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ベトナム プラスチック展 2007 -成長著しいベトナム・プラスチックの最新状況
成長著しいベトナム・プラスチックの最新状況 長谷川国際技術士事務所 長谷川 正(Tadashi Hasegawa) 「ポリマーダイジェスト」Web 版、2007 年 5 月 (1) はじめに 世界貿易機関(WTO)はジュネーブで開かれた昨年 11 月 7 日の一般理事会でベトナムの加盟 を承認し、ベトナム側の手続きを経て、2007 年 1 月 11 日に 150 番目の加盟国として正式に加盟し た。それにより米国との関係も 2 国間共通投資法・統一企業法が施行され、ベトナムの外資政策が 大きく変遷した。 日本との関係についても 2007 年末までに実施すべき 46 項目の行動計画が、日本・ベトナム双 方の合意により決定した。この行動計画は、8 つのワーキング・グループにより日本・ベトナム間の 協議により作成された。その内容としては、投資促進に対する行動計画としては取締役会の決議 ルールの改善、合弁企業の入札問題、投資制限の明確化、外資による株式保有の円滑化、外国 投資の窓口機関の強化などや、税制、労働問題、商社活動の拡大など細かく 46 項目で協議が合 意されている。 WTO 加盟を実現したベトナムの狙いは、共産党主導による経済改革、市場経済移行をさらに強 力に進める目的であり、ベトナム国内の市場における競争環境を整備することであり、国民経済の 効率性向上にある。これにより、先進国の技術・資本の導入を積極的に行ない、国際経済との統合 を強力に推進するのを目的としているのであろう。現在のところ競争力のない国営企業も多く、国 際競争の中で大きな変革が求められるであろう。 ここで日本企業にとってベトナムへの進出の魅力を列記すると、 ① 政治的・社会的に安定している。(タイ・ミャンマーと比較して) ② 人口が 8,300 万人と多く、国内市場も期待できる。(タイ 6,400 万、マレーシア 2,500 万人) ③ アジアの中心にあって、ハノイは中国の広州とは陸上輸送で2-3日であり、ホーチミンは海 上で東南アジア及びインドとの輸送が容易である。 ④ WTO 加盟により、投資受入体制の改善や、利益金や技術指導料などの日本への送金が容 易である。(中国と比較して) ⑤ ベトナム人は頭がよく、技術習得力が高く、勤勉な若手労働力が豊富である。工業団地へ は自宅からオートバイで通勤している。 ⑥ ワーカーの賃金は中国と比較しても 50~60%であり、東南アジアの中で最も安いグループ に入る。 ⑦ 親日感情があり、駐在員への環境もよい。(日本料理店も多い) ⑧ 物価が安く、食料費が特に安い。 ⑨ 現在インフラ整備が国全体で進められているが、工業団地内は整備が完備されている。 1 ⑩ プラスチック関係のビジネスはまだ3~40000 年前から進出が始まったところなのでこれから が本番であり、事務機械用部品・自動車部品の射出成形加工、PVC、PE パイプ・コルゲート パイプ押出加工、ブロー成形による水用ボトル、日用品、フィルム・シート押出、インフレ加工 だけでなく、カラーマスターバッチ、コンパウンド事業、金型事業などが、これから十分期待 できる。 現在のところの問題点としては、インフラ整備がまだ進行中であり、部品、加工などの裾野産業、 地場産業がタイと比較して脆弱である点が課題といえる。進出している経営者の意見では、役人の 不正や国際慣行への不慣れなど過渡的な現象が見られる点もある。 今回のベトナム視察団は筆者が会長を務めるプラスチック加工研究会のメンバー14 名でハノイ・ ホーチミンへの日本からの進出企業 4 社を訪問し、ホーチミン市で開催されたベトナムプラスチック 展の見学、ホーチミン市の工業団地管理機構である HEPZA を訪問し、工業団地への投資条件に 関する説明を受けることができた。写真 1 ではホーチミン市の外観を示し、写真 2 ではハノイ市内の 朝の出勤ラッシュの様子を示している。 