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航 空 身 体 検 査 マ ニ ュ ア ル ( 新 旧 対 照 表 )

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航 空 身 体 検 査 マ ニ ュ ア ル ( 新 旧 対 照 表 )
航 空 身 体 検 査 マ ニ ュ ア ル
( 新 旧 対 照 表 )
改
正
平成19年3月2日制定(国空乗第531号)
航
国土交通省航空局長
航
空
身
体
検
査
マ
ニ
ュ
ア
空
身
体
現
検
査
行
マ
国空乗第1571号
備
ニ
ュ
ア
考
ル
平成13年9月27日
ル
Ⅰ.目的
Ⅰ.目的
このマニュアルは、航空機の安全な運航を確保する目的のた
このマニュアルは、航空機乗組員の心身の状況が航空法施行 * 航空機の安全運航を確保する目的
めに行われる航空身体検査証明において、航空機乗組員の心身 規則別表第四の「身体検査基準」に適合するかどうかの審査に
のため航空身体検査が実施される
の状態が航空法施行規則別表第四の「身体検査基準」に適合す 際し、その検査及び判定の方法の適正かつ統一的な運用を図る
ことの明記
るかどうかについて検査及び判定を行うにあたり、その検査及 ための指針である。
・文言の整理
び判定の方法の適正かつ統一的な運用を図るための指針であ
る。
Ⅱ.航空身体検査及び証明実施上の一般的な注意及び手続き
Ⅱ.航空身体検査及び証明実施上の一般的な注意及び手続き
1.航空身体検査証明の意義
1−1 航空機の安全な運航を確保するため、航空機に乗
り組んでその運航を行う者に対して、その業務を遂
行するために必要な心身の状態を保持しているかど
うか検査し、これを保持している者にのみ航空身体
検査証明を行う。航空身体検査証明を有していなけ
れば航空業務を行ってはならない。
1−2 航空業務を遂行するために必要な心身の状態を保
持しているかどうか、すなわち航空医学的な適性が
あるかどうか検査及び判定を行うために、身体検査
基準(航空法施行規則別表第四)及びこのマニュア
ルが定められている。
1−3 航空身体検査証明の有効期間は航空法第33条に
規定されているとおり、定期運送用操縦士の資格を
有する者は6月、その他の者は1年である。身体検
査は、これを行う時点における心身の状態について
* 航空身体検査証明の意義について
明記
①航空身体検査証明制度の意義
②身体検査基準及びマニュアルの
制定目的
③航空身体検査証明の有効期間中
における心身状態の変化時の効
力等
-1-
改
正
断面的な検査を行うものであり、航空身体検査証明
は、その有効期間中、航空業務に支障を生ずること
がないことを保証するものではない。航空法第71
条には、航空機乗組員は、身体検査基準に適合しな
くなったときは、航空身体検査証明の有効期間中で
あっても航空業務を行ってはならないと規定されて
いる。
1−4 航空医学的な適性と良好な健康状態は必ずしも同
義ではなく、健康であっても不適合と判定される場
合もあるし、逆に、完全な健康状態と言えないまで
も適合と判定されることもあり得る。航空医学的な
適性があるということは、以下の状態を意味する。
(1)航空業務を実施するために必要な心身の状態
を保持し、その状態が飛行のあらゆる状況下で
安全に飛行するために必要な水準以上である。
(2)その状態を航空身体検査証明書の有効期間中
引き続き維持していると予想される。
特に、飛行中の急性機能喪失(インキャパシテーシ
ョン)は航空の安全にとって重大な脅威であること
から、急性機能喪失を起こすリスクを排除すること
が重要である。
2.指定医の責務
2−1 指定航空身体検査医(以下「指定医」という。)
は、航空法第31条第1項に基づき航空身体検査証
明を行う権限を与えられている。
2−2 指定医は、航空法第31条第3項の規定に従い、
身体検査を行う場合において、身体検査基準を検査
結果に適用するときは、この航空身体検査マニュア
ルに従い厳正かつ慎重に行わなければならない。こ
の場合において、検査結果が身体検査基準に適合す
るか否か不分明なときは、航空身体検査証明を行っ
てはならない。
現
行
備
考
④航空医学的な適性の定義及び一
般の健康状態との関係
・指定医の権限に関する根拠条文に
ついて明記
1.
指定航空身体検査医(以下「指定医」という。)は、航
空法第31条第3項の規定に従い、身体検査を行う場合
において、身体検査基準を検査結果に適用するときは、
この航空身体検査マニュアルに従い厳正かつ慎重に行わ
なければならない。この場合において、検査結果が身体
検査基準に適合するか否か不分明なときは、航空身体検
査を行ってはならない。
-2-
改
正
指定医は、申請者が虚偽の申告やその他の不正な
手段により航空身体検査証明書の交付を受けようと
したと認める場合には、航空法施行規則第61条の
3第3項の規定に従って、遅滞なく、その旨を国土
交通大臣に報告しなければならない。
2−4 指定医が航空法第31条第3項の身体検査基準に
適合しない者について航空身体検査証明を行うと、
航空機の安全な運航に支障を及ぼすおそれがあるた
め、航空法第149条の2には、この場合の指定医
に対する罰則が設けられている。
現
行
2−3
3.身体検査の方法
3−1 指定医、又は航空身体検査指定機関において検査
に従事する医師(以下「検査医」という 。)は、申
請者が申告した既往歴、医薬品の使用等について問
診によりその事実を確認するよう努めなければなら
ない。この場合、指定医又は検査医は申請者の同意
を得たうえ、申請者の日常の健康管理を担当してい
る医師、家族等から必要に応じて所要の情報を入手
し、既往歴、医薬品の使用等を確実に把握するよう
努めなければならない。
3−2 指定医は、検査医及び検査の一部を依頼した他の
医療機関等に対し、航空身体検査証明制度について
十分に理解させるとともに、自己の責任の下に航空
身体検査証明を行わなければならない。
3−3 指定医は、申請者が常用している医薬品の使用に
より、航空機の正常な運航ができないおそれがある
と認められる場合は不適合とする。その医薬品の使
用により、航空機の正常な運航ができないおそれが
あるかどうか不明な場合は不適合とし、国土交通大
臣の判定を受けること。この場合、疾患の背景・医
薬品の使用に起因する効果等を詳述して申請するこ
と。
備
考
・申請者の虚偽申告等 に対する国土
交通大臣への指定医の報告義務に
ついて明記
・指定医に対する罰則規定について
明記
2. 指定医、又は航空身体検査指定機関において検査に従
事する医師(以下「検査医」という。)は、申請者が申告
した既往歴、医薬品の使用等について問診によりその事
実を確認するよう努めなければならない。この場合、指
定医又は検査医は申請者の同意を得たうえ、申請者の日
常の健康管理を担当している医師、家族等から必要に応
じて所要の情報を入手し、既往歴、医薬品の使用等を確
実に把握するよう努めなければならない。
3.
指定医は、検査医及び検査の一部を依頼した他の医療
機関等に対し、航空身体検査証明制度について十分に理
解させるとともに、自己の責任の下に航空身体検査証明
を行わなければならない。
4. 指定医は、申請者が常用している医薬品の使用により、
航空機の正常な運航ができないおそれがあると認められ
る場合は不適合とする。その医薬品の使用により、航空
機の正常な運航ができないおそれがあるかどうか不明な
場合は不適合とし、国土交通大臣の判定を受けること。
この場合、疾患の背景・医薬品の使用に起因する効果等
を詳述して申請すること。
-3-
改
正
申請者が一時的に医薬品を使用している場合にお
いて、身体検査結果に影響を及ぼしていると判断さ
れた時は、医薬品の使用が終了した後に受検させる
ものとする。
3−5 指定医又は検査医は、既往歴、問診及び検査を行
った結果及び所見、医薬品を使用している場合には
副作用の有無、その他判定の根拠となる事項を必ず
航空身体検査証明申請書の医師記入欄に記入するこ
と。
4.大臣判定申請
4−1 指定医は、航空身体検査の結果、不適合と判定し
た申請者に対し、航空法施行規則第61条の2第3
項による国土交通大臣の判定(以下「国土交通大臣
の判定」という。)を受けることができる旨を通知
すること。指定医は、申請者が国土交通大臣の判定
を受けようとするときは、航空身体検査証明申請書
の写しに必要な検査資料等を添付して、国土交通省
航空局技術部乗員課あて提出すること。
なお、必要な資料は、Ⅲ.航空身体検査項目等の
備考欄に示しているので参考にすること。
4−2 国土交通大臣の判定において、申請者が航空業務
を行うのに支障を生じるかどうか評価を行うため、
実機又は模擬飛行装置等を用いて操縦室における運
動機能等に関するチェック又は医学的飛行試験を要
求する場合がある。また、申請者が提出した検査資
料等に不足や疑義がある場合、その他評価のために
必要と認める場合には、他の医療機関で受けた検査
資料等の提出を要求する場合がある。
4−3 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、国
土交通大臣の判定において適合するとみなされた者
が新たに航空身体検査証明を申請する場合は、当該
者に対し、航空法施行規則別表第四の規定の一部に
適合しない原因となった傷病の症状の検査等を受け
3−4
現
行
5. 申請者が一時的に医薬品を使用している場合において、
身体検査結果に影響を及ぼしていると判断された時は、
医薬品の使用が終了した後に受検させるものとする。
備
考
6. 指定医は、既往歴、問診、検査を行った結果及び所見、 ・問診時等において、医薬品使用を
その他判定の根拠とした事項を必ず航空身体検査証明申
確認した時の医師記入欄 への記入
請書の医師記入欄に記入すること。
内容の明記
7.
指定医は、航空身体検査の結果、不適合と判定した者
に対し、航空法施行規則第61条の2第3項による国土
交通大臣の判定(以下「「国土交通大臣の判定」という。)
を受けることができる旨を申請者に伝えること。指定医
は、申請者が国土交通大臣の判定を受けるときは、判定
に必要な検査資料等を添付して提出すること。
なお、必要な資料は、Ⅲ.航空身体検査項目等の備考
欄に示しているので参考にすること。
* 大臣判定時における運動機能等に
関するチェック及び他の医療機関
における検査資料等 の要求事項に
ついて明記
* 改正規則第 61 条の2第3項の規
定を反映
-4-
改
正
るべきこと等を指示することができる。
4−4 国土交通大臣の判定を申請し、国土交通大臣が適
合するとみなす判定をした者(4−5の特別判定指
示を受けた者を含む。)のうち、病態又は身体的異
常が完治、欠損治癒又は固定し、航空業務に支障を
来すおそれのある状態に進行しないと認められるも
のは、国土交通大臣の指示(ケースクローズ指示)
に基づき、それ以降の身体検査においては、指定医
は当該事項について基準に適合すると判定してよい
。
4−5 国土交通大臣の判定を申請し、国土交通大臣が適
合するとみなす判定をした者のうち、所見が安定し
ているとして国土交通大臣が特に指示(特別判定指
示)するものは、それ以降の身体検査においては、
国土交通大臣が当該者及び指定医に対して別途通知
する事項に関して行った検査の結果に新たな変化が
認められなければ、当該指定医は当該事項について
基準に適合すると判定してよい。
現
行
備
考
* ケースクローズの取扱いについて
明記
(改正規則第 61 条の2第4項第1
号関係)
8. 国土交通大臣の判定を申請し、国土交通大臣が適合と *現行Ⅱ−8の明確化
するとみなす判定をした者のうち、特に指示する者の更 (改正規則第 61 条の2第4項第2
新時の身体検査においては、国土交通大臣が指定医に対
号関係)
して別途通知する事項に関して行った検査の結果に新た
な変化が認められなければ、指定医は当該事項について
基準に適合すると判定してよい。
5.個人情報の保護
5−1 指定医は、「個人情報の保護に関する法律」(平成
15年法律第57号)等に基づき、個人情報の適正
な取扱いを行うこと。
5−2 指定医は、法令に基づく場合等を除き、申請者本
人の同意を得ないで、航空身体検査証明以外の目的
で、身体検査で知り得た情報を取り扱ってはならな
い。
5−3 国土交通大臣は、「行政機関の保有する個人情報
の保護に関する法律(平成15年法律第58号)」
第8条に従って、法令に基づく場合を除き、航空身
体検査証明以外の目的のために個人情報を利用し、
又は提供しない。
* 航空身体検査証明における個人情
報の取扱いについて明記
①関連根拠規定
②指定医における本人の同意ない
場合の目的外使用 についての禁
止
③国における目的外使用 について
の禁止
-5-
改
正
6.その他
指定医は自らの航空身体検査証明を行ってはならない。
現
行
備
考
9. 指定医は自らの航空身体検査証明を行ってはならない。
Ⅲ.航空身体検査項目等
各検査項目における構成は、以下の統一的な考え方に基づい
ている。
* マニュアルの各検査項目 における
構成の説明を追加
1.身体検査基準:航空法施行規則別表第四の規定
2.不適合状態 :一般的・包括的な規定である「1.身
体検査基準」をできる限り具体的な疾
患、機能異常等の状態として記載。な
お、全ての不適合状態を規定すること
は困難であることから、規定されてい
ない状態であっても、「1.身体検査
基準」に照らして慎重に判断すること。
3.検査方法及び検査上の注意:
航空身体検査の方法、実施時期・間隔、
注意事項等
4.評価上の注意:問診、検査結果等の評価・判定を行う
に当たっての注意事項等
5.備考
:大臣判定申請に必要な検査資料等の大
臣判定申請をする際に参考となる情報
のほか、各種の参考情報
①身体検査基準
②不適合状態
③検査方法及び検査上の注意
④評価上の注意
⑤備考
-6-
改
正
1.一 般
1−1 全身状態−1
1.身体検査基準
頭部、顔面、頸部、躯幹又は四肢に航空業務に支
障を来すおそれのある奇形、変形又は機能障害がな
いこと。
現
行
備
考
1.一 般
1−1 全身状態−1
1.身体検査基準
頭部、顔面、頸部、? 幹又は四肢に航空業務に支 ・表現の見直し(他の基準との整合
障を来す変形、奇形又は機能障害がないこと。
性)
2.不適合状態
2−1 航空業務に支障を来す奇形、変形又は機能障
害
2.不適合状態
2−1 頭蓋骨の欠損又は著しい陥没
・不適合状態の表現を「奇形、変形
2−2 航空業務に支障を来すケロイド、瘢痕又は奇 又は機能障害」に統一
形
2−3 酸素マスク等航空装具の着用を妨げるもの
2−2
酸素マスク等航空装具の着用を妨げる奇形、
変形又は機能障害
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 術後及び外傷後については、7.運動器系も
参照し、機能障害の有無を評価すること。
3−2
側彎症又は後彎症については、航空業務に支
障を来すおそれがなく、呼吸機能低下がないと
認められた場合は適合とする。
3.検査方法及び検査上の注意
外傷後については機能の回復を確認するとともに、・術後及び外傷後の検査方法の見直
必要に応じてエックス線検査又はエックス線コンピ し
ューター断層撮影検査(以下「CT検査」という。)
等を実施すること。
・呼吸器の項より移動
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 何らかの奇形、変形又は機能障害を有する者
で、航空業務に支障を来すか否かの評価が困難
な場合は、国土交通大臣の判定を受けることが
必要である。この場合、臨床経過及び現在の可
動域、筋力等の運動機能についての評価等を付
して申請すること。
5.備
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
-7-
改
正
上記5−1の者のうち、身体所見に変化する
可能性がなく、航空業務に支障を来すおそれが
ないことが確認されたものは、国土交通大臣の
指示により、以後指定医で適合とすることを許
可される。
現
行
5−2
1−2 全身状態−2
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある過度の肥満が
ないこと。
2.不適合状態
航空業務に支障を来すおそれのある過度の肥満
備
考
・ケースクローズ指示について規定
1−2 全身状態−2
1.身体検査基準
著しい全身の衰弱又は航空業務に支障を来すおそ ・「著しい全身の衰弱」は、他の項目
れのある過度の肥満がないこと。
により規制される
2.不適合状態
2−1 著しい全身の衰弱
2−2 航空業務に支障を来すおそれのある過度の肥
満
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 衰弱については、消耗性疾患の有無を検討す
ること。
3−2 体容量指数(BMI)30を超える過度の肥 ・BMIが30を超えた場合の検査
満については、循環器、内分泌、糖代謝、脂質 を見直し、評価上の注意として4.
代謝及び呼吸機能等の障害の有無を検査するこ に規定
と。また、操縦室における操縦操作等の運動機
能についても検討を行うこと。
4.評価上の注意
肥満は、動脈硬化及び心血管系疾患の重要な危険
因子の一つであり、体容量指数(BMI)30を超
える高度の肥満の場合には、心血管系疾患に関する
他の危険因子の有無について検討し、乗務中の急性
機能喪失の危険性を勘案して判定すること。また、
操縦操作等に支障がないことも評価すること。なお、
BMIの算出は、次の式による。
4.評価上の注意
体容量指数(BMI)の算出は、次の式による。
体容量指数(BMI)=体重(㎏)/身長(m)2
なお、肥満であっても上記3−2の検査により異
常がないと認められる場合は、適合とする。
-8-
改
正
BMI=体重(㎏)/身長(m)2
5.備
考
5.備
1−3 腫 瘍
1.身体検査基準
悪性腫瘍若しくはその既往歴若しくは悪性腫瘍の
疑いがないこと又は航空業務に支障を来すおそれの
ある良性腫瘍がないこと。
2.不適合状態
2−1 悪性腫瘍又はその疑いがあるもの
2−2
2−3
2−4
現
悪性腫瘍の既往歴があるもの
悪性腫瘍に関わる治療中のもの
航空業務に支障を来すおそれのある良性腫瘍
行
備
考
考
1−3 腫 瘍
1.身体検査基準
悪性腫瘍又はその疑いがないこと。
* 悪性腫瘍の既往歴及び良性腫瘍に
係る基準を追加
2.不適合状態
2−1 悪性腫瘍
・不適合状態の見直し
2−2 全身的なリンパ節腫大等悪性腫瘍の疑いがあ
るもの
2−3 悪性腫瘍の治療歴(手術歴等)があるもの
3.検査方法及び検査上の注意
悪性腫瘍の既往歴又は疑いがあるものは、画像検
査、腫瘍マーカー等により十分に検討を行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
腫瘍の疑いがあるものは、腫瘍マーカー、超音波 ・表現の見直し
検査又はCT検査等により十分に検討を行うこと。
4.評価上の注意
良性腫瘍については、航空業務に支障を来すおそ
れがないと判断されたものについては適合とする。
4.評価上の注意
良性腫瘍については、航空業務に支障を来さない ・表現の見直し
と判断されたものについては適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者のうち、治療中又は
治療後で経過良好であり、当該臓器の機能及び
運動機能が航空業務に支障を来すおそれがない
と考えられる者が、国土交通大臣の判定を受け
ようとする場合は、臨床経過、治療内容の詳細
(手術を行った場合は、手術記録、癌取扱規約、
5.備
考
上記2.不適合状態の者であって、治療後、当該 ・大臣判定申請における提出資料等
臓器の機能回復が認められ、また、運動機能が航空 の見直し
業務に支障を来さない状態であると確認された者が
国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、手術
時所見、病理診断結果(癌取扱規約、TNM分類等
による病理診断結果を含む。)、手術後の諸検査結果
-9-
改
正
TNM分類等による病理診断結果、手術後の諸
検査結果を含む。)及び再発・転移の徴候を否
定する十分な経過観察の所見等(腫瘍マーカー、
画像検査等)を付して申請すること。術後の観
察期間については、各疾患の項を参照のこと。
5−2 上記5−1の者のうち、治療後十分な経過観
察期間を経て、再発及び転移の所見がないもの
は、国土交通大臣の指示により、以後指定医で
適合とすることを許可される。
1−4 感染症
1.身体検査基準
重大な感染症又はその疑いがないこと。
現
行
及び再発・転移の徴候を否定する十分な経過観察の
所見等を付して申請すること。
備
考
・ケースクローズ指示について規定
1−4 感染症
1.身体検査基準
重大な感染症又はその疑いがないこと。
2.不適合状態
2−1 後天性免疫不全症候群(AIDS)
2−2 ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)脳症
2−3 治療中のHIV感染症
2−4 活動性のある結核
2−5 その他航空業務に支障を来すおそれのある感
染症
2.不適合状態
2−1 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医 ・不適合状態の見直し及び AIDS/HIV
療に関する法律」(平成10年法律第114号) に係る規定の追加
で規定されている疾患のうち次の疾患
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マ
ールブルグ病、ラッサ熱、ペスト、コレラ、
細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス、ジフテ
リア、急性灰白髄炎、腸管出血性大腸菌感染
症、インフルエンザ、黄熱、回帰熱、狂犬病、
炭疽、ツツガムシ病、梅毒、破傷風、百日咳、麻
疹、マラリア、淋菌感染症
2−2 その他重大な感染症
3.検査方法及び検査上の注意
HIV感染について申告があった場合は、認知機
能に異常がなく、AIDSでないことを確認するこ
と。
3.検査方法及び検査上の注意
病歴、臨床症状及び臨床検査成績等により十分に ・検査方法の見直し
検討を行うこと。
- 10 -
改
正
4.評価上の注意
4−1 HIV感染症については、認知機能に異常が
なく、AIDSでないことが確認されれば適合
とする。ただし、治療中のものは不適合とする。
4−2 肝炎については、4.消化器系4−1消化器
疾患を参照のこと。
4−3 結核については、2.呼吸器系2−1呼吸器
疾患も参照し、呼吸機能にも注意すること。
4−4 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医
療に関する法律」で規定されている疾患につい
ては、これに従って対応すること。
5.備
考
2.不適合状態
2−1 甲状腺疾患で治療を必要とするもの
2−2 下垂体疾患、副腎疾患又は副甲状腺疾患
2−3
常時インスリン又は経口血糖降下薬を必要と
する糖尿病
痛風又は痛風発作のおそれがある高尿酸血症
臓器障害のおそれがある高脂血症
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
行
備
考
・HIV等に関する評価上の注意を
追加
・いわゆる感染症予防法に規定され
ている疾患の場合は、当該法律に従
う旨規定
5.備
1−5 内分泌及び代謝疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある内分泌疾患若
しくは代謝疾患又はこれらに基づく臓器障害若しく
は機能障害がないこと。
2−4
2−5
2−6
現
4.評価上の注意
考
1−5 内分泌及び代謝疾患
1.身体検査基準
重大な内分泌疾患又は代謝疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 甲状腺疾患で治療を必要とするもの
2−2 下垂体疾患、副腎疾患又は副甲状腺疾患
2−3 糖尿病
(1) 常時インスリン又は経口血糖降下剤を必要
とするもの
(2) 静脈血漿血糖値が、空腹時に126㎎/dl以
上、75gブドウ糖負荷後2時間値が200
㎎/dl以上又は随時血糖値が200㎎/dl以上
であるもの
2−4 痛風で治療を必要とするもの
2−5 その他重大な内分泌及び代謝疾患
- 11 -
*航空業務の観点からの基準に変更
*臓器障害等に係る基準を追加
・糖尿病の血糖値に関する規定を削
除
・痛風に関する規定の見直し
・高脂血症等の規定の追加
改
正
内分泌疾患の手術歴のあるもの
2−7
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 甲状腺疾患の既往歴があるか、又はその疑い
がある場合は、甲状腺機能検査を実施すること。
3−2
糖代謝異常が疑われる場合は、糖尿病の有無
について検討すること。
現
行
備
考
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 病歴、臨床症状及び臨床検査成績等により、 ・甲状腺疾患等の検査方法の明確化
内分泌疾患又は代謝疾患の疑いがある場合は、
必要に応じて専門医の診断により確認すること
。
3−2 糖尿病のうち食事及び運動療法のみでHbA1c
(ラテックス疑集比濁法)が平均8.0%未満
であり、網膜、神経系及び腎臓等主要臓器の合
併症がなければ適合としてよい。
3−3
その他の内分泌疾患又は代謝疾患が疑われる
場合には、血液検査、画像検査等を行い確認す
ること。
4.評価上の注意
4−1 甲状腺疾患でホルモン補充療法中の者で、薬
剤の用法用量が一定した後、少なくとも1ヶ月
間経過観察し、FT 3 、 FT4 が安定して推移し、か
つ、無症状のものは適合とする。
4−2 甲状腺機能亢進症で、アイソトープ治療後、
内服治療がなく、FT3 、 FT 4 が少なくとも1ヶ月
間安定して経過し、かつ、無症状のものは適合
とする。
4.評価上の注意
4−1 甲状腺疾患
* 最新の医学的知見の観点から評価
(1) 甲状腺疾患の既往歴又はその疑いがある場 上の注意を変更
合は、甲状腺機能検査を実施すること。
・甲状腺疾患ホルモン補充療法につ
いて指定医で適合判定可
(2) 甲状腺機能亢進症の治療歴がある場合は、 ・甲状腺機能亢進症アイソトープ治
合併症及び甲状腺機能に十分注意すること。 療後について指定医で適合判定可と
する
(3)
4−3
糖吸収阻害薬の投与については、投与開始後、
少なくとも1ヶ月以上の観察期間を経て、血糖
が適切にコントロールされており、薬剤の副作
用がない場合には適合とする。この際、食後血
糖についても検討し、低血糖及び高血糖の可能
性について十分勘案することが必要である。
甲状腺の腫瘍の治療歴がある場合は、1. ・4−7に移動
一般1−3腫瘍に準ずること。
4−2 空腹時の静脈血漿血糖値が110㎎/dl以上1 ・糖吸収阻害薬について指定医で適
26㎎/dl未満であって糖尿病の疑いがあるとき 合判定可とする
は、75gブドウ糖負荷試験を実施し、2時間値
が200㎎/dl未満であることを確認すること。
- 12 -
改
正
糖尿病による細小血管障害の発症進展抑制の
ためには、HbA1c6.5%未満が目標とされている
(日本糖尿病学会2004)。この値を参考として
血糖をコントロールすることが推奨される。
4−5 痛風及び痛風発作のおそれがある高尿酸血症
の者のうち、尿酸排泄薬、尿酸生成阻害薬、酸
性尿改善薬を使用して、使用開始後十分な経過
観察期間を経て、症状及び使用医薬品の副作用
がなく、画像検査により尿路結石がないことが
確認され、血清尿酸値が安定していることが確
認されれば適合とする。
4−6 高脂血症の治療のために、スタチン、プロブ
コール、フィブラート系薬、ニコチン酸系薬、
エイコサペント酸エチル(EPA)、植物ステロー
ルを使用する場合には、使用開始後、十分な経
過観察期間を経て、血清脂質値が安定し、かつ、
使用医薬品の副作用が認められず、高度の動脈
硬化所見がないことが安静時心電図、眼底所見、
頸部血管雑音等により確認されれば適合とす
る。インスリン感受性改善薬等、血糖に影響を
