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第 2 章 都政の運営
第2章 都政の運営 第3部 政策企画局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 税務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72 会計管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76 63 政策企画局 基本的な構想、総合的な長期計画の策定 政策の企画調整 特区制度を活用したビジネス環境整備や外国企業誘致の推進 第3部 政府・近隣自治体等との連携 第2章 政策企画局 財 政 税 務 首都移転問題への対応 会計管理 都市外交の推進 ロンドン市との友好都市関係樹立に係る共同宣言等署名式 64 第 3 部 都政のしくみとしごと 基本的な構想、総合的な長期計画の策定 東京 2020 オリンピック・パラリンピッ ク競技大会(以下「東京 2020 大会」という。) の開催を迎える東京都は、大会の成功に向 けた万全の準備を進めるとともに、大会後 の持続的発展を実現するため、東京が目指 すべき将来像を「『世界一の都市・東京』 の実現」とし、おおむね 10 年間(2024(平 成 36)年まで)を計画期間とする「東京 都長期ビジョン ~『世界一の都市・東京』 の実現を目指して~」を平成 26 年 12 月に 策定しました。 本ビジョンでは、「『世界一の都市・東京』 の実現」のための基本目標や政策目標、具 体的な政策展開、更には 3 か年の実施計画 などを明らかにしています。 政策の企画調整 都の意向を反映させるため、政府各省庁に 対する提案要求活動を行っています。 2 全国知事会等との連携 各道府県との連絡提携を密にして、地方 行政の円滑な運営と進展を図るため、共通 する課題等について意見交換を行うととも に、国に対する要望活動等を行っています。 3 九都県市首脳会議 第3部 首都圏が抱える広域的課題に共同して対 応するため、東京都、埼玉県、千葉県、神 奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいた ま市、相模原市の首長を構成員として、環 境問題、防災対策、地方分権等について検 討、協議を行っています。 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 首都移転問題への対応 首都移転の白紙撤回に向け、国の動向等 知事の特命に係る重要な施策について、 について情報を収集するとともに、都議会 企画、立案及び連絡調整等を行っています。 をはじめとした関係機関と連携を図るなど また、都の重要な政策を効果的かつ着実 の取組を行っています。 に推進するため、各局が実施する事業間の 密接な連携を図り、実施に関する全庁的な 都市外交の推進 総合調整を行っています。 東京 2020 大会を成功させ、さらに、東 特区制度を活用したビジネス環境整備や外国企業誘致の推進 京を世界一の都市へと発展させていくた め、都市外交の基本戦略を策定し、都全体 都は、国の特区制度を活用し、世界を で都市外交を積極的に推進しています。 リードするグローバルビジネス都市の実現 に取り組んでいます。東京圏国家戦略特区 1 二都市間都市外交 における規制緩和を活用し、国際ビジネス 姉妹友好都市(ニューヨーク市、北京市、 拠点の整備や東京国際金融センター構想の パリ市、ニュー・サウス・ウェールズ州、 推進、ライフサイエンスビジネス拠点の形 ソウル特別市、ジャカルタ特別市、サンパ 成に向けた取組を行っています。 ウロ州、カイロ県、モスクワ市、ベルリン また、アジアヘッドクォーター特区では、 市、ローマ市、ロンドン市)やその他の海 税制優遇や補助金、英語によるビジネス・ 外都市とスポーツ、環境、文化など、幅広 生活相談への対応等による支援により、ア い交流を実施しています。 ジア地域の業務統括拠点や研究開発拠点等 を設置する外国企業の誘致を進めています。 2 多都市間都市外交 大都市に共通する課題の解決や、都市間 の連携・交流促進に資する、「経済交流促 政府・近隣自治体等との連携 進のプラットフォーム」及び「危機管理ネッ トワーク」などの実務的協力事業を推進し 1 国の施策、予算に対する提案要求 国の予算編成、政府施策の策定に当たり、 ています。また、世界の主要都市の都市外 65 交責任者が集い、意見交換等を実施してい ます。 