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最新ソフトウェアによる三次元データの可視化と評価事例
Imaging Solutions for Science 「最新ソフトウェアによる三次元データの可視化と評価事例」 2009年4月17日(金) 第3回幾何クラブ 滝 克彦 [email protected] Our R&D 精密工学会 現物融合型エンジニアリング専門委員会 Convergence Engineering http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/conv/ 産業用X線CTや三次元サーフェススキャナーなどにより現物をデジタル化し、 その情報をデジタルエンジニアリングで活用する新しい設計・生産の手法を 模索する研究会。技術の調査・検討、課題の抽出、情報交換等が主な活動。 2004年秋から発足。東大 駒場で月1回の例会。毎回、30~40名の参加がある。 委員長 東京大学 鈴木 宏正 幹事 トヨタ自動車 三和田靖彦 会計幹事 日立製作所 定岡紀行 会員 大学、研究所等の研究者 自動車、エレクトロニクス等の産業分野のユーザーの方々 装置やソフトウェアなどのベンダー Our Profile 弊社のご紹介 社名 日本ビジュアルサイエンス株式会社 Nihon Visual Science, Inc.(略称 NVS) 創立 1997年7月7日 本社 東京都新宿区 資本金 2,700万円 代表取締役 滝 事業内容 画像処理を中心としたソフトウェア開発 克彦 システムインテグレーション 先端技術の研究開発 弊社の主要製品 / X線CTなどから得た三次元画像を 三次元画像から得たポリゴンデータと 描画、計測するソフトウェア CADデータの三次元形状を比較したり、 3D計測、欠陥検出、肉厚検出の 面をはって、3D CADソフトウェアと 3種類のオプションモジュールがある データ連携を可能にするソフトウェア About 3D Imaging 様々な三次元画像デバイス ・医療用CT, MRI, fMRI, PET, 超音波 ・連続切片画像による三次元再構成 (数cm~数mm) ・産業用X線CT (数μm~数m) ・三次元内部構造顕微鏡 理研 横田氏 ・光学顕微鏡 + Deconvolution 共焦点レーザー顕微鏡 ・マイクロMRI ・中性子ラジオグラフィーCT ・放射光X線CT Large (数μm~数十μm) ・TEMトモグラフィー (数十nm~数nm) Small Imaging Solutions for Science X線CTの多様な利用 利用する情報 1. ミクロ組織を2D, 3D的に観察する顕微鏡的な利用 ・目では見えないものをみる。見えないところをみる。 2. 試料の内部欠陥や亀裂の発見、定量化などを 目的とする非破壊検査 医療用としては、非侵襲による画像診断 3. リバースエンジニアリングを前提とする 対象物の三次元計測 マーケット 画像データ 画像データ 点群 ポリゴンデータ 医療、バイオ、ナノテク、材料工学、 自動車、エレクトロニクス、研究用途 Imaging Solutions for Science CTデータの構造と特徴 濃度情報 二次元の画素=ピクセル 三次元の画素=ボクセル スライス画像 ・CTデータは、X線透視像を数学的に再構成した解 ・濃度情報+三次元的な画素の配列 ・形状の表面は微妙な濃度勾配により表現されている。 ボリュームデータ Volume Rendering ボリュームレンダリング ボリュームデータ 共焦点レーザー顕微鏡 医療診断装置 産業用X線CT装置 スライス画像 Imaging Solutions for Science 計測系三次元データの処理の流れ CGやムービー STLファイルとして ポリゴン(多角形) データを出力 ボリュームデータ (三次元画像) ポリゴンの最適化 CADデータ Web3D 面貼りや 形状近似 Acrobat 3D ・三次元画像から二次的に 光造形など ポリゴンや点群データを出力できる。 ・データの変換は不可逆的 ・CADデータの生成には工数や困難が伴う。 点群データ X線CTや3D計測とCAD/CAEなど既存技術との連携 工業製品などの 「現物」 製造業のものづくり デザイン 製造工程 製品設計 成型、鋳物、 試作 切削、etc ・鋳造品やアルミダイカスト、樹脂成型品、機械部品、 ハンダ、プリント基板、電子部品などの工業製品 ・コンクリート、砂利、繊維、新素材、薬顆粒などの材料 ・小動物や昆虫、骨、生物組織などの自然物 ・その他、適用分野や対象物は多岐にわたる。 