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平成25年度中小企業支援調査
平成25年度中小企業支援調査 (諸外国における繊維貿易の現状及び繊維 分野の原産地規則に関する調査) 平成26年2月28日 株式会社 矢野経済研究所 事業概要 1. 件名 平成25年度中小企業支援調査(諸外国における繊維貿易の現状及び繊維分野の原産地 規則に関する調査) 2. 事業目的 グローバル化が進行する中、国の通商戦略は様々なビジネスの国際戦略に直に繋がった 非常に重要なものとなっている。こうした中で、世界各国は、物品の関税やサービス、貿 易の障壁等を削減・撤廃し、投資の保護・促進やビジネス環境の整備等を行うことを通じ 自国の経済基盤を強化している。我が国もアジア太平洋諸国をはじめとする国々とEPA/ FTA交渉を積極的に推進しているところである。 我が国の繊維産業は川上から川下までの工程間の連携が付加価値を生む、摺り合わせ型 の産業であり、その工程のなかで、これまではアジア諸国を中心としたサプライチェーン が展開されている。今後、我が国企業がさらにグローバルにビジネス展開をするなかで、 アジア諸国だけでなく世界のあらゆる国から最適の生産地・最良のパートナーを選択し組 み合わせることの検討が必要となってくる。そのためにはEPA/FTA交渉においてそれぞれ の相手国・地域の繊維産業及びビジネスの現状・背景等を踏まえた上で、我が国企業に使 いやすい原産地規則とすることがより重要となってくる。そして、中小零細企業が、今後、 グローバルにビジネス展開する際にEPA/FTAをより活用しやすくするためにも各国の複 雑な原産地規則をわかりやすく提供することが必要である。 そこで本調査では、我が国の主な繊維貿易の相手国である中国、米国、韓国、ASEAN、 EU等の繊維産業の事情・背景を調査し、それらの国々のEPA/FTAの繊維の原産地規則を 整理した上で、比較・分析を行い、今後の繊維産業において、国内外における素材調達や 縫製拠点等の最適な組み合わせによる生産活動を考え、企業の有利な海外展開戦略の一助 とすることを目的とする。 <調査プロジェクト担当> 株式会社 矢野経済研究所 ファッション&リテール事業部 松井 和之 アジア・グローバル事業部 瀬戸 鋼一 関根 武男 アウティナ・ハラハップ 熊井 裕子 調査結果サマリー 1. 繊維・アパレル貿易の概況と主要国の貿易統計 2008 年におこった世界経済危機後の落ち込みから、世界の繊維・アパレル産業は回復し、 更に成長していることが統計から読み取れた。大きな傾向としては、アジアでの生産、ア ジアからの輸出が拡大する傾向が近年続いており、今後も続いていくであろうことが予想 される。更に、消費市場としてのアジア市場も拡大しつつあり、アジア地域が繊維産業に とってこれまで以上に重要となることも想像できる。 また、今回の調査で対象とした、NAFTA、米豪 FTA、米韓 FTA、EU 韓国 FTA、ASEAN 中国 FTA、の貿易拡大への影響について考察した。限定的ではあるが、過去一定の効果も あり、過去数年以内に発効された FTA についても、近い将来肯定的な結果が出てくること が期待される。 本章では、貿易統計データの独自の集計により、繊維関連製品の中でも、①糸類、②織 物類、③衣類の、主要国(中国、米国、韓国、ASEAN、EU)ごとの輸出入金額と数量を 集計した。更にデータ集計をもとに、主要国の、糸類、織物類、衣類の、製品群別の主要 輸出相手国と金額が一覧できる、図 1-3-1.「繊維・アパレル製品の国際移動」を掲載した。 2. 主要 FTA の原産地規則の特徴 NAFTA、米豪 FTA、米韓 FTA、EU 韓国 FTA、ASEAN 中国 FTA の 5 つの海外 FTA について、その原産地規則を主体に特徴をまとめた。最終的なまとめとして、原産地規則 の基本ルール、関税の譲許スケジュール、原産品認定における救済措置、原産証明の方法 等を整理した一覧表を掲載した。 3. 主要繊維企業・アパレル企業のサプライチェーン 国内外の主要繊維・アパレル企業(ZARA、H&M、東レ)3 社の事例を紹介し、一部分 析を行った。徹底したコスト管理、在庫管理、消費者ニーズの把握とマーケティング等が 共通した成功要因であることが浮かび上がってきた。各社最も重視するポイントは異なる が、確固とした方針を持ち、他社と差別化が出来ていることがわかった。 4. 日本の繊維関連商社のサプライチェーンの特徴と現在の EPA/FTA 活用状況 国内の主要繊維関連商社 5 社の協力を得てヒアリングを実施した。その結果、中国主体 の生産体制から、ASEAN への移行が共通の動向として確認できた。 また、EPA/FTA の活用状況に関しては、現在の生産体制と対象市場の関連で、ASEAN を中心とした貿易である程度活用されていることがわかった。と同時に、異なる協定では ルールも著しく異なる点、条文やルールの理解が容易ではないこと等が共通の運用上の問 題点としてあがった。 5. 総括:日本繊維企業の EPA/FTA を活用した海外ビジネス展開の方向性 文献調査、企業ヒアリングから得た調査結果を基に、企業の EPA/FTA 活用促進のポイ ントとして、以下の 3 点をあげた。 EPA/FTA 情報提供 EPA/FTA の専門家による中小企業支援 アジアの EPA/FTA の充実 更に、日本の繊維関連企業が今後グローバルビジネスを推進する上での方向性について 以下のポイントをあげた。 EPA/FTA のメリットを再検討してみる 徹底したマーケティングにより技術を世界で売る 未開拓の市場を狙う 目 次 事業概要 調査結果サマリー 1. 繊維・アパレル貿易の概況と主要国の貿易統計 ............................................................. 1 1-1.世界の繊維・アパレル貿易の動向 .............................................................................. 1 1-2.主要繊維国の輸出入統計 ............................................................................................ 7 1-2-1.中国........................................................................................................................ 9 1-2-2.米国...................................................................................................................... 13 1-2-3.韓国...................................................................................................................... 18 1-2-4.ASEAN ................................................................................................................ 22 1-2-5.EU ....................................................................................................................... 30 1-3.繊維・アパレル製品の国際移動 ............................................................................... 34 2. 主要 FTA の原産地規則の特徴 ...................................................................................... 36 2-1.NAFTA...................................................................................................................... 36 2-2.米豪 FTA ................................................................................................................... 43 2-3.米韓 FTA ................................................................................................................... 48 2-4.EU 韓国 FTA............................................................................................................. 56 2-5.ASEAN 中国 FTA (ACFTA) ..................................................................................... 62 2-6.海外主要 FTA の比較 ................................................................................................ 67 3. 主要繊維企業・アパレル企業のサプライチェーン ....................................................... 69 3-1.事例 1:ZARA........................................................................................................... 69 3-2.事例 1:H&M ........................................................................................................... 72 3-3.事例 1:東レ ............................................................................................................. 75 4. 日本の繊維関連商社のサプライチェーンの特徴と現在の EPA/FTA 活用状況 ............ 79 4-1.サプライチェーンの特徴 .......................................................................................... 79 4-2.EPA/FTA の活用状況 ................................................................................................ 