Comments
Description
Transcript
生命保険事業の 基盤整備に向けて
生命保険事業の 基盤整備に向けて お客さまからの信頼維持と、事業の健全な発達を目指し、 生命保険各社の適正な運営を支援しています。 暮らしと社会を支える生命保険 保険金・給付金等の合計(平成26年度実績) 「 相 互 扶 助 」の 仕組みで さまざまな生活保障を提供 ( 約603億円 ) 年間約 22 兆円 1日あたり 生命保険は大勢の人が公平に保険料を負担し合 い、いざというときにお互いに給付を受けられる 「助 け合い」 「 相互扶助」の仕組みにより、さまざまな保 医療保障としての 入院・手術給付金など 死亡・高度障害 保険金など 老後保障としての 年金など 障を提供しています。生命保険各社は死亡・高度障 害保険金をはじめ、入院・手術給付金や年金などの お支払いを通じ、皆さまの生活に貢献しています。 生命保険の仕組み(相互扶助の原理) 保険加入者 保険料 全員が公平に 負担 社会性・ 公共性に配慮し、 安全性・有利性を 支払事由に 該当した人に お支払い 求めた資産運用 Q.「心身障害者扶養共済制度」って何? 障がいのある方を扶養している保護者が、毎月掛金を納めるこ 心身障害者扶養共済制度の仕組み 被保険者 保護者 共団体が実施しており、障がいのある方の生活の安定と福祉の 増進、保護者が抱く将来の不安の軽減を図ることが目的です。 生命保険会社10社が共同で保険契約を引き受けて運営に協力 しており、平成27年度末の加入者数は47,103名です。 12 扶養保険 契約 都道府県 ・ 指定都市 被保険者が 亡くなった場合、 年金が支払われる 障がいの ある方 助成 国 信託銀行 いのある方に終身年金を支給する制度です。 この制度は地方公 実施主体 生命保険会社 とで、保護者に万一(死亡・重度障害)のことがあったとき、障が 扶養共済 契約 保険契約者 独立行政法人 福祉医療機構 障がいのある方の A.「万が一」を支えます 保険金・年金 等の受取人 保険金・年金等 保険料 の 運用を通じて 株 式 価 値 向 上に向けた 社会・経 済活動を支援 取り組 みを4 2 年 間 継 続 調 査 生命保険各社の総資産は約370兆円で、世帯数で 当協会では昭和49年度より42年間にわたり、株主・ 単純に割ると一世帯あたり約655万円になります 投資家の立場から、株式価値向上に向けた取り組 (平成26年度実績)。各社は皆さまの保険料のご負 みを調 査しています。コー ポレ ートガ バナンス・ 担を軽減しつつ、確実に保険金等をお支払いする コードの適用元年となる今年度は、平成26年に導 ために、お預かりした大切な保険料を安全性・有利 入されたスチュワードシップ・コードも考慮し、企業 性に加え、社会性・公共性にも配慮しながら運用し と投資家の対話や、コーポレート・ガバナンスに関 ています。また、当協会では、国内株式市場全体の するアンケート項目を充実させて調査を実施しまし 活性化に向けた取組みも実施しています。 た。そして「コーポレート・ガバナンス」 「 経営目標」 「対話」の観点から、企業に対する要望だけでなく、 投資家に対する要望も公表しています。本調査が 中長期的な株式価値向上、株式市場の活性化に繋 がることを期待しています。 Opinion 税制改正の要望 3. 国際保険協会連盟に参画 社会保障制度のおかれた状況を踏まえると、公的 各国保険協会による情報連携・意見発信の強化 保障・私的保障が各役割を果たし、国民の生活保 を目的として、平成24年10月に「国際保険協会連 障を支えていくことが重要であると考えます。当 盟(GFIA)」が発足し、当協会も設立時からメン 協会では、 「 公私二本柱の生活保障」 という理念 バーとして加盟しています。GFIAの活動に精力的 のもと、私的保障の充実に向け、自助努力を支援 に参画し、IAISなどの国際機関に対する保険業界 する制度である生命保険料控除制度の拡充など の意見発信力を高め を要望してまいります。 