昨年 2006 年も同じ研究会のメンバーで 両市を訪問したが、1年の間にも大きく成 長し、インフラの整備も進んできている。中 国のここ 5~8 年間の急激な変化と同じよう にベトナムもこれから数年の間に、大きな 変化が生じ、成長することは確かである。 (2) ベトナムプラスチック展 2007 年 3 月 7 日から 10 日までの 4 日間、 ホーチミン国際展示場でベトナムプラスチ ッ ク 展 2007 ( Plastics & Rubber 写真 1 ホーチミン市 Vietnum2007)が開催された。出展企業と しては、20 カ国から 150 社くらいの出展で あった。今回の特徴で昨年度と比較して、 大きく変化したことは、オーストリアが国とし て 10 社の出展企業をまとめてブースを出 展しており、ドイツの K 展でも出展している ト ッ プ 企 業 が 出 展 し て い た 。 ENGEL 、 CINCINNATI、THEYSOHN、SML、NGR、 EREMA など射出成形機、押出成形機、リ サイクル加工機などこれからのベトナムプ ラスチック加工業が求めている機種を並べ 写真 2 ハノイ市内の通勤ラッシュ ていた。 2 ドイツからは ARBURG や KRAUS-MAFFEI、原料の BAYER(写真 3)、試験機の BRABENDER などの出展が注目されていた。 写真 4 にもあるように、シンガポール館もまとまって機械、金型、コンパウンド企業が出展していた。 このほかインドからはインドで最大のプラスチック機械メーカーの WINDSOR 社(写真 5)が押出機 やブロー成形機を出展していた。この会社はインドでは最大のプラスチック加工機械メーカーで世 界 60 カ国に 14,000 台の機械を輸出しているとのことであった。図 1 にその仕様を示す。 中国からはパイプ押出機を中心に上海新星二軸押出機公司が PVC パイプや PE コルゲートパイ 写真 3 バイエル社のブース 写真 4 シンガポール館 写真 5 WINDSOR 社のブース プを出展し、直径 500mm までの一連の装置を 提供可能とのことであった。 江蘇省からは Poly Plastic Masterbatch 社が 各種プラスチック類に対し、顔料、抗菌剤、難燃 剤、安定剤などのマスターバッチ類を展示して いた。 韓国からも安定剤メーカーなどの出展があり、 Hoa Phong J & Tech 社からはプラスチックリサイ 図1 WINDSOR 社の加工機械の仕様 クル装置の展示が行なわれていた。 日本からは射出成形機の川口鉄工、発泡スチロールの JSP がシンガポールから製品を出展して おり、精密射出成形機の JUKEN が超小型製品の展示を行なっていた。このほかブロー成形の日 3 表 1 ホーチミン市の工業団地リスト 精ASBを含めて日本からの出展が 4 社とは寂しい感じであった。昨年は東芝の 1 社だけであった ことから考えると来年はもっと出展が増加するであろう。とくにカラーリング、コンパウンド事業や、押 出加工分野の出展が期待されている。 4 表 2 ホーチミン市の最近開発された工業団地の条件 (3) ホーチミン市工業団地管理機構(HEPZA) この HEPZA の機能はホーチミン市の工業と輸出加工区の管理のため、1996 年 10 月に首相によ り発行された731/T TG の決定により設立されたもので、工業団地の詳細な計画を立案し、実行し、 その進捗状況を管理する役目を有している。工業団地に入る投資を誘致し援助し、海外投資家の 投資申請書と計画を受け、それを評価し、規則に従い投資許可を発行する権限を有している。 ホーチミン市は 15 の工業団地(表 1)と3ヵ所の輸出加工区と 1 ヵ所のハイテクパークを有してい る。 表 2 は最近開発された5ヵ所の工業団 地 の 条 件 を 示 し た も の で 、 TAN PHU TRUNG 工業団地は 2004 年に設立され、 552 ヘクタールの面積を有し、注目すべ きは土地のリース料金で 48 年間有効で 46US$/㎡と他の工業団地が 60~108 US$/㎡と比較して安い点と、電気代金 も 0.07$/KW/hと安いことが理解できる。 