81 4-3.EPA/FTA に関するメリットと運用上の問題点........................................................ 82 4-4.今後の戦略 ................................................................................................................ 85 5. 総括:日本繊維企業の EPA/FTA を活用した海外ビジネス展開の方向性 ................... 88 1. 繊維・アパレル貿易の概況と主要国の貿易統計 1-1. 世界の繊維・アパレル貿易の動向 急成長してきた中国、成長が加速する ASEAN 世界の繊維・アパレル製品の貿易額は、近年増加傾向にある。WTOの統計によれば、2011 年の世界の繊維・衣料品の貿易額は 7,060 億米ドル(約 70 兆 6 千億円 1)となっている。 これは、前年比 17.1%という大きな成長の結果である。2009 年から 2010 年の成長率が 14.5%であるので、成長が加速傾向にあるともいえる。2009 年は、前年の 2008 年からの経 済危機の影響で大きく落ち込みを見せたが、2011 年の数字は、経済危機以前の 2008 年の 実績を超えたものであり、繊維・アパレル産業は成長軌道に戻ったといえよう。 表 1-1-1. 及び表 1-1-2. は、繊維産業が活発で、且つ今回の調査で対象とした海外の自 由貿易協定の締約国でもある 5 ヵ国・地域(中国、米国、韓国、ASEAN、EU の)の、過 去 10 年分の繊維・アパレル製品の輸出入金額の統計である。各国統計データを別途独自に 集計したものであるが、これを見ても、経済成長率の比較的緩やかな米国、EU 等の先進国 でさえ、 一旦 2009 年に大きく落ち込んだものの、 2011 年には 2008 年の水準を超えている。 この世界市場の拡大は、アジアを初めとする新興国での需要が拡大していることが最も大 きな要因と考えられる。 表 1-1-1. 主要国の輸出額 (百万ドル) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 中国 73,349 88,772 107,664 138,102 165,821 179,248 161,329 199,554 240,554 246,071 米国 20,430 22,006 21,944 22,724 22,100 22,575 18,297 23,590 28,707 26,571 韓国 14,962 14,904 13,701 13,010 13,251 13,121 11,419 13,739 15,736 15,382 ASEAN 25,888 27,862 30,235 33,030 35,125 36,346 30,814 40,759 48,595 N/A EU 35,791 40,415 41,160 44,265 50,070 53,453 42,510 45,310 54,012 52,936 出所:各国・地域の統計局、商業省、商務省、税関等の統計(HS50 類~63 類の合計)を基に矢野経済研究所作成 (中国:中国税関、米国:米国商務省、韓国:韓国国際貿易協会 (KITA)、韓国税関および貿易開発機構、ASEAN: ASEAN Stats、ASEAN Secretariat(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリ ピン、シンガポール、タイ、ベトナム) 、ラオス統計イヤーブック、UN Comtrade(ベトナム) ) 、EU:Eurostat) 1 1 ドル=100 円で計算 1 図 1-1-1. 主要国の輸出額 (百万ドル) 300,000 250,000 中国 200,000 米国 韓国 150,000 ASEAN EU 100,000 50,000 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 出所:表 1-1-1 と同じ この 10 年間の当該 5 ヵ国・地域の貿易額の実績(表 1-1-1.)を見渡すと、最も大きな特 徴は中国からの輸出額の増加で、 2003 年の 773 億ドルから 2012 年の 2,461 億ドルへと 3.18 倍に増加している。 これに次いで顕著な特徴が近年の ASEAN の成長である。 2003 年の 259 億ドルから 2004 年の 279 億ドルへの成長が 7.7%であるのに対し、2010 年から 2011 年には、408 億ドルか ら 486 億ドルへと、19%以上の成長である。日本企業も近年中国から ASEAN へと生産拠 点を移す傾向もあり、ASEAN における生産量と輸出量の拡大傾向は今後も続くと思われる。 輸入額も同様に、2011 年には経済危機以前の水準を各国とも超えており、韓国以外は 2012 年も引き続き輸入は拡大しており、繊維関連市場は堅調と見てよい。 2003 年から 2011 年にかけての各国の輸入額の伸び率を見てみると、米国の 1.29 倍が最 も低く、韓国(2.03 倍) 、ASEAN(2.19 倍)が比較的大きく伸びている。中国は 1.9 倍、 EU は 1.8 倍であった。ASESN の輸入が伸びている背景には、やはりこの間の高い経済成 長と、製造拠点としての重要性が増し、材料としての織物等の輸入も増えてきたためと推 測される。 2 表 1-1-2. 主要国の輸入額 (百万ドル) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 中国 19,292 23,008 23,445 25,678 25,376 24,934 21,778 29,567 37,589 40,854 米国 80,543 86,802 92,668 96,284 99,222 95,900 83,203 95,455 103,964 103,542 韓国 6,264 6,683 6,927 7,984 8,828 8,746 7,283 9,706 12,696 11,812 ASEAN 14,396 12,816 13,534 14,852 15,904 19,973 17,886 29,890 31,073 N/A EU 69,705 80,286 85,717 96,769 110,132 118,407 104,659 112,377 130,945 114,418 出所:各国・地域の統計局、商業省、商務省、税関等の統計(HS50 類~63 類の合計)を基に矢野経済研究所作成 (中国:中国税関、米国:米国商務省、韓国:韓国国際貿易協会 (KITA)、韓国税関および貿易開発機構、ASEAN:ASEAN Stats、ASEAN Secretariat(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポ ール、タイ、ベトナム)、ラオス統計イヤーブック、UN Comtrade(ベトナム) )、EU:Eurostat) 図 1-1-2. 主要国の輸入額 (百万ドル) 140,000 120,000 100,000 中国 米国 80,000 韓国 60,000 ASEAN EU 40,000 20,000 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 出所:表 1-1-2 と同じ 一方、最終製品としての衣料品(アパレル)の市場規模を見てみると、中国の 2003 年 の市場規模が 753 億ドル、2012 年にはその 3.6 倍の 2,706 億ドルと拡大している。一方、 ASEAN の場合も、2003 年の 202 億ドルから 2012 年の 413 億ドルへと 2.04 倍の成長を示 している。輸出額の成長度合いと同等以上であり、工場としてだけではなく、消費市場と して急成長していることも伺える。 3 表 1-1-3. 主要国のアパレル市場規模 (百万ドル) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 中国 75,309 83,862 95,176 111,015 130,316 158,076 176,515 200,378 239,410 270,637 米国 305,719 320,554 337,857 352,120 356,508 342,254 326,417 345,591 354,812 362,629 韓国 21,608 22,324 24,280 26,382 28,414 23,188 20,196 23,295 25,241 25,650 ASEAN 20,232 20,543 21,539 24,226 28,078 29,671 29,360 34,637 39,094 41,290 EU 351,878 397,535 407,038 417,019 462,431 475,344 435,278 424,011 439,304 414,575 出所:Euromonitor 注) 1. ASEAN:インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム(ブルネイ、カンボジア、ミ ャンマーは含まれない。) 2. 西欧:アンドラ、オーストリア、ベルギー、キプロス、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ジブラル タル、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、マルタ、モロ ッコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス 図 1-1-3. 主要国のアパレル市場規模 (百万ドル) 500,000 450,000 400,000 中国 350,000 米国 300,000 韓国 250,000 ASEAN 200,000 EU 150,000 100,000 50,000 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 出所:表 1-1-3 と同じ FTA の繊維・アパレル貿易に対する影響 今回の調査では、上記 5 ヵ国・地域が関係する 1) NAFTA、2) 米豪 FTA、3) 米韓 FTA、 4) EU 韓国 FTA、5) ASEAN 中国 FTA (ACFTA) においては、FTA による関税引き下げ・ 撤廃の効果が輸出入の拡大にどれだけ寄与しているかの判断は非常に難しい。その理由の ひとつは、米韓 FTA(2012 年 3 月発効) 、EU 韓国 FTA(2011 年 7 月発効) 、ACFTA(2010 4 年 1 月 1 日)等、比較的最近スタートした協定もあることである。 また、中国-ASEAN 間の貿易は、拡大が続いているものの、これは経済成長自体が最も 影響していると考えられ、FTA の影響がどの程度かを測ることは難しい。 一方では、NAFTA の発効により、域内貿易が顕著に拡大したという例もある。これは 特に衣料品において顕著である。 NAFTA の規定では、原糸原則 (yarn forward) と呼ばれる原産地規則がある。これは繊 維製品が原産品と認められるためには、糸が NAFTA 域内産であるとともに、織編地も NAFTA 産でなければいけないという規定である。この厳しい原糸規則により、織物や衣類 の域内輸出入が、NAFTA 発効後急激に伸びたと言われる。 米国とメキシコの間では、米国からの綿・綿織物、人造長繊維・同織物のメキシコへの 輸出は、前者で 1993 年の 2 億 4 千万ドルから、2000 年の 14 億 4 千万ドルへ 5.95 倍に拡 大し、後者で 1993 年の 1 億 9 千万ドルから、2000 年の 9 億 7 千万ドルへ 5.08 倍となって いる。