ていくとともに、GFIA 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて 1. 私 的 保 障 のさらなる充 実 のため 、 積 極 的に意 見を表 明しています。 のさらなる発展に寄 2. 国際的な保険監督基準・ 会計基準の策定に向けた意見 与してまいります。 国際保険協会連盟(GF IA)総会(ルクセンブルク) 生命保険事業の国際化が進展するなか、各国の 保険監督機関などで構成される「保険監督者国 際機構(IAIS)」では、国際的な保険監督基準の策 4. 韓国生命保険協会と 覚書を締結 定に向けた議論が、また「国際会計基準審議会 韓国生命保険協会との協力関係及び相互理解を (IASB)」 では、保険契約に関する国際会計基準の 促進し、共通の関心事項や活動情報を交換する 策定に向けた議論が行われています。当協会は ため、平成27年7月に同協会と覚書を締結しまし 生命保険の事業特性が適切に反映されるよう、 た。その一環として、同協会と意見交換会を開催 積極的に意見を表明しています。 しています。 13 より適切に業務を行うための取組み 生 命 保 険 各社が遵守すべき 「 行動規範」を制定 当協会では、生命保険事業がこれまで以上に社会 では、各社の事業経営や役職員の業務遂行におけ から信頼されるよう、生命保険各社やその役職員が る原則・基準を 「行動原則」 として定めるとともに、遵 遵守すべき 「行動規範」 を定めています。 「行動規範」 守すべき「基本的行動」を定めています。 行 動 規 範 行動原則 お 客さま本 位 の 行動 コンプライアンスと 高い企業倫理に 基づく行 動 社会的責任に 基 づ く行 動 基本的行動 1 商品の提案・提供から支払いまでの 適切なお客さま対応の推進 6 社会性等に配慮した 安全・有利な資産運用の遂行 2 お客さまや社会との相互理解の促進 7 環境問題への取組みの推進 3 お客さま情報の 適正な取扱いと保護の徹底 8 社会貢献活動の推進 4 コンプライアンスの推進 9 職員の人権尊重と 活力ある職場環境の実現 5 反社会的勢力との関係遮断 10 リスク管理の徹底 11 再発防止の徹底と説明責任の遂行 実務上の留意点などをまとめた 自主ガイドライン策定と見直し 当協会では、商品の提案・提供からお支払いまでの い・留意点を自主ガイドラインとして策定し、周知を 各段階において、適切な取扱いを行い、お客さまに 図っています。自主ガイドラインについては、定期 対して最良のサービスが提供できるよう、生命保険 的に点検・見直しを行っています。 各社やその役職員が参考とすべき実務上の取扱 14 自 主 ガ イド ラ イ ン 消費者への情報提供 (生命保険文化センター作成) 適切な保険金支払い ● 保険金等の支払いを適切に行うための ● 生命保険の契約にあたっての手引 対応に関するガイドライン ● 保険金・給付金の請求から受取りまでの手引 ● 保険金等の請求案内事務に関するガイドライン ● 診断書様式作成にあたってのガイドライン 適正な募集 ● 契約概要作成ガイドライン 個人情報保護 ● 注意喚起情報作成ガイドライン ● 生命保険業における個人情報保護のための ● 契約締結前交付書面作成ガイドライン 取扱指針(生保指針) ● 市場リスクを有する生命保険の募集に関する ● 生命保険業における個人情報保護のための ガイドライン 安全管理措置等についての実務指針 ● 正しい告知を受けるための対応に関する (生保安全管理実務指針) ガイドライン ● 未成年者を被保険者とする生命保険契約の 適切な申込・引受に関するガイドライン ● 保険募集人の体制整備に関するガイドライン※ 高齢者対応 ● 募集関連行為に関するガイドライン※ ● 高齢者向けの生命保険サービスに関する