ベトナムには 54 の大学と 250 の専門学 写真 6 HEPZA との交流会でのメンバー 校があり、毎年 30 万人の卒業生が送り出されるため、安価で優秀な労働者が豊富に得られるのが メリットである。ベトナムの平均月給は一般ワーカーが 40~100 ドル、エンジニア 130~150 ドル、管 理職 300~400 ドルが一般的である。 今回の HEPZA との交流会では賃金上昇問題、最低賃金問題や、中国、インドと比較してのベト ナムのメリットなどについての活発なディスカッションが行なわれた。先方からは PHUNG 代表のほ か 3 名が参加し、日本からのプラスチック加工研究会のメンバーとの交流が行なわれた(写真 6)。 図 2 にはホーチミン市にある輸出加工区と工業団地の位置図を示す。 5 図 2 ホーチミン市の輸出加工区と工業団地 図 3 ハノイから広州までの陸路輸送ルート (4) ハノイ近郊工業団地とベトナムの自動車産業の現状 ハノイはベトナムの首都であり、政治の中心地で、人口は約 300 万人である。ハノイを中心とする 北部の魅力としては中国市場へのアクセスが容易であることにより中国広州地区からの加工基地と しての役割が注目され、日本のキヤノン、ブラザーなどの事務機器メーカーや、トヨタ、ホンダ、三 菱、スズキ、ダイハツ、日野、いすず、など 7 社が進出しており、二輪車のホンダ、ヤマハ、スズキの 3 社が進出している。 図 3 にはハノイから広州までの陸路輸送ルートを示す。このルートの完成により、これまでハノイ -広州の海上輸送では4-6日必要としたが、陸上輸送では2日で可能である。ハノイ-バンコック 間も海上輸送では 10-15 日かかるところを陸上輸送では3-4日で輸送できる。 6 図 4 ベトナムにおける四輪車生産台数 図 5 形態別の四輪車生産台数 図 6 ベトナムにおける二輪車生産台数 図 7 形態別の二輪車生産台数 図 4 ではベトナムにおける四輪車生産台数を示す。図 5 は形態別の生産台数を示したもので、 外資系企業の生産台数が全体の 70%を占めており、日本 7 社以外にも BMW、フォード、ベンツ、 大宇、メコンなどが進出している。 二輪車の生産についても図 6、7 に示すが、日本のホンダ、ヤマハ、スズキが生産台数では多い が、実際は中国からの輸入のコピー製品のホンダ、ヤマハが最も多いようだ。中国コピー品が現地 で 5 万円くらいに対し、日本製は 20 万円近くで販売されている。ベトナム労働者にとっては非常に 高価と思われるが、1台/家は所有しているようだ。会社への通勤もバイクがほとんどであった。 北部工業地域の魅力の第 2 としては、ハノイには大学も多く、優秀な人材の確保が可能な点で ある。次にハノイは中央政府との交渉に有利であり、政府の優遇策も得られやすい。 表 3 に税制比較表を示すが、ベトナムはタイ、マレーシア、インドネシア、中国と比較しても税制 において優遇されており、利益の送金税がゼロの点、輸入品 VAT も免税されている点などメリット が多い。 表 4 に人件費を比較しているが、2006 年2月に大幅に上昇された後の最低賃金について競争 するアセアン諸国、中国と比較しても最低であり、年間祝祭日数も8日と最も少なく、もちろん土曜 日も皆出勤している。 7 表 3 税制比較表 表 4 人件費比較表 北部の工業団地としては住友商事が58%出資しているタンロン工業団地を訪問した。ここでは キヤノン、ヤマハ、松下、ホヤ、TOTO、デンソー、住友ベークなど日系企業だけで 65 社が入居し ていた(図 8)(表 5)。この団地だけで 3 万人が働いている。 8 図 8 タンロン工業団地 表 5 タンロン工業団地の日本企業リスト ハイフォン港近くには野村ハイフォン工業団地があり、日系企業としては豊田合成、トヨタ紡織、 コクヨ、矢崎、王子製紙、ローツェ、稲畑 産業、オルガノ、パロマなど 45 社が入居 している。 