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Sorvall X シリーズとFiberlite ロータを用いたハイスループット Maxi

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Sorvall X シリーズとFiberlite ロータを用いたハイスループット Maxi
Thermo Scientific Sorvall X シリーズと
Fiberlite ロータを用いた
ハイスループット Maxi-Prep プラスミド抽出
Application Note:
ANCFGGPMNP-0509
Nadia Boujtita, PhD, Thermo Fisher Sentific, Saint-Herblain, France
概論
DNA Maxi-prep は大腸菌からプラスミドやコスミド
DNA を抽出する際に一般的に使用される方法であ
キーワード
る。これらプラスミド DNA の単離・抽出にはさまざま
な手法が存在する。一般的にプラスミド DNA の抽出
• プラスミド DNA抽出
には、大腸菌(細菌)細胞の回収、細胞の溶解、細胞
• 細菌ペレット
残骸の除去、プラスミド DNA の選択的抽出を経る。
• ユニバーサル遠心機
長年使用されてきたプラスミド DNA 抽出法の一つ
にフェノール/クロロホルム法が知られており、これ
• Fiberlite F15-8x50c
によって DNA をタンパク質や細胞の残骸から分離
• Fiberlite F13-14x50c
する方法がある 1。そのほかの方法としては、ボイル
法や Triton 溶解 DNA 粗抽出液から DNA を抽出す
る方法がある 2。最近になって、大容量細胞からの
プラスミド DNA 抽出の方法はフェノール等の危険な
薬品を使用せず、短時間で操作を完了できるキット
の 開 発 が 進 み 、 QIAGEN 社 、 Sigma-Aldrich 社、
Clontech 社、Bio-Rad 社をはじめとする多くのライフ
サイエンス企業からさまざまなキットが販売されて
いる。これらのキットは DNA と結合するマトリクスを
保持するカラムフォーマットを使用している。
ここで紹介するプラスミド DNA の Maxi-prep は
Thermo Scientific Sorvall Legend X シリーズ遠心機
と F15-8x50c カーボンロータ(最大 24,000xg)または
図 1. Thermo Scientific
Sorvall Legend X シリーズ(左)
と F15-8x50 カーボンロータ
F13-14x50c 大容量カーボンロータ(最大 17,000xg)
を用い、キットは QIAGEN 社の Plasmid Maxi Kit を
使用した。この組み合わせでプラスミド DNA 抽出を
行うことによって、短時間(45 分以内)で抽出を終え
ることができ、スループットと生産性を高めることが
できる 3。
方法
からのプラスミドの溶出を迅速かつ効率的に行う
ためにきわめて重要な操作である。これによってプ
ラスミド DNA の回収を単純化することができる。ま
た、Fiberlite ロータはチューブの破損やサンプルの
移し替え無しにロータが許容する最大スピードまで
遠心することができる。
3. QIAGEN プロトコルに従って、プラスミド DNA を含
1. QIAGEN のプラスミド抽出ハンドブックに従い、適
む上清をカラムに供した。この時、ピペットに細胞
当な大腸菌細胞を遠心処理で回収し、バッファー
の残骸ペレットやそれら微粒子を吸い込まないよ
P1、バッファーP2 およびバッファーP3 を用いて細
うに注意する。続いて、プロトコルに従って、カラ
胞溶解液を調製した。
ムの洗浄と溶出操作を行い、プラスミド DNA を抽
2. プラスミド DNA を含む細胞溶解液を Thermo
Scientific Nunc 50mL コニカルチューブへ移し、
F15-8x50c または F13-14x50c ロータを載せた遠
心 機 に セ ッ ト し 、 F15-8x50c の 場 合 は 4 ℃ 、
24,400xg で 30 分間遠心し、F13-14x50c の場合は
4℃、17,000xg で 40 分間遠心処理した。
注) この遠心ステップはプラスミド粗抽出液から細
胞の残骸等の粒子を除去し、後の QIAGEN カラム
出した。
4. 溶出量の 2.5 倍量の 90%エタノールを加え vortex
により撹拌し、DNA を沈殿させた。
5. 24,400xg で 10 分間遠心し、DNA をペレットとして
回収した。
6. ペレットを壊さないように上清のみを捨てた。この
時すべての陰イオン性の塩類は上清に含まれ
る。
7. ペレットを 70%エタノールで 2 回洗浄した。
8. 5 と同様の条件で遠心し、70%エタノールを除いた
後にペレットを風乾した。
9. ペレットを適量の TE バッファーへ懸濁し、プラスミ
ド DNA 溶液とした。
参考文献
1. Maniatis, T., Fritsch, E.F. and Sambrock, J.
1982. Molecular Cloning.
2. Heilig, J.S., Elbing, Karen L., and Roger Brent.
1998. Current Protocols in Molecular Biology.
John Wiley & Sons, Inc: 1.7.1-1.7.16
3. Qiagen Plasmid maxi (and midi) kit. Qiagen
結果
Inc., Valencia, CA, Handbook, 3rd Edition.
抽出したプラスミド DNA を分子量マーカーとともにア
2005.
ガロース電気泳動することによって濃度と純度の検
討を行った(図 2)。
図 2. プラスミド DNA のアガロースゲル電気泳
動。プラスミド DNA を異なる 3 種類の制限酵素
によって切断し、制限酵素の不活化後に
1%(w/v)アガロースゲル電気泳動を行った。
この結果、OD260/OD280 >1.8 以上の高純度のプ
ラスミド DNA の抽出に成功した(図 2 左側 3 レー
ン)。このプラスミド DNA はクローニングや形質転
換、制限酵素処理および PCR 等の実験に使用でき
る純度であった。Thermo Scientific Sorvall Legend
X シリーズ遠心機と 50mL コニカルチューブ用カーボ
ン製ロータを使用することで、多くのサンプルから迅
速に DNA 抽出が可能であることが示された。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
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