔵しており、
そのために経
経済学という学問が持つ幅広さゆえに所蔵している資料も多彩であり、
また、先人たち
と、
その成果の普及を図り、京都大学経済学部の発展に寄与する
済学以外の学問を専門とする方々や、他大学・市井の研究者の方々にも多く利用され
ことを目的」
として
(経済学会規約第3条)、経済学部教員・大学院
ています。
生等で構成されています。創設は学部創立の1919(大正8)年で、
全体としては約57万冊の蔵書数があり、
そのうち学生の学習に必要な図書や新刊書
京都大学における経済学の研究・教育機能を担ってきました。
約3万冊は開架図書としてすぐ手に取ることができるようになっています。教員の推薦
経済学会は学術雑誌「経済論叢」
を刊行し、本学における経済学
による指定書の制度もあり、貸出期間や更新回数が制限されています。一部の貴重書
研究の成果を内外に公表する役割を担ってきました。
「経済論叢」
等を除くほぼすべての所蔵資料はKULINE(オンライン蔵書検索システム)
によって調
は、
学部・学会の創設より早い1915
(大正4)
年に創刊され、
年4号
べることができます。
また、EBSCOhost、eolをはじめとするさまざまな電子ジャーナル
(標準掲載論文数8本)
の発行体制で、第188巻(2014年現在)
や電子ブック、
データベースを学内LANにつながった端末から利用することができま
まで到達しています。2015年には、創刊100周年を迎えます。記
す。
このほか、
「東京大学経済学部図書館所蔵資料山一證券株式会社」
などのマイクロ
念号は、河上肇先生をはじめとする錚々たる教員の歴史を物語る論文に加え、現役教授の論文を配した特別号を予定して
フィルムも有用な資料としてよく利用されています。
います。
内外に誇るべき多彩なコレクションとして各種の特殊文庫があります。折節、特殊文庫
他にも、1991(平成3)年より、
「経済論叢」別冊として、図表や資料の多い学術成果の発表媒体として
「調査と研究」
を、
さら
の展示会も行ってきましたが、近年は、教員が薦める図書や、各ゼミで使用される図書
に、教員の研究成果を取りまとめて書籍として世に問う媒体として1995(平成7)年より、
「経済学叢書」
の刊行を開始するな
など学生に身近なテーマでの展示会も行っています。
ど、活発な学術活動を展開しています。
50席の閲覧席には、今日もひたむきに勉学に勤しむ学生の姿があります。
The Kyoto Economic Review
The Kyoto Economic Review(旧The Kyoto University Economic Review)
は創刊以来82巻を数える、経済学分野でアジア最
古の欧文学術誌として、経済学研究の全分野にわたって570本を越える論文を公表してきました。
日本が世界から孤立してい
た1937年以降の戦時期にも刊行が続けられ、
日本の経済学者を
蔵書数
国際的な学界に結びつける貴重な媒体としての役割を果たしまし
た。河上肇、高田保馬、柴田敬、八木芳之助、青山秀夫らの業績
は、
この欧文誌によって、海外の研究者に紹介されました。
創刊者たちの革新性を引き継ぐ本紙は、経済理論、計量経済学、
応用経済学、経営学、経済史、経済思想などを包括する経済学分
和雑誌
約27,800冊(4710種類)
洋雑誌
約23,100冊(2940種類)
・ビュッヒャー文庫
約11,500冊
・マイヤー文庫
約15,000冊
野の総合誌として進化を続け、2004年度からは投稿募集を学外
・河上文庫
研究者にも開放しています。
・財部文庫
約4,700冊
・上野文庫
約27,000冊
経済分析の先端的研究の成果を発信するだけでなく、経済学にお
ける歴史的・哲学的視野を深めることも本誌の目的です。
さらにま
た、経済分析の新たな発展に資する経済および経営行動の透徹
した事例研究も受け入れています。
27
洋 書 約241,000冊
和 書 約262,000冊
約2,700冊
・柴田文庫
約900冊
・石川文庫
約4,000冊
・大津真作氏寄贈資料
約 540冊
・上田惟一氏寄贈資料
約 800冊
28
共同研究講座
京都大学は、産官学連携を通じて研究成果の還元と社会貢献を積極的に進めることを基本理念のひとつとしています。民間
企業等と京都大学の双方が、社会と産業界に広く貢献することを目的に、共同でプロジェクトの拠点形成することでイノベー
ションの創出をはかるという新たな制度が、共同研究講座です。
経済学研究科では、現在3件の共同研究講座を開設しています。
自然資本経営論講座
〈概略・目的〉
私たちは、
これまで自然が創り出した自然資本の恩恵を享受し、経済活動を発展・持続させ、
日々の生活を豊かに、快適にしてきました。一方で、
自然
資本からの恩恵を当たり前のものとして受け取ってきたために、
その価値を正確に評価できずにきたことも事実です。
その結果、地球環境の劣化と天
然資源の減耗などの深刻な地球環境問題を引き起こしてきました。1992年の
