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14Si ケイ素
14Si ケイ素 英語 silicon ドイツ語 Silicium (Silizium) フランス語 silicium スウェーデン語 kisel ギリシア語 πυρίτιο (piritio) ロシア語 кремний (kremnij) (太字は命名者の出身地) 発見の順番 50 番目 名称の由来 1823 年、近代化学の父と呼ばれ、いくつもの元素を発見すると共に、元素記号の記法を提唱し たスウェーデンの化学者イェンス・ヤコブ・ベルセーリウス(1779–1848)により初めて単離され ました。但し、その存在はそれ以前から予想されており、15 年ほど前の 1808 年、イギリスの化 学者ハンフリー・デイヴィー(1778–1829)が既に silicium という名前を提案していたと言われて います。これは、ラテン語の「火打石」silex の対格形 silicem を基にしたもので、火打石が二酸化 ケイ素の一種であることによるものです。デイヴィーはこの元素が金属であると考え、金属の典 型的な接尾語である-ium を付け加えました。ドイツ語やフランス語では、この名称がそのまま使 われています。英語名の silicon は、ケイ素が非金属元素であることが判明して、非金属元素であ る 6C 炭素 carbon や 5B ホウ素 boron の語尾-on に倣ったものです。 発見者のベルセーリウス自身は kisel と命名したそうで、彼の母国スウェーデン語では、ケイ素 はその名で呼ばれています。現在のスウェーデン語では、kisel は「ケイ素」の意味しか持ってい ませんが、 「石」sten との合成語である kiselsten は「火打石」を意味します。 ロシア語の名称 кремний (kremnij)やギリシア語の名称 πυρίτιο (piritio)は、いずれも「火打石」 кремень (kremen')や πυρίτης (pyrītēs)に由来しているようです。ギリシア語で πῦρ (pȳr)は「火」の意 味であり、それから派生した「熱分解」 (英語で pyrolysis)という用語もあります。 名称の由来:日本語 日本語の「ケイ素」を漢字で書くと「珪素」です。 「珪」の字は、諸侯が天子から授けられる宝 石が原義です。一説では、「珪素」は当て字で、「ケイ」はオランダ語の“keiarrd”という語を音訳 したと書いてある文献もあります。しかしながら、筆者はこの語を辞書で見つけることができま せんでした。その代り、kei(ケイ)や keisteen(ケイステーン) 「玉石、舗石」という語は存在し ます。スウェーデン語の「火打石」kiselsten や、ドイツ語の Kiesel や Kieselstein(意味はいずれも 「小石、玉砂利」 )と同系語でしょう。