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40代からすでに危険! 転倒死をホントに防ぐ

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40代からすでに危険! 転倒死をホントに防ぐ
NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
40代からすでに危険! 転倒死をホントに防ぐ
2012年12月05日放送
今回の番組について
年間7000人を上回る人が命を落とす転倒事故。 その死者数はいまや交通事
故を上回っています。
ためしてガッテンでもこれまで何度も転倒を 取り上げており、その原因として
「筋力低下」や 「注意力低下」などを指摘しました。今回、転倒事故の原因をさ
らに詳しく調べてみると、思いもよらない意外な原因が見つかりました。
その手がかりとなるのが「女性」「歩く」という 転倒とは結びつきそうにない2つ
の言葉。しかし、私たちが転んでしまうメカニズム と深く 関係していたのです。
できれば誰もが遭いたくない 転倒事故。そのホントの原因をお伝えします。
番組ディレクターのひとこと
みなさんの「転ばぬ先の○○」は?
誰しもできれば遭いたくないと思っている転倒。 街頭でみなさんにお話を聞く
と本当にたくさんの方が筋トレやストレッチ、ウオーキングなどの転倒対策を
していました。でもそのわりには「全く転ばない」と答えた人は非常に少なく、む
しろ転ぶ回数が最近増えていると答えた方がほとんどでした。もちろん 運動を
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はじめとしたこれまでの対策はとても 重要です。でもそれだけでは転倒事故は
なくすことはできません。ではどうしたらいいのか?
番組が提案する意外な解決法にご注目下さい!
バランス力を見抜くマジックとは?
人が転んでしまう理由の一つとして挙げられるのが バランス力の低下。その
バランス力の目安となるのが 「片足立ち」できる時間の長さです。街の人に目
をつぶって 片足立ちをしてもらうと、 年齢や運動経験とはほとんど関係がな
く、結果はバラバラ。 しかし、バランス力の専門家はたった一つの道具を 使っ
て、どのぐらい片足立ちができそうかピタリと予言。 専門家はいったいどのよう
にしてバランス力を見抜いたのでしょうか。
実は専門家が使っていたのは文房具の「コンパス」。
コンパスの先を足の裏にあて、敏感さを測っていました。 足の裏にはメカノレ
セプターと呼ばれるセンサーが あり、足の裏にかかる圧力の情報を脳に送っ
ています。 専門家はこのセンサーの感度を測定。バランス力を 予言していた
のです。
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足の「冷え」が転倒を招く!
バランス力の専門家のマジックはこれだけでは ありません。「あること」をする
と、片足立ちが 5秒しかできなかった女性が1分17秒に。 逆に2分以上片足立
ちができた男性は半分以下の46秒に。 なんとバランス力を自由自在に操るこ
ともできたのです。
専門家が行ったのは、足を温めたり 冷やしたりすること。お湯や氷水に足を3
分間つけて もらっていたのです。
実は足裏のセンサーからの情報は、温度が低いと 脳に伝わりづらくなります。
女性に多い冷え性の人は足裏が冷えやすく転倒しやすいので気をつける 必
要があります。2004年に大分県で行われた調査では、冷え性の人は冷え性で
ない人に比べ、1年以内に転倒の危険を感じたことのある人が1.6倍も多かっ
た そうです。寒い季節は男女を問わず足の冷えに要注意!
わずかな段差で転ぶ理由とは?
カーペットのへりなど、何でもないようなわずかな段差で 転んでしまうことは意
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外に多いもの。いったい なぜなのか。画像解析装置で人が歩くときの体の動
きを分析してみると、転倒のホントの原因に 迫る意外な事実が分かってきまし
た。
黄色で示したつま先の軌跡が、段差の高さ5cmと 2cmでは明らかに違いま
す。人は段差の高さによって 「上る」と「歩く」という2つの動きを使い分けてい
る からです。その境界となる高さはおよそ3cm。
これより高いと「上る」、低いと「歩く」と無意識に 使い分けています。「歩く」とき
は、足はまるで 振り子のように動きます。振り子が下がりきった瞬間、 足は最
も地面に近づきます。人がつまずきやすいのは このときだったのです。
知らず知らずのうちに下がってしまう足
では、実際にどのような時に足の振り子は地面や床に 引っかかってしまうの
でしょうか。これにはあの、足の 裏にあるとお伝えしたセンサー、メカノレセプ
ターが 関係しています。実はメカノレセプターは 足の裏だけでなく全身にあ
り、関節の角度や筋肉の 収縮の情報を脳に送っています。この情報が脳に う
まく伝わらないと、足の高さに「バラツキ」が生まれ、 知らず知らずのうちに足
が下がってしまうのです。
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メカノレセプターからの情報が脳に伝わりにくくなる原因の一つが加齢。若者と
中高年で歩行時の足の高さを比較してみると中高年の方がバラツキは大きく
なっていました。
年をとりセンサーの感度が悪くなってしまったと 考えられています。また、2つ
の動作を同時に行う 「ながら状態」も、足の高さのバラツキを生む大きな 原因
の一つ。若者でも「ながら状態」では足が下がってしまうため油断は禁物です。
とはいえ、年を取ることや何かをしながら歩くことは 人にとって避けられないも
の。そこで私たちが真っ先に 取り組むべきなのが、足元にあるものを「片づけ
る」こと。
私たちの家の中にはカーペットやコード、そして 床に置いてあるリモコンや新
聞紙、洗濯物など わずかな高さしかなくても転倒の原因になりそうな ものが
たくさんあります。身の回りの片づけをする ことは、最も簡単で、最も効果的な
転倒事故対策、 いわば「究極のバリアフリー」なのです。
今回のお役立ち情報
年間7000人を上回る人が命を落とす転倒事故。その死者数はいまや交通事
故を上回っています。 番組で転倒の理由を詳しく調べてみたところ、足の「冷
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え」や、2つ以上の動作を並行して行う 「ながら」状態が引き金になっているこ
とが分かりました。そこで「冷え」を解消し「ながら力」をアップさせる体操をご紹
介します。
健康に不安のある方は医師に相談の上、行ってください!!
転倒を防ぐ「ながら力」アップ体操①
「暗唱足踏み運動」
1. まず5秒間、できるだけ“速く”“小刻みに” 足踏みをして下さい。(5秒間で
20回くらいが目安)
2. 次にお題を考えます。(例:野菜の名前、都道府県名など)
グループでお題を出し合うと効果が高まります。
3. 足踏みをしながら5秒間、お題に合う言葉を思いつくだけ声に出して挙げ
ていきます。
足踏みのスピードが遅くならないように注意!
1日に、5秒間×5~10回、毎日続けることをおすすめします。3~6か
月続けると転倒予防に効果があるとされています。
転倒を防ぐ「ながら力」アップ体操②
「ボディータッチ運動」
1. まず体の部位に番号をふります。
(例:右肩が1、左肩が2、右腹が3、左腹が4、頭が5、へそが6)
難しい場合には数を減らしてもかまいません。
2. グループの一人がまず足踏みのペースに合わせて番号を二つ言います。
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他の人はその言われた番号が指している場所を続けてタッチ!
1日に、1分程度×3~5回行うのが目安です。
3~6か月続けると転倒防止に効果があるとされています。
「冷え」を解消して転倒予防!
「ガッテン流イナバウアー体操」
1. 背もたれのあるイスや丸めた布団に寄りかかります。
2. 息を吸いながら、大きく背中を反らします。
3. 息を吐きながら姿勢を戻します。
4. 上半身の動きに合わせてつま先を上げたり下げたりすると足がポカポカ
に!冷えを感じたら10回ほど行いましょう。
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