「国連環境開発会議(「地球サミット」)」
は、地球環境保全や持続可能
再生可能エネルギー経済学講座
〈概略・目的〉
再生可能エネルギーの普及促進のためには、技術的障害をどう克服するかという観点だけでなく、
それを促す社会経済システ
ムをどう設計するかという観点での研究が必要です。
これまでは前者の観点からの研究が主流でしたが、本講座では、後者の
観点から研究を進めるための拠点づくりを目指します。
再生可能エネルギーは、本質的に分散型電源でとしての性質をもっています。20世紀型の電力システムが、火力、原子力などの
集中電源から電力消費地に向かって一方向に電気を送るシステムとして最適化されているのに対し、21世紀は、再生可能エネ
ルギー、蓄電池、
コジェネなどの分散型電源、
さらには熱源を組み合わせて双方向型のエネルギーネットワーク形成を図ること
が求められます。
本講座ではしたがって、分散型ネットワークとは何か、
「集中型」
から
「分散型」
に移行するには何が必要か、
という課題について
も、社会経済的側面から研究進め、積極的に政策を提言・発信していきます。
〈設置期間〉
〈参加企業〉
エネルギー戦略研究所株式会社
2014年4月1日~2019年3月31日
〈参加研究者〉
山家 公雄
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授(エネルギー戦略研究所株式会社 所長)
加藤 修一
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授(エネルギー戦略研究所株式会社 シニア・フェロー)
内藤 克彦
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授(エネルギー戦略研究所株式会社 顧問、
シニア・フェロー)
稲澤 泉
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授
尾形 清一
京都大学経済学研究科 共同研究講座特定助教
中山 琢夫
京都大学経済学研究科 共同研究講座特定助教
諸冨 徹
京都大学経済学研究科 教授
植田 和弘
京都大学経済学研究科 教授
な発展に関する考え方を整理する契機となりましたが、
その後もさらなる発展のために、特に新興国において自然資本の急速な開発が進んでいます。
地球サミットから20年後の2012年に開催された
「国連持続可能な開発会議」
では、
「自然資本宣言」
が発表されるなど、
自然資本の重要性に改めて
注目が集まっています。
エネルギーや資源の有限性など
「地球の限界」
を明確化し、環境保全と経済成長の両立を目指す
「グリーン経済」
への移行が
喫緊の課題となっている今、
自然資本をどのように
「経営」
していくかは、国際社会、国、企業において非常に重要な論点と言えます。
そこで、本講座では、
まず世界や日本で行われている自然資本経営の成功事例を収集し、
そのデータベースを構築することを目指します。
さらに、収集
した成功事例の要因分析を行い、経営ノウハウや経営している人材や
組織の特徴を明らかにします。
また、
自然資本を定量的に測る新たな指
標についても開発を行います。
これらの成果に基づいて政策提言・発信
を行い、社会に貢献することを目指します。
〈参加企業〉
株式会社サステイナブル・インベスター
〈設置期間〉
2014年4月1日~2017年3月31日
〈参加研究者〉
谷口 正次
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授
山口 臨太郎
京都大学経済学研究科 共同研究講座特定准教授
玉沖 貴子
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任研究員
植田 和弘
京都大学経済学研究科 教授
井上 恵美子
京都大学経済学研究科 講師
エネルギー政策講座
〈概略・目的〉
エネルギー産業および関連産業の将来性は、
エネルギー政策やエネルギー市場の動向に大きく依存します。
にもかかわらず、
それらの不確実性が大
きいところに、
エネルギーに関連する企業経営の難しさがあります。本共同研究講座では、
エネルギー政策やエネルギー市場の動向を調査し、再生可
能エネルギーをはじめとするエネルギー産業およびその関連産業の発展方向と将来性、及び課題を明らかにすることを目的としています。特に、世界
や日本で行われている電源別発電コストの分析事例を収集し、
そのデータベースを構築するとともに、
日本の電源別コストに関する分析を行います。
そのことを通じて、
エネルギー政策やエネルギー産業の将来を見通すうえでの情報的基盤を構築します。
〈参加企業〉
三井住友海上火災株式会社
株式会社三社電機製作所
スパークス・アセット・マネジメント株式会社
A.T.カーニー株式会社
〈設置期間〉
2014年10月1日~2019年9月30日
〈参加研究者〉
29
笹俣 弘志
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授