3 国際儀礼や在京大使館等との連携 都首脳と外国からの賓客との会見、在京 大使等を対象とした都の施策の発信及び相 互交流、実務的な連携強化を図るための大 使館等との防災連絡会等を実施しています。 4 北方領土返還対策 第3部 北方領土の早期返還を実現するため、民 間団体等と幅広く連携し、国や関係機関と 協力しながら、様々な都民運動を推進して います。 <政策企画局> 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 66 第 3 部 都政のしくみとしごと 財 政 東京都の財政 都財政の現状と課題 東京都の財政規模 第3部 歳入の内訳 第2章 歳出の内訳 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 新宿の高層ビル群 67 東京都の財政 東京都の財政規模(平成 28 年度予算) 1 都財政の現状と課題 都税収入は堅調に推移していますが、過 去には急激な景気の悪化や都の財源を不合 理に奪う税制度の見直しにより、1 年で約 1 兆円の大幅な減収に見舞われただけでな く、減収局面が数年間にわたり続くなど、 元来不安定な構造にあります。 現下の都税収入は、景気の下振れリスク や平成 28 年度税制改正による法人住民税 の一部国税化の拡大など、その動向は引き 続き予断を許さない状況にあります。 一方、都政には東京 2020 オリンピック・ パラリンピック競技大会に向けた準備の更 なる加速をはじめ、急速に進行する少子高 齢化や社会資本ストックの老朽化への対応 など、多岐にわたる課題が山積しています。 こうした中、都が将来にわたり都政に課 された使命を着実に果たしていくために は、施策の効率性や実効性を向上させる自 己改革を推し進めるとともに、中長期的な 視点に立った財政運営を行っていく必要が あります。 第3部 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 2 東京都の財政規模 公営企業会計 21,911 億円 合 計 特別会計 136,560 億円 44,539 億円 一般会計 70,110 億円 ● 特別会計というのは、特定の事業や 資金などについて、その収支を明確 にするために、一般会計とは分けて 経理するためのものです。 一般家庭でいえば、光熱水費や電話 料金、ローンの返済などを、別の財 布で管理するようなイメージです。 ● 公営企業会計というのは、電気、水 道、電車、バスなど、独立採算制の 公営企業の収支を経理するためのも のです。 (1) 平成 28 年度の東京都の一般会計当初 予算は、7 兆 110 億円です。 (2) 一般会計に、特別会計と公営企業会 計を合わせた東京都全体の財政規模は、 東京都の財政規模の推移(一般会計当初予算) 13 兆 6560 億円(単純合計)です。 兆円 (3) 都の一般会計の財政規模は、他の道 8.0 府県と比べて、際立って大きなものと 7.0 7.0 6.9 6.7 なっており、国の財政規模(96 兆 7218 7.0 6.6 6.3 6.3 6.2 6.1 億円)の約 7%です。 6.0 国・地方全体との比較 区 東 分 京 都 平成 28 年度 7 兆 110 億円 国 96 兆7,218 億円 地 方 全 体 85 兆7,593 億円 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 68 20 21 22 23 24 25 26 27 28 年度 第 3 部 都政のしくみとしごと 3 歳入の内訳 (1) 都の歳入は、都税が約 7 割と大きな 割合を占めています。 (2) 都の歳入の中心である都税収入は、 法人二税(法人都民税及び法人事業税) の比率が高く、景気の動向による影響 を受けやすい構造です。 (3) 地方全体と比較すると、次のような 特徴があります。 ・地方税の割合が高いこと ・地方交付税が交付されていないこと ・国庫支出金の割合が低いこと ・地方債の割合が低いこと 歳入構造の比較(平成 28 年度予算) % 100 9.7% 15.3% 80 10.3% 5.0% 5.4% 15.4% 60 19.5% 74.3% 40 その他 第3部 地方債 第2章 国庫支出金 地方交付税 20 政策企画局 45.1% 地方税 財 政 税 務 会計管理 0 東京都 地方全体 ◇都債には、世代間の負担の均衡を図るという重要な役割があります。 例えば道路や建物の建設など には一時期に多額の事業費がかかりますが、一方でその建設によって生じる便益は将来にわたって 及ぶことになります。そこで、まず都債により事業費を賄い、利用者である将来の住民の税で償還 していくのです。