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活動を行う組織・団体を指す。我が国では、平 【あ】 成 10 年 12 月に特定非営利活動促進法(NPO アスペリティ 地中深くにある固い岩盤が通常は強く固着 法)が施行され、NPOが特定非営利活動法人 していてあるとき急激にずれて大きな地震波 として認証されることになったことを契機に を出す領域をいう。 NPOの設立が増えた。 一次元モデル 延焼ブロック ひとつの方向(例えば河川なら流れの向き) 建物が密集し、延焼拡大する可能性がある地 の現象が他の方向(例えば河川を横断する方 域のこと。この地域で出火した場合には状況に 向)の現象に比べて特徴的であるとき、特徴的 よっては延焼火災となり、多くの家屋が焼失す な方向だけの変化を表現し、他の方向には変化 ることとなる。 がないものと仮定したシミュレーションモデ 炎上出火件数/延焼出火件数 ル。 炎上出火件数は住民の初期消火で消火不能 な出火件数、延焼出火件数は炎上出火件数のう 引火性液体 ち、消防力においても消火不可能であり、かつ 火を付けると燃える液体のこと。例えばガソ 周辺に燃え広がって、延焼火災となる可能性が リンや灯油がある。 ある出火のことを意味する。 液状化 応急危険度判定 水を多く含んだ緩い砂地盤が地震時の揺れ によって、地盤から水や砂が噴き出したり、地 地震等の災害で被害を受けた建築物につい 盤が液体のようになって支持力を失い、そのた て、余震等による倒壊や落下の危険性を災害後 めに建物が傾いたり、埋設管路などが浮き上が 速やかに調査し、危険、要注意、安全の3区分 ったり、さらに道路の陥没などの現象が生じる。 で判定するもの。判定は、事前に登録され訓練 この現象を「液状化現象」と呼ぶ。 を受けた応急危険度判定士が行う。 【か】 N値 駆けつけ時間 地盤の固さを知るための重要な数値で、地盤 調査(標準貫入試験)によって調べる。N値は、 火災の発生から消防活動が開始されるまで 重さ 63.5kg のハンマーを 75cm の高さから自由 の時間のこと。主な内訳としては、出動所要時 落下させ、サンプラーが 30cm 貫入させるのに 間、消防車の走行時間、ホース延長時間からな 要する打撃回数のことをいう。硬い地盤は、お る。 もりの落下回数が多く、逆に軟らかい地盤は、 火面長 おもりの落下回数が少なくなる。 火災が発生している炎の外周の長さのこと。 駆け付けた消防部隊の消火可能な長さの合計 NPO 「Non-Profit Organization」のことで、政 がこの長さを上回っている場合には消火可能 府、地方公共団体や私企業とは独立した存在と となる。 して、市民・民間の支援のもとで社会的な公益 14-1 危険度予測 が時間をおって大きくなる(または小さくな 地震による被害の大きさは、地震の規模、震 る)度合いであり、単位は cm/sec2(gal:ガル)を 源の位置、発生時刻といった地震そのものに由 用いる。その数値の最大値を最大加速度とい 来する要因と、地盤特性や建物分布、人口分布 う。 といった地域特性に由来する要因によって決 可燃性ガス 定される。危険度予測は、特定の地震を想定す 火を付けると燃えるガスのこと。例えば、LPG ることでどのくらいの被害が発生するかを見 や LNG がある。 るものではなく、地域が潜在的に持っている地 震に対する危険性を、地盤特性、建物被害、地 気象庁マグニチュード 震火災および人的被害の面から評価し、その地 地震の大きさを表す指標(マグニチュード) 域が他地域に比べ危険性が高いか低いかを相 対的に評価したものである。 のひとつ。地震計の記録に基づき算出される。 グリーン関数 境界条件 ある座標(時間・空間)に外力が与えられた 津波の伝播などを数値シミュレーションす 場合に、それがどのようにシステムに応答を引 るとき、時間ごとに各メッシュにおける変量を き起こすかを記述するものである。