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食道アカラシア手術の最近の進歩

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食道アカラシア手術の最近の進歩
〔千葉医学 82:133 ∼ 138,2006〕
〔 総説 〕
食道アカラシア手術の最近の進歩
島 田 英 昭 林 秀 樹 岡 住 慎 一 落 合 武 徳
(2006年 1 月16日受付)
Ⅰ.緒 言
食道造影所見は,下部食道の拡張所見が特徴
的であり,軽度の症例から紡錘型,フラスコ型,
食道アカラシアは,嚥下障害を主訴とする比較
S 字型を呈する。下部食道の拡張最大横径によ
的まれな疾患であるため,拒食症や食道炎などと
り Grade 1(<35㎜), Grade 2(35-60㎜), Grade 3
診断されることがしばしばある。当科では,1960
(65㎜<)の 3 型に分類される。内視鏡所見では,
年代より食道アカラシアの診断と治療の確立に努
噴門部の巻きつき像,めくれこみ像が特徴的であ
めてきた。本稿では,最近の食道アカラシアの術
る。食道内圧検査では,① LES 弛緩不全,②食
式の変遷について概説し,現在の標準術式である
道内圧上昇,③ 1 次蠕動波消失,が認められる。
鏡視下手術術式を紹介する。
Ⅲ.アカラシア手術術式の変遷
Ⅱ.食道アカラシアの病態と診断
食道アカラシアの治療法には薬物療法(カルシ
食道アカラシアは,10万人に0.4 ∼ 1 人の頻度
ウム拮抗薬・亜硝酸薬),バルーン拡張術及び外
で発症する嚥下困難や胸焼けを主訴とする良性疾
科手術が施行されている。薬物療法や内視鏡下ブ
患である。好発年齢は,20-40歳の若年者であり,
ジー術に抵抗性の症例が手術適応とされている。
男女差を認めない。嚥下時の食道蠕動波の消失と
年齢としては,40歳以上の症例ではバルーン拡張
下部食道括約筋(LES)の弛緩不全とそれによる
術の有効率が高く,30歳未満の若年者では有効率
下部食道圧上昇を特徴とし,食道内に停滞した
が低い。非手術治療に抵抗性であり体重減少を伴
食物が逆流して誤嚥性肺炎を起こすこともある。
う症例は手術の絶対適応である。
LES 弛緩に関する神経障害の病因は確定してい
Csendes らの無作為比較試験の 5 年間の経過観
ないが,ウイルス感染[1],自己免疫[2],先天異
察の結果から,通過障害改善率が開腹下筋層切
常[3]などの関与が報告されている。食道壁局所
開 + 胃底部固定術を施行した手術群で95% である
では,Auerbach 神経叢の変性消失がみられ,迷
のに対してバルーン拡張術群では65% と手術群が
走神経系の異常や食道壁に存在する筋間神経叢に
有意に優れていることが明らかとなった
[4]。最
おける抑制神経系の障害などが考えられている。
近では,鏡視下手術により低侵襲の手術が可能と
食道造影検査,内視鏡検査,食道内圧検査で診断
なったため合併症などのため手術不能の症例を除
される。ただし,内視鏡検査や食道造影検査時に
いてほぼ全ての症例が手術適応であると考えられ
ブスコパンを使用すると下部食道狭窄部位が弛緩
る。多くの術式が試みられてきたが,手術の基本
するためアカラシアの病態を見逃す可能性がある
概念は,通過障害の解除術と通過障害解除に伴う
ので留意する必要がある。
胃食道逆流症の発生を予防する逆流防止術の両者
千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学・食道胃腸外科
Hideaki Shimada, Hideki Hayashi, Shinichi Okazumi and Takenori Ochiai: Recent advancement in surgery for
achalasia.
Department of Frontier Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba 260-8670.
Tel. 043-226-2110. Fax. 043-226-2113. E-mail: [email protected]
Received January 16, 2006.