ノイバイ工業団地はベトナムとマレーシ アとの合弁事業主であるが、ここには日 本カーバイト、住友金属、リズム時計、豊 写真 7 日邦産業の外観 9 田通商、ヤマザキ、サクラ工業、日邦産業など日系企業 10 社が入居していた。 今回、プラスチックの精密成形を行なっている日邦産業を訪問した(写真 7)。 同社ベトナムの岩政社長の説明によれば、現在、現地従業員 500 人、日本人 5 名で運営し、生 産品目は自動車・OA・VTR 用のエンプラパーツの射出成形加工と組立加工、金型修理も行なって いた。 日邦産業は日本では愛知県の稲沢に工場があるが、海外では中国の深圳、タイではコラート及 びバンコック工場、マレーシア工場と、このベトナム工場がある。ベトナム工場には全電動式射出成 形機を並べており、機種としては TOYO、住友、FANUC など日本製を 70 台有していた。この企業 が優れている点は、タイ、マレーシア、ベトナム工場の技術者が一体となって品質管理、改善技術、 原料管理など問題点の改善会議を定期的に開催してイノベーションを高めており、会社全体が活 性化している様子が工場見学する中で強く感じられた。全労働者の資格認定試験を 3 ヶ月ごとに 実施するなどユニークなシステムも採用していた。この会社は若い技術者及び若い現地社長の能 力発揮により、技術成長するものと期待 できる。 写真 8 に同社の製品の一部を示す。 次にビンフック省の工業団地を訪問 したが、この地域にはトヨタ、ホンダ、イ ノアック、日信工業、テルモ、名古屋精 密金型など日系企業も多く進出してい 写真 8 日邦産業の製品 る。 ここでは自動車部品用などのプラスチッ ク射出成形用金型を製造する目的で 3 年 前より進出した MEISEI ベトナムを訪問した。 2006 年にも同社を訪問したが、伊藤副社長 の説明では、現在 41 名で、主にスタンレー 向けランプ用透明製品用の金型や、ホンダ、 ヤマハ向け自動車部品用の金型を製造し ている。今後射出成形加工も行なう目的で 名機製作所の 80 トン、450 トンを 3 月中に 入荷する予定とのことであった。金型技術 の研修のため毎年 10 名の技術者を日本に 派遣しているが、勤務態度もよく、日本人よ りも習得が早い。工場内も整理・整頓もよく、 5Sスローガンがローマ字、英語、ベトナム 語で大きく掲示されている。 写真 9 には同社の工作機械を示す。 写真 9 日邦産業の工作機械 10 これら工業団地以外でも北部ではハノイから 30km のクエボ工業団地は 218 ヘクタールの工業 団地でキヤノンの第 2 工場、プラスチック成形加工のミツワ電機などが入居している。 ハノイ市内から 22km のティエンソン工業団地は総開発面積 60 ヘクタールでここにはキヤノン第 3 工場、サワダプラスチック、大日精化、日新電機などが入居している。その他、サイー・ドン工業団 地、ディンブー工業団地などが開発されている。 (5) ホーチミン近辺工業団地 ホーチミン市の 15 ヶ所の工業団地と輸出加工区 3 ヵ所については前記したが、ホーチミン近辺 にはドンナイ省にあるアマダ工業団地(伊藤忠系)、ロテコ工業団地(双日系)、ビンズオン省には 三菱商事系のベトナム・シンガポール工業団地がある。 アマダ工業団地は総開発面積 700 ヘクタールで、日系企業としては花王、ワコール、三光金型、 オカモト、東洋インキ、コトブキ、日華化学、福山合成など、日系 27 社、台湾 18 社、韓国 6 社など 合計 81 社が入居している。VSIP ベトナム・シンガポール工業団地には、ロート製薬、日東電工、コ ニカ、フジクラ、イノウエ、大日本インキ、ディック精密など日系 42 社、全体では 192 社が入居して いる。 ロンビンテクノパーク工業団地には原田工業、トーキン、 三谷、ムトー精工、明和など日系 12 社、全体で 48 社が入居 している。 