物理的には 解き、次の時間に進む。あるメッシュについて ある 1 点に与えられた力(インパルス)に対す 次の時間の答えを解くとき、既にわかっている る観測点での応答を表す関数のことをいう。 周りのメッシュの現時間の値が使われる。しか し、水のある位置と水のない位置の境界や、計 算領域の外縁付近では、隣のメッシュが存在し 軽減力 ない場合があるため、これを仮定する必要があ 地域社会が被害を受けた時に、その拡大(二 る。仮定する方法を境界条件という。境界条件 次被害)を防ぐように作用する力(対策) 。 の設定により、波の反射や透過を計算上表現す K-NET/KiK-net ることができる。 (独)防災科学技術研究所が全国に設置して 距離減衰式 いる地震観測ネットワーク。K-NET(Kyoshin Net)は、全国に約 25km の間隔(全国 1,000 地表または工学的基盤の地震動の強さは、地 箇所)で建設した強震観測施設。KiK-net(基 盤の良し悪しも影響するが、地盤の種類が同じ 盤強震観測網)は、日本全国に約 20km メッシ ならば、通常、地震動の強さは震源に近いほど ュを基本として、観測井戸の孔底に高感度地震 大きく、遠ざかるほど小さくなる。この距離に 計を配置している(全国で約 1,000 点)。これら 応じて地震動が小さくなる様子を式で表した の観測施設で観測された強震記録は、弾性波検 ものを距離減衰式という。距離としては震央距 層を含むこの土質調査の結果とともにインタ 離または震源距離が用いられ、震源の強さはマ ーネット上で発信されている。 グニチュード(M)で表される。 加速度(最大加速度) 計測震度 地震動の強さは加速度、速度、変位、計測震度 震度は約 100 年前に観測が始まって以来、人 などで表される。加速度とは、動く速さ(速度) 体感覚や被害の状況などに基づいて決定され 14-2 てきた。最近では、震度の機械観測が可能にな 【さ】 り、1993 年頃から計測震度計の配備が始まり、 災害シナリオ 現在ではすべての気象官署に配備された。その ある災害が発生した時に、その被害状況およ 原理は、加速時計で記録された地震波形に処理 び対策実施状況がどのように推移していくか を施し、処理後の最大加速度から計算してい を、時間の流れに沿って想定して整理したもの。 る。 災害時要援護者 建ぺい率 災害時要援護者としては、行動や情報入手の 建物敷地内における建物床面積が占める割 点で制約がある人々が相当し、心身障害者、高 合のこと。一般的に、建ぺい率が高いと建物が 齢者、病人、妊婦、乳幼児、外国人、旅行者等 密集していることになるので、延焼しやすい状 が挙げられる。 況となる。 災害用伝言ダイヤル「171」 広域応援協定 震度6弱以上の地震発生時、あるいは地震・ 広域に及ぶ自治体等の間で、災害時に相互に 噴火等の発生により被災地へ向かう安否確認 応援しあうためにあらかじめ締結しておく協 のための通話等が増加し被災地へ向けての通 定。 話がつながりにくい状況(輻湊)になった場合 に利用可能となるNTTの伝言ダイヤルシス 工学的基盤 テム。携帯電話では、iモード災害用伝言板サ 建築・土木などの工学の立場から、地震基盤 ービスも運用される。 より浅い S 波速度毎秒 300~700m の地層を「工 学的基盤」とするという考え方が提案されてい 朔望平均満潮位 る。これは、地下深部の地震基盤での観測記録 大潮時(朔・望)前後 5 日での最高潮位を 1 年 や地震基盤までの深さの地下構造に関する情 以上わたって平均した潮位。低気圧等、気象の 報が少ないため、地震基盤という概念に基づい 影響も含まれるため、太陽や月の運行のみ考慮 て地震動特性を評価することが困難だという した満潮位(天文潮位)より高い潮位となり、厳 事情からきている。構造物を設計する立場から しい条件を設定する際によく用いられる。 