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島 田 英 昭・他
を施行することである。本稿では,アカラシアに
胃噴門部の筋層のみを切開する方法(筋切開法)
対する手術術式の変遷を概説し,現在当科で施行
が安全な術式として行われてきた(Heller, 1914
している鏡視下 Jekler-Lhotka 法について紹介す
年)
[8]。また,筋層縦切開後横縫合する方法も
る。
再狭窄を予防するために有効な術式として行わ
アカラシアの手術としては,1897年の Rumpel
れてきた(Girard, 1915年)。さらに開胸下に下部
らの噴門切除術が最初の報告とされている。その
食道壁筋層切開を行う術式も報告された(Olsen,
後,食道胃側々吻合術(Heyrovsk 1913年),迷
1951年 , Ellis 1958年)。しかし,筋層切開術単独
走神経切断術(Rieder 1929年),横隔膜形成術
では,狭窄症状は消失するものの,長期経過観
(Petrovsky 1962年)などが報告されているが,
察の結果では全層切開術と同様に,術後の逆流
現在では,下部食道壁筋層の切開による通過障
生食道炎の発生が認められることが明らかとなっ
害の解除術と逆流防止術を併用する術式が主体と
た。そこで,通過障害を解除した後の逆流を防止
なっている。
するため,噴門形成術(Dor 法)を付加した術式
下部食道壁全層の切開法としては,狭窄部食
が提唱された。すなわち,Heller-Dor 法(1962),
道前壁を全層縦切開して横に縫合する噴門形成術
Jekler-Lhotka 法(1967)
[9],Girard-Tanaka 法
(Wendel, 1910年)や当科の佐藤・平嶋による胃
(1970)及び Thal-Hatafuku 法(1972)である。い
弁移植術[5,6]が報告されてきた。胃弁移植術は,
ずれも,その基本概念は同一であり,下部食道筋
下部食道から胃にかけての全層縦切開後に胃弁を
層切開による通過障害の解除と逆流を防止するた
食道切開部位へ移植することで噴門形成術を行う
めに噴門形成術として Hiss 角形成術を併せて施
術式である(図 1 )。これらの術式では,食道壁
行するものである。現在では,Jekler-Lhotka 法
を全層切開するため狭窄症状はほぼ完全に消失す
は,Heller-Dor 法とほぼ同義語として認識されて
るが,長期経過観察の結果,術後の逆流性食道炎
いる。1990年初頭より鏡視下手術がアカラシア手
の発生が認められることが明らかとなった。そこ
術へ導入されはじめた。1991年には Shimi が鏡視
で当科では,神津が1989年に胃弁移植術による食
下手術による筋層切開術を報告し[10],1993年に
道炎の発生を予防するために胃弁移植術変法を考
は Ancona が鏡視下 Heller-Dor 法を報告している
案した。この術式は胃粘膜を伴わない胃弁を移植
[11]。開腹術と比較して手術成績に差を認めず,
する術式である[7]。
手術侵襲が軽度であることから優れた術式である
と報告している[12]。
Ⅴ.当科の手術成績
当科では,現在までに計343例の食道アカラシ
ア手術を施行している。術後長期間の経過観察
の結果,食道炎,通過障害,再手術の頻度を比
較すると,表 1 のごとく,胃弁形成術,胃弁形成
術変法及び Jekler-Lhotka 法の成績が優れている
ことがわかる。食道アカラシア手術は,切除臓器
図 1 胃弁移植術
を体外に摘出する必要がないことから鏡視下手術
のよい適応であるが,胃弁形成術は,鏡視下手術
で行うことが技術的に困難である。そこで,近年
Ⅳ.食道筋層切開術と逆流防止術
は Jekler-Lhotka 法(Heller-Dor 法 ) を 鏡 視 下 手
術で施行することをアカラシアの標準術式として
一方,狭窄の解除の方法としては,狭窄部位の
いる
[13,14]。以下,当科で 施行している鏡視下
粘膜及び粘膜下層を温存したまま,食道下部から
Jekler-Lhotka 法の概要について紹介する。
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食道アカラシア手術の最近の進歩
表 1 当科における食道アカラシア手術症例の成績
術 式
拡大横隔膜裂孔剥離術
噴門形成術
Heyrovsky 法
Heller 法
噴門切除術
胃弁移植術
胃弁移植術変法
Jekler-Lhotka 法
(Heller-Dor 法)
その他
合 計
手術例数
21
63
36
22
24
115
27
食道炎(%)
7(33%)
21(33%)
18(50%)
6(27%)
8(33%)
20(18%)
0( 0 %)
通過障害(%)
10(48%)
21(33%)
13(37%)
1( 5 %)
10(42%)
2( 2 %)
0( 0 %)
再手術(%)
4(19%)
10(16%)
5(14%)
3(14%)
0( 0 %)
1( 1 %)
0( 0 %)
25
2( 9 %)
1( 4 %)
0( 0 %)
10
NA
NA
0( 0 %)
343
82(24%)
58(17%)
23( 7 %)
Ⅵ.鏡視下 Jekler-Lhotka 手術
鎖骨中線上左肋骨弓下のトラカーから Snake retractor あるいは Endo retractor を用いて肝左葉
現時点での標準手術は鏡視下手術と考えている
を圧排して胃噴門部の視野を確保する。
が,上腹部に強い癒着が推定される病態など何ら
はじめに,胃体部を Endobabcock にて把持し
かの理由により開腹が必要な場合には約15㎝程度
て肛門側へ牽引する。Laparosonic Coagulating
