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平成18年度 第1回トキ野生復帰専門家会合

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平成18年度 第1回トキ野生復帰専門家会合
平成18年度
開催日時
開催場所
第1回トキ野生復帰専門家会合
平成19年1月20日(土)
9:30∼12:00
トキ交流会館(新潟県佐渡市)
<議事次第>
1.開会
2.あいさつ
3.議題
(1)トキ保護増殖事業にかかる実施体制等について(資料1)
(2)トキ野生復帰の基本的考え方(案)について
1)位置づけ、目標設定等(資料2 1.∼3.)
2)野生復帰の段階的手順(資料2 4. )
3)野生順化訓練
(資料2 5. )
4)モニタリング
(資料2 6. )
5)その他
(3)今後の進め方について
(資料3)
(4)関係行政機関等によるトキ野生復帰に向けた取り組みについて
4.閉会
<配布資料>
議事次第
出席者名簿
委員名簿
資料1 トキ保護増殖事業の実施体制について(案)
資料2 トキ保護増殖事業計画に基づくトキ野生復帰の基本的考え方(案)
資料3 トキ野生復帰専門家会合の当面の進め方(案)
参考資料 1 トキの野生復帰にかかる取組
参考資料 2 佐渡地域環境再生ビジョン
参考資料 3 野生鳥類の再導入に関する先行事例
参考資料4-1 トキ野生復帰シンポジウム 基調講演・パネルディスカッションの論点(仮)
参考資料4-2 トキ野生復帰シンポジウム アンケート(中間集計)
新潟県資料
北陸農政局資料
平成18年度 第1回トキ野生復帰専門家会合 出席予定者
■委員
池田 啓
市田 則孝
菅谷 博
蘇 雲山
近辻 宏帰
成島 悦雄
本間 航介
三浦 慎悟
柳澤 紀夫
山岸 哲
山本 義弘
兵庫県立コウノトリの郷公園研究部長
NPO法人バードライフ・アジア代表
茨城県自然博物館館長
イカリ環境文化創造研究所主席研究員
(財)日本鳥類保護連盟参与、元佐渡トキ保護センター長
多摩動物公園野生生物保全センター長
新潟大学農学部助教授
新潟大学農学部教授
(財)日本鳥類保護連盟理事
(財)山階鳥類研究所所長
兵庫医科大学教授
(50音順、敬称略)
生玉 修一
富樫 善弥
田中 英司
北陸農政局資源課環境保全官
下越森林管理署業務課長
下越森林管理署佐和田森林事務所森林官
■農林水産省
■関連団体等オブザーバー
金井 裕
竹田 純一
佐藤 春雄
坂田 金正
高野 毅
■環境省
冨岡 悟
星野 一昭
中村 昌孝
菊池 圭一
植田 明浩
佐々木 功
安彦 政次
■新潟県
棚橋 進
南波 哲夫
古川 洋次
佐藤 義法
大坂 吉和
水島 好夫
渡辺 正義
吉村 一哉
藤井 武良
大花 博重
長谷川 勝
金子 良則
和食 雄一
井澤 正人
中川 広徳
坂 敏彦
■佐渡市
粕谷 達男
大川 剛史
近藤 健一郎
(財)日本野鳥の会 自然保護室主任研究員
里地ネットワーク事務局長(トキの野生復帰連絡協議会事務局
佐渡トキ保護会顧問
日本野鳥の会佐渡支部長
トキの野生復帰連絡協議会座長
環境省自然環境局長
環境省自然環境局野生生物課長
環境省自然環境局野生生物課専門官
環境省自然環境局総務課係長
関東地方環境事務所統括自然保護企画官
関東地方環境事務所野生生物課長
関東地方環境事務所新潟事務所長
新潟県県民生活・環境部長
新潟県県民生活・環境部環境企画課長
新潟県県民生活・環境部環境企画課課長補佐
新潟県県民生活・環境部環境企画課鳥獣保護係長
新潟県佐渡振興局地域振興専門員
新潟県佐渡振興局健康福祉環境部環境センター長
新潟県佐渡振興局農林水産振興部(農地)計画専門員
新潟県佐渡振興局農林水産振興部(林業)課長代理
新潟県佐渡振興局地域整備部課長
新潟県佐渡振興局地域整備部計画専門員
佐渡トキ保護センター所長
佐渡トキ保護センタートキ保護専門員
佐渡トキ保護センター獣医師
佐渡トキ保護センター新穂瓜生屋分室副参事
佐渡トキ保護センター新穂瓜生屋分室主任
佐渡トキ保護センター新穂瓜生屋分室主任
佐渡市市民環境部部長
佐渡市市民環境部副部長
佐渡市市民環境部トキ推進室長
■(財)自然環境研究センター(平成18年度トキ野生復帰計画策定業務)
久保田 正秀
主席コーディネーター
米田 久美子
研究主幹
安齊 友巳
主席研究員
邑井 徳子
研究員
トキ野生復帰専門家会合
委員名簿
池田
啓
(兵庫県立コウノトリの郷公園研究部長)
市田
則孝
(NPO法人バードライフ・アジア代表)
尾崎
清明
(山階鳥類研究所標識研究室長)
菅谷
博
(茨城県自然博物館館長)
関島
恒夫
(新潟大学大学院助教授)
蘇
雲山
(イカリ環境文化創造研究所)
近辻
宏帰
(日本鳥類保護連盟参与)
成島
悦雄
(多摩動物公園野生生物保全センター長)
本間
航介
(新潟大学農学部助教授)
三浦
慎悟
(新潟大学農学部教授)
守山
弘
(東京農業大学客員教授)
柳澤
紀夫
