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緑政土木局・財政局(工事) (PDF形式, 329.35KB)

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緑政土木局・財政局(工事) (PDF形式, 329.35KB)
監 査 種
別
定期監査(工事監査)及び行政監査
監 査 対
象
緑政土木局
財
政
局
契約部(緑政土木局関連事務に限る。
)
監 査 期
間
平成27年 7月
平成28年
監 査 結
第1
1日から
4月21日まで
果
監査の対象及び範囲
今回の監査では、緑政土木局における平成25年 4月 1日から平成27年 3月31日
までに完了及び平成27年 3月31日時点で施行中の工事並びに調査・設計及び保守
管理委託を次表のとおり抽出した。
件数
区分
金額
監査対象
(件)
抽出
(件)
抽出率
(%)
抽出
抽出率
監査対象
(百万円) (百万円) (%)
工事
3,296
127
3.9
58,768
8,862
15.1
委託
2,660
20
0.8
13,008
311
2.4
監査にあたっては、設計・積算・施工・検査・維持管理業務及び委託業務など
が適正に執行されているかといった視点に加え、必要な機能が確保されるよう適
正かつ経済的に設計及び施工されているか、施工の品質確保に向け監理が適切に
実施されているかに着眼して、書類調査及び現地調査を行った。
第2
監査結果の概要
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執
行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。
また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
なお、監査対象とした局が既に措置を講じたものについては、その内容を記載
した。
1 指摘事項
(1) 設計
擁壁の設計についてなど 2項目
(2) 積算
適切な単価の採用についてなど 2項目
(3) 施工
遊具の安全についてなど 4項目
(4) その他
工事施行指示書の交付についてなど 2項目
2 意 見
品質確保に向けた取り組みについて
第3 指 摘 事 項
1 設計
(1) 擁壁の設計について
擁壁の設計にあたっては、設置される位置の地形及び土質などの現地状況や
設計荷重など設計条件を総合的に検討し、道路土工擁壁工指針(公益社団法人
日本道路協会発行。以下「擁壁工指針」という。
)を基に、経済的かつ合理的な
設計を行う必要がある。緑政土木局が発注した工事において、擁壁の設計が適
切であるか確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
ア 擁壁断面の設計
「東山動植物園アジアゾウ舎前広場整備その他工事」では、地盤の段差処
理及びフェンスの基礎のために擁壁を設置していた。
その設計にあたっては、
設置箇所の地盤高さの高低差や設計荷重など、諸条件を基に擁壁断面を決定
していたが、
地盤高さなどの諸条件を誤ったため、
過大な設計となっていた。
実際の地盤高さなどを基に擁壁断面を決定した場合、擁壁断面積を約 6割に
縮小でき、より経済的な設計とすることが可能であった。
(東山総合公園再生整備課)
▽設計時の地盤高さ
▽実際の地盤高さ
地盤高さの
高低差
擁壁
適切な断面
設計時の断面
擁壁の設置状況
高低差が最大となる箇所の
擁壁断面イメージ図
イ 裏込め材の設置範囲
擁壁工指針では、ブロック積み擁壁の擁壁背面には透水性の良い砕石など
の裏込め材を適切な範囲に設置することと定められており、擁壁前面に水位
がある場合には、裏込め材は基礎地盤程度まで設置することとされている。
「新茶屋川改良工事」では、排水路の護岸としてブロック積み擁壁を設計
していたが、擁壁前面に水位がある場合にもかかわらず、裏込め材を基礎地
盤程度まで設置する設計となっていなかった。
ブロック積み擁壁の設置状況
(港土木事務所)
水位
河床など
裏込め材
裏込め材