与える可能性のある薬剤を使用する場合は不適
合とする。
4−7 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
現
4−4
5.備 考
5−1 経口血糖降下薬、インスリン感受性改善薬等
、糖吸収阻害薬以外の薬剤を必要とする糖尿病
で、血糖が適切にコントロールされている者が
国土交通大臣の判定を受けようとする場合には
、血糖及びHbA1cの推移を含む検査結果、合併
症の有無、治療内容を含む臨床経過の詳細等を
付して申請すること。
行
備
考
・血糖コントロールの指標を追加
4−3
無症候性高尿酸血症の治療のために尿酸排泄 ・痛風の治療中の者も指定医で適合
剤又は尿酸生成阻害剤を使用している場合は、 判定可とする
血清尿酸値が正常値範囲内に安定し、かつ、使
用薬品の副作用が認められないときには、適合
とする。
・一定の高脂血症の治療薬について
指定医で適合判定可とする(インス
リン感受性改善薬等、血糖に影響を
与えるものは指定医では不適合)
5.備
考
・糖吸収阻害薬以外の薬剤を必要と
する糖尿病について大臣判定申請に
係る規定を追加
- 13 -
改
正
高脂血症に対して血糖に影響を与える可能性
のある薬剤を使用しており、血糖が適切にコン
トロールされている者が国土交通大臣の判定を
受けようとする場合には、血糖及びHbA1cの推
移を含む検査結果、合併症の有無、治療内容を
含む臨床経過の詳細等を付して申請すること。
5−3 上記2.不適合状態の者で、下垂体疾患、副
腎疾患又は副甲状腺疾患等の内分泌及び代謝疾
患の手術歴のある者(内分泌機能が正常となり、
治療を必要としなくなった者)が、国土交通大
臣の判定を受けようとする場合には、手術記録、
手術後の内分泌検査結果及び現症や治療内容を
含む臨床経過等を付して申請すること。
現
行
備
考
・血糖に影響を与える薬剤を使用し
ている高脂血症について大臣判定申
請に係る規定を追加
5−2
5−1 下垂体疾患、副腎疾患又は副甲状腺疾患の手
術歴のある者であって内分泌機能が正常となり、
治療を必要としない者が国土交通大臣の判定を
受けようとする場合は、手術時所見、手術後の
内分泌検査結果及び十分な経過観察の所見等を
付して申請すること。
5−2
5−4
上記5−1から5−3の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
1−6 リウマチ性疾患、膠原病又は免疫不全症
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのあるリウマチ性疾
患、膠原病又は免疫不全症がないこと。
高脂血症のために内服治療中の者が国土交通 ・削除(4−7及び5−2に包含)
大臣の判定を受けようとする場合は、血清脂質
検査結果並びに使用医薬品名、用量及び副作用
等の成績を付して申請すること。
5−3 痛風発作の既往歴を有する者であって治療に ・削除(4−5に包含)
より血清尿酸値が正常範囲内に安定していると
認められるものが国土交通大臣の判定を受けよ
うとする場合は、尿路結石の有無、腎機能検査
結果並びに使用医薬品名、用量及び副作用等の
所見を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
1−6 リウマチ性疾患、膠原病又は免疫不全症
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのあるリウマチ性疾
患、膠原病又は免疫不全症がないこと。
- 14 -
改
正
2.不適合状態
2−1 リウマチ及びリウマチ類縁疾患
2−2
膠原病及び膠原病類縁疾患
2−3
先天性又は後天性免疫不全症
現
行
2.不適合状態
2−1 リウマチ及びリウマチ類縁疾患
(1) 慢性関節リウマチ
(2) その他のリウマチ性疾患
2−2 膠原病及び膠原病類縁疾患
(1) 全身性エリテマトーデス
(2) シェグレン症候群
(3) 全身性硬化症(強皮症)
(4) 多発性筋炎・皮膚筋炎
(5) ベーチェット病
(6) その他の膠原病類縁疾患
2−3 免疫不全を伴う疾患
3.検査方法及び検査上の注意
上記疾患が疑われた場合には慎重に判断し、その
活動性、併発疾患の有無等を確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
上記疾患が疑われた場合は慎重に判断し、その活
動性を確認すること。
4.評価上の注意
4−1 上記2−1、2−2又は先天性免疫不全症に
ついて、検査結果等を総合的に判断し、その活
動性が認められない場合で、航空業務に支障を
来すおそれがないと判断される場合は適合とす
る。
4−2 後天性免疫不全症候群(AIDS)及びHI
V感染症については、1.一般1−4感染症を
参照のこと。
4.評価上の注意
検査結果等を総合的に判断し、その活動性の認め
られない場合で、航空業務に支障を来さないと判断
される場合は適合とする。
5.備 考
5−1 上記2−1、2−2又は先天性免疫不全症の
者で、一定の治療で活動性がなく航空業務に支
障を来すおそれのある運動器障害のない者が国
土交通大臣の判定を受けようとする場合は、治
療内容を含む臨床経過、各種検査結果、活動性
5.備
備
考
・個々の疾患名を削除(疾患の定義
や概念は変化する)
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
- 15 -
改
正
の有無についての検討や併発疾患の有無につい
ての記録等を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
1−7 アレルギー疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのあるアレルギー性
疾患がないこと。
現
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
1−7 アレルギー疾患
1.身体検査基準
重大なアレルギー性疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 高度の鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎
2−2 アレルギー性結膜炎又はアレルギー性眼瞼炎
2−3 アレルギー性皮膚疾患
2.不適合状態
2−1 アレルギー性鼻炎
2−2 アレルギー性結膜炎又はアレルギー性眼瞼炎
2−3 アレルギー性皮膚疾患
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 気管支喘息については、2.呼吸器系2−1
呼吸器疾患を参照のこと。
3−2 病歴及び問診等により2.不適合状態が疑わ
れる場合には、慎重に検討を行い、必要に応じ
て耳鼻咽喉科医、眼科医又は皮膚科医の診断に
より確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4−1 上記2.の不適合状態については、掻痒、流
涙又は鼻汁等の症状が軽微であり、航空業務に
支障を来すおそれのない場合は、適合とする。
4−2 アレルギー性の諸症状が外用薬(点鼻、点眼、
軟膏、クリーム又はエアゾール等)又は減感作
療法により抑制されている場合は、適合とする。
4.評価上の注意
4−1 上記2.の不適合状態については、掻 痒、流
涙又は鼻汁等の症状が軽微であり、航空業務に
支障を来すおそれのない場合は、適合とする。
4−2 アレルギー性の諸症状が外用剤(点鼻、点眼、
軟膏又はエアゾール等)又は減感作療法により
抑制されている場合は、適合とする。ただし、
3−1 病歴及び問診等により慎重に診察すること。
3−2 必要に応じて専門医の診断により確認するこ
と。
- 16 -
・航空業務の観点からの基準に変更
・アレルギー性鼻炎について明確化
改
正
内服薬を使用する場合は、鎮静作用のない抗ヒ
スタミン薬(第二世代の抗ヒスタミン薬に限
る。)又は抗アレルギー薬で、過去の使用経験
により、眠気・集中力低下等の副作用がないこ
とが指定医又は航空医学に精通している航空会
社の産業医により確認されれば適合とする。た
だし、内服薬を服用後少なくとも通常投与間隔
の2倍の時間は航空業務に従事してはならな
い。
5.備
考
現
行
内服液を必要とする場合は、不適合とする。
5.備
備
考
・一定の内服薬の使用を適合とする
考
1−8 睡眠障害
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある眠気の原因と
なる睡眠障害がないこと。
*睡眠障害に係る項目を新規設定
2.不適合状態
2−1 睡眠時無呼吸・低呼吸症候群
2−2 その他航空業務に支障を来す睡眠障害
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 問診において、特に周囲からのいびき及び睡
眠中の呼吸停止の指摘の有無、日中の過度の眠
気の有無を確認すること。問診上、睡眠障害が
疑われる場合は、さらにエポワス眠気尺度(E
SS)等の検査を実施し、総合的に判断を行う
こと。その結果、睡眠時無呼吸症候群を疑う場
合は、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行
い、必要時には覚醒維持検査(MWT)を実施
して十分な検討を行うこと。
3−2 睡眠障害については、基礎疾患(耳鼻咽喉科、
呼吸器科、歯科領域等)の有無についても十分
- 17 -
改
正
な検討を行うこと。
3−3 PSG検査は、以下の項目について検討を行
うこと。
・呼吸モニター(鼻・口気流、胸部及び腹部
の換気運動)
・酸素飽和度(SpO2)
・睡眠・覚醒・睡眠深度(脳波、眼球運動、
頤筋電図)
・心電図検査
3−4 MWTは20分法で、2時間以上間隔をあけ
て1日4回行い、覚醒を維持できた時間を測定
すること。
現
4.評価上の注意
4−1 上記2−1について、PSGの結果、無呼吸
低呼吸指数(AHI)≧15であった場合は不適合と
する。
4−2 PSGの結果、5≦AHI<15であった場合、E
SSを含む問診を十分に確認し、日中の過度の
眠気等がなく航空業務に支障を来すおそれがな
いと認めた場合は適合とする。
4−3 睡眠障害に対して睡眠導入薬を使用する場合
、酒石酸ゾルピデム及びゾピクロンについては、
常習性及び依存性のないこと並びに事前に試用
して服用48時間後には眠気・集中力低下がな
いことを指定医又は航空医学に精通している航
空会社の産業医が確認した場合は、その使用を
適合とする。ただし、服用後48時間以内は航
空業務を行ってはならない。また、上記二つの
薬剤以外の使用は不適合である(メラトニンを
含む。)。
- 18 -
行
備
考
改
正
睡眠障害に対してアルコールを使用すること
は避けるべきである。そのような習慣がある場
合には、アルコール依存の有無について注意深
く問診すること。
現
4−4
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者で、治療により改善
し、航空業務に支障を来すおそれがないと判断
された者が国土交通大臣の判定を受けようとす
る場合は、問診内容及び治療内容を含む臨床経
過並びに治療前後のPSG検査結果及びMWT
結果を付して申請すること。なお、マウスピー
ス又はn−CPAPを使用している場合には、コン
プライアンスについても記載すること。また、
PSG及びMWTの方法については、3.検査
方法及び検査上の注意を参照のこと。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な経過観察期間
を経て経過良好であって、病態等が進行しない
と認められるものについては、国土交通大臣の
指示により、以後指定医で適合とすることを許
可される。
- 19 -
行
備
考
改
正
2.呼吸器系
2−1 呼吸器疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある呼吸器疾患又
は胸膜・縦隔疾患がないこと。
現
行
備
考
2.呼吸器系
2−1 呼吸器疾患
*2−2呼吸機能低下と統合
1.身体検査基準
(1) 活動性の呼吸器系疾患がないこと。
・航空業務の観点からの基準に整理
(2) 胸膜又は縦隔に重大な疾患がないこと。
統合
(3) 病巣の安定を確認できない肺結核後遺症がない
こと。
2.不適合状態
2−1 気管支喘息
2−2 慢性閉塞性肺疾患
2−3 慢性拘束性肺疾患
2−4 サルコイドーシス
2−5 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
2−6 活動性のある肺結核症
2.不適合状態
2−1 胸郭の奇形若しくは変形又は胸壁若しくは胸 ・不適合状態の見直し(2−2呼吸
部内臓の疾患で、航空業務に支障があるもの
機能低下と統合)
2−2 胸膜炎
2−3 気管支喘息
2−4 肺結核症
2−5 サルコイドーシス
2−6 肺又は胸膜の悪性腫瘍
2−7 胸部エックス線写真に次の所見又は疑いがあ
るもの
(1) 浸潤性陰影、散布性陰影、腫瘤状陰影、又
は空洞
(2) 胸膜の著しい肥厚又は癒着
(3) 縦隔腫瘍
(4) 高度の側彎症又は後彎症
(5) その他航空業務により、症状が悪化するお
それがあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 胸部エックス線検査は、初回の航空身体検査
時に実施すること。その後は問診・診察上必要
と判断した場合に実施し、十分検討を行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 胸部エックス線検査は、初回の航空身体検査 * 胸部エックス線検査は初回及び必
時に実施し、その後は前回の検査から1年以内 要時とする
の間隔で実施すること。
3−2 胸部エックス線写真だけでは診断が困難な場
合には、胸部CT検査等を実施すること。
3−3 肺門部所見については、慎重に判断すること。
- 20 -
改
正
問診・診察上必要と判断した場合には、呼吸
機能検査を行うこと。呼吸機能検査は、簡易ス
パイロメーターでよい。
3−3 気管支喘息の既往歴がある場合は、問診の際
に最近の発作の有無等に十分注意すること。
3−2
4.評価上の注意
4−1 呼吸機能検査の結果、次の(1)又は(2)
の場合は不適合とする。
(1)%肺活量が80%以下のもの
(2)1秒率(FEV1.0%)が70%以下のもの
4−2
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−3 感染症については、1.一般1−4感染症を
参照のこと。
3−4
現
行
必要に応じて呼吸機能検査を実施すること。
備
考
4.評価上の注意
・2−2呼吸機能低下より移動
4−1 胸膜炎については、臨床的に治癒したと認め
られる場合には、適合とする。
4−2 肺結核症については、石灰化巣又は瘢痕形成
などにより治癒したと認められる場合は、適合
とする。
4−3 肺の腫瘍の治療歴がある場合は、1.一般1
−3腫瘍に準ずること。
・感染症の参照規定
4−4
胸部エックス線写真により、散布性陰影、腫
瘤状陰影又は空洞が認められる場合であっても
、医学上治療の必要がなく、かつ良性であると
確定診断されたときは、適合とする。
4−5 縦隔腫瘍の手術後病理組織学上良性と診断さ ・1−3腫瘍に包含
れ、かつ、免疫学的異常がなく、手術から3ヶ
月を経過した後、呼吸機能を含め経過良好な場
合は、適合とする。
4−6 高度の側彎症又は後彎症については、呼吸機 ・1−1全身状態−1に移動
能低下がなく、航空業務に支障を来すおそれが
ないと認められる場合は、適合とする。
- 21 -
改
正
5.備 考
5−1 気管支喘息でコントロール良好な者が、国土
交通大臣の判定を受けようとする場合は、治療
内容や発作の頻度を含む臨床経過、ピークフロ
ー等の検査結果を付して申請すること。
5−2 サルコイドーシスの診断を受けた者であって
自覚症状がなく、かつ、治療を必要としないも
のが、国土交通大臣の判定を受けようとする場
合は、臨床経過、血清カルシウム濃度、呼吸機
能検査、6 7Gaシンチグラム検査を含む画像所見、
心サルコイドーシスの評価、眼科的所見等の検
査結果を付して申請すること。
5−3 上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
現
5.備
行
備
考
考
・気管支喘息について大臣判定申請
に係る規定を追加
サルコイドーシスの診断を受けた者であって自覚 ・サルコイドーシスについて大臣判
症状がなく、かつ、治療を必要としないものが国土 定申請時の提出資料の見直し
交通大臣の判定を受けようとする場合は、CT検査、
肺機能検査、6 7Gaシンチグラム検査及び眼科的所見等
の検査結果を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
2−2 呼吸機能低下
・2−1呼吸器疾患に統合
1.身体検査基準
呼吸機能低下を来す呼吸器系の重大な疾患がない
こと。
2.不適合状態
慢性気管支炎、肺気腫、気管支拡張症、慢性閉塞
性肺疾患、間質性肺炎又は肺線維症等で呼吸機能に
障害があるもの。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 病歴、診断時所見等から必要に応じて呼吸機
能検査を実施すること。
3−2 上記呼吸機能検査はスパイロメーターによる
こと。
- 22 -
改
正
現
行
4.評価上の注意
4−1 慢性閉塞性肺疾患は、航空業務により低酸素
症をおこす危険があるので、慎重に診断するこ
と。
4−2 呼吸機能検査の結果、次の場合は不適合とす
る。
(1) %肺活量が80%以下のもの
(2) 1秒率(FEV1.0 %)が70%以下のもの
5.備
備
考
考
2−2 気胸
1.身体検査基準
自然気胸又はその既往歴がないこと。
2−3 気胸
1.身体検査基準
自然気胸又はその既往歴がないこと。
2.不適合状態
自然気胸又はその既往歴のあるもの
2.不適合状態
自然気胸又はその既往歴のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
自然気胸の既往歴がある場合、開胸手術後2ヶ月、
内視鏡下手術後1ヶ月を経過した後、呼吸機能検査
の結果が基準を満たし、航空業務に支障を来すおそ
れがないと認められた場合は適合とする。なお、呼
吸機能検査の基準については、2.呼吸器系2−1
呼吸器疾患を参照のこと。
4.評価上の注意
自然気胸の既往歴がある場合、手術後2ヶ月を経 ・内視鏡下手術後の観察期間等を明
過した後、呼吸機能検査の結果に異常がなく、航空 記
業務に支障を来すおそれがないと認められた場合は
適合とする。
5.備 考
5−1 自然気胸の既往歴がある者であって、手術を
受けていない者が、国土交通大臣の判定を受け
ようとする場合は、現症を含む臨床経過、胸部
エックス線写真及び胸部CT(肺尖から2㎝に
5.備
考
自然気胸の既往歴がある者であって、手術を受け ・自然気胸について大臣判定申請時
ていない者が、国土交通大臣の判定を受けようとす の提出資料の見直し
る場合は、胸部エックス線写真及びCT写真(肺尖
から2㎝については5㎜間隔)等を付して申請する
- 23 -
改
正
ついては5㎜間隔)等の画像所見を付して申請
すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
2−3 胸部手術
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある胸部の手術に
よる後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 開胸手術後2ヶ月を経過しないもの
2−2 内視鏡下手術後1ヶ月を経過しないもの
2−3 手術後、心肺機能に障害のあるもの又は心肺
機能が航空業務により悪化するおそれのあるも
の
現
行
考
・ケースクローズ指示について規定
2−4 胸部手術
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある胸部の手術に
よる後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 手術後2ヶ月を経過しないもの
・内視鏡下手術後の観察期間を明記
2−2 手術後、心肺機能に障害のあるもの又は航空
業務により悪化するおそれのあるもの
2−3 その他航空業務に支障を来すおそれのある後
遺症があるもの
3.検査方法及び検査上の注意
胸部の手術歴がある場合は、原疾患について十分
に問診を行い、必要に応じて手術時所見や病理診断
書を参考にすること。
3.検査方法及び検査上の注意
胸部の手術歴がある場合は、原疾患について十分
に問診を行い、必要に応じて手術時所見や病理診断
書を参考にすること。
4.評価上の注意
手術後の心機能及び呼吸機能を心臓超音波検査、
呼吸機能検査等により確認すること。
4.評価上の注意
手術後の心機能及び呼吸機能検査成績を確認する
こと。
5.備
5.備
考
備
こと。
考
- 24 -
改
正
3.循環器系及び脈管系
3−1 血圧異常
1.身体検査基準
収縮期血圧が160㎜Hg未満、拡張期血圧が95
㎜Hg未満であり、かつ、自覚症状を伴う起立性低血
圧がないこと。
現
行
3.循環器系
3−1 血圧異常
1.身体検査基準
収縮期血圧が160㎜Hg未満、拡張期血圧が95
㎜Hg未満であり、かつ、自覚症状を伴う起立性低血
圧がないこと。
2.不適合状態
2−1 高血圧
2−2 自覚症状を伴う起立性低血圧
2.不適合状態
2−1 高血圧
2−2 自覚症状を伴う起立性低血圧
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 血圧値が基準値を超える場合には、必要に応
じ繰り返して測定してもよいが、慎重に判断す
ること。
3−2 降圧薬の使用の有無を問診により確認すると
ともに、服用中の場合はその副作用について十
分な検討をすること。
3−3 自覚症状を伴う起立性低血圧の疑いがある場
合は起立耐性検査を実施するものとし、十分な
安静臥位から起立し、2分後に立位の血圧を測
定すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 血圧値が基準値を超える場合には、必要に応
じ繰り返して測定してもよいが、慎重に判断す
ること。
3−2 降圧薬の使用の有無を問診により確認すると
ともにその副作用について十分な検討をするこ
と。
3−3 自覚症状を伴う起立性低血圧の疑いがある場
合は起立耐性検査を実施するものとし、十分な
安静臥位から起立し、2分後に立位の血圧を測
定すること。
4.評価上の注意
4−1 血圧値について、検査当日中に基準値内の血
圧が得られない時は、1週間以内に再度測定し、
基準値内にあることを確認すること。この場合、
身体的所見等を総合的に評価し、異常のないこ
とを確認すれば、適合とする。
4−2 いわゆる白衣高血圧(普段は高血圧ではない
が診察室において高血圧となる現象)の可能性
がある場合は、24時間血圧計を使用し、平均
135/80mmHg未満であり、かつ、早朝及び
4.評価上の注意
備
考
・血圧測定に係る注意を追加
・白衣高血圧に係る注意を追加
- 25 -
改
正
夜間高血圧が否定されれば適合とする。
4−3 次に掲げる降圧薬を使用する場合であって、
降圧薬の使用により血圧値が基準値を超えず、
かつ、一定用量が維持されてから1ヶ月間を経
過した後使用降圧薬による副作用が認められな
いときは、適合とする。
(1)降圧利尿薬
(2)カルシウム拮抗薬
(3)β-遮断薬
(4)ACE阻害薬
(5)AⅡ受容体拮抗薬
4−4 降圧薬の減量の際は、少なくとも1ヶ月間は
症状の有無、血圧測定等の経過観察を行い、安
定した血圧値が得られていることを確認するこ
と。
4−5 逆白衣高血圧(診察時は血圧値が正常範囲内
であるが、自由行動下で血圧高値となるもの)
の可能性についても十分に注意すること。
4−6 治療を必要とすると判断される高血圧の場合
は、治療について説明を十分に行い、血圧管理
がなされた後航空業務に従事することが望まし
い。
5.備 考
5−1 上記4−3に示した降圧薬以外の降圧薬を使
用している者であって経過良好な者が、国土交
通大臣の判定を受けようとする場合は、治療内
容を含む臨床経過及び血液生化学検査結果、安
静時心電図、心臓超音波検査及び眼底所見等の
所見を付して申請すること。
現
行
備
考
次に掲げる降圧薬を使用する場合であって、3種 *降圧薬3種類の限定を削除
類までの降圧薬の使用により血圧値が基準値を超え
ず、かつ、一定用量が維持されてから1ヶ月間を経
過した後使用降圧薬による副作用が認められないと
きは、適合とする。
(1)降圧利尿薬
(2)カルシウム拮抗薬
(3)β-遮断薬
(4)ACE阻害薬
(5)AⅡ受容体拮抗薬
・降圧薬減量時の注意事項を追加
・逆白衣高血圧に係る注意を追加
・要治療の場合の注意事項を追加
5.備
考
上記4.に示した降圧薬以外の降圧薬を使用して ・降圧薬使用に係る大臣判定申請の
いる者、又は上に掲げる降圧薬を4種類以上使用し 見直し
ている者であって、一定用量使用により血圧値が基
準値を超えず、かつ、使用降圧薬による副作用が認
められない者が、国土交通大臣の判定を受けようと
する場合は、使用降圧薬の名称及び用量並びに臨床
経過(血液生化学検査結果、心電図、心臓の超音波
検査及び眼底所見等)の所見を付して申請すること。
- 26 -
改
正
上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
現
5−2
3−2 心筋障害
1.身体検査基準
心筋障害又はその徴候がないこと。
2.不適合状態
2−1
心筋症又はその疑いのあるもの
2−2
心筋炎又はその既往歴のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
安静時心電図検査は、初回の航空身体検査時及び
30歳に達した後の最初の航空身体検査時に実施し
、その後40歳に達するまでの間は、前回の検査か
ら2年に1回の間隔で実施し、40歳に達した後は、
前回の検査から1年に1回の間隔で実施すること。
また、問診等により必要を認めた場合は、心電図検
査を行い十分に検討すること。
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
3−2 心筋障害
1.身体検査基準
心筋障害若しくは冠動脈障害又はこれらの徴候が *冠動脈疾患を3−3として分離(心
ないこと。
筋障害とは別の概念)
2.不適合状態
2−1 心筋障害若しくは明らかな心筋梗塞若しくは ・冠動脈疾患に係る不適合状態を分
狭心症又はこれらの既往歴
離
2−2 無症候性心筋虚血
2−3 心筋症
2−4 冠動脈障害により経皮経管冠動脈形成術(以
下「PTCA」という。)、冠動脈バイパス移植
術(以下「CABG」という。)等の治療歴があ
るもの
・心筋炎を追加
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 安静時心電図検査は、最初の航空身体検査時 ・必要な場合に安静時心電図検査を
及び30歳に達した後の最初の航空身体検査時 行う旨追加
に実施し、その後40歳に達するまでの間は、
前回の検査から2年以内の間隔で実施し、40
歳に達した後は、前回の検査から1年以内の間
隔で実施すること。
3−2
安静時心電図には異常が認められないが、上 ・3−3冠動脈疾患に移動
記不適合状態等を疑わせる臨床所見がある場合
には、必要に応じ安全性を考慮した上で、運動
- 27 -
改
正
4.評価上の注意
4−1 心筋障害は航空の安全を脅かす疾患であるた
め、心電図の判読に当たっては、必要に応じて
専門医の診断により確認すること。
4−2 血液検査等で治癒が確認された心筋炎につい
て、心臓超音波検査等で心機能に異常がない場
合は、適合とする。
現
行
備
考
負荷心電図検査を実施すること。
3−3 運動負荷方法は、エルゴメーター法、トレッ ・3−3冠動脈疾患に移動
ドミル法等によるが、負荷の際は心拍数が年齢
相当最大心拍数の80%以上になること。