(日本鳥類保護連盟理事)
山岸
哲
(山階鳥類研究所所長)
山本
義弘
(兵庫医科大学教授)
(以上14名、50音順、敬称略)
資料
1
トキ保護増殖事業の実施体制について(案)
飼育下繁殖領域
トキ野生復帰領域
生息・社会環境整備領域
設置主体
飼育繁殖専門家会合
・野生復帰個体の確保
・遺伝的多様性の確保(分散飼育含む)
環境省
野生復帰専門家会合
・モニタリング計画策定、調査実施、結果分析
・専門家会合等へのフィードバック
地域主体
人・トキの共生の島づくり協議会(仮称)
構成:
環境省
トキ保護増殖事業計画
検討対象施設・地域
佐渡トキ保護センター
(新潟県委託)
関係行政機関(国、県、市)、各種団体、
専門家・学識経験者、
NPO、地域住民 等
連絡会議(仮称)(保護増事業計画全般に係る情報交換と意見調整)
トキ野生順化施設
(環境省、新潟県委託)
専門家による増殖・順化技術等支援(現地検討会)
注1:網掛部がトキ野生復帰専門家会合の検討対象範囲
注2:破線の会合は、現在設置準備中
小佐渡東部地域
エサ場、ねぐら、営巣地、地域社会 等
(関係行政機関(国、県、市)、学識経験者・専門家
NPO、地域住民 等)
野生復帰専門家会合の検討事項について(案)
本専門家会合では、平成16年1月に改訂された『トキ保護増殖事業計画』に沿って、
科学的な知見に基づき、かつて本種の生息地であった新潟県佐渡島において、トキの再導
入を図るために必要な検討を行うこととし、検討事項は次のとおりとする。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
再導入の目標と手順に関すること
再導入個体の選定方針に関すること
野生順化の方針に関すること。
再導入に必要な生息環境に関すること
再導入個体の行動、生息環境等の継続的調査に関すること
⑤.の調査結果を踏まえた生息環境の整備及び野生順化の取組の改善に関すること
再導入に関する技術の向上に関すること
日中間のトキ野生復帰協力に関すること
鳥インフルエンザの発生等の緊急時の対応に関すること(野生下個体)
その他「トキ保護増殖事業計画」の目標を達成するために必要な事項
【参考】各専門家会合等については、現在、設置準備中であるが、以下の検討事項を想定
している。
(1)トキ飼育繁殖専門家会合(環境省が設置)
① 飼育個体群の充実に関すること
② 遺伝的な多様性の確保に関すること
③ 再導入個体の選定に関すること
④ 野生順化訓練の実施に関すること
⑤ 分散飼育に関すること
⑥ 再導入に関する技術の向上に関すること
⑦ 日中間の飼育・繁殖協力に関すること
⑧ 鳥インフルエンザ発生等における緊急時対応に関すること(飼育下個体)
(2)人・トキの共生の島づくり協議会(仮称)
① トキ野生復帰に関する情報の共有
② トキ野生復帰の関する取組の連携・調整
(新潟県・佐渡市が設置)
(3)トキ保護増殖事業計画連絡会議(仮称) (環境省が主催)
保護増事業計画の実施状況にかかる関係省庁等との情報交換と意見調整など
資料 2
トキ保護増殖事業計画に基づくトキ野生復帰の基本的考え方(案)
1.位置付け
トキ保護増殖事業計画(H16.1.29 農林水産省 国土交通省 環境省告示第1号 抜粋)
第1 事業の目標
本事業は、遺伝的な多様性の確保に配慮しつつ本種の飼育下での繁殖を進め、飼育個体群の充実を図る
とともに、かつて本種の生息地であった新潟県佐渡島において本種の生息に適した環境を整えた上で再導
入を図り、本種が自然状態で安定的に存続できるようにすることを目標とする。
第2 新潟県佐渡島及び第3の4の検討結果を踏まえて飼育個体の分散を行う区域
第3 事業の内容
(中略)
3 再導入の実施
かつての本種の生息地である小佐渡東部を中心とする地域において、生息環境の整備を図り、また、飼
育個体群の維持についてのめどが立った段階で、関係地域の住民の十分な理解を得つつ、飼育個体を再導
入することにより、本種の野生個体群の回復を図る。
この際、再導入個体が自然状態で自立して生存出来るよう、再導入個体の選定に当たって、健康状態及
び血縁関係に留意するとともに、事前に野生順化の取組を行う。
2.野生復帰にむけた環境等整備
飼育下個体が野生下で生存・繁殖し、野生個体として定着するためには、大きく以下の3つ
の環境等整備を進め、中長期にわたりそれらの充実に努める必要がある。
(1)トキ個体の野生下における生存・繁殖能力の確保
健全な飼育個体の確保、野生順化訓練及び放鳥後モニタリングの実施
(2)トキのエサ場、ねぐら・営巣木等の生息環境の確保
各主体によるエサ場(ビオトープ)整備、営巣木の整備、環境保全型農業の実施等
(3)トキを受け入れる社会環境の整備
各主体による啓発活動、シンポジウム等
モニタリング
調査と分析
トキの野生復帰
フィードバック
野生順化訓練
健全な飼育個体の確保
生息環境整備
社会環境整備
-1-
3.目標の設定
かつての本種の生息地である小佐渡東部を中心とする地域において、飼育個体を再導入す