基礎地盤面
前面に水位がある場合の設計
本件工事の設計
ウ 擁壁の安定性
擁壁工指針では、施工時に擁壁の安定に必要な基礎地盤の支持力を原位置
試験(注)などにより確認することと定められている。その支持力については、
設計時に安定計算などから照査して設定しなければならない。
「笠寺公園築造工事(その 2)
」では、公園の整備にあたり、擁壁を設計し
ていたが、安定計算をしておらず、必要な支持力を設定していなかった。こ
のため、必要な支持力について設計図書に明記しておらず、施工時において
も原位置試験などによる確認をしていなかった。
(緑地事業課)
擁壁は、長期間にわたり擁壁背面の土砂の崩壊を防ぐ重要な構造物であるこ
とから、経済性はもとより、現地状況や設計条件などを十分考慮し、適切に設
計されたい。
(注) 原位置試験
施工位置において、支持力などの地盤の性質を直接調べる試験の総称。
(2) 舗装構成の決定について
緑政土木局では、舗装の設計にあたり、舗装設計便覧(公益社団法人日本道
路協会発行)などを基に行っている。この便覧では、舗装計画交通量(注)が比
較的少ない路線に限っては、路床の支持力を表す数値である設計CBRが 6パ
ーセント以上の場合は、路盤層を 1層とすることができるが、 6パーセント未
満の場合は、上層路盤及び下層路盤の 2層構造とすることと定められている。
この理由は、設計CBRが 6パーセント以上の場合は路床の支持力が大きく、
路盤層施工時の施工基盤としての役割を期待できるため、所定の品質の路盤層
を構築できるが、6パーセント未満の場合は一般に路床の支持力が小さいため、
その上に施工された路盤層は、上層路盤としての品質を確保しにくいためであ
る。
「市道志賀柳原町線歩道整備工事、舗装道補修工事(北− 6)及び掘削跡復
旧工事(北− 2)
」では、舗装計画交通量が比較的少ない路線において、既設舗
装を取り壊し、新たに舗装を行うこととしていた。この設計にあたり、路床の
支持力が不足していたことから、セメントを土に混合することにより路床の改
良を行うこととし、その上に施工される路盤層は 1層としていた。しかし、本
件工事では、路床の改良により設計CBRを 3パーセントとする設計としてお
り 6パーセント未満であることから、路盤層を 1層とした本件工事の舗装構成
は適切でなく、施工時に路盤層の品質が確保されないおそれがあったため、施
工を考慮した設計とすべきであった。
舗装の設計にあたっては、舗装設計便覧等を十分確認し、適切な舗装構成と
されたい。
(北土木事務所)
アスファルト層
上層路盤層
舗装部
下層路盤層
路床
舗装構成の一例
(注) 舗装計画交通量
一般的な道路の舗装の設計に用いる数量であり、車線 1方向あたりにおける大型自
動車の 1日の交通量。
2 積算
(1) 適切な単価の採用について
請負工事費や業務委託費の積算にあたっては、緑政土木局の土木工事標準積
算基準書(以下「積算基準」という。
)及び国土交通省など国で定めた基準を基
に行い、各種基準で定められていない場合には見積書を徴取するなど、明確な
根拠を基に適切な単価を採用しなければならない。
緑政土木局が発注した請負工事費及び業務委託費の積算において、適切な単
価を採用しているか確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
ア 「都計 3・ 2・42大津町線街路築造工事(25− 2)
」では、既設の排水管内
にセメント、水及び空気などを混ぜたエアモルタルを注入する単価の算出に
あたり、厚生労働省の「水道施設整備費国庫補助事業に係わる歩掛表」を基
に行っていた。この歩掛表では、エアモルタル 1立方メートルを注入する単
価は、 1日当りに必要な費用を 1日に施工可能な注入量で除することで算出
すると定められているが、誤って 1日の注入量で除していなかったため、積
算額約 164万円が過大となっていた。
(江川線整備事務所)
イ 「都計 3・ 1・29江川線行政代執行実施業務委託」の積算においては、見
積書を基に各工種の単価を決定していた。見積書では、各工種の単価に含ま
