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健常成人に皮膚軟部組織感染症で発症した莢膜型 6C による 侵襲性
849 症 例 健常成人に皮膚軟部組織感染症で発症した莢膜型 6C による 侵襲性肺炎球菌感染症の 1 例 1) 日本大学医学部内科学系総合内科・総合診療医学分野,2)同 医学部整形外科学系整形外科学分野 鈴木 橋本 加藤 清澄1) 賢一1) 公敏1) 林 笠巻 永井 悠太1) 祐二1) 悠2) 大塚 矢内 相馬 博雅1) 充1) 正義1) (平成 25 年 12 月 18 日受付) (平成 26 年 6 月 9 日受理) Key words : invasive pneumococcal disease(IPD),skin and soft tissue infection(SSTI) , serotype 6C, Streptococcus pneumoniae 序 文 JCSI-2,血 圧 99! 57mmHg,脈 拍 115! 分・整,体 温 蜂窩織炎は,真皮深層から皮下組織にかけての皮膚 36.9℃,呼吸数 28! 分.眼瞼結膜に貧血あり,眼球結 感染症であり,一般的には黄色ブドウ球菌や連鎖球菌 膜に黄染なし.胸腹部に異常所見なし.右上腕および が原因菌となることが多く1)2),一般成人において肺炎 右足背から下腿に発赤,腫脹,熱感あり.同部位に明 球菌が蜂窩織炎を中心とした皮膚軟部組織感染症の原 らかな紫斑,水疱,握雪感なし.創傷の痕跡も認めず. 因菌となることは稀である3)∼11).今回,我々は肺炎球 入院時検査所見(Table 1) :白血球 14,100! μL(桿 菌による上下肢の蜂窩織炎で発症し,治療経過中に多 状核球 70%,分葉核球 28%, 単球 1%, リンパ球 1%) , 発深部膿瘍,化膿性関節炎,骨髄炎に進展した侵襲性 CRP 34.1mg! dL,プロカルシトニン 22.36ng! mL と高 肺炎球菌感染症(invasive 値を認めた.また,来院 2 カ月前の近医採血で Hb 10.8 pneumococcal disease : IPD)を経験したので報告する. 症 例 g! dL,Cr 0.93mg! dL であったが,入院時 Hb 8.7g! dL と貧血を認め,BUN 89.4mg! dL,Cr 2.12mg! dL と脱 患者:76 歳,女性. 水症,薬剤性,敗血症などによる腎前性,腎性腎障害 主訴:右上腕痛,右下腿痛. が考えられた. 既往歴:高血圧症.副鼻腔炎,中耳炎,摘脾なし. 内服薬:ステロイド,免疫抑制剤の使用歴なし. 家族歴:家族内に副鼻腔炎,中耳炎などの治療者な し. 嗜好歴:喫煙なし,機会飲酒. 入院時画像所見:胸部単純 X 線で明らかな肺炎像 は認めず.四肢単純 CT で,右上腕,右足背から下腿 は腫脹し,著明な皮下浮腫を認めたがガス像は認めず (Fig. 1) . 入院後経過(Fig. 2) :血圧低下,急性腎障害を伴っ 動物接触歴:なし. ており,多発蜂窩織炎による重症敗血症を疑い,Ceftri- 23 価肺炎球菌ワクチン接種歴:なし. axone(CTRX)2g×1 回! 日,Clindamycin(CLDM) 現病歴:来院 5 日前に右上腕の腫脹と疼痛が出現 600mg×3 回! 日の投与を開始し,γ グロブリン製剤を し,来院 3 日前から右足背から下腿の腫脹と疼痛が出 5g! 日×3 日間投与した.入院翌日には血液培養が陽 現したため近医を受診した.NSAIDs で経過観察と 性となり,2 セットから penicillin-susceptible Strepto- なっていたが,腫脹,疼痛が増悪したため当院を受診 coccus し,精査加療目的に入院した. 球菌抗原も陽性であり,莢膜型は 6C,遺伝子型は 入院時現症:身長 155cm,体重 47kg.意識レベル 別刷請求先:(〒173―8610)板橋区大谷口上町 30―1 日本大学医学部内科学系総合内科・総合診療医 学分野 鈴木 清澄 平成26年11月20日 pneumoniae(PSSP)が検出された.尿中肺炎 gPISP(pbp2x+pbp2b)であった.感受性結果より, 第 4 病日に抗菌薬を Ampicillin(ABPC)2g×4! 