筒井 慎介
京都大学経済学研究科 共同研究講座特任研究員
植田 和弘
京都大学経済学研究科 教授
30
フェロー制度
京都大学経済学部が創設されたのは1919年で、現在までの卒業生の累計は24,000人を超えています。1959年に経済学部
経済学研究科・学部では社会連携に力を入れています。東アジア経済研究センターの協力会の活動はOBなどに支えられて、
創立40周年記念行事の一環として行われた「卒業生懇親会」において、
同窓会の設立が提唱され、翌1960年に、卒業生が中
充実してきました。各種の寄附講座も民間で活躍されているOBのお世話で実現しています。
また、
シンクタンクや民間企業と
心となり「会員相互の親睦と母校との連絡をはかることを目的」として
(規約第3条)、経済学部同窓会が「同好クラブ」の名称
の交流を進め、外部資金や外部からの支援の獲得にもより積極的に取り組んでおります。
こうした突流・支援は、例えば、教育
で結成されました。
の国際化に向けての学生の海外留学・海外研修への送り出しのためにも、
あるいは海外の研究拠点の拡充のためにも、一層重
活動内容
在学生との交流イベント
毎年、大学で総会を開催し、
同窓会報を発行しています。
同窓会報で
学部学生の皆さんにも、在学中から先輩や教員との親睦を図る機会
は、京都での総会をはじめとするさまざまな行事のご案内やご報告、
を増やすため、2009年度より「同窓会学生特別会員」を募集してい
支部の活動、大学・経済学部の様子、退任教員・卒業生の近況など
ます。
をお知らせしています。支部は現在のところ、北海道、東京、名古屋、
会員になっていただくと、毎年大勢の学生や教員が参加する
「在学
近畿、香川、愛媛、九州北部、九州南部の各地域に組織されており、
生イベント」へ無料でご招待いたします。
イベントの内容は、現在実
地域ごとに総会や懇親会等が行われています。学部の現教員も大学
業界で活躍中の経済学部卒業生による講演と豪華景品が当たるク
での総会はもちろん支部総会への参加や講演会の講師をするなど、
イズやゲームを盛り込んだ楽しい立食パーティです。
要になっていきます。
経済学研究科・学部のフェロー制度は、
そのような交流・支援を支えていただく方にフェローの名称を授与してご活曜を期待
するものです。
そしてこれまでに大きな貢献をしていただいた方には名誉フェ口一の名称を贈り、感謝するものです。
積極的に関わっています。
フェロー制度/社会連携
同窓会
結成
卒業生主催のイベント
「卒業50周年記念同窓会」は、時計台記念館において毎年盛大に開
催されており、近年では恒例行事として途絶えることなく引き継がれ
ています。
名誉フェロー 大森經徳氏 田中秀夫元研究科長 フェロー 宇野輝氏
このように同窓会は、学部卒業生、大学院修了生、名誉教授などの旧職員、学部現教員に在学生を加えて組織され、世代を超
えて交流が図られています。
和田紀夫同窓会長 ご挨拶
私は、平成24年10月13日の同窓会総会に於きまして、名誉会長に退かれた前西澤会長の後任に推選
され、選任されました和田紀夫でございます。
同窓会規約の第三条に
「本会は会員相互の親睦および母校との連絡をはかることを目的とする」
とあり
ます。私はこれを私流に次のように理解しています。京都大学で共に学び、京都という街と文化を供に
社会連携
公的部門との連携
教員は公共的な役割を担って活動しており、国または地方公共団体の行政機関に設置されている審議会等の委員等として、
専門的見地から助言・指導などを行っています
(例:京都市環境審議会委員、財務省財政制度等審議会臨時委員、経済産業
省産業技術環境局日本工業標準調査会臨時委員、滋賀県琵琶湖環境部関西広域環境保全計画策定検討委員会委員等)。
享受したことを絆とし、
また卒業してなお、知的生産活動の場である大学との相互交流により、
自らの知
的好奇心を満たすとともに、大学の発展を支援する、
そういう
〝親睦と創造を紡ぎ出す絆の場〟
として同
窓会はあると考えています。
その趣旨に沿って、大学本部のご支援をいただきながら、各支部は、創意工夫を凝らした活動を展開さ
れています。
わたしが支部長を務めます東京支部におきましても、従来の活動に加え、現役の皆さんが
一層関心を持てるよう、第一線で活躍している財界人等に講師をお願いし、
「経営研究会」
を平成25年2月から始めました。大学
高等学校との連携
高大連携事業の一貫として、高等学校からの依頼により、本研究科教員による出張講義や見学説明会や大学訪問等の受入れ
を積極的に行っています。
本部でも学生諸君を
「特別会員」
として同窓会活動に参加してもらうなどの試みをされております。
大学も同窓生も、経済学が目指すものを
「経済」
の原点に帰って見つめ直すことから始めたいものです。旺文社刊の
「成語林」
に
よれば、
「経済」
は、
「経世(国)済民」
の省略形であり
「世や国を経(治)
め、民を済(救)
う」
ことを意味しています。従って
「経済学」