ることにより、本種の野生個体群の回復を図る。
なお、個体群の回復時期については生息環境整備、試験放鳥の状況も踏まえつつ、毎年見
直すものとする。
(参考)
およそ 10 年後(2015 年頃)に小佐渡東部に 60 羽のトキを定着させる。
(平成 15 年 3 月公表 佐渡地域環境再生ビジョン)
※安定的に存続できる野生個体群の個体数の試算の結果により 60 羽としたもの。
4.野生復帰の段階的手順
(1)段階的な放鳥手順について
トキは国内の野生個体がいないことや再導入の経験がないことから、①野生下でのモニタ
リング体制等を確立すること、②モニタリング結果を生息環境整備等へ反映にさせ、野生下
で放鳥個体が地域と共生する形で生存し、繁殖に成功すること、の2つを目標とした段階的
な放鳥手順を踏み、野生下で自然繁殖による個体群の維持を目指す。
①: 野生復帰のための試験的な放鳥
②: 野生下での自然繁殖による個体群の回復に向けた放鳥(本放鳥)
※この放鳥は、モニタリングの結果等を踏まえ、生息環境の更なる改善を図りながら、
トキの野生個体群が維持できるようになるまで、繰り返して行う。
(2)放鳥場所及び方法
①試験的な放鳥
モニタリング体制の確立を目的として、放鳥個体の救護等に積極的に取り組む観点から、
トキ野生順化施設より放鳥を行う。
②本放鳥
モニタリング結果を生息環境整備等へ反映にさせ、野生下で放鳥個体が地域と共生する
形での生存、繁殖の成功等に向けて、トキの生態、過去のエサ場・営巣・ねぐら記録、生
息環境・社会環境の整備状況等を考慮し、専門家等の意見を踏まえ、トキ野生順化施設、
さらに同施設以外の放鳥拠点からの放鳥を試みる。
その方法、複数の成鳥個体の一斉放鳥や巣立ちした幼鳥の放鳥など、複数の方法を試み、
その結果を踏まえ、放鳥拠点に応じた適切な方法を選択する。
(3)放鳥個体数等
放鳥個体数については、トキの生態、エサ場等の生息環境・社会環境の整備状況等を総合
的に勘案し、放鳥段階毎に必要十分な個体数とする。
各放鳥における放鳥個体は、トキの全体飼育・繁殖計画の範囲内で、トキの遺伝的系統管
理、
「トキ増殖技術現地検討会」において専門家等の意見を踏まえて選定する。
なお、野生復帰に必要なトキの個体数が確保できるよう、計画的な飼育・繁殖に努める。
-2-
(4)放鳥開始時期
(ア)平成27年頃に小佐渡東部を中心とする地域に60羽のトキを定着する目標と平成
18年度にトキ野生順化施設が完成することを踏まえ、平成19年度よりトキ野生順
化訓練を開始し、早ければ平成20年度にも試験的放鳥の開始を目指す。
(イ)なお、本放鳥については試験的放鳥のモニタリングの分析結果、生息環境・社会環境
の整備の状況等を総合的に勘案し、専門家の意見を踏まえて、その時期を判断する。
(5)人的関与のあり方
衰弱・傷病個体の救護等については、積極的に実施する
給餌については、生息環境整備にかかる情報収集に支障を来さないよう配慮しつつ、
適切な手法を検討する。
5.放鳥前の野生順化訓練
トキ野生順化訓練は、トキが野生下で生存・繁殖できる能力(特に採餌能力、自然繁殖能
力)を野生適応訓練及び繁殖訓練によって獲得・向上させることとし、これらの訓練は野生
下で想定される採餌、繁殖環境を順化ケージ、繁殖ケージ内に再現し、本能を引き出す手法
等により採餌、飛翔、社会性、天敵回避、繁殖の5項目について行う。
なお、野生順化訓練の進捗状況や試験的放鳥後のモニタリング結果等を踏まえ、必要に応
じて訓練内容を見直す。
6.段階的な放鳥手順に応じたモニタリング
トキの生息環境や社会環境の整備を効率的に進め、野生順化訓練、放鳥を一層効果的なも
のとするため、下記のモニタリング調査を段階的な放鳥手順毎に適正に組み合わせて実施し、
その分析結果を生息環境整備、野生順化訓練等に反映する。
なお、モニタリング手法については、試験的放鳥後のモニタリング結果等を踏まえ、必要
に応じて見直すものとする。
○トキのモニタリング
・テレメトリー調査
・観察
・目視、痕跡情報
・傷病個体や死体からの情報
○生息環境の改善状況及び餌資源量等のモニタリング
○社会環境整備のモニタリング
-3-
資料 3
トキ野生復帰専門家会合の当面の進め方(案)
【第1回会合】
(平成 19 年 1 月 19-20 日
於:佐渡)
(1)トキの現状と野生復帰の取組について
(2)野生復帰専門家会合の設置について(位置付け、役割など)
(3)トキ野生復帰の基本的考え方(案)
①目標の設定
②野生復帰の段階的手順など
(場所、方法、個体数、モニタリング、人的関与)
③野生順化訓練など
(順化 (放鳥) 個体選定方針)
【第2回会合】
(平成 19 年 3 月中旬
於:東京)
(1)トキ野生復帰の基本的考え方(取りまとめ)
(2)野生順化訓練の基本方針(案)及び具体的手法(案)
①実施手法
②評価方針
③実施体制など
(3)モニタリング(トキ放鳥個体、生息環境等)の基本方針(案)