年齢相当最大心拍数=(220−年齢)回/分
3−4 心筋障害又は冠動脈障害の疑いがある場合は ・削除
、心臓の超音波検査又はタリウム負荷心筋シン
チグラム(2 0 1 Tl-scan)等により十分な検討を
行うこと。
3−5 必要な場合には、臨床症状のほか最近のウィ ・削除
ルス性疾患についての血清学的検討を行うこと
。
4.評価上の注意
4−1 心筋障害又は冠動脈障害は航空の安全を脅か
す疾患であるため、心電図の判読に当たっては、
必要に応じて専門医の診断により確認すること。
・心筋炎に係る評価上の注意を追加
4−2 冠動脈障害又はその疑いにより医薬品を使用 ・削除
している場合は、不適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者で経過良好な者が、
国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、
臨床経過及び安静時心電図検査、心臓超音波検
査(ドップラー法 )、核医学検査等の結果を付
して申請すること。
5.備 考
5−1 安静時若しくは運動負荷時の心電図に心筋障 ・大臣判定申請に係る規定の見直し
害又は冠動脈障害の疑いのある者が国土交通大
臣の判定を受けようとする場合は、心臓の超音
波検査結果、タリウム負荷心筋シンチグラム等
の検査(必要に応じて冠動脈造影)結果を付し
て申請すること。
5−2 冠動脈障害により、PTCA又はCABG等 ・3−3冠動脈疾患に移動・整理
の冠動脈血行再建術による治療歴を有する者で
あって再発の危険因子(高脂血症、高血圧、糖
- 28 -
改
正
現
行
尿病、喫煙等)の排除が確認され、次に掲げる
条件を満たす者が国土交通大臣の判定を受けよ
うとする場合は、当該条件を満たすことを示す
所見等を付して申請すること。なお、提出書類
の詳細については国土交通省航空局技術部乗員
課に照会すること。
(1) 手術後に心事故(cardiac event)を呈さず
、手術から1年間を無症候に経過している。
(2) 運動負荷心電図(トレッドミル法による)
で、虚血性所見を示さない。
(3) ホルター心電図上、重大な調律異常を示さ
ない。
(4) 2 0 1 Tl-負荷心筋シンチグラム及びプールス
キャン(9 9 m Tc-RBC)では、運動負荷による血
流障害がなく、広範な心室壁の運動障害が存
在しない。
(5) 心・血管造影所見
(イ) CABGを受けている場合は、重要な
冠動脈に移植した血管の開存性が良好で
あり、他の冠動脈にも手術前より進行し
た狭窄所見がなく、心室壁の収縮性が良
好に保たれている。
(ロ) PTCAを受けている場合は、PTC
Aを行った冠動脈に狭窄の進行が認めら
れず、他の冠動脈にも手術前より進行し
た狭窄所見がなく、心室壁の収縮性が良
好に保たれている。
5−2
上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
備
考
・ケースクローズ指示について規定
- 29 -
改
正
3−3 冠動脈疾患
1.身体検査基準
冠動脈疾患又はその徴候がないこと。
2.不適合状態
2−1 心筋梗塞若しくは狭心症又はこれらの既往歴
のあるもの
2−2 無症候性心筋虚血又はその既往歴のあるもの
2−3
冠動脈障害に対する治療歴のあるもの
(1)経皮経管冠動脈形成術(PCI)
(2)冠動脈バイパス術(CABG)
(3)その他
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 安静時心電図検査は、3.循環器系及び脈管
系3−2心筋障害、3.検査方法及び検査上の
注意に準じる。
3−2
安静時心電図所見又は臨床所見上、上記不適
合状態が疑われる場合は、安全性を考慮した上
で、必要に応じ運動負荷心電図検査及び核医学
検査を実施し、十分な検討を行うこと。
3−3 運動負荷心電図検査を行う場合、心拍数が年
齢相当最大心拍数の85%以上になること。
年齢相当最大心拍数=(220−年齢)回/分
現
行
備
考
(再掲)3−2 心筋障害
・3−3冠動脈疾患として新設
1.身体検査基準
心筋障害若しくは冠動脈障害又はこれらの徴候が
ないこと。
2.不適合状態
2−1 心筋障害若しくは明らかな心筋梗塞若しくは ・冠動脈疾患に係る表現の見直し
狭心症又はこれらの既往歴
2−2 無症候性心筋虚血
2−3 心筋症
2−4 冠動脈障害により経皮経管冠動脈形成術(以
下「PTCA」という。)、冠動脈バイパス移植
術(以下「CABG」という。)等の治療歴があ
るもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 安静時心電図検査は、最初の航空身体検査時
及び30歳に達した後の最初の航空身体検査時
に実施し、その後40歳に達するまでの間は、
前回の検査から2年以内の間隔で実施し、40
歳に達した後は、前回の検査から1年以内の間
隔で実施すること。
3−2 安静時心電図には異常が認められないが、上 ・表現の見直し
記不適合状態等を疑わせる臨床所見がある場合
には、必要に応じ安全性を考慮した上で、運動
負荷心電図検査を実施すること。
3−3 運動負荷方法は、エルゴメーター法、トレッ ・運動負荷心電図検査の検査方法に
ドミル法等によるが、負荷の際は心拍数が年齢 係る見直し
相当最大心拍数の80%以上になること。
年齢相当最大心拍数=(220−年齢)回/分
3−4 心筋障害又は冠動脈障害の疑いがある場合は、・削除(専門医の領域)
心臓の超音波検査又はタリウム負荷心筋シンチ
グラム(2 0 1 Tl-scan)等により十分な検討を行
- 30 -
改
正
現
行
備
考
うこと。
3−5 必要な場合には、臨床症状のほか最近のウィ ・削除(専門医の領域)
ルス性疾患についての血清学的検討を行うこと。
4.評価上の注意
4−1 冠動脈疾患は航空の安全を脅かす疾患である
ため、心電図の判読に当たっては、必要に応じ
て専門医の診断により確認すること。
4−2 運動負荷心電図及び核医学検査の判定につい
ては、専門医の診断により確認すること。
4−3 安静時心電図所見及び臨床症状から上記2.
不適合状態が疑われる場合で、運動負荷心電図
で虚血を否定できない場合には、核医学検査で
虚血所見が認められなければ適合とする。ただ
し、冠攣縮性狭心症の疑いのある場合は不適合
とする。
4.評価上の注意
4−1 心筋障害又は冠動脈障害は航空の安全を脅か ・表現の見直し
す疾患であるため、心電図の判読に当たっては、
必要に応じて専門医の診断により確認すること。
・運動負荷心電図の判定に係る注意
を追加
・運動負荷心電図及び核医学検査で
陰性所見は適合とする
5.備 考
5−1 運動負荷心電図及び核医学検査において、心
筋虚血を否定できない者が国土交通大臣の判定
を受けようとする場合は、臨床経過、安静時心
電図、心臓超音波検査、運動負荷心電図検査、
核医学検査及び必要に応じて心血管造影所見等
を付して申請すること。
5−2 冠動脈疾患により、PCI又はCABG等の
冠動脈血行再建術による治療歴を有する者であ
って、手術後に心事故(cardiac event)を呈
さず、手術から1年間を無症候に経過している
者で、国土交通大臣の判定を受けようとする場
合は、治療内容を含む臨床経過、安静時心電図、
心臓超音波検査、運動負荷心電図検査、核医学
5.備 考
5−1 安静時若しくは運動負荷時の心電図に心筋障
害又は冠動脈障害の疑いのある者が国土交通大
臣の判定を受けようとする場合は、心臓の超音
波検査結果、タリウム負荷心筋シンチグラム等
の検査(必要に応じて冠動脈造影)結果を付し
て申請すること。
5−2 冠動脈障害により、PTCA又はCABG等
の冠動脈血行再建術による治療歴を有する者で
あって再発の危険因子(高脂血症、高血圧、糖
尿病、喫煙等)の排除が確認され、次に掲げる
条件を満たす者が国土交通大臣の判定を受けよ
うとする場合は、当該条件を満たすことを示す
所見等を付して申請すること。なお、提出書類
4−2 冠動脈障害又はその疑いにより医薬品を使用 ・削除
している場合は、不適合とする。
- 31 -
・大臣判定申請における提出資料等
の見直し
・冠動脈血行再建術に係る規定を整
理(詳細については、別途通達によ
り規定されている)
改
正
検査、心血管造影所見等を付して申請すること。
現
行
の詳細については国土交通省航空局技術部乗員
課に照会すること。
(1) 手術後に心事故(cardiac event)を呈さず
、手術から1年間を無症候に経過している。
(2) 運動負荷心電図(トレッドミル法による)
で、虚血性所見を示さない。
(3) ホルター心電図上、重大な調律異常を示さ
ない。
(4) 2 0 1 Tl-負荷心筋シンチグラム及びプール
スキャン(9 9 m Tc-RBC)では、運動負荷による
血流障害がなく、広範な心室壁の運動障害が
存在しない。
(5) 心・血管造影所見
(イ) CABGを受けている場合は、重要な
冠動脈に移植した血管の開存性が良好で
あり、他の冠動脈にも手術前より進行し
た狭窄所見がなく、心室壁の収縮性が良
好に保たれている。
(ロ) PTCAを受けている場合は、PTC
Aを行った冠動脈に狭窄の進行が認めら
れず、他の冠動脈にも手術前より進行し
た狭窄所見がなく、心室壁の収縮性が良
好に保たれている。
5−3
上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
3−4 先天性心疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある先天性心疾患
がないこと。
備
考
・ケースクローズ指示について規定
3−3 先天性心疾患
1.身体検査基準
重大な先天性心疾患がないこと。
- 32 -
・航空業務の観点からの基準に変更
改
正
2.不適合状態
2−1 チアノーゼ群又は遅発性チアノーゼ群のすべ
ての先天性心脈管異常
2−2 先天性心脈管異常により治療歴のあるもの
現
行
備
考
2.不適合状態
2−1 チアノーゼ群又は遅発性チアノーゼ群のすべ
ての先天性心脈管異常
2−2 先天性心脈管異常により手術療法を受けたも ・非観血的手法を考慮
の
3.検査方法及び検査上の注意
診察に当たっては、心雑音に注意し、必要に応じ
て超音波検査を実施すること。
3.検査方法及び検査上の注意
診察に当たっては、心雑音に注意し、必要に応じ
て超音波検査を実施すること。
4.評価上の注意
非チアノーゼ性心疾患については、専門医の診断
により確認を行うこと。
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 先天性心脈管異常の治療歴を有する者又は治
療の必要がないと判断される者であって、航空
業務に支障を来すおそれがないと認められる者
が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合
は、安静時心電図及び心臓超音波検査結果、胸
部レントゲン写真、自覚症状の有無、現症及び
治療内容を含む臨床経過等を付して申請するこ
と。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
5.備
・非チアノーゼ性心疾患に係る注意
を追加
考
先天性心脈管異常の手術歴を有する者であって心 ・大臣判定申請における提出資料等
脈管機能が正常であると認められる者が、国土交通 の見直し
大臣の判定を受けようとする場合は、心電図及び心
臓の超音波検査結果等を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
- 33 -
改
正
3−5 後天性弁膜疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある後天性弁膜疾
患又はその既往歴がないこと。
2.不適合状態
2−1 大動脈弁狭窄症
2−2 大動脈弁閉鎖不全症
2−3 僧帽弁狭窄症
2−4 僧帽弁閉鎖不全症又は僧帽弁逸脱症候群
2−5
2−6
三尖弁閉鎖不全症
弁膜疾患の治療中又は治療歴のあるもの
現
行
備
考
3−4 後天性弁膜疾患
1.身体検査基準
急性機能喪失等により航空業務に支障を来すおそ *表現の見直し及び既往歴の追加
れのある後天性弁膜疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 大動脈弁狭窄症
・不適合状態の見直し
2−2 大動脈弁閉鎖不全症
2−3 僧帽弁狭窄症
2−4 僧帽弁閉鎖不全症又は明らかな僧帽弁逸脱症
候群
2−5 三尖弁閉鎖不全症
2−6 弁置換を行った弁膜疾患
3.検査方法及び検査上の注意
問診、身体所見、安静時心電図検査等から必要と
考えられる場合は、心臓超音波検査を実施すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 心臓聴診の結果、必要に応じて超音波検査を ・検査方法の見直し(心臓超音波検
実施すること。
査での判断を重視)
3−2 僧帽弁疾患の場合には、必要に応じて左室一
右室造影を行うこと。
4.評価上の注意
4−1 上記2.不適合状態について、心臓超音波検
査(ドップラー法)で重症度がmild所見以内で
あり、かつ、航空業務に支障を来すおそれがな
い場合は適合とする。
4−2 僧帽弁逸脱については、自覚症状、心電図異
常(T波、不整脈)がなければ適合とする。
4.評価上の注意
4−1 上記2.不適合状態について、超音波ドップ ・心臓超音波検査の評価に係る規定
ラー検査での重症度がⅠ度以内であり、かつ、 の見直し
心機能に異常が認められなければ適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者であって経過良好な
者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場
5.備
4−2
僧帽弁逸脱については、超音波検査上弁尖の ・僧帽弁逸脱の評価に係る規定の見
左房側への軽度の逸脱の場合は適合とするが、 直し
自覚症状や心電図異常(T波、不整脈)について
は十分注意すること。
考
上記2.の不適合状態の者であって、心機能が正 ・大臣判定申請における提出資料等
常と認められる者が、国土交通大臣の判定を受けよ の見直し
- 34 -
改
正
合は、臨床経過、安静時心電図検査及び心臓超
音波検査(ドップラー法)等を付して申請する
こと。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
3−6 心膜疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある心膜の疾患が
ないこと。
現
行
うとする場合は、心電図及び心臓の超音波検査等の
結果を付して申請すること。
考
・ケースクローズ指示について規定
3−5 心膜疾患
1.身体検査基準
重大な心膜の疾患がないこと。
2.不適合状態
心膜炎又はその既往歴のあるもの
2.不適合状態
2−1 急性心膜炎
2−2 収縮性心膜炎
3.検査方法及び検査上の注意
診察に当たっては、心膜摩擦音に注意すること。
また、原因疾患(感染、リウマチ性、膠原病等)に
ついては、十分に検討を行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
診察に当たっては、心膜摩擦音に注意すること。
また、原因疾患(感染、リウマチ性、膠原病等)に
ついては、十分に検討を行うこと。
4.評価上の注意
血液検査等により、心膜炎の治癒が確認された後、
心臓超音波検査等によって後遺症が認められない場
合は、適合とする。
4.評価上の注意
5.備
5.備
考
備
・航空業務の観点からの基準に変更
・表現の見直し
・心膜炎治癒後の評価に係る規定を
追加
考
- 35 -
改
正
3−7 心不全
1.身体検査基準
心不全又はその既往歴がないこと。
現
行
3−6 心不全
1.身体検査基準
[第1種]
心不全又はその既往歴がないこと。
[第2種]
心不全がないこと。
2.不適合状態
心不全又はその既往歴のあるもの。
3.検査方法及び検査上の注意
心不全の疑いのあるものは、その原因疾患につい
て慎重に診断すること。
2.不適合状態
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備
5.備
考
3−8 調律異常
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある刺激生成又は
興奮伝導の異常がないこと。
2.不適合状態
2−1
2−2
洞機能不全症候群
一過性若しくは持続性の上室頻拍又は心房粗
細動又はその既往歴のあるもの
2−3 心室頻拍又は多源性心室期外収縮が頻発する
もの
2−4 心室期外収縮のうち、連発を繰り返すもの又
は R o n T を示すもの
2−5 第2度房室ブロック(モビッツⅡ型)
備
考
・病態の重大性から第2種基準を第
1種と同一にする
3.検査方法及び検査上の注意
心不全の疑いのあるものは、その原因疾患につい
て慎重に診断すること。
考
3−7 調律異常
1.身体検査基準
重大な刺激生成又は興奮伝導の異常がないこと。
・航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
調律異常のうち次に該当するもの
・不適合状態の表現の見直し
(1) 洞機能不全症候群(sick sinus syndr
ome)を呈するもの
(2) 発作性又は持続性の上室性頻脈(上室
性頻拍及び心房粗細動)
(3) 心室性頻拍又は多源性心室性期外収縮
の頻発するもの
(4) 心室性期外収縮については、連発を繰
り返すもの又は R o n T を示すもの
(5) 第2度房室ブロック(MobitzⅡ型)
- 36 -
改
正
2−6 完全房室ブロック
2−7 完全左脚ブロック
2−8 完全右脚ブロック
2−9 WPW症候群のうち、発作性頻拍を伴うもの又
はその既往歴のあるもの
2−10 先天性QT延長症候群
2−11 ブルガダ症候群
2−12 その他心電図上、重大な心疾患を推定できる
もの
2−13 人工心臓ペースメーカー又は植え込み型除細
動器を装着しているもの
2−14 調律異常に対して侵襲的治療(カテーテル心
筋焼灼術等)を行ったもの
現
行
完全房室ブロック
完全左脚ブロック
完全右脚ブロック
WPW症候群については、発作性頻拍を伴
うもの又はその既往歴を有するもの
備
考
(6)
(7)
(8)
(9)
・先天性QT延長症候群を追加
・ブルガダ症候群を追加
(10) その他心電図上、重大な心疾患を推定
できるもの
(11) 人工心臓ペースメーカーを植えこんで
いるもの
(12) 調律異常に対して侵襲的操作を行った ・カテーテルアブレーションについ
もの
て明記
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 問診上、意識消失発作の既往等を十分に確認
すること。
3−2 心電図上不整脈が認められた場合は、ホルタ
ー心電図等により確認すること。
3−3 徐脈を呈する者については、洞不全症候群の
有無等について、十分な検討を行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
完全右脚ブロックについて、初めて評価を行う際
には、臨床症状がなく、心臓超音波検査、ホルター
心電図検査、核医学検査等の結果、原因となる疾患
のない場合は、適合とする。その後は、毎更新時に
安静時心電図を確認し、経時的変化のないこと(PQ
延長、QRS幅延長、軸偏位)を確認すること。ブル
ガダ症候群の存在については十分に留意すること。
4.評価上の注意
・意識障害との関連を追加
心電図上不整脈が認められた場合は、ホルター心
電図等により確認すること。
・徐脈についての注意を追加
* 完全右脚ブロックについて、原因
疾患がない場合は指定医で適合とす
る。その後は、毎更新時に安静時心
電図で確認
不整脈を認めた場合には、その血行動態を念頭に ・削除
おいて慎重に判断すること。
- 37 -
改
正
5.備 考
5−1 カテーテル心筋焼灼術後、6ヶ月以上ホルタ
ー心電図等による経過観察及び検討を行った
後、病態が安定している者が国土交通大臣の判
定を受けようとする場合は、治療内容を含む臨
床経過、安静時心電図、ホルター心電図、心臓
超音波検査等の検査結果を付して申請すること
。
5−2 上記以外の2.不適合状態の者が国土交通大
臣の判定を受けようとする場合は、治療内容を
含む臨床経過(血圧の推移等)、安静時心電図
検査、運動負荷心電図検査、ホルター心電図検
査、必要に応じて心臓超音波検査、核医学検査
等を付して申請すること。
5−3
上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
3−9 脈管障害
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある動脈疾患、静
脈疾患又はリンパ系疾患が認められないこと。
現
5.備
行
備
考
考
・カテーテル心筋焼灼術後の観察期
間及び大臣判定申請時の提出資料を
明記
5−1
上記2.不適合状態の者が国土交通大臣の判定 ・その他の場合の大臣判定申請時の
を受けようとする場合は、臨床症状、血圧値、 提出資料を明記
心電図、運動負荷心電図、心臓エックス線写真、
超音波検査、タリウム負荷心筋シンチグラム及
びホルター心電図等の検査の結果を付して申請
すること。
5−2 期外収縮により内服治療中である者が国土交
通大臣の判定を受けようとする場合は、治療開
始前の心電図、現在の心電図〈ホルター心電図
を含む。)、超音波検査結果及びその経過並びに
使用医薬品名、用量、副作用等の成績を付して
申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
3−8 脈管障害
1.身体検査基準
動脈瘤、重大な静脈瘤又はリンパ浮腫が認められ ・航空業務の観点からの基準に変更
ないこと。
- 38 -
改
正
2.不適合状態
2−1 動脈疾患
(1)末梢動脈閉塞性疾患
(2)動脈瘤又はその治療歴のあるもの
(3)レイノー症候群
2−2 静脈疾患
深部静脈血栓症
現
行
2.不適合状態
2−1 胸部、腹部又は腸骨動脈に見られる動脈瘤
2−2 閉塞性動脈硬化症
2−3 バージャー病(Buerger病)
2−4 レイノー症候群(Raynaud症候群)
2−5 血栓性静脈炎
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 動脈瘤の疑いがある場合は、画像検査等によ
り慎重に診断すること。
3−2 間歇跛行を呈する場合は、末梢動脈閉塞性疾
患に注意すること。
3−3 動脈硬化性の末梢動脈障害を認めた場合は、
冠動脈及び頚動脈の病変に注意すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 動脈瘤の疑いがある場合は、超音波検査等に ・検査方法の表現の見直し
より慎重に診断すること。
3−2 動脈硬化性血管障害は、間歇跛行を呈するこ
とに注意すること。
・評価上の注意(4−1)から移動
4.評価上の注意
4.評価上の注意
4−1 動脈硬化性の末梢動脈障害を認めた場合は、
冠動脈及び頚動脈の障害に注意すること。
4−2 上記2−3又は2−4について、有痛性の虚 ・末梢動脈閉塞性疾患等に係る評価
血性障害が四肢になく、航空業務に支障を来す について規定
おそれがない場合は、適合とする。
4−3 血栓性静脈炎については、急性症状がなく、
かつ、抗凝固療法を受けていない場合は、適合
合とする。
上記2−1(1)及び(3)について、基礎疾患
を認めず、治療の必要がなく、航空業務に支障を来
すおそれがないと判断された場合は、適合とする。
5.備 考
5−1 動脈瘤術後(グラフト置換術等)、十分な観
察期間を経て経過良好な者が、国土交通大臣の
判定を受けようとする場合は、手術記録や治療
内容を含む臨床経過、凝固系を含む血液検査等
を付して申請すること。
5.備
備
考
・動脈疾患と静脈疾患に分けて整理
考
・動脈瘤術後の大臣判定申請に係る
規定を追加
- 39 -
改
正
脈管障害に対して治療後又は治療中で、経過
良好な者が、国土交通大臣の判定を受けようと
する場合は、治療内容を含む臨床経過、凝固系
を含む血液検査等を付して申請すること。
5−3 上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
現
5−2
行
備
考
・その他の脈管障害の大臣判定申請
に係る規定を追加
・ケースクローズ指示について規定
- 40 -
改
正
4.消化器系(口腔及び歯牙を除く。)
4−1 消化器疾患
1.身体検査基準
消化器及び腹膜に航空業務に支障を来すおそれの
ある疾患又は機能障害がないこと。
2.不適合状態
2−1
2−2
2−3
腹膜疾患又はその疑いがあるもの
急性肝炎
慢性肝炎で症状のあるもの又は治療を要する
もの
2−4 肝硬変
2−5 急性膵炎及び急性膵炎後で仮性膵のう胞を伴
うもの
2−6 慢性膵炎のうち症状のあるもの又は治療を要
するもの
2−7
消化管良性疾患(食道・胃静脈瘤、瘢痕化し
ていない胃・十二指腸潰瘍、寛解期以外の炎症
性腸疾患等)
2−8 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 上記2の疾患が疑われる場合には、血液検査、
画像検査等により精査すること。
3−2 慢性肝炎、肝硬変については、静脈瘤や出血
傾向等に注意し、急性機能喪失の危険性を考慮
すること。
現
行
備
考
4.消化器系
4−1 消化器疾患
1.身体検査基準
消化器系及び腹膜に重大な疾患又は機能障害がな ・航空業務の観点からの基準に変更
いこと。
2.不適合状態
2−1 腹壁の機能障害を伴う創傷、瘢痕又は瘻孔
・削除(1−1全身状態−1の変形
2−2 腹膜疾患又はその疑いがあるもの
等に包含)
2−3 急性肝炎、重大な肝機能障害のある慢性肝炎 ・疾患の表現の見直し
又は肝硬変
2−4
急性又は慢性膵炎
2−5 腹腔内腫瘍
2−6 消化管良性疾患(食道・胃静脈瘤、胃・十二
指腸潰瘍、クローン(Crohn)病、潰瘍性大腸炎
及び大腸憩室炎等)
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて血液生化学検査を実施すること ・検査方法の見直し
。
3−2 慢性肝炎については、血清アルブミン量、血
清コリンエステラーゼ活性、ICG15及びヘパプラ
スチンテスト等を参考にすること。
3−3 消化管疾患の治癒は、内視鏡検査、エックス
線検査、腹部超音波検査又は核医学検査等によ
り確認すること。
- 41 -
改
正
4.評価上の注意
4−1 胃・十二指腸潰瘍について、内視鏡検査によ
り治癒(S-stage)が確認された場合は、適合
とする。予防的にH2ブロッカーを投与する場合
は、内視鏡による潰瘍治癒(S-stage)確認後、
使用医薬品による副作用がないことが確認され
た場合には、適合とする。
制酸薬(プロトンポンプ阻害薬、H 2ブロッカー
を除く。)、防御因子増強薬の使用は、病態が航
空業務に影響を与えない範囲であり、かつ、使
用医薬品の副作用が認められないことが確認さ
れた場合には、適合とする。なお、抗コリン剤
の使用は不適合である。
4−2 クローン病又は潰瘍性大腸炎については、医
薬品使用がなく臨床的に寛解しており、航空業
業務に支障を来すおそれがないと認められる場
合は、適合とする。
4−3 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−4 肝硬変について、無症状で静脈瘤等の合併が
なく治療を要さない場合で、Child-Pugh分類A
であれば適合とする。
4−5 生体肝移植の提供者については、術後少なく
とも1ヶ月を経て、肝機能が正常化し、航空業
務に支障を来すおそれのある後遺症がないもの
は、適合とする。
現
行
備
考
4.評価上の注意
4−1 胃・十二指腸潰瘍について、内視鏡検査によ ・胃・十二指腸潰瘍に係る評価の見
り治癒(S-stage)が確認された場合は、適合と 直し
する。
4−2
クローン病又は潰瘍性大腸炎については、臨 ・クローン病又は潰瘍性大腸炎に係
床的に寛解しており、航空業務に支障を来すお る評価の見直し