は、民の生活を安定させ生活を豊かにするための学問が本来の意であります。部分解だけを追っても答えは得られないと思い
ます。基準法則を思想哲学にまで高め、全体解を追い求めていただきたいと思います。
同窓会が、大学と連携し、
その設置目的を果たす中から世の中のお役に立つことを祈念して、私の挨拶といたします。
31
オープンキャンパス
京都大学への受験希望者を対象に大学の教育・研究、学生生活などについて知ってもらうためのイベントであるオープンキャ
ンパス
(2002年度から夏休みに開催)
において、本研究科教員による模擬講義を行っており、毎年、多くの方々に参加いただい
ています。
32
教員紹介
岩本 武和
❶ 専門分野 ❷ キーワード
依田 高典
稲葉 久子
❶ファイナンス工学、動学的最適化
❷ファイナンスのための確率制御問題、
レヴィ―過程の変動理論、信用リスク
国際金融,国際マクロ経済学,国際通貨システ
ムが,私の研究テーマです。岩本ゼミナールは
厳しいけれど,毎年優秀かつユニークな学生
が出入りしていて,
とても良い環境です。
本学卒業後,金融機関で働いていましたが,
2007年から京大に勤めています。確率モデル
で表現された不確実性下での制御問題や最
適化問題の解法, 金融資産の価格付けの研究
をしています。仕事や勉強で,アメリカに長くい
ましたので,そちらに興味のある方は,気軽に相
談してください。
助教
❶ 応用経済学
❷ 行動経済学、社会実験、
スマートグリッド
❶アジア経済
❷ 工業化、企業発展、農業発展
その昔,故・森嶋通夫ロンドン大学教授は
「日
本の経済学者で45歳を過ぎて優れた研究を
残す経済学者はどれだけいるのか」
と訴えかけ
ました。私の学者人生もサドンデス・オーバー・
タイムに突入です。
Development is a multifaceted issue that
cannot be addressed with any single
discipline. But development economics is a
powerful tool to help us understand progress
in societies. A combination of knowledge in
economics and the real world context would
help us understand economic development
more deeply. My research focuses on
exploring issues of international trade,
enterprise development and entrepreneurship
promotion, and agricultural development in
Southeast and South Asian regions. Most of
my research is based on field study. We hope
you would gain both types of knowledge ‒
theoretical and practical ‒ at our school.
准教授
植田 和弘
教員紹介
教授
❶ 国際経済学、国際金融論
❷ 国際経済学、国際金融論、
J.M.ケインズの貨幣経済論、
国際マクロ経済学
VIXATHEP, Souksavanh
教授
岡田 知弘
川北 英隆
教授
教授
❶ 地域経済学
❷ 地域開発、地域形成史、震災復興、
経済のグローバル化と地域
❶ 証券投資論
❷ 証券投資、証券市場分析
最も興味のあるのは山歩き、辺境への旅行、植
物の観察であり、証券市場の観察です。
これら
への興味は半世紀続いています。
地図を片手に調査旅行することと,本を読むの
がメシより好きな中年男ですが,「寅さん」
と藤
沢周平が好きな自称「なにわ節的合理主義
者」
です。事実から発想する自由な創造的精神
を追い求めています。
詳しくは,私の研究室のホームページ
(http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~okada/)
にアクセスしてみて下さい
片山 宗親
教授
❶ 専門分野 ❷ キーワード
菊谷 達弥
講師
准教授
❶ 教育学、経営学、文化人類学・民俗学
❷ 教育管理行政学、多文化経営学、文化人類学
❶ 環境経済学、財政学
❷ 持続可能な発展、
エネルギー政策、地方財政論
❶マクロ経済学
❷ 景気循環、金融政策、DSGEモデルの構造推定
❶ 組織の経済学
❷ 組織、契約、下請
20年近く米国で生活していました。
日本的ならしさを学びなおすことが(本人
にとって)望ましいのかどうか,迷っているところです。
「学習」行為に非常に興味
があります。
環境問題研究を通じて工学から経済学へ。
「ど
うなるか」
ではなく
「どうするか」
を考えることを
モットーにしている。
2013年6月に着任しました。
マクロ経済にお
ける景気循環と金融政策に関わる問題を中心
