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2014年度版 - 京都大学 大学院経済学研究科・経済学部

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2014年度版 - 京都大学 大学院経済学研究科・経済学部
京都大学
大学院経済学研究 科・
経済学部 2014 概要 CONTENTS
02
03
04
05
06
10
14
16
24
26
27
28
35
36
ご挨拶
基本情報
教育理念
経済学部・経済学研究科の歩み
学部の活動
大学院の活動
国際交流
研究/教育推進
施設・設備
社会連携・フェロー制度
同窓会
教員紹介
組織
アクセス
ご挨拶
Greeting
京都は歴史的に日本文化の中心地であり、今なお多く
の伝統産業が盛んである一方で、世界屈指のハイテ
ク産業をはじめとする多くの革新的な企業を輩出し、
今日では世界のイノベーション・センターとしての地位
も確立しています。また、京都は世界有数の大学の
集積地域であり、40 校以上の大学で 16 万人もの学生、
それに 7000 人近い外国人留学生が学んでいます。
京都大学経済学部は、東京大学経済学部と同じ 1919
年に設立され、日本の大学でも最も長い歴史を持つ
経済学部の一つです。
『貧乏物語』や数多くの漢詩な
どで名文家としても著名な河上肇は、本学部の最も
初期の教授陣の一人でした。その後の高田保馬、柴
田敬、青山秀夫は、日本における近代経済学の「京
都学派」とも称されるユニークな業績を残しました
(Takashi Negishi,“Kyoto School of Modern Economic
Theory”
, Kyoto Economic Review, 73-1, 2004)。 日 本
の数理経済学を世界水準にまで高めた一人である森
嶋通夫は、青山秀夫の門下生でした。比較制度分析
という新しい領域を開拓したことによって、世界の経
済学界に大きな影響を与えた青木昌彦は、1969 年か
ら 1977 年まで京都大学の経済研究所で教鞭をとって
いました(青木昌彦『スタンフォードと京都のあいだで』
1991 年)。
現在、本学部で教育を担当している 50 名以上の教員
は、経済学の各領域を最先端の水準で研究し、それ
らを教育に還元しています。われわれの強みは、京都
という地域に相応しい「伝統と革新」、そして本学部
の先人たちによって共有されてきた「リベラルな知的
雰囲気」にあります。こうした強みを生かした高い水
準の業績により、本学部の教育と研究は、内外より高
い評価を受けております。
経済学部には、1000 名を越える学生が在籍しており、
入門科目から専門科目へと積み上げて履修していく深
い専門性と、各科目を 4 つのコースに分類し隣接科目
も柔軟に履修できる広い学際性を兼ね備えた体系的
なカリキュラムを提供しています。また、早くから少人
数教育を重視しており、入門演習、2 回生演習、3・4
回生演習と、全ての学年に対してゼミナールを開講し
ています。近年では、学術交流協定を締結し授業料
が免除される海外の大学への留学も盛んです。本学
部の卒業生は、大学院へ進学して研究者を目指す人
から、内外の民間企業や官公庁に就職し、国内のみ
ならず海外においても経済の第一線で活躍する優秀
な人材を多く輩出しています。
1953 年に設置された大学院経済学研究科には、現
在では 250 名以上の大学院生(うち 100 名近くが海
外からの留学生)が在籍しており、5 年間一貫教育
で経済学博士の学位取得を目指します。研究科では、
まずコアコースと呼ばれる基礎科目と、6 つのコース
に配置された多様な専門科目を提供し、経済学の理
論分析と実証分析をマスターした後、論文指導委員
会による指導の下、学位論文の完成を目指します。ま
た、2009 年に設置された「東アジア持続的経済発展
研究コース」では、世界各国から優秀な学生を募り、
原則として英語で講義を行っています。
本学部には、55 万冊もの蔵書を誇る経済学部図書室
や、Wi-Fi を通じてデータベースや電子ジャーナルに
アクセスできるなどの知的インフラが整備されており、
経済学の勉学を行うために最も相応しい環境が提供
されています。私たち経済学研究科・学部は、人間
性豊かで、進取の気性に富み、創造性に溢れた学生
の皆さんに対して、常に門戸を開いています。
経済学研究科長・経済学部長
岩本 武和
2
基本情報
At a Glance
正式名称
京都大学 経済学部
Faculty of Economics,
Kyoto University
京都大学 大学院経済学研究科
Graduate School of Economics,
Kyoto University
設立
1919 年(大正 4 年)5 月
1953 年(昭和 28 年)4 月
学生数
1,185 名
259 名
入学定員
240 名
44 名
修業年数
学士課程 4 年
修士課程 2 年 博士後期課程 3 年
卒業所要単位数
学士課程 124 単位
修士課程 30 単位(修士論文要)
学位授与数累計
学士 22,389 名
修士 1,650 名 博士 951 名
教員数
55 名(併任を含む)
所在地
京都大学吉田キャンパス
(京都市左京区吉田本町)
(2014 年 3 月現在)
3
教育理念
Missions and Ideals
経済学部
経済学部の教育理念は、真理の探究を通して、現
在の社会が直面している様々な課題の解決を目指
し、激動絶え間ない現代社会の平和で調和ある発
展に貢献する人材を育成することにあります。そのた
めには専門的知識の教育にとどまることなく、学生
の自主的な学問への取り組みを尊重しつつ、柔軟な
思考力とともに豊かな人間性を涵養することを目指し
ています。
経済学は効率と合理性の価値を教える学問でもあり
ますが、しかし、その価値は、同時に人間的価値、
地球社会の繁栄、人びとが協力し合う社会と両立し
なければなりません。しかも、社会の諸問題は複雑
高度化しているから、確かな専門的基礎知識の教育
も重要であります。
そのため、経済学部では系統的で多元的なカリキュ
ラムを整備して教育にあたるとともに、演習を重視し
て個人指導および集団学習をおこなっています。ま
た、日本国内に限らない背景をもつ学生を多数受け
入れ、国際的視野のもとで教育にあたっています。
教育活動の全体を通じて、時代の進展に対応した
専門基礎学力を備えさせるとともに、豊かな人間愛、
人権感覚を備え、公正を求める廉潔な姿勢と豊かな
心情をもった人材の育成に努めています。
経済学研究科
経済学研究科修士課程では、研究者を目指す人に
対して、授業および修士論文作成を中心にした個人
指導により、経済学と関連領域の蓄積を継承させ、
研究に必須の基礎学力および分析能力を身に付けさ
せることを目標としています。
博士後期課程では、自由と自主を尊重する学風のも
と、修士学位を取得したのちに博士学位(経済学)
の取得を目指す人に研究の場と指導を提供し、経済
学の先端的課題や経済社会の諸問題に果敢に挑戦
し、社会の期待に応えられる研究者を養成すること
を目的としています。平和かつ豊かで調和ある地球
社会とその輝かしい未来の構築に寄与するという、
わが国の学術の崇高な理念に照らして、経済学とい
う学問の知恵、知識、技術を通じて現代社会の様々
な課題に貢献することのできる創造的能力をもった
4
専門的人材を育成することが研究科の教育の基本
理念です。
この理念を実現するために、わが研究科では多様で
高度な専門能力をもつ教員を擁し、経済哲学から理
論、歴史、政策、応用経済学、経営・会計学等の
諸分野にわたる幅広い教育をおこなっています。多
元的な研究方法と多様性に富む研究課題も尊重され
ています。研究科では、多数の演習とワークショップ
を設け、諸外国や学外からも多数の研究者を招き、
様々なプロジェクトをおこなっていますが、大学院生
は個人指導を受けるほかにそれらにも積極的に参加
して研究能力を高めています。こうした経験を通じて、
広範な知識と、専門家としての論理的かつ独創的な
分析力を備え、国際的な視野をもち、今日の社会の
複雑で多様な要請に応える創造的・開拓者的な研
究者へと成長することが望まれます。また、研究科
を修了する多くの人は、将来、教育・学術・その他
の分野において指導的役割を果たすことが期待され
ているので、公正で寛容、かつ人間愛豊かな人格を
磨くことも目標の一つです。
経済学部・経済学研究科の歩み
History
沿革
明治
大正
30 (1897)
京都帝国大学設立
33 (1900)
法科大学に経済学第一講座財政学を設置
4 (1915) 「経済論叢」創刊
平成
10 (1998)
研究専念期間(サバティカル)制度の導入
12 (2000)
プロジェクトセンターを設置
13 (2001)
法経総合研究棟竣工(のちの法経済学部東館)
14 (2002)
上海センター開設
8 (1919)
経済学部創設
16 (2004)
国立大学法人京都大学となる
15 (1926)
The Kyoto University Economic Review
18 (2006)
経営管理大学院と公共政策大学院の設置
組織経営分析、現代経済学を統合、現代経済・
(後に The Kyoto Economic Review と改称)創刊
経営分析とする(研究科は 3 専攻となる)
昭和
24 (1949)