国は現在、財源不足を補うために「赤字国債」を発行していますが、都債とはそ の性格が全く異なっています。 ◇また、地方税の割合が高く、地方交付税の不交付団体である都にとって、都債に加え基金の積立て ・ 取崩しなどによる年度間調整機能の果たす役割が重要です。 ◇都債や基金を活用し、必要な財源を確保することにより、都民サービスを着実に実施しています。 都税収入の推移 兆円 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 (注)26年度までは決算額、27年度は最終補正後予算額、28年度は当初予算額です。 3.0 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 年度 69 4 歳出の内訳 第3部 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 (1) 都の予算の性質別内訳を見ると、職 員の給与関係費が約 4 分の 1 を占めて います。その大半は、警察 ・ 消防職員 や学校教員など、都民生活に直接関わっ ている職員の給与です。 (2) 扶助費や補助費等は、医療費の助成 や手当の支給、各種施設の運営費補助 などです。 (3) 投資的経費は、道路 ・ 橋などの社会 資本の整備や、校舎 ・ 社会福祉施設な どの施設整備のための経費です。 (4) そのほか、都債の償還のための経費 である公債費や、地方自治法などに基 づき特別区に交付するための特別区財 政調整会計繰出金等などがあります。 性質別内訳(平成 28 年度予算) その他 16.1% 給与関係費 22.5% 特別区財政 調整会計 性質別内訳 繰出金等 (平成28年度予算) 扶助費・ 20.8% 補助費等 18.8% 公債費 投資的経費 6.2% 15.6% 70 第 3 部 都政のしくみとしごと 平成 28 年度予算計数資料 ①会計別総括表 区 分 予 算 (単位:百万円) ②歳入款別内訳(一般会計) ③歳出款別内訳(一般会計) 額 区 分 額 区 予 算 分 予 算 額 一 般 会 計 7,011,000 都 税 5,208,282 議 会 費 6,209 特 別 会 計 4,453,922 地方譲与税 244,261 総 務 費 199,037 特 別 区 財 政 調 整 975,572 助成交付金 31 徴 税 費 70,486 地 方 消 費 税 清 算 1,871,806 地方特例交付金 4,700 生 活 文 化 費 28,517 小笠原諸島生活再建資金 374 特別交付金 3,253 スポーツ振興費 84,375 母子父子福祉貸付資金 4,520 分担金及負担金 14,901 都 市 整 備 費 155,939 心身障害者扶養年金 5,388 使用料及手数料 88,583 環 中小企業設備導入等資金 6,748 国庫支出金 林業・木材産業改善資金助成 52 財 産 収 入 沿岸漁業改善資金助成 48 寄 附 金 場 6,648 繰 入 都 営 住 宅 等 事 業 178,360 諸 収 都 営 住 宅 等 保 証 金 3,095 都 都 金 8,615 繰 地 53,885 合 費 臨海都市基盤整備事業 費 49,469 377,833 福 祉 保 健 費 1,126,674 40,631 産 業 労 働 費 476,056 78 土 木 費 586,038 金 229,590 港 湾 費 109,534 入 445,512 教 育 費 803,056 債 353,343 学 務 費 199,908 金 1 警 察 費 656,601 計 7,011,000 消 防 費 256,723 1,330,238 公 債 費 440,263 8,573 諸 金 1,757,106 計 2,191,073 予 費 5,000 院 192,722 合 計 7,011,000 場 203,021 都 市 再 開 発 事 業 144,482 臨 海 地 域 開 発 事 業 101,667 と 市 開 発 資 用 公 公 債 営 企 業 会 病 中 央 卸 売 市 港 湾 事 業 6,175 交 通 事 業 79,879 業 230,399 高 速 電 車 事 電 気 事 業 1,753 水 道 事 業 466,056 工 業 用 水 道 事 業 2,236 下 合 水 道 事 業 越 境 支 出 備 第3部 第2章 政策企画局 政 税 務 会計管理 762,683 計 13,655,995 財 (注)表及びグラフの数値は、原則として表示単位未満を四捨五入しています。 <財務局> 71 税 務 税金のはたらきと都民生活 都税の収入状況 第3部 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 租税教室の様子 耐震化促進税制を PR 72 不正軽油防止の取組(路上軽油抜取調査) 「オール東京ネット公売下見会 in 都庁」の実施 第 3 部 都政のしくみとしごと ができます。 都においては、法定外目的税として宿泊税 を課しています。宿泊税の税収は、国際都市 1 暮らしに生きる税金 私たちが生活していくためには、水の供 東京の魅力を高めるとともに、観光の振興を 給や、生活の安全を守る警察、消防、福祉、 図る施策に要する費用に充てられます。 公衆衛生、教育など、個人では処理しきれ ない多くの“社会共通の仕事”が必要です。 3 都税制度の特徴 国や地方自治体は、こうした“社会共通の 都においては、他の地方自治体とは税体 仕事”を処理し、私たちの暮らしを支えて 系が異なっています。 いますが、これにかかる経費の大半をまか 特別区の区域内においては、消防、上下 水道など、通常は市町村が行う事業である なっているのが「税金」です。 税金には、国が課す国税と、都道府県や ものの一部を都が行っていることもあっ 区市町村などの地方自治体が課す地方税と て、市町村税のうち、市町村民税(法人分)、 固定資産税 ・ 都市計画税、事業所税などの があります。 5 税目を都税として、都が課しています。 このうち、市町村民税(法人分)、固定 2 地方税の種類 地方自治体は、地方税法に定められてい 資産税及び特別土地保有税の一定割合は、 る税目のほか、独自に法定外税を課すこと 特別区財政調整交付金として特別区に配分 税金のはたらきと都民生活 都税と地方税体系 事 都 業 市 所 税 計 画 税 入 湯 税 水 利 地 益 税 共 同 施 設 税 宅 地 開 発 税 国民健康保険税 法 定 外 目 的 税 普通税 市町村税 特別区の区域内で 課税されるもの 市 町 村 民 税( 法 人 ) 固 定 資 産 税 特 別 土 地 保 有 税 (注 2) 市町村民税(個人) 軽 自 動 車 税 市町村たばこ税 鉱 産 税 法 定 外 普 通 税 目的税 地方税 都 税 狩 猟 税 水 利 地 益 税 法 定 外 目 的 税 (注 1) 普通税 道府県税 都の全域で 課税されるもの 都道府県民税(個人・法人・利子割・ 配 当 割・ 株 式 等 譲 渡 所 得 割 ) 事 業 税( 個 人 ・ 法 人 ) 地 方 消 費 税 不 動 産 取 得 税 都 道 府 県 た ば こ 税 ゴ ル フ 場 利 用 税 自 動 車 税 鉱 区 税 自 動 車 取 得 税 軽 油 引 取 税 固 定 資 産 税( 大 規 模 償 却 資 産 ) 法 定 外 普 通 税 目的税 (注 1)都は、法定外目的税として宿泊税を課税しています。 (注 2)特別土地保有税は、平成 15 年度以降、新たな課税を停止しています。 73 第3部 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 第 1 表 予算1万円のゆくえ(平成 28 年度一般会計予算) 使いみち 1,664 1,312 教育と文化振興のために 1,592 1,202 中小企業や農林水産業、勤労者のために 697 297 快適な都市環境のために 312 119 1,252 451 身体と財産の安全のために 937 797 火災・災害から守るために 366 272 都債の償還、利子の支払いに 628 586 2,079 2,072 特別区との財政調整などに 第2章 その他(都庁舎セキュリティの強化など) 合 計 政策企画局 財 政 税 務 (単位:円) うち都税の占める額 福祉と健康のために 道路・河川・港の整備やまちづくりを進めるために 第3部 一般会計予算額 473 321 10,000 7,429 (注)端数調整をしていないため、合計と一致しない場合がある。 会計管理 法人二税(法人都民税及び法人事業税)は、 企業収益など景気の動向を敏感に反映し、 税収が大きく変動することから、都税収入 全体の増減を左右する大きな要因となって います。 4 都税のゆくえ 平成 28 年度の一般会計予算額(当初) 次に、平成 26 年度の経済情勢と都税収 は 7 兆 110 億 円、 こ の う ち 都 税 が 5 兆 入について概説します。 2083 億円で 74.3%を占めています。第 1 表 平成 26 年度の我が国の経済は、消費税 は、予算総額を 1 万円に換算し、どういう 率引上げに伴う駆け込み需要の反動減や夏 事業に、 どのくらい使われているのか、 また、 の天候不順の影響に加え、輸入物価の上昇、 そのうち都税の占める額はいくらになるの さらには、消費税率引上げの影響を含めた 物価の上昇に家計の所得が追い付いていな かを表しています。 