ガイドライン ※平成27年度新規策定 ● 生命保険商品に関する適正表示ガイドライン ● 生命保険商品の募集用の資料等の審査等の 体制に関するガイドライン 保険業法改正に対応して 適切な募集態勢をサポート 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて 募集資料等の適正な表示 「認定個人情報保護団体」 としての 活 動 販売形態の多様化など、保険会社を巡る経営環境 当協会は、平成17年4月に金融庁から個人情報の の大きな変化を踏まえ、平成26年5月に保険業法が 保護に関する法律に基づき「認定個人情報保護団 改正され 、保険募集の際の情報提供義務・意向把 体」 として認定を受けました。 「 個人情報保護指針」 握義務などの保険募集に係る基本的ルールや、代 を策定し、生命保険各社に対して遵守を指導・勧告 理店などの保険募集人に対する体制整備義務が導 するとともに、苦情等の受付及び各社に対する情報 入されました。当協会では、改正のポイントをまと 提供などを行っています。 めたQ&A集や、 「保険募集人の体制整備に関する ガイドライン」 「 募集関連行為に関するガイドライ ン」を作成・公表するなど、生命保険各社の適切な 保険募集態勢の構築・運営をサポートしています。 15 生 命 保 険 各社 の 取組事例を 収 集し経 営改善に反映 当協会では、平成19年より、各種自主ガイドラインに 例を収集するため、 アンケートを実施していました。 おける生命保険各社の取組状況を確認し、 ガイドラ 平成27年以降、両アンケートを発展的に統合し、 インの内容を経営に反映させていくことを目的に、 「Value Upアンケート」を実施しています。 これによ フォローアップアンケートを実施していました。ま り、消費者からの意見・要望などを踏まえた各社の た、平成18年より、協会内の横断的組織である 「消費 対応を含め、お客さまサービスの向上を目指して 者の声」事務局において、業界外部から寄せられた 行った取組事例などを収集・共有化し、各社のPDCA 相談・苦情、 ご意見・ご要望等を集約・分析し、苦情 の取組みを高度化させることで経営への反映を一 や要望の多い項目を中心に、各社における取組事 層促進しています。 自主ガイドラインのPDCAによる経営品質向上に向けた取組み Plan 自主ガイドラインを策定、 各社が業務規程を策定 協会・各社の 経営品質向上 Action 自主ガイドラインを見直し、 各社が業務規程を見直し Do 自主ガイドライン・各社業務規程 に基づく業務遂行 Check V a l u e U p ア ン ケ ー ト 各社の主な取 組 事 例 お 客 さま へ の 対 応 社内業務運営態勢の強化 録いただいたご家族1名の連絡先の管理を実施。 また登録いただいたご家族1名に対し、年に1度 ご契約情報を記載した定期通知をお送りすると ともに、 ご家族から照会いただいた場合には、契 契約時・契約期間中 「ご契約者情報家族連絡サービス」を導入し、登 契約担当所管より支社向けに講師を派遣し、正し い告知取得の強化に向け研修を実施した。 約者と同等レベルの情報開示を実施している。 が各種変更・請求の応対を行う 「シニア専用ダイ ヤル」を設置し、高齢者の方がお申し出いただき やすい環境を整備している。 請求時・支払時 自動音声による申出内容選択を行わず、熟練者 コールセンターのオペレーター向けに高齢者対 応基本トークスクリプトを作成して研修を実施し、 高齢者応対品質の更なる向上を図っている。 業 界 外 部の声 保険金の請求漏れを防ぐために、家族登録制度の取組みがあると聞いた。契約者がその家族に登録をしていること を言えば良いが、 その家族が、 自分が登録されたことを知らないのでは意味がない。 営業職員の告知受領に関する制度や解釈および正しい告知について、指導していることがあれば教えて欲しい。 