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坑内堀採掘と保安対策
3 石炭資源の開発・生産技術 坑内堀採掘と保安対策 坑内掘採掘 炭層が地下深く存在する場合には、坑内 の選択は、採掘箇所および地質条件等に 常に高い生産性を有する坑内掘炭鉱も 掘が適用されます。また、地形あるいは もよりますが、主に経済条件から決定さ 増えてきました。一般的には支保の設置 環境制約上、露天掘りによる採掘が困難 れます。近年、坑内掘も機械化・自動制 等多くの人手が必要で、露天掘に比べ生 な場合にも適用されます。主要な坑内採 御化が進んでおり、露天掘に匹敵する非 産性が低く、コストが高いといえます。 掘法として、ルーム・アンド・ピラー(柱 房式) 採掘法とロングウォール(長壁式) 保安対策 坑内掘採掘では、狭く暗い坑道での作業 て起こるガス爆発や、採掘に伴って高圧 坑内掘炭鉱では大型の扇風機を設置し による事故、落盤事故、出水事故、坑内 力の下に閉じ込められたメタンガスの て通気を行うとともに、メタンガスに起 火災など多くの危険が付きまといます。 突出は大災害につながることから、最も 因する事故を防ぐためにガス抜きボー 特に、石炭に包蔵しているメタンガスが 注意しなければなりません。また、作業 リングを行うなど、様々な保安対策を 坑道に充満し、そのメタンガスに着火し 員に新鮮な空気を送ることも重要です。 とっています。 石炭 資材 都市ガス 採掘法の二つが挙げられます。採掘方法 選炭工場 発電所 ブロワー室 入気 排気 ガス抜き ■ロングウォール採掘法 ベルトコンベアー (longwall mining) 長壁式採掘法は、坑道によって囲まれた トロッコ 矩形の炭層パネルを一単位として石炭 G CO を採掘する方法です。炭層の中に100m ∼ 350m長さの長壁切羽(石炭を切り コンテニアスマイナ 出す所を切羽といいます)を設け、支保 G CO で天盤を支えながら炭層に沿って石炭 ■ルーム・アンド・ピラー採炭法 を採掘していきます。採炭機としてドラ ムカッター、支保として自走枠の組み合 わせがよく用いられています。初期コス (room-and-pillar mining) G 柱房式採掘法は、炭層において碁盤の目 G トは高いものの、石炭の実収率は高く、 状に坑道(room)を掘進して石炭を採掘 炭層条件がよく大規模な採掘が し、安全のため炭層の一部を矩形状の炭 可能な場合には、生産性の高い 柱(pillar)として掘り残し、これによって シャトルカー 採掘法といえます。 天盤を支えながら石炭を採掘していく方 法です。採炭現場ではコンテニアスマイ ドラムカッター ナ、シャトルカーの組み合わせが主力機 械として用いられています。初期コスト コンテニアスマイナ が低いことから、小規模な炭鉱にもよく 用いられています。