シュミレーション 製品検査 故障解析 様々な三次元画像/計測デバイス 観察や計測 ・医療用CT, MRI, fMRI, PET, 超音波 計測系デジタルデータ ・連続切片画像による三次元再構成 (数cm~数mm) ・三次元内部構造顕微鏡 (理研 横田氏) 断層画像 (観察、非破壊検査、 画像計測、分析) ボリュームデータ (三次元画像) ポリゴンデータ ・産業用X線CT 点群データ (数μm~数m) ・光学顕微鏡 + Deconvolution Web3D Acrobat 3D 画像計測や可視化 共焦点レーザー顕微鏡 (数μm~数十μm) リバースエンジニアリング ソフトウェア (形状の比較やCAD化) ・TEMトモグラフィー (数十nm~数nm) Rapid Prototyping (モックアップや試作) ・マイクロMRI ・中性子ラジオグラフィーCT CGやムービー (結果の再配布) ・放射光X線CT ・3D計測装置 3D CAD CAEソフトウェア (三次元モデルの設計) プリ、ソルバ、ポスト (応力、機構、熱伝導、 振動、流体、衝撃応答などの解析 鋳造、成型シュミレーションとの連携) 3D CAM 3D CG X線CTによるレーシングカー部品の観察事例 ル・マン24時間耐久レース (フランス) 2005年度 出場車両 S101 X線CTによるレーシングカー部品の観察事例 エンジン構成部品 「ベルハウジング」 マグネシウム合金 (MC10相当材料) による鋳造品 約20kg 昨年度は、レース中にここに亀裂が 発生し、リタイアしてしまった…。 X線CTによるレーシングカー部品の観察事例 X線CT撮影 BIR/テスコ社製 ACTIS 600-450 装置スペック: X線管電圧: 450KV, 5mA フォーカスサイズ: 1.8mm 検出器までの距離 (SID): 1,200mm 回転中心までの距離 (SOD): 800mm スキャン方式: 第三世代, オフセットスキャン 検出器: ピッチ0.375mm, 開口幅250μm, 1024画素×1line 撮影スペック: 16bit×1024×1024pixels×750枚 1画素: 0.532227×0.532227mm スライスピッチ: 1mm ビュー数: 1,000 撮影時間: 1スライス20秒×750枚 = 約4時間 + 再構成に約1時間 Our Products / 対応プラットフォーム 特徴 ① 高速性 最近のPCの性能を生かして リアルタイムに三次元画像をハンドリング ② 本格派 ③ 直感的な操作性 ④ ローコスト 本格的三次元ソフトウェアとしては安価 アカデミック価格をご用意 ネットワークライセンスで共同利用にも対応 VGStudio 可視化機能中心の下位バージョン VGStudio MAX 関心領域の抽出、各種の計測、 アニメーション機能を強化 Our Products オプション 3D計測モジュール X線CT画像を円筒、円錐、面、球など単純形状に近似 幾何学形状を用いたCADライクな三次元計測を実現 距離、径、角度、近似形状との誤差評価 Our Products オプション 欠陥検出モジュール X線CT画像などから、鋳造品、樹脂などの内部欠陥を抽出、計測 ボイドの数量、体積、XYZ寸法、投影面積などをレポート Quality = 95.21 Quality = 4.31 画像中のボイドの明瞭性を示す独自のパラメータ Our Products オプション 肉厚検出モジュール 材料肉厚部分に球体を近似、その直径を厚みとみなし、肉厚解析 製造精度や磨耗の評価に Our Products 詳細な形状比較結果を レポートとして出力 Our Products X線CT装置を用いた形状計測の適用事例 によるCADリンク X線CT撮像 STLファイル 面貼りや 形状近似 樹脂製 招き猫のおもちゃ (約3.5cm) Surfaceデータ IGESファイル 3D画像 (VGStudio MAX) ポリゴンデータ (PointMaster) 3D CADソフトウェア SolidWorks 2004 thinkID-DesignXpressions CATIA Version 5 Release 13 Rhinoceros (米SolidWorks Corporation) (米think3) (仏Dassault Systems) (米McNeel) I-deas 11 NX Series Pro/ENGINEER Wildfire 2.0 NX3 (米UGS PLM Solutions) (米PTC) (米UGS PLM Solutions) 図1 STL形状 図7 STLのゴミ 図8 内部鋳巣 図2 スムージングおよび簡略化後 図3 メッシュ形状 ■ 弾性解析の荷重境界条件 Fy = 1000 N Fy = -1000 N 現物モデルの構造解析 X線CTで得た三次元モデルを様々なエンジニアリングに活用 例: CAE ・応力、機構、熱伝導、振動、流体、衝撃応答などの解析 ・鋳造、成型シュミレーションとの連携 ・従来の構造解析はCADデータを上流と考えている。 ・ものは必ずしも設計通りにできないという現実 ・内部欠陥や亀裂などの特徴に着目した解析 ・人体や自然物、ハンダ、 CADデータの無い他社製品など モデリング不可能な形状の構造解析 課題: データ処理の工数、計算の物量 シュミレーション結果の妥当性 現物モデルの構造解析 加重 固定 メッシュ生成 境界条件 現物モデルの構造解析 ボイドなし 応力は フラットに分散 ボイドあり 応力がボイド周辺に 集中し、亀裂や 接触不良の原因になる Imaging Solutions for Science 精度追求に関連する技術要素 対象物 装置や撮影条件 ・材料 ・X線の線量、線質、透過性 ・厚み、形状 ・焦点サイズ ・検出器の特性、分解能 ・置き方 画質に影響 etc… ・再構成アルゴリズム ソフトウェア技術 ・メカの精度 ・材料と背景を分離する閾値 ・画素サイズ ・マルチスライス、コーンビーム ・アーチファクト etc… ・最終データ形式、変換過程 ・データの間引き etc… ・X線CTは複合技術 ・業界として、統一的な評価方法、精度保証のシステムは確立していない。 ・データが画像情報であるが故に曖昧さが介在する。 ・対象物の適性や撮影条件による差が著しい。 Imaging Solutions for Science 精度追求に関する私見 (問題提起) 「精度」(accuracy)とは、そもそも何か? 正確さ…真値とのずれ(偏り) 精密さ…同じ装置で同じ試料を複数回測定した際に起こる測定値のばらつき(曖昧さ) 真値とのずれが少なく、かつ、ばらつきが少ないものを「精度が良い」と考えるのが共通認識か? 産業用X線CTにおいて、「精度」という表現は適切か? →「分解能」(resolution)ならば、撮像条件と装置のスペックで機械的に決定される。 但し、「みえている」かどうか、ユーザーが望む計測に耐えるデータかどうかは別問題 →どんなデータでの話か? 画像? ポリゴン? 点群? CADデータ? →1点限りの計測か? 複数のサンプルの比較による相対的な評価でOKか? 産業用X線CTによる撮像は、「計測」か? 「測定」か? →「観察」が出発点。「測定」のレベルに達するかどうかが今後の発展に直結する。 計測…トレーサビリティのとれない世界? 測定…トレーサビリティのとれる世界? 「CTの精度は何μmか?」といった素朴な疑問に良く直面するが。 →撮像条件と装置のスペック、試料や画質や評価方法によるので、答えは「一概に言えない」 →みるサンプル(大きさ、材料、置き方)によっても絵が変化する。 →絶対値の基準(指標)は何か?…標準試料としてのファントム? CTの画質について「こっちの方がきれい」といった議論 →極めて主観的な評価。定量的に議論することが困難な世界。しかし、差は確実に存在する。 Imaging Solutions for Science ユーザー事例: 豊橋技術科学大学 戸田裕之先生 放射光施設(Spring-8)で 高分解観察を目的とする X線CT装置を構築され、 主に金属材料の解析を テーマとされています。 線源 μフォーカスX線管 SR (偏向電磁石) SR (偏向電磁石) SR (アンジュレータ) Voxel 8.0 μm 5.8 μm 2.7 μm 1.0 μm 備考 Skyscan1072(100kV) SPring-8-BL20B2 SPring-8-BL20B2 SPring-8-BL47XU Imaging Solutions for Science 精度追求に関する私見 他の業界に学ぶべきこと ・X線CT ・接触式、光学計測 ・光学顕微鏡 ・電子顕微鏡 ・投影機 ・医療用画像診断装置 ・デジタルカメラ ・光造形 現在のところ、まだ混沌としている 標準化、メーカーごとの見解 不思議と絶対値について、議論されないような気がする そもそも見える筈の無いものが見えている。精度云々は次のステージ? 原理が単純であるが故に一応の信頼を置かれている? ドクターの視点による信仰の世界もある? 画素数偏重の傾向あり 造形ピッチと原理を説明することで、みんな一応、納得? 精度があまり問題にならない使い方 X線CT画像による計測や評価を行う際の留意点 ・画像による計測の性質を良く理解する必要がある。 ・X線CTの分解能や密度評価の限界 ・単一材料のCTファントムによる輝度値指標 ・空隙率といった単純な数値(スカラー値)ではなく、ヒストグラム(分布)の評価が必要な場合がある。 ・定量的評価は理想だが、定性的評価しかできないケースも多い。 ・有意な差を導くための実験と評価プロトコールの確立が重要 ・サンプル間の相対的な比較評価に持ち込むべき。1点限りの計測による絶対値は意味を持たない場合がある ・他の実験手法による計測との相関 ・製造工程の理解や、より分解能の高い観察などで試料の構造を良く理解する必要がある。 ・ソフトウェアの使いこなしやデータの前処理、閾値決定には経験的要素が必要 Imaging Solutions for Science 精度追求に関する私見 精度を論じる際の論点は多面的に存在する ・アーチファクトや画質が影響して 計測どころではない場合がある。 × ○ 精度追求 ・充分な分解能、画素数が無いと、計測の精度は出ない。 →ボイドや亀裂、厚みなど ・1画素以下 (サブピクセル)の精度を追求することが可能 →表面形状のみ ・比較対象物が存在する相対的な計測や精度追及は有利 例) CTデータ同士、CTデータとCADデータの比較 比較結果の連鎖が必要 ・画像処理、閾値、データ変換等に関して、 様々な経験的要素の蓄積が必要 Imaging Solutions for Science 精度や分解能に関する具体的例示 ボクセルデータ 例: マイクロCTの撮影サイズ = 5cm Cube 1辺 5cm = 1024ピクセル 1ピクセル = 約0.05mm 0.05mmが精度の根拠 サブピクセルの精度を得るには経験要 リレースイッチの半田ボール 画像中のボイドの検出は、少なくとも 数画素必要、2×2×2画素、つまり 8画素を検出限界として通常、 処理しています。 縦横両視野の精度比較 読み込んだ縦横両方のCT画像を描画しています。 画像解像度は512×512×431 視野の長辺は約34mm 1画素のサイズは0.067×0.067×0.067mm サンプルはランダムな形状要素が多く、評価用としては最適です。 縦横両視野の精度比較 同じ手順でポリゴンにした縦横両方のデータ 位置合わせを行いました 縦横両視野の精度比較 下部のスケールの最大/最小値を±0.1mmに設定しています。 おおむね、この範囲内に誤差が収まっていることが分かります。 縦横両視野の精度比較 緑の部分は、ほぼ1画素分の誤差±0.07mmの領域を示します。 縦横の視野の違いによる形状の歪みは認められません。 About Voxels 精度に関する議論 ボリュームデータに 球体の仮想データを 埋め込む 1.4 体積/理論値 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 分解能 20 100 200 300 400 高分解能を目指すに従って、ご利益(絶対値)は 小さくなるが、様々なコストが飛躍的に高くなる。 About Voxels 大容量データへの対応 8bit× 512× 512ピクセル×200枚=50MB 16bit×1024×1024ピクセル×500枚=1GB 16bit×2048×2048ピクセル×500枚=4GB Intel 32bit CPUは ・4GB以上の物理メモリを積めない。 1ボクセル 0.0254mm 4GBのデータ ・基本的に1プロセスが2GB以上のメモリ空間をアクセスできない。 Windows XPの3GBモードを有効に → 3GBのメモリ空間をアクセス可能に Intel Xeon, AMD Opteronなど 64bit CPUを搭載したPCに 8GB~16GBといったメモリを搭載して 大容量データの取り扱いを実現 Our research Analyzing complex 3D structure in CT images その他の適用例: 薬顆粒、繊維、新素材など コンクリートのCT画像 With Dr. W. Brent Lindquist State University of New York at Stony Brook. USA 弊社の主要製品 X線CTなどで撮像した 粒子や多孔体のような試料の 三次元画像からその形態や構造を 分析/評価するソフトウェア 繊維状の細長い構造が連続する 材料をX線CTなどで撮像した時に その三次元的な構造や形態を 分析/評価するソフトウェア Imaging Solutions for Science 本日のプレゼン資料はこちら http://www.nvs.co.jp/pdf/kika09apr17full.pdf (約7MB) その他、弊社製品や技術資料がダウンロードできます。 1. 定価表、製品構成等のセールス資料一式 (約2MB) http://www.nvs.co.jp/pdf/NVSsales2009Q2CEU.zip 2. 弊社ソフトウェア製品のカタログ (約13MB) http://www.nvs.co.jp/pdf/NVSbrochure2009.zip 3. 三次元画像解析に関する記事や論文 (約15MB) http://www.nvs.co.jp/pdf/NVSarticles2009.zip 4. VGStudio/MAXのカタログ等一式 (約42MB) http://www.nvs.co.jp/pdf/VGbrochure.zip 5. COBRAの資料一式 (約4MB) http://www.nvs.co.jp/pdf/COBRA2008Q3.zip Welcome to… その他の弊社の事業/関心領域 ・二次元、三次元、動画像処理 ・産業用X線CTのデータ処理 ・医療、バイオイメージング ・リバースエンジニアリング 画像と三次元に関する研究開発をトータルにサポート 商談、デモ 共同研究/開発 ご相談、情報交換 講演のご依頼など 随時