保険金、 給付金請求手続きが煩雑で分かりにくいとの声に接する。丁寧な説明が必要ではないか。 16 「せいほ意見交換会」の開催と 消費者関連団体への定期的訪問 当協会では、消費者の声を把握し、生命保険事業に 対する正しい理解を促進することを目的に、生命保 険文化センターと協力して「せいほ意見交換会」を 開催しています。平成27年度は、全国で消費者行 政・団体や報道関係者と計129回の意見交換会を 開催し、多くのご意見をいただきました。 また、 日頃 から消費者関連団体を定期的に訪問し、情報提供 を行うとともに、生命保険事業や当協会の活動など に関するご意見をお聞きしています。 せいほ意見交換会 消費者団体の声 これからも本物志向の 消費者対応に期待しています 日本消費者協会 事務局長 い とう けんいち 伊藤 健一さん てもらうため、早くから最重要情報の絞込みをはじめ、 理解される情報発信に努めています。この課題の克服 は 決して容 易 なことではありませんが 、今 後もより強 力な推進を期待します。 もうひとつは、コールセンター業務の外部委託につい てです。最 近 、さまざまな 業 界でコール センター 業 務 を専門業者に委託する傾向が広がっています。 しかし その結果、消費者の声が経営層へ届くことが難しくな ら気にかけている点について2点お伝えします。 る状況が懸念されます。消費者トラブルを「もめごと」 ひとつは「理解される情報発信」の重要性です。ひとこ と捉えるのではなく、これからの「ヒント」 と捉え直す必 ろ、企業は消費者に難しい情報を大量に発信して、理 要 があります。この点でも、生 命 保 険 業 界では消 費 者 解してもらったと見 な す 傾 向 が 多くありました 。しか の声を経 営 改 善に活 かす取 組 み が 見られます。今 後 し、これでは「読まれず、理解されない」情報となり、む も効率に左右されることなく、さらなる取組みに期待し しろトラブル時の言い訳にしかならない例も散見され ています。 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて 消費者対応に関して、生命保険業界に限らず、普段か ます。幸い生命保険業界では、形のない商品を理解し 17 災 害 等 の 発生に備えた 「災害地域生保契約照会制度」 態勢整備 を運営 当協会では、災害発生時や新型インフルエンザな 当協会では、東日本大震災以降「災害地域生保契 どの流行に備え、 「 大地震対策要綱」を策定するな 約照会制度」を運営しています。 この制度は、災害 ど、保険金のお支払いなど重要な業務を継続し、社 救助法が適用された地域において、被災されたお 会的責任を果たせるよう、対策を講じています。ま 客さまが加入していた生命保険会社がわからず、 た、生命保険各社においても、東日本大震災への取 生命保険契約に関する手掛かりを失い、保険金の 組みを踏まえ、災害対策や事務・サービスの見直し 請求を行うことが困難な場合などにおいて、生命保 を行っています。事業継続計画(BCP)の見直しを行 険契約の有無のご照会に応じています。 うことに加え、平常時のお客さま対応についても一 層の充実に向けて取り組んでいます。 災害地域生保契約照会制度の運営 お 支 払 い の お 手 続 きの た め のご 案 内 照会 震災により 生命保険の手掛かりが なくなられたお客さま 該当する契約が無い旨を 照会者へ連絡 18 0120-001731 受付時間 月~金曜日(祝日を除く) ご契約有 調査依頼 災害地域生保契約 照会センター (生命保険協会本部) 照会者 会員会社(41社) ご契約無 9 : 00~17 : 00 該当する契約が 無い旨を回答 平成28年熊本地震で被災された お客さまへの対応 平成28年4月14日 (木)、平成28年熊本地震 た契約者等への対応を積極的に支援する が発生しました。