一方、メキシコから米国への輸入では、ニット製衣類の伸びが顕著で、1993 年の 3 億 300 万ドルから、2000 年の 35 億 4 千万ドルと 11.56 倍に極めて大きく伸びている。 NAFTA の発効以後、綿などの繊維原料や生地が米国からメキシコへ、メキシコで縫製 された衣類が米国へと移動する流れが急速に拡大した。これを裏付けるように、米国への メキシコから輸入される衣料品における米国製部品(材料)の比率は極めて高くなってい る。 (表 1-1-5.)これはすなわち、メキシコの賃金水準と豊富な労働力に加え、NAFTA の 原産地規則が大きな要因と言われている。 表 1-1-4. 米国の対 NAFTA 繊維・衣料品貿易 HS 品目 輸出額(百万ドル) 1993年 2000年 増加倍率 00/'93 輸入額(百万ドル) 1993年 2000年 増加倍率 00/'93 対カナダ 183 337 1.84 176 887 5.04 173 311 1.80 287 858 2.99 52 綿・綿織物 54 人造長繊維・同織物 242 1,437 5.95 191 971 5.08 61 ニット製衣類 62 ニット製以外の衣類 243 1,280 5.26 303 3,504 11.56 555 1,107 1.99 1,013 5,119 5.05 61 ニット製衣類 62 ニット製以外の衣類 対メキシコ 出所:季刊 国際貿易と投資 Autumn 2002/No.49 の、World Trade Atlas を基に作成された表を参考に矢野経済研究 所作成 5 表 1-1-5. 米国の対メキシコ輸入製品に占める米国製部品の比率 品目 米国製部品 比率(%) 80 コットンセーター、プルオーバー等 人造繊維製セーター等 76.8 綿製Tシャツ、アンダーシャツ 75.5 綿製婦人・女児用ズボン、半ズボン等 35.5 綿製紳士・男児用ずぼん、半ズボン等 35.3 出所:季刊 国際貿易と投資 Autumn 2002/No.49 の、Economic Report of the President, Feb. 2002 を基に作成され た表を参考に矢野経済研究所作成 また、発効後間もない EU 韓国 FTA であるが、Euratex のデータによると、2011 年の EU の EU 外からのテキスタイルの輸入額全体に占める韓国からの輸入品の割合は、2011 年は 3.3%。同様に輸入数量(重量ベース)の割合は 4.7%となっている。2012 年には、こ れがそれぞれ 3.9%、4.9%となっていることから、この韓国産の輸入品のシェアの増加は、 EU 韓国 FTA に拠るところが大きいという見方もある。 表 1-1-6. EU:主要輸出国別テキスタイル輸入額・数量 国 中国 トルコ インド パキスタン 米国 韓国 スイス 日本 その他 EU外合計 金額(百万€) 7,984.7 4,001.2 2,761.1 1,990.6 1,236.8 883.8 917.1 673.5 6,018.2 26,467.0 2011年 金額シェア(%) 数量(千トン) 30.2% 1,903.4 15.1% 841.7 10.4% 772.2 7.5% 424.5 4.7% 266.8 3.3% 310.2 3.5% 125.5 2.5% 90.1 22.7% 1,922.3 100.0% 6,656.7 数量シェア(%) 金額(百万€) 28.6% 7,824.1 12.6% 3,779.6 11.6% 2,304.3 6.4% 1,576.2 4.0% 1,199.9 4.7% 942.3 1.9% 858.9 1.4% 634.3 28.9% 5,321.2 100.0% 24,440.8 2012年 金額シェア(%) 数量(千トン) 32.0% 1,812.7 15.5% 867.6 9.4% 691.9 6.4% 366.8 4.9% 225.0 3.9% 302.6 3.5% 117.2 2.6% 73.8 21.8% 1,696.5 100.0% 6,154.1 数量シェア(%) 29.5% 14.1% 11.2% 6.0% 3.7% 4.9% 1.9% 1.2% 27.6% 100.0% 出所:Textile Outlook International, No 161 April 2013 World Textile Trade and Production Trends: the EU(デー タ元:Euratex)を参考に矢野経済研究所作成 6 1-2. 主要繊維国の輸出入統計 本調査においては、対象 5 ヵ国・地域の繊維・アパレル製品の貿易規模の現状を把握す るため、独自に輸出入金額の集計を行った。製品を大きく①糸類、②織物類、③衣類の三 つに分類し、それぞれの輸出入金額、輸出入数量を集計した。各製品群の定義は、HS コー ド 4 桁ベースの品目を以下のように指定し、国・地域別に全ての品目の数字を合計した。 表 1-2-1. 対象の HS コードと品目 糸類 織物類 衣類 HS コード 品目名 HS コード 品目名 HS コード 品目名 5004-5006 絹糸 5007 絹織物 61 ニット衣類 5106-5110 毛糸 5111-5113 毛織物 62 布帛衣類 5204-5207 綿糸 5208-5212 綿織物 5306-5308 麻糸等の植物繊維 5309-5311 麻 織 物 等 植 物繊 維 の 系 織物 5401-5406 化繊長繊維糸 5407-5408 化繊長繊維の織物 5508-5511 化繊紡績糸 5512-5516 化繊短繊維の織物 5605 金属を交えた糸 5801-5803 パイル、シェニール、 テリー等織物 60 ニット生地 貿易統計データは、特に記載のない限り各国・地域の貿易統計を網羅したデータベース である、”Global Trade Atlas”としている。同データベースのデータソースは以下の通りで ある。 中国:中国税関 米国:米国商務省 国勢調査局 韓国:韓国税関および貿易開発機構 ASEAN:インドネシア統計局、マレーシア統計局、International Enterprise Singapore(シンガポール)、フィリピン国家統計局、タイ税関局、UN Comtrade (ミャンマー・ブルネイ・ベトナム・カンボジア) (Laos はデータ無し) EU:Eurostat 注: 1) 数量のデータに関しては、国・地域により単位が異なることがあるため、その場合は 単位ごとに別々に集計した。 2) ASEAN のデータは、国によりデータが存在しない品目、年度があるため、個別のテ 7 ーブルごとに、データが含まれる国名を年別に付記した。 また、金額は全て米ドル (USD)、数量は別途表内に示しているが、以下に使用単位の略 語の定義を示す。 表 1-2-2. 数量の単位 日本語 KG 英語 Kilogram キログラム DOZ Dozen ダース M Meters メートル M2 Square meters 平方メートル DPR Dozen Pair ダースペア PRS Pairs ペア TEN Unit of Ten 10個 TPR Ten Pair 10ペア UNK Unknown Unit 単位不明 NO Number 数 UNIT 8 1-2-1. 中国 (中国:輸出金額) 表 1-2-1-1. 糸類の輸出金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 281,350,742 5106-5110 毛糸 5204-5207 綿糸 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 5401-5406 2010 2011 2012 289,921,563 250,776,022 1,051,027,217 1,099,314,544 1,036,502,067 2,250,995,647 2,256,205,487 2,183,268,886 227,637,170 139,016,352 324,877,395 化繊長繊維糸 3,344,668,354 4,411,070,411 4,337,808,914 5508-5511 化繊紡績糸 1,803,596,407 2,652,444,170 2,556,908,001 5605 金属を交えた糸 47,683,245 63,435,692 70,292,441 9,006,958,782 10,911,408,219 10,760,433,726 糸類金額合計 (USD) 表 1-2-1-2. 織物類の輸出金額 HS コード 品目 5007 絹織物 992,447,711 1,057,157,740 1,057,232,697 5111-5113 毛織物 522,651,269 674,789,400 643,320,443 5208-5212 綿織物 10,682,400,300 12,776,928,775 12,563,610,999 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 631,950,403 782,584,990 733,878,043 5407-5408 化繊長繊維の織物 6,746,017,093 9,405,895,095 9,963,937,678 5512-5516 化繊短繊維の織物 4,975,936,436 6,463,147,244 6,272,768,163 5801-5803 パイル、シェニール、テリー 等織物 ニット生地 1,366,570,352 1,692,955,267 1,605,384,969 8,668,182,515 10,697,573,848 11,219,602,585 34,586,156,079 43,551,032,359 44,059,735,577 60 2010 織物類金額合計 (USD) 2012 2011 表 1-2-1-3. 衣類の輸出金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 66,707,052,276 80,183,012,206 62 布帛衣類 54,362,810,085 63,081,477,376 61,238,314,411 121,069,862,361 143,264,489,582 148,301,848,473 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 2010 9 2011 2012 87,063,534,062 (中国:輸出数量) 表 1-2-1-4. 糸類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 9,417,355 8,267,737 7,772,828 5106-5110 毛糸 KG 41,468,225 40,597,106 34,000,024 5204-5207 綿糸 KG 525,104,021 392,909,111 447,432,595 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 31,276,060 33,955,123 37,416,037 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 1,207,564,451 1,358,448,463 1,506,822,893 5508-5511 化繊紡績糸 KG 502,615,974 529,983,126 565,573,041 5605 金属を交えた糸 KG 8,919,190 10,349,190 10,704,174 2,326,365,276 2,374,509,856 2,609,721,592 糸類数量合計 (KG) 2012 2011 2010 表 1-2-1-5. 