に、理論モデルにもとづいた実証的な研究を
行っています。
食べるのも料理するのも好きですが,最近太り
ぎみで困っています。
井上 恵美子
33
江上 雅彦
教授
講師
宇仁 宏幸
加藤 康之
教授
❶ 環境経済学、環境政策
❷ グリーンイノベーションと企業のインセンティブ、
環境マネジメント、持続可能な発展
❶ 社会経済学
❷ 制度経済学、資本主義の多様性と変化、
レギュラシオン理論
持続可能な発展を実現していくにはどうした
らよいのか、環境経済学の観点から研究して
います。最近は、企業の自主的な環境対応に注
目し、経済パフォーマンスやグリーン・イノベー
ションへの影響について分析しています。
昔,国鉄で列車座席予約システムの開発をし
ていたことがあります。今は技術変化と労使関
係の変化が経済成長にどのような影響を及ぼ
すかを研究しています。
自分の人生について,
先のことはあまり考えない性格です。
北田 雅
教授
講師
❶ 投資理論、金融工学
❷ 投資理論、金融工学、
リスク管理論
❶ 医療経済学
❷ 初期研修医、
メンタルヘルス、経済的損失
大学では数学系を勉強しましたが、社会に出
てからは、野村総合研究所・野村證券で30年
間、金融・証券ビジネスの最前線で働いてきま
した。80年代前半まで、多くの人は金融・証券
ビジネスで高度な数学が必要になるとは夢に
も思いませんでした。
シュンペーターによれば、
イノベーションとは新しい結合だそうです。思
いもよらぬ結合が新しいものを産み出します。
実業界とアカデミアの新しい結合に挑戦した
いと思います。
2011年9月に着任しました。医療経済分野で
自治体病院の経営の研究後、医学教育に携わ
り、医療従事者のメンタルヘルスに関心を持っ
て研究を進めています。
34
教員紹介
小島 專孝
❶ 専門分野 ❷ キーワード
草野 真樹
黒澤 隆文
高野 久紀
准教授
教員紹介
教授
❶ 理論経済学
❷ ACピグーの雇用、安気理愉
❶ 自動車産業論
❷ 自動車流通、
自動車生産、自動車市場
ケインズとかかわる同時代の経済学者の理論
を研究しています。最近はケインズに批判され
たA.C.ピグーの本を読んでいます。
ピグーの本
はかなり無味乾燥で,結局ピグーを読むのに
30年以上かかりました。
最近は,沖縄ケラマ,石垣島,鳩間島,竹富島,久
米島,ハワイ島,サイパン,パラオ,ロタ,モルディ
ブ,フィリピン・セブ,パプアニューギニア,ニュー
カレドニア,グレートバリアリーフ,紅海と南の
島々でダイビングにはげんでいます。
島本 哲朗
准教授
❶ 欧米経済史
❷ 航空機産業、原子力産業、国際政治経済学
❶ 金融
❷ 情報、金融政策、
マスメディア
財務会計における会計システムの転換過程に
ついて,研究を進めています。現在は,負債の認
識・測定を巡る諸問題に研究上の関心があり
ます。
米欧航空機産業・原子力産業の歴史研究・現
状分析を通じて、国際関係を研究しています。
両産業は、軍事的側面と民生側面の両者をあ
わせもつ特殊な産業であり、米欧および新興
国の政府が冷戦期以降、特別に保護してきた
産業です。両産業においては、技術・安全性・コ
スト・輸出国の輸入国への支援など様々なファ
クターが競争上問題となります。
また、国際関
係理論としては、
イギリス学派の理論に関心を
もって取り組んでおります。
新入生の方で,授業だけであきたらず,経済学
をもっと学びたいという人は私に相談して下さ
い。研究室の内線は3423です。
佐々木 啓明
教授
教授
❶ 経済史学
❷ 経済政策の史的分析、
ヨーロッパ経済史・経営史、
「地域の競争優位」
の国際比較分析
❶ 経済理論
❷ 経済成長、景気循環、構造動学、経済発展、
南北貿易
大学生時代には,4つの大陸,30数カ国をリュッ
クサックを担いで旅行しました。主観的には今
もバックパッカーで,趣味はと問われれば旅と
答えますが,いろいろと制約が増えて,最近は自
由に旅行する機会が無いのが残念です。
経済成長、経済発展、南北貿易、景気循環、構
造動学といった分野の理論を研究しています。
准教授
貧困問題や経済発展など、途上国が直面する
様々な問題を経済学のツールを用いて分析す
る開発経済学を専門としています。特に、
ミク
ロ経済理論や計量経済学、
フィールド実験な
どの手法を使って、
マイクロファイナンスや健康
保険、教育、市場の仲介機能を担う商人、開発
援助などの研究をしてきました。もっとスケ
ジュール管理がうまくできる人間になりたいの
で、自制心や意志力などの行動経済学・行動
科学の研究にも関心があります。
澤邉 紀生
白井 亨
❶ 会計学
❷ 管理会計、
マネジメントコントロール、進化経済学
管理会計の進化過程を研究しています。
いまこ
こにある会計と,あるべき会計とのあいだで,あ
りうべき会計の可能性を考えています。
教授
❶ IT、事業創成
❷トランザクション・コストに着目した企業活動の
標準的定量的モニタリング
教育とは,
「 向上心」
「 学習効率」
「 人の意見を
聞く能力
(自己否定力)」