れる諸雑費は率計算により算出していたが、誤って見積書とは異なる率によ
り一部の工種の諸雑費を算出していたため、積算額約 123万円が過大となっ
ていた。
(用地補償課)
ウ 「準用河川東小川改修工事に伴う戸田茶屋排水機場撤去工事」では、既設
の排水機場撤去に伴う鋼矢板の積算にあたり、積算基準を基に行っていた。
この基準では、鋼矢板の賃料に係る修理費及び損耗費は、打込みを伴う場合
には、作業場所の土質が最大N値(注1)20未満で軽作業の単価、20以上39以下
で標準作業の単価を採用することと定められている。
本件工事においては、4
箇所でN値を調査しており、 1箇所では最大N値20以上であったものの 3箇
所では20未満であった。
これらの調査場所及び鋼矢板の作業場所を考慮して、
鋼矢板の賃料に係る修理費及び損耗費の単価を決定すべきであったが、安易
に全ての鋼矢板の積算にあたり、最大N値20以上である割高な標準作業の単
価を採用していたため、積算額約67万円が過大となっていた。
(河川工務課)
エ 積算基準では、工事費の積算に用いる単価は、緑政土木局が定める基本単
価、刊行物の掲載単価、見積単価の順に採用することと定められている。
「大
江西ポンプ所始め 2か所電気設備更新及びその他工事」では、電気設備であ
る高圧開閉器(注2)の単価の採用にあたり、適用できる単価が刊行物に掲載さ
れているにもかかわらず、見積単価を採用していたため、結果的に積算額約
77万円が過大となっていた。
(ポンプ施設管理事務所)
工事費の積算にあたっては、各種基準や見積書を十分確認し、適切な単価を
採用されたい。
(注1) N値
土の硬さや締まり具合を表す数値。
(注2) 高圧開閉器
電力会社からの引き込み点に設置し、電力会社の配電線と需要家の電気設備を区分
する為に設ける機器。
(2) 間接工事費の積算について
積算基準では、工事費は、材料費や労務費などの直接工事費のほか、共通仮
設費及び現場管理費からなる間接工事費などで構成されており、このうち間接
工事費については、直接工事費に所定の間接工事費率を乗じる率計算などによ
り算出すると定められている。この間接工事費の算出にあたり、材料費のうち
門扉などは、共通仮設費の率計算の対象から控除するよう定められている。ま
た、緑政土木局の「間接工事費等の積算に係る機器・材料等の区分について」
(通知)では、大型時計塔やフラップゲートなどの材料費については、間接工
事費の率計算の対象から控除するよう定められている。
ア 「都計 3・ 4・ 202船見町線街路築造工事」では、ボックスカルバートの
設置にあたり、洪水時や満潮時に外水が逆流するのを防止するためのフラッ
プゲートを設置していたが、
間接工事費の率計算の対象から控除しておらず、
積算額約66万円が過大となっていた。
(江川線整備事務所)
イ 「南陽中央公園築造工事及び特殊道路築造工事」では、公園の整備にあた
り、大型時計塔を設置していたが、間接工事費の率計算の対象から控除して
おらず、積算額約 160万円が過大となっていた。
(緑地事業課)
ウ 「東山動植物園アジアゾウ舎前広場整備その他工事」では、門扉を設置し
ていたが、共通仮設費の率計算の対象から控除しておらず、積算額約18万円
が過大となっていた。
(東山総合公園再生整備課)
エ 「桜が丘 1号水路改良工事」では、老朽化した雨水管の改良工事にあたり、
管きょ更生工法(注)を採用していた。この工法に用いる更生材料費について、
積算基準などで間接工事費の率計算の対象から控除するよう定められていな
いにもかかわらず、間接工事費の率計算の対象から控除していたため、積算
額約60万円が過小となっていた。
(千種土木事務所、河川工務課)
間接工事費の算出にあたっては、積算基準などに沿って控除対象を適切に判
断されたい。
(注) 管きょ更生工法
道路を掘削することなく、老朽化した管きょ内面に新たに管を構築するなど、耐荷
能力、流下能力などの確保を行う工法。
3 施工
(1) 遊具の安全について
緑政土木局は、公園における遊具について、遊具の安全に関する規準(一般
社団法人日本公園施設業協会発行。以下「安全規準」という。
)に沿って設計、