織物類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 273,791,845 217,446,052 5111-5113 毛織物 M2 87,070,445 93,064,020 86,177,342 5208-5212 綿織物 M2 7,895,033,585 7,567,945,649 7,836,823,201 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 M2 268,252,233 273,289,967 254,198,879 5407-5408 化繊長繊維の織物 M2 7,695,817,544 9,507,946,401 9,582,445,406 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 4,954,679,292 5,266,132,389 5,210,943,386 5801-5803 パイル、シェニール、テ M2 リー等織物 786,260,829 797,017,721 782,552,696 60 ニット生地 2010 M2 織物類数量合計 (M2) 2011 2012 206,985,228 6,656,193,809 7,169,063,961 7,949,700,324 28,617,099,582 30,891,906,160 31,909,826,462 表 1-2-1-6. 衣類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 NO 21,528,741,040 21,445,554,265 21,525,581,304 62 布帛衣類 NO 12,410,878,835 12,101,910,911 11,791,416,935 33,939,619,875 33,547,465,176 33,316,998,239 2010 アパレル/二次製品数量合計 (NO) 2011 2012 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 PRS 16,392,880,947 17,112,042,838 62 布帛衣類 PRS 512,135,833 555,252,780 378,651,898 16,905,016,780 17,667,295,618 17,558,618,647 2010 アパレル/二次製品数量合計 (PRS) 2011 2012 17,179,966,749 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 KG 227,973,558 202,757,828 62 布帛衣類 KG 73,746,127 54,052,962 44,255,395 301,719,685 256,810,790 232,516,708 2010 アパレル/二次製品の数量合計 (KG) 10 2011 2012 188,261,313 (中国:輸入金額) 表 1-2-1-7. 糸類の輸入金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 5106-5110 毛糸 182,707,759 225,344,578 201,529,176 5204-5207 綿糸 3,213,127,932 3,415,010,169 4,957,492,074 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 5401-5406 化繊長繊維糸 5508-5511 化繊紡績糸 5605 金属を交えた糸 2010 2011 2012 5,791,123 糸類金額合計(USD) 4,726,686 4,723,392 28,871,314 66,253,397 69,503,838 1,695,098,033 1,858,220,132 1,688,954,714 467,084,700 473,224,981 490,230,709 6,183,915 6,714,789 8,287,208 5,598,864,776 6,049,494,732 7,420,721,111 表 1-2-1-8. 織物類の輸入金額 HS コード 品目 5007 絹織物 104,415,935 99,602,375 80,145,487 5111-5113 毛織物 485,251,968 575,314,789 544,684,623 5208-5212 綿織物 1,698,473,334 1,790,750,453 1,807,900,484 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 63,470,886 64,874,770 55,075,680 5407-5408 化繊長繊維の織物 2,087,808,877 2,204,790,709 2,088,707,398 5512-5516 化繊短繊維の織物 725,776,550 824,490,495 693,980,131 5801-5803 パ イ ル 、シ ェニ ール 、テ リー等織物 ニット生地 92,429,559 85,816,066 83,443,608 2,344,890,041 2,447,103,209 2,359,277,067 7,602,517,150 8,092,742,866 7,713,214,478 60 2010 織物類金額合計(USD) 2011 2012 表 1-2-1-9. 衣類の輸入金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 62 布帛衣類 アパレル/二次製品金額合計(USD) 2010 2011 2012 815,522,894 1,187,022,915 1,344,687,636 1,418,478,268 2,386,001,109 2,663,081,533 2,234,001,162 3,573,024,024 4,007,769,169 11 (中国:輸入数量) 表 1-2-1-10. 糸類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 490,529 365,297 401,513 5106-5110 毛糸 KG 21,360,294 22,077,017 16,938,324 5204-5207 綿糸 KG 1,112,460,067 904,535,737 1,527,846,180 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 17,244,531 56,128,554 68,905,427 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 448,886,276 418,086,394 362,038,779 5508-5511 化繊紡績糸 KG 118,266,890 96,358,938 86,989,494 5605 金属を交えた糸 KG 369,719 352,151 480,499 1,719,078,306 1,497,904,088 2,063,600,216 2010 糸類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-1-11. 織物類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 24,977,500 19,800,716 5111-5113 毛織物 M2 49,137,609 48,860,768 42,336,607 5208-5212 綿織物 M2 859,426,888 768,052,467 842,710,248 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 M2 28,746,013 26,375,621 20,167,419 5407-5408 化繊長繊維の織物 M2 1,431,767,937 1,296,003,032 1,172,047,373 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 350,414,193 334,530,114 278,255,892 5801-5803 パイル、シェニール、テ M2 リー等織物 38,591,518 28,537,304 24,978,114 60 ニット生地 1,579,198,138 1,673,664,979 1,549,307,891 4,362,259,796 4,195,825,001 3,944,564,119 2010 M2 織物類数量合計 (M2) 2011 2012 14,760,575 表 1-2-1-12. 衣類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 NO 107,463,940 140,678,963 154,447,231 62 布帛衣類 NO 68,950,701 97,769,130 112,636,537 176,414,641 238,448,093 267,083,768 2010 アパレル/二次製品数量合計 (NO) 2012 2011 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 PRS 45,019,413 50,650,093 62 布帛衣類 PRS 1,761,367 1,649,915 1,508,681 46,780,780 52,300,008 55,612,822 2010 アパレル/二次製品数量合計 (PRS) 2012 2011 54,104,141 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 KG 4,702,130 3,718,750 3,711,018 62 布帛衣類 KG 2,242,258 2,435,097 2,237,896 6,944,388 6,153,847 5,948,914 2010 アパレル/二次製品の数量合計 (KG) 12 2011 2012 1-2-2. 米国 (米国:輸出金額) 表 1-2-2-1. 糸類の輸出金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 5106-5110 毛糸 10,791,010 11,477,363 13,558,109 5204-5207 綿糸 1,122,135,294 1,842,851,315 1,331,077,740 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 6,592,704 2,413,324 2,273,835 5401-5406 化繊長繊維糸 1,126,365,897 1,217,166,948 1,264,576,656 5508-5511 化繊紡績糸 425,134,198 564,548,991 514,711,304 5605 金属を交えた糸 9,952,569 12,668,661 11,901,535 2,710,514,624 3,657,597,448 3,138,973,884 2010 2011 9,542,952 糸類金額合計 (USD) 2012 6,470,846 874,705 表 1-2-2-2. 