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商品開発論
〔科目名〕 商品開発論 〔担当者〕 志賀 敏宏 SHIGA Toshihiro 〔単位数〕 2単位 〔科目区分〕 専門科目・選択必修科目 〔オフィス・アワー〕 時間: メールで調整 場所: 1305室 〔科目の概要〕 .. ・ 商品やサービスの開発について学びます。 ・ 携帯電話で、メールや着メロができるようになったのは、 「いつ」 、 「誰」が「何を」 、 「どうやった」 、そして「誰の 協力があったから」でしょうか? 何故そんなことをしようと思ったのでしょうか。 ・ それらを実例から考えます。 〔なぜ、学ぶ必要があるか・学んだことが、何に結びつくか〕 ・ 第一に、皆さんに、発見の多い楽しい人生を送ってもらうため。つまり、 「携帯電話でメールができるのは当たり 前ではなく」 、 「大勢の人たちによる挑戦、発想、試行錯誤、計画的完成」によっていることを知ってもらうため。 ・ いつか「当たり前でなく、新しい価値のあることをする人」 、あるいはそれを「支援する人」になることを目指し ます。 〔科目の到達目標〕 ・ 商品開発の困難、課題が分かること、そして、解決のための試行方法を想像できること ・ 商品開発の苦しさ、楽しさを想像できること 〔学生の「授業評価」に基づくコメント・改善・工夫〕 ・ ビジネス・プラン実習のような、演習・参画型の要素をとり入れて欲しい、という希望がありました。授業時間中 にそれを実施することは時間配分の関係から困難なので、自主的にビジネス・プランを作成する人向けの解説と、 作ったビジネス・プランの評価を検討しています。 ・ また、失敗事例を検討したい、という要望がありました。適切な材料を用意しにくいのですが、それが可能であれ ば、少しずつとり入れることを考えます。 ・ 私の、 「イノベーション(技術・商品・事業革新)に関する知見」と「企業経験(総合電機メーカー、民間シンクタ ンク)と、そこでの商品開発に関連する経験」を活かし、実践から理論を志向する授業を行います。 〔教科書〕 ・適宜資料を配布します。 〔指定図書〕 ・一橋大学イノベーション研究センター編(2001)『イノベーション・マネジメント入門』日本経済新聞社 〔参考書〕 ・岩井克人(2005)『会社は誰のものか』平凡社 ・延岡健太郎 (2002)『製品開発の知識』日本経済新聞社 ・高谷 和夫(1998)『商品開発の実際』日本経済新聞社 ・佐藤 正明(2002)『陽はまた昇る―映像メディアの世紀 』文藝春秋 ・高橋 団吉(2000)『新幹線をつくった男 島秀雄物語』小学館 ・松永真理(2001)『iモード事件』角川書店 ・木谷文博(2004)『由布院の小さな奇跡』新潮社 ・後藤哲也(2005)『黒川温泉のドン 後藤哲也の「再生」の法則』朝日新聞社 ※すべて読むべき書籍です。少なくとも図書館で手に取る必要性、価値あり。 〔前提科目〕 な し 〔学修の課題、評価の方法〕 (テスト、レポート等) テストとして、個人の中間・期末レポート、グループワーク等の授業への参画状況によって評価します。 中間レポート 50 点 期末レポート 50 点 グループワーク 最大 20 点程度の加点要因 〔評価の基準及びスケール〕 グレードは、上記の合計点(100 点満点)によって決めます。 A 80 点以上、 B 70~79 点、 C 60~69 点、 D 50~59 点、 F 50 点未満 〔教員としてこの授業に取り組む姿勢と学生への要望〕 私は、商品開発を切実なテーマとして皆さんに理解してもらうよう授業します。皆さんは、理論や結論を教わり覚え ようとしないで下さい。提示する枠組み・考え方を自ら使いこなし、必要があれば自分にとってより妥当な枠組みに修 正し、商品開発に関する自分の考え方を、第三者に語れるようになって下さい。 授業スケジュール 第1回 テーマ(何を学ぶか) :商品開発が特に重要になる背景、ポスト産業資本主義の時代 内 容: 日本がポスト産業資本主義(知価社会、脱工業化時代、第三の波)の時代の入っていること、 そこでプロセスイノベーションに加え、特にプロダクトイノベーションが大切になっていること を知る。すなわち、商品開発とその主体(人)について再考が必要になっていることを確認する。 また、商品開発の成功要因を発見するための視点について述べる。 第2回 テーマ(何を学ぶか) :日本ビクターによるVHS VTRの開発(1) 内 容:日本ビクターによるVHS VTR の開発経緯を知る、それに関わるビデオ教材の視聴と解説 -特に人的資源の結集、ビジョン・目標設定、リーダシップ[イニシアティブ]について 第3回 テーマ(何を学ぶか) :日本ビクターによるVHS VTRの開発(2) 内 容:日本ビクターによるVHS VTR の開発経緯を知る、それに関わるビデオ教材の視聴と解説 -特に顧客情報の利用、課題克服、リーダシップ[確信]について 第4回 テーマ(何を学ぶか) :東海道新幹線の事業化(1) 内 容:国鉄十河総裁(当時)らによる東海道新幹線の事業化の経緯を知る、それに関わるビデオ教材の 視聴と解説 -特に資源の結集・調達、ビジョン・目標設定、リーダシップ[イニシアティブ]について 第5回 テーマ(何を学ぶか) :東海道新幹線の事業化(2) 内 容:国鉄十河総裁(当時)らによる東海道新幹線の事業化の経緯を知る、それに関わるビデオ教材の 視聴と解説 -課題克服、リーダシップ[確信と責任]、経路依存性について 第6~7 テーマ(何を学ぶか) :商品開発の成功要因(講義) 内 容:資源(ビジョン、人、モノ、資金等の生成・調達確保) 、 回 プロセス(シーズ開発、ニーズ把握と整合[顧客情報収集と仕様設計]、確信と伝播、抵抗の扱い、 開発・問題解決、品質管理、生産・流通体制構築、プロモーション) 、 組織マネジマント(モチベート、辺境・異端保護、配置、集団設計〔場、サークル、チーム、グル ープ〕 、コミュニケーション、意思決定) 第8回 テーマ(何を学ぶか) :NTTドコモによるiモードの商品化(1) 内 容:NTTドコモによる i モードの商品化について中核人物松永真理氏の著作から学びプレゼンテー ションに向けグループワークします。 ※授業開始時に個人中間レポート(VHS VTRまたは東海道新幹線)を提出して下さい。 第9回 テーマ(何を学ぶか) :NTTドコモによるiモードの商品化(2) 内 容:8 回の続き 第 10 回 第 11 回 第 12 回 テーマ(何を学ぶか) :NTTドコモによるiモードの商品化(3) 内 容:8~9 回の検討内容等をプレゼンテーション テーマ(何を学ぶか) :由布院温泉の活性化(1) 内 容:大分県由布院温泉の一大保養地化に学ぶ、それに関わるビデオ教材の視聴と解説 -ビジョン・目標共有、協働、観光活化等について ※10 回でプレゼンテーションが終了しない場合はその続きも実施します。 テーマ(何を学ぶか) :由布院温泉の活性化(2)及び本授業の総まとめ 内 容:大分県由布院温泉の一大保養地化成功要因の分析と、比較分析 -熊本県黒川温泉の活性化との比較により観光活性化について検討 ※授業開始時に個人期末レポート(課題は 8 回に提示)を提出して下さい。 注)受講生の関心、私の判断等により、実際の授業は、本シラバスから変更する可能性があります。都度その後の予定を伝えます。