いえば、観測記録の豊富な工学的基盤で地震動 を設定するのが容易であり、工学の各分野にお GIS ける設計法を単純化できるという利点がある。 地理情報システム(Geographic Information System)の略で、地理的な位置を手がかりに、 公共下水道 位置に関する情報を持ったデータ(空間デー 公共下水道とは、市町村が設置し管理する下 タ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、 水道で、道路の下に系統的に埋設した汚水管や 高度な分析や迅速な判断を可能にする技術で これに付随する公共ますなどの施設のことで、 ある。 家庭や工場から排出される汚水を処理するた めの施設である。 自主防災組織 地域住民が、災害時に自ら身体と財産を守り、 被害を最小限に食い止めるために活動するこ 14-3 とを目的として結成する組織。町内会や自治会 間が遅れても生命に危険がない者。 を活用して結成する場合が多い。事業所単位で も同様の組織がある。 自由透過 津波のシミュレーションでは、ある有限の海 地震基盤 域を計算領域として指定する。境界条件を適切 地震動は浅い軟弱な地層で著しく増幅され に設定しないと、計算領域の外に向かう波が、 るが、そうした増幅の影響を受けない地下深部 計算領域の外縁で反射して戻ってきてしまい、 の基盤面を考えると、震源からの距離があまり 波の分布を誤って予測してしまう。こうした現 違わなければ、基盤面に入射する波はどこでも 実には存在しない架空の境界で波が反射せず、 ほぼ同じと考えられる。この基盤を「地震基盤」 そのまま通過するように工夫した境界条件を、 と呼ぶ。具体的には、深さ十数 km までの上部 自由透過の条件という。 地殻のS波速度は毎秒 3~3.5km とほぼ一定で あるため、地殻最上部の S 波速度毎秒 3km の地 重篤者 層を地震基盤と呼んでいる。 入院を要する負傷者のうち、生命を救うため に直ちに処置を必要とする者。 地震モーメント 地震の規模を表す量の一つ。 断層の理論に 消防水利 基づいて定義されている。震源となった断層の 消防活動に必要な水を供給する施設のこと。 ずれの量、断層の面積、断層付近の岩盤の性質 消火栓や防火水槽がこれに当たる。河川、湖沼、 (剛性率)の積として表される。 海なども消防水利となりうるが、本調査では想 定していない。 自然鎮火 仮に火災が発生しても、家屋が密集していな 消防力の一次運用/二次運用 いために消防力が働かなくても、燃えぐさが無 同時多発出火のケースで、消防署から直接出 くなった段階で自然に鎮火する現象のこと。 火点に駆けつけて消火活動を行うことを一次 運用、その後他の延焼地点に移動し、消火や延 住家人口/非住家人口/屋外人口 焼阻止の活動を行うことを二次運用と呼ぶ。 多くの人は1日の社会活動の中で、生活や仕 事・学校のために場所を移動しており、その人 初期消火率 口の内訳を示したもの。一般的に夜間は住家人 住民により初期の段階で消化器等により消 口がほとんどであり、昼間は学校や職場による 化され、火災がぼや程度で収まる確率のこと。 非住家人口の割合が高くなり、朝や夕方は通 勤・通学、帰宅による移動中の人が多くなるた 初動対応マニュアル め、屋外人口の割合が高くなる。したがって、 地震災害、風水害などの大規模災害発生の初 建物による人的被害の想定においてはこうし 動段階から事態安定に至るまでの時期におい た状況を反映する必要がある。 て、自治体や事業所の職員がそれぞれの立場に おいて的確な対応を遂行できるよう、初動活動 重傷者 のあり方を具体的かつ簡潔に示したもの。 入院を要する負傷者のうち、多少の治療の時 14-4 震災関連死 浅水理論 地震による家屋・構造物の倒壊、山崖崩れ、津 非線形長波理論と同じ。 波、火災などに起因する直接的な死亡に対して、 震災後の避難所生活、仮設住宅での孤独な生活、 復旧作業のストレスや労災に起因する疾病死 浅部地盤 工学的基盤(愛知県調査ではS波速度 VS=500m/sec)より浅い地盤をさす。