当協会では地震発生後直 こと」を定め、基本方針に基づき、各種対応 ちに「大地震対策本部」を設置し、基本方針 を決定し、実行しています。地震発生後、生 として、 「 被災された方に一刻も早くご安心 命保険各社では直ちにご契約の特別取扱 いただけるよう最大限の配慮に基づ いた いを行いました。 対応を行うこと」 「 会員会社による被災され 1 ご契約に関する各種特別取扱い 保険料払込 猶予期間の延長 (最長6か月延長) 保険金等の 簡易迅速なお支払い (必要書類の一部省略等) 災害地域生保契約照会制度の運営 3 お客さまへの周知活動 不適用 (災害関係保険金・給付金の 全額をお支払い) 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて 2 地震免責条項等の 当協会では、生命保険業界における 震災対応について、新聞広告および 当協会ホームページ等でご案内して いるほか、生命保険各社の相談窓口 等を記載したポスターを避難所、市・ 区役所等に掲示するなど、お客さまへ の周知活動に取り組んでいます。 生命保険各社の相談窓口、災害地域生保契約 照会センターの連絡先を記載したポスター 19 苦情・紛争の解決支援 中 立・公 正な立場で 消 費 者 の 相談や苦情に対応 生命保険相談所(東京の生命保険相談室と各道府 県53か所の連絡所)では、専門知識を持った相談 員が、中立・公正な立場で相談や苦情などをお受け 相談の様子 しています。苦情の解決依頼の申出を受けた場合 生命保険相談所の受付件数 には、関係する生命保険会社に対して和解のあっ 年 度 6,067 一般相談 せんなどを行い、早期解決を支援しています。 (単位:件) 平成27年度 平成26年度 6,064 5,186 苦 情 4,724 11,253 合 計 10,788 「裁定審査会」における 紛争 の 適 切な解決 苦情申出を受けたことを生命保険会社に連絡し、 年度に委員を計5名増員するなど体制を強化して 解決を依頼した後、原則1か月を経過しても問題が います。現在は弁護士6名、消費生活相談員6名、生 解決しない場合、その申出の解決を図ることを目的 命保険相談所の職員3名の計15名の委員で構成さ に、生命保険相談所に「裁定審査会」を設けていま れ、中立・公正な立場から紛争の適切な解決を図っ す。同会では平成26年度に運営を見直した結果、申 ています。 立件数が増加し、それに対応するため、平成27、28 裁定審査会ご利用手続きの流れ 裁定審査会 和 解 案の 作 成・提 示 審 理 書 面・ヒ ア リ ング な どで事 実 確 認 適 格 性の審 査 裁定申立 解 決 し ない 場 合 話 し合 い・ あっせん 会 社へ解 決 依 頼 苦情申出 和解 成立 裁定不調に よる終了 裁定書に 解決 よる終了 不受理 裁定審査会への申立件数の推移 指定紛争解決機関として 業務を実施 300 312 260 200 208 202 19 4 24 25 26 172 12 2 10 0 4 0 (件) 平成13 20 14 16 24 14 15 16 37 17 25 18 40 82 19 20 21 22 23 27(年度) Q.「指定紛争解決機関」って何? 中立・公正な立場で、 A. 裁判外での紛争解決 を図ります 中立・公正なADR機関(裁判外紛争解決機関) として、法令に基 づき金融庁から指定を受けた機関のことです。当協会は、平成 22年9月15日付で指定を取得しました。 外部有識者による 「裁定諮問委員会」の 設置 「指定紛争解決機関」による手続きの主な特長 生命保険会社は手続きへの参加・協力が 義務付けられています。 生命保険会社は裁定審査会の裁定結果を原則、 受諾することが義務付けられています。 裁定審査会への申立を行う場合、 お客さまの請求権に 係る消滅時効の進行が中断します。 裁定審査会の手続きは、無料でご利用いただけます。 