今回訪問したタントゥアン輸出加工区では、ジューキ、日 本マタイ、グンゼ、大和プラスチック、日本精密、永大化工、 KTC など日系 57 社、全体で 108 社が入居している。KTC は 日本のカテックス 70%、ツーワン 30%の合資企業で、シリコ ーンゴム、EPDM ゴムの混練、プレス成形、組立加工を行な っている。従業員は 200 人弱で、工場長の金子氏の案内で 工場見学を行なった。工場内は非常によく整理・整頓されて 写真 10 KTC おり、従業員教育も徹底しており、国内のゴム工場の見学よ りは立派なものであった。ここではキヤノンなどの事務機器用のゴムローラや携帯電話用ゴム部品、 ユニット組立加工を行なっていた。2006 年にはハノイにも工場を作り、OA 用需要の増大に対応し ているとのことであった。ベトナムのいずれの工場も ISO9002、9001、14001、2004 などを認証取得 しており、品質的には世界共通レベルになっている。ゴムの成形機は 75 トンから 250 トンまで 22 台 ほど有している。 写真 10 に同社の玄関前、写真 11 に工場内の様子を示す。 トンナイ省アマダ工業団地の福山化成を訪問した。この会社は 2003 年に進出し、最初は寺岡社 長を含めて 6 人でスタートした(日本人 3 名)。現在は 280 人までに成長し、射出成形機 20 台、近 いうちに 850 トンが入る予定。当初 3 億円を投資してスタートしたが、現在は年商 3.5 億円で、経常 利益は売上の約 20%(日本では 1~2%)、人件費は 5%程度(日本では 20%程度)。日本人 1 名 11 写真 11 KTC の工場内 を常勤しているが、人件費は現地人 150 人に相当する。寺岡社長よりスタート時の苦労話を聞かせ てもらい、訪問メンバーにとっては非常に参考になった。 (6) 終わりに ベトナムプラスチック展は 2002 年、2006 年と 2007 年の 3 展示会を見学したが、今年になってやっ とプラスチック展らしくなった感じである。プラスチック加工研究会のメンバーを同行して欧米の K 展 や NPE だけでなく、チャイナプラス、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどの東南アジアで の展示会や、インド、ブラジル、オーストラリア、ロシアなども見学しているが、訪問国の経済力、技 術力、成長発展性を理解するには、まず見本市を見学し、出展ブースでいろいろ質問することによ り各国の状況がよく理解できる。 各国のプラスチック成形加工メーカーを訪問する場合、まず日本からの進出企業のトップから進出 時の苦労話を聞くことは非常に勉強になるものだ。 中国やタイ、マレーシア各地では、現地企業も技術的に成長しており、総合的比較をすることによ り、今後の日系企業の姿が予想できる。プラスチック製品の品質管理については、日本の水準と変 わらない水準にまで達していると思われる。 プラスチックの成形加工事業としては日本国内での利益確保は非常に困難な時代になってきてお り、今後も続くコストダウンの要求には耐えられなくなるのは明白であろう。それに対し、まだベトナ ムでは人件費が安い点と、生産性も高く、品質管理が可能な点から成形加工での経常利益が 20%前後確保できることが魅力といえよう。 そのためには早く進出してこないことには競争が激しくなってくるであろう。今後3~4年がチャンス ではなかろうか。 プラスチック原料のカラーリング、マスターバッチ、コンパウンド事業などはまだ進出企業が少ない ので現地では求められていた。来年は 10 月 21 日~23 日にベトナムプラスチック展 2008 が開催さ れるので、参加をお勧めする。 〈本稿に関する問合せ先〉 長谷川国際技術士事務所 12 〒468-0042 名古屋市天白区海老山町 2603 TEL & FAX 052-802-5629 E-mail:[email protected] 本稿の無断転載を禁じます。 13 Copyrightⓒ2007.Polymer Digest