浅部地盤 亡のこと。 (表層地盤)により地震動が増幅される。 浸水深 送水管 津波による浸水が発生する際、陸上のある地 浄水を浄水施設から配水池まで輸送する管。 点で水面が最も高い位置にきたときの、地面か ら水面までの高さ。 増幅度 入力に対する出力の増幅の度合い。例えば、 震度 ある場所の地震動の強さをいくつかの段階 工学的基盤に達した地震動は表層地盤により に分けて表現したもので、日本では気象庁が定 増幅され、地表面に達する。この表層地盤によ めた 0 から 7 までの 10 段階(震度 5、震度 6 は、 る増幅の度合いを増幅度という。表層地盤の構 強・弱の二段階に分かれる)の震度階が使われ 成によって増幅度は変わってくる。 ている。震度は、地震動の加速度だけではなく、 速度(最大速度) 周期や揺れの継続時間なども関連した、総合的 地震動の強さは加速度、速度、計測震度など に地震動の強さを表現できる指標である。 で表される。速度とは、運動する物体の速さと 方向を合わせたものであり、単位は 水利 cm/sec(kine:カイン)を用いる。その数値の最 消火活動に利用する水源のこと。地震時には 大値を最大速度という。 水道管の破損等により消火栓の利用は困難な 場合が多く、本調査では、消火栓を除く、防火水 遡上計算(そじょうけいさん) 槽や自然水利等(河川、プール、濠等)を対象と 遡上は津波が陸上をはい上がったり、河川を している。 逆流する動き。この遡上の様子を計算すること を遡上計算とよぶ。一方、津波が海域を伝播す 制水弁 る様子を計算することを伝播計算とよぶ。 水の流れを調節するための弁。 【た】 線形/非線形 対数正規分布累積関数 物体に外力がはたらくと変形する。「線形」 は、物体に働いていた外力がなくなると、物体 対数正規分布を積分した関数のこと。地表最 は元の形に戻る。「非線形」は、物体に働いて 大速度による建物の被害率曲線の推定式に用 いた外力がなくなっても、物体は完全には元の いられている。 形に戻らない。 正規分布は、自然現象と社会現象を通じて広 くみられる確率分布の一つで、統計学における 最も重要な分布である。ガウス分布ともいう。 14-5 観測値をx、平均値をmとして、xを横軸にと 高圧ガスは整圧器で圧力を下げられた後、中圧 った場合の確率分布は、mで最大でmから離れ 導管に送出される。中圧導管は圧力に応じて中 るに従って値が小さくなり、x=mに関して左 圧A(0.3~1 メガパスカル)、中圧B導管(0.1 右対称のベル型である。分布の広がりの程度は ~0.3 メガパスカル未満)の2段階があり、各 標準偏差σで表される。対数正規分布は、ある 都市へのガス輸送や大規模施設への供給に用 量 Dの対数(logD)が正規分布をすること。 いられる。各家庭や中小規模施設へは中圧導管 から整圧器によってさらに減圧されたガスが 低圧導管を通じて供給される。 断層パラメータ 断層の運動を表すためのデータ。断層の位置、 中等傷者 長さ、幅、すべり量、角度等で構成される。 入院は要しないが医師による治療が必要な 負傷者。 地質年代(古生代/中生代/新第三紀/第四 紀) 昼夜間人口 地球の歴史を地層の層序と岩石の新旧に基 づいて相対的な時間で区分した年代。地質時代 昼間人口と夜間人口のこと。昼間人口は職場 ともいう。区分の単位は大から小へ、代、紀、 や学校に人が移動した段階での人口のことで、 世および期、それぞれの年代に堆積した地層を 夜間人口は住家にいる人口を意味する。通常の 界、系、統および階と呼ぶ。古生代以降は化石 人口は夜間人口のことを指す。一般的にオフィ の変遷によって区分するが、放射年代尺度も使 スビルが集中する都心部では昼間人口が夜間 う。 人口を上回り、ベッドタウンとなる郊外では昼 間人口が夜間人口を下回る。 