「利他的精神」
を強化
することだと
(今のところ)信じています。やる
気と興味のある人は,一緒に学習しましょう。
椙山 泰生
助教
神事 直人
教授
❶ 専門分野 ❷ キーワード
末松 千尋
教授
❶ 財務会計
❷ 公正価値,業績報告,経済的帰結,認識対開示
❶ 開発経済学
❷ 貧困削減、
マイクロファイナンス、教育、市場統合、
貿易
35
坂出 健
塩地 洋
教授
教授
❶ 経済資料研究
❷ 経済資料研究、図書館情報学、図書館史
❶ 経営学
❷ 技術・イノベーション経営、国際経営、経営戦略
経済学や経営学といった社会科学における各
種の情報源に関する種類や特性、
その探し方
のツールなどについての講義である
「経済情報
調査論」
を担しています。普段は法経東館地下
1階にある経済資料センターにいますので、
自
分が捜している統計データなどがどこにある
のかわからないなど困ったとには、
その探し方
などについてアドバイスできることがあるかと
思いますので、気軽にセンターまで相談にきて
ください。
知識を産みだし伝播させる効果的な仕組みと
しての企業に興味があり,
その仕組みを考えて
伝播させる人生を送りたくて研究者になりま
した。
イノベー ションの担い手である企業の戦
略や組織と,その企業にとって国や社会の制
度や習慣,
さらには国境が持つ意味について
研究しています。趣味は音楽とサッカー 観戦。
武石 彰
教授
❶ 国際経済学
❷ 貿易と環境、
貿易・外国直接投資と技術波及、
企業の国際化
私の専門分野は国際経済学です。
なかでもモ
ノやサービスの国際間取引を主な対象とする
国際貿易論を専門としています。私の主要な研
究テーマの1つが「貿易と環境/貿易と再生可
能資源」
です。
教授
❶ 経営戦略
❷ 経営戦略、技術経営、
イノベーション
技術革新を利用して社会を変革するイノベー
ションという現象に興味をもっています。
No music, no life。
36
教員紹介
徳賀 芳弘
徳丸 夏歌
❶ 経営史,産業経済
❷ 総合商社,企業間関係,資源ビジネス
敦賀 貴之
准教授
❶マクロ経済学
❷ 物価変動と金融政策、実質為替レート、経済政策、
金融危機
2010年4月に着任いたしました。専門はマク
ロ経済学で,
とくに企業の価格設定行動がマ
クロ経済におよぼす影響を実証と理論の観点
から研究しています。
37
教授
教授
❶ 経営学
❷ 国際経営、経営戦略、企業統治、経営史
ミクロ経済学の応用の観点から,流通や経済
組織について研究しています。還暦を過ぎまし
たが,
自分自身の行動をはじめ,世の中には判
らないことが沢山あるように思います。
西牟田 祐二
働く人のことを勉強しています。人に命じるの
は好きではありません。勝つための議論ではな
く,真実を求める議論が大好きです。
藤井 秀樹
准教授
❶ 応用ミクロ経済学
❷ 垂直的取引関係、費用削減投資、戦略的行動
総合商社を結節点とする取引ネットワーク、
と
くに資源関連のそれに関心をもっています。研
究においては歴史研究と現状分析を統一する
(歴史的観点をふまえて現状分析に当たる、現
状分析との緊張関係をもって歴史研究に当た
る)
ことを信条としています。
❶ 社会政策、労使関係論
❷ 雇用関係、雇用政策、社会政策
大 学では、サービス・クリエイティブクラス
(サービス創造人材)の人材育成をめざしま
す。
イノベーション価値を多様な視点で捉え、
課題認識を重視した解決方法論習得とその実
践を、共に行いましょう。
曳野 孝
教授
教授
❶ イノベーション マネジメント
❷ サービスイノベーション、知識管理、
研究・事業開発マネジメント
主に東アジア持続的発展研究コースの英語科
目と国際交流事業を担当しています。研究では
科学哲学の手法を用いて19世紀後半の限界
革命成立期から20世紀前半までのオーストリ
ア学派経済学の主観的行動理論の分析に取
り組んできました。最近は経済実験を用いた分
配正義の研究に取り組んでいます。利己心や
公共心、公平性理念を含む人間の動機と、そ
こから導かれる社会経済との関係を明らかに
したいと思っています。
成生 達彦
准教授
久本 憲夫
教授
❶ 経済学説史、経済哲学、実験経済学
❷ 経済学説史、経済哲学、実験経済学
経済学を生み出した英国社会やA・スミスへの
関心から研究を始めました。大学院時代の英
国留学は,研究だけでなく、英国人の生き方と
の比較により、日本社会の特徴や問題をより
明確に把握する機会でもありました。他者を参
照しつつ自らの社会や人間のあり方を考える
姿勢は、
いつの時代も必要でしょう。教員の仕
事は、学生さんが他者から学びつつ自分自身
を形成するお手伝いと思いますので,様々な交
流の機会を楽しみにしています。
❶ 専門分野 ❷ キーワード
近代から現代にかけてのイギリス経済学の流
れを主に研究しています。
原 良憲
講師
❶ 社会思想史
❷ 近代社会形成論、近代英国共和主義思想、
私益と公益、英蘭関係史、奢侈論争
田中 彰
❶ 現代経済思想史
❷ ケインズ、
