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世界を夢見る才能たちが 表現の極限に挑む
I N T E R V I E W 務 め 注 目 を 集 め て い る 第2位に輝いた当 時 歳 印 象に残ったのは意 外にも… 年、世界の最高峰「チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門」で、日本人としてはもちろん、女性として史上初 の第1位に輝いた上原彩子さん。 「浜松国際ピアノコンクー ル(以下、浜コン)」で第2位を獲得したのはその2年前だった。 本人いわく、 「コンクールの世界は 代の子が多いのです が、浜コン当時、私は『もう』 歳。若い子には負けられない! 村 紘 子 さ ん が 審 査 委 員 長 を で 紫 綬 褒 章 受 章 者 で も あ る 中 に ル 世 日 界 本 連 人 盟 ピ に ア ニ 加 ス 盟 ト す の る 代 と 名 と 詞 も ア ジ ア で 唯 一 国 際 音 楽 コ ン ク 年 お き に 開 催 を 続 け て き た ノ に コ 発 ン ク 信 す ル べ く を ス タ 浜 松 ト 国 以 際 降 ピ ア 年 音 楽 の 街 を 世 界 世ア 界ジ 連ア で 盟唯 に一 加 盟 カ カ が ワ 本 イ 社 ヤ を マ ハ 置 の く 浜 大 松 ピ ア 市 ノ で メ は 力強いフォルテシモまで 弾き手によってさまざまな 音色を響かせるピアノ。 若きピアニストたちが力を競う 「浜松国際ピアノコンクール」は、 世界へと続く夢の入り口だ。 と朝から晩までがむしゃらに練習しました。予選を含めて約 曲。課題曲の約 ささやくようなピアニシモから 今年は 年に一度の開催年。市内ではさまざまな 音楽イベントが催される 曲を通して弾いても2∼3時間の分量を、 楽譜なしでも弾けるようになる必要があったので」と、ピアノ 第 回浜松国際ピアノコンクール 界の厳しさを感じる話だ。 それだけ入れ込んだのには、理由があった。 「第1回の優 / (日)から開催 世界を夢見る才能たちが 表現の極限に挑む 勝者セルゲイ・ババヤンさんが、偶然私と同じ先生に師事し ていたのです。それを知って受賞後のコンサートを聴き、 とて も感銘を受けました。“ 浜松ピアノアカデミー(ピアニスト養 成機関)”でたくさんのことが得られたことも大きな理由です」 時を経て一番印象に残っているのは、意外にも演奏のこと ではなく、 「練習場の案内や会場でのフォローなど、浜松のボ ランティアさんの心温まるサポートです。ピアニストは皆、極度 な緊張の中にいます。予選で落ちてしまった仲間がいると、会 場内でどんな顔をしてすれ違ったらよいだろう…など、 ささいな 最後は 人の本戦。第 位には国内と海外合わせ て 回の公演チャンスを提供 ことにも気をつかってしまいます。なので、いつでも親切な地 元の方には本当に癒やされましたね。浜松駅前にたくさん並 んでいたポスターからも『応援されているな』とパワーをもらえ ました」と懐かしむ。 「音楽の街・浜松」というと、企業や施設のことが話題にな りがちだが、 「演奏する人間」を陰で支えるのは、案外、浜松 人のこういった何げない心遣いや温かさなのかもしれない。 精神を集中し、時にやさしく、時に激しく鍵盤をたたく ピアニスト 上原彩子さん 尽 き な い だ ろ う プロフィル 歳よりヤマハ音 楽 教 室に、 年よりヤマハマスタークラスに在籍。 「第4回浜松国際ピアノコンクール」 第 位、 「 第 回チャイコフスキー 国際コンクール ピアノ部門」で、第 位を獲 得。