古生代は化石生物の進化をもとに三分した ときの最も古い時代で、約 5.7 億年前~2.4 億 重複反射理論 年前。中生代は2番目の地質時代で、約 2.4 震源から到達する地震波は、物性の異なる地 億年前~6,400 万年前。新生代は最も新しい地 質時代で、約 6,400 万年前~現在までの期間で、 層の境界で反射・屈折・透過を繰り返しながら 第三紀と第四紀の二つに区分される。さらに、 地表に到達する。このような反射等を考慮した 第三紀は漸新世以前を古第三紀、中新世以後を 地震波の進行を表現した理論のこと。 新第三紀と呼ぶ。新第三紀は約 2,400 万年前~ 直接基礎/摩擦杭/支持杭 170 万年までの期間。 建物の基礎工法には、大きく直接基礎と杭基 礎の2つがあり、直接基礎は上部の建物重量を 地中ケーブル 絶縁線の上をさらにビニルなどで覆って保 直接地盤に伝える基礎形式で、杭基礎は杭を地 護している電線で、金属管やビニルパイプの中 盤に打ち込むことによって上部建物の重量を に収容し地中に施設されている。 支える基礎形式である。一般的に住宅などの軽 い建物や地盤が良い場合には直接基礎、鉄筋コ ンクリート造等の重い建物や地盤が軟弱な場 中圧B導管・低圧導管 ガス導管は高圧、中圧、低圧の3つに分けら 合には杭基礎を用いる。杭基礎には、支持杭と れる。高圧の導管は通常1メガパスカル以上の 摩擦杭があり、支持杭は支持層まで杭を打ち込 圧力で、主として長距離輸送に用いられている。 んで建物を支える形式であり、摩擦杭は支持層 14-6 までは杭を打ち込まず、中間まで打ち込んで杭 による重ね合わせ手法に基づく経験的グリー と土の摩擦力によって建物を支える形式であ ン関数法を基本としている。経験的グリーン関 る。したがって、地盤の液状化に対しては、直 数法ではグリーン関数として観測記録を用い 接基礎は被害を受けやすく、摩擦杭は液状化し ることで、観測地点の深部地盤構造や浅部地盤 た深さと杭の深さの関係によって状況が変わ 構造は、既に記録に含まれていると考えている。 り、支持杭は被害を受けにくいこととなる。 統計的グリーン関数法は適切な観測記録が得 られない場合に、グリーン関数としてω-2 則 貯蔵タンク の震源特性に従うスペクトルモデル[Boore 危険性液体を貯蔵するためのタンクであり、 (1983)]を考え、これに経験的な位相特性を 危険物別に関連法規によって仕様が決められ 与えたものを観測記録として波形合成を行い、 ている。 大地震の地震動波形を求めるものである。 通電火災 導水管 地震発生後に停電した地域が復旧して通電 水源から取水した原水を浄水施設まで輸送 が開始された際に、倒壊した家屋などにおいて する管。 電気回路がショートするなどして発生する火 災のこと。兵庫県南部地震では、この原因によ 毒劇性液体 る火災が多く発生し注目された。 人体に有毒な液体のこと。例えば、硫酸があ る。 電線 電圧が 6600V の架空の高圧用被覆(ひふく) 付き電線と、電圧が 100V または 200V の架空の 毒性ガス 人体に有毒なガスのこと。例えば、塩素やア 低圧用被覆付き電線をいう。 ンモニアがある。 伝達関数 等価線形計算 表層地盤における地震動の増幅度を、周期も 地震応答解析で用いられる方式であり、非線 しくは周波数の関数で表現したもの。 形な土の挙動を線形計算で行うときに剛性を 少しずつ変化させ繰り返し収束計算で線形計 電柱 算を行うものである。 電線を支持するために作られた木柱、コンク リート柱などのことをいう。 東消式 97 兵庫県南部地震の状況を踏まえて、東京消防 東京湾平均海面 庁が 1997 年に提案した延焼速度式のこと。風 東京湾の潮の満ち引きを平均した海面の位 速、建物の分布状況、建物の全壊による影響等 置。標高の標準として国内で広く用いられる。 が延焼速度に反映される。 T.P.という記号で表す。 特別防災区域 統計的グリーン関数法 いわゆるコンビナートのことであり、正式名 統計的グリーン関数法は、Irikura(1986) 称は石油コンビナート等特別防火区域という。 