いことなどにより、個人消費等に弱さがみ られ、年度前半には実質経済成長率がマイ 都税の収入状況 ナスとなりました。年度後半以降は、雇用・ 都税は、都の行政施策を推進するために 所得環境が改善するなか、緊急経済対策等 の効果もあって、景気は緩やかな回復基調 必要な財源の根幹を成すものです。 都は、他の道府県に比べて歳入に占める が続きました。こうした状況を反映し、名 地方税(都税)の割合が非常に高く、平成 目経済成長率は、1.6%増となりました。 26 年度決算では、一般会計歳入総額 6 兆 このような経済情勢のもとで、平成 26 5466 億 9300 万円のうち、都税収入は 4 兆 年度の都税収入は、4 兆 7399 億 3900 万円 7399 億 3900 万円で、歳入総額の約 7 割を となり、前年度決算額 4 兆 4910 億 4900 万 円に対して、2488 億 9000 万円、率にして 占めています。 。 都税には、都民税(個人 ・ 法人 ・ 利子 5.5%の増収となりました(第 2 表) 割)、事業税(個人 ・ 法人)、繰入地方消費 その主な要因として、法人二税が、 1 兆 税、不動産取得税、都たばこ税、ゴルフ場 6442 億 4600 万円となり、前年度決算額 1 利用税、自動車取得税、軽油引取税、自動 兆 5230 億 1500 万 円 に 対 し、1212 億 3100 車税、固定資産税 ・ 都市計画税などがあり 万円、率にして 8.0%の増収となったこと ますが、それぞれ、所得や企業収益、消費 が挙げられます。これは、企業収益が堅調 等様々な経済情勢と密接な関係を持ってい に推移したことによるものです。 ます。中でも、都税全体の約 3 割を占める 法人二税以外の税については、3 兆 956 されます。 なお、多摩 ・ 島しょ地域においては、他 の道府県と同じ税体系となっています。 74 第 3 部 都政のしくみとしごと 億 9300 万 円 と な り、 前 年 度 決 算 額 2 兆 9680 億 3400 万円に対し、1276 億 5900 万円、 率にして 4.3%の増収となりました。これ は、繰入地方消費税が、地方消費税率引上 げ な ど に よ り 737 億 6400 万 円、21.1 % の 増収となったことなどによるものです。 都税収入は、平成 26 年度決算において、 3 年連続の増収となりました。しかし、都 税収入はそもそも景気の動向に左右されや すい不安定な構造にあります。その上、地 方法人課税における更なる不合理な見直し が断行され、都財政への影響は今後拡大す ることが見込まれるなど、先行きは予断を 許さない状況です。 今後も、社会経済情勢に的確に対応しな がら、都民の期待に応える施策を確実かつ 継続的に実施していくためには、財政基盤 の強化を図らなければなりません。そのた めにも、歳入の根幹を成す都税の重要性は 一段と高まっており、歳入面から都政を支 える主税局の役割はますます重大となって います。 <主税局> 第 2 表 都税収入決算額(平成 25・26 年度) 区 分 都 民 構成比 平成 25 年度 比較増(△)減 38.4 1,708,176 113,783 6.7 個 人 862,434 18.2 824,218 38,216 4.6 法 人 915,548 19.3 841,787 73,761 8.8 割 43,977 0.9 42,171 1,806 4.3 税 777,039 16.4 729,241 47,798 6.6 個 人 48,340 1.0 48,013 328 0.7 法 人 728,699 15.4 681,228 47,471 7.0 繰入地方消費税 422,696 8.9 348,932 73,764 21.1 不 動 産 取 得 税 76,631 1.6 73,711 2,920 4.0 都 た ば こ 税 18,134 0.4 20,088 △ 1,954 △ 9.7 ゴルフ場利用税 626 0.0 622 4 0.7 自 動 車 取 得 税 9,178 0.2 18,969 △ 9,791 △ 51.6 軽 油 引 取 税 41,166 0.9 41,962 △ 796 △ 1.9 税 106,787 2.3 108,651 △ 1,864 △ 1.7 税 2 0.0 2 0 0.3 固 定 資 産 税 1,144,671 24.1 1,125,382 19,289 1.7 特別土地保有税 7 0.0 19 △ 12 △ 64.5 狩 税 5 0.0 5 △0 △ 2.1 税 98,415 2.1 96,590 1,825 1.9 都 市 計 画 税 220,999 4.7 