①収集すべき情報
②手法の検討
③実施体制など
【第3回会合】
(平成 19 年 8 月頃
於:佐渡)
(1)野生順化訓練について
①基本方針(取りまとめ)
②実施状況と課題など
(2)モニタリング(トキ放鳥個体、生息環境等)について
基本方針(取りまとめ)
【第4回会合】
(平成 19 年 12 月頃
於:東京)
(1)野生順化訓練について
実施状況と課題など
(2)モニタリング(トキ放鳥個体、生息環境等)について
体制整備状況と課題など
参考資料 1
トキの野生復帰にかかる取組
個体数の推移
平成11年度
ヨウヨウ
野生復帰の取組 (主に環境省の取組)
ヤンヤン
中国から友友、洋洋が贈呈
ゆうゆう
優優が誕生 【飼育個体数: 4羽】
平成12年度
平成13年度
平成14年度
平成15年度
メイメイ
平成12∼14年度
中国から美美到着
「共生と循環の地域社会づくりモデル事業」
【飼育個体数: 7羽】
・環境調査
人工繁殖が本格化
・地域づくりワーキンググループの開催
中国へ2羽返還
・住民参加型共生シンポジウムの開催
【飼育個体数:18羽】
・「環境再生ビジョン」策定
中国へ3羽返還
【飼育個体数:25羽】
「キン」死亡
平成15年度 トキ野生順化施設計画の検討
※「日中共同トキ保護計画」策定 (H15.10)
※「トキ保護増殖事業計画」改訂 (H16.1)
飼育下自然繁殖の取組を開始
平成16∼18年度
【飼育個体数:58羽】
トキ野生順化施設の建設
【飼育個体数:39羽】
平成16年度
平成17年度
平成18年度
【飼育個体数:80羽】 平成16年度
トキの野生復帰のための生息環境整備方策調査
大幅に自然繁殖ペア数・個体数
(関係4省庁が連携)
が増加
※「新潟県トキ野生復帰推進計画」策定 (H17.3)
※「佐渡市トキ野生復帰実行計画」策定 (H17.3)
【飼育個体数:97羽】
羽
H18 97羽
120
H15 キン死亡
100
メイメイ
H12 美美(♀) 贈呈
ヨウヨウ
ヤンヤン
H11 友友(♂)、洋洋(♀) 贈呈
80
S56 野生トキ一斉捕獲
60
S35 国際保護鳥
40
S27 特別天然記念物
20
野生個体数
飼育下個体数
2005
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
1955
1950
0
参考資料 2
佐渡 地域環境再生ビジョン
【ト キ野生復帰 環境再生 ビジョン】
Ⅰ
トキの野生復帰の目標に ついて
トキ野生復帰にあたって、トキの野生復帰エリアである小佐渡東部地域に「ど
れ だ け の個 体数が あれ ば 、ト キの 絶 滅を回 避で き る か」 を、 最 小存 続 可能 個体
数( MVP, minimum
viable
population)等により分析した上で、次のとおり野
生復帰の目標を定めた。
【目標】
およそ10年後 (2015年頃 )に
小佐渡東部に
60羽のトキを定着させる。
この目標の実現のためには、次の2項目の実施が必要である。
①「トキの個体の確保」のために「人工増殖及び野生順化」を進めること。
②「トキが生息できる環境づくり」のために、少なくとも 60羽のトキが定着で
きる自然環境づくり」及び「社会環境づくり」を進めること。
Ⅱ「トキの個体の確保」につ いて
(1 )トキの人工増殖の推進
トキの個体の安定的な確保のため、佐渡トキ保護センターにおいて遺伝的系統管理に
配慮しつつ、個体の人工増殖及び母集団の保存を行う。
(2 ) トキ野生順化施設の整備と順化訓練の実施
うすくらざわがわ
小佐渡東部地域の 薄倉沢川 上流部にトキ野生順化施設を整備し、飼育下のトキに野
生下での生存に必要な能力(採餌、繁殖、飛行、集団生活等)の獲得訓練を行った上で、
野生復帰を進める。
Ⅲ「トキが生息できる自然環 境づくり」の目標について
1. 農 地での取組
【目標】
①
水田や水路には、 7∼ 8cmの ドジョウが1m2 に 1匹以上生息する。
-1-
②
水田や湿地では、ヤマアカガエルの成体が 10m2 に 1匹生息する、あるいは
早春に 1haにつき 15個程度の卵塊が見られる。
③
畦畔や周辺の草地には、 1m2 に大小合わ せ て 2∼ 3匹 の バッ タ が生 息 す る 。
【目標達成のために実践すべきこと】
<中山間地域>
・ドジョウ、カエル類などの水生生物の生息環境となる棚田の復田
・陸生昆虫類(バッタ・イナゴ類など)の生息環境としての草地の整備
<平場地域>
・休耕田のビオトープ化
・耕作田、用排水路の改良
2. 森林での取組
【目標】
①
②
アカマツ・コナラなどの高木の保全。
営巣に適した高木から 500m以 内に餌場がある。
③
沢にはサワガニが 1m2 に大小合わせて 2∼3匹生息する。
【目標達成のために実践すべきこと】
・サワガニの生息環境としての健全な沢環境の整備
・営巣地づくり・ねぐらづくり
【トキの生息環境整備のための森林管理のカテゴリー区分の提案】