14-7 土砂堆積延長 波源モデル 管きょの破損が流下機能に直ちに影響を及 地震に伴い津波が発生するときの海面の変 ぼすことはないが、地盤の液状化に伴う管きょ 動を算定するために必要なデータの総称。津波 内の土砂堆積が下水滞留の原因となることが のシミュレーションのために必要な断層パラ 多い。この液状化による土砂堆積の延長のこ メータのこと。 と。 ハザード情報 トリアージ ハザードとは、加害要因としての個々の自然 医療機関等において、医療機能が制約される 現象、あるいはそれらの総体を指す。ハザード 中で、一人でも多くの傷病者に対して最善の治 情報は、ハザードの種類、規模、強度、メカニ 療を行うため、傷病者の緊急度や重傷度によっ ズム、発生履歴、発生頻度、被害予測などにつ て治療や後方搬送の優先順位を決めること。 いての情報である。ハザード情報の表現方法と しては、様々なハザード情報を地図上に示した 【な】 ハザードマップ、ハザードの発生から終息まで ネジ鋼管 を時間軸にそってシミュレートした災害シナ ガス管の種類の1つで、ネジにより接合され リオ、コミュニティの被る被害の種類と程度を た鋼管。 予測した被害想定などがある。 ねずみ鋳鉄管 裸木造/防火木造 水道管・ガス管の種類の 1 つで、普通鋳鉄管 木造建物の中で、屋根や外壁など延焼のおそ と同じ分類の管である。管自体の強度が高くな れのある部分がモルタル、トタンなどの防火性 いため地震により管が破損し漏水発生となり 能を有する材料でできているものが防火木造 やすい。 で、そのような加工がされていないものが裸木 造である。一般的に古い建物では裸木造の割合 【は】 が多く、新しくなるにつれて防火木造の割合が 配水管 多くなる。 浄水を配水区域の公道の下まで輸送する管。 PS検層 配電線 ボーリング孔を用いて地盤のP波速度およ 一般的には、変電所から直接利用者に電気を びS波速度の測定を行う方法。測定は、地表で 送る電線路をいう。配電線には、変電所から柱 板をたたいてSH波を発生させる板たたき法 上変圧器に至るまでの高圧配電線と、柱上変圧 やP波を発生させる重水落下法によって発振 器から引込線に至るまでの低圧配電線などが し、孔内に設置した受振器によって波を測定し ある。 て、波の到達時間を読みとって地盤の速度を求 める。 破壊開始点 断層が破壊するときに最も早く破壊する場所。 PL値 液状化指数とも言う。PL 値はある地点の液 状化の可能性を総合的に判断しようとするも 14-8 のであり、各土層の液状化強度(せん断応力に 避難ビル 対する強度)を深さ方向に重みをつけて足しあ 津波の際に、避難が困難な地域の住民や逃げ わせた値である。 遅れた避難者等が緊急に避難するためのビル。 3階建て以上の耐震性を有する鉄筋コンクリ P波/S波 ートあるいは鉄骨鉄筋コンクリートのビルが 地震によって引き起こされる弾性波のうち 指定される。 実体波(弾性体(地盤)内部を弾性体固有の速 度(弾性波速度)で伝播する波動)として、P 標準被害率 波(縦波、疎密波)とS波(横波、せん断波) とに分類される。P波は弾性体粒子の振動方向 標準的な管路が一般的な条件で埋設されて いた場合の被害率をさす。 が波動伝播方向と同一であり、S波は波動伝播 方向と直角な方向に振動する。それぞれの進行 プール火災 速度をP波速度、S波速度という。 漏洩等により地面に広がって溜まった可燃 性液体が燃える火災。 被害率曲線 揺れの強さと建物被害率の関係を表す式の 輻湊 こと。本調査では、構造・建築年代・階数区分ご 電話が殺到し電話がかかりにくくなること。 とに、地表最大速度を揺れの指標とした建物の 輻湊は、防災機関などが行う応急復旧活動に大 被害率式を作成している。 きな支障を及ぼす。そこで、応急復旧活動に支 障を来さないよう、応急復旧活動にかかわる通 被災住宅再建支援金 話を確保するために、一般電話の通話規制が行 居住する住宅に被害を受けた被災者の居住の われると考えられる。 