新制京都大学設置
20 (2008)
研究科の 3 専攻を経済学専攻に統合
28 (1953)
大学院経済学研究科設置、
21 (2009)
学部の 2 学科制を廃止し、経済経営学科に統合
研究科に東アジア国際人材開発コースを設置
2専攻(理論経済学・経済史学、経済政策学)
学部を経済学科、経営学科に再編
37 (1962)
経済研究所設置
38 (1963)
研究科に経営学専攻を設置
23 (2011)
調査資料室を経済資料センターと改称
47 (1972)
法経新館を建設
24 (2012)
京都大学アジア研究教育ユニット(略称:KUASU)
59 (1984)
経営学科が大講座制に移行、順次大講座化
の発足に伴い、KUASU 経済分室が開設
外国人留学生特別選考開始、3 年次編入開始
東アジア国際人材開発コースを東アジア持続的経済
63 (1988)
22 (2010)
研究支援室、企画戦略室を設置
発展研究コースと改称
論文入試導入
26 (2014)
平成
上海センターを東アジア経済研究センターと改称
34 (1959)
4 (1992)
共同研究講座「自然資本経営論講座」
「再生可能エネ
ルギー経済学講座」を開設
卒業論文を開始(選択制)
7 (1995) 「経済学叢書」刊行開始
9 (1997) 研究科を 4 専攻に再編(経済システム分析、
経済動態分析、組織経営分析、現代経済学)
アドミッションポリシー
経済学部
経済学の研究対象である経済活動は、人間が生きていくためにもっ
とも基本的なものです。私たちが毎日生活しているのは、多くの人々
が日々経済活動を営んでいるからこそ可能となっているのです。しか
しその経済活動は決して単純なものではなく、産業の空洞化、雇用
問題、財政赤字、地球環境問題など、私たちが解決すべき経済問
題が、次々と新たに発生し、複雑性を増しています。
このような状況を前にして、経済学の課題を解決するためには、即
効性のある個々の断片的な知識をつめこむよりも、どのような事態
になっても対応できる柔軟な思考力と創造性を備えることが、むし
ろ重要であると私たちは考えています。
本学部は、大正 8(1919)年に創設された、日本でもっとも古い伝
統を誇る経済学部のひとつですが、この長い歴史を通じて、基礎的
な科目の教育を充実すると共に、絶えず新しい分野の学問を教育す
ることを心がけ、社会経済の激動に柔軟に対応し、解決策を発見、
創造できる人材を育成することを目標としてきました。そして現にわ
が学部は、学界、官界、産業界などで、このような能力を持つ多く
の人材を輩出してきたと自負し、またそのような評価も受けています。
私たちは、このような京都大学経済学部の良き伝統を継承し、そこ
に新たな歴史の一ページを刻み込む強い意欲を持つ学生諸君が門
を叩いてくれることを望んでいます。
多様な背景をもつ学生を受け入れるため、本学部では、前期日程試
験において「一般入試」、
「論文入試」および「理系入試」という 3
種類の学力検査を実施しています。これら 3 種類の入試すべてで、
高等学校までに十分な基礎的学力を身につけることを求めています
が、とくに論文入試においては、総合的な学力とともに自学自習の
能力を重視した選抜を行います。また理系入試では数理的能力を
重視した選抜を行います。
経済学研究科
日本で最も古い伝統を誇る経済学研究科の一つである京都大学大
学院経済学 研究科は、大正 8 年(1919 年)の創設以来、経済学
分野における教育研究の一大拠点として活動を続けてきました。
博士課程5年一貫の教育 ・ 研究を通して、経済 ・ 経営における諸活
動を、科学的に分析し、財政、産業、雇用、経営、金融、地球環
境など、現在の日本が抱える諸問題に対して、本質的な解決策を提
示しうる研究者の養成を行ってきています。
激動する今日的環境において、経済学の最先端を切り開き続けるた
めには、即効性のある個々の断片的な知識を詰め込むよりも、過去
に例のない様々な種類の問題に対して創造的に対応できる以下のよ
うな能力が必要であると考えています。
● 論理的合理的な思考力
● 自ら問題を発見し解決しうる能力
● 個性と独創力
● 卓越した知を継承しうる創造的融合能力
私たちは、
「学問の自由と自主独立」という良き伝統を踏襲しつつも、
日本、世界の経済学における未踏の難関に挑戦し続ける気概のあ
る人材を求めています。
5
学部の活動
Activities of the Faculty
6
一学部一学科制
卒業論文
経済学部では長い伝統に安住するのではなく、学部教
育の改善を進めています。国内外の経済の複雑化、企
業経営の変容を踏まえて、かつての二学科制を廃止し、
一学部一学科制に統合しました。先端的な知識も含めて、
幅広い知識と深い思考力を身につけることができるよう
に配慮しています。
積み上げ方式
経済学部は必修科目を設けていません。自由闊達な勉
学を奨励するという方針だからです。卒業論文も選択制
です。ただし、優秀卒業論文を顕彰する制度を設けまし
た。それはより多くの学生が卒業論文を書くことを推奨
したいと考えているからです。
自学自習の伝統
講義科目は、入門演習、入門科目、専門基礎科目、専
門科目Ⅰ、専門科目Ⅱ、法学部提供科目、特殊講義等
に区分しており、基本的に積み上げ方式となっています。
卒業必要単位は 124 単位ですが、すべてが 2 単位科目
になっています。
演習の重視
自学自習の精神を実効あらしめるためには、設備の充
実も重要で、地下 1 階にコンピュータ室を設け改善をは
かっています。また、演習室 10 室の空き時間については、
学生の自習、議論の場として開放しています。
学習支援
学部で重視している演習は入門演習に続いて 2 回生演
習、3・4 回生演習が開設されていて、少人数教育を毎
年受けられるようにしています。
教育の前提として学生の生活上の安全と支援、教育面で
の相談などについても情報を提供し
(学生安全ハンドブッ
ク/Student’
s Safety Handbook)、窓口
(学生委員会など)
を開設しています。
コース制
理論・歴史コース、政策コース、マネジメントコース、ファ
イナンス・会計コースの 4 コースを設けています。体系的
な履修モデルにしたがって学習することによって専門性
を高めることができます。このコース制は弾力的な制度
であり、それぞれのコースの履修成績優秀者にはコース
認定を行います。
学部在籍学生数
相談室
2013 年度より、経済学部・経済学研究科学生、大学院
生を対象とした相談室を開設しました。学生生活を送る
上で、困ったこと、悩み等の相談を随時受けています。
(2013 年 10 月現在)
男
女
全体(うち留学生)
974
211
1,185(40)
寄附講義
現代経済はますます複雑な仕組みを生み出しながら変動し
つつ発展しています。その複雑な動態を理解するためにも、
原理についての知識だけでなく、各種産業や商業の経済活
動の実態の理解やプラクティカルな知識がますます重要に
なってきています。そこで経済学部では、寄附講義として学
外の専門実務家の方々を招いて実践的な講義を開設してい
ます。
寄附講義の講師はおもに実務の第一線で活躍する方々が
担っており、ときには会長や取締役にも出講いただいていま
す。授業を通じての実務家との接触は人材育成という点から
も大きな意義があり、多くの学生が強い関心をもって聴講し
ています。
● 三井住友銀行寄附講義
「投資銀行業務とグローバル戦略」
● みずほフィナンシャルグループ寄附講義
「先端バンキング論」
● 京都銀行寄附講義
「京都経済論」
● 日本投資顧問業協会・投資信託協会寄附講義
「アセットマネジメントの実務と法」
● 農中信託銀行寄附講義
「企業価値創造と評価」
7
学部優秀卒業論文の顕彰
2010 年度卒業生(2011 年春卒業)から優秀卒業論文の顕彰
を始めました。2013 年度卒業論文の中から下記の優秀論文5
編を選びました。
◆
◆
◆
◆
◆
8
妹尾 暁彦 「動学的マクロ経済学による銀行行動の研究
―金融市場の外部性とリスクテイクの評価―」
星田 佳祐 「人口減少が経済成長に与える影響について
―内生的成長モデルによる―」
宮﨑 俊亨 「「いちば」を超えて ―変革期の京野菜に見る
都市農業再編主体に関する考察―」
山本 尚忠 「保有ポートフォリオを考慮したクリエイティブ
サービス価値の持続・向上施策」
ケヴヘイッシュウィリ・ルースダン 「マルコフ転換モデル
によるバブル期の分析」
卒業後の進路
学部卒業者の進路状況
2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度
就職
195
190
197
217
209
進学
25
32
26
19
23
受験準備
14
25
17
12
17
その他
7
5
13
10
9
241
252
253
258
258
総数
主な就職先
卒業者就職先
2008 年度 2009 年度 2010 年度
建設業
3
5
5
2011年度 2012 年度
0
0
製造業
42
39
37
44
41
情報通信業
23
23
23
18
19
卸売・小売業
10
14
23
25
19
電気・ガス
運輸・郵便業
7
11
10
11
10
13
7
11
11
8
金融・保険業
57
45
49
55
62
学術研究・専門技術サービス
21
21
19
28
10
2
3
3
2
不動産業
飲食・宿泊
教育・学習支援業
公務員
サービスその他
6
1