Ⅰ.生息地周辺の放棄里山林(広葉樹林)の成長を促進するための択抜施業
(コナラ・クリ類の萌芽密度コントロール)
Ⅱ.生息地周辺の放棄スギ人工林の健全性を保つため(地滑り・土砂流出防止)のた
めの間伐施業
Ⅲ.棚田再生のために、谷地に侵入した樹木を排除する除伐施業
Ⅳ.特定の営巣木の成長を促進し、トキの侵入スペースを確保するための除伐施業
Ⅳ「トキが生息できる地域社 会づくり」の目標について
(トキとの共存に向けた 協働の軸組と各主体への指針)
1
「地域社会づくり」とし て 行われた保全活動と協働事業
○小佐渡東部の12地区において、トキの野生復帰をめざした地域社会づくり
として、ボランティア活動による餌場環境整備、環境保全型農業の模索、集
落文化の見直作業が実施された。
○平成12年度から実施してきた地域社会づくりの取組と3年間における取組
の広がりについては、別紙2のとおり。
-2-
○今後、実施地区を拡大し、これらの維持保全活動を体系化すること、誰でも
参加できるわかりやすいシステムを構築すること、トキ基金の募金活動と合
わせた散策ツアーなどで活動の裾のを広げること等が重要である。
○「共生と循環の地域社会づくり」を実現させるためには、新たな協働事業の
創設が必要です。すなわち、協働の軸を明確に定め、異なる主体同士が、連
携するシステムと場を持つ、新たな協働の場とシステムを構築すること重要
である。
○協働事業を進めるためには、調整役とサポーターが必要。
○協働の仕組みを構築。
○協働事業を実効性の確保には、協働の軸となる拠点施設と情報を共有化する
システムが必要であり、協働の短中期計画の策定が重要である。
2
協働事業における重点事項
(協働を創造する10の しくみ)
○トキを軸とした島づくり協 議会の設置と運営(各主体間の協働と調整)
1) トキを軸とした島づくりに関する情報の集約と発信事業
(情報センタ ー機能)
2) トキ博士をめざす資格制度 、環境教育プログラムの開発事業(社会教 育)
3) トキを軸とした総合的な学 習の時間の支援(学校教育)
4) 地域社会活性化のための研 究旅行の誘致と連携(大学)
5) 餌場環境・営巣環境整備の ためのボラ ンティア計画の立案と実践
(ビオトープづくり・森林整備 )
6) トキと人に優しい環境保全 型農業との連携活動(農業)
7) トキを軸とした地場産品の開発と販売支援事業(産品)
8) トキツーリズム計画立案と 旅行業者との連携活動(観光)
9)トキ基金の普及と運営窓口の設置、トキの森公園環境協力費による会館事業の実施
10)全国レベルの情報交流のための先進地交流会議「自然共生サミット(仮称)
」の企
画と実施
Ⅲ
トキの野生復帰の地域社 会ビジョン(こんな佐渡をめざそう)

子どもたちが、緩やかな変化をもつ安全な水辺で遊んでいる。

水辺は 、ドジ ョウ やメダ カ、タ ナゴ 、ゲン ゴロ ウな ど、た くさん の生 き物
が暮らしている。

その水 辺は、 農家 の祖父 の指導 で、 地元の 青少 年、 都会の 若者や 修学 旅行
-3-
の生徒 、国際 交流 で佐渡 を訪れ た外 国人た ちの 手に よって 、昔な がら のや
り方で保全されている。

新たな 観光と して 生まれ たトキ ツア ーでは 、ト キ保 護に関 わって こら れた
トキ博 士たち から 、直接 話を伺 い、 かつて トキ 観察 員だっ た方か らは 、野
生のト キを見 た頃 の 話が 聞けた 。そ の恩返 しも あっ て、私 にでき る保 全活
動に参加させてもらった。

都会に もどっ ても 、今で は、佐 渡の 産品を いた だく ように なりま した 。ト
キの餌 場づく りの ために 、丹念 に育 てた棚 田米 や、 営巣木 周辺の 林床 に育
ったシ イタケ 、イ カやタ コ、ト ビや アジ、 そし て冬 のカニ や寒ブ リは 、い
つ食べても絶品です。

トキツアーが訪れるようになった前浜地域では、農家レストランができて、
かつてトキが訪れた棚田で海山里の幸を出している。

餌場保 全にき た学 生が、 いつの まに か集落 の文 化活 動にも 参加す るよ うに
なり、 外部の 若者 が加わ ったこ とで 、 あと とり の息 子が気 楽に帰 って きて

くれた。
ガイド という 仕事 は、バ スの案 内か とおも って いた らいつ のまに か、 爺さ
ん婆さん達が田んぼでガイドを行っている。

環境保 全型農 業の 講習会 が頻繁 にあ り、集 落の 中で 取り組 む農家 が増 え、
技術も年々向上している。
-4-
別紙1
平成 14年度
共生と循環の地域 社会づくりモデル事業(佐渡地域)
環境再生ビジョン検討会
委 員名簿
座長
( 財)自然環境研究センター
環境調査 WG代 表
( 財)山階鳥類研究 所
地域づくり WG代表
佐 渡農業協同組合
専門家
佐 渡トキ保護センタ ー長
理事
標識研究室長
代表理事組合長
( 財)東京動物園 協会
大島