織物類の輸出金額 HS コード 品目 5007 絹織物 15,329,342 15,167,099 13,470,825 5111-5113 毛織物 36,735,897 36,270,235 42,628,006 5208-5212 綿織物 605,457,161 755,823,088 640,921,809 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 13,928,442 13,333,488 11,259,624 5407-5408 化繊長繊維の織物 444,506,521 476,776,433 490,607,077 5512-5516 化繊短繊維の織物 409,633,390 459,506,618 508,203,975 5801-5803 パイル、シェニール、テリー 等織物 ニット生地 56,571,860 55,326,320 57,290,417 1,062,234,571 1,058,286,223 1,032,517,923 2,644,397,184 2,870,489,504 2,796,899,656 60 2010 織物類金額合計 (USD) 2012 2011 表 1-2-2-3. 衣類の輸出金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 2,169,167,249 2,329,348,859 2,452,368,294 62 布帛衣類 1,821,093,737 2,126,131,205 2,351,018,591 3,990,260,986 4,455,480,064 4,803,386,885 2010 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 13 2011 2012 (米国:輸出数量) 表 1-2-2-4. 糸類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 703,477 505,991 47,407 5106-5110 毛糸 KG 1,012,923 1,091,128 1,173,785 5204-5207 綿糸 KG 412,552,614 473,703,068 405,030,352 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 799,641 457,636 457,069 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 178,628,609 178,127,397 186,809,506 5508-5511 化繊紡績糸 KG 139,470,183 141,143,957 146,529,575 5605 金属を交えた糸 KG 322,614 243,998 267,016 733,490,061 795,273,175 740,314,710 2010 糸類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-2-5. 織物類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 17,231,233 14,884,168 5111-5113 毛織物 M2 105,872,932 106,532,248 94,891,805 5208-5212 綿織物 M2 744,710,589 661,268,670 584,242,059 5309-5310 麻織物等植物繊維の織物 M2 32,030,793 28,695,137 24,618,271 5407-5408 化繊長繊維の織物 M2 605,489,620 628,702,105 659,946,865 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 332,983,872 340,092,749 333,220,449 5801-5803 パイル、シェニール、テ M2 リー等織物 ニット生地 M2 39,238,520 35,912,424 38,183,006 20,215,380 21,305,052 14,893,090 1,877,557,559 1,816,087,501 1,749,326,716 60 2010 織物類数量合計 (M2) 2011 2012 14,224,261 HS コード 品目 UNIT 5311 麻織物等植物繊維の織物 KG 676,156 408,525 241,911 60 ニット生地 KG 143,394,068 119,707,896 111,873,067 144,070,224 120,116,421 112,114,978 2010 織物類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-2-6. 衣類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 NO 783,890 513,172 62 布帛衣類 NO 306,613 244,408 276,791 1,090,503 757,580 837,886 2010 アパレル/二次製品数量合計 (NO) 14 2011 2012 561,095 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 DPR 61,803,202 44,944,114 62 布帛衣類 DPR 814,597 1,356,401 1,722,977 62,617,799 46,300,515 46,142,841 2010 アパレル/二次製品数量合計 (DPR) 2011 2012 44,419,864 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 DOZ 69,663,998 66,097,287 62 布帛衣類 DOZ 31,078,925 36,435,335 39,419,456 100,742,923 102,532,622 106,896,744 2010 アパレル/二次製品の数量合計 (DOZ) 2011 2012 67,477,288 (米国:輸入金額) 表 1-2-2-7. 糸類の輸入金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 7,813,895 9,639,546 10,381,271 5106-5110 毛糸 93,978,083 111,735,105 124,060,788 5204-5207 綿糸 218,521,621 227,827,302 171,255,858 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 19,158,301 15,986,672 15,429,423 5401-5406 化繊長繊維糸 1,327,891,605 1,475,775,782 1,475,721,325 5508-5511 化繊紡績糸 310,031,842 335,295,901 315,607,599 5605 金属を交えた糸 2010 糸類金額合計(USD) 2011 2012 8,805,766 12,212,962 16,265,136 1,986,201,113 2,188,473,270 2,128,721,400 表 1-2-2-8. 織物類の輸入金額 HS コード 品目 5007 絹織物 144,875,611 165,818,109 151,741,852 5111-5113 毛織物 101,689,299 113,071,447 130,883,188 5208-5212 綿織物 841,475,784 976,837,093 938,111,274 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 114,638,173 146,325,737 153,910,975 5407-5408 化繊長繊維の織物 647,675,790 794,759,759 843,732,738 5512-5516 化繊短繊維の織物 265,586,550 288,576,247 289,543,154 5801-5803 パ イ ル 、シ ェニ ール 、テ リー等織物 ニット生地 189,254,102 191,439,248 196,986,098 729,741,881 850,323,374 965,355,041 3,034,937,190 3,527,151,014 3,670,264,320 60 織物類金額合計(USD) 2010 15 2011 2012 表 1-2-2-9. 衣類の輸入金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 41,840,248,596 41,134,116,646 42,963,009,965 62 布帛衣類 36,935,258,284 36,785,872,788 38,012,019,073 78,775,506,880 77,919,989,434 80,975,029,038 2010 アパレル/二次製品金額合計(USD) 2011 2012 (米国:輸入数量) 表 1-2-2-10. 糸類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 117,722 148,835 160,332 5106-5110 毛糸 KG 5,912,345 6,191,192 6,500,932 5204-5207 綿糸 KG 52,817,563 40,853,207 36,006,682 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 12,270,887 9,145,197 9,957,076 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 315,252,866 303,646,148 311,632,975 5508-5511 化繊紡績糸 KG 76,745,227 68,061,842 72,217,862 5605 金属を交えた糸 KG 506,916 734,523 1,022,502 463,623,526 428,780,944 437,498,361 2010 糸類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-2-11. 織物類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 18,048,388 16,657,758 5111-5113 毛織物 M2 10,514,040 10,313,722 11,224,942 5208-5212 綿織物 M2 781,199,823 770,648,383 746,875,382 5309-5310 麻織物等植物繊維の織物 M2 101,446,955 109,097,223 117,650,132 5407-5408 化繊長繊維の織物 M2 1,110,311,491 1,319,442,977 1,459,693,049 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 186,384,936 164,664,607 163,350,299 5801-5803 パイル、シェニール、テ M2 リー等織物 ニット生地 M2 114,969,248 93,860,831 108,402,490 60 2011 2010 織物類数量合計 (M2) 2012 14,904,946 149,190,972 126,828,095 120,099,116 2,322,874,881 2,484,685,501 2,622,101,240 * HS コード 5311 を除く HS コード 品目 UNIT 60 ニット生地 KG 2010 織物類数量合計 (KG) 16 2011 2012 141,718,700 148,340,476 159,412,667 141,718,700 148,340,476 159,412,667 表 1-2-2-12. 