ゲルギエフ、インバル、 ロストロポーヴィチ、ルイジなど国内 外の巨匠と共演、高く評価されてい 年 第 回 新日鉄音 楽 賞 る。 フレッシュアーティスト受賞 撮影:三浦興一 表 彰 式 ・ 入 賞 者 披 露 演 奏 会 09 応 援 し な が ら 見 守 れ ば 興 味 は ひ い き の コ ン テ ス タ ン ト を 決 め て 本 選 ズ ナ ブ ル な 入 場 料 も う れ し い カ ル ト 的 に 楽 し め る ほ か と に 曲 目 や 形 式 が 変 わ り リ ア ラ 人 を 出 場 承 認 予 選 ご か ら 予 備 審 査 を 通 過 し た 今 回 は 人 の 応 募 の 中 でピ きア るニ のス もト 醍を 醐発 味掘 だ い ご み い 人 で も 力 量 を 直 感 す る の ピ ン と 張 り つ め た 緊 張 第 次 予 選 次 予 選 リサイタルで個性をアピール 邦人作曲家新作品で競う 課題曲のピアノ協奏曲のうち任意の 曲を選択し、東京 交響 楽団(指 揮:大 友直人さん) と共演。オーケストラを従 えた演奏は 人のファイナリストだけに 与えられる特権なのだ。 演奏時間 分以内でそれぞれ自由に リサイタルを構成して演奏。得意とする 自由曲を効果的に組み合わせ、持ち味 をアピールしようとコンテスタントの顔も 引き締まる。 課題曲に加え、著名作曲家、西村朗さ んと権代敦彦さんが作曲した新作品の いずれかを 分以内で演奏する。ここ での審査で「日本人作品最優秀演奏賞」 受賞者が決定。 September 2009 ピ ア ノ の 知 識 が な 場 者 第 東京交響楽団と夢の共演 人 感 が 伝 わ り 人 一 観 方 生 客 き 席 様 に に は も コ 審 ン テ 査 ス の タ 目 ン が ト 及 出 ぶ く 演 奏 に 表 れ る そ の 人 の 価 値 い 音 色 で 表 テ 現 ク ニ し た ク だ と け 激 で 賞 な し た よ う に を い さ さ か の 誇 張 も な く 美 し ず 員 優 し 長 彼 勝 く が に し つ て 音 爽 い い 楽 や て る そ か 中 の 村 も に 紘 の し 子 の て か み 審 た ず 査 ち み 委 昼間の興奮が冷め、ひっそりと静 まり返った真 夜 中のホールで各 楽 器メーカーの調 律 師たちが奮 闘。最高の音を引き出すため、夜 を徹してチューニングが続けられる。 人 誰 も い な い 深 夜 の ホ ル で ダ ブ リ ン 国 際 ピ ア ノ コ ン ク ク ラ イ ナ は 今 年 の ア レ ク セ イ ・ ゴ ル ラ ス も 珍 し く な い 大 舞 台 で 栄 光 を 勝 前 月 ち 回 チ の 取 さ 第 る ん ケ ル ウ 位 で ン 国 際 ピ ア ノ コ ン ク ル と い た ノ を ト コ き が こ ン ク か 同 れ コ ま け ン で ル ク 無 に や ヴ シ ル 名 ン パ で だ ・ ン の ク 上 た ラ 国 位 ピ イ 際 ア バ ピ 入 ニ ア 賞 ス 客張 席り のつ 隅め 々た に緊 ま張 で感 が 第 次 予 選 選択 曲を 分以内で演奏 モーツァルト、ベートーベンのソナタ、 ロマン派作曲 家の作 品の中から 各自が選んだ 曲を 分 以内で 演奏。第 次予選で早くも約 分 の の 人に絞られる。 コンテスタントはヤマハ、 カワイ、ス タインウェイの 台の中から期 間 中に使用するピアノを選ぶ。 分 間の試し弾きで音色や感触を確 かめ、 その後の運命をともにする。 