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平成28年度指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画
平成 28 年度指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画 (イノシシ 高松市) 平成 28 年 8 月 香 川 県 指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画(イノシシ) (平成 28 年 8 月 27 日から平成 29 年 3 月 10 日まで) 1. 背景及び目的 県内のイノシシ捕獲数は増加しているにも関わらず、イノシシの出没及び被害は 減少していない。平成 27 年度の県内のイノシシの目撃件数は 297 件であり、この うち高松市における目撃件数は 104 件であった。さらにイノシシによる人身事故 は 1 件、交通事故も 2 件発生しており、早急な対策推進が望まれている。 このことから本計画では、イノシシ第二種特定鳥獣管理計画に基づき、イノシシ の出没件数を減少させることを目的として、高松市内の住居集合地域等の周辺を中 心にイノシシの捕獲を強化し、計画の目標達成を図ることを目標とする。 図 1 は高松市内における過去 9 年間のイノシシの捕獲数と出没件数をもとに、 ベイズ推定により算出したイノシシの推定生息数である。イノシシの生息頭数と出 没率の関係はまだ明らかになっていないが、今後、本計画で蓄積されたデータを含 めて解析していくことで、目標達成に必要な年間捕獲数やイノシシ第二種特定鳥獣 管理計画の進捗状況を評価するためのデータ基盤の充実を図ることを目標とする。 高松市の生息個体数の推定値 8,000 7,000 生息個体数(頭) 6,000 5,000 90%信頼限界(上限) 4,000 50%信頼限界(上限) 中央値 50%信頼限界(下限) 3,000 90%信頼限界(下限) 2,000 1,000 0 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 年度 図 1. 高松市におけるイノシシの推定生息数の推移(平成 18 年~26 年) 2. 対象鳥獣の種類 イノシシ -1- 3. 指定管理鳥獣捕獲等事業の実施期間 実施区域名 実施期間 平成 28 年 8 月 27 日~平成 29 年 3 月 10 日 香川地区 指定管理鳥獣捕獲等実施 区域 うち、捕獲作業を行う期間 平成 28 年 8 月 27 日~平成 29 年 2 月 28 日 (90 日間程度) ※ 捕獲作業を行う期間は必要に応じて延長する。 4. 指定管理鳥獣捕獲等事業の実施地域(図 2 参照) 実施地域名 住所等 選定理由 香川地区 高松市北部(屋島、 イノシシの生息数が増加 指定管理鳥獣捕 牟礼、庵治)・西部 しているエリアであり、 獲等実施地域 (鬼無・香西、国分 住居集合地域等の周囲地 寺(堂山・六ツ目山 域における捕獲は十分で 周辺)・南部(東植 はないことから、人身被 田・三谷、香川・香 害等の発生の危険性が高 南)及び島しょ部 まっているため。 (男木島・女木島、 大島) 大島 男木島 女木島 庵治 屋島 香西 国分寺 牟礼 鬼無 三谷 東植田 香南 香川 図 2 実施地域図 -2- 他法令等 瀬戸内海国立公 園 屋島、八栗鳥獣 保護区 屋島国有林 5. 指定管理鳥獣捕獲等事業の目標 実施地域名 指定管理鳥獣捕獲等事業の目標 香川地区 捕獲数 300 頭 指定管理鳥獣捕獲等実施地域 6. 指定管理鳥獣捕獲等事業の内容 捕獲等の方法 ①使用する猟法と規模 実施地域名 使用する猟法 捕獲等の規模 【くくりわな】 香川地区 わな猟(くくりわな 指定管理鳥獣 はこわな及び囲いわな 捕獲等実施地域 の併用) 従事者 4 人以上 9 地域 5,400 基・日程度 【はこわな・囲いわな】 従事者 4 人以上 5 地域 1,350 基・日程度 ②作業手順 【事前調査の実施】 以下の手順で事前調査を行い、捕獲対象区域や使用する猟具、猟法を決定する。 イノシシの目撃・出没情報をもとに、市町担当者や地元狩猟者等へのヒアリ ングを実施し、出没頻度が高いエリアを抽出する。 抽出したエリアについて、周辺部の現地踏査を行い、イノシシの出没ルート を特定する。 明らかとなった出没ルート上や、その周辺でわなの設置に適した環境を選 び、安全かつ効率的に捕獲できる猟具・猟法を選定する。 