相 談や苦 情 対 応についての 情報提供 生命保険相談所では、外部有識者の学者、弁護士、 当協会では相談・苦情の受付状況をまとめた「相談 医師、消費者団体の代表者、及び当協会の常勤役 所リポート」や「裁定概要集」を発行しています。ま 員からなる「裁定諮問委員会」を設けています。同 た、年に4回、項目別の苦情件数や代表的な苦情な 委員会は、生命保険相談所長(生命保険協会長)か どをまとめた「ボイス・リポート」 ( 全社版・各社版) らの諮問・相談に応じるとともに、相談所の業務や を作成・提供することで、苦情の再発防止・未然防 裁定審査会の運営が公正・円滑に行われるよう、必 止を図っています。さらに、生命保険各社の苦情件 要に応じて勧告・提言を行っています。同委員会で 数をホームページで公表し、中立性・公正性・透明 出された意見などは、当協会や生命保険各社の取 性の確保に努めています。 組みに反映させる仕組みを構築しています。 生命保険業界では、当協会や生命保険各社で受け 付けたお客さまの声を経営改善に活かす取組みを 進めています。なお、お客さまに苦情内容の傾向や 苦情に対する各社の取組みをご理解いただくた ホームページでご覧になれる苦情情報等 苦情件数 苦情の内訳 当協会受付分 各社受付分 当協会受付分 各社受付分 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて お客さまの 声を 今後 の 経営改善に活用 苦情の主な事例 苦情等の対応状況(改善状況) め、当協会や各社のホームページで苦情の件数や 保険金等の支払件数・ 支払非該当件数 内訳、保険金等の支払件数・支払非該当件数など 保険金等支払漏れなど に関する情報を開示しています。 :当協会HPで開示 :各社HPで開示(当協会HPからリンク) 相談員の声 相談後に気持ちが軽くなり 元気になれるアドバイスを 生命保険相談室相談員 たかはし あきこ 髙橋 明子 保険営業の経験者として、生命保険に関するトラブルで のお客さまの疑問や不満などをお伺いし、アドバイスし ています。最近は「どこに相談したらよいか分からない」 という相談が多いと感じます。電話、窓口来所、いずれ の場合も相談後には気持ちが軽くなり、元気になってい ただくことを目指し、中立・公正な立場で解決に向けた 支援をするため、日々の業務にあたっています。 21 コンプライアンスの向上と人材育成 営 業 職 員や代理店 のために 業界共通教育制度の体系図 教 育 制 度を運営 入社説明会 営業職員や代理店が生命保険の販売を行うために 要とされる知識や資質・能力を確認するための「一 3 般課程試験」を運営しています。 また、 より高いレベ (通算 ルでお客さまのニーズに対応できるように「専門課 か月研修 行う必要があります。当協会では、登録のために必 初期 は、法令上、主務官庁に生命保険募集人の登録を 15 を、変額保険・変額年金保険の販売に必要とされる 45 60 時間) 運営しています。当協会では、毎年テキストなどの 最低8日間、30単位32時間 一般課程試験 合格 単位 知識を修得するために「変額保険販売資格試験」を 登録前研修 入社 日間 程試験」 「 応用課程試験」 「 生命保険大学課程試験」 支社を中心に1日以上実施 登録(主務官庁) 登録後研修 最低7日間、15単位28時間 実地指導 登録後1か月 見直しを行い、教育内容の充実を図っています。 専門課程に関する研修 2日間以上、12時間以上 生 命 保 険 募集人 の 継 続 教 育 制度を実施 専門課程試験 合格 生命保険募集人がお客さま重視・法令等遵守の視 ライフ・ コンサルタント 点を持ち続けて募集活動を行うため、毎年、原則と してすべての生命保険募集人に対して継続的に教 育する仕組み(継続教育制度)を構築しています。 また、標準カリキュラムのフォローアップを毎年行 応用課程試験 合格 い、継続教育の充実を図っています。 