衣類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 NO 370,623 444,058 211,099 62 布帛衣類 NO 17,836,474 17,093,585 14,834,977 18,207,097 17,537,643 15,046,076 2011 2010 アパレル/二次製品数量合計 (NO) 2012 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 DPR 458,572,732 446,928,622 62 布帛衣類 DPR 11,858,526 13,597,281 12,530,398 470,431,258 460,525,903 450,652,269 2010 アパレル/二次製品数量合計 (DPR) 2012 2011 438,121,871 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 DOZ 1,137,419,931 1,073,604,343 62 布帛衣類 DOZ 601,866,491 595,218,052 583,781,167 1,739,286,422 1,668,822,395 1,654,945,838 2011 2010 アパレル/二次製品の数量合計 (DOZ) 17 2012 1,071,164,671 1-2-3. 韓国 (韓国:輸出金額) 表 1-2-3-1. 糸類の輸出金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 5106-5110 毛糸 25,583,840 36,573,931 39,270,853 5204-5207 綿糸 246,592,103 278,589,877 283,867,023 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 63,223 353,878 283,232 5401-5406 化繊長繊維糸 1,134,234,267 1,286,086,332 1,238,025,833 5508-5511 化繊紡績糸 150,739,984 160,549,603 165,996,385 5605 金属を交えた糸 4,585,855 8,577,540 8,948,654 1,561,987,969 1,770,991,660 1,736,745,636 2010 2011 188,697 糸類金額合計 (USD) 2012 260,499 353,656 表 1-2-3-2. 織物類の輸出金額 HS コード 品目 5007 絹織物 90,545,538 102,863,547 96,996,902 5111-5113 毛織物 51,229,354 69,520,833 50,898,591 5208-5212 綿織物 449,595,463 526,659,869 471,663,581 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 11,897,068 12,364,070 9,722,274 5407-5408 化繊長繊維の織物 1,874,974,591 2,238,267,993 2,214,406,180 5512-5516 化繊短繊維の織物 309,064,757 354,220,595 332,021,529 5801-5803 パイル、シェニール、テリー 等織物 ニット生地 63,931,552 66,054,453 60,234,673 3,697,840,230 4,234,279,828 4,069,828,914 6,549,078,553 7,604,231,188 7,305,772,644 60 2010 織物類金額合計 (USD) 2012 2011 表 1-2-3-3. 衣類の輸出金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 796,633,558 869,366,961 888,031,654 62 布帛衣類 674,955,402 796,061,997 838,220,656 1,471,588,960 1,665,428,958 1,726,252,310 2010 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 18 2011 2012 (韓国:輸出数量) 表 1-2-3-4. 糸類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 30,113 11,013 5,972 5106-5110 毛糸 KG 1,708,861 1,964,252 2,171,860 5204-5207 綿糸 KG 59,374,130 56,936,899 70,594,876 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 3,585 33,911 18,295 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 324,275,455 324,936,071 336,133,002 5508-5511 化繊紡績糸 KG 26,117,519 23,740,051 27,168,482 5605 金属を交えた糸 KG 297,771 433,982 634,203 411,807,434 408,056,179 436,726,690 糸類数量合計 (KG) 2012 2011 2010 表 1-2-3-5. 織物類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 KG 858,888 770,853 793,350 5111-5113 毛織物 KG 2,487,894 2,837,708 2,028,860 5208-5212 綿織物 KG 44,393,796 46,535,657 41,648,307 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 KG 721,418 625,901 518,247 5407-5408 化繊長繊維の織物 KG 190,930,110 193,022,690 182,109,009 512-5516 化繊短繊維の織物 KG 34,713,635 36,059,460 30,867,254 5801-5803 パイル、シェニール、テ KG リー等織物 3,322,950 3,053,759 2,824,626 60 ニット生地 2010 KG 織物類数量合計 (KG) 2011 2012 495,676,576 489,398,204 480,245,961 773,105,267 772,304,232 741,035,614 表 1-2-3-6. 衣類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 KG 45,633,033 44,999,197 62 布帛衣類 KG 42,838,355 45,344,368 48,117,901 88,471,388 90,343,565 93,314,381 2010 アパレル/二次製品数量合計 (KG) 19 2011 2012 45,196,480 (韓国:輸入金額) 表 1-2-3-7. 糸類の輸入金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 5106-5110 毛糸 39,633,352 37,938,412 28,142,625 5204-5207 綿糸 914,174,038 982,070,203 585,233,827 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 24,438,589 27,448,488 22,433,959 5401-5406 化繊長繊維糸 696,978,515 855,831,229 741,725,493 5508-5511 化繊紡績糸 531,722,609 630,940,854 547,615,825 5605 金属を交えた糸 988,002 919,869 1,202,991 2,226,031,593 2,552,230,585 1,939,915,198 2010 2011 2012 18,096,488 糸類金額合計(USD) 17,081,530 13,560,478 表 1-2-3-8. 織物類の輸入金額 HS コード 品目 5007 絹織物 66,902,593 77,890,225 72,763,530 5111-5113 毛織物 71,956,909 114,155,111 84,171,733 5208-5212 綿織物 439,252,615 457,874,085 400,088,392 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 45,396,759 53,310,694 45,418,420 5407-5408 化繊長繊維の織物 168,751,079 238,009,881 211,911,360 5512-5516 化繊短繊維の織物 190,641,739 220,441,338 146,040,468 5801-5803 パ イ ル 、シ ェニ ール 、テ リー等織物 ニット生地 20,307,085 18,832,552 17,771,487 60 2010 織物類金額合計(USD) 2011 2012 105,179,670 133,364,361 118,498,367 1,108,388,449 1,313,878,247 1,096,663,757 表 1-2-3-9. 衣類の輸入金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 1,320,816,778 1,776,199,764 1,897,173,144 布帛衣類 アパレル/二次製品金額合計(USD) 2,803,329,471 3,945,053,359 4,006,493,060 4,124,146,249 5,721,253,123 5,903,666,204 62 2010 20 2011 2012 (韓国:輸入数量) 表 1-2-3-10. 糸類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 458,206 327,051 275,917 5106-5110 毛糸 KG 2,628,335 1,864,024 1,223,184 5204-5207 綿糸 KG 252,927,334 193,962,067 152,487,608 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 6,462,487 6,090,511 5,158,750 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 225,367,717 231,873,092 213,038,054 5508-5511 化繊紡績糸 KG 164,455,838 160,051,932 165,782,653 5605 金属を交えた糸 KG 29,539 18,753 37,276 652,329,456 594,187,430 538,003,442 2010 糸類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-3-11. 