【関係者との調整】 捕獲対象地域を管轄する市町や、地元で捕獲活動を行ってきた狩猟者等と調 整を行い、安全を確保したうえで捕獲を実施する。 【捕獲等の実施】 捕獲班の編成 指定管理鳥獣捕獲等事業を受託した者(以下「受託者」という。 )は、捕獲 -3- 従事者または事業従事者を捕獲班として編成し、それぞれに現場監督者を班 長として指名する。 受託者は、捕獲班を事業の実施区域に配置し、安全管理規程を遵守し、効果 的な捕獲に努めなければならない。 現場監督者は、事業管理責任者の指揮・命令のもと、捕獲班の捕獲従事者ま たは事業従事者を担当区域ごとに割り振り、捕獲作業を支援、監督するもの とする。事前調査で決定された捕獲対象地域において、指定された猟具・猟 法を用いて捕獲を実施する。 捕獲方法 はこわな、囲いわな及びくくりわなによる捕獲にあたっては、原則として 4 人以上の捕獲従事者または事業従事者で班を編成し、捕獲を実施するものと する。 はこわな、囲いわな及びくくりわなを、最も安全かつ効果的な組合せにより 実施するものとする。 止めさしは、それぞれの猟具ごとに適切な方法を選択し、最も安全な方法に より実施するものとする。 はこわな及び囲いわなは、使用する寄り餌が結果として被害等の発生の原因 とならないように注意するものとする。くくりわなについては、地域住民の 安全確保と同時に、止めさし時の捕獲従事者及び事業従事者の事故防止にも 配慮し、適切な場所を選定し、設置するものとする。 使用するわなについては、わなごとに見やすい場所に、所定事項を記載した 標識を設置するものとする。 受託者は、わなを設置しようとする具体的な場所について、事前に県及び市 町に報告するものとする。設置後に変更する場合も同様とする。 捕獲従事者証または事業従事者証の携行 事業管理責任者、現場監督者、捕獲従事者及び事業従事者は、県が発行する 従事者証を携行するとともに、所定の記章を着用し、捕獲作業に従事するも のとする。 【安全管理】 安全管理一般 受託者は、安全管理規程を遵守し、安全管理に努めるものとし、交通の妨げ となるような行為、その他公衆に迷惑を及ぼす行為等のないように十分な注 意を払うとともに、事故防止に最大限の注意を払うものとする。 -4- 受託者は、捕獲作業を実施している地域(周辺)に、注意喚起看板を設置し、 事故防止に努めるものとする。 受託者は、事業実施に影響を及ぼす事故、人身事故又は第三者に対して損害 を与える事故が発生した時は、応急処置を講じるとともに、直ちに事故発生 の状況、原因、経過及び事故による被害内容等を県に報告するものとする。 受託者は、県民等から捕獲に際し苦情を受けた場合には速やかに県に報告す るものとする。 捕獲作業時の安全管理 捕獲従事者及び事業従事者は、原則として 2 名以上の組を編成して捕獲作 業に従事するものとする。 捕獲従事者及び事業従事者は、銃器により止めさしをする場合においては、 原則として、現場監督者の監督のもと、射手以外の捕獲従事者または事業従 事者が、矢先の確認及び関係者以外の立入禁止措置を十分に行った上で実施 するものとする。 捕獲従事者及び事業従事者は、必ず目立つ色の服装(狩猟用ベストと帽子) を着用し、捕獲作業に従事するものとする。 わなの安全管理 見回りは、毎日 1 回以上行うものとする。 はこわな及び囲いわなについては、ゲートを開放した誘引期間中及びゲー トを閉鎖した待機中においては、ゲートを針金で結束する等、誤作動しな いように確実に固定するものとする。また、使用するわなが誤作動をしな いように、作動部と部品の日常の点検に努め、特にトリガーをセットする 前には十分に試作動を繰り返し確認するものとする。 くくりわなについては、設置前に点検作業を行い、ワイヤーロープ、締付防 止金具、よりもどし等の消耗品を、1 頭捕獲するごとに交換するものとする。 捕獲個体の長時間放置による逃走防止や事故の発生リスク低減を図るため、 住宅集合地域等に近いわなについては、必要に応じて特定小電力無線を活用 した捕獲報知センサーを装着する。 【捕獲等した個体の回収・処分方法】 捕獲個体は、原則として埋設処分又は焼却処分をすることとし、法令に従っ て適切に処分するものとする。 捕獲個体を食肉として、又は公的な機関での調査研究に利用する場合には無 償提供を行う。 -5- 【錯誤捕獲への対応方針】 捕獲に際しては、捕獲の対象となる動物種以外の動物に影響を与えない様に 配慮するものとし、錯誤捕獲された場合には、すみやかに放獣するものとす る。 野良犬が錯誤捕獲された場合には、高松市保健所にすみやかに通知し、保護 を依頼するものとする。