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体外受精胚移植法の説明書

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体外受精胚移植法の説明書
体外受精胚移植法の説明書
秋田大学医学部産婦人科
生殖内分泌外来
2005 年 4 月
1. 概要
体外受精胚移植法(in vitro fertilization-embryo transfer:IVF-ET)とは,精子と卵子を体外で受精さ
せた後,その受精卵を子宮内に戻す方法です.
2. 適応
① 卵管性不妊:卵管閉塞や,骨盤内癒着がある場合(卵管水腫や子宮外妊娠術後など)
② 男性不妊:精子数が少ないまたは精子運動率が低い人で薬物療法や人工授精等の治療を行っ
ても妊娠しない場合(乏精子症,精子無力症など)
③ 子宮内膜症合併不妊:一般的不妊治療や腹腔鏡治療を行っても妊娠しない場合
④ 原因不明不妊:原因不明で不妊期間が長く,一般的不妊治療を行っても妊娠しない場合
⑤ その他:多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発や抗精子抗体強陽性症例など
3. 成績
① 妊娠率:原因,年齢,移植胚数によって異なります.全てを平均すると 1 回あたりの治療あた
り約 20%くらいです.
② 流産:流産率は高く,およそ 20%くらいです.
③ 胎児異常:体外受精により妊娠した胎児に異常が多いということはなく,通常の妊娠と同様に
約 1%です.
④ 子宮外妊娠:子宮内に移植しているにも関わらず,約 3∼5%に発生します.
⑤ 多胎:移植する受精卵の個数によります.3 個移植した場合,3 つ子の確率は 3∼5%,双子の
確率は 20%となります.移植する受精卵の個数は原則 2 個までとしていますが,場
合によって 3 個戻すことがあります.
4. 卵巣刺激法
基本的に GnRH agonist(スプレキュア®ないしナサニール®)を併用し排卵誘発剤を注射する方法
で行っています.必要があればクロミフェン周期で行う場合もあります.具体的なスケジュール
は外来受診時に説明します.
5. その他
① 男性不妊などでは通常の体外受精で受精しないことがあり,顕微授精を行うことがあります.
② 排卵誘発剤に過剰に反応し,卵巣過剰刺激症候群となり,入院加療が必要なことがあります.
③ 採卵,麻酔により通常の手術と同程度の危険性が伴います.
④ 体外受精胚移植法は保険診療が認められていませんので,私費となります.
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