11
1
4
0
14
1
4
0
8
3
3
0
17
7
2
2
5
23
7
●伊藤忠商事
● SMBC 日興證券
●大阪証券取引所
●関西電力
●京都銀行
●京都市役所
●京都府
●金融庁
●経済産業省
●厚生労働省
●国際協力機構
●国税庁
●国土交通省
●証券保管振替機構
●住友商事
●総務省
●東京国税局
●トヨタ自動車
●日本銀行
●日本商工会議所
●日本生命保険
●日本たばこ産業
●野村證券
●防衛省
●丸紅
●みずほフィナンシャルグループ
●みずほ銀行
●三井住友銀行
●三井住友信託銀行
●三菱商事
●三菱東京 UFJ 銀行
●有限責任あずさ監査法人
卒業者進学先
京大経済学研究科
京大経営管理大学院
東大経済学研究科
一橋大学経済学研究科
一橋大学商学研究科
阪大経済学研究科
京大法科大学院
東大法科大学院
一橋大学法科大学院
阪大高等司法研究科
その他法科大学院
京大公共政策大学院
東大公共政策大学院
京大その他大学院
東大その他
阪大その他大学院
その他大学院
医学部進学
進学者総数
2008 年度 2009 年度 2010 年度
10
3
3
1
0
0
2
0
0
0
2
1
1
1
1
0
0
0
25
14
4
3
1
2
0
2
1
0
0
0
1
0
2
1
1
0
0
32
13
5
0
0
0
0
1
0
0
1
0
1
0
2
1
0
1
1
26
2011年度 2012 年度
9
2
1
0
0
0
0
0
0
0
1
3
0
2
1
0
0
0
19
11
2
1
1
0
0
0
0
0
0
0
1
0
5
0
0
2
0
23
9
大学院の活動
Activities of the Graduate School
10
修士課程・博士後期課程
大学院教育の中軸は研究者養成であり、5 年一貫の
研究者養成をおこなっています。
修士課程(博士前期課程)では、科目を基礎科目、
専門科目、特別講義に分類し、基礎科目と専門科目
の履修モデルとして 6 つの専門コースを設け、各コー
スで履修すべき基礎科目と各コースに分類される専
門科目を提示しています。
博士後期課程では、大学院生ごとに複数の教員によ
る博士論文指導委員会がつくられ、3 年間で博士論
文を作成できるように個別指導をおこなっています。
また、研究状況に応じて発表をおこなうとともに高
度な討論切磋琢磨の場を設けるために
「ワークショッ
プ」を開設しています。
本大学院で、修士の学位を授与された人は、2014
年 3 月現在で累計 1650 名、博士の学位を授与され
た人は、951 名に達しています。その多くが研究者と
なって大学やシンクタンクで研究職に就き、内外の
学界で活置しています。
また、2009 年度から、英語を共通言語とした秋入
学の大学院プログラムとして「東アジア持続的経済
発展研究コース」をスタートし、日本および東アジア
の経済について多角的・学際的・国際的な視点から
研究し、同地域に生起する社会経済的諸問題の実
践的解決と持続的発展に貢献できる学術研究者お
よび実務エコノミストの養成を行っています。
修士課程(2 年)
近代経済学理論コース
近代経済学応用コース
社会経済学コース
経済政策コース
ワークショップ
基礎科目
専門科目
修士論文
博士論文
経営学・会計学コース
歴史・思想史コース
東アジア持続的経済発展研究コース
博士後期課程(3 年)
基礎科目
専門科目 A
修士論文
国際交流プログラム
専門科目 A・B
博士論文
博士後期課程編入
他大学や他研究科で修士の学位を取得した人を対
象として、博士後期課程編入も積極的に実施してい
ます。
編入試験には、通常の編入試験のほか、修士の学
位を持つ社会人や学内他研究科で修士課程を修了
した人を対象とした特別選抜入試も実施し、多様な
研究者の養成に努めています。
11
大学院在籍学生数
(2013 年 10 月現在)
男
女
博士後期課程
82
102
44
126(60)
総数
184
75
259(94)
修士課程
全体(うち留学生)
31
133(34)
修士課程修了者の修了後の進路
2008 年度 2009 年度 2010 年度
21
24
15
官公庁関係
企業
1
1
0
帰国
2
1
博士後期課程進学
大学及び研究機関
その他
総数
0
5
0
0
2011 年度 2012 年度
18
19
0
2
0
0
5
14
11
11
1
2
2
2
0
30
33
33
35
41
2
4
9
注:修了時点の届出によるものであり、必ずしも現在の所属を示すものではない
博士後期課程修了者の修了後の進路
大学及び研究機関
2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度
10
18
28
19
その他
3
26
3
15
5
6
1
8
総数
41
38
41
29
官公庁関係
企業
帰国
1
1
2
1
0
0
1
1
2012 年度
12
0
4
8
2
26
注:修了時点の届出によるものであり、必ずしも現在の所属を示すものではない
学位(課程博士・論文博士)授与状況
2007 年度
2008 年度
2009 年度
2010 年度
課程博士
論文博士
合計
33
10
43
22
5
27
40
27
5
7
2011 年度
33
8
2013 年度
12
2
2012 年度
23
9
45
34
41
32
14
博士後期課程修了者の主な就職先
●大阪産業大学
●大阪大学
●京都大学
●金融庁
●熊本学園大学
●(独)経済産業研究所
●滋賀大学
●首都大学東京
●椙山女学園大学
●中央大学
●帝塚山大学
●東京都市大学
●(独)日本学術振興会
●日本銀行
●(社)日本経済団体連合会
●(株)日本政策投資銀行
●阪南大学
●広島修道大学
●福岡大学
12
● Ho Chi Minh City University of
Technology
●福島大学
●文部科学省
●横浜国立大学
●立教大学
●立命館大学
(2010 年から 2012 年実績)
東アジア持続的経済発展研究コース
International Graduate Programme for East Asia Sustainable Economic Development Studies
本コースは英語を共通言語とした秋入学の大学院プ
ログラムであり、日本および東アジアの経済について
多角的・学際的・国際的な視点から研究し、同地域
に生起する社会経済的諸問題の実践的解決と持続
的発展に資する学術研究者および実務エコノミスト
を養成することを目的としています。
修士課程(2 年)
・博士後期課程(3 年)の計5年間の
プログラムで、2013 年から日本人にも門戸を広げて
います。
本コースに所属する学生は、アジアを中心に世界各
地の出身者で構成されています。また、海外からの
招へい研究者による講義も提供されるなど国際的な
環境の中で学修することができます。
※本コースは 2009 年度に設置され 2012 年まで「東アジア国
際人材開発コース」の名称が使われてきました。
インターンシップ・ワークショップ
本コースは、通常の専門科目に加え、インターンシップ科目や大
学院生ワークショップ科目を提供しています。
学生は必要に応じて、国内外の国際機関や NGO 等でインター
ンシップを行い、個々の研究分野の理解を深めると共に、研究
分野の壁を越えた人々との交流を持つことができます。
また学生は、大学院生ワークショップ科目を履修し、国内外で
研究発表を行うことが推奨されています。発表の経験を積むだ
けでなく、様々な分野の著名な研究者や海外の学生と交流を
持つ機会ができます。2013 年度はドイツおよびオランダに 2 週
間滞在し、両国の大学において英語による研究発表、農場見
学や NGO・労働組合等への訪問調査を行いました。
このほか、東アジア諸国で実施する海外フィールド調査も履修
科目として提供しています。これまで中国、韓国、タイ、インド
ネシアの各国で実施したフィールド調査や短期研修プログラムに
多数の学生が参加しています。
エラスムス大学でのワークショップの様子
科目一覧
[ Basic Courses ]
Field Research in Japan A
Field Research in Japan B
Research Design A
Research Design B
Introduction to East Asian Economies
Firms and Industrial Organization in Japan
Microeconomics
Macroeconomics
Econometrics
Political Economy
Comparative Industry Policy Studies
Comparative Business Ethics
Academic Writing & Discussions
Introduction to Field Survey Methods
[ Advanced Courses A ]
Japanese Economic History
East Asian Economic History
Econometric Analysis of Asian Economies
Contemporary Chinese Economy Studies
International Political Economy of Agriculture
International Agribusiness Studies