日へ 変更した.感染性心内膜炎を除外するため,経胸壁, 経食道心臓超音波検査を施行したが,弁に明らかな疣 850 鈴木 清澄 他 Table 1 Laboratory findings on admission Hematology Biochemistory Infection Bacteriology WBC 14,000 /μL TP 5.1 g/dL HBsAg Negative Band 70.0 % Alb 2.4 g/dL HCVAb Negative Seg Mono 28.0 % 1.0 % T-Bil AST 0.75 mg/dL 48 IU/L HIV RPR Negative Negative 1.0 % ALT 38 IU/L TPLA Negative LDH 478 IU/L CCL I GTP 100 IU/L CTM S ALP CK 837 IU/L 242 IU/L CTX IPM/CS S S BUN 89.4 mg/dL PaCO2 26.6 mmHg MEPM S Cr 2.12 mg/dL PaO2 94.2 mmHg EM R HCO3− 17.8 mmol/L CLDM R VCM S >4 μg/mL >4 μg/mL 0.5 μg/mL LVFX S 1.0 μg/mL Lympho RBC 263×104 /μL Hb Ht PLT ESR 8.7 g/dL 25.6 % 17.9×104 /μL 135 mm/hr Coaglation CRP APTT 27.7 sec Glu PT PT 比 D-dimer 14.3 sec 1.18 5.1 μg/L HbA1c (NGSP) Procalcitonin Endotoxin C3 C4 CH50 IgG IgA IgM Urinalysis Protein WBC Nitrate test S.pneumoniae-Ag (−) (−) (−) (+) 34.10 mg/dL 107 mg/dL 5.7 22.36 ≦1.5 77 16 30.8 428 35 24 % ng/mL pg/mL mg/dL mg/dL U/mL mg/dL mg/dL mg/dL Blood gas analysis (room air) pH 7.442 Blood culture S. pneumoniae (+) (Serotype: 6C) Antimicrobial susceptibility test PCG S 0.25 μg/mL ABPC S 0.5 μg/mL Urine culture 2 μg/mL 0.25 μg/mL 0.5 μg/mL ≦0.06 μg/mL 0.25 μg/mL Negative Fig. 1 CT scans on the 1st hospital day show subcutaneous edema in the right upper arm (a), and right lower leg (b). 贅は認めなかった.ABPC へ変更後,AST が 80U! L, め,造影効果を伴っていることから化膿性関節炎と考 ALT が 69U! L と肝逸脱酵素の上昇を認めたため,第 え,第 17 病日に関節鏡視下洗浄デブリドマンを施行 10 病 日 に Cefotaxime(CTX)1g×3 回! 日へ変更し した.肉眼的には,明らかな膿性組織を確認すること た.第 14 病日には WBC は 8,300! μL,CRP は 8.79mg はできなかったが,血腫と壊死組織で充満し,病理組 ! dL と炎症反応は改善傾向にあったが,37℃ 台の微 織学的所見は,「高度の炎症細胞の浸潤を認め化膿性 熱と患部の疼痛が持続していたため,右上下肢造影 関節炎に矛盾しない所見」であった.術前の試験穿刺 CT を施行した(Fig. 3) .右上腕骨頭周囲,右下腿筋 液および術中に採取した洗浄液,滑膜組織の培養から 内,右内閉鎖筋内に辺縁が造影される被包化された嚢 菌の検出は認めなかった.術後はさらに炎症反応と臨 胞性病変を認め,多発深部膿瘍と考えられたため,抗 床症状の改善を認め,第 42,43 病日に施行した造影 菌 薬 を Meropenem(MEPM)1g×3 回! 