継続教育制度標準カリキュラム 22 1 コンプライアンス 2 法令上の禁止行為 3 適正な保険募集のために必要な知識 4 保険金等の支払い等アフターサービス 5 保険代理店による保険募集に関するルール 6 銀行等による保険募集に関するルール シニア・ライフ・ コンサルタント 変額保険販売 資格試験研修 2日間以上、10時間以上 変額保険販売 資格試験 生命保険 大学課程試験 合格 トータル・ライフ・ コンサルタント 合格 登録 (生命保険協会) 継続教育制度 原則すべての生命保険募集人が、当協会が定める継続教育 制度標準カリキュラムに則った研修などを毎年履修する。 ※所属する生命保険会社・代理店にて研修を実施します。 各教育制度の目的、修得内容、合格者数(平成27年度) 試験 目的 主な修得内容 一般課程 営業職員や代理店に求められる生命保険の基礎知 識を修得すること ▶ 募集時などにおけるコンプライアンス ▶ 保全・アフターサービスの重要性 など 専門課程 一般課程で得た基礎知識をもとに、 さらに高水準の保 険販売に関する専門知識・周辺知識を修得すること ▶ 隣接業界の知識 ▶ 社会保障制度・企業保障制度 など 応用課程 応用力・実践力を養成し、 ファイナンシャル・プランニ ング・サービスに必要な全般的知識を修得すること ▶ 税の種類と計算 ▶ 公的年金制度 など 生命保険大学課程 業界共通教育体系の最高位に位置する課程で、生 命保険や関連知識を専門的なレベルで修得すること ▶ ファイナンシャル・プランニング ▶ 個人保険・企業保険商品研究 など 変額保険販売資格 変額商品の特徴や仕組みなどの知識を修得すること ▶ 変額保険の種類と仕組み ▶ 募集上の禁止・留意事項 など 合格者数 138,081 名 80,860 名 28,477 名 32,088 名 47,092 名 適切に業務を行うための 取 組 みを促進 Case1 支払担当部門の 人材育成 生命保険各社の支払担当者の業務能力の維持・向上を図 るため、 「生命保険支払専門士試験」を運営しています。平 成27年度の合格者は2,430名でした。 ご契約の申込時には、告知や医師の診査などにより健康 面接士制度の運営 と面接する方法があります。当協会では、 この生命保険面 接士の認定試験を運営しています。平成27年度の合格者 は1,523名でした。 法令や自主ガイドラインを踏まえた適切な業務運営のた Case3 研修会の実施 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて Case2 状態を確認します。その手段のひとつに、生命保険面接士 生命保険 めに、生命保険各社の職員を対象に各種研修会を開催し ています。また、業界のコンプライアンス向上への取組み の周知徹底を図っています。 職員の声 私たち業務教育グループは、業界共通各課程試験を各 各県地方協会と力を合わせ 県地方協会と力を合わせ、円滑に実施されるよう努めて 試験の円滑な実施に努める います。業界共通教育制度が営業職員と代理店の知識 業務教育部業務教育グループ くどう の ぶよ 工藤 展代 習得、資質向上に役立ち、お客さまのニーズに合ったラ イフプランをご提案できることにつながることを願い、 こ れからも災害時の対応も含め、全国で安定的に試験を実 施できるよう頑張りたいと思います。 23 健全性・公平性確保のための取組み 生 命 保 険 の 悪用を 防ぐための 取組み 生命保険は、不当に利益を得るために悪用される ことがあります(これを「モラルリスク」 と呼んでいま す)。モラルリスクを防止するため、当協会では、さ まざまな制度を設けています。 また、犯罪死の見逃 し防止のための警察による生命保険加入状況調査 に協力しています。さらに、社会問題となっている 特殊詐欺に対しては、お客さまが被害にあわない よう注意を促すポスターを、警察庁や金融庁と協力 して作成するとともに、全国の地方協会で注意喚起 チラシの配布活動などを行っています。 