International Finance Theory
International Trade Theory
Development Economics
Economic Development in Asia
ASEAN Economy and Sustainable Development
Comparative Development Studies
Environmental Economic Studies
Environmental Management
International Business
Strategic Management
Global Industry and Business History
Readings on Institutional Economics
Readings on International Economics
Readings on Environmental Economics
Readings on Human Resources
Readings on Organizational Behavior
Overseas Field Research
Internship
[ Advanced Courses B (only for doctoral programme) ]
Field Research in East Asian Region A (China)
Field Research in East Asian Region B (South Korea)
Field Research in East Asian Region C (ASEAN)
International Graduate Student Workshop
Case Studies in East Asian Economy
13
国際交流
International Academic Relations
14
部局間交流
京都大学では全学レベルで全世界 32 か国・地域・ 部局としての外国の大学・研究機関と国際交流協定
機関の 98 大学 4 大学群 1 機関と交流協定を結んで を締結し、国際交流協定の促進を図っています。
いますが、それ以外に経済学研究科・経済学部では、
【部局間交流協定一覧】 (2014 年 1 月現在)
協定校名(部局名)
国 名
中 国
中国社会科学院(経済研究所)
Chinese Academy of Sciences (Institute of Economics)
中 国
復旦大学(経済学院)
Fudan University (School of Economics)
国立政治大学(社会科学院)
National Chengchi University (College of Social Sciences)
中 国
中 国
台 湾
ブルガリア
フランス
ドイツ
Fudan University (Center for Japanese Studies)
復旦大学(日本研究中心)
中国人民大学(経済学院)
Renmin University of China (School of Economics)
ソフィア経済大学
University of National and World Economy, Sofia
ヨハン・ヴォルフガンク・ゲーテ大学
Johann Wolfgang Goethe-Universitat am Main
パリ第4大学―ソルボンヌ
Universite de Paris Ⅳ - Sorbonne
イェンシェピンク大学 ( 国際ビジネススクール )
Jonkoping University (Jonkoping international Busuness School)
ハーバード燕京研究所
Harvard - Yenching Institute
慶北大学校経済・経営研究所
Research Institute of Economics and Business Adminisration
kyungpook National University
パリ・ドフィヌ大学
Universite de Paris - Dauphine
韓国
慶北大学校経商大学
College of Economics and Business Adminisration,
kyungpook National University
タイ
タマサート大学 国際学部
Thammasat University (Pridi Banomyong International College)
タイ
タマサート大学 経済学部
Thammasat University (Faculty of Economics)
ガジャマダ大学 経済・ビジネス学部
Universitas Gadjah Mada (Faculty of Economics and Business)
スウェ-デン
アメリカ合衆国
韓国
フランス
Chulalongkorn University (The Faculty of Economics )
チュラコンローン大学 経済学部
タイ
インドネシア
留学生の受入・派遣
多くの留学生が、経済学部・経済学研究科で学んでおり、
本学部学生・大学院生も海外へ留学しています。
学部では、留学生特別入学選考によって、正規学部生とし
て毎年 10 名程度受け入れています。また、短期(半年か
ら 1 年)の交換留学生も毎年受け入れています。2010 年
度~ 2012 年度では、受入国は中国が 11 名、韓国・フラ
ンスが 6 名、ドイツが 5 名など計 53 名となっております。
大学院では下図のように留学生が多く学んでいます。
他方、日本人の学部学生に対し外国の大学での科目履修
を認めており、2010 年度~ 2012 年度では、派遣国はド
イツが 11 名、中国(香港含む)が 7 名など 3 年間の合計
で 41 名に達しています。
【国籍別在籍大学院留学生数】 (2013 年 10 月現在)
ハンガリー 1(0/1)
●
● ロシア 1(0/1)
トルコ 1(0/1)
韓国 4(2/2)
●
●
中国 67
(47/20)
●
台湾 4(0/4)
ネパール 1(1/0)●
エジプト 1(1/0)●
●
タイ 2(2/0)
●
米国 1(1/0)
●
●
ベトナム 1(0/1)
●
インドネシア 3(3/0)
● ブラジル 1(1/0)
南アフリカ 1(0/1)
●
チリ 2(2/0)●
合計 91(60/31)
※ ( ) 内は ( 修士課程/博士後期課程 )
15
研究 / 教育推進
Research & Educational Initiatives
16
科学研究費
研究推進支援室では、代表的な競争的資金である科学研究費への応募を促進することとし、顕著な
成果をあげました。
研究代表として採択されている件数(継続を含む)
35
【主要な研究課題】
植田 和弘
基盤研究(A)
“制度を媒介とした持続可能な発展と主観的福祉のリンケージ”
黒澤 隆文
30
基盤研究(A)
“地域の競争優位―国際比較産業史の中のヨーロッパと東アジア”
25
武石 彰
基盤研究(A)
20
“日本型企業間分業の変容と日本企業の競争力”
15
“分散型電力システムの制度設計と社会経済的評価、
諸富 徹
10
0
その地域再生への寄与に関する研究”
江上 雅彦
5
基盤研究(A)
基盤研究(B)
“資産価格相関の行動学的分析とファイナンス工学への応用”
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
堀 和生 基盤研究(B)
“東アジア高度経済成長の歴史的起源
— 連続・断絶論から東アジア経済圏論へ”
教員の受賞
依田 高典
「ブロードバンド・エコノミクス情報通信産業の新しい競争政策」日本経済新聞出版社、2007 年
・ドコモ・モバイル・サイエンス賞 奨励賞(2007 年)
・大川情報通信基金 大川出版賞(2007 年)
「時間選好、危険選好ならびに喫煙習慣」応用経済学研究、2007 年
・日本応用経済学会 第 1 回学会賞(2007 年)
「情報及び健康に関する消費者選好の実証経済学的研究」
・日本学術振興会 第六回日本学術振興会賞(2010 年)
植田 和弘
「福祉(well-being)と経済成長 — 持続可能な発展へ」計画行政、2010 年
・日本計画行政学会論説賞(2011 年)
江上 雅彦
「信用リスク管理のためのアラームシステム構築」
(山崎和俊との共著)、2009 年
・
(株)金融工学研究所設立 10 周年記念懸賞論文入選(2009 年)
佐々木 啓明
「Cyclical growth in a Goodwin-Kalecki-Marx model」Journal of Economics、2012 年
・第 3 回経済理論学会奨励賞(2012 年)
椙山 泰生
「技術を導くビジネス・アイデア —コーポレート R&D における技術的成果は
どのように向上するか —」組織科学、2005 年
・第 23 回組織学会高宮賞(学会賞)論文部門(2007 年)
武石 彰
「イノベーションの理由 —資源動員の創造的正当化」
(青島矢一、軽部大との共著)有斐閣、2012 年
・第 55 回日経・経済図書文化賞(2012 年)
成生 達彦
「情報、卸および流通経路」
(鳥居昭夫との共著)流通研究、2007 年
・日本商業学会 2008 年度優秀論文賞(2008 年)
藤井 秀樹