康行
尾崎
清明
山本
茂樹
近辻
宏帰
理事長( 元上野動物園長 ) 齋藤
( 社)農村環境整備センター
専務理 事
勝
川嶋
久義
地元NGO
佐 渡トキ保護会前会 長
佐藤
春雄
地元行政機関代表
新 潟県県民生活・環 境部長
中原
義行
新 潟県農林水産部長
池田
直樹
新 潟県農地部長
河野
俊正
佐 渡市町村会長(赤 泊村長)
石塚
英夫
両 津市長
川口
徳一
新 穂村長
本間
権市
畑 野町長
小田
初太郎
代表理事組合長
山本
茂樹
佐 渡観光協会会長( 両津市長兼任)
川口
徳一
佐 渡連合商工会会長 (赤泊村商工会会 長)
中川
泰
環 境省自然環境局野 生生物課長
黒田
大三郎
農 林水産省農村振興 局農村環境保全室 長
富田
友幸
地元関係機関代表
国の機関
佐 渡農業協同組合
-5-
別紙2
平成12年度 から実施した地域社 会づくりの取組 と3年間における 取組の広がり
餌場 環境、ビ オト ープ、
棚田 の復元
平成 12 年 以前
生椿
なし
平成 15 年 3 月 時点
生椿 、清水平、キ セン城
久知 河内、野 浦、 月布施
片野 尾、岩首、潟 上
新穂 村
ドジ ョウ養殖
小中 学校の餌 生物 調査
環境 教育プロ グラ ムの実施
保全 のための副読 本
行谷 、河崎
なし
行谷 、新穂 、河崎、両 尾、片野尾、野浦、
岩首 の各小学 校、 前浜中学
里山 ビオトー プ
小学 校田んぼ
なし
なし
行谷 、岩首
吾潟 、キセン城
なし
野浦 、月布施、久 知河内
なし
80 名
佐渡 とき保護 会
ホタ ルの会
さろ んもん
なし
佐渡 とき保護 会
ホタ ルの会
バウ ム佐渡
トキ どき応援 団
トキ の野生復 帰を めざす農 業者 の会
片野 尾トキ舞 生産 組合
月布 施を考え る会
明日 の野 浦 21
MOA
アイ ガモ農法
不耕 起栽培
成苗 疎植農法
米ぬ かクズ大 豆農 法
ヘア リーベッ チ農 法
上記 の農法・ 技術 交流
ホタ ル米
こだ わり農産 物認 証JA
トキ ひかり
共生 と循環の 地域 社会づく り米
トキ の生息地ツア ー
トキ ツアー( JR ・佐渡汽 船)
漁業 体験、修 学旅 行受入団 体
獨協 大学犬井 研究 室
なし
トキ 交流会館
あさ ひ号
トキ号
7羽
25 羽
雑木 林の管理
トキ や自然 環境と の共生 を考 えた
集落 ごとの活 動計 画
ボラ ンティア 登録
集落 活動、N PO 活動
MOA
アイ ガモ農法
環境 保全型農 業
ホタ ル米
農産 物表示
なし
エコ ツアー
トキ を軸とし た研 究旅行
ボラ ンティア 交流 施設
交通 機関
トキ の数
-6-
参考資料
3
野生鳥類の再導入に関する先行事例
1.
位置づけ
2.
環境等整備
個体の確保
生息環境の確保
社会環境の確保
3.
1
目標の設定
コウノトリ
· 兵庫県と豊岡市関係者による「コウノト
リ野生復帰推進計画」等に基づく事業
トキ(中国)
· 国家のトキ保護事業
· 中央政府、地方政府、農業関係行政、
研究者などが協力
カリフォルニアコンドル
· 希少種保護法に基づく、国の種回復計
画
· 国の機関(野生 局、国立 公園局、森林
局)、 州の 機関、 州立や民間動 物園、
NGO、メキシコ政府、などの協力体制
· 飼育下繁殖(‘85 年ロシアから 6 羽、動
物園とも交換;’99 年から郷公園)
· ‘02 年に飼育個体数 100 羽超
· 野生個体飛来
· 環境創造型農業の推進
· 河川整備
· 里山林整備
· 飼育下繁殖(’06 年 9 月現在 460 羽)
· 野生個体(’06 年 9 月現在 500 羽以上)
· 飼育下繁殖(ファウンダ 7 羽)(捕獲後
3-4 年で全羽繁殖、最初の産卵は'88)
· ‘06 年 11 月現在、野生下に 128 羽、飼
育下に 156 羽
· 鉛中毒の問題
·
·
·
·
野生復帰推進体制整備
普及啓発、住民参加の取組
野生復帰の実現
共生する地域づくり
· 採餌水田保護(貯水田、固定投餌田、
回復冬水田)(賠償)
· 営巣木、営巣地域の保護
· ねぐら林木の保護
· 地域経済の活性化(課題)
· 普及啓発(環境保護型農業について)
· 生息地分散・拡大(営巣地の標高が下
がった、使わなかったマツも使うように
なった、行動圏が重なるようになった、
など過密の兆候)
· 普 及 啓 発 − 問 題 点: 無 知 ( 初 期) 、 給
餌、狩猟
· ‘85 年に飼育下繁殖個体( 卵やヒナの
捕獲を’82 年から開始)を補強として放
鳥予定だったが、野生下の死亡率が上
昇し、全羽捕獲へ(’87 年)
· 現在は回復計画に則り、野生下繁殖も
始まり長期的目標に向かい出したところ
(’02 年∼)
· 現在の目標:カリフォルニアとアリゾナに
それぞれ 150 羽、最低 15 繁殖ペアの
個体群を確立
4.
段階的放鳥
5.
放鳥方法
·
·
·
·
·
·
·
·
·
6.
放鳥個体と数
·
·
·
·
7.