人 前 回、王 座に輝い たアレクセイ・ゴルラッ チさん(右)と中 村 紘子審査委員長 運 命 の ピ ア ノ 選 び 出 場 承 認 者 人 こ舞 う台 な裏 は て い る September 2009 08 た あ ら ゆ る 舞 台 芸 術 に 対 応 で 本 オ 初 ペ の ラ 四 バ 面 レ 舞 エ 台 歌 と 舞 最 伎 新 と 設 い 備 席 の 客 席 を 備 え 日 感 き 象 委 じ る に 員 る 行 が ま ク う セ た ラ 公 ミ と シ 開 フ な ク レ イ い 音 チ ス ナ 楽 ン リ ン を も ス ス 身 見 ト だ 近 学 を に で 対 本 選 の 会 場 と な る 大 ホ れ る ほ ど 優 れ た 音 響 を 持 ル つ は プ ロ の レ コ 予 選 が 行 わ れ る 中 ホ さ れ コ ン ク ノ の 魅 力 を 探 る 音 楽 ア ラ カ ル ト サ 祝 開 ト に 催 は に 中 先 月 村 立 紘 ち 日 子 土 ト 月 い い 音 て な ん だ ろ う ? ル 期 間 中 は 審 が 査 催 の 会 場 浜 は 松 国 際 デ ピ 浜 ア ン 松 ノ グ コ 駅 ン に と ク も ル 浜 地 使 は 松 ル 下 わ 道 で つ な が る ア ク ト シ テ ホ音 響 ル効 で じ果 抜 く群 りの 鑑優 賞雅 な 映 テ 大 し 型 出 ジ ス す の ク 模 リ 様 を ン リ が ア 設 ル 置 タ さ に ク 日 イ れ は & ム ピ コ 水 ア ン ・ で ス ま た コ ン グ レ ス セ ン タ に は 誇世 る界 ア水 ク準 トの シ環 テ 境 を ショパンの丘や音楽広場など があるアクトシティは浜松市の シンボル 四面舞台と 層 階の客席が 並ぶ大ホール。本選当日には 聴衆で埋め尽くされる 人の客席を備えた中ホール。 舞台奥にはパイプオルガンが設置 されている 中ホール屋上に広がる「ショパン の丘」。丘の上にはポーランド・ワ ルシャワ市から贈られたショパン像 がある て 楽 し み た い 披 露 さ れ る コ ン ク レクチャーコンサートで使 用されるプレイエル社 製 「フォルテピアノ」 ル と 併 せ と 弦 楽 に よ る ピ ア ノ 協 奏 曲 が 製 パ エ 奏 フ ン ル 曲 が ピ 第 ル 生 ア テ 涯 ノ に ピ 愛 よ 番 ア し る 室 ノ た 内 の が 楽 プ 美 レ 行 版 し イ わ い エ れ プ 音 ル シ レ 色 社 イ コ に は 楽 楽 ン は 器 器 サ コ な 琵 ン ど 参 ト ク 琶 照 を 三 常 シ ル 設 味 記 パ 線 ン 念 月 展 示 ア ・ レ ピ ク フ ア チ 日 詳 リ ノ 金 し カ く の 協 館 隣 で 接 は す ヨ る ロ 浜 松 パ 市 の 鍵 楽 盤 器 ・ 博 管 物 見浜 逃松 せ市 な楽 い器 博 物 館 も 道路を挟んで隣接する楽器博物館。世界の楽器を通して 歴史を知ることができる 第 回 浜 松 国 際ピアノコンクール 主 催 開催期日 浜松市・財団法人浜松市文化振興財団 年 月 日(日)∼ 日(木) 第 次予選/ 年 月 日(金)∼ 日(日) 第 次予選/ 第 次予選/ 年 月 日(火)∼ 日(水) 本選/ 年 月 日(土)∼ 日(日) 年 月 日(日) 表彰式/ 年 月 日(月) 入賞者披露演奏会/ 会 場 予選/アクトシティ浜松中ホール 本選・表彰式・入賞者披露演奏会/アクトシティ浜松大ホール ※入場料については公式ウェブサイトをご覧ください ※イベント日程や内容は、予告なく変更になる場合があります ■お問い合わせ/ 浜松国際ピアノコンクール事務局 〒 静岡県浜松市中区板屋町 財団法人浜松市文化振興財団内 ストリーミング配信でも聴ける! 詳しくはホームページで。 www.hipic.jp September 2009 10