シュンペーター、
マーシャル
「虚実皮膜の間」
(近松門左衛門)
とはよく言っ
たもので,最近,他の人の論文を読むにして
も,
自分で論文を書くにしても,論証・実証にお
いて,
「虚」
と
「実」
との間には大きな隔たりがな
いことを痛感しています。
日常性の延長線上で
多くの人が共感できるかどうかが鍵なので
しょうか。
准教授
教員紹介
教授
❶ 会計学
❷ 財務会計、国際会計、企業分析
❶ 専門分野 ❷ キーワード
竹澤 祐丈
根井 雅弘
教授
❶ 会計学、経営学
❷ 会計制度、国際会計、非営利組織会計
「ヨリミチスト」
というのが,私を表わす適切な
言葉だと思います。何事についても,真っ直ぐ
に目的地を目指すことが不得手で,時々は立ち
止まったり,
わき道にも逸れながら,
のんびりと
遊歩していくのが習性です。
久野 秀二
会計(学)
とは何かを,
身近な出来事を素材に
しながら,出来るだけ分かりやすく,学生の皆
さんに説明することに関心を持っています。
堀 和生
教授
教授
❶ 経営史、国際経営史
❷ドイツ経済史・経営史、多国籍企業史
❶ 農業経済学、農業社会学、政治経済学
❷ 農業・食料の国際政治経済学的分析
❶ 経済史
❷ 近代東アジア経済史、資本主義の発展
経済学も経営学も
「戦国時代」
に入りつつあり
ます。事実を見る目を養ってほしい。
それがすべ
ての出発点だ。
2005年3月に着任するまで10年近く,農学部
という
「異質」な環境のなかで教育・研究に携
わってきました。そのうち2年あまりは在外研
究(オランダ)で農業大学の社会科学部に在
籍していました。学問,社会,文化の多様性へ
の配慮とその橋渡しに,理論と実践の両面か
ら強い関心をもっています。
一見何の役にたちそうにない過去の歴史で
も,
それを正確に把握することは,現代社会の
解明につながると考えています。
アジアの経済
史を研究しています。
38
教員紹介
矢野 剛
❶ 専門分野 ❷ キーワード
松井 啓之
山田 憲
教授
❶ 途上国・移行国経済論
❷ 開発金融、市場の生成、企業家
❶ 政治経済学
❷ 移民、東南アジア、地理政治経済
計量分析と現地調査の両方を用いて途上国
経済の研究をしています。今年4月に徳島から
移動してきました。
My research interest lies in examining
the temporal and spatial dynamics of
political economy transformations from
the concrete level to the abstract level.
At the abstract level, I am doing
research on the temporal and spatial
characteristics of modernity. At the
concrete level, I am doing research on
the political economy mechanisms of
migration, regional unevenness of
economic development, and the
transformation of ASEAN and the
establishment of ASEAN Community.
劉 徳強
准教授
教員紹介
講師
❶ 専門分野 ❷ キーワード
若林 直樹
教授
教授
❶ 計画理論
❷ 計画理論、意思決定支援、
ゲーミングシミュレーション
❶ 応用ミクロ計量経済学、労働経済学
❷ 家計行動、不平等
❶ 開発経済学、
中国経済論
❷ 産業構造、成長パターン、環境問題
❶ ネットワーク組織論
❷ 組織行動論、人的資源管理論、
ネットワーク組織論
学生時代から様々な分野に興味があって,理学系,工学系,社会科学系等を渡
り歩いてきました。社会の情報化が進む中で,
「計画」
と
「情報」
をキーワードに,
政策過程への参加を実現できる計画情報システムの構築を目指しています。
経済学的な視点から現実のデータを見ること
に関心があります。講義では経済学の基礎に
加えて最近の応用研究も紹介したいと思って
います。
開発経済学の視点から中国経済を研究してい
ます。中国経済は欧米諸国から
「異質」なもの
として扱われがちですが、
その発展のプロセス
は日本をはじめとする他の東アジア諸国とそ
れほど変わらないと思います。
中所得国になっ
た現在、格差の問題、腐敗の問題、環境問題な
どが一層深刻化し、有効な解決策が求められ
ています。
こうした問題を研究しています。
企業組織の現象について,経営社会学の観点
から分析しています。企業組織と人のネット
ワークのダイナミズムとその国際比較に興味
を持っています。
ゴーンのような欧米企業のマ
ネージャーから日本的経営の「良さ」
を指摘さ
れることが面白いので,国際競争のなかで日本
的経営をどのようなツールに分解し,再構築で
きるのかに興味があります。
文 世一
IALNAZOV, Dimiter S.