織物類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 KG 1,016,695 921,367 834,686 5111-5113 毛織物 KG 1,607,437 2,274,899 1,623,728 5208-5212 綿織物 KG 86,873,436 65,984,631 70,811,175 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 KG 10,864,553 11,440,918 10,430,497 5407-5408 化繊長繊維の織物 KG 25,540,782 36,941,346 34,484,551 512-5516 化繊短繊維の織物 KG 42,213,927 38,750,890 36,943,280 5801-5803 パイル、シェニール、テ KG リー等織物 1,920,002 1,576,990 1,759,824 60 ニット生地 2011 2010 KG 織物類数量合計 (KG) 2012 12,087,980 13,411,350 12,809,230 182,124,812 171,302,391 169,696,971 表 1-2-3-12. 衣類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 KG 83,564,849 92,649,347 98,346,609 62 布帛衣類 KG 155,060,799 178,985,171 168,173,422 238,625,648 271,634,518 266,520,031 2010 アパレル/二次製品数量合計 (KG) 21 2011 2012 1-2-4. ASEAN (ASEAN:輸出金額) 表 1-2-4-1. 糸類の輸出金額 HS コード 品目 5004-5006 5106-5110 5204-5207 5306-5308 5401-5406 5508-5511 5605 絹糸 毛糸 綿糸 麻糸等の植物繊維系 化繊長繊維糸 化繊紡績糸 金属を交えた糸 糸類金額合計(USD) 2010 2011 39,387,944 80,736,455 1,315,600,647 1,340,003 2,107,687,860 1,947,954,036 7,542,530 5,500,249,475 2012 50,178,396 88,128,370 1,388,657,155 918,929 2,431,358,595 2,336,689,152 6,771,374 6,302,701,971 46,061,671 39,400,426 1,384,938,123 2,417,368 2,081,336,867 2,182,097,363 6,364,978 5,742,616,796 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-2. 織物類の輸出金額 HS コード 5007 5111-5113 5208-5212 5309-5311 5407-5408 5512-5516 5801-5803 60 品目 絹織物 毛織物 綿織物 麻織物等植物繊維の織物 化繊長繊維の織物 化繊短繊維の織物 パイル、シェニール、テ リー等織物 ニット生地 織物類金額合計 (USD) 2010 2011 2012 29,067,774 7,162,016 943,584,759 9,361,141 1,283,775,223 996,374,415 26,823,833 9,527,623 1,092,933,300 12,187,858 1,725,240,554 1,198,999,827 27,520,531 11,134,246 906,995,763 10,817,350 1,643,438,989 1,060,118,432 27,487,709 23,238,027 21,448,915 765,979,395 4,062,792,432 850,921,211 4,939,872,233 818,957,650 4,500,431,876 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ,フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-3. 衣類の輸出金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 62 布帛衣類 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 2010 2012 2011 14,717,719,682 17,579,120,964 18,306,353,263 11,624,857,418 13,931,099,460 13,947,236,296 26,342,577,100 31,510,220,424 32,253,589,559 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 22 (ASEAN:輸出数量) 表 1-2-4-4. 糸類の輸出数量 HS コード 5004-5006 5106-5110 5204-5207 5306-5308 5401-5406 5508-5511 5605 品目 UNIT 絹糸 KG KG KG KG KG KG KG 毛糸 綿糸 麻糸等の植物繊維系 化繊長繊維糸 化繊紡績糸 金属を交えた糸 2010 2011 1,032,263 5,428,669 449,024,837 498,965 895,479,510 646,268,315 280,232 1,998,012,791 糸類数量合計 (KG) 2012 1,151,152 4,738,347 358,472,786 348,442 843,219,608 648,083,861 199,632 1,856,213,828 140,961 1,981,907 179,654,345 209,766 656,016,886 529,987,534 301,240 1,368,292,639 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-5. 織物類の輸出数量 HS コード 品目 5007 絹織物 UNIT 2010 2011 2012 KG 毛織物 KG 綿織物 KG 麻織物等植物繊維の織 KG 物 441,218 212,894 103,260,395 281,110 150,694 90,451,862 382,867 123,600 81,560,353 582,468 737,731 199,883 5407-5408 化繊長繊維の織物 KG 5512-5516 化繊短繊維の織物 KG 142,157,021 91,501,594 151,535,785 86,607,907 132,014,137 83,218,594 3,937,056 3,540,590 1,198,666 104,342,366 446,435,012 95,092,893 428,398,572 72,742,710 371,440,810 5111-5113 5208-5212 5309-5311 パイル、シェニール、 KG テリー等織物 60 ニット生地 KG 織物類数量合計 (KG) 5801-5803 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ、フィリピン HS コード 品目 5007 絹織物 5111-5113 5208-5212 5309-5311 5407-5408 5512-5516 5801-5803 60 織物数量合計 (M) UNIT 2010 M 毛織物 M 綿織物 M 麻織物等植物繊維の織 M 物 化繊長繊維の織物 M 化繊短繊維の織物 M パイル、シェニール、 M テリー等織物 ニット生地 M 2010年:インドネシア 2011年:インドネシア 2012年:インドネシア 23 2011 2012 112,680,799 90,738,895 84,190,166 - - - 471,945,034 311,416,183 566,517,577 307,706,137 428,227,126 294,934,953 - - - 896,042,016 964,962,609 807,352,245 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 5,894,446 2,231,403 1,319,726 5111-5113 毛織物 5208-5212 綿織物 M2 M2 547,119 119,960,348 1,274,878 28,045,178 711,838 76,837,556 5309-5311 141,324 190,001 159,194 5407-5408 麻織物等植物繊維の織 M2 物 化繊長繊維の織物 M2 5512-5516 化繊短繊維の織物 M2 21,163,068 71,155,371 32,161,254 93,103,728 35,847,715 86,722,303 5801-5803 パイル、シェニール、 M2 テリー等織物 528,176 671,567 1,706,127 58,027,314 277,417,166 64,564,064 222,242,073 57,967,899 261,272,358 60 ニット生地 織物数量合計 (M2) 2010 M2 2011 2012 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール 表 1-2-4-6. 