それがないと認められる場合は、適合とする。
・腫瘍の参照規定
・肝硬変に係る評価の追加
・生体肝移植に係る評価の追加
4−3 慢性肝炎の活動期及びインターフェロンの使 ・削除(不適合状態2−3に明記)
用中は、不適合とする。
5.備
考
5.備 考
5−1 胃・十二指腸潰瘍の治癒が確認され、再発予 ・削除(評価上の注意4−1に規定)
防を目的として抗潰瘍薬の内服を必要とする者
が国土交通大臣の判定を受けようとする場合は
- 42 -
改
正
5−1
慢性膵炎の治療中で病態が安定している者が
、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、
血液検査、画像検査等の検査結果、臨床経過等
を付して申請すること。
5−2 食道・胃静脈瘤で病態が安定しており、出血
の危険性が極めて低いと考えられる者が国土交
通大臣の判定を受けようとする場合は、原疾患
についての臨床経過等の記載に加え、内視鏡所
見及び経過等を付して申請すること。
5−3
クローン病又は潰瘍性大腸炎の治療中で、病
状が安定している者が国土交通大臣の判定を受
けようとする場合は、治療内容を含む臨床経過、
症状や内視鏡所見を含めた原疾患の活動性の評
価等を付して申請すること。
5−4 慢性肝炎・肝硬変の治療中で、病態が安定し
ている者が国土交通大臣の判定を受けようとす
る場合は、治療内容を含む臨床経過、画像所見、
肝予備能、凝固系、血算等の血液検査結果等を
付して申請すること。
5−5 上記5−1から5−4の者のうち、十分な経
過観察期間を経て経過良好であって、病態等が
進行しないと認められるものについては、国土
交通大臣の指示により、以後指定医で適合とす
ることを許可される。
[第2種]
5−6 肝移植を受け、術後十分な観察期間を経て経
過良好な者が、国土交通大臣の判定を受けよう
現
行
備
考
、使用医薬品名、用量、副作用及び検査成績等
を付して申請すること。
5−2 慢性膵炎について国土交通大臣の判定を受け ・慢性膵炎について大臣判定申請に
ようとする場合は、腹部超音波、CT、MRCP等の 係る規定の見直し
検査結果を付して申請すること。
5−3
食道・胃静脈瘤について、国土交通大臣の判 ・食道・胃静脈瘤について大臣判定
定を受けようとする場合は、内視鏡検査による 申請に係る規定の見直し
以下の所見及び経過等を付して申請すること。
(1) 占拠部位
(2) 形態
(3) 基本色調
(4) 発赤所見
(5) 出血所見
(6) 粘膜所見
・クローン病又は潰瘍性大腸炎につ
いて大臣判定申請に係る規定の追加
・慢性肝炎・肝硬変について大臣判
定申請に係る規定の追加
・ケースクローズ指示について規定
・肝移植後について大臣判定申請に
係る規定の追加(第2種限定)
- 43 -
改
正
とする場合は、原疾患についての記載及び術後
の治療内容を含む臨床経過、手術記録、現在の
血液及び画像検査等を付して申請すること。
4−2 消化器外科疾患
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある消化器外科疾
患又は手術による後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 胆石症
2−2
腹部の内・外ヘルニアでヘルニア内容の嵌頓
又は絞扼のおこる可能性のあるもの
2−3 肛門部疾患により、貧血を来す出血、鎮痛を
要する疼痛又は炎症を伴うもの
2−4 外科手術後、次に該当するもの
(1) 手術後観察期間の不十分なもの
(イ) 虫垂切除後又は胆嚢摘出後(腹腔鏡下
摘出術を含む)1ヶ月以内のもの
(ロ) 腹部、腰部、骨盤部又は外ヘルニア手
術後1ヶ月以内のもの
(ハ) 消化管切除後3ヶ月以内のもの(ただ
し、腹腔鏡下消化管切除術の場合は、1
ヶ月)
(2) 人工肛門(ストーマ)、尿管皮膚瘻・回腸
導管(ウロストーマ)の造設してあるもの
(3) 航空業務に支障を来すおそれのある手術に
よる後遺症が認められるもの(術後イレウス、
ダンピング症候群等)
現
行
備
考
4−2 消化器外科疾患
1.身体検査基準
(1) 航空業務に支障を来すおそれのある消化器(肛 ・現行の(1)及び(2)の統合・
門部を除く。)の疾患又は手術による後遺症がな
明確化
いこと。
(2) 航空業務に支障を来すおそれのある肛門部の疾
患がないこと。
2.不適合状態
2−1 胆石症
2−2 膵石症
・削除(4−1消化器疾患 の慢性膵
2−3 腹部の内・外ヘルニアでヘルニア内容の嵌頓 炎にて規定)
又は絞やくのおこる可能性のあるもの
2−4 肛門部疾患により、貧血を来す出血、鎮痛を
要する疼痛又は炎症を伴うもの
2−5 外科手術後、次に該当するもの
(1) 手術後観察期間の不十分なもの
(イ) 虫垂切除後又は胆嚢摘出後(腹腔鏡に
よる摘出術を含む)1ヶ月以内のもの
(ロ) 腹部、腰部、骨盤部又は外ヘルニア手
術後1ヶ月以内のもの
(ハ) 消化管切除後3ヶ月以内のもの
・内視鏡手術の観察期間を追加
(2) 人工肛門(ストーマ)、尿管皮膚瘻・回腸
導管(ウロストーマ)の造設してあるもの
(3) 航空業務に支障を来すおそれのある手術に ・後遺症の例を明記
よる後遺症が認められるもの
- 44 -
改
正
(4)
現
行
手術後の機能未回復のもの
備
考
・削除
3.検査方法及び検査上の注意
必要に応じて血液検査及び画像検査等により術後
の回復状態を確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
必要に応じて血液生化学検査、エックス線検査、 ・検査方法の見直し
腹部超音波検査又はCT検査等の理学検査により手術
後の回復状態を確認すること。
4.評価上の注意
4−1 胆石症について、無症候性で治療を要さない
者又は術後少なくとも1ヶ月を経て経過良好で
あり、手術による後遺症のない者については、
適合とする。
4.評価上の注意
4−1 胆石症について、無症状の胆嚢内の単一大結 ・胆石症に係る評価の見直し
石である場合は、適合とする。
ただし、エックス線胆道造影又は超音波検査
等による検査を1年に1回は実施し、疝痛発作を
起こす可能性について検討すること。
なお、大結石とは結石の短径が1cm以上のもの
とする。
・開腹手術後に係る評価(現行4−
4)の見直し
4−2
開腹手術後は、腹壁運動機能の回復を確認し、
後遺症及び運動・食事制限等について十分に検
討を行うこと。
4−2
4−3
ヘルニアで、用手還納できる場合又は装具(ヘ
ルニアバンド等)使用により逸脱を防ぐことが
できる場合は、ヘルニアの部位を確認し、体位
の変化によっても嵌頓又は絞扼のおそれがない
ことが確認されれば適合とする。
膵石症について、無症状、小結石又は小範囲 ・削除(4−1消化器疾患 の慢性膵
の結石である場合は、適合とする。ただし、超 炎にて規定)
音波検査又はCT検査等による検査を1年に1回
は実施し、疝痛発作を起こす可能性について検
討すること。
4−3 腹部の内・外ヘルニアで還納するものについ ・ヘルニアに係る評価の見直し
ては、ヘルニア成立の条件(体位、腹圧、運動
等)を確認すること。
4−4
開腹手術後は、腹壁運動機能の回復、後遺症
及び運動・食事制限等について十分に検討を行
うこと。
- 45 -
改
正
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−4
5.備 考
5−1 胆石症の治療中で経過良好な者が国土交通大
臣の判定を受けようとする場合は、治療内容を
含む臨床経過、画像検査、血液検査等を付して
申請すること。
5−2 ストーマ又はウロストーマを造設した者が国
土交通大臣の判定を受けようとする場合は、種
類、位置及び使用パウチ等の状況についての報
告を付して申請すること。
5−3 上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
現
行
備
考
消化管ポリープの内視鏡的摘出後に、摘出ポ ・腫瘍の参照規定(現行4−5は腫
リープが病理組織検査により良性であると判断 瘍に包含:ポリープが悪性と判断さ
された場合は、適合とする。
れれば不適合)
4−5
5.備 考
5−1 胆石症又は膵石症について、国土交通大臣の ・胆石症の大臣判定申請に係る規定
判定を受けようとする場合は、上記4−1、4 の見直し
−2の検査結果に加えて、疝痛発作の可能性に
ついての報告を付して申請すること。
5−2 ストーマ又はウロストーマを造設した者が国
土交通大臣の判定を受けようとする場合は、種
類、位置及び使用パウチ等の状況についての報
告を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
- 46 -
改
正
5.血液及び造血器系
1.身体検査基準
(1)航空業務に支障を来すおそれのある貧血がな
いこと。
(2)航空業務に支障を来すおそれのある血液又は
造血器の系統的疾患がないこと。
(3)航空業務に支障を来すおそれのある出血傾向
を有する疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 航空業務に支障を来すおそれのある貧血
2−2
2−3
2−4
2−5
2−6
急性白血病
骨髄増殖性疾患
リンパ増殖性疾患
骨髄腫及びその類縁疾患
止血異常及び凝固異常
現
行
5.血液及び造血臓器
5−1 貧 血
1.身体検査基準
高度の貧血がないこと。
備
考
* 5−1貧血及び5−2造血臓器疾
患及び出血傾向を統合
・航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
2−1 男性にあっては血色素(ヘモグロビン)値が ・ヘモグロビン値及びヘマトクリッ
11g/dl未満若しくはヘマトクリット(Ht)値
ト値の規定は4.評価上の注意に移
が33%未満のもの
動
2−2 女性にあっては血色素(ヘモグロビン)値が
9g/dl未満若しくはヘマトクリット(Ht)値が
27%未満のもの
・5−2造血臓器疾患及び出血傾向
から移動及び不適合疾患の見直し
3.検査方法及び検査上の注意
上記2.の疾患が疑われた場合には、血液検査を
行い、検討すること。
3.検査方法及び検査上の注意
貧血の疑いがある場合は、原因疾患について十分 * 血液検査は問診・臨床上必要な場
に検討を行うこと。
合に実施(現行では血液検査は必須)
4.評価上の注意
4−1 貧血がある場合は、原疾患について十分に検
討を行うこと。
4−2 貧血について、地上で無症状であっても上空
で低圧低酸素にさらされた場合に航空業務に支
障を来すおそれがあることを考慮し、男性では
4.評価上の注意
・現行3.の規定より移動
・ヘモグロビン値及びヘマトクリッ
ト値は評価上の参照値とする
- 47 -
改
正
ヘモグロビン(Hb)値11g/dl未満又はヘマ
トクリット(Ht)値33%未満、女性ではHb値9
g/dl未満、Ht値27%未満を目安に慎重に判
断すること。
4−3 Ht値の上昇は、血液の粘稠度を上げ脳血流量
を低下させるため、その原因について検討を行
うこと。
4−4 原疾患がなく、血小板のみが低値を示す場合
には、凝固系に異常がなければ適合とする。
4−5 骨髄移植の提供者で、術後十分な観察期間を
経て、貧血や血小板減少、凝固異常等を認めず、
航空業務に支障を来すおそれのある後遺症のな
い場合は、適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.の不適合状態であって、治療後寛解
した者又は治療中であっても寛解している者が
国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、
治療内容及び現症を含む臨床経過、各種血液検
査の結果、骨髄所見及び画像診断結果等を付し
て申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
現
行
備
考
・5−2造血臓器疾患及び出血傾向
から移設
・注意事項の追加
・骨髄移植のドナーについて明記
5.備
考
・5−2造血臓器疾患及び出血傾向
より移動及び大臣判定申請時の提出
資料の見直し
・ケースクローズ指示について規定
5−2 造血臓器疾患及び出血傾向
1.身体検査基準
(1) 血液又は造血臓器の系統的疾患がないこと。
(2) 出血傾向を有する疾患がないこと。
(3) 脾腫がないこと。
- 48 -
・5−1と統合
・脾腫は削除(脾腫は他の疾患の影
響により起こるため、他の項目で規
改
正
現
行
備
制される)
2.不適合状態
2−1 急性若しくは慢性白血病又はその特殊型(赤
白血病及び成人T細胞性白血病等)
2−2 悪性リンパ腫(ホジキン病及び非ホジキンリ
ンパ腫)又は他の進行性の細網内皮系の疾患
2−3 真性赤血球増加症(真性多血症)
2−4 肋骨下縁よりも腫大している脾腫のあるもの
2−5 その他血液又は造血臓器の疾患で、航空業務
に支障を来すおそれのあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて白血球分類及び血小板数につい
ても検討を行うこと。
3−2
脾腫の疑いがある場合は、超音波検査等によ
り確認するとともにその原因について十分に検
討を行うこと。
4.評価上の注意
ヘマトクリット(Ht)値の上昇は、血液の粘稠度
を上げ脳血流量を低下させるため、その原因につい
て検討を行うこと。
5.備
考
上記2.の不適合状態の者であって、治療により
寛解し、投薬を受けていない者が国土交通大臣の判
定を受けようとする場合は、治療歴、骨髄所見及び
画像診断結果等を付して申請すること。
- 49 -
考
改
正
6.腎臓、泌尿器系及び生殖器系
6−1腎疾患
1.身体検査基準
腎臓に航空業務に支障を来すおそれのある疾患又
は後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 急性腎炎又はネフローゼ症候群
2−2
2−3
2−4
2−5
2−6
腎結石
多発性嚢胞腎
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるもの
手術後1ヶ月以内のもの
血液透析、腹膜透析その他の維持血液浄化療
法を受けているもの
2−7 腎移植を受けているもの
2−8 腎機能障害を呈するもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて尿沈査、血液生化学検査、画像
検査等を用いて確認すること。
3−2
3−3
必要に応じて腎機能について確認すること。
腎機能障害とは、血清クレアチニン値が2.0m
g/dlを超えるものをいう。
4.評価上の注意
4−1 腎結石については、基礎疾患がなく治療の有
無にかかわらず結石が完全に排除されたことが
確認された場合又は基礎疾患、疝痛発作若しく
は肉眼的血尿の既往歴がなく、発作の可能性が
低いと判断される場合は、適合とする。
4−2 多発性嚢胞腎については、他の臓器について
現
行
6.腎臓、泌尿器系及び生殖器系
6−1腎疾患
1.身体検査基準
腎臓に航空業務に支障を来すおそれのある疾患又
は後遺症がないこと。
備
考
2.不適合状態
2−1 急性腎炎又はネフローゼ症候群を呈する腎疾 ・不適合状態の見直し
患
2−2 腎結石
2−3 多発嚢胞腎
・表現の見直し
2−4 腎腫瘍
2−5 一側腎摘出手術後1ヶ月以内のもの
2−6 血液透析、腹膜透析その他の維持血液浄化療
法を受けているもの
2−7 腎移植を受けているもの
2−8 腎機能障害を呈するもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて尿沈査、血液生化学検査、エッ ・表現の見直し
クス線検査、超音波検査、CT検査、核医学検査
又はMRI等を用いて確認すること。
3−2 必要に応じて腎機能について確認すること。
3−3 腎機能障害とは、血清クレアチニン値が2.0m
g/dlを超えるものをいう。
4.評価上の注意
4−1 腎結石については、体外衝撃波破砕術により * 治療せず自然排石でも石がない場
結石が完全に排除された場合は、適合とする。 合又は基礎疾患等がなく発作の可能
性が低い場合は適合とする
4−2
多発嚢胞腎については、他の臓器についても
- 50 -
改
正
も慎重に検討し、自覚症状(腹痛、腰痛、肉眼
的血尿等 )、感染、腎機能障害及び他臓器の重
大な合併症(脳動脈瘤等)がない場合は、適合
とする。
4−3 一側腎(先天性又は後天性)については、感
染又は高血圧等がなく腎機能障害のない場合は
、適合とする。
4−4 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照するこ
と。
5.備 考
5−1 ネフローゼ症候群の治療中又は治療歴を有す
る者であって、当該疾患が安定している者が、
国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、
原疾患及び治療内容の詳細を含む臨床経過、検
査結果等を付して申請すること。
5−2 腎結石について、国土交通大臣の判定を受け
ようとする場合は、尿検査(沈査を含む。)、画
像所見、基礎疾患の有無についての報告を含む
臨床経過等を付して申請すること。
5−3
多発性嚢胞腎について、国土交通大臣の判定
を受けようとする場合は、頭部の画像検査(脳
動脈瘤等の評価)、心臓超音波検査、腹部の画
像検査(肝のう胞、膵のう胞及び大腸憩室の評
価)及び各種腎機能検査の結果等を付して申請
すること。
現
行
慎重に検討し、自覚症状(腹痛及び腰痛等)、腎
機能障害及び他の臓器の重大な合併症がない場
合は適合とする。
備
考
4−3
一側腎(先天性又は後天性)については、感
染又は高血圧等がなく腎機能障害のない場合は
、適合とする。
4−4 腎の悪性腫瘍については、1.一般1−3腫
瘍に準ずること。
5.備 考
5−1 ネフローゼ症候群の治療歴を有する者であっ ・大臣判定申請の対象者及び提出資
て、当該疾患が寛解したと診断されたものが国 料の見直し
土交通大臣の判定を受けようとする場合は、原
疾患及び治療歴等の所見を付して申請すること
。
5−2 腎結石について、国土交通大臣の判定を受け ・大臣判定申請時の提出資料の見直
ようとする場合は、上記3−1、3−2の検査 し
結果に加えて、疝痛発作の可能性についての報
告を付して申請すること。
5−3 腎移植の手術歴を有する者であって、拒絶反 ・5−5へ移動
応が抑制され感染症等がなく腎機能が回復した
と認められるものが国土交通大臣の判定を受け
ようとする場合は、腎移植に係る臨床経過所見
を付して申請すること。
5−4 多発嚢胞腎について、国土交通大臣の判定を
受けようとする場合は、頭部のMRI検査、腹部の
CT検査、超音波検査、消化管造影及び各種腎機
能検査を行い、その結果を付して申請すること。
なお、内視鏡検査を行った場合には、その結果
を含む。
- 51 -
改
正
上記5−1から5−3の者のうち、十分な
観察期間を経て経過良好であって、病態等が
進行しないと認められるものについては、国
土交通大臣の指示により、以後指定医で合格
とすることを許可される。
[第2種]
5−5 腎移植を受けた者で、日常生活に支障がなく、
薬剤の副作用、拒絶反応、感染症等がなく腎機
能が安定した(血清クレアチニン濃度2.0㎎/d
l以下)と認められる者が国土交通大臣の判定
を受けようとする場合は、手術記録及びその他
の治療内容を含む臨床経過、検査所見等を付し
て申請すること。
現
行
5−4
6−2 泌尿器系疾患
1.身体検査基準
泌尿器に航空業務に支障を来すおそれのある疾患
又は後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 尿管の狭窄又は圧迫
2−2 尿路結石
2−3 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
2−4 泌尿器系の手術後1ヶ月以内のもの(経尿道
的電気切除−TURを含む。)
備
考
・ケースクローズ指示について規定
・腎移植のレシピエントは第2種限
定で大臣判定申請可(腎移植のドナ
ーは上記2−5及び4−3の規定が
適用される)
6−2 泌尿器系疾患
1.身体検査基準
泌尿器系に航空業務に支障を来すおそれのある疾
患又は後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 尿管の狭窄又は圧迫
2−2 尿路結石
2−3 泌尿器系の炎症又は腫瘍
2−4 泌尿器系の手術後1ヶ月以内のもの
・表現等の見直し
2−5 その他航空業務に支障を来す疾患又はその後
遺症のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて、画像検査等により検討すると
ともに、泌尿器科医の診断により確認すること。
3−2
尿路結石については、十分に問診すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて、エックス線検査、尿路造影、 ・表現等の見直し
超音波検査又は核医学検査等により検討すると
ともに専門医の診断により、確認すること。
3−2 尿路結石については、十分に問診すること。
- 52 -
改
正
4.評価上の注意
4−1 尿路結石について、基礎疾患がなく、治療の
有無にかかわらず画像検査によって排石が確認
された場合には、適合とする。
4−2
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
5.備 考
5−1 尿路結石について、国土交通大臣の判定を受
けようとする場合は、尿検査(沈査を含む。)、
画像所見、基礎疾患の有無及び治療内容を含む
臨床経過等を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
6−3 生殖器系疾患
1.身体検査基準
生殖器に航空業務に支障を来すおそれのある疾患
又は後遺症がないこと。
2.不適合状態
2−1 治療を必要とする炎症
2−2 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
2−3 治療を必要とする前立腺肥大症
現
行
備
考
4.評価上の注意
4−1 尿路結石を画像検査上証明できないものにつ * 尿路結石に係る評価の見直し(結
いては、これを強く疑わせる症状又は検査所見 石があれば不適合)
がある場合は、結石症として不適合とする。
4−2 尿路結石について、体外衝撃波破砕術により
結石が完全に排除された場合は、適合とする。
4−3 泌尿器系の腫瘍については、1.一般 1-3腫瘍 ・腫瘍の参照規定
に準ずること。
5.備
考
尿路結石について、国土交通大臣の判定を受けよ ・尿路結石について大臣判定申請時
うとする場合は、上記3−1、3−2の検査に加え の提出資料の見直し
て、疝痛発作の可能性についての報告を付して申請
すること。
・ケースクローズ指示について規定
6−3 生殖器系疾患
1.身体検査基準
(1) 生殖器系に航空業務に支障を来すおそれのある ・現行(2)は(1)に包含
疾患又は後遺症がないこと。
(2) 航空業務に支障を来すおそれのある月経障害が
ないこと。
2.不適合状態
2−1 前立腺、睾丸及び副睾丸の炎症又は腫瘍
・表現の見直し
2−2 卵巣、子宮及び子宮付属器の炎症又は腫瘍
2−3 前立腺肥大により著しい排尿障害(排尿困難
又は頻尿等)のあるもの
- 53 -
改
正
生殖器官の手術後1ヶ月以内のもの(経尿道
的電気的切除術−TURを含む。)
2−5 精神症状若しくは著しい疼痛等を伴う月経障
害又は子宮内膜症
2−4
現
行
生殖器官の手術後1ヶ月以内のもの
2−4
備
・規定の明確化
考
2−5 精神症状又は著しい疼痛等を伴う月経障害及 ・表現の見直し
び子宮内膜症
2−6 その他航空業務に支障を来す疾患又はその後
遺症のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じて画像検査等により検討を行うと
ともに、産婦人科医又は泌尿器科医の診断によ
り確認すること。
3−2 月経障害の有無については、問診により確認
すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 必要に応じてエックス線検査、子宮卵管造影、 ・表現の見直し
超音波検査又は核医学検査等により検討を行う
とともに、専門医の診断により確認すること。
3−2 月経障害の有無については、問診により確認
すること。
4.評価上の注意
4−1 卵巣腫瘤は捻転をおこすことがあるため、婦
人科医の診断により確認すること。
4−2 子宮筋腫について、貧血を来すような出血等
がない場合は、適合とする。
4−3 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−4 子宮内膜症等で経口避妊薬(低用量ピル)を
投薬する場合は、投薬開始後最低1ヶ月間の経
過観察期間をおき、その間に血栓傾向、肝障害、
血圧異常等の副作用の定期的なチェックを実施
し、異常がないことを確認すれば適合とする。
4.評価上の注意
4−1 卵巣腫瘤は捻転をおこすことがあるため、専 ・表現の見直し
門医の診断により確認すること。
4−2 子宮筋腫について、貧血を来すような出血等
がない場合は、適合とする。
4−3 生殖器官の腫瘍については、1.一般1−3
腫瘍に準ずること。
・医薬品使用時の評価を追加
5.備
5.備
考
考
- 54 -
改
正
6−4 妊 娠
1.身体検査基準
[第1種]
妊娠していないこと。
[第2種]
妊娠により航空業務に支障を来すおそれがな
いこと。
現
行
6−4 妊 娠
1.身体検査基準
[第1種]
妊娠していないこと。
[第2種]
妊娠により航空業務に支障を来すおそれがな
いこと。
2.不適合状態
[第1種]
妊娠しているもの
[第2種]
2−1 正常妊娠でないもの(子宮外妊娠又
は前置胎盤等)
2−2 妊娠の初期(第15週まで)及び妊
娠の末期(第28週以降)
2−3 航空業務に支障を来す妊娠に伴う合
併症(悪阻及び中毒症等)又は流産若
しくは早産の徴候のあるもの
2.不適合状態
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 妊娠の有無については、問診により確認する
こと。
[第2種]
3−2 妊娠中は、産婦人科医の診断(診察及び超音
波検査法等)により母体と胎児の状態について
確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 妊娠の有無については、問診により確認する
こと。
4.評価上の注意
4−1 妊娠については、母子の健康及び航空の安全
の観点から慎重に対応するとともに、航空業務
による母子への影響について十分に説明するこ
と。
4.評価上の注意
備
考
・1.身体検査基準に則り、第1種
及び第2種に区分し明確化
2−1 正常妊娠でないもの(子宮外妊娠又は前置胎
盤等)
2−2 妊娠の初期(第15週まで)及び妊娠の末期
(第28週以降)
2−3 航空業務に支障を来す妊娠に伴う合併症(悪
阻及び中毒症等)又は流産若しくは早産の徴候
のあるもの
3−2
妊娠中は、専門医の診断(診察及び超音波検
査法等)により母体と胎児の状態について確認
すること。
・5.備考から移動
- 55 -
改
正
出産又は流産後の場合には、母体の回復状況
について産婦人科医の診断を受け、航空業務に
支障のないことを確認すること。
[第2種]
4−3 流産の経歴がある場合は、慎重に判断するこ
と。
4−4 妊娠中は心理的に不安定となり、子宮拡大に
より安全ベルトの装着が困難となる等運動制限
も生じるため、慎重に判断すること。
現
行
4−2
5.備
考
備
考
・5.備考から移動
・第2種限定であることを明記
4−1 出産又は流産の経歴がある場合は、慎重に判
断すること。
4−2 妊娠中は心理的に不安定となり、子宮拡大に
より安全ベルトの装着が困難となる等運動制限
も生じるため、慎重に判断すること。
5.備 考
5−1 妊娠については、母子の健康及び航空の安全
の観点から慎重に対応するとともに、航空業務
による母子への影響について十分に説明するこ
と。
5−2 出産又は流産後の場合には、母体の回復状態
について専門医の診断を受け、航空業務に支障
のないことを確認すること。
- 56 -
改
7.