「制度変化の会計学 — 会計基準のコンバージェンスを見すえて」中央経済社、2007 年
・日本公認会計士協会学術賞(2008 年)
・国際会計研究学会賞(2008 年)
「会計理論の課題と研究方法 — 実証研究の方法論的基礎の検討を中心に—」会計理論学会年報、2011 年
・会計理論学会賞(2012 年)
諸富 徹
「環境税の理論と実際」有斐閣、2000 年
・国際公共経済学会賞(2000 年)
・日本地方財政学会佐藤賞(2001 年)
・NIRA大来政策研究賞(2001 年)
「地域再生の新戦略」中公叢書、2010 年
・日本公共政策学会賞著作賞(2011 年)
「金融のグローバル化とトービン税」現代思想、2002 年
・祖税資料館賞(2003 年)
17
プロジェクトセンター
京都大学大学院経済学研究科附属プロジェクトセ
ンターは、①現代産業社会活性化のためのプロジェ
クト型研究を組織し、②教育技法・教材の開発、
産業社会の分析などを行うことにより、広く経済学・
経営学の教育研究の向上に寄与することを目的とし
て、2000 年 11 月に設立されました。
①の目的を達成するため、
「大学院教育研究高度
化プロジェク卜」を募集し、プロジェクトセンター運
営協議会で審査の上、2010 年度に 5 件のプロジェ
クトを採択し現在に至っています。また②の目的を
達成するため、任期付きの若手研究者の積極的登
用などを進め、現在 6 名の専任教員が採用されて
おります。
また、学内外の研究員や特任研究員(シニア・リサー
チ・フェロー、リサーチ・フェロー、ジュニア・リサー
チャー)をセンターのメンバーに加え、国際協力機
構(JICA)や三菱総合研究所(MRI)との共
同研究をはじめとして、開かれた産官学連携活動
を推進しています。さらに、学外において先端的
研究を行っている講師を招へいして、
「数理ファイナ
ンスセミナー」、
「先端ファイナンスビジネス研究会」、
18
「制度的経済動学研究会」
「金融工学理論研究会」
等を開催し、その発展と普及につとめ、
「ランチタ
イム・ワークショップ」
(2013 年度末現在で 64 回)
では、主として若手研究者の育成につとめておりま
す。これらプロジェクトセンターの成果の一部は、
「ディスカッションぺーパーシリーズ」
(2013 年度末
現在で 59 本)として公表されています。
なお、本センターの運営は、専任および兼任の教
員から構成され、月 1 回開催される「プロジェクト
センター運営協議会」が行っております。
プロジェクトセンター長
依田 高典 教授
東アジア経済研究センター
21 世紀はアジアの世紀だとよく言われますが、ア
ジアの中では、とりわけ中国をはじめとする東アジ
アの存在が益々大きくなり、日本経済との相互依存
関係も深まる一方です。本センターは 2002 年に設
立され、急成長を遂げる中国及び東アジア経済に
関する研究の促進、東アジア地域における研究ネッ
トワークの形成、研究成果の社会への還元、そして、
東アジアで活躍する人材の育成などを目的とした活
動を展開しています。
主な活動内容は以下の通りです。
などを随時開催しています。
1. シンポジウム・研究会の開催
本センターでは年 2 回の定例シンポジウムを開催し
ています。夏には東アジア経済または中国経済、
秋には中国自動車産業をテーマとするシンポジウム
を開催しています。また、中国経済を研究する学
内外の研究者や学生同士の学術交流を深めるため
に、大学の授業期間中に毎月 1 回「中国経済研究
会」を開催しています。この他に、中国や韓国な
ど諸外国の協定校との国際交流セミナーや講演会
3. 人材育成
東アジア地域の経済発展、とりわけ持続的な発展
を促進するためには、人材育成が必要不可欠です。
本センターは 2009 年からベトナム・ラオスから若手
研究者を日本に招き、市場経済移行に関する短期
研修を行ってきました。また、日本の環境対策の
経験を中国に伝えるために、2011 年から「日中共
同持続的発展(SD)人材育成短期研修プログラム」
を実施しました(詳細は別項目参照)。
2. 情報発信
本センターでは、機関紙に当たる『東アジア経済研
究』を年 1 回発行することにし、内外の研究者と
の交流に供しています。また、
『京大東アジアセン
ター・ニュースレター』を週 1 回発行し、内外の研
究者や学生、そして本センター協力会会員向けに中
国経済や東アジア経済に関する新しい情報を発信
しています。
中国自動車シンポジウム
毎年 11 月に中国自動車シンポジウムが開催されています。2011 年は「現
代自動車から何を学ぶか -新興国における競争要因-」がメインテーマ
として、多様な側面から現代自動車の競争力が分析されました。シンポ
ジウムへの参加者は、海外の自動車メーカー数社の参加がみられること、
国内からの参加者も、大学研究者よりも自動車業界関係者の方が多く、
自動車メーカーや部品メーカー、自動車流通関連会社、シンクタンク等
が約 70% を占めております。毎年約 400 名が参加し、百周年時計台
記念館百周年記念ホールがほぼ満席となっています。このように関心が
高いため、2011 年からは京都だけでなく、東京(京都大学東京オフィ
ス)でも開催されるようになりました。このシンポジウムが発信する情報が
貴重であるため、毎年 10 数社の報道機関が取材に訪れ、これまでに
NHK テレビのニュースに二度、報道されています。また、日本経済新聞、
日刊自動車新聞、Japan Times 等の記事においても紹介されています。
また 2010 年のシンポジウムからは、その内容が翌年に出版されるように
なり、『中国自動車市場のボリュームゾーン -新興国マーケティング論-』
(昭和堂)として上梓されました。
東アジア経済研究センター長
塩地 洋 教授
日中共同持続的発展(SD)人材育成プログラム
中国経済の持続的発展と日中両国の環境エネルギー分野における協
力を促進するために、2011 年 5 月と 11 月、そして 2012 年 5 月に 3
回にわたり中国の政府関係者を 10 名ずつ京都大学に招へいして、日
本の企業や自治体の参加者と共に持続的発展について 3 週間の研修
を行いました。
研修では、持続的発展に関する理念と理論だけではなく、日本のこ
れまでの経験や政府・企業・家庭の取り組みについて、現地見学を交
えて勉強する機会を設けました。最終日には研修で得られた成果をグ
ループで報告する発表会を行いました。
百聞は一見に如かず、中国からの研修者にとっては、研修を通じて持
続的発展に対する理解が深まっただけではなく、日本に対する認識も
大きく変わったようです。日本と中国との間で持続可能な発展へ向け
た知的ネットワークが構築されていくことを期待しています。
19
三井住友銀行金融研究教育センター
2011 年 10 月に三井住友銀行からのご寄付をもと
に、
「三井住友銀行金融研究教育センター」がオー
プンしました。
センターには、
「 デ ータストリーム」
(Thomson
Reuters 社)と呼ばれる金融・経済分析のための
データベースを配備しています。株価・企業財務デー
タ・債権・金利・オプション・為替・マクロ経済デー
タなど、約 250 万種類の時系列データを取ること
が可能です。その際は、エクセルをインターフェイ
スとして使うことができますので、簡単にデータを
ダウンロードすることができます。これらのデータ
は、学部生・大学院生が、講義の課題に取り組む
際、また論文を執筆する際の実証研究には欠かせ
ないものであります。講義で得た理論的な知識をも
とに、自分でデータを分析することにより、新たな
問題意識や研究の着想を得る契機となる可能性も
あります。
またセンターでは、研究発表やセミナーを開催する
ための設備もあり、京都大学経済学研究科・経済
学部における金融研究教育のひとつの拠点となる
ものと期待されます。
経済資料センター
経済学研究科には図書・資料を扱う部署として、
図書室のほか 2011 年 6 月に調査資料室から改組
された経済資料センターがあります。当センターで
は図書とアーカイブの両面から研究科の学術研究
の支援を行っています。
図書室では経済学や経 営学に関する学 術図書・
雑誌などを対象としているのに対し、経済資料セ
ンターは経済・経 営の分析のための多様な資料
を収集・提供しています。主に政府や民間団体か
ら刊行される統計書や白書などの報告書、有価
証券報告書総覧、OECD資料などのほか、C
D - ROMといった電子資料を扱っています。ま
た、経済資料や統計データなどの検索・収集に関
するレファレンスサービスや日経テレコン21、日経
FinancialQuest などのデータベースの運用・管理
を行っています。
20
さらに、経済資料センターに改組されるにあたり、
従来の図書業務に加え、京都を中心とした関西地
域の企業・団体等の資料の収集・提供等を主たる
目的としたアーカイブ業務を行っています。企業・
団体等の資料は一般に出回ることのほとんどない
非公開のものが多く、さらに近年、企業の買収・
合併、あるいは組織の改廃等により、資料の廃棄・
散逸が起こっているのが現状です。これらの内部
資料は、企業や組織の事業活動の実態を解明する
ために、研究の基礎材料となるもので、大きな学
術的な意味をっています。現在これらの所蔵蓄積
はまだ初発の段階ですが、今後事業を進めるなか
で、企業・団体の協力を得ながら資料の収集・提
供を図っていきます。
出版助成
研究科では PD など若手研究者の出版助成を実施