なお、捕獲従事者及び事業従事者は、捕獲した野良 犬が保護されるまで現場に待機すること。 【捕獲情報等の収集・評価】 捕獲個体の現地確認等 現場監督者は、捕獲個体について、別に定める調査様式により捕獲日、捕獲 地点、捕獲方法、オス・メス別等を記録し、現地確認を行う。 現場監督者は、捕獲場所ごとに割り振られた個体番号を付け、赤白リボンテ ープ等を当てて、捕獲個体にペンキで捕獲日を記入し、捕獲従事者または事 業従事者が入った遠景と近景の写真を撮影する(捕獲個体の胴体に記入が困 難な場合は、必要事項を記載した看板等を入れて撮影すること) 。 現場監督者は、現地確認後、直ちに事業管理責任者にその内容を報告する。 捕獲事業の評価と検証 捕獲事業によって得られた捕獲情報等を分析し、評価と検証を行うため、別 に定める調査様式により作業内容を記録する。 7. 指定管理鳥獣捕獲等事業の実施体制 【事業の実施形態】 【事業の実施主体】 委託 香川県 【委託の範囲】 ・実 施 期 間:平成 28 年 8 月 27 日~平成 29 年 3 月 10 日 ・実 施 区 域:香川県高松市内 ・使用する猟具:はこわな、囲いわな及びくりわな、銃器の使用は止めさしに限 る ・捕獲目標頭数:300 頭 【委託先】 株式会社 野生鳥獣対策連携センター -6- 8. 住民の安全を確保し、又は指定区域の静穏を保持するために必要な事項 (1)住民の安全の確保のために必要な事項 市町を通じ、事前に捕獲実施を周知する。 捕獲実施地域(周辺)には注意喚起看板等の設置を行う。 住居集合地域等に近いわなには、必要に応じて捕獲報知センサーを装着し、捕 獲個体を長期間放置することによる逃走や事故の防止に努める。 (2)指定区域の静穏の保持に必要な事項 特定猟具使用禁止区域(銃)内での事業実施に際し、受託者は事前に県と実施 について協議するとともに、やむを得ず発砲する場合は発砲回数を必要最小限 にするなど、静穏の保持に配慮する。 9. その他指定管理鳥獣捕獲等事業を実施するために必要な事項 (1)事業において遵守しなければならない事項 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律、その他の関係法令を遵 守するものとする。 (2)事業において配慮すべき事項 事業の実施に際しては、鳥獣被害の減少が図られるように地域住民の要望に応 じて学習会を開催するなど、その地域での長期的な視野に立った普及啓発活動 を支援するものとする。 (3) 「効果的捕獲推進事業」の実施 地域住民から寄せられたイノシシの出没情報、被害情報に基づき、迅速に捕獲を 実行できる体制を構築することで、捕獲活動の効率化や被害の軽減を図れるか検証 するため、以下の捕獲実証を行う。 香川県が整備する「情報共有システム」を活用し、イノシシの出没情報や被害 情報を迅速に収集、共有できる体制を構築する。 捕獲従事者は、登録情報を確認し次第、情報が登録された地点に出動し、現地 踏査による状況確認と通報者等に対する状況の聞き取りを行う。 捕獲従事者は、聞き取りと現地踏査の結果を踏まえ、適切な捕獲方法や捕獲具 を選択し、土地所有者の許可が下り次第、捕獲を開始する。 -7- 捕獲の効果検証は、捕獲の成否と通報者等への事後ヒアリング調査によって行 い、捕獲が成功するまでにかかった時間や費用、捕獲成功率等による評価に加 えて、被害量や程度の変化、捕獲の質や内容、対応スピード等に対する通報者 の満足度についても評価を行う。なお、具体的な評価項目と評価のねらいにつ いては、以下のとおり。 【情報の信頼性】 :聞き取りや現地踏査によって、登録情報の信頼性を評価する。 信頼性が低いと判断されたケースについては、その要因を精 査し、システムの信頼性を高める方法を検討する。 【対応スピード】 :被害や目撃などの情報発生から現場確認およびわな設置まで の日数(時間) 、わな設置から捕獲完了または被害解消までの 日数を算出し、 「情報共有システム」を用いた場合の対応速度 と捕獲成功率、これらの関係性を考察する。 【住民の満足度】 :被害解消の成否や対応スピードなど、住民の満足度を高める ために必要な要素を抽出します。 【情報登録者の妥当性」 】:情報登録者への聞き取り調査を実施し、システムの 使用感や負担、改善に向けた要望などを整理します。 【調査項目の妥当性】 :本業務で提案する様式や調査項目について、必要な情報 が十分に収集できたかどうかを検討します。 以上の検証結果を踏まえて、本システムの効果的な活用法と実践プログラムの 案を作成する。 本業務は、高松市庵治地区で実施する。 -8-