の開腹により手術操作が可能である。
Shears(LCS)を用いて,腹部食道近傍で小網を
通常の全身麻酔下気腹法により,体位は開脚,
切開し,食道横隔膜靭帯ならびに横隔膜脚を切
軽度頭側低位で行っている。体格により臍下ある
開し,食道裂孔を開き,食道壁と左右横隔膜脚と
いは臍上に約 2 ㎝の小切開を加えて開腹下に①腹
の剥離を行う。左右迷走神経にテーピングして損
腔鏡用ポートを挿入する。次に,②剣状突起肛門
傷を防止する。食道壁を全周性に剥離した後,綿
側,③鎖骨中線上左肋骨弓下,④鎖骨中線上右肋
テープをかけて下方へ牽引すると良好な視野が確
骨弓下,⑤鎖骨中線上の腹腔鏡用ポートの左側,
保される(図 3 )。食道裂孔の剥離を進めて縦隔
の 4 箇所に作業用トラカーを挿入する(図 2 )。
内を含めて,食道胃接合部から約 8 ㎝口側までを
剥離する。
ここで,食道内視鏡を挿入して食道胃接合部を
確認する。食道内視鏡を胃内へ挿入した状態で,
図 2 鏡視下手術用トラカー挿入位置
図 3 腹部食道を全周性に剥離して綿テープをかけ
て,肛門側へ牽引する。迷走神経前幹にテー
ピングして保護する。
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島 田 英 昭・他
接合部から J 型電気メスあるいは LCS を用いて慎
重に粘膜下層まで切開を進める。粘膜下層へ到達
した後,粘膜下層の剥離を口側へ進める。開腹手
術と比較して粘膜損傷の可能性が高いため慎重に
剥離を行う。鈍的剥離を十分に進めてから LCS
を用いて筋層切開を行う。通常,止血操作は不要
である。拡張した食道の下端の口側まで,食道内
視鏡で誘導しながら食道筋層切開を行う。通常,
食道を約 5 ㎝筋層切開すれば十分である。肥厚し
た筋層を短冊状に幅約 5 ㎜で切除し病理標本とす
る。内視鏡下バルーン拡張術を複数回施行した患
者では筋層と粘膜との癒着が強く全層切開となる
ことがある。全層切開となった場合には,鏡視下
に粘膜縫合を行い内視鏡下の送気により縫合不全
図 5 胃脾間膜を切離,短胃動静脈を処理して胃底
部大彎側を遊離する。
のないことを確認する。
壁へ約 1 ㎝間隔で胃底部を縫着してゆく,開腹
次に,食道胃接合部から肛門側へ向けて,胃壁
手術においては,はじめに食道切開層の口側端へ
の筋層切開を約 2 ㎝行う(図 4 )。次いで,胃底
1 - 2 針で固定してから肛門側へ縫着してゆくと
部を用いた逆流防止術を行う。胃底部を鉗子にて
容易であるが,鏡視下手術では肛門側から口側へ
把持して可動性を確認する。症例によっては,短
縫着してゆく方が容易であることも多いので術中
胃動静脈を処理せずに十分に胃底部を食道切開層
所見で選択するとよい(図 6 ,7 )。ついで,露
へ縫着可能なこともあるが,可動性に問題がある
出された食道粘膜を覆うように縫着部の胃底部の
場合には,食道胃接合部付近から肛門側へ向けて
幅を約 2 ㎝以上確保して切開層右壁へ約 1 ㎝間隔
短胃動静脈を LCS により 2 ないし 3 本処理する
で肛門側へ縫着を進める(図 8 )。これにより筋
(図 5 )。
層切開された下部食道胃噴門部の粘膜組織が胃底
次に胃底部漿膜を食道切開層へ結節縫合する。
腹腔内の連続縫合でも問題ないと考えられるが,
当科では 3 - 0 のモノフィラメント糸を用いた体
外結紮法にて縫着している。はじめに切開層左
図 4 食道胃接合部の口側約 5 ㎝,肛門側約 2 ㎝の
筋層を切開する。
図 6 胃底部漿膜と切開した食道筋層の口側から結
節縫合を行う。
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食道アカラシア手術の最近の進歩
図 7 胃底部漿膜と切開した食道筋層の左壁を結節
縫合する。
図 9 胃挙上して食道前面と横隔膜に結節縫合で固
定する。
た後,トラカーを抜去して手術を終了する。通常
は,ドレーンを留置する必要はないが,必要に応
じてドレーンを留置した場合には第 1 病日に抜去
する。
術翌日あるいは翌々日から経口摂取可能であ
り,術後 5 日から 1 週間で退院としている。当
科では,1998年以降,現在までに25例に JeklerLhotka 法を施行したが,中央観察期間 5 年と短
期間であるが食道炎 2 例( 9 %)と再狭窄 1 例
( 4 %)を認めたのみであり良好な成績である。
Ⅶ.結 語
若年女性で嚥下障害を主訴とする外来患者で
は,時として拒食症と類似した症状であるため
診断がつきにくいことがある。食道アカラシア
を鑑別診断の選択肢として考慮することが重要と
思われる。食道アカラシアに対する薬物治療と
して,近年ボツリヌス毒素を局所注入する治療法
図 8 胃底部漿膜と切開した食道筋層の右壁を結節
縫合する。
が報告されている[15]。バルーン拡張術との比較
試験では複数回の治療によって同等程度の有効性
と報告されている[16,17]。しかし,鏡視下手術
部漿膜により完全に被われ,再狭窄を予防できる
との比較試験では明らかに手術の有効性が高いた
とともに憩室形成を防止できる。最後に,胃を挙
め[18,19],全身麻酔可能症例においては,バルー
上して食道前面と横隔膜に結節縫合で 2 - 3 針固
ン拡張術を 1 - 2 回施行して抵抗性である場合に
定して逆流防止弁とする(図 9 )。止血を確認し
は,鏡視下手術を選択するべきものと思われる。
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島 田 英 昭・他
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