正
運動器系
7−1 運動器の奇形、変形若しくは欠損又は機能障害
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある運動器の奇形
、変形若しくは欠損又は機能障害がないこと。
2.不適合状態
2−1 骨又は関節の著しい奇形、変形若しくは欠損
又は機能障害により航空業務に支障を来すおそ
れがあるもの
2−2 骨、筋肉、腱、神経又は関節の重大な疾患若
現
行
運動器系
運動器系の一般機能検査
・削除
1. 四肢の長短、発育状態及び筋力
2. 肩関節、肘関節、前腕、手関節及び指関節
の可動域
3. 股関節、膝関節、足関節及び趾関節の可動
域
4. 脊柱(頸、胸、腰)の可動域
7.
7−1 運動器の奇形、変形若しくは欠損又は機能障害
1.身体検査基準
[第1種]
(1) 骨及び関節の著しい奇形、変形若しくは
欠損又は機能障害がないこと。
(2) 骨、筋肉、腱、神経及び関節の重大な疾
患若しくは外傷がないこと又はこれらの後
遺症による重大な運動機能障害がないこと
。
(3) 四肢に航空業務に支障を来すおそれのあ
る運動機能障害がないこと。
[第2種]
(1) 骨、筋肉、腱、神経及び関節の重大な疾
患若しくは外傷がないこと又はこれらの後
遺症による重大な運動機能障害がないこと
。
(2) 四肢に航空業務に支障を来すおそれのあ
る運動機能障害がないこと。
備
* 第1種及び第2種を同一の基準に
するとともに、7−3脱臼を含め航
空業務の観点からの基準に整理・統
合化
2.不適合状態
2−1 骨又は関節の著しい奇形、変形若しくは欠損
又は機能障害により航空業務に支障があるもの ・表現の見直し
2−2
骨、筋肉、腱、神経又は関節の重大な疾患若
- 57 -
考
改
正
しくは外傷又はその後遺症により航空業務に支
障を来すおそれがあるもの
2−3 四肢の全部又は部分的欠損により航空業務に
支障を来すおそれがあるもの
2−4
現
行
しくは外傷又はその後遺症により航空業務に支
障があるもの
2−3 四肢の全部又は部分的欠損(第2∼第5趾中
1趾のみ又は左第3∼第5指中の1指の末節の
みを失った場合を除く。)
習慣性脱臼
3.検査方法及び検査上の注意
筋疾患については、筋、神経及び内分泌系におけ
る家族歴及び既往歴についても問診し、必要に応じ
て各種領域の検査を行い、全身性疾患の有無につい
て検討すること。
備
考
・7−3脱臼より移動
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 器質的検査及び機能的検査結果を示すととも
に、通常及び緊急飛行時における操作が可能で
あることを操縦する航空機若しくは模擬飛行装
置により示す必要がある。
3−2 筋疾患については、各種領域の検査及び診断
を要し、筋、神経及び内分泌系における家族歴
及び既往歴を詳細にとっておく必要がある。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 何らかの運動器の奇形、変形若しくは欠損又
は機能障害を有する者で、航空業務に支障を来
すか否かの評価が困難な場合は、国土交通大臣
の判断を受けることが必要である。この場合、
臨床経過、所見が今後変化する可能性、現在の
可動域、筋力等の運動機能についての評価等を
付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、身体所見に変化する
可能性がなく(欠損治癒等 )、航空業務に支障
を来すおそれがないことが確認されたものは、
国土交通大臣の指示により、以後指定医で適合
とすることを許可される。
5.備
・削除(操縦操作の確認は指定医で
は困難であることから、趣旨を5−
1に移設
・検査方法の見直し
考
・ケースクローズ指示について規定
- 58 -
改
正
7−2 脊柱疾患
1.身体検査基準
脊柱に航空業務に支障を来すおそれのある疾患又
は変形がないこと。
現
行
備
考
7−2 脊柱疾患
1.身体検査基準
(1) 脊柱に重大な疾患若しくは変形又は苦痛を ・航空業務の観点からの基準に整理
伴う疾患若しくは変形がないこと。
統合化
(2) 脊柱又は脊柱の疾患若しくは変形による四 ・(2)は7−1運動器の奇形、変形
肢の運動機能障害がないこと。
若しくは欠損又は機能障害に包含
2.不適合状態
脊柱の骨折、脱臼、脊椎疾患、椎間板疾患及び著
しい背腰痛症等により航空業務に支障があるもの
2.不適合状態
脊柱の骨折、脱臼、脊椎疾患、椎間板疾患及び著
しい背腰痛症等により航空業務に支障があるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 何らかの脊柱の疾患又は変形を有する者で、
航空業務に支障を来すか否かの評価が困難な場
合は、国土交通大臣の判定を受けることが必要
である。この場合、臨床経過、所見が今後変化
する可能性、現在の運動機能についての評価等
を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、身体所見に変化する
可能性がなく、航空業務に支障を来すおそれが
ないことが確認されたものは、国土交通大臣の
指示により、以後指定医で適合とすることを許
可される。
5.備
考
・大臣判定申請に係る規定の追加
・ケースクローズ指示について規定
7−3 脱 臼
1.身体検査基準
習慣性関節脱臼がないこと。
- 59 -
・削除(7−1運動器の奇形、変形
若しくは欠損又は機能障害に包含)
改
正
現
2.不適合状態
習慣性関節脱臼
行
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
5.備
考
- 60 -
備
考
改
正
8.精神及び神経系
診断上の一般注意
1. 精神及び神経系の診断は、全検査基準のうち
主として重要な精神面に該当し、既往歴、遺伝
歴、生活歴、日常行動についての客観的資料を
できるだけ集め、検討されなければならない。
特に慎重な検討を要する事例については、これ
らの客観的資料の把握が不可欠である。
2. 既往歴では 、出生時の状況、生後の発育状況、
高熱疾患、交通事故、頭部外傷、ひきつけや失
神発作及び不眠等に特に注意する。
3. 遺伝歴では、近親者における自殺、問題行動、
精神病、神経症、てんかん、片頭痛及び神経疾
患等の有無に注意する。
4. 本人との面接においては、表情、態度及び言
動を注意深く観察する。
5. 性格傾向としては、過敏傾向、強迫傾向、自
己顕示傾向、気分易変、爆発傾向、意志薄弱及
び無力傾向の判定のほか、家族、学校及び社会
における適応性についての客観的資料に特に注
意する。
6. 面接の際の参考資料として、必要に応じて各
種の心理テストを利用する。
7. 脳の器質性障害若しくは機能性障害又はそれ
らの疑いがある場合は、必要に応じて神経学的
検査、脳波、画像検査等の検査又は各種の心理
テストを実施する。
現
行
8.精神及び神経系
診断上の一般注意
1. 精神及び神経系の診断は、全検査基準のうち
主として重要な精神面に該当し、既往歴、遺伝
歴、生活歴、日常行動についての客観的資料を
できるだけ集め、検討されなければならない。
特に慎重な検討を要する事例については、これ
らの客観的資料の把握が不可欠である。
2. 既往歴では、出生時の状況、生後の発育状況、
高熱疾患、交通事故、頭部外傷、ひきつけや失
神発作、夜尿及び不眠等に特に注意する。
3. 遺伝歴では、近親者における自殺、問題行動、
精神病、神経症、てんかん、偏頭痛及び神経疾
患等の有無に注意する。
4. 本人との面接においては、表情、態度及び言
動を注意深く観察する。
5. 性格傾向としては、過敏傾向、強迫傾向、自
己顕示傾向、気分易変、爆発傾向、意志薄弱及
び無力傾向の判定のほか、家族、学校及び社会
における適応性についての客観的資料に特に注
意する。
6. 面接の際の参考資料として、必要に応じて(各
種の)心理テストを利用する。
7. 脳の器質性障害若しくは機能性障害又はそれ
らの疑いがある場合は、必要に応じて神経学的
精密検査、脳波、頭部のエックス線検査、CT、M
RI若しくはSPECT検査等の検査又は各種の心理テ
ストを実施する。
8.
不適合状態の疾患名に付した括弧内の番号は
、国際疾病分類(International Classification of
Diseases 10th Edition,ICD1O)の分類番号で
あり、各疾患の診断基準は同分類の手引きに準
拠する。なお、診断カテゴリーのリストは本マ
備
・現行9.より移動
- 61 -
考
改
正
ニュアルの付録2として収録してある。
9. 脳波検査は、初回の航空身体検査時、航空事
故又は他の事故等により頭部に衝撃を受けた後
の最初の航空身体検査時及びその他診断上必要
と認められた場合に実施する(脳波計は、JIS
規格のものを使用する。)。なお、初回の脳波記
録は、以後比較参照の必要が生じることもある
ため保存されることが望ましい。
単極及び双極誘導による安静記録並びに過呼
吸負荷、光刺激及び睡眠記録を行うこと。
なお、詳細については本マニュアルの付録1
−1として収録してある。
現
行
備
8.
考
脳波記録法について
・脳波記録法についての注意の見直
脳波検査は、初回の航空身体検査時及びその し
他診断上必要と認められた場合に実施する(脳
波計は、JIS規格のものを使用する。)。なお、初
回の脳波記録は、以後比較参照の必要が生じる
こともあるため保存されることが望ましい。
通常の検査は、単極及び双極誘導による安静
記録並びに過呼吸負荷(3分以上)及び睡眠記
録を行い、必要に応じて光刺激及びけいれん剤
注射等による賦活脳波検査を行う。記録は、原
則として10-20法に準拠すること。
脳波測定基準
・付録1−1に移動
脳波計:18チャンネル脳波計(14チャ
ンネルでも可)
電極配置:10-20法(次頁のモンタージ
ュ参照)
TC:0.3(ただし、発汗などにより基
線の動揺が著しい場合は0.1とし、
その旨を明記する。)
HF:120(緊張などによりEMGの多
い場合は60とし、その旨を明記す
る。)
キャリブレーション:5mm/50μV
紙送り速度:3cm/sec
記録時間は最低30分(通常40分)必要
(1)安静、開閉眼
例えば、次
頁のような
MP、BPモ
ンタージュ
で約20分
睡眠(Stage2)まで
- 62 -
改
正
現
行
(2)光刺激(3∼4分)
3,6,8,10,12,15,
18,20,21,24,30f/s
(3)過呼吸(4分、過呼吸後、最低3分
記録)
1分間20∼25回の深い換気を
行わせること。
備
9. 以下、不適合状態の疾患名に付した括弧内の ・8.に移動
番号は、国際疾病分類(International Classification of Diseases 10th Edition, ICD1O )の分
類番号であり、各疾患の診断基準は同分類の手
引きに準拠する。なお、診断カテゴリーのリス
トは本マニュアルの付録として収録してある。
電極配置法と脳波導出のモンタージュ
- 63 -
・付録1−1に移動
考
改
正
現
行
電極配置:国際10−20法による19個の電
極にOZを加え、計20個の頭皮上探
査電極を用いる。
モンタージュ(16素子用)
MP−I: 単極導出、耳朶(A1,A2)を基
準電極とする。
MP−I(AV): 単極導出、平均電位基準電極
(AV)を基準電極とする。
※MP−Iと比べ、脳波は全体
に低振幅となるが、EKG
や耳朶活性によるアーチフ
ァクトに対し有用。
BP−I: 縦連結双極導出、外回り→内回り
BP−II: 横連結双極導出
BP−III:1∼12: 直線三点法(双極導出)
13∼16:中心線上電極の単極導
出(連結耳朶A1 +A2 を基準電極と
する。)
- 64 -
備
考
改
正
現
MP-I
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
FP1-A1
FP2-A2
F3-A1
F4-A2
C3-A1
C4-A2
P3-A1
P4-A2
O1-A1
O2-A2
F7-A1
F8-A2
T3-A1
T4-A2
T5-A1
T6-A2
ECG
MP-I(AV)
1 FP 1-AV
2 FP2-AV
3 F3-AV
4 F4-AV
5 C3-AV
6 C4-AV
7 P3-AV
8 P4-AV
9 O1-AV
10 O2-AV
11 F7-AV
12 F8-AV
13 T3-AV
14 T4-AV
15 T5-AV
16 T6-AV
17 ECG
18
- 65 -
行
備
BP-I
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
FP1-F7
FP2-F8
F7-T3
F8-T4
T3-T5
T4-T6
T5-O1
T6-O2
O1-P3
O2-P4
P3-C3
P4-C4
C3-F3
C4-F4
F3-FP1
F4-FP2
ECG
BP-II
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
FP1 -FP2
F7-F3
F3-FZ
FZ-F4
F4-F8
A1-T3
T3-C3
C3-CZ
CZ-C4
C4-T4
T4-A2
T5-P3
P3-PZ
PZ-P4
P4-T6
O1-O2
ECG
BP-III
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
FZ-F7
F7-F8
F8-FZ
CZ-T3
T3-T4
T4-CZ
PZ-T5
T5-T6
T6-PZ
CZ-PZ
PZ-FZ
FZ-CZ
FZ-A1+2
CZ-A1+2
PZ-A1+2
OZ-A 1+2
ECG
考
改
正
8−1 精神病及び神経症等
1.身体検査基準
重大な精神障害又はこれらの既往歴がないこと。
現
行
8−1 精神病及び神経症等
1.身体検査基準
重大な精神障害又はこれらの既往歴がないこと。
備
考
2.不適合状態
2−1 症状性を含む器質性精神障害(F0)又はその
既往歴のあるもの
2−2 統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害
(F2)又はその既往歴のあるもの
2−3 気分(感情)障害(F3)又はその既往歴のあ
るもの
2−4 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表
現性障害(F4)又はその既往歴のあるもの
2−5 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症
候群(F5)又はその既往歴のあるもの
2.不適合状態
2−1 症状性を含む器質性精神障害(F0)
3.検査方法及び検査上の注意
「診察上の一般注意」参照のこと
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4.評価上の注意
4−1 上記2−4又は2−5について、その症状が *指定医では原則として判断をせず、
軽く、航空業務に支障を来すおそれがないと認 大臣判定とする
められる場合は、適合とする。
4−2 上記2−1から2−5に掲げる障害の既往歴
のあるもの又はその疑いがある場合は、現在に
おける治癒の状態及び再発の可能性について、
慎重に検討を行うこと。
上記2−1から2−5に掲げる障害の既往歴のあ
る場合又はその疑いがある場合は、現在における治
癒の状態及び再発の可能性について、慎重に検討を
行うこと。
5.備 考
5−1 上記2−3、2−4及び2−5の疾患につい
て、身体所見及び精神所見が回復したと判断さ
2−2
・用語の変更
・既往歴を含むことを明確化
精神分裂病、分裂病型障害及び妄想性障害
(F2)
気分(感情)障害(F3)
2−3
2−4 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表
現性障害(F4)
2−5 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症
候群(F5)
2−6 上記障害の治癒の状態が不十分なもの又は近 ・既往歴に包含
い将来再発の可能性が疑われるもの
5.備
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
- 66 -
改
正
れた者が、国土交通大臣の判定を受けようとす
る場合は、治療経過及び現症を含む臨床経過、
心理テストの結果等を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て、航空業務に支障を来すおそれがある状態に
進行しないと認められるものは、国土交通大臣
の指示により、以後指定医で適合とすることを
許可される。
8−2 パーソナリティ(人格)障害及び行動障害
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのあるパーソナリテ
ィ障害若しくは行動障害又はこれらの既往歴がない
こと。
現
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
8−2 人格障害及び行動障害
1.身体検査基準
明らかな人格障害又は重大な行動障害がないこと。・航空業務の観点からの基準に変更
・既往歴を追加
2.不適合状態
2−1 成人のパーソナリティ(人格)及び行動の障
害(F6)又はその既往歴のあるもの
2−2 小児期及び青年期に通常発症する行動及び情
緒の障害(F9)又はその既往歴のあるもの
2.不適合状態
2−1 成人の人格又は行動の障害(F6)
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 「診断上の一般注意」参照のこと。
3−2 自殺未遂、自傷行為、家出、放浪、非行又は
犯罪行為等の問題行動があった場合は、その動
機や発生状況について慎重に検討を行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4.評価上の注意
4−1 特に反社会的又は非社会的な人格障害者は、 ・削除(ICD10 との整合性)
不適合とする。
4−2 上記3.の問題行動があった場合であって、
将来類似の行動を生ずるおそれのあるときは、
不適合とする。
上記3−2の問題行動があった場合であって、将
来類似の行動を生ずるおそれのあるときは、不適合
とする。
2−2 小児期及び青年期に通常発症する行動並びに
情緒の障害(F9)
・「診断上の一般注意」の参照規定
自殺未遂、自傷行為、家出、放浪、非行又は犯罪
行為等の問題行動があった場合は、その動機や発生
状況について慎重に検討を行うこと。
- 67 -
改
5.備
正
考
8−3 薬物依存及びアルコール依存
1.身体検査基準
薬物依存若しくはアルコール依存又はこれらの既
往歴がないこと。
現
5.備
行
備
考
考
8−3 薬物依存及びアルコール依存
1.身体検査基準
薬物依存又はアルコール依存がないこと。
2.不適合状態
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
又はその既往歴のあるもの
2.不適合状態
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
薬物は麻薬、鎮静薬、睡眠薬、幻覚剤、揮発性溶
剤、その他の精神作用物質を指す。
4.評価上の注意
薬物(麻薬、催眠剤、抗不安剤、幻覚剤、覚醒剤
及び鎮痛剤等)の依存又はアルコール依存は、不適
合とする。
また、これらの明白かつ重篤な既往歴があった場
合も原則的には、不適合とする。
5.備 考
5−1 アルコール依存の既往歴があり経過良好な者
が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合
は、十分な経過観察を行った後、治療内容を含
む臨床経過についての詳細を付して申請するこ
と。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て、航空業務に支障を来すおそれがある状態に
進行しないと認められるものは、国土交通大臣
の指示により、以後指定医で適合とすることを
許可される。
5.備
*既往歴を追加
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
・ケースクローズ指示について規定
- 68 -
改
正
8−4 てんかん
1.身体検査基準
てんかん又はその既往歴がないこと。
2.不適合状態
2−1 てんかん(全般発作又は部分発作)又はその
既往歴のあるもの
2−2
脳波記録上、棘(spike)、棘徐波、明らかな
局在性徐波又は高度の基礎律動異常を呈するも
の
現
行
備
考
8−4 てんかん及び意識障害等
* てんかんと意識障害は別の概念で
1.身体検査基準
あることから区分(意識障害は8−
てんかん性疾患、重大な突発性の意識障害若しく 5として独立)
はけいれん発作又はこれらの既往歴がないこと。
2.不適合状態
2−1 てんかん性疾患(全般発作又は部分発作)又
はその既往歴があるもの
2−2 突発性の原因不明な意識障害又はその既往歴 ・8−5に移動
があるもの
2−3 痙攣発作又はその既往歴があるもの
2−4 脳波記録上、棘又は棘徐波、棘・徐波複合、 *異常脳波の明確化
明らかな局在性徐波及び高度の基礎律動異常を
呈し、てんかん性疾患を否定できないもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 問診により、てんかんの既往歴の有無や、過
去に2−2の脳波異常を指摘されたことの有無
について確認すること。
3−2 必要に応じて、脳波検査、画像検査、神経学
的検査等を行うとともに、精神神経科医又は神
経内科医の診断により確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 問診により、上記2の既往歴について確認する ・表現の見直し
こと。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
4−1 単純部分発作等の意識障害を伴わない場合も、
不適合とする。
4−2 小児期において、一過性のひきつけ、脳貧血 ・8−5意識障害に移動
様発作又は失神発作等の既往歴がある場合は、
慎重に判断すること。
4−3 小児期(特に5歳未満)の熱性痙攣で1∼2
回の発作の既往歴がある場合は、その後の痙攣
発作について詳細に確認すること。
小児期における発作発生後現在に至るまで発
3−2
必要に応じて、脳波検査、頭部のCT検査、MRI
検査又は神経学的検査等を検討するとともに、
専門医の診断により確認すること。
- 69 -
改
正
上記2−2の棘(spike)について、14Hz又は
6Hzの陽性棘は、適合とする。
5.備
考
現
行
備
考
作が認められず、本章診断上の一般注意7.に
関して異常所見が認められない場合は、適合と
する。
4−4 上記2−3の痙攣発作とは、てんかんの痙攣 ・削除(てんかんから分離)
よりも広義であり、医薬品、アルコール、急性
の代謝異常(低血糖等)又は急性の脳疾患等に
よって生じるものも含める。
4−5 上記2−2の棘波について、14Hz又は6Hz
の陽性棘波は、適合とする。
5.備
考
8−5 意識障害等
1.身体検査基準
意識障害若しくはけいれん発作又はこれらの既往
歴がないこと。
・意識障害等について分離独立
* 意識障害は原則として不適合とす
る
2.不適合状態
2−1 意識障害又はその既往歴のあるもの
2−2 けいれん発作又はその既往歴のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 問診により、意識障害及びけいれん発作の既
往歴について確認すること。
3−2 必要に応じて、脳波検査、画像検査、神経学
的検査、自律神経系検査、循環器系検査等を検
討するとともに、精神神経科医、神経内科医又
は循環器の専門医の診断により確認すること。
4.評価上の注意
4−1 小児期において、一過性のひきつけ又は意識
消失発作等の既往歴がある場合は、慎重に判断
すること。
- 70 -
改
正
5歳未満の熱性けいれんの既往歴がある場合
は、その後のけいれん発作について詳細に確認
すること。5歳未満における発作発生後、現在
に至るまで発作が認められず、脳波に異常所見
が認められない場合は、適合とする。
4−3 外傷後の意識障害のうち、意識障害の持続時
間が5分以内であり、3ヶ月の観察期間を経て、
高次機能に異常を認めず、航空業務に支障を来
すおそれのある後遺症のないものは適合とす
る。
現
行
備
考
4−2
・外傷後の意識障害に係る評価を追
加
5.備 考
5−1 上記2.の既往歴がある者で、経過良好な者
が国土交通大臣の判定を受けようとする場合、
原疾患についての記載及び現症を含む臨床経
過、脳波検査、必要であれば画像検査等を付し
て申請すること。
5−2 外傷後又は術後で、抗けいれん薬の内服の既
往がある者が、服薬中止後2年以上の観察期間
を経て、経過良好であり国土交通大臣の判定を
受けようとする場合、外傷又は手術についての
詳細な記録及び治療内容を含む臨床経過、脳波
検査、画像検査等を付して申請すること。
5−3 上記5−1及び5−2の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
8−6 頭部外傷
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある頭部外傷の既
往歴又は頭部外傷後遺症がないこと。
・大臣判定申請に係る規定を追加
・大臣判定申請に係る規定を追加
・ケースクローズ指示について規定
8−5 頭部外傷
1.身体検査基準
重大な頭部外傷の既往歴又は頭部外傷後遺症がな
いこと。
- 71 -
・航空業務の観点からの基準に変更
改
正
現
行
備
考
2.不適合状態
2−1 画像上の脳挫傷(頭蓋内出血を含む。)又は
頭蓋骨折の既往歴のあるもの
2−2 後遺症として、外傷後てんかん、脳神経障害、
運動障害、知能障害、記憶障害、又はパーソナ
リティ(人格)障害が認められるもの