しています。
出版助成した著作のうち、2010年度の厳成男「中
国の経済発展と制度変化」は第 2 回(2011 年度)
経済理論学会奨励草を受賞しました。また 2011
年度の川名雄一郎「社会体の生理学―J・S・ミル
と商業社会の科学」は、第 1 回(2013 年)水田賞
(名
古屋大学)を受賞しました。
2013 年度は 3 件を採択しました
・佐々木 啓明 「Growth, Cycles, and Distribution: A Kaleckian Approach」
・三宅 裕樹 「地方共同資金調達機関に関する基礎的研究」
・吉野 裕介 「ハイエクの経済思想-自由な社会の未来像」
KUASU(京都大学アジア研究教育ユニット)
京都大学アジア研究教育ユニットは、京都大学 9
部局の連合により 2012 年 12 月に発足しました。
アジア地域や世界各地における相互理解と、共通
して直面している問題の解決を目指して、国際連
携大学との協働により、次の3つのミッションを達
成します。こうした活動を通じて、現地感覚を兼ね
備えたグローバル人材が成長し、国境を越えた友
情が育まれることを期待しています。
また経済学研究科において 2009 年に設置された
大学院プログラム「東アジア持続的経済発展研究
コース」
(詳細P 13)は、KUASUの支援と連携
により、多様な知識と経験を修養できる一層充実
したものとなっています。
MISSION 1:
国際的学際的協働による世界最高峰のアジア研究拠点の形成
各研究単位の独自性を保持しつつ、アジア全域に関する学際的な研究融合の場を形成し、世界最高水準でのアジア研
究と日本研究の統合と体系化を国際連携大学と実現していきます。
MISSION 2:
国際連携大学院プログラムによるグローバル人材育成
国際連携大学院プログラムとは、国際連携大学との協働により大学院生の教育と研究指導を行うプログラムです。共同
授業、フィールドワーク、インターンシップ等を国際連携により実施していきます。
一部の学生は大学院の教育課程の一部を海外の大学院で履修し、海外の大学院の教員による共同指導を受け学位論
文を執筆します。また、教員を相互に派遣・招聘し、授業提供と単位認定を行います。
MISSION 3:
相互理解と問題解決のための現代アジア研究の国際共通基盤構築
本ユニットは、アジアにおける経済・社会・文化の多様性と共通性を国際比較の視点から共同研究するための国際連携
を強化し、とくにアジア地域における国際共同研究実施のための共通基盤形成を重点課題とします。
アジア各国のそれぞれの言語で出版・発表された重要業績を収集・翻訳・共有し、国際比較研究のためのデータベース
を構築します。
21
経済学会
京都大学経済学会は、「経済学・経営学に関する
研究・教育の振興と、その成果の普及を図り、京
都大学経済学部の発展に寄与することを目的」
として
(経済学会規約第 3 条)
、経済学部教員等で構成
されます。創設は学部創立の 1919 年で、京都大
学における経済学の研究・教育機能を担ってきまし
た。
経済学会は学術雑誌『経済論叢』を刊行し、本学
における経済学研究の成果を内外に公表する役割
を担ってきました。『経済論叢』は、学部・学会の
創設より早い 1915 年に創刊され、年 4 巻(標準掲
載論文数 8 本)の発行体制で、第 188 巻(2014
年現在)まで到達しています。他方、1926 年には、
アジアで最初の経済関係の英文定期刊行物である
“The Kyoto University Economic Review"( の
ちに“The Kyoto Economic Review”と改称)を
刊行し、国内外の高い評価を得てきました。これは、
第 81 巻(2014 年現在)まで到達しています。
他にも、1991 年より、『経済論叢』別冊として、図
表や資料の多い学術成果の発表媒体として『調査
と研究』を、さらに、教員の研究成果を取りまとめ
て書籍として世に問う媒体として 1995 年より、「経済
学叢書」の刊行を開始するなど、活発な学術活動
を展開しています。
The Kyoto Economic Review
The Kyoto Economic Review(旧 The Kyoto
University Economic Review)は創刊以来 81 巻
を数える、経済学分野でアジア最古の欧文学術誌
として、経済学研究の全分野にわたって 500 本近
い論文を公表してきました。日本が世界から孤立し
ていた 1937 年以降の戦時期にも刊行が続けられ、
日本の経済学者を国際的な学界に結びつける貴重
な媒体としての役割を果たしました。河上肇、高
田保馬、柴田敬、八木芳之助、青山秀夫らの業績
は、この欧文誌によって、海外の研究者に紹介さ
れました。
22
創刊者たちの革新性を引き継ぐ本紙は、経済理論、
計量経済学、応用経済学、経営学、経済史、経
済思想などを包括する経済学分野の総合誌として
進化を続け、2004 年度からは投稿募集を学外研
究者にも開放しています。
経済分析の先端的研究の成果を発信するだけでな
く、経済学における歴史的・哲学的視野を深める
ことも本誌の目的です。さらにまた、経済分析の新
たな発展に資する経済
および経営行動の透徹
した事例研究も受け入
れています。
共同研究講座
京都大学は、産官学連携を通じて研究成果の還元
と社会貢献を積極的に進めることを基本理念の1
つとしています。民間企業等と京都大学の双方が、
社会と産業界に広く貢献することを目的に、共同で
プロジェクトの拠点を形成することでイノベーション
の創出を図るという新たな制度が、共同研究講座
です。
経済学研究科では、2014 年度より2件の共同研究
講座を開設しました。
再生可能エネルギー経済学講座
<概略・目的>
再生可能エネルギーの普及促進のためには、技術的障害
をどう克服するかという観点だけでなく、それを促す社会
経済システムをどう設計するかという観点での研究が必要
です。これまでは前者の観点からの研究が主流でしたが、
本講座では、後者の観点から研究を進めるための拠点づ
くりを目指します。
再生可能エネルギーは、本質的に分散型電源でとしての
性質をもっています。20 世紀型の電力システムが、火力、
原子力などの集中電源から電力消費地に向かって一方向に
<参加企業>
エネルギー戦略研究所株式会社
<設置期間>
2014 年4月1日~ 2019 年3月31日
電気を送るシステムとして最適化されているのに対し、21
世紀は、再生可能エネルギー、蓄電池、コジェネなどの
分散型電源、さらには熱源を組み合わせて双方向型のエ
ネルギーネットワーク形成を図ることが求められます。
本講座ではしたがって、分散型ネットワークとは何か、
「集
中型」から「分散型」に移行するには何が必要か、とい
う課題についても、社会経済的側面から研究を進め、積
極的に政策を提言・発信していきます。
<参加研究者>
諸冨 徹 京都大学経済学研究科 教授
植田 和弘 京都大学経済学研究科 教授
山家 公雄 京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授 (エネルギー戦略研究所株式会社 所長)
加藤 修一 京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授
(エネルギー戦略研究所株式会社 シニア・フェロー)
自然資本経営論講座
<概略・目的>
私たちは、これまで自然が創り出した自然資本の恩恵を享
受し、経済活動を発展・持続させ、日々の生活を豊かに、
快適にしてきました。一方で、自然資本からの恩恵を当た
り前のものとして受け取ってきたために、その価値を正確
に評価できずにきたことも事実です。その結果、地球環
境の劣化と天然資源の減耗などの深刻な地球環境問題を
引き起こしてきました。1992 年の
「国連環境開発会議
(「地
球サミット」)」は、地球環境保全や持続可能な発展に関
する考え方を整理する契機となりましたが、その後もさら
なる発展のために、特に新興国において自然資本の急速
な開発が進んでいます。
地球サミットから 20 年後の 2012 年に開催された「国連持
続可能な開発会議」では、
「自然資本宣言」が発表され
るなど、自然資本の重要性に改めて注目が集まっています。
<参加企業>
株式会社サステイナブル・インベスター
<設置期間>
2014 年4月1日~ 2017 年3月31日
エネルギーや資源の有限性など『地球の限界』を明確化
し、環境保全と経済成長の両立を目指す『グリーン経済』
への移行が喫緊の課題となっている今、自然資本をどのよ
うに『経営』していくかは、国際社会、国、企業において
非常に重要な論点と言えます。
そこで、本講座では、まず世界や日本で行われている自
然資本経営の成功事例を収集し、そのデータベースを構
築することを目指します。さらに、収集した成功事例の要
因分析を行い、経営ノウハウや経営している人材や組織
の特徴を明らかにします。また、自然資本を定量的に測る
新たな指標についても開発を行います。これらの成果に基
づいて政策提言・発信を行い、社会に貢献することを目指
します。
<参加研究者>
植田 和弘 京都大学経済学研究科 教授
井上 恵美子 京都大学経済学研究科 講師
谷口 正次 京都大学経済学研究科 共同研究講座特任教授
(株式会社サステイナブル・インベスター)
玉沖 貴子 京都大学経済学研究科 共同研究講座特任研究員