施工及び維持管理を行っている。安全規準では、遊具からの落下事故の防止対
策として、鉄棒などの利用者が落下するおそれのある遊具はコンクリートやア
スファルトなどの固い設置面に配置しないことと定められており、加えて設置
面の凹凸を危険要因の一つとして例示している。また、緑政土木局の土木工事
標準仕様書では、遊具の設置箇所を転圧する際は、危険防止のため地表面下と
も、障害物を除去した後、十分転圧しなければならないとされている。
「公園施設更新工事
(中川−起 2)
」
では、
複数の公園で遊具を更新していた。
このうち、 1箇所の公園において鉄棒を更新しており、その設置状況を確認し
たところ、多数の石が除去されることなく設置面に露出しており、危険な状態
であった。
利用者が遊具から落下した際に重大な事故につながるおそれがあるため、当
該遊具の設置面については、安全規準などに適合するよう速やかに工事を実施
されたい。
(中川土木事務所)
なお、
緑政土木局においては、
指摘に基づき平成27年 9月に補修を完了した。
鉄棒の設置状況
設置面の状況
(2) 歩道整備について
福祉都市環境整備指針では、
歩行者の動線上に雨水ますを設置する場合には、
格子の目が細かい蓋を設置することとなっている。
「市道広路第58号線歩道整備工事、舗装道補修工事(昭− 2)及び掘削跡復
旧工事(昭− 1)
」では、横断歩道内に雨水ますが設置されていたが、蓋の格子
の目が粗く、その上を歩行者や車いす利用者が通行することを考慮した形状で
はなかったため、格子部分につえの先端や車いすのキャスター等が落ち込むお
それがあった。
当該雨水ますについては、福祉都市環境整備指針に適合していないため、速
やかに蓋の交換を実施されたい。
(昭和土木事務所)
なお、緑政土木局においては、指摘に基づき平成27年 9月に格子の目が細か
い蓋に交換した。
雨水ますの設置状況
(3) 品質管理試験の実施について
緑政土木局の土木工事標準仕様書では、工事に使用する材料の品質規格及び
施工に関する品質規格が定められている。その具体的な品質管理試験の項目や
規格値については、緑政土木局の請負工事品質管理基準(以下「品質基準」と
いう。)に定められており、各種試験により測定した値は、品質基準の規格値
を満足していなければならない。
「市道志段味水野線第 1号道路改良工事」始め 4件では、建設発生土やアス
ファルト合材について、品質基準に定められた品質管理試験のうち、一部実施
していなかった。
(千種土木事務所、中土木事務所、守山土木事務所、東山総合公園管理課)
「茶屋 5号水路改良工事」では、建設発生土の品質管理試験における測定値
が、品質基準の規格値を一部満足していないにもかかわらず、特段の協議を行
わないまま埋め戻しに利用していた。
(港土木事務所)
「都計御田線立体横断施設築造工事(下部工)(その 2)」始め 5件では、
構造物周りや路床部の埋め戻しにあたり、締め固めが適切に実施されているか
を確認するための品質基準に定められた品質管理試験が実施されていなかった。
(北土木事務所、中村土木事務所、熱田土木事務所、南土木事務所)
また、これらの工事において、工事着手前に受注者から提出される施工方法
や施工管理方法などを記載した施工計画書を確認したところ、必要な品質管理
試験の項目のうち、今回指摘した項目は記載されていなかった。
品質管理試験は、使用する材料の品質の確保や施工が適切に実施されたかを
判断するために行う重要な試験である。このため、施工計画の段階から必要な
品質管理試験の項目や規格値を確認するとともに、確実に実施するよう受注者
を指導されたい。
(4) 呼吸用保護具の使用について
粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号)が平成24年に改正され、金
属をアーク溶接する作業については、屋内での作業に加えて屋外における作業
においても国家検定に合格した呼吸用保護具の使用が必要となった。
緑政土木局が発注した工事において、呼吸用保護具の使用が適正に行われて
いるかについて調査したところ、「耐震性防火水槽設置工事(25− 1)及び菊