安定を図り、被災地の早期復興に寄与すること を目的として、住宅の建設及び補修に対して支 復旧力 給される公的な補助金。 被害を受けた地域社会が速やかに復旧する ことを可能とするように作用する力(対策) 。 非線形長波理論 長波理論は水深に比べ波長が非常に長い(長 不燃領域率 波)という津波の性質に基づいて津波の挙動を ある範囲(例えば、メッシュ単位)に空地や 表現する理論。波の移動する速さは水深によっ 耐火造建物の敷地面積が占める割合を示した て決まるが、水面が上昇している所と水面が下 もの。不燃領域率が大きいほど、延焼しにくい 降している所では、厳密には水深が異なり、そ 市街地であることを表す。過去の事例から、不 の結果進行速度も異なる。沿岸域では、この違 燃領域率が 70%を越えるとその地点は延焼し いが効いてくるため、波が変形し前傾化した波 なくなるとされている。 になる。こうした波の変形を考慮することがで きるのが非線形長波理論で、考慮しない理論を 平面二次元モデル 線形長波理論という。 津波は水平方向の現象が主体で、鉛直方向に はほぼ一様な現象であることを考慮し、水平方 向の式を解けば津波の挙動を表現できるよう 14-9 で表す。 にしたシミュレーションモデル。 【第 3 次地域区画】 第 2 次地域区画の縦横を、それぞれ 10 等分 防災マップ 災害に関する危険地域や防災施設等の情報 して 100 の区画を作ったものを第 3 次地域区画 を掲載した地図。とくにある災害(地震、火山 と呼び、2 桁の数字で表す。縦、横の距離が約 噴火、洪水など)に対する危険地域を中心とし 1km×1km となる。3 次地域区画レベルの特定の たものはハザードマップとよばれる。 区画を表示するときは、第 1 次、第 2 次、第 3 次地域区画の地域メッシュ・コードを順にハイ フオンで繋ぐ 8 桁の数字で、例えば 5438-23-89 防災リーダー 地域社会において、災害時には率先して初期 等と表示する。 分割地域メッシュは、基準メッシュを縦横両 消火や救出救護活動を行う先導者として、また、 平時には自主防災活動の推進者として活動す 方向とも 2 等分、4 等分、あるいは 8 等分して る人。自治体等で育成が図られている。 設定し、2 分の 1 地域メッシュ、4 分の 1 地域 メッシュ、あるいは 8 分の 1 地域メッシュと呼 ぶ。500m メッシュは 4 分の 1 地域メッシュと ボランティア 自発的に事業に参加する人。とくに、社会事 なる。 業活動に無報酬で参加する人。篤志奉仕家。と くに、発災後の応急対応期(社会基盤施設・ラ モーメントマグニチュード イフラインが損壊している時期)に、被災者の 地震の規模を表す量の一つ。「モーメントマ 生活支援と、被災地の復旧支援を目的に活動す グニチュード」は震源で生じた断層運動の強さ るボランティアを災害ボランティアという。 に基づいて定義される。地震モーメントをマグ ニチュードに換算したものをモーメントマグ ニチュードと言う(1977 年にカリフォルニア 【ま】 工科大学地震研究所の金森博雄教授によって メッシュ(標準地域メッシュ) 国土を覆う経緯線網による小区画で、土地等 提唱)。モーメントマグニチュードには実体波 に関する情報を地図等によって数値化し表示 マグニチュードや表面波マグニチュードに見 するための標準。昭和 48 年行政管理庁告示第 られる上限頭打ちの欠点がなく、断層運動とし 143 号で制定された。標準地域メッシュは、次 ての地震の規模を正しく反映している。 最近、 に示す階層による地域区画と、そのコードが定 気象庁では従来からのマグニチュード(M、気 められている。 象庁マグニチュード)に、モーメントマグニチ 【第 1 次地域区画】 ュード(Mw)を併記して発表している。 