日に変更し CT では,多発深部膿瘍はほぼ消失していた.血液培 た.右上腕の深部膿瘍を試験穿刺し,血性の穿刺液が 養は計 4 回実施したが,初回以降菌の検出は認めな 少量吸引された.また,右肩造影 MRI を施行し,T2 かった.その後,右足関節の腫脹と熱感が僅かに残存 強調画像で肩関節および周囲の高信号域を広範囲で認 し,造影 MRI で右脛骨内顆に造影効果が認められ骨 感染症学雑誌 第88巻 第 6 号 肺炎球菌による多発性皮膚軟部組織感染症 851 Fig. 2 Clinical course CTRX: ceftriaxone, CLDM: clindamycin, ABPC: ampicillin, CTX: cefotaxime, MEPM: meropenem, BT: body temperature Fig. 3 CT scans on the 14th hospital day show a cystic lesion with ring enhancement (white arrow) in the deep soft-tissue of right upper arm (a), right internal obturator muscle (b) and right lower leg (c). CT scan on the 42nd and 43rd hospital days shows improvement of each of the cystic lesions (d), (e), (f). 平成26年11月20日 852 鈴木 清澄 他 髄炎の所見を認めた.抗菌薬の継続により右上下肢の て感受性のある抗菌薬を投与していたにも関わらず, 疼痛はほぼ消退し,炎症反応も陰性化したため,第 51 多発深部膿瘍,化膿性関節炎,骨髄炎へと進展を認め 病日にリハビリ継続のため転院となった. たが,その原因として遺伝子学的には gPISP (pbp2x+ 考 察 pbp2b)であったことや低アルブミン血症,抗菌薬の 一般的に蜂窩織炎は,黄色ブドウ球菌や連鎖球菌な 組織移行性などの問題から深部組織に対する治療効果 どのグラム陽性球菌が原因菌となることが多く,その が乏しかった可能性が挙げられる.深部膿瘍,鏡視下 1) 2) 他,基礎疾患, 感染部位, 感染経路で原因菌が異なる . 手術時の培養から菌は検出されなかったが,投与して 小児では,肺炎球菌を鼻咽頭に保菌していることも多 いた抗菌薬に一定の効果があったものと考えられる. く,眼窩周囲蜂窩織炎など主に顔面に発症する蜂窩織 また,本症例では,肺炎球菌の感受性が判明した後に 12) 炎の原因菌となることがあるが ,一般成人において definitive 肺炎球菌が皮膚軟部組織感染症の原因菌となることは が,その後,嫌気性菌の関与も考慮し最終的に MEPM 稀である3)∼11).本症例では,入院時の血液培養から肺 を使用した.近年,嫌気性菌である Bacteroides 属の 炎球菌が検出されたため,多発蜂窩織炎の原因菌と判 CLDM 耐性化が進んでおり,治療対象の場合には注 断した. 意が必要である14). 肺炎球菌が原因菌となる場合,慢性疾患や易感染性 3) ∼11) 宿主となる様な背景を持つことが多いとされる . therapy として CLDM の投与は中止した IPD は,髄液あるいは血液などの無菌的な検体から 肺炎球菌が検出された場合と定義され,重篤な後遺症 Parada らは,基礎疾患と発症部位の特徴から肺炎球 を残す場合や致命的となる場合がある15).IPD の罹患 菌による蜂窩織炎を 2 つに分類し,(1)糖尿病,アル 率は,肺炎球菌ワクチンの普及により減少傾向にある コールや静注薬物中毒者などでは,創傷を認めやすい が,本症例の莢膜型は 6C であり非ワクチン株であっ 四肢に発症することが多く,(2)全身性エリテマトー た.近年,米国や我が国においても非ワクチン株によ デス,ネフローゼ症候群,血液疾患などでは,顔面や る IPD が増加傾向にあり,serotype replacement が 16) ∼18) ,今後さらに非ワクチン株によ 頸部,上半身の蜂窩織炎を呈することが多いと報告し 生じているとされ ている6).