2−3 外傷に伴う意識障害の既往歴のあるもの
2.不適合状態
2−1 脳挫傷、頭蓋内出血又は頭蓋骨折の既往歴が
あるもの
2−2 後遺症として、外傷後てんかん、脳神経障害、
知能障害、記憶障害、又は人格障害が認められ
るもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 受傷時と治療に関する医療記録について慎重
に検討を行うこと。
3−2 後遺症については、必要に応じて脳神経外科
医、神経内科医又は精神神経科医の診断により
確認すること。
3−3 頭部外傷後の意識障害については、8.精神
及び神経科8−5意識障害等を参照のこと。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 受傷時と治療に関する医療記録について慎重
に検討を行うこと。
3−2 後遺症については、必要に応じて専門医の診 ・表現の見直し
断により確認すること。
4.評価上の注意
頭蓋骨折の既往歴のうち、脳挫傷を伴わず、航空
業務に支障を来すおそれのある後遺症のないものは
、適合とする。
4.評価上の注意
4−1 頭部外傷により脳震盪を認めた場合には、健 ・評価上の注意の見直し
忘及び痙攣等に注意するとともに硬膜外血腫及
び硬膜下血腫についても検討を行うこと。
4−2 脳震盪後は、必要に応じて頭部CT検査、MRI検
査又は脳波検査等により後遺症について検討を
行うこと。
4−3 脳震盪は、意識喪失の有無にかかわらず、受
傷後健忘が5分間以上続いた場合には3ヶ月間
は不適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.について、経過良好である者が、国
土交通大臣の判定を受けようとする場合は、臨
床経過、神経学的所見、画像検査、脳波検査等
5.備
・頭部外傷時の意識障害について明
記
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
- 72 -
改
正
を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な経過観察期間
を経て経過良好であって、病態等が進行しない
と認められるものについては、国土交通大臣の
指示により、以後指定医で適合とすることを許
可される。
5−3 頭部外傷後で抗けいれん薬を内服した既往歴
のある場合については、8.精神及び神経系8
−5意識障害等を参照すること。
8−7 中枢神経系統の障害
1.身体検査基準
中枢神経の重大な障害又はこれらの既往歴がない
こと。
2.不適合状態
2−1 脳炎、髄膜炎等の炎症性疾患又はこれらの既
往歴のあるもの
2−2 脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、脳動脈瘤等
の脳・脊髄血管障害又はこれらの既往歴のある
もの
2−3 代謝・中毒性疾患又はこれらの既往歴のある
もの
2−4 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
2−5 変性疾患又はその既往歴のあるもの
2−6 脱随疾患又はその既往歴のあるもの
2−7 中枢神経系の手術歴のあるもの
2−8 航空業務に支障を来すおそれのある片頭痛又
は慢性頭痛
2−9 プリオン病
現
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
8−6 中枢神経系統の障害
1.身体検査基準
中枢神経系統の重大な障害又はこれらの既往歴が
ないこと。
2.不適合状態
中枢神経系の炎症、血管障害、代謝障害、腫瘍、 *具体的な疾患等を明記
皮質形成不全又は変性疾患
- 73 -
改
正
3.検査方法及び検査上の注意
上記2.の不適合状態が疑われる場合は、注意深
く診察し、必要であれば画像検査等を行って十分に
検討を行うこと。
現
行
備
考
3.検査方法及び検査上の注意
上記2の既往歴又は中枢神経系の手術歴がある場 ・検査方法の見直し
合は、その機能回復の状態について、十分に検討を
行うこと。
4.評価上の注意
4−1 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−2 髄膜炎の既往歴のあるもので、経過中に意識
障害や麻痺等、脳実質障害の症状がなく、脳波
所見に異常がなく神経症状等の後遺症がないこ
とが確認された場合は、適合とする。
4−3 下垂体部腫瘍については、1.一般1−5内
分泌及び代謝疾患も参照のこと。
4.評価上の注意
中枢神経系の腫瘍については、1.一般1−3腫
瘍に準ずること。
5.備 考
5−1 脳炎及び髄膜炎等の炎症性疾患の既往歴があ
り、経過良好な者が、国土交通大臣の判定を受
けようとする場合、頭部の画像検査結果、脳波
及びその所見、現在の神経学的所見を含む臨床
経過の詳細等を付して申請すること。
5−2 脳梗塞又は一過性脳虚血発作の既往歴があり
、航空業務に支障を来すおそれのある後遺症が
なく、経過良好な者が、国土交通大臣の判定を
受けようとする場合、頭部MRI等の画像検査、
脳波及びその所見、現在の神経学的所見及び治
療内容を含む臨床経過、心血管系の評価、危険
因子(喫煙、高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病
等)についての検討等を付して申請すること。
無症候性脳梗塞、無症候性脳動脈硬化症につい
てもこれに準じる。また、無症候性脳梗塞の診
断は、無症候性脳血管障害の診断基準(付録1
−3)を参照のこと。
5.備
・髄膜炎の既往歴に係る評価を追加
考
・炎症性疾患について大臣判定申請
に係る規定を追加
・脳梗塞等の既往歴について大臣判
定申請に係る規定を追加
- 74 -
改
正
脳出血やクモ膜下出血等頭蓋内出血の既往が
あり、航空業務に支障を来すおそれのある後遺
症がなく、経過良好な者が、国土交通大臣の判
定を受けようとする場合、画像検査結果、脳波
及びその所見、原因、現在の神経学的所見及び
治療内容を含む臨床経過、危険因子についての
検討等を付して申請すること。
5−4 中枢神経系の手術後、航空業務に支障を来す
おそれのある後遺症がなく、経過良好な者が、
国土交通大臣の判定を受けようとする場合、原
疾患についての記載、現在の神経学的所見及び
治療内容を含む臨床経過、手術録、術前及び術
後の画像検査、脳波及びその所見等を付して申
請すること。血管内治療及びガンマナイフ等に
よる治療後もこれに準じる。
5−5 未破裂動脈瘤で、破裂の危険性が極めて低く
治療の必要がなく、神経学的所見に異常を認め
ない者が、国土交通大臣の判定を受けようとす
る場合、頭部の画像検査結果(動脈瘤の径及び
部位の評価)、脳波及びその所見、現在の神経
学的所見及び血圧の推移を含む臨床経過の詳
細、治療についての脳神経外科医の見解等を付
して申請すること。
5−6 頭痛の治療中で経過良好な者が、国土交通大
臣の判定を受けようとする場合、脳波及びその
所見、画像検査結果、治療内容を含む臨床経過
等を付して申請すること。
5−7 上記5−1から5−6の者のうち、十分な観
察期間を経て経過良好であって、病態等が進行
しないと認められるものについては、国土交通
大臣の指示により、以後指定医で適合とするこ
とを許可される。
現
5−3
行
備
考
・頭蓋内出血の既往について大臣判
定申請に係る規定を追加
・中枢神経系の術後について大臣判
定申請に係る規定を追加
・未破裂動脈瘤について大臣判定申
請に係る規定を追加
・頭痛の治療中について大臣判定申
請に係る規定を追加
・ケースクローズ指示について規定
- 75 -
改
正
8−8 末梢神経系統及び自律神経系統の障害
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある末梢神経又は
自律神経の障害がないこと。
2.不適合状態
2−1 航空業務に支障を来すおそれのある末梢神経
障害
2−2 航空業務に支障を来すおそれのある自律神経
障害
2−3 航空業務に支障を来すおそれのある発作性又
は再発性の神経筋疾患
現
行
備
考
8−7 末梢神経系統及び自律神経系統の障害
1.身体検査基準
重大な末梢神経系統又は自律神経系統の障害がな ・航空業務の観点からの基準に変更
いこと。
2.不適合状態
2−1 末梢神経の損傷、神経炎又は神経痛
・表現の見直し
2−2 重症筋無力症、多発性筋炎又は筋ジストロフ ・削除(7.運動器系に包含)
ィー等の筋肉の変性疾患
2−3 航空業務に支障を来す恐れのある片頭痛及び ・8−6中枢神経系統の障害に移動
慢性頭痛
2−4 器質性障害がないにもかかわらず脱力感、眩 ・削除(精神科領域)
暈又は心悸亢進等をしばしば訴えるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
上記2.について、その症状が軽く、航空業務に
支障を来すおそれがないと認められる場合は、適合
とする。
4.評価上の注意
上記2−1について、その症状が軽く、航空業務
に支障を来すおそれがないと認められる場合は、適
合とする。
5.備
5.備
考
考
上記2−3の不適合状態の者が国土交通大臣の判
定を受けようとする場合は脳波、頭部CT又はMRI及び
臨床的経過等を付して申請すること。
- 76 -
改
正
9. 眼
9−1 外眼部及び眼球附属器
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある外眼部及び眼
球付属器の疾患又は機能不全がないこと。
現
行
9. 眼
9−1 外眼部及び眼球附属器
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある外眼部及び眼
球附属器の疾患又は機能不全がないこと。
2.不適合状態
2−1 航空業務に支障を来すおそれのある眼瞼、結
膜、涙器、眼窩及び角膜疾患又は機能不全
2−2 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるもの
2.不適合状態
2−1 眼瞼、結膜及び涙器
(1) 重症筋無力症
(2) 眼瞼腫瘍
(3) 流行性又は重症の急性結膜炎
(4) 重症の慢性結膜炎
(5) 急性又は慢性涙嚢炎
2−2 角膜
(1) 角膜感染症
(2) 角膜潰瘍又は反復性角膜びらん(兎眼
によるものも含む。)
(3) 視機能を妨げる角膜変性症
(4) 屈折矯正手術(角膜前面放射状切開手
術等)の既往歴のあるもの
2−3 その他
(1) 斜視
(2) 外眼筋麻痺
(3) 眼振
(4) 病的眼球突出
(5) 眼又は眼窩の腫瘍
2−3
屈折矯正手術の既往歴のあるもの
2−4
オルソケラトロジー(コンタクトレンズによ
る屈折矯正術)による矯正
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査に当たっては、自覚症状、既往歴等につ
いて十分に問診すること。
備
考
・疾患に基づく表現を整理
・腫瘍の参照規定
・削除(他の項目に包含)
・斜視は10−4両眼視機能に移動
・オルソケラトロジーによる矯正は
不適合であることを明記
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査にあたっては、自覚症状について問診す
ること。
- 77 -
改
正
初回の航空身体検査は、細隙灯顕微鏡を用い
て検討を行うこと。初回以降は、必要に応じて
細隙灯顕微鏡を実施すること。
3−2
4.評価上の注意
4−1
円錐角膜について、眼鏡で十分な視機能が得
られる場合は、適合とする。
4−2
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるもの
については、1.一般1−3.腫瘍の項を参照
すること。
5.備
5−1
考
屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術
後6ヶ月以上を経過し症状が安定し、視機能が
基準を満たしている者が、国土交通大臣の判定
を受けようとする場合は、手術記録を含む臨床
現
行
備
考
3−2 検査は細隙灯顕微鏡を用いること。ただし、 ・初回及び必要時に細隙灯顕微鏡に
斜照法で代用してもよい。
よる検査(斜照法は現在実施されて
いない。)
4.評価上の注意
4−1 睫毛乱生、眼瞼内反、眼瞼外反、眼瞼下垂又
は眼瞼痙攣等で視機能に支障を来すものは、不
適合とする。
4−2 眼瞼腫瘍について、無症状で進行しない良性
の小腫瘍は、適合とする。
4−3 涙腺及び唾液腺の萎縮による乾性角結膜炎又
はシェグレン症候群は、不適合とする。
4−4 円錐角膜の疑いがある場合は、専門医の診断
により視機能を確認すること。
4−5 角膜血管新生が認められた場合は、専門医の
診断により視機能を確認すること。
4−6 眼又は眼窩の腫瘍については、良性腫瘍で視
機能に支障がない場合は、適合とする。
4−7 潜伏斜視(斜位)については、両眼視機能( 各
種ステレオテストを含む。)が正常であり、眼位
が内斜位6プリズムジオプトリー以下、外斜位
8プリズムジオプトリー以下又は上斜位が1プ
リズムジオプトリー以下である場合は適合とす
る。
4−8 外眼筋麻痺等による眼球運動に異常を認めた
場合には、10−6眼球運動に準ずること。
・削除(2−1の表現に包含)
・円錐角膜についてコンタクトレン
ズのみで矯正可は不適合(予備眼鏡
の要件上)
・腫瘍の参照規定
・視機能の項に包含(潜伏斜視(斜
位)については、両眼視機能が正常
であれば適合とする)
5.備 考
[第2種]
* 屈折矯正手術の既往歴について、
屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術後 第1種も大臣判定申請を可とする
6ヶ月以上を経過し症状が安定し、視力が基準を
満たした者が国土交通大臣の判定を受けようとす
る場合は、手術方法の他、以下の検査結果を付し
- 78 -
改
正
経過のほか、以下の検査結果を付して申請する
こと。
(1) 視力の日内変動(同日3回以上の測定
結果)
(2) コントラスト感度
(3) グレアテスト
(4) 角膜形状解析
現
行
(2)
(3)
(4)
グレア・テスト
角膜形状解析
コントラスト感度域値
上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、症状が進行しないと認め
られるものについては、国土交通大臣の指示に
より、以後指定医で適合とすることを許可され
る。
2.不適合状態
2−1 閉塞隅角緑内障
2−2 開放隅角緑内障
2−3 正常眼圧緑内障
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼圧の測定は、初回の航空身体検査時、40
歳に達した後の最初の航空身体検査時、その後
は前回の検査から1年に1回の間隔で実施する
こと。ただし、眼圧の上昇を認めるもの、緑内
障の疑いのあるもの等、必要に応じて上記以外
の検査時にも眼圧測定を実施すること。
考
て申請すること。
(1) 視力の日内変動
5−2
9−2 緑内障
1.身体検査基準
緑内障がないこと。
備
・ケースクローズ指示について規定
9−2 緑内障
1.身体検査基準
緑内障がないこと。
2.不適合状態
2−1 緑内障(閉塞隅角又は開放隅角緑内障)
・正常眼圧緑内障を明記
2−2 高眼圧症
・高眼圧のみで不適合にならない
2−3 眼圧の上昇を認めないが視野又は視神経乳頭 ・正常眼圧緑内障に包含
所見に緑内障性変化のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
・3−3から移動・修正
- 79 -
改
正
3−2
眼圧の測定は、アプラネーション・トノメー
ター(圧平眼圧計)又はノンコンタクト型眼圧
計を用いること。
3−3 眼圧22mmHg以上については、慎重に検討を
行うこと。
現
行
備
考
3−1
アプラネーション・トノメーター(圧平眼圧
計)を用いること。ただし、シェッツ、その他
の眼圧計で代用してもよい。
3−2 眼圧の上昇とは、22mmHg以上とする。
・表現の見直し
3−3
眼圧の測定は、初回及び40歳以降は年1回
航空身体検査時に実施すること。ただし、緑内
障の疑いがある場合は眼圧測定を行うこと。
4.評価上の注意
4−1 自覚症状、眼圧、視神経乳頭及び視野所見に
ついて、緑内障を疑う場合は、眼科医の診断に
より確認すること。高眼圧症のみで、緑内障と
診断されない場合は、適合とする。
4−2 ぶどう膜炎、水晶体疾患又は眼外傷等の既往
歴のある場合には、眼圧の上昇が認められるこ
とがあるため、注意すること。
4−3 閉塞隅角緑内障の発作の危険性が疑われる場
合は、十分に検討を行うこと。
4.評価上の注意
4−1 眼圧が上昇している場合は、自覚症状、視野 ・評価上の注意の見直し
所見及び眼底所見について専門医の診断により
確認すること。
5.備 考
5−1 緑内障の治療中の者又は緑内障の治療歴のあ
る者が、国土交通大臣の判定を受けようとする
場合は、治療内容を含む臨床経過(眼圧、視野
検査を含む。)等を付して申請すること。
5.備
5−2
上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
4−2
ぶどう膜炎、水晶体疾患又は眼外傷等の既往
歴のある場合には、眼圧の上昇が認められるこ
とがあるため、注意すること。
・閉塞隅角緑内障に係る注意を追加
考
緑内障治療薬の点眼又は緑内障により手術療法(レ ・大臣判定申請に係る表現の見直し
ーザー治療も含む。)を受けた者が国土交通大臣の判
定を受けようとする場合は、緑内障治療薬の種類及
びその使用法、手術療法の詳細並びに臨床経過(眼
圧、視野検査を含む。)等を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
- 80 -
改
正
9−3 中間透光体、眼底及び視路
1.身体検査基準
中間透光体、眼底又は視路に航空業務に支障を来
すおそれのある障害がないこと。
2.不適合状態
2−1 水晶体疾患(白内障を含む。)
2−2 ぶどう膜炎(虹彩炎及び毛様体炎を含む。)
2−3 網脈絡膜疾患
2−4 糖尿病網膜症
2−5
視神経疾患
現
行
備
考
9−3 中間透光体、眼底及び視路
1.身体検査基準
中間透光体、眼底又は視路に航空業務に支障を来 ・表現の見直し(他の基準との整合
す障害がないこと。
性)
2.不適合状態
2−1 ぶどう膜炎(虹彩炎及び毛様体炎を含む。)
2−2 水晶体偏位、白内障又は無水晶体眼
2−3 網膜剥離
・不適合状態の見直し
・糖尿病網膜症を追加
2−4
2−5
2−6
網膜色素変性症又は無色素性網膜変性症
視神経乳頭の浮腫、萎縮又は視神経症(炎)
眼内異物
・削除
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査に当たっては、自覚症状について問診す
ること。
3−2 中間透光体の検査については、初回の航空身
体検査は、細隙灯顕微鏡を用いて検討を行うこ
と。初回以降は、必要に応じて、細隙灯顕微鏡
検査を実施すること。
3−3 眼底検査は、直像検眼鏡又は倒像検眼鏡等に
よること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査に当たっては、自覚症状について問診す
ること。
3−2 中間透光体の検査は、細隙灯顕微鏡によるこ ・初回及び必要時に細隙灯顕微鏡に
と。ただし、斜照法で代用してもよい。
よる検査(斜照法は現在実施されて
いない。)
4.評価上の注意
4.評価上の注意
4−1 ぶどう膜炎の既往歴がある場合は、再発に注
意するとともに眼圧に異常のないことを確認す
ること。
4−2 白内障について、視機能に支障のない場合は
、適合とする。
4−1
白内障について、視機能が基準を満たす場合
は、適合とする。
4−2 術後後発白内障に対して、レーザー等による
治療を行った場合で、視機能が基準を満たす場
合は、適合とする。
3−3 眼底検査は、直像検眼鏡又は倒像検査法等に
よること。
・術後後発白内障に係る評価を追加
- 81 -
改
正
ぶどう膜炎の既往歴がある場合は、再発に注
意するとともに眼圧に異常のないことを確認す
ること。治療の必要がなく、視機能が基準を満
たす場合は、適合とする。
4−4 眼底検査は、網膜所見(出血、白斑等)及び
視神経乳頭について慎重に検査すること。
4−5 網膜剥離については、治療により所見が安定
し、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。
4−6 糖尿病網膜症については、単純網膜症で視機
能が基準を満たす場合は、適合とする。
現
行
備
考
4−3
5.備 考
5−1 白内障術後の者であって眼内レンズ(人工水
晶体)又はコンタクトレンズにより視機能が基
準を満たし、手術後3ヶ月以上の観察期間を経
て経過良好であると認められる者が、国土交通
大臣の判定を受けようとする場合は、臨床経過
の所見、手術記録やその他の治療内容を含む臨
床経過、両眼視機能検査等の検査結果を付して
申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
4−3 眼底検査は、網膜所見(出血、白斑等)及び
視神経乳頭について慎重に検査すること。
・網膜剥離に係る評価を追加
4−4
網膜症(炎)及び網脈絡膜症(炎)について ・糖尿病網膜症に係る評価を追加
は、視機能を妨げるもの又は治療を必要とする
ものは、不適合とする。
4−5 視神経症(炎)は、視力障害、色覚異常を来
すので乳頭所見に疑いがある場合は、専門医の
診断により確認すること。
5.備
考
無水晶体眼の者であって眼内レンズ(人工水晶体)
又はコンタクトレンズにより視機能が回復し、手術
後3ヶ月以上にわたり機能が良好であると認められ
る者が国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、
臨床経過の所見、手術方法及び両眼視機能検査の結
果等を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
- 82 -
改
正
現
行
備
考
10. 視機能
10. 視機能
10−1 遠見視力
10−1 遠距離視力
・用語の変更
1.身体検査基準
1.身体検査基準
[第1種]
[第1種]
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基
準については、航空業務を行うに当たり、常用眼
準については、航空業務を行うに当たり、常用眼
鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡を
鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡を
いう。)を使用し、かつ、予備の眼鏡を携帯する
いう。)を使用し、かつ、予備の眼鏡を携帯するこ
ことを航空身体検査証明に付す条件とする者に限
とを航空身体検査証明に付す条件とする者に限る
る。
。
イ.各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0
イ.各眼が裸眼で1.0以上の遠距離視力を有 * 近見及び中距離視力 における矯正
以上の遠見視力を有すること。
すること。
を考慮し、第1種の遠見視力基準を
ロ.各眼について、各レンズの屈折度が(±)
ロ.各眼について、各レンズの屈折度が(±) 変更(ICAO 標準と同一)
8ジオプトリーを超えない範囲の常用眼鏡に
6ジオブトリーを超えない範囲の常用眼鏡に ・第 1 種の屈折度に係る基準の変更
より0.7以上、かつ、両眼で1.0以上に
より1.0以上に矯正することができること
矯正することができること。
。
[第2種]
[第2種]
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基
準については、航空業務を行うに当たり、常用眼
準については、航空業務を行うに当たり、常用眼
鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡を
鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡を
いう。)を使用し、かつ、予備の眼鏡を携帯する
いう。)を使用し、かつ、予備の眼鏡を携帯するこ
ことを航空身体検査証明に付す条件とする者に限
とを航空身体検査証明に付す条件とする者に限る
る。
。
イ.各眼が裸眼で0.7以上の遠見視力を有す
イ.各眼が裸眼で0.7以上の遠距離視力を有
ること。
すること。
ロ. 各眼について、各レンズの屈折度が(±)
ロ. 各眼について、各レンズの屈折度が(±)
8ジオプトリーを超えない範囲の常用眼鏡に
8ジオブトリーを超えない範囲の常用眼鏡に
より0.7以上に矯正することができること。
より0.7以上に矯正することができること。
2.不適合状態
2−1 上記基準を満たさないもの
2−2 オルソケラトロジー(コンタクトレンズによ
る屈折矯正術)による矯正
2.不適合状態
・不適合状態の明確化
- 83 -
2−3
改
正
屈折矯正手術の既往歴のあるもの
現
行
備
考
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 視力表輝度は、80∼300cd/㎡とするこ
と。
3−2 室内照度は、50ルックス以上とすること。
ただし、回転式単独視標等で光源を用いる検
査機器を使用 する場合は、室内照度が視力
表輝度を上回らないようにすること。
3−3 測定距離は、5メートルとすること。
3−4 視標はランドルト環を用いること。回転式で
単独視標のものがよい。
3−5 視力判定基準は、5個以上の指標に対してそ
の正答率が60%以上であることとする。
3−6 常用眼鏡としてコンタクトレンズを使用して
もよいが、コンタクトレンズを使用する者に対
しては、コンタクトレンズを使用した状態で遠
見視力基準に適合することを確認すること。な
お、初めてコンタクトレンズを使用する場合は、