2
野生順化訓練
コウノトリ
’05 年 9 月自然放鳥
‘06 年 7 月巣立ち
‘06 年 9 月自然放鳥
‘06 年 9 月段階的放鳥
類似種(ダイサギ、アオサギ)で手法、
追跡、環境評価を実施
自然 放 鳥( 飼育 ケージ の前で 一斉放
鳥)
巣立ち(両親は飛翔制限)
自然放鳥(ハードリリース)
段階的放鳥(放鳥予定地のケージで 3
ヶ月間馴化後、放鳥)(図1)
自然放鳥(9 月):5 羽(2-5 才)、3 羽
(2-3 才)
巣立ち(7 月):2 羽(2 ヶ月令)
段階的放鳥(9 月):4 羽(2-8 才)
最初の 5 羽のうち 2 羽が’06 年 4 月産
卵
· 馴化ケージで飛行、採餌、社会性など
を訓練
· オープンケージ
· 野生個体が飛来
トキ(中国)
· ’04 年試験放鳥
· ‘05 年試験放鳥
· ソ フト リリー ス( 山 中の田を ネッ ト で 囲
い、ネットの一部をはずして自然に出て
来させる)
· ’04 年は 1 月頃に移動、現地繁殖し、幼
鳥 10 羽、成鳥 2 羽の計 12 羽を 7 月か
ら 3 ヶ月弱訓練後、10 月に放鳥
· ’05 年は幼鳥 7 羽、亜成鳥 1 羽、成鳥 4
羽の計 12 羽を 7 月に訓練ケージに移
動・収容、成鳥 1 羽死亡、10 月に 11
羽放鳥
· 現在(2 年実施後)17 羽定着、’04 年放
鳥のうち 3 ペアが繁殖、2 羽が生まれ
た、野生個体とのペアもある
· 訓練用ケージ(湿地に設置)で採餌、飛
翔、ねぐらづくり、警戒等の訓練
· ‘04 年:人を見せない;デコイと声の録
音で 湿地へ誘 致;泊まり木 設置; 猛禽
の声の録音を聞かせる
· ‘05 年:河川を作り、河川での採餌能力
強化(効果あり);投餌は人との接触回
避、ドジョウが隠れる時間の確保のた
め夕∼夜;エサ密度低下
· ‘04 年放鳥個体は’05 年 12 月から野生
個体と合流
カリフォルニアコンドル
· ‘91 年試験放鳥(アンデス)
· ‘92 年 1 月最初の放鳥(カリフォルニア
+アンデス)
· 現在、4 地域で放鳥実施
· 類似種(アンデスコンドル)で試験放鳥
(モニタリング、鳥の扱いなどの練習)
· 最初の放鳥は類似種と一緒に放鳥
· 現在は毎年 1 回(4 地域)
· 放鳥予定地のフライケージで 1-2 週間
順化後、放鳥(長期飼育は水の供給が
問題)
· 社会性を考慮して(一度に)3 羽以上、
モニタリングを考慮して 6 羽以下
· 季 節は春( 上昇気 流がで きる、冬は雨
が多い)
· 年令は 1 才以上、飛翔能力や社会性を
考えると2 才以上が 良い( 成鳥は 5-6
才)、実際は収容能力の問題から 1 才
で多く放している
· ’92 年から’05 年までに 60 羽以上死亡
· ‘03 年∼’06 年に野生下で 7 羽が巣立
· 飼育下で孵化・育雛後、約 6 ヶ月指導
個体と同居して採食法等覚える
· 高圧電線を避ける訓練(模型に電流)
· 天敵はない
· 飼育下では最初の抱卵、育雛はアンデ
スで練習させる(すり込み等の問題はな
い)
· 野生捕獲個 体がまだ生存しており、指
導を期待して放鳥(3 羽)
8.
モニタリング
9.
放鳥開始時期
10.
人的関与のあり方
(出典等)
図1
3
コウノトリ
· パークボランティアによる直接観察(足
環で個体識別)
· テレメ(衛星)(2 時間おき)
トキ(中国)
· 直接観察(足環で個体識別、’87 年以
降は野生個体も全羽装着)
· テレメ(VHS)20 羽くらい
· 観察カメラ(24hr)
· 巣へのデータロッガー設置
· 飼育下個体数 100 羽を機に’02 年「コ
ウノトリ野生復帰推進協議会」設置
· 給餌(オープンケージ)
· 弱い個体の保護
· 人工巣塔設置(安全確保)
· ’04 年(過密が明瞭化?鳥インフルエン
ザの脅威?)
· 給餌(固定投餌田)
· 個体の保護・治療
· 営巣木の保護
· 訓練期間中は人を見せない
(兵庫県立コウノトリの郷公園HP)
(コウノトリ野生復帰推進計画)
(H17 日中トキ生息保護協 力事業 報告
書)
(中国におけるトキ保護事業:蘇雲山)
(中国のトキ:丁長青)
コウノトリ段階的放鳥
カリフォルニアコンドル
· インターンによる直接観察(翼帯で個体
識別)
· 自動撮影で体重測定(図2)
· テレメ(VHS、GPS、衛星);VHS は 1 時
間おき、GPS は 6-12 回/日、衛星は 2
回/日
· 最初の放鳥時期は政治的判断(数が足
りないのでアンデスを一緒に放した)
· 給餌(鉛中毒防止のため)
· 人間は全く見せずに育てる(人工孵化・
育雛も)
· 年 2 回捕獲して検査(タッグ・発信器交
換;採血;体重測定)
· 問題行動個体は再捕獲
(’05 年 3 月ヒアリング調査)
図2 野外での体重測定(コンドル)
(Pinnacles National Monument で自動撮影による)
参考資料4-1
トキ野生復帰シンポジウム
基調講演・パネルディスカッションの論点(仮)
1.希少種保全のあり方
○トキ、コウノトリは絶滅期を経験。他の多数の絶滅危惧種がその道を繰り返さないように
することが重要。
○トキ以外の多数の絶滅危惧種の保護をおろそかにしないことが必要。
○人工飼育と生息環境の保全は車の両輪であるべき。但し、生息環境の保全は短期間では目
に見える効果が現れにくいことに留意。
○トキは本来、飼育下でも繁殖しやすいはずだが、日本個体では若い個体のペアリングが出
来なかった。
2.トキ野生復帰の目標
○野外飼育は簡単、佐渡での野生集団作りも比較的容易。しかし、野生個体群の回復を目指
すのであれば、全国規模の展開が必要。何処に目標を置きコンセンサスを得ていくのか。
○個別具体的な野生復帰計画は別としても、人と生き物が共生する社会を目指すことについ
てはコンセンサスは得られているのではないか。
○生息環境の復元には莫大な費用がかかる。政策や予算が変化していく中で、野生復帰を実
現するためには、揺るぎない国家的コンセンサスが必要である。