我が国の国土とその周辺の海域を、1°毎の 経線と、40′毎の緯線によって区画(20 万分 1 木造/防火造/耐火造 建物は延焼のしやすさの目安として、木造、 地勢図の標準の区画に相当する範囲)したもの を、第 1 次地域区画(メッシュ)と呼び、4 桁 防火造、耐火造の3つに区分される。木造は裸 の数字で表す。 木造建物のことで延焼しやすい構造、防火造は 【第 2 次地域区画】 建物の中身は燃えやすい構造ではあるが、壁が 第 1 次地域区画の縦横をそれぞれ 8 等分して モルタル等の防火壁であるために延焼を抑制 64 の区画を第 2 次地域区画と呼び、2 桁の数字 する効果を持つ構造、耐火造は建物自体が燃え 14-10 にくい構造であるために延焼を遮断する効果 被害が小さくなるようにしておくことをいう。 を持つ構造を意味している。 リスクマップ 防災においては、リスクは人的・物的被害の 【や】 定量的な大きさを示している。リスクマップは 抑止力(よくしりょく) 災害を引き起こす事象が発生した時に、地域 災害原因ごと、あるいは可能性のある複数の災 社会が受ける被害をなくす、あるいは被害を抑 害による地域のリスク分布を地図上に示した えるように作用する力(対策) 。 ものである。リスクマップ作成のためには、ま ず災害原因となる自然現象の程度・影響範囲が 地図上に示される必要がある(ハザードマッ 【ら】 プ)。次いで、これに地域の家屋分布、人口分 落下物 3階以上の非木造建物に付属する看板、壁、 布などの情報を重ね、ハザードの程度と被害の 程度を結びつける評価方法に従って、リスクマ 窓ガラス等を意味する。 ップが作成される。リスクマップでは、事象の 発生確率を勘案して、確率評価付のリスク分布 流域下水道 流域下水道は、海や川等の公共用水域の水質 を求める視点が重要である。 の保全を図るとともに、流域における生活環境 の改善等を効果的に行うための、2つ以上の市 リスクマネジメント 危険度を質的・量的に評価した結果に基づき、 町村の下水を集めて処理する下水道のことで、 浄化センター及び幹線官きょの設置管理は県 危険度を一定値以下に抑えるために管理(禁止 が行う。 を含む)する手法。企業活動や、広くは社会シ ステムや制度がもつリスク管理をもいう。危険 度管理。 粒度試験 土は形状および大きさの異なる土粒子から 【わ】 なっており、土の粒径分布を求める試験をいう。 粒径が 74μm(0.074mm)より大きな試料の粒 ワークショップ 地域に関わる多様な立場の人々が計画の過 度はふるい分析により、74μm より小さな試料 の粒度は沈降分析によって求める。試験結果は、 程に参加するまちづくりの方法。参加者が共通 横軸に粒径を対数目盛でとり、縦軸にある粒径 して理解できる共同作業や勉強会等を通じて より細かいものの質量百分率(通過質量百分 計画づくりを行うために、計画が完成しても地 率)をプロットして粒径加積曲線を作成し、粒 域の人々が積極的に管理を行うなど、地域への 度特性を知る。 愛着に支えられたまちづくりが可能となる。 【参考資料】 リスク分散 リスクとは、災害や事故などの好ましくない 1) 日本自然災害学会(2002):防災事典. 結果が生じる可能性の大きさとその起こり得 2) 愛知県防災会議地震部会(2003):愛知県東 る被害(損失)の程度をひとまとめにして指す。 海地震・東南海地震等被害予測調査報告書-想 リスク分散は、さまざま措置をあらかじめ講じ 定地震に基づく被害想定- ることによって、好ましくない結果が生じても 用語集. 14-11 平成 15 年 3 月, 3) 愛知県防災会議地震部会(2004):愛知県東 海地震・東南海地震等被害予測調査報告書-平 成 15 年度 概要版- 平成 16 年 3 月, 用語 集. 4) 宮 城 県 防 災 会 議 地 震 対 策 等 専 門 部 会 (2004):宮城県地震被害想定調査に関する報告 書 平成 16 年 3 月, 用語の解説. 14-12