一方,Kragsbjerg らは,健常成人に発症し る IPD が増加するものと考えられる. た肺炎球菌による深部軟部組織感染症を 3 例報告し7), 肺炎球菌による皮膚軟部組織感染症は,化膿性合併 Bachmeyer らは,最大で 20% に基礎疾患 を 認 め な 症を伴うことが多く,デブリドマン,筋膜切除術,切 かったと報告している8).本症例では,免疫グロブリ 断術,皮膚移植など外科的治療を必要とすることが多 ン低値が発症のリスクファクターとなった可能性は否 いとされ,死亡率は 17% と報告されている6).本症例 13) 定できないが ,その後の再検査で基準値近くまで回 では,抗菌薬投与により多発膿瘍はほぼ消失したが, 復しており,易感染性宿主となるような明らかな基礎 化膿性関節炎を合併したため洗浄デブリドマンを行っ 疾患は認められなかった.また,肺炎球菌による蜂窩 た. 織炎の皮膚所見の特徴として,3 分の 1 の症例で青紫 3) 6) 8) 9) ,本症例では, の色調変化,水疱,硬結を認めるが 紅斑と腫脹のみで水疱などは認めなかった. 成人の蜂窩織炎の原因菌として肺炎球菌は稀である が,易感染性宿主を中心に原因菌となることがある. 肺炎球菌による蜂窩織炎は,本症例の様にしばしば血 肺炎球菌による蜂窩織炎の頻度について Capdevila 行性に播種することにより遠隔転移巣や化膿性合併症 らは,肺炎球菌による菌血症の 0.9%,菌血症を伴っ を認めることがあるため3)∼6),転移性病変や化膿性合 た市中蜂窩織炎の 3.2% であったと報告し,また,蜂 併症の検索と早期治療介入が重要である. 窩織炎発症の機序として,(1)咳嗽などにより痰や唾 謝辞:肺炎球菌の莢膜型・遺伝子型の解析を実施し 液が皮膚創部から直接侵入,(2)気道感染から経気道 て頂きました慶應義塾大学医学部感染症学教室 的に皮下組織に進展,(3)血行性に蜂窩織炎を伴って 菜穂子先生,生方公子先生に深謝致します. 筋骨格系に進展,(4)深部組織の感染を伴わない皮膚 利益相反自己申告:申告すべきものなし 4) への血行性感染の 4 つを挙げている .また,蜂窩織 炎発症と同時期に皮膚外の感染巣として肺炎,耳鼻咽 喉科疾患,筋炎,骨髄炎などを約 55% に認めたとさ 4) れる .本症例では,発症前に副鼻腔炎,中耳炎,肺 炎などの先行感染を示唆する症状や所見は認めず,血 行性に蜂窩織炎を伴って筋骨格系組織へ播種したもの と推定される. 本症例では,血液培養から分離された PSSP に対し 千葉 文 献 1)Goldstein EJC:In:Mandell GL, Benett JE, Dolin R, eds. 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Although inflammatory marker levels improved following susceptive antibiotic therapy (ampicillin), multiple abscesses, septic arthritis and osteomyelitis were detected with image testing. The antibiotic was then changed to meropenem and arthroscopic surgery was performed for the right shoulder ; the patient s clinical symptoms improved. Since pneumococcal infection including skin and soft tissue infection (SSTI) often causes blood stream invasion or metastatic suppurative complications, metastatic lesions or multiple abscesses should be taken care of. 〔J.J.A. Inf. D. 88:849∼854, 2014〕 感染症学雑誌 第88巻 第 6 号