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施設・設備
Facilities
経済学部図書室
経済学部図書室は、図書資料の収集と整理、閲覧
業務を行っています。図書掛は法経北館 1 階にあ
ります。書庫は地上 7 層、地下 2 層からなり、階
層で区分して法学部と共用しています。
内外に誇るべき多彩なコレクションとして各種の特
殊文庫があります。最近フランスの貴重な古書を中
心とする大津真作文庫が加わりました。特殊文庫
の展示会も折節、行ってきています。
経済の図書室は、法科大学の時代から図書資料
収集に務めてきました。100 年以上の歴史がありま
すが、戦前の外国図書と徳川時代から明治初期に
かけての経済図書の充実、錦絵新聞などに蔵書の
特徴が見られます。また大型コレクション「中国海
関桔档案史料」、
「東京大学経済学部図書館所蔵
資料山一證券株式会社」
(ともにマイクロフィルム)
を利用に供しています。
学生の学習に必要な図書や新刊書約 3 万冊が開架
され、50 席の閲覧席があります。
図 書 の 検 索にはオンライン目録(OPAC) が 利
用できます。1991 年から OPAC への入力を開始
し、遡及入力も進めており、現在、和漢籍および
貴重本以外の約 51 万冊がオンライン検索できま
す。また電子ジャーナル、ECCO や EEBO、The
Eighteenth-Century などの多数のデータベース、
電子ブックは学内オンラインで利用できます。
《蔵書数》 洋書 約 241,000 冊
和書 約 262,000 冊
和雑誌 約 27,800 冊(3,450 種類)
洋雑誌 約 23,100 冊(1,530 種類)
――――――――――――
ビュッヒャー文庫 約 11,500 冊
マイヤー文庫
約 15,000 冊
河上文庫 約 2,700 冊
財部文庫 約 4,700 冊
上野文庫 約 27,000 冊
(ジャーナリズム関係、近代の古典文献)
柴田文庫 約 900 冊
(欧米の経済学者と往復書簡なども含む)
石川文庫 約 4,000 冊
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情報演習室(みずほコンピューター・ルーム)
法経第三教室(みずほ講義室)
001 演習室
会議室(みずほホール)
コモン・ルーム
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社会連携
Social Relations
公的部門との連携
教員は公共的な役割を担って活動しており、国ま
たは地方公共団体の行政機関に設置されている
審議会等の委員等として、専門的見地から助言・
指導などを行っています(例:京都市環境審議会
委員、財務省財政制度等審議会臨時委員、経済
産業省産業技術環境局日本工業標準調査会臨時
委員、滋賀県琵琶湖環境部関西広域環境保全計
画策定検討委員会委員等)。
高等学校との連携
高大連携事業の一貫として、高等学校からの依頼に
より、本研究科教員による出張講義や見学説明会や
大学訪問等の受入れを積極的に行っています。
オープンキャンパス
京都大学への受験希望者を対象に大学の教育・研究、
学生生活などについて知ってもらうためのイベントで
あるオープンキャンパス
(2002 年度から夏休みに開催)
において、本研究科教員による模擬講義を行ってお
り、毎年、多くの方々に参加いただいています。
フェロー制度
Fellowship
経済学研究科・学部では社会連携に力を入れて
います。東アジア経済研究センターの協力会の
活動は OB などに支えられて、充実してきました。
各種の寄附講座も民間で活躍されている OB のお
世話で実現しています。また、シンクタンクや民
間企業との交流を進め、外部資金や外部からの
支援の獲得にもより積極的に取り組んでおります。
こうした交流・支援は、例えば、教育の国際化に
向けての学生の海外留学・海外研修への送り出
しのためにも、あるいは海外の研究拠点の拡充
のためにも、一層重要になっていきます。
経済学研究科・学部のフェロー制度は、そのよう
な交流・支援を支えていただく方にフェローの名称を
授与してご活曜を期待するものです。そしてこれまで
に大きな貢献をしていただいた方には名誉フェローの
名称を贈り、感謝するものです。
名誉フェロー 大森經徳氏 田中秀夫元研究科長 フェロー 宇野輝氏
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同窓会
Alumni Association
京都大学経済学部が創設されたのは 1919 年で、現在ま
での卒業生の累計は 24,000 人を超えています。1959 年
に経済学部創立 40 周年記念行事の一環として行われた
「卒業生懇親会」 において、同窓会の設立が提唱され、
翌 1960 年に、卒業生が中心となり 「会員相互の親睦と
母校との連絡をはかることを目的」 として(規約第 3 条)、
経済学部同窓会が 「同好クラブ」 の名称で結成されまし
た。
現在の同窓会の活動内容をいくつかご紹介いたします。
毎年、大学で総会を開催し、同窓会報を発行しています。
同窓会報では、総会を始めとするさまざまな行事のご案
内やご報告、支部の活動、大学・経済学部の様子、退
任教員・卒業生の近況などをお知らせしています。支部
は現在のところ、北海道、東京、名古屋、近畿、香川、
愛媛、九州北部、九州南部の各地域に組織されており、
地域ごとに総会や懇親会等が行われています。学部の現
教員も大学での総会はもちろん支部総会への参加や講演
会の講師をするなど、積極的に関わっています。卒業生
主催イベントの一つである 「卒業 50 周年記念同窓会」 は、
時計台記念館において毎年盛大に開催されており、近年
では恒例行事として途絶えることなく引き継がれていま
す。また、学部学生の皆さんにも、在学中から先輩や教
員との交流を深める機会を増やすため、2009 年度より
「同窓会学生特別会員」 を募集しています。
会員になっていただくと、毎年大好評の「在学生イベント」
に無料で参加できるなどの特典があります。イベントの内
容は、実業界で活躍中の経済学部卒業生による講演会と、
景品付きのクイズやゲーム大会を盛り込んだ立食パーティ
です。
このように同窓会は、学部卒業生、大学院修了生、名誉
教授などの旧職員、学部現教員に在学生を加えて組織さ
れ、世代を超えて交流が図られています。
昭和38年卒 京都大学経済学部卒業 50 周年記念同窓会
在学生イベント!2013
和田紀夫同窓会長 ご挨拶
私は、平成 24 年 10 月 13 日の同窓会総会に於きまして、名誉会長に
みをされております。
退かれた西澤前会長の後任に推選され、選任されました和田紀夫で
大学も同窓生も、経済学が目指すものを「経済」の原点に帰って見
ございます。
つめ直すことから始めたいものです。旺文社刊の「成語林」によれば、
同窓会規約の第三条に「本会は会員相互の親睦および母校との連
「経済」は、
「経世(国)済民」の省略形であり「世や国を経(治)
絡をはかることを目的とする」とあります。私はこれを私流に次のように
め、民を済(救)う」ことを意味しています。従って「経済学」は、
理解しています。京都大学で共に学び、京都という街と文化を供に享
民の生活を安定させ生活を豊かにするための学問が本来の意であり
受したことを絆とし、また卒業してなお、知的生産活動の場である大
ます。部分解だけを追っても答えは
学との相互交流により、自らの知的好奇心を満たすとともに、大学の
得られないと思います。基準法則を
発展を支援する、そういう〝親睦と創造を紡ぎ出す絆の場〟として同
思想哲学にまで高め、全体解を追い
窓会はあると考えています。
求めていただきたいと思います。
その趣旨に沿って、大学本部のご支援をいただきながら、各支部は、
同窓会が、大学と連携し、その設置
創意工夫を凝らした活動を展開されています。わたしが支部長を務め
目的を果たす中から世の中のお役に
ます東京支部におきましても、従来の活動に加え、現役の皆さんが一
立つことを祈念して、私の挨拶といた
層関心を持てるよう、第一線で活躍している財界人等に講師をお願い
します。
し、「経営研究会」を平成 25 年 2 月から始めました。大学本部でも
学生諸君を「特別会員」として同窓会活動に参加してもらうなどの試
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教員紹介
Faculty Members
教授
1. 研究テーマ
2. 担当科目
依田 高典
岩本 武和
1. 応用経済学
1. 国際金融論、
国際マクロ経済学、
国際経済学
2. 行動経済学
2. 国際経済政策 A・B、
国際金融論、世界経済論、 現代経済事情、入門演習
植田 和弘
宇高 淳郎
1. 持続可能な発展の社会経済
システム
1. マーケティングの経済分析
2. 財政学、環境経済論
2. 市場構造と企業戦略
宇仁 宏幸
江上 雅彦
1. 資本主義の多様性と変化
1. ファイナンス工学、
動学的最適化
2. 社会経済学 1、経済学原理
2. ファイナンス工学、
派生証券論
岡田 知弘
加藤 康之
1. 地域経済論、地域形成論
1. 投資理論、金融工学、
リスク管理論
2. 地域産業分析
2. 経営財務、
金融工学と実務への応用
川北 英隆
黒澤 隆文
1. 証券投資論、証券市場論
1.