1ヶ月以上の順応期間をおくこと。
3−7 常用眼鏡のレンズの屈折度は、等価球面度数
により算出すること。コンタクトレンズを使用
する者については、予備眼鏡で屈折度を算出し
てもよい。
4.評価上の注意
オルソケラトロジー又は屈折矯正手術の既往歴の
ある者については、9.眼、9−1外眼部及び眼球
附属器を参照のこと。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 視力表輝度は、500±150ラドルックス ・ISO 規格に準拠
とすること。
3−2 室内照度は、50ルックス以上とすること。
ただし、回転式単独視標等で光源を用いる検
査機器を使用 する場合は、室内照度が視力表
輝度を上回らないようにすること。
3−3 測定距離は、5メートルとすること。
3−4 視標はランドルト環を用いること。回転式で
単独視標のものがよい。
3−5 視力判定基準は、5個以上の指標に対してそ
の正答率が60%以上であることとする。
3−6 常用眼鏡のレンズの屈折度は、等価球面度数 ・コンタクトレンズについて規定
により算出すること。
3−7 初めてコンタクトレンズを使用する場合は、
1ヶ月以上の順応期間をおくこと。
3−8 コンタクトレンズを使用している場合は、検
査を受ける前日からはずさせておくこと。
3−9 矯正眼鏡を使用している場合、視力測定時に
裸眼及び矯正視力のいずれについても測定する
こと。
5.備
5.備
考
常用眼鏡を必要とする場合、常用眼鏡を使用した
状態で中距離視力基準及び近見視力基準に適合する
ものでなくてはならない。コンタクトレンズを使用
4.評価上の注意
・評価上の注意の追加
考
常用眼鏡を必要とする場合、常用眼鏡を使用した
状態で中距離視力基準及び近距離視力基準に適合す
るものでなくてはならない。ただし、二重焦点型の
- 84 -
改
正
する場合も、同様とする。ただし、多重焦点型のコ
ンタクトレンズを使用してはならない。また、色つ
きのコンタクトレンズを使用してはならない。
10−2 中距離視力
1.身体検査基準
[第1種]
裸眼又は自己の矯正眼鏡の使用により各眼が8
0cmの視距離で、近見視力表(30cm視力用)に
より0.2以上の視標を判読できること。
現
行
コンタクトレンズを使用はしてはならない。
備
考
10−2 中距離視力
1.身体検査基準
[第1種]
裸眼又は自己の矯正眼鏡の使用により各眼が8
0cmの視距離で、近距離視力表(30cm視力用)
により0.2以上の視標を判読できること。
2.不適合状態
2.不適合状態
3.検査方法及び検査上の注意
[第1種]
3−1 検査条件は遠見視力の場合に準じる。
3−2 視力判定基準は、5個以上の視標に対してそ
の正答率が60%以上であることとする。
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 常用眼鏡を使用しない者で、中距離視力基準
について矯正眼鏡を必要とする者については、
矯正眼鏡及びその予備眼鏡を携帯することを航
空身体検査証明書に付す条件とすること。
5−2 矯正眼鏡を必要とする場合、矯正眼鏡を使用
した状態で遠見視力基準に適合するものでなけ
ればならない。なお、矯正眼鏡はルックオーバ
ー型、二重焦点レンズ、三重焦点レンズ又は累
進屈折力レンズ等とする。跳ね上げ式眼鏡も使
用してよいが、矯正眼鏡を跳ね上げた状態で遠
見視力基準に適合するものでなければならな
い。
5.備 考
5−1 常用眼鏡を使用しない者で、中距離視力基準
について矯正眼鏡を必要とする者については、
矯正眼鏡を携帯することを航空身体検査証明書
に付す条件とすること。
5−2 矯正眼鏡を必要とする場合、矯正眼鏡を使用
した状態で遠距離視力基準に適合するものでな
ければならない。なお、矯正眼鏡はルックオー
バー型、二重焦点レンズ、三重焦点レンズ又は
累進屈折力レンズ等とする。
3−1 検査条件は遠距離視力の場合に準じる。
3−2 視力判定基準は、視標の正答率が60%以上
であることとする。
- 85 -
* 中距離及び近見用の矯正眼鏡を携
帯する際には、その予備眼鏡も必要
とする( ICAO 第6附属書「航空機
の運航」の規定に基づく)
*跳ね上げ式眼鏡も使用可とする
改
正
10−3 近見視力
1.身体検査基準
裸眼又は自己の矯正眼鏡の使用により各眼が30
cmから50cmまでの間の任意の視距離で近見視力表
(30cm視力用)の0.5以上の視標を判読できる
こと。
現
行
備
10−3 近距離視力
・用語の変更
1.身体検査基準
裸眼又は自己の矯正眼鏡の使用により各眼が30
cmから50cmまでの間の任意の視距離で近距離視力
表(30cm視力用)の0.5以上の視標を判読でき
ること。
2.不適合状態
2.不適合状態
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査条件は遠見視力の場合に準じる。
3−2 視力判定基準は、5個以上の視標に対してそ
の正答率が60%以上であることとする。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査条件は遠距離視力の場合に準じる。
3−2 視力判定基準は、視標の正答率が60%以上
であることとする。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 常用眼鏡を使用しない者で、近見視力基準に
ついて矯正眼鏡を必要とする者については、矯
正眼鏡及びその予備眼鏡を携帯することを航空
身体検査証明書に付す条件とすること。
5−2 矯正眼鏡を必要とする場合、矯正眼鏡を使用
した状態で遠見視力基準に適合するものでなけ
ればならない。なお、矯正眼鏡はルックオーバ
ー型、二重焦点レンズ、三重焦点レンズ又は累
進屈折力レンズ等とする。跳ね上げ式眼鏡も使
用してよいが、矯正眼鏡を跳ね上げた状態で遠
見視力基準に適合するものでなければならな
い。
5.備 考
5−1 常用眼鏡を使用しない者で、近距離視力基準
について矯正眼鏡を必要とする者については、
矯正眼鏡を携帯することを航空身体検査証明書
に付す条件とすること。
5−2 矯正眼鏡を必要とする場合、矯正眼鏡を使用
した状態で遠距離視力基準に適合するものでな
ければならない。なお、矯正眼鏡はルックオー
バー型、二重焦点レンズ、三重焦点レンズ又は
累進屈折力レンズ等とする。
- 86 -
考
* 中距離及び近見用の矯正眼鏡を携
帯する際には、その予備眼鏡も必要
とする( ICAO 第6附属書「航空機
の運航」の規定に基づく)
*跳ね上げ式眼鏡も使用可とする
改
正
10−4 両眼視機能
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある両眼視機能の
異常がないこと。
2.不適合状態
2−1 斜視
[第1種]
2−2 不同視を呈するもの
2−3 輻湊・開散運動に異常が認められるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼位検査はプリズムを用いた交代遮蔽検査法
によること。なお、マドックス杆検査法又はこ
れに準じる検査法を用いてもよい。
第2種については、初回の航空身体検査時に
行うこと。
[第1種]
3−2 左右眼の屈折度に2ジオプトリー以上の差異
があるものを、不同視とすること。
3−3
輻湊検査は視標が2つに見える点又は両眼視
線の開散する点を取ってもよい。簡便な方法と
して、ペンライト等を被検者の鼻根部に接近さ
せ、それが2つに見える点、又は開散する点を
もって輻湊近点とする。その点と外眼角との距
現
行
10−4 両眼視機能
1.身体検査基準
[第1種] 正常な両眼視機能を有すること。
2.不適合状態
2−1 斜位については、内斜位が6プリズムジオプ
トリーを超えるもの、外斜位が8プリズムジオ
プトリーを超えるもの又は上斜位が1プリズム
ジオプトリーを超える眼位異常を呈するもの
2−2 不同視を呈するもの
2−3 輻湊開散運動に異常が認められるもの
備
考
・航空業務の観点からの基準に変更
・第2種も第1種と同一とする
* 斜位のみでは不適合とせず、斜視
を不適合とする
・斜視は9−1外眼部及び眼球附属
器から移動
・不同視及び輻湊・開散運動に係る
規定は第1種のみ適用
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼位検査はプリズムを用いた交代遮蔽検査法
によること。
なお、マドックス杆検査法又はこれに準じる
検査法を用いてもよい。
・第2種の眼位検査は初回のみとす
る
3−2
左右眼の屈折度に2ジオプトリー以上の差異
があるものは、不同視として深視力を確認する
こと。
3−3 次の場合は正常とする。
・4.評価上の注意に移動
二杆法の場合は、5回平均値が30mm以内
のもの
三杆法の場合は、5回平均値が20mm以内
のもの
3−4 輻湊検査は視標が2つに見える点又は両眼視
線の開散する点を取ってもよい。簡便な方法と
して、ペンライト等を被検者の鼻根部に接近さ
せ、それが2つに見える点、又は開散する点を
もって輻湊近点とする。その点と外眼角との距
- 87 -
改
正
離を計測し100mm以下を正常とする。
現
行
離を計測し100mm以下を正常とする。
備
考
4.評価上の注意
4−1 上記2.の不適合状態の疑いがある場合は、
眼科医の診断により確認すること。
4−2 不同視を呈するものについて、深視力が正常
である場合は、適合とする。深視力検査の正常
範囲は、次のとおりとする。
二杆法の場合は、5回平均値が30mm以内
のもの
三杆法の場合は、5回平均値が20mm以内
のもの
4.評価上の注意
・評価上の注意の見直し
4−1 眼位異常又は不同視の疑いがある場合は、専
門医の診断により確認すること。
4−2 上記2−2については、深視力が正常である
場合は、適合とする。
4−3 両眼視機能の低下は、眼精疲労を招き、判断
力の低下等を来すので、大型弱視鏡等による検
査を行い慎重に判断すること。
5.備 考
[第1種]
上記2.不適合状態の者が、国土交通大臣の判定
を受けようとする場合には、視力、屈折度、眼位、
輻湊近点、両眼視機能検査(プリズムテスト、大型
弱視鏡、深視力等)の成績を付して申請すること。
5.備
10−5 視 野
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある視野の異常が
ないこと。
2.不適合状態
2−1 視野検査最大イソプタ(V/4)において、
正常視野から半径方向に15°以上の狭窄を認
めるもの
2−2 視野検査Ⅰ/4において、暗点を示すもの
考
上記2.の不適合状態の者が、国土交通大臣の判
定を受けようとする場合には、視力、屈折度、各種
ステレオテスト、深視力及び融像幅等の成績を付し
て申請すること。
10−5 視 野
1.身体検査基準
正常な視野を有すること。
・航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
2−1 耳側に狭窄又は沈下を示すもの
2−2 耳側を除く各方向に円周方向45°以上×半 * 検査方法の観点から不適合状態の
径方向15°以上の狭窄を示すもの
緩和
2−3 鼻側に狭窄及び沈下を示すもの
2−4 傍中心暗点(Bjerrum暗点等)又は輪状暗点を
示すもの
- 88 -
改
正
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査方法は、動的量的視野計(ゴールドマン
視野計)により、V/4及びⅠ/4のイソプタに
ついて、少なくとも15°毎に測定を行うこと。
3−2 正常視野は、最大イソプタが次に示す範囲以
上とする。
上方60°、外上方75°、外方95°、
外下方80°、下方70°、内下方60°、
内方60°及び内上方60°
現
行
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 検査は、量的視野計によること。
備
考
* 視野検査は原則としてゴールドマ
ン視野計とする
3−2 正常視野は、最大イソプターが次に示す範囲
以上とする。
上方60°、外上方75°、外方95°、
外下方80°、下方70°、内下方60°、
内方60°及び内上方60°
3−3 耳側とは、上記方向の外上方、外方及び外下
方をいう。鼻側とは、上記方向の内上方、内方
及び内下方をいう。
3−3
ゴールドマン視野計が利用できない場合には
、周辺視野を確認することができる自動視野計
等の量的視野計を用いること。その結果、感度
低下所見が疑われる場合は、5.備考に従って、
国土交通大臣の判定を受けること。
・ゴールドマン視野計が利用できな
い場合の検査上の注意
4.評価上の注意
視野異常が疑われる場合には、眼科医の診断を受
けること。
4.評価上の注意
4−1 上方、内上方、内方、内下方又は下方の片側
視野に最大イソプターの小範囲(円周方向45°
未満×半径方向15°未満)の狭窄がある場合
であっても、進行性がなく他に異常所見がない
ときは、適合とする。
4−2 内部イソプターの沈下は、初期の視路障害が
疑われるため専門医の診断によって確認するこ
と。
5.備 考
5−1 上記2.の不適合状態の者が、国土交通大臣
の判定を受けようとする場合、視野検査(少な
くとも5本のイソプタで測定すること。)結果
、過去2年分の視野検査結果、眼圧、眼底所見
5.備
考
・大臣判定申請に係る規定を追加
- 89 -
改
正
、自覚症状、臨床所見等を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
10−6 眼球運動
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある眼球運動の異
常がないこと。
現
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
10−6 眼球運動
1.身体検査基準
眼球運動が正常であり、かつ、眼振がないこと。
・航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
2−1 複視
2−2 病的眼振
2−3 その他眼球運動に異常のあるもの。
2.不適合状態
2−1 正面視及び正面視以外についても病的眼振が ・表現の見直し
あるもの
2−2 複視を呈するもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼球運動検査は、視診により8方向(内、外、
上、下、斜上内、斜上外、斜下内、斜下外)に
ついて行うこと。
3−2 上記検査法で異常が認められた場合は、下記
の検査のいずれかを実施すること。
(1)複像検査
(2)注視野検査
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼球運動検査及び眼振検査は、視診により6 ・眼振検査は11.耳鼻咽喉に規定
方向(内、外、斜上内、斜上外、斜下内、斜下
外)について行うこと。
3−2 上記検査法で異常が認められた場合は、下記
の検査のいずれかを実施すること。
(1)複像検査
(2)注視野検査
4.評価上の注意
4−1 3−2の結果複視が認められず、かつ、視認
可能範囲について、各方向(8方向)が45°
以上ある場合は、適合とする。
4.評価上の注意
4−1 3−2の結果複視が認められず、かつ、視認
可能範囲について、各方向(8方向)が45°
以上ある場合は、適合とする。
4−2 眼球運動に異常がある場合は、専門医の診断
により確認すること。
- 90 -
改
正
4−2
眼振が疑われる場合は、11.耳鼻咽喉11
−2平衡機能を参照すること。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者が、国土交通大臣の
判定を受けようとする場合は、視機能検査結果
及び複像検査等の成績(ヘスチャート等)を付
して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
10−7 色 覚
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある色覚の異常が
ないこと。
現
行
4−3 必要に応じて、両眼視機能の精密検査を実施
すること。
4−4 眼振の疑いがある場合は、専門医による精密
検査を実施すること。
備
考
5.備
考
眼球運動に異常のある者が国土交通大臣の判定を
受けようとする場合は、複像検査成績を付して申請
すること。
・ケースクローズ指示について規定
10−7 色 覚
1.身体検査基準
色覚が正常であること。
*航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
石原色覚検査表で正常範囲と認められないもの
2.不適合状態
2−1 第1色覚異常
2−2 第2色覚異常
2−3 後天色覚異常
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 色覚検査は、石原色覚検査表(学校用色覚異
常検査表を除く。)を用い、原則として初回の
航空身体検査時に行うこと。
3−2 色覚検査表は、変色又は褪色していないもの
を用いること。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 色覚検査は、石原式色覚検査表(国際版38 ・国際版38表以外も可とする
表)を用い、原則として初回航空身体検査時に
のみ行うこと。
3−2 色覚検査表は、変色又は褪色していないもの
を用いること。
- 91 -
* 疾患名ではなく、検査方法の観点
から規定
改
正
検査時の照明は、自然光又はそれに準じた人
工光線を用いること。
3−4 後天色覚異常の有無に注意すること。
3−3
現
行
3−3 検査時の照明は、自然光又はそれに準じた人
工光線を用いること。
3−4 後天色覚異常の有無に注意すること。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者が、国土交通大臣の
判定を受けようとする場合は、パネルD−15
検査結果を付して申請すること。
5.備
考
色覚検査表による検査で異常のある者が、国土交
通大臣の判定を受けようとする場合は、パネルD−
15及びアノマロスコープを用いた検査の結果を付
して申請すること。
5−2
上記5−1の者のうち、航空業務に支障を来
すおそれがなく、病態等が進行しないと認めら
れるものについては、国土交通大臣の指示によ
り、以後指定医で適合とすることを許可される。
- 92 -
備
考
・大臣判定申請時の提出資料の変更
(慎重な判断が必要な場合には改め
てアノマロスコープによる検査結果
の提出を求める)
・ケースクローズ指示について規定
改
正
11. 耳鼻咽喉
11−1 内耳、中耳及び外耳
1.身体検査基準
内耳、中耳(乳様突起を含む 。)又は外耳に航空
業務に支障を来すおそれのある疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 内耳、中耳及び外耳
(1)
(2)
真珠腫性中耳炎
メニエール病
(3)
(4)
(5)
(6)
突発性難聴
外リンパ瘻(内耳窓破裂)
良性発作性頭位めまい症
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いの
あるもの
(7) 航空業務に支障を来すおそれのある
炎症性疾患
現
行
備
考
11. 耳鼻咽喉
11−1 内耳、中耳及び外耳
1.身体検査基準
内耳、中耳(乳様突起を含む。)又は外耳の重大な ・航空業務の観点からの基準に変更
疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 内耳及び中耳
(1) 慢性中耳炎急性増悪
(2) 真珠腫性中耳炎
(3) メニエル病
(4) 内耳の障害に起因する眩暈症
(5) 進行性感音難聴
(6) 突発難聴
(7) 外リンパ瘻(内耳窓破裂)
2−2
2−2
その他
(1)
聴神経腫瘍及びその他の小脳橋角部
腫瘍
(2) 前庭神経炎
2−3
外 耳
(1)
中等度以上の伝音性難聴、著しい耳
痛及び耳漏等航空業務に支障を来すも
の
(2) 重症外耳炎、耳節又は強度の慢性若
しくは急性外耳道湿疹
その他
(1) 聴神経腫瘍
(2)
- 93 -
前庭神経炎
・疾患名等の整理
改
正
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 内耳及び中耳の疾患については、眩暈を生じ
る場合があるので既往歴等について慎重に確認
すること。
3−2 必要に応じて耳鼻咽喉科医の診断により確認
すること。
3−3 メニエール病、良性発作性頭位めまい症及び
前庭神経炎については、11.耳鼻咽喉11−
2平衡機能障害も参照のこと。
現
行
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 内耳及び中耳の疾患については、眩暈を生じ
る場合があるので既往歴等について慎重に確認
すること。
3−2 必要に応じて専門医の診断により確認するこ
と。
4.評価上の注意
4−1 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いがある者に
ついては、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−2 突発性難聴については、平衡機能に異常がな
く聴力基準を満たす時は、適合とする。
4−3 良性発作性頭位めまい症については、単回の
発作で自覚症状が消失し、眼振検査、平衡機能
検査で異常を認めないことが確認されれば、適
合とする。
[第1種]
4−4 上記2−1の疾患が臨床的に治癒している場
合であっても、あぶみ骨手術の既往があるとき
は不適合とする。
ただし、その手術法が小開窓あぶみ骨切除手術
(small fenestra stapedectomy)であり、手
術後6ヶ月以上を経過し平衡機能に異常がなく
聴力基準を満たすときは、適合とする。
4.評価上の注意
備
考
・めまいを来す疾患について、平衡
機能障害を参照
・腫瘍の参照規定
・評価上の注意を追加
4−1
第1種航空身体検査証明は、上記2−1の疾 ・表現の見直し
患が臨床的に治癒している場合であっても、次
の手術歴があるときは不適合とする。
(1) あぶみ骨手術(4−2に該当する場合
を除く。)
(2) 迷路開窓術
4−2 あぶみ骨手術の既往歴がある場合については、
その手術法が小開窓あぶみ骨切除手術(small f
enestra stapedectomy)であり、手術後6ヶ月
以上を経過し平衡機能に異常がなく聴力基準を
満たすときは、適合とする。
- 94 -
改
正
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者で、経過良好である
者が国土交通大臣の判定を受けようとする場合
は、臨床経過、聴力検査、平衡機能検査の結果
等を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
11−2 平衡機能
1.身体検査基準
平衡機能障害がないこと。
現
5.備
行
備
・ケースクローズ指示について規定
11−2 平衡機能
1.身体検査基準
平衡機能障害がないこと。
2.不適合状態
2−1 めまい症及びその既往歴のあるもの
2−2 内耳及び中枢に起因する平衡機能障害及びそ
の既往歴のあるもの
2−3 動揺病
2−4 病的眼振
2.不適合状態
2−1 眩暈症
2−2 内耳及び中枢に起因する平衡機能障害
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 眼振検査は、視診により正中と4方向(右、
左、上、下)について行うこと。
3.検査方法及び検査上の注意
眼振検査を主体とし、偏倚検査を補助的に行う。 ・検査方法の見直し
偏倚検査は、次の3−2から3−5までに掲げる
もののうちから必要に応じて実施する。
3−1 自発眼振及び頭位眼振検査
3−2
自発眼振及び頭位眼振検査
3−1の視診において眼振が疑われた場合
に行う。
[実施方法] 自発・注視眼振検査及びフレ
ンツェル眼鏡下で頭位眼振検査
を行う。
考
考
2−3
動揺病
*眼振を11.耳鼻咽喉に規定
[実施方法] 自発・注視眼振検査及び頭位
眼振検査を行う。
- 95 -
改
正
[判定基準] 眼振が認められる場合は、不
適合とする。
3−3 平衡機能障害が疑われる場合には、付録1−
−2に掲げる検査のうちから必要に応じて行
い、評価すること。
現
行
備
考
[判定基準] 眼振が認められる場合は、不
適合とする。
3−2 歩行検査
・付録1−2に移動(平衡機能障害
[実施方法] 閉眼して6mの距離を前進させ、 が疑われる場合に実施する検査)
真すぐに歩行した場合に到着すべ
き点と、実際に到着した点との左
右への偏りを測定する。
[判定基準] 前進で1m以上左右への偏倚が
ある場合は、不適合とする。
3−3 足踏検査
[実施方法] 半径0.5m及び1mの2個の
同心円の中心に両足を揃え起立
させ、遮眼のうえ両上肢を前方
に伸ばし、100歩の足踏みを
させる。足踏み中の動揺の有無、
終了時の回転角度及び移行距離
を測定する。
[判定基準] 90゜以上の回転角度、1m以
上の移行距離又は著しい動揺が
認められる場合は、不適合とす
る。
3−4 起立検査
(1)両脚直立検査
[実施方法] 開眼及び閉眼で被検者の両足
先を合わせた状態で直立させ、
30秒間身体の平衡状態を観察
する。
[判定基準] 開眼時及び閉眼時ともに身体
の動揺の少ないこと。
(2)単脚直立検査
[実施方法] 開眼及び閉眼で、片脚の「も
も」を前方にほぼ水平位まであ
げ、単脚で直立させる。30秒
- 96 -
改
正
現
行
間の身体の平衡状態を左右の下
肢について観察する。
[判定基準] 開眼時に動揺や接床を示す場
合又は閉眼時中等度以上の動揺
若しくは30秒間に3回以上の
接床を示す場合は、不適合とす
る。
(3)マンのテスト(Mann's Test)
[実施方法] 両脚を前後に(矢状面上に)
一直線上におき、1側の脚の足