教授
❶ 都市経済学、交通経済学
❷ 交通政策、
インフラストラクチャ、都市の空間構造
諸富 徹
❶ 財政学、環境経済学
❷ 国家財政、地方財政、税制改革、環境政策手段、
環境税、排出量取引制度
大学院在籍中から現在まで,財政学と環境経
済学に基礎をおきながら,環境税や政策課税
の問題を中心に研究してきました。
より長期的
には,
グローバリゼーションの中で持続可能な
発展を遂げていくにはどうすればよいかを考え
ていきたいと思っています。
RUDOLPH, Sven
准教授
准教授
若林 靖永
教授
❶ 環境経済学、政治経済学
❷ 気候変動政策、排出権取引、
ポリシー・ミックス、
政治的実現性、
エクイティ
❶マーケティング
❷マーケティング、流通、商業
顧客満足を実現するマーケティング(組織)
の
あり方に関心があります。
またコンピュータ,
イ
ンターネットを活用したマーケティング教育お
よびマーケティング・リサーチ実習、教育のた
めのTOC
(批判的志向)、
ビジネスモデルを中
心とした事業デザイン論の教育を試行錯誤し
つつすすめています。
e-mail: mkg@econ.kyoto-u.ac.jp
URL : http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~waka/
I graduated from Kassel University, Germany,
and hold a doctoral degree in Economics
from the same university. Besides working at
the university, I was a campaigner for and
head of the Economic Council to Friends of
the Earth Germany (BUND). As an
environmental economist, my research
focuses on market-based climate policy and
political economy questions. On respective
subjects, I have done research in Germany,
the US, and Japan, have presented on several
international venues, and have published a
variety of books and peer-reviewed articles
both in German and English. I now teach
introductory economics classes and English
for Economics.
私はブルガリア出身ですが,海外(ロシアと日
本)
での生活を合わせて14年になります。様々
な国の人々に会い,人間同士のコミュニケー
ションを通して他国・他民族の歴史や文化な
どを学ぶのが大好きです。自国を離れてみる
と,
自国を再発見することがあります。
ホームページのアドレスは,
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~ialnazov
です。
遊喜 一洋
教授
准教授
❶ 経済政策、理論経済学
❷ 中東欧経済、
比較経済システム、制度経済学、
金融危機、新興国
工学部で都市計画や交通問題を研究するうち
に経済学と出会い,
とうとうそれを生業とする
ようになりました。
ただし 「都市」
「
,交通」
を研
究対象とすることに変わりはありません。
39
LAMBINO, John XXV Paragas
准教授
若井 克俊
渡辺 純子
教授
教授
❶マクロ経済学、労働経済学
❷ 経済成長・発展、人的資本理論、所得分配
❶ミクロ経済理論、行動ファイナンス
❷ 個人の意思決定、行動ファイナンス
❶ 歴史・思想分析
❷ 戦前・戦後の日本経済史、近現代世界経済史、産業の衰退化と産業調整
現在の主な関心は経済発展のメカニズムの解
明ですが,長期的な研究の方向についてはい
ろいろ考え中です。
大学卒業後,外資系の金融機関に5年ほど勤
めた後,
アメリカの経済学大学院に留学しまし
た。社会人からの転向で大変でしたが,何とか
自分のやりたいことに近づいてきた感じです。
専攻分野は個人の意思決定を理論的に分析
すること,
そして,
そこから生まれるさまざまな
行動現象が資産価格などにあたえる影響を分
析することです。
また,期待の形成過程などに
も興味があります。
自然科学のように絶対普遍の真理を追究する学問と比較すると,社会科学の
弱さを時に感じます。
しかし,世の中を悪くしているのは人災のほうが多く,人
間の幸福はわれわれ自身が形成する社会的なしくみに依存するところが大き
い。
それゆえ,
その社会構造を分析する社会科学の持つ力を信じて学問してい
けたらいいなと思っています。
40
アクセス
法経済学部北館
法経済学部東館
法経済学部本館
市バス等案内
主要駅/乗車バス停
京都駅(JR/近鉄)
京都駅前
市バス系統
17
206
四条河原町
17
203
31
201
地下鉄烏丸線今出川駅
鳥丸今出川
東山三条
百万遍
京大正門前または百万遍
所要時間
約35分
河原町通 出町柳駅百万遍 北白川仕伏町
(上終町・京都造形芸大)
河原町通 出町柳駅百万遍 銀閣寺
百万遍
東山通 祇園 熊野・銀閣寺
東山通 高野・岩倉
約25分
京大正門前
または
東山通 祇園・百万遍
百万遍
東山通 出町柳駅 百万遍・祇園
203
白川通 出町柳駅 銀閣寺・錦林車庫
東山通 高野・岩倉
201
東山通 百万遍・千本今出川
206
東山通 高野・北大路バスターミナル
203
京阪出町柳駅
東山通 三十三間堂清水寺 祇園・北大路バスターミナル
201
31
地下鉄東西線東山駅
河原町通 四条河原町・銀閣寺
下車バス停
タクシー約30分
3
阪急河原町駅
市バス経路
白川通 熊野神社 銀閣寺
京大正門前または百万遍
百万遍
約15分
京大正門前
または
百万遍
約20分
百万遍
東へ徒歩約15分
※交通渋滞等により所要時間を越えることがあります。
41
42
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