2. 証券投資論、リスク管理
経済政策の史的分析、ヨー
ロッパ経済史・経営史、
「地
域の競争優位」の国際比較
分析
2. 経済政策論
(学部)、ヨーロッ
パ経済論(大学院)、比較
政策経済システム(同)
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教授
1. 研究テーマ
2. 担当科目
小島 專孝
澤邉 紀生
1. AC ピグーの雇用・安気理愉
1. 管理会計
2. 中級ミクロ経済学、
現代経済理論形成史 A
2. 管理会計
塩地 洋
島本 哲朗
1. 自動車産業論
1. 金融政策
2. 現代日本産業論
2. 金融論・金融政策
神事 直人
末松 千尋
1. 貿易と環境、
貿易と技術波及
1. トランザクション・コストに
着目した企業活動の標準的
定量的モニタリング
2. 国際経済学
2. ITビジネス論
椙山 泰生
武石 彰
1. イノベーション経営、
国際経営
1. 技術経営、経営戦略
2. 国際経営論、
グローバルビジネスほか
2. 経営戦略、経営学入門、
経営学研究法
徳賀 芳弘
成生 達彦
1. 財務会計、国際会計、
企業分析
1. 産業組織論、流通経済学
2. 会計学入門、企業分析
2. 産業組織論
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教員紹介
Faculty Members
教授
2. 担当科目
西牟田 祐二
根井 雅弘
1. ドイツ経済史・経営史、
多国籍企業史
1. 現代経済思想史
2. 経営史、国際経営史
2. 経済学史、現代経済思想
原 良憲
日置 弘一郎
1. 情報とサービスのイノベー
ション
1. 事業創生講座
2. イノベーションマネジメント
概論
2. 経済英語、経営学原理、
比較経営政策
久野 秀二
久本 憲夫
1. 農業・食料の国際政治経済
学的分析
1. 雇用関係・労働問題研究
2. 国際農政論・農業経済論
(学部)、International Political Economy of Agriculture(大学院)
2. 社会政策論
藤井 秀樹
堀 和生
1. 会計制度変化の理論分析、
国際会計、非営利組織会計
1. 近代東アジア経済史
2. 会計学入門、会計学 1・2
(学部)、財務会計論 A・B
(大学院)
2. 経済史、アジア経済史
松井 啓之
文 世一
1. 意思決定支援、
GS / MAS
1. 交通政策の評価
2. 組織情報通信システムA・
Bほか
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1. 研究テーマ
2. 都市経済学、交通経済学
教授
1. 研究テーマ
諸富 徹
劉 徳強
1. 環境政策手段、租税政策
1. 中国経済構造の転換、
中国労働市場の変化
2. 地方財政論、租税論
2. 担当科目
2. 東アジア経済論、
経済英語A
若林 直樹
若林 靖永
1. ネットワーク組織論
1. マーケティング、流通、
商業
2. 経営組織1
2. マーケティング、
国際マーケティング、
流通論
渡辺 純子
1. 日本経済・国際経済の歴史
2. 日本経済史、経済史
准教授
1. 研究テーマ
2. 担当科目
飯山 将晃
稲葉 久子
1. メディア処理
1. 現代経済学講座
2. 情報処理論 1・2
2. 経済英語、
Readings on Organizational Behavior
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教員紹介
Faculty Members
准教授
1. 研究テーマ
2. 担当科目
菊谷 達弥
草野 真樹
1. 組織の経済学
1. 財務会計の理論・実証研究
2. 組織経済論、
比較制度・組織分析等
2. 財務会計、国際会計
高野 久紀
坂出 健
1. 開発経済学、貧困削減、
マクロファイナンス、保険、
教育、市場統合
1. 米欧航空機産業の歴史と現状
2. 欧米経済史
2. 開発経済学
佐々木 啓明
Sven RUDOLPH
1. 経済成長、景気循環
1. 環境経済学
2. 社会経済学、経済学史
2. マーケティング、
現代の経済学、経済英語
竹澤 祐丈
田中 彰
1. 近代共和主義思想史
1. 日本経営史、産業経済論
2. 社会思想史、
社会経済思想史
2. 現代日本経営史
敦賀 貴之
Dimiter S. IALNAZOV
1. 応用マクロ経済学
1.
2. マクロ経済学入門
制度経済学の観点から見た
旧社会主義国の経済改革、
経済グローバル化時代にお
ける新興国の経済発展戦略
2. Readings on International Economics
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准教授
1. 研究テーマ
曳野 孝
矢野 剛
1. 国際経営、経営戦略、
経営史
1. 途上国・移行国経済の計量
分析
2. 比較経営論、
企業・産業成長論
2. 経済統計学、
アジア数量経済分析
遊喜 一洋
若井 克俊
1. マクロ経済学、労働経済学
1. 個人の意思決定、
行動ファイナンス
2. 動学的マクロ経済分析
( 学部 )、労働市場とマクロ
経済学 ( 大学院 ) ほか
講師 石原 章史
1. 契約理論、政治経済学、組
織の経済学など
2. ミクロ経済学など
2. 担当科目
2. ミクロ経済学 1・2 と大学院
講義
1. 研究テーマ
2. 担当科目
井上 恵美子
1. 環境経済学、環境政策、 持続可能な発展とグリーン
イノベーション
2. Environmental Economics, Environmental
Management, Field
Research in Japan
片山 宗親
北田 雅
1. 景気変動のマクロ経済学的
実証分析
1. 医療従事者のメンタルヘルス
2. マクロ経済学 1、経済英語
2. 経済英語
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教員紹介
Faculty Members
講師 2. 担当科目
末石 直也
徳丸 夏歌
1. 統計理論、
特に経験尤度法の応用
1. 経済学説史、経済哲学、
実験経済学
2. 計量経済学
2. Comparative
Business Ethics、
Academic Writing
助教 John XXV Paragas
LAMBINO
1. 移民のメカニズム、
東南アジアの政治経済
2. Asean Economy
and Sustainable Development
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1. 研究テーマ
1. 研究テーマ
2. 担当科目
白井 亨
1. 経済資料研究、
図書館情報学
2. 経済情報調査論
組織
Organization
副研究科長
研究科長
経済学専攻(13 大講座、6 協力講座)
附属プロジェクトセンター
研究科会議
研究科教授会
附属東アジア経済研究センター
経済資料センター
三井住友銀行金融研究センター
経済学部図書室
教員協議会
学部長
各種委員会等
経済経営学科
学部教授会
点検評価WG
各種委員会
学部教育改善WG
大学院教育改善WG
FD委員会
財務・事務体制改善WG
外国人採用検討WG
経済学部 / 研究科
研究科長
将来構想WG
クオーター制導入検討WG
研究科会議
教員協議会
執行部会議
予算委員会
企画戦略室
研究推進支援室
広報委員会
入試委員会
教科委員会
図書委員会
国際交流教育委員会
施設運営委員会
学生相談窓口
ハラスメント相談窓口
経済学会
人権委員会
学生委員会
同窓会学内企画委員会
東アジア持続的経済発展研究コース運営委員会
東アジア経済研究センター運営委員会
プロジェクトセンター運営委員会
経済資料センター運営委員会
寄附講座設置・運営審査委員会
寄附講座設置審査委員会
セキュリティー問題検討委員会
情報セキュリティー委員会
The Kyoto Economic Review 編集委員会
部局安全衛生委員会
優秀論文認定委員会
兼業審査委員会
35
アクセス
東山
Access
東山
36
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