3.野生復帰と地域社会との関わり
○コウノトリ、トキと共生出来る環境は人間にとっても安全で安心できる豊かな環境である。
○きちんとした人の営みがないとコウノトリ、トキは生息できないという観点で、野生復帰
の取組は地域社会の復活・再生の取組である。自然の仕組みの再生は社会の仕組みの再生。
○トキを受け入れる住民の気持ちを大切にしていく必要がある(地域の合意づくりが必要)
。
○人の生活の便利さがトキの生息地を追いつめていったことを省みる必要がある。
○地域社会作りは人と人の交流である。佐渡では交流の取組の一層の促進が必要。
○野生生物保全は社会経済システムの変換と捉えるべき。
4.環境再生の手法
○トキの生息環境は未だ復元されておらず準備段階である。トキが生息していた50、60
年前の環境に戻すことは大変なことである。
○50年前の環境に戻す必要なない。新しい環境・農業をどう創造するかを考えるべき。
○プランクトンなどは農法の違いが影響、サカナ・ドジョウは多様な環境の繋がりが影響し
ており、多様な環境を繋ぐことが重要であり、景観レベルで環境を捉えていくことが必要。
5.トキ飼育下個体だけで野生復帰することは可能か
○飼育下個体だけでは野生復帰は大変難しいことを認識すべき。
○野生復帰させて行く中で、順応していくことが期待できる。
○トキの飼育経験、飼育下自然繁殖の成果を見ると、野生下においてもうまく繁殖するので
はないか。
○トキは若いうちから早く繁殖が出来ることも有利な点である。野生復帰にあたっては若い
うちにリリースした方がよい。
○野生復帰には、季節を問わずエサと外敵や季節風から身を守るといった安全を確保してや
ることが必要。
6.中国産トキの野生復帰
○日本産トキと中国産トキに違いはない。過去に交流もあった形跡もある。
○中国産トキと日本産トキが遺伝子的には近いということはわかるが、中国で個体数が回復
する中、その中国産トキを日本で放鳥する必要はないのではないか。
○トキはアンブレラ種であり、国際貢献の一つとして意義を持つ。
○順調に増加している中国トキについても、餌場確保、広域活動区保護、農民への補償、野
生復帰といった課題に直面している。
Q1:本シンポジウムを何でお知りになりましたか?( )
インターネット チラシ・ポスター 新聞広告 その他
27
8
1
25
Q2:本シンポジウムに参加登録したきっかけは何ですか?( )
同僚、友人等の勧誘によって ポスター、インターネット等により興味を持ったから
職務上の必要から
トキについて興味があったから
その他
7
9
19
26
6
Q3:今後も、トキに関するシンポジウムを開催した場合、
参加しますか?( )
参加します
参加しない
どちらとも言えない
49
0
10
Q4:トキが佐渡の自然の中に帰されたら、見に行きたいですか?( )
是非、行きたい
機会があれば行きたい
特に、行きたいとは思わない
41
18
0
※ここからは、本シンポジウムにご参加いただきました方のみお答え願います。
Q5:基調講演の印象はいかがでしたか?( )
良かった
良くなかった
どちらとも言えない
44
0
7
Q6:パネルディスカッションの印象はいかかでしたか?( )
良かった
良くなかった
どちらとも言えない
39
1
11
Q7:エントランスホール(6F)におけるパネル展示等の印象
はいかがでしたか?( )
良かった
良くなかった
どちらとも言えない
33
2
15
Q8:トキの保護増殖事業についていかがでしたか?( )
理解が深まった
理解出来なかった
新たな情報などが得られなかった
41
0
10
Q9:佐渡におけるトキの生息環境再生の取組について
いかがでしたか? ( )
理解が深まった
理解出来なかった
新たな情報などが得られなかった
45
1
5
Q10:シンポジウムの運営・進行(参加申し込み、会場受付、案内など)
についていかがでしたか?( )
良かった
良くなかった
どちらとも言えない
++++++++++++++++++++++++++++++
43
1
7
トキ野生復帰シンポジウムアンケート(中間集計)
参考資料 4-2
Q2.本シンポジウムに参加登録したきっかけは?
Q1.本シンポジウムを何で知りましたか?
同僚、友人等の勧誘に
よって
インターネット
41%
44%
9% 11%
13%
チラシ・ポスター
39%
新聞広告
13%
28%
その他
2%
回答数 61件
ポスター、インターネット
等により興味を持ったか
ら
職務上の必要から
トキについて興味があっ
たから
回答数 67件
Q4.トキが佐渡の自然の中に帰されたら、見に行き
ますか?
Q3.今後、トキシンポを開催した場合、参加しま
すか?
0%
是非、行きたい
参加します
0%
31%
17%
83%
参加しない
69%
特に、行きたいとは思
わない
どちらとも言えない
回答数 59件
回答数 59件
Q6.パネルディスカッションの印象はいかがでした
か?
Q5.基調講演の印象はいかがでしたか?
0%
良かった
14%
機会があれば行きた
い
良かった
22%
2%
良くなかった
良くなかった
76%
86%
どちらとも言えない
どちらとも言えない
回答数 51件
回答数 51件
Q7.パネル展示の印象はいかがでしたか?
Q8.トキの保護増殖事業についていかがでした
か?
理解が深まった
良かった
30%
20%
0%
理解出来なかった
良くなかった
80%
66%
4%
どちらとも言えない
回答数 51件
回答数 50件
Q9.佐渡におけるトキの生息環境再生の取組に
ついていかがでしたか?
2%
新たな情報などが得
られなかった
Q10.シンポジウムの運営・進行についていかが
でしたか?
10%
理解が深まった
2%
良かった
14%
理解出来なかった
88%
良くなかった
84%
新たな情報などが得
られなかった
回答数 51件
どちらとも言えない
回答数 51件
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