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三 島 勉 - ITpro
編 集 長 イ ン タ ビ ュ ー SOHOのニーズにフィットするカラー複合機を提供したい A3判のカラーインクジェットで「旋風」を カラーインクジェット複合機は、SOHO ットインパクトタイプのプリンターを皮 ジェットよりもレーザータイプ、 (Small Office Home Office)市場を中心 切りに、情報機器の分野へ参入。インク と考える読者が多いのではないだろうか。 に好調な売れ行きを示した。今年 6 月に ジェットやレーザーを含め、これまでに しかし、この「常識」がすべてのケース 出した新機種も好調である。ミシンメー すべての印字方式のプリンターを市場に に当てはまるとは限らない。例えば、ブ カーだった同社は、メカトロニクスで培 出してきたと言う。今回、ブラザー販売 ラザーが昨年 10 月に発売した A3 対応の った技術を生かし、タイプライターやド 三島 勉 ジネス用のプリンターならインク の三島勉取締役に好調の「A3 ビジネス インクジェット」について話を聞いた。 ■ビジネス向けにA3対応のインクジェッ ト複合機を発売したきっかけは。 ほかのメーカーのインクジェットプリ ンターは、写真を高画質で印刷すること を目的とした、家庭向けの製品が中心で す。対して、当社はファクシミリや自動 給紙が可能な ADF(Auto Document Feeder)の付いたSOHO向け複合機を得 意としています。そんな当社が、国内向 けに新しいタイプのインクジェット製品 ブラザー販売 取締役 マーケティング推進部長 を提案したいと考えたとき、キーワード として挙がったのが「A3」でした。 では、なぜ「A3」なのか。それは、ビ ジネス向けのレーザープリンターを扱っ てきた経験から、プリンター事業を国内 で続けていくなら、A3 判の印刷への対応 は欠かせないと感じていたからです。海 外のビジネス市場では、A4 判の印刷まで で十分とされるケースが多く、A4 判のレ ーザープリンターが大きなシェアを獲得 しています。しかし、国内では「大は小 を兼ねる」的な考え方が広く受け入れら れており、A4 判よりも大きなサイズに印 刷する機会が年に数回しかないとしても、 「プリンターはA3判じゃないと」と考えら れがちなのです。ですから、ビジネス向 けのインクジェットでも「A3 判を製品化 撮影:中島 正之 三島 勉(みしま つとむ) 1984 年にブラザー工業に入社。1989 年から 2002 年の 13 年間は、米国の販売会社にて、タイプラ イターやワードプロセッサーなどの製品担当として、米国市場向けの商品企画およびマーケティングに携 わる。2002 年に帰国した後、ブラザー販売においてマーケティング推進部長、情報機器事業部長などを 務める。2009 年 4 月から現職。 76 日経パソコン 2009.7.13 したい」との強い思いがありました。 最近では技術が進歩し、A3 用紙に印 刷しても、ある程度のスピードを出せる ようになっています。インクの目詰まり など、従来機が抱えていた問題も解決さ