先を他側の脚の踵に接して起立
させ、両脚を伸ばし、正頭位で
正面視させる。この姿勢でまず
開眼で検査し、次いで遮眼して
30秒間観察する。なお、前後
の足を交替して同様の観察を行
う。
[判定基準] 開眼時及び閉眼時ともに著明
な動揺又は転倒のないこと。
3−5 遮眼書字検査
[実施方法] 頭、躯を正面に向け、正しい
姿勢で椅子にかけさせ(躯のい
かなる部分もよりかかったり、
触れさせてはならない。)、鉛筆
を持たせ、まず、開眼のまま文
字(自分の氏名がよい。)を3
cmないし5cm平方の大きさで縦
書きさせる。次に、遮眼し、開
眼時と同じ文字を書かせる。
[判定基準] 左右10゜以上の偏書が毎回
認められる場合又は各文字に著
しい不均整が認められる場合は
- 97 -
備
考
改
3−4
正
動揺病は、平衡機能障害のあるもの及び心理
的影響によっても生ずる「空酔い」の重大なも
のを指しており、注意深く問診すること。
現
行
不適合とする。
3−6 動揺病は、平衡機能障害のあるもの及び心理
的影響によっても生ずる「空酔い」の重大なも
のを指しており、検査は問診によって行うこと。
4.評価上の注意
4−1 不適合状態が疑われる場合には、耳鼻咽喉科
医による精査を実施すること。
4−2 めまい症の既往歴のあるもの又は内耳及び中
枢に起因する平衡機能障害の既往歴のあるもの
のうち、単回の発作で基礎疾患がなく、症状が
消失して眼振検査及び平衡機能検査で異常を認
めないことが確認されれば、適合とする。
4.評価上の注意
眼振が認められた場合は、専門医による精密検査
を実施すること。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者が国土交通大臣の判
定を受けようとする場合は、眼振検査(フレン
ツェル眼鏡使用又は赤外線CCDカメラ下)、
偏寄検査(付録1−3のいずれか)、電気眼振
計による検査(ENG)結果等を付して申請す
ること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
5.備
11−3 鼓 膜
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある鼓膜の異常
がないこと。
備
考
・評価上の注意を追加
考
眼振を認められた者が国土交通大臣の判定を受け ・大臣判定申請時の提出資料の見直
ようとする場合は、平衡機能検査(電気眼振計によ し
るものを含む。)結果を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
11−3 鼓 膜
1.身体検査基準
[第1種]
* 第2種も同一とする(圧変化によ
航空業務に支障を来すおそれのある鼓膜の異常 りめまいがおきるおそれのあるもの
がないこと。
は第2種でも不適合)
- 98 -
改
正
2.不適合状態
2−1 耳漏、鼓膜発赤、耳痛等の活動性病変のある
もの
2−2 瘻孔症状のあるもの、すなわち圧変化により
めまいが起きるおそれのあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 鼓膜所見は、耳鏡により確認すること。
3−2 瘻孔症状は、外耳道を指で閉鎖し、圧をかけ
たときのめまい感や眼振の有無により確認する
こと。必要に応じて耳鼻咽喉科医の診断により
確認すること。
現
行
2.不適合状態
耳漏、鼓膜発赤、耳痛等の活動性病変のあるもの
又は瘻孔症状のあるもの
3.検査方法及び検査上の注意
耳鏡により確認すること。
・検査方法の見直し
4.評価上の注意
鼓膜に穿孔が認められた場合又は中耳換気チュー
ブを留置している場合であって、基準値を超える聴
力低下がなく、かつ、2.に記載された症状がない
ときは適合とする。
4.評価上の注意
4−1 鼓膜に穿孔が認められた場合について、基準
値を超える聴力低下がなく、かつ、乾燥してい
るときは、適合とする。
4−2 中耳換気チューブを留置している場合につい
て、耳漏及び感染がなく乾燥しているときは、
適合とする。
5.備
5.備
考
11−4 耳 管
1.身体検査基準
耳管機能障害がないこと。
2.不適合状態
2−1 耳管狭窄症
2−2 耳管開放症
備
考
11−4 耳 管
1.身体検査基準
耳管機能障害がないこと。
2.不適合状態
(1) 耳管狭窄症
(2) 耳管開放症
- 99 -
考
改
正
3.検査方法及び検査上の注意
圧変化による耳痛及び耳閉感、自声音響、呼吸音
の自覚等の耳管機能障害が疑われる症状がある場合
は、耳鼻咽喉科医の診断により確認すること。
現
行
備
考
3.検査方法及び検査上の注意
耳管機能障害の疑いがある場合は、必要に応じて ・精査は耳鼻咽喉科医の確認
気密耳鏡検査及びティンパノメトリーにより確認す
る。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
耳管機能障害について、急性症状で一時的なもの
又は中耳換気チューブを留置しているもので耳漏及
び感染がなく、乾燥している場合は、適合とする。
5.備 考
5−1 上記2.不適合状態の者が、国土交通大臣の
判定を受けようとする場合には、ティンパノメ
トリー等の検査結果を付して申請すること。
5−2 上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、病態等が進行しないと認
められるものについては、国土交通大臣の指示
により、以後指定医で適合とすることを許可さ
れる。
5.備
11−5 鼻腔、副鼻腔及び咽喉頭
1.身体検査基準
鼻腔、副鼻腔又は咽喉頭に航空業務に支障を来す
おそれのある疾患がないこと。
2.不適合状態
2−1 鼻腔、副鼻腔
(1)
(2)
(3)
高度な鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎
進行性鼻壊疽
腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのある
もの
考
耳管機能障害を認められた者が国土交通大臣の判 ・気密耳鏡検査は現在行われていな
定を受けようとする場合は、気密耳鏡検査及びティ い
ンパノメトリー結果を付して申請すること。
・ケースクローズ指示について規定
11−5 鼻腔、副鼻腔及び咽喉頭
1.身体検査基準
鼻腔、副鼻腔又は咽喉頭に重大な疾患がないこと。 ・航空業務の観点からの基準に変更
2.不適合状態
2−1 鼻腔、副鼻腔
(1) 慢性副鼻腔炎急性増悪症
(2) 反復する鼻出血
(3) アレルギー性鼻炎
(4) 進行性鼻壊疽
(5) 悪性リンパ腫
(6) ウェゲナー肉芽腫症
- 100 -
・不適合状態の見直し
改
正
(7)
航空業務に支障を来すおそれのある炎症
性疾患
2−2 咽喉頭
(1) 軟口蓋麻痺
(2) 咽頭外傷で後遺症のあるもの
(3) 喉頭狭窄
(4) 声帯麻痺
(5) 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのある
もの
現
行
鼻腔及び副鼻腔部の腫瘍
(4)
2−2 咽喉頭
(1) 軟口蓋麻痺
(2) 咽頭外傷で後遺症のあるもの
(3) 喉頭狭窄
(4) 声帯麻痺
(5) 急性増悪を反復する慢性扁桃炎
(6) 咽頭腫瘍
3.検査方法及び検査上の注意
鼻腔及び副鼻腔所見にて疾患の有無が疑わしい場
合は、画像検査等を実施して診断を確認すること。
3.検査方法及び検査上の注意
鼻腔及び副鼻腔所見にて疾患の有無が疑わしい場
合は、エックス線撮影検査、CT検査又はMRI検査を実
施して診断を確認すること。
4.評価上の注意
4−1 アレルギー性鼻炎については、1.一般1−
7アレルギー疾患を参照のこと。
4−2 上記2−2(1)から(4)について、重度
の言語障害又は構音障害がなく、音声コミュニ
ケーションが可能であり、航空業務に支障を来
すおそれのないものは、適合とする。
4−3 腫瘍又はその既往歴若しくは疑いのあるもの
については、1.一般1−3腫瘍を参照のこと。
4−4 必要に応じて、1.一般1−6リウマチ疾患、
膠原病又は免疫不全症、5.血液及び造血器系
を参照のこと。
4.評価上の注意
4−1 アレルギー性鼻炎については、外用剤により
症状が寛解する場合は、適合とする。
4−2 上記2−2(1)から(4)までについては、
音声コミュニケーションが可能であり、航空業
務に支障を来すおそれのないものは、適合とす
る。
4−3 鼻腔、副鼻腔、咽頭及び喉頭の腫瘍について
は1.一般1−3腫瘍に準ずること。
5.備
5.備
考
考
- 101 -
備
考
改
正
11−6 鼻中隔
1.身体検査基準
鼻腔の通気を著しく妨げる鼻中隔の彎曲がないこ
と。
現
行
備
考
11−6 鼻中隔
1.身体検査基準
[第1種]
*第2種も同一とする
鼻腔の通気を著しく妨げる鼻中隔の彎曲がないこ
と。
2.不適合状態
高度の鼻中隔彎曲
2.不適合状態
高度の鼻中隔彎曲
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
鼻鏡所見で鼻腔通気を著しく妨げる鼻腔形態異常
が認められるものは、不適合とする。
4.評価上の注意
鼻鏡所見で鼻腔通気を妨げる鼻腔形態異常が認め ・1.身体検査基準との整合性
られるものは、不適合とする。
5.備
5.備
考
11−7 吃、発声障害及び言語障害
1.身体検査基準
吃、発声障害又は言語障害がないこと。
考
11−7 吃、発声障害及び言語障害
1.身体検査基準
吃、発声障害又は言語障害がないこと。
2.不適合状態
吃、発声障害又は言語障害
2.不適合状態
吃、発声障害又は言語障害
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
発声障害又は構音障害により音声に異常を来し、
音声によるコミュニケーションの困難な場合は不適
合とする。
4.評価上の注意
中枢性であるか末梢性であるかを問わず、発声障
害又は構音障害により音声に異常を来し、音声によ
るコミュニケーションの困難な場合は不適合とする。
5.備
5.備
考
考
- 102 -
改
正
12.聴力
1.身体検査基準
[第1種]
暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、各耳につ
いて500、1,000及び2,000Hzの各周
波数において35dBを超える聴力低下並びに3,
000Hzの周波数において50dBを超える聴力低
下がないこと。
[第2種]
(1)計器飛行証明を有する者にあっては、暗騒
音が50dB(A)未満の部屋で、各耳につい
て500、1,000及び2,000Hzの各
周波数において35dBを超える聴力低下並び
に3,000Hzの周波数において50dBを超
える聴力低下がないこと。
(2)(1)に掲げる者以外の者にあっては、次
のいずれかに該当すること。
イ. 暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、
各耳について500、1,000及び2,
000Hzの各周波数において45dBを超
える聴力低下がないこと。これを満たさ
ない場合は、暗騒音が50dB(A)未満
の部屋で、いずれか一方の耳について5
00、1,000及び2,000Hzの各
現
行
備
考
12.聴力
1.身体検査基準
[第1種]
次のいずれかに該当すること。
イ. 暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、各
耳について500、1,000及び2,
000Hzの各周波数において35dBを超
える聴力低下並びに3,000Hzの周波
数において50dBを超える聴力低下がな
いこと。
ロ. 各耳について操縦室内の騒音を模した ・削除(航空身体検査指定機関で適
騒音の下で会話音及びビーコン信号を正 用できる環境にない)
常耳と同等に聴取することができ、かつ、
暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、後方2
mの距離から発せられた通常の強さの会話
の音声を両耳を使用して正しく聴取でき
ること。
[第2種]
* 計器飛行証明を有する者について
は、第1種と同一の基準とする(ICAO
標準に準拠)
次のいずれかに該当すること。
イ.
暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、各 ・表現の見直し(純音聴力の基準を
耳について500、1,000及び2, 統合)
000Hzの各周波数において45dBを超
える聴力低下がないこと。
ロ. いずれか一方の耳について500、1,
000及び2,000Hzの各周波数にお
いて30dBを超える聴力低下がないこと。
- 103 -
改
正
周波数において30dBを超える聴力低下
がないこと。
ロ. 暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、後
方2mの距離から発せられた通常の強さ
の会話の音声を両耳を使用して正しく聴
取できること。
2.不適合状態
現
行
備
考
ハ.
暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、後方
2mの距離から発せられた通常の強さの会
話の音声を両耳を使用して正しく聴取で
できること。
2.不適合状態
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 聴力レベルを測定するオージオメーターは
JIS T 1201-1:2000又はこれと同等の基準によ
って校正されたものを用いること。
3−2 検査室内の暗騒音の測定は、指示騒音計の指
示計器の動特性を緩(slow)として行う。
[第2種]
3−3 検査用語音としては、日本聴覚医学会が作成
した57式語表又は67式語表等を使用するこ
とが望ましい。航空関係の用語を検査用語音と
して用いてはならない。
3.検査方法及び検査上の注意
3−1 聴力レベルを測定するオージオメーターは
JIS T1201(1982)の基準によって校正されたも
のを用いること。
3−2 検査室内の暗騒音の測定は、指示騒音計の指
示計器の動特性を緩(slow)として行う。
4.評価上の注意
聴力に大きな変動が認められた場合は、再度検査
を実施し、慎重に判断すること。
4.評価上の注意
聴力に大きな変動が認められた場合は、再度検査
を実施し、慎重に判断すること。
5.備 考
5−1 上記1.の基準値を超えた聴力低下を認めら
れた者が国土交通大臣の判定を受けようとする
場合は、オージオグラム(過去2年分の検査結
果があれば、これを付すこと。)及び必要に応
じて語音聴力検査成績等を付して申請するこ
と。
5.備
・第2種基準に係る検査方法である
3−3 検査用会話音としては、日本聴覚医学会が作 ことを明記
成した57式語表又は67式語表等を使用する
ことが望ましい。航空関係の用語を検査用語音
として用いてはならない。
考
基準値を超えた聴力低下を認められた者が国土交 ・大臣判定申請時の提出資料の見直
通大臣の判定を受けようとする場合は、オージオグ し
ラム及び必要に応じて語音聴力検査成績等を付して
申請すること。
- 104 -
改
正
上記5−1の者のうち、十分な観察期間を経
て経過良好であって、聴力低下が進行しないと
認められるものについては、国土交通大臣の指
示により、以後指定医で適合とすることを許可
される。
現
5−2
- 105 -
行
備
考
・ケースクローズ指示について規定
改
正
13. 口腔及び歯牙
1.身体検査基準
口腔及び歯牙に航空業務に支障を来すおそれのあ
る疾患又は機能障害がないこと。
現
行
備
考
13. 口腔及び歯牙
1.身体検査基準
口腔及び歯牙に重大な疾患又は機能障害がないこ ・航空業務の観点からの基準に変更
と。
2.不適合状態
歯牙、上顎骨、下顎骨又は口腔周辺軟部組織の疾
患等により、疼痛を伴うもの又は航空業務により疼
痛の生じるおそれのあるもの。
2.不適合状態
歯牙、上顎骨、下顎骨又は口腔周辺軟部組織の疾
患等により、疼痛を伴うもの又は航空業務により疼
痛の生じるおそれのあるもの。
3.検査方法及び検査上の注意
必要に応じてエックス線検査により診断すること
。未治療のう歯(虫歯 )、歯根のう胞、根尖膿瘍及
び歯髄炎等は航空業務(気圧の変化)により新たな
歯痛を発生させることがあるため、すみやかに治療
を受けさせること。
3.検査方法及び検査上の注意
必要に応じてエックス線検査により診断すること
。未治療のう歯(虫歯)、歯根のう胞、根尖膿瘍及び
歯髄炎等は航空業務(気圧の変化)により新たな歯
痛を発生させることがあるため、すみやかに治療を
受けさせること。
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備
5.備
考
考
- 106 -
改
正
14. 総合
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある心身の欠陥が
ないこと。
現
行
14. 総合
1.身体検査基準
航空業務に支障を来すおそれのある心身の欠陥が
ないこと。
2.不適合状態
2.不適合状態
3.検査方法及び検査上の注意
3.検査方法及び検査上の注意
4.評価上の注意
4.評価上の注意
5.備
5.備
考
考
Ⅳ.附則
このマニュアルは、平成19年4月1日以降に行われる航
空身体検査証明申請について適用する。
- 107 -
備
考
改
正
付録
1−1 脳波測定方法
脳波測定基準
脳波計:18チャンネル脳波計(14チャンネルでも可)
電極配置:10-20法(次頁のモンタージュ参照)
TC:0.3(ただし、発汗などにより基線の動揺が著しい
場合は0.1とし、その旨を明記する。)
HF:120(緊張などによりEMGの多い場合は60とし、
その旨を明記する。)
キャリブレーション:5mm/50μV
紙送り速度:3cm/sec
現
(1)安静、開閉眼
例えば、次頁のような MP、
BP モンタージュで約20分
睡眠(Stage2 )まで
(2)光刺激(3∼4分)
3,6,8,10,12,15,18,20,21,
24,30f/s
(3)過呼吸(4分、過呼吸後、最低3分記録)
1分間20∼25回の深い換気を行わせること。
- 108 -
行
備
考
改
正
現
18チャンネル脳波計(脳波16 ch)
14 チャンネル脳波計(脳波 12ch)のときは、( )は省略
モンタージュ例(必ずしもこのとおりでなくとも良い)
MP:単極導出,同側耳朶(A1,A2 )を基準電極とする
MP(AV):平均電位基準電極(AV)を基準電極とする
BP :双極導出
- 109 -
行
備
考
改
正
現
- 110 -
行
備
考
改
正
付録
1−2 平衡機能検査
1 歩行検査
[実施方法]閉眼して 6m の距離を前進させ、真すぐに歩行し
た場合に到着すべき点と、実際に到着した点との
左右への偏りを測定する。
[判定基準]前進で 1m 以上左右への偏倚がある場合は、不適
合とする。
現
行
(11−1平衡機能検査より再掲)
備
3−2 歩行検査
[実施方法]閉眼して6 m の距離を前進させ、真すぐに歩行し
た場合に到着すべき点と、実際に到着した点との
左右への偏りを測定する。
[判定基準]前進で1 m 以上左右への偏倚がある場合は、不適
合とする。
2 足踏検査
3−3 足踏検査
[実施方法]半径 0.5m 及び 1m の 2 個の同心円の中心に両足 [実施方法]半径 0.5m 及び 1m の 2 個の同心円の中心に両足
を揃え起立させ、遮眼のうえ両上肢を前方に伸ば
を揃え起立させ、遮眼のうえ両上肢を前方に伸ば
し、50 歩の足踏みをさせる。
し、100 歩の足踏みをさせる。
・50 歩で評価可能
足踏み中の動揺の有無、終了時の回転角度及び移
足踏み中の動揺の有無、終了時の回転角度及び移
行距離を測定する。
行距離を測定する。
[判定基準]90 ゜以上の回転角度、1m 以上の移行距離又は著 [判定基準]90 ゜以上の回転角度、1m 以上の移行距離又は著
しい動揺が認められる場合は、不適合とする。
しい動揺が認められる場合は、不適合とす
る。
3 起立検査
3−4 起立検査
(1)両脚直立検査
(1)両脚直立検査
[実施方法]開眼及び閉眼で被検者の両足先を合わせた状態で [実施方法]開眼及び閉眼で被検者の両足先を合わせた状態で
直立させ、30 秒間身体の平衡状態を観察する。
直立させ、30 秒間身体の平衡状態を観察する。
[判定基準]開眼時及び閉眼時ともに身体の動揺の少ないこと。[判定基準]開眼時及び閉眼時ともに身体の動揺の少ないこと。
(2)単脚直立検査
(2)単脚直立検査
[実施方法]開眼及び閉眼で、片脚の「もも」を前方にほぼ水 [実施方法]開眼及び閉眼で、片脚の「もも」を前方にほぼ水
平位まであげ、単脚で直立させる。 30 秒間の身
平位まであげ、単脚で直立させる。30 秒間の身体
体の平衡状態を左右の下肢について観察する。
の平衡状態を左右の下肢について観察する。
[判定基準]開眼時に動揺や接床を示す場合又は閉眼時中等度 [判定基準]開眼時に動揺や接床を示す場合又は閉眼時中等度
以上の動揺若しくは 30 秒間に 3 回以上の接床を
以上の動揺若しくは 30 秒間に 3 回以上の接床を
示す場合は、不適合とする。
示す場合は、不適合とする。
(3)マンテスト(Mann Test)
(3)マンのテスト(Mann's Test)
[実施方法]両脚を前後に(矢状面上に)一直線上におき、1 [実施方法]両脚を前後に(矢状面上に)一直線上におき、1
側の脚の足先を他側の脚の踵に接して起立させ、
側の脚の足先を他側の脚の踵に接して起立させ、
- 111 -
考
改
正
現
行
両脚を伸ばし、正頭位で正面視させる。この姿勢
両脚を伸ばし、正頭位で正面視させる。この姿勢
でまず開眼で検査し、次いで遮眼して 30 秒間観
でまず開眼で検査し、次いで遮眼して 30 秒間観
察する。なお、前後の足を交替して同様の観察を
察する。なお、前後の足を交替して同様の観察を
行う。
行う。
[判定基準]開眼時及び閉眼時ともに著明な動揺又は転倒のな [判定基準]開眼時及び閉眼時ともに著明な動揺又は転倒のな
いこと。
いこと。
4 遮眼書字検査
3−5 遮眼書字検査
[実施方法]頭、躯を正面に向け、正しい姿勢で椅子にかけさ [実施方法]頭、躯を正面に向け、正しい姿勢で椅子にかけさ
せ(躯のいかなる部分もよりかかったり、触れさ
せ(躯のいかなる部分もよりかかったり、触れさ
せてはならない。)、鉛筆を持たせ、まず、開眼の
せてはならない。)、鉛筆を持たせ、まず、開眼の
まま文字(自分の氏名がよい。)を 3cm ないし 5cm
まま文字(自分の氏名がよい。)を 3cm ないし 5cm
平方の大きさで縦書きさせる。次に、遮眼し、開
平方の大きさで縦書きさせる。次に、遮眼し、開
眼時と同じ文字を書かせる。
眼時と同じ文字を書かせる。
[判定基準]左右 10 ゜以上の偏書が毎回認められる場合又は [判定基準]左右 10 ゜以上の偏書が毎回認められる場合又は
各文字に著しい不均整が認められる場合は不適合
各文字に著しい不均整が認められる場合は不適合
とする。
とする。
- 112 -
備
考
改
正
付録
1−3 無症候性脳血管障害の画像診断基準
「無症候性脳血管障害」とは、次の条件を満たすものをいう。
1)血管性の脳実質病巣による神経症候(腱反射の左右差、脳
血管性痴呆を含む)がないこと。
2)一過性脳虚血発作を含む脳卒中がないこと。
3)画像診断上( CT、MRI など)で血管性の脳実質病変(梗
塞巣、出血巣など)の存在が確認されること。
現
1.脳梗塞
[MRI]1)梗塞巣は原則として径が 3 mmを超える不整
形不均質の病変で T2 強調画像で高信号域で、T1
強調画像で低信号域のものとする。
2)のう胞化した梗塞巣では、プロトン密度強調画
像、FLAIR 法で病変中心部が低信号(髄液と同
等)で、周囲に高信号域を伴うことがある。
3)血管周囲腔の拡大の場合は、一般に T2 強調画
像が整形で均質な高信号域であり、穿通枝動脈、
髄質動静脈の走行に沿い、大脳基底核の下 1/3 に
しばしばみられ、左右対称性のことが多い。径が
3mm を超えることは少ない。プロトン密度強調
像、FLAIR 法では全体が髄液と同等の低信号域
となる。
[CT] 上記基準は原則として CT 所見にも適応できる(こ
の場合 MRI-T2 強調画像の高信号域は低信号域とな
る)が、慢性期脳出血巣との鑑別が困難なことが多い。
2.出血巣
[MRI]1)病期によって所見が異なるが、梗塞巣との鑑別
には急性期は CT がすぐれ、慢性期は MRI がす
ぐれる。
2)発症後数日間は、 T1 強調画像で高信号の枠で
囲まれた、等もしくは軽度の低信号域、T2 強調
- 113 -
行
備
考
改
正
画像で中心部低信号で周囲がやや高信号を呈す
る。
3)亜急性期では、病巣全体がいずれの場合も高信
号域となるが、中心部は等信号域となることもあ
る。
4)慢性期では不整形の病変で、中心部が T1 強調
画像で低信号、T2 強調画像で高信号となるが、T2
強調画像では、周囲に hemosiderin による低信号
の ring 状陰影がみられる。
[CT]1)急性期には限局した高吸収息として描出される。
2)血腫吸収後の慢性期には、不整形の低吸収域とな
り、梗塞巣との鑑別が、困難なことが多い。
現
3.びまん性白質病変(Leukoaraiosis)
[MRI]1)側脳室周囲に認められる、いわゆる "cap"ない
し"rim"状の T2 強調画像の高信号域は血管性の病
的変化とは認めない。
2)側脳室周囲から深部白質に進展する T2 強調画
像の不規則な高信号域のうち、その中に斑状の著
しい高信号域を認める場合や、病的分布が明らか
に非対称である場合は血管性病変の可能性が否定
できない。
[CT] 上記基準は原則として CT 所見にも適応できる(こ
の場合は MRI-T2 強調画像の高信号域は低吸収域とな
る)。
付録2
The ICD-10
Disorders
Classification
of
Mental and Behavioural
(省略)
- 114 -
行
備
考
Fly UP