園公園造成工事」始め 3件では、屋外で金属をアーク溶接する作業を行ってい
たが、呼吸用保護具を使用していなかった。
緑政土木局においては、労働者の安全と健康を確保するため、粉じん障害防
止規則に沿って呼吸用保護具を使用してアーク溶接する作業を行うよう受注者
を指導されたい。
(昭和土木事務所、東山総合公園再生整備課)
4 その他
(1) 工事施行指示書の交付について
緑政土木局工事施行指示書取扱要領では、工事の設計変更等をしようとする
場合において急施を要するとき、または軽易なものであるときは、遅滞なく工
事施行指示書(以下「指示書」という。
)を作成するよう定められている。
「市道志段味水野線第 1号道路改良工事」始め 4件では、設計変更が必要な
工種の追加が生じ、指示書を作成しなければならなかったが、打合せのみで設
計変更の指示を行っており、指示書を作成していなかった。
指示書は、
工事の設計変更等をしようとする場合において急施を要するとき、
または軽易なものであるときの施行指示の意思決定を行う重要な書類であるた
め、
緑政土木局工事施行指示書取扱要領に従い、
適切に指示書を作成されたい。
(北土木事務所、瑞穂土木事務所、南土木事務所、守山土木事務所、
道路建設課)
(2) 見積りの徴取方法について
積算基準では、工事費の積算にあたり、見積りにより単価を決定する場合に
は、 3社以上から見積りを徴取することと定められている。
ア 「西島水路改良工事」では、工事着手後に発生した新規工種の単価を見積
りにより決定していた。その見積りの徴取方法について確認したところ、受
注者を通して 3社から見積りを徴取していた。
(守山土木事務所)
イ 「公園施設更新工事(天−起 1)」では、大型複合遊具を設置する積算に
あたり、見積りにより単価を決定していた。その見積りの徴取方法について
確認したところ、 3社以上から見積りを徴取することが可能であったにもか
かわらず、 1社からの徴取であった。
(天白土木事務所)
いずれの事例も適正な見積りの徴取方法ではなかったため、積算基準を十分
理解したうえで見積りを徴取されたい。
第4 意 見
品質確保に向けた取り組みについて
公共工事は、
市民生活の基盤となる社会資本を整備する重要な工事であるため、
その施行にあたっては、将来にわたり品質が確保されるよう、関係基準、法令な
どを理解し、適切に工事監理を行う必要がある。このため、緑政土木局において
は、監督員が行う業務内容及び監督基準を定めた工事監督指針や工事の各段階で
必要な確認事項を体系的に整理した手引きを作成するとともに、若手職員向けに
技術研修を実施するなど、工事の品質確保に向けた取り組みを実施している。
今回の監査では、施工の品質確保に向け監理が適切に実施されているかを特に
注意すべき事項として重点的に監査を行った。
監査の結果、擁壁の支持力について現場での確認を実施していなかったもの及
び、アスファルト舗装などの材料や施工の品質を確認するための品質管理試験を
一部実施していなかったものなど、技術指針や各種基準の知識が不足していたこ
となどにより、品質が確保されているか確認できない事例が散見された。また、
遊具の設置面に多数の石が露出していたもの及び、横断歩道内の雨水ますに格子
の目が粗い蓋が設置されていたものなど、利用者目線での現場確認ができていな
いことにより、品質が確保されていない事例も見受けられた。
これらのことから、現在実施している品質確保に向けた取り組みでは十分でな
く、より実効性のある取り組みを実施する必要があると思料される。
このため、緑政土木局においては、技術指針や各種基準の知識を補うために、
技術研修を若手職員だけでなく、幅広い職員向けに拡充すること及び、机上での
研修に加え、実際の現場に赴き工事監督指針などを基に監督員として確認すべき
項目をより実践的に習得する場を設けること、また、施工時において、複数の職
員により現場確認するなど、さらなる取り組みを組織を挙げて実施し、工事の品
質確保に努められたい。
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