特殊詐欺防止チラシ 「モラルリスク」を防ぐための制度 契約内容登録制度 支払査定時照会制度 生保警察連絡協議会の運営 複数の生命保険会社にまたがり、 保険金等のご請求があった場合、 生命保険を不正に利用する犯罪を防 短期間に集中して契約し不正に保 生 命 保 険 会 社 同 士 が 必 要 に 応じ 止するため、警察庁と連絡会議を開催 険金等を受け取ることを防止する て、保険契約の内容について情報 しています。また、全国54の地方協会 ため 、契約内容を当協会の「登録 交換を行い、保険金等のお支払い と都道府県警察本部との間で「生保警 センター」に登録し、 ご契約の引き の際に判断の参考にしています。 察連絡協議会」を設置し、暴力団情勢 受 けや 保 険 金 等 の お 支 払 い の 判 の現状と対策やモラルリスク防止策、 断の参考にしています。 特殊詐欺などについて、情報交換を 積極的に行っています。 反 社 会 的 勢力へ の 対 応について マネー・ローンダリングに 関する対 策 当協会は、 「行動規範」などにおいて、反社会的勢力 マネー・ローンダリングとは、犯罪などで得た資金 との関係遮断を宣言しています。また、反社会的勢 をあたかも正当な取引で得た資金に見せかけるた 力及びその関係者との保険契約の解消に向けて、 めに、その出所を偽装したり、隠したりすることで 保険約款への暴力団排除条項の導入の後押しや反 す。当協会では、マネー・ローンダリングなどの対策 社会的勢力に関する業界データベースの構築、他 について、生命保険会社の理解を深めることを目的 団体との意見交換などの対応を行っています。 としたハンドブックやQ&A、お客さまへ向けた店頭 掲示用ポスターの作成などを行っています。 24 わかりやすい情報発信 ホームペ ージで 生 命 保 険 の 基礎知識を解説 当協会ホームページ内の「生命保険の基礎知識」 で 生命保険の 基礎知識 は、生命保険について知っておくと便利な基礎知識 を解説しています。また、 「 生命保険かんたんナビ」 では、生命保険各社の生命保険商品に関する情報 を手軽に入手できます。 生命保険を 体系的に解説 生命保険協会ホームページ 生命保険 www.seiho.or.jp かんたんナビ 生命保険各社の ホームページにリンク 「生命保険事業概況」 などの 統 計 資 料 の 公 表 生命保険各社のディスクロージャー(経営内容の開 生命保険各社の主要業績を、毎月、四半期、上半期 示)は、法令によって開示項目が定められています。 及び年度ごとにまとめた業界全体の事業概況を、 当協会では、お客さまや投資家の利便性の観点か 当協会のホームページで公表しています。また、主 ら、 自主的に開示すべきと判断した項目を加えた業 な業績の動向を簡潔にまとめた「生命保険の動向」 界統一のディスクロージャー開示基準を定めてい や、業績などの詳細な統計資料として 「生命保険事 ます。また、毎年見直しを行うことにより、情報開示 業概況」を作成し、提供しています。 生命保険事業の 基 盤 整 備に向 けて 経営内容 の 開示基準 の 見直しとさらなる向上へ のさらなる向上に努めています。 財務諸表などを説明した 「虎 の 巻 」の 作成 生命保険各社の ディスクロージャー誌を提供 生命保険各社の財務諸表など 生命保険各社のディスクロージャー誌を、当協会の を皆さまにわかりやすく説明し 本部及び地方協会に備え付けるとともに、全国各 た「 生 命 保 険 会 社 の ディスク 地の消費生活センターなどにも提供しています(約 ロージャー ~ 虎 の 巻 」を 作 成 400か所)。なお、当協会のホームページにおいて し、当協会のホームページにお も各社の決算発表資料、上半期情報及び四半期情 いても掲載しています。 報を掲載しています。 25