217,385 3,614 1.7 事 自 業 動 鉱 事 車 区 猟 業 宿 所 泊 1,624 0.0 1,315 309 23.5 - - 0 △0 皆減 自動車取得税 - - 0 △0 皆減 軽 油 引 取 税 - - - - - ) 4,739,939 100.0 4,491,049 248,890 5.5 参 考 税 旧 法 に よ る 税 税( 合 計 政策企画局 増(△)減率 1,821,959 子 第2章 (単位:百万円・%) 税 利 都 平成 26 年度 第3部 法 人 二 税 1,644,246 34.7 1,523,015 121,231 8.0 そ の 他 税 3,095,693 65.3 2,968,034 127,659 4.3 (注) 1.「-」は、皆無又は該当計数なし、「0」は、表示単位(百万円)未満に計数あり。 2. 表示単位未満を四捨五入しているため、合計と内訳が一致しない場合がある。 3. 構成比及び増減率は千円単位計算に基づく。 4. 自動車取得税及び軽油引取税は平成 21 年度より法定目的税から法定普通税に改められた。ただし、平成 21 年度以降も法定目的税として収納された額は旧法による税として扱った。 75 財 政 税 務 会計管理 会計管理 会計事務及び決算 公会計制度の改革 公金管理 第3部 官民連携事業の推進 第2章 政策企画局 財 政 税 務 用品制度 会計管理 公会計セミナー 2015「新公会計時代の幕開け」 76 第 3 部 都政のしくみとしごと 会計事務及び決算 1 出納機関 都の一般会計及び特別会計の事務事業に 必要な現金等の出納保管の事務について は、全て会計管理者が担任し、知事(命令 機関)との相互けん制に基づき、迅速かつ 正確に処理しています。 委員の審査に付した後、都議会の認定に付 します。その後、東京都公報を通じて、都 民に公表しています。 公会計制度の改革 都では、より効率的・効果的な行政運営 や都民への説明責任の一層の充実を目的と し、 平成 18 年度から従来の官庁会計に加え、 複式簿記・発生主義会計による新公会計制 2 収入 都税や各種手数料等の納付は、原則とし 度を導入し、我が国の行政機関として初の て、都が納入義務者に送付する納税通知書、 本格的な財務諸表を作成、公表しています。 また、民間の企業会計等を踏まえた会計 納入通知書に基づいて行われています。 通知を受けた納入義務者は、現金を添え、 基準の整備に向けた取組や、先行自治体と 都指定の公金取扱金融機関の窓口又は都の 連携し全国の自治体に対して本格的な複式 金銭出納員に納付します。このほか、口座 簿記・発生主義会計の普及活動等を行って 振替、ペイジー(ATM、パソコン、携帯 います。 電話等から公共料金等を納付できるサービ ス)、コンビニエンスストア、インターネッ 公金管理 トを通じたクレジットカードの利用等によ る納付方法もあります。 会計管理局では、歳計現金等、基金及び 準公営企業会計の資金について、安全性 3 支出 及び流動性を確保した上で、効率的な保 会計管理者(出納機関)は、知事(命令 管・運用を行うため、「東京都公金管理ポ 機関)の支出命令を受け、支出の根拠が法 リシー」を策定しています。また、このポ 令・予算等に違反していないこと等を審査 リシーに基づいて、毎年度「公金管理計画」 し、確認した上で支出しています。 を定め、日々安全かつ効率的な資金の保管・ 支払の方法は都指定の公金取扱金融機関 運用を実施しています。さらに、専門家の に預金口座を設けている債権者に対する口 意見を聞くため、資金管理・活用アドバイ 座振替払いが一般的です。このほか現金や ザリーボードを設置しています。 小切手による支払、官公署等に対する払込 みによる支払等も行っています。 官民連携事業の推進 4 検査・指導 官民連携ファンド等の手法を活用して、 民間と連携して投資の活性化を促進し、都 の施策の推進を図ります。 会計管理局は、各局・事業所における会 計事務及び物品管理の状況等を定期又は臨 時に検査するとともに、各局職員に対する 研修や指導を行って実務能力を向上させ、 用品制度 都の会計事務及び物品管理の適正性の確保 を図っています。 都では、各局・事業所が共通的に使用し、 比較的需要量の多い物品の中から「用品」 5 決算 を指定し、大量一括購入による経費節減、 決算は、一会計年度内の歳入歳出予算に 計画的で迅速な供給、さらに環境配慮に即 対する実際の収入・支出の状態を明らかに した購入に努めています。 した実績表です。会計管理者は決算を作成 <会計管理局> し、知事に提出します。知事はこれを監査 77 第3部 第2章 政策企画局 財 政 税 務 会計管理 78