衣類の輸出数量 品目 HS コード 61 ニット衣類 62 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (DOZ) UNIT 2010 DOZ 981,996,545 568,079,900 1,550,076,445 DOZ 2011 1,062,780,545 545,298,271 1,608,078,816 2012 1,149,930,235 309,345,322 1,459,275,557 2010年:インドネシア 2011年:インドネシア 2012年:インドネシア 品目 HS コード 61 ニット衣類 62 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (KG) UNIT 2010 KG 145,256,088 129,764,335 275,020,423 KG 2011 153,282,238 132,814,182 286,096,420 2012 122,232,115 159,435,730 281,667,845 2010年:(61)インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2010年:(62)インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、フィリピン 2011年:(61)インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2011年:(62)インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2012年:(61)インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ、フィリピン 2012年:(62)インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (NO) UNIT 2010 NO NO 1,612,081,720 320,184,683 1,932,266,403 2010年:カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ 2011年:カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ 2012年:カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ 24 2011 1,628,830,334 309,905,712 1,938,736,046 2012 963,878,008 193,331,936 1,157,209,944 HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (TPR) UNIT 2010 TPR 2011 1,996,672 439,680 2,436,352 TPR 2012 3,804,408 1,465,954 5,270,362 2,468,691 918,510 3,387,201 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (TEN) UNIT 2010 TEN 2011 15,404,918 5,106,826 20,511,744 TEN 2012 12,462,176 5,295,000 17,757,176 12,266,840 3,942,533 16,209,373 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (PRS) UNIT 2010 PRS PRS 2011 4,262,292 4,262,292 2012 8,710,992 8,710,992 6,904,820 6,904,820 2010年:タイ 2011年:タイ 2012年:タイ HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (UNK) UNIT 2010 UNK UNK 2011 - 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール 25 2012 8 8 - (ASEAN:輸入金額) 表 1-2-4-7. 糸類の輸入金額 HS コード 5004-5006 5106-5110 5204-5207 5306-5308 5401-5406 5508-5511 5605 品目 2010 絹糸 11,370,072 25,511,845 502,689,451 20,672,458 1,512,392,758 418,691,218 5,912,187 2,497,239,989 毛糸 綿糸 麻糸等の植物繊維系 化繊長繊維糸 化繊紡績糸 金属を交えた糸 糸類金額合計(USD) 2011 12,950,679 39,590,551 557,507,099 26,828,463 1,839,957,289 521,538,538 6,031,218 3,004,403,837 2012 9,824,854 79,204,845 501,286,038 31,099,625 1,850,929,623 493,048,141 5,363,727 2,970,756,853 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-8. 織物類の輸入金額 HS コード 5007 5111-5113 5208-5212 5309-5311 5407-5408 5512-5516 5801-5803 60 品目 2010 絹織物 毛織物 綿織物 麻織物等植物繊維の織物 化繊長繊維の織物 化繊短繊維の織物 パイル、シェニール、テリー等 織物 ニット生地 織物金額合計 (USD) 2011 2012 63,586,682 153,572,553 2,912,448,427 43,675,278 1,507,574,421 2,492,156,747 66,970,624 194,380,710 3,546,432,917 53,130,444 2,021,287,955 2,942,651,211 64,559,764 176,479,769 3,056,194,075 47,199,810 2,070,267,929 3,104,129,028 127,287,993 155,242,896 179,015,713 4,238,866,185 11,539,168,286 5,235,162,354 14,215,259,111 5,680,901,141 14,378,747,229 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-9. 衣類の輸入金額 HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 2011 2010 2012 1,655,273,060 2,036,752,785 2,277,718,162 1,634,001,933 2,149,981,431 2,360,569,694 3,289,274,993 4,186,734,216 4,638,287,856 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、タイ、フィリピン 26 (ASEAN:輸入数量) 表 1-2-4-10. 糸類の輸入数量 HS コード 5004-5006 5106-5110 5204-5207 5306-5308 5401-5406 5508-5511 5605 品目 UNIT 絹糸 KG KG KG KG KG KG KG 毛糸 綿糸 麻糸等の植物繊維系 化繊長繊維糸 化繊紡績糸 金属を交えた糸 2010 2011 972,235 2,496,863 143,318,967 14,527,803 479,662,419 116,306,338 520,123 757,804,748 糸類数量合計 (KG) 2012 579,479 2,952,029 123,242,836 17,493,838 540,882,283 126,913,937 529,552 812,593,954 561,712 3,144,362 89,212,535 22,580,990 350,529,753 117,193,844 497,005 583,720,201 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン 表 1-2-4-11. 織物類の輸入数量 HS コード 品目 5007 絹織物 5111-5113 5208-5212 5309-5311 5407-5408 5512-5516 5801-5803 60 織物類数量合計 (KG) UNIT 2010 KG KG 綿織物 KG 麻織物等植物繊維の織 KG 物 化繊長繊維の織物 KG 化繊短繊維の織物 KG パイル、シェニール、 KG テリー等織物 ニット生地 KG 2011 2012 1,467,598 6,388,633 305,672,627 1,243,936 7,087,958 323,031,350 878,733 3,792,957 164,754,343 4,057,957 4,325,599 3,097,861 191,979,467 284,109,415 218,548,726 294,425,680 184,284,642 173,778,658 13,392,889 21,093,730 24,351,556 560,923,321 1,367,991,907 632,728,040 1,502,485,019 495,594,088 1,050,532,838 毛織物 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ、フィリピン HS コード 品目 5007 絹織物 5111-5113 5208-5212 5309-5311 5407-5408 5512-5516 5801-5803 60 織物類数量合計 (M) UNIT 2010 M 毛織物 M 綿織物 M 麻織物等植物繊維の織 M 物 化繊長繊維の織物 M 化繊短繊維の織物 M パイル、シェニール、 M テリー等織物 ニット生地 M 2010年:インドネシア 2011年:インドネシア 2012年:インドネシア 27 2011 2012 962,749,862 1,048,887,291 1,548,044,375 - - - 3,036,911,817 207,181,670 1,734,260,489 215,675,596 1,135,791,280 300,958,468 - - - 4,206,843,349 2,998,823,376 2,984,794,123 HS コード 品目 5007 絹織物 UNIT 5407-5408 M2 M2 綿織物 M2 麻織物等植物繊維の織 M2 物 化繊長繊維の織物 M2 5512-5516 化繊短繊維の織物 5801-5803 パイル、シェニール、 M2 テリー等織物 M2 ニット生地 5111-5113 5208-5212 5309-5311 60 織物類数量合計(M2) 2010 2011 2012 6,846,401 毛織物 4,939,888 4,822,941 1,160,966 50,750,804 2,132,107 43,815,201 1,242,399 54,029,729 596,583 644,065 645,707 25,773,864 38,484,335 43,638,176 88,767,943 97,379,754 90,622,251 1,273,782 820,614 824,496 89,930,246 265,100,589 80,066,752 268,282,716 99,409,286 295,234,985 M2 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール 表 1-2-4-12. 衣類の輸入数量 HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (DOZ) UNIT 2010 DOZ 2011 41,887,266 38,723,285 80,610,551 DOZ 2012 52,620,352 19,986,611 72,606,963 79,839,499 19,134,429 98,973,928 2010年:インドネシア 2011年:インドネシア 2012年:インドネシア HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (KG) UNIT 2010 KG 2011 52,623,552 57,136,916 109,760,468 KG 2012 53,933,671 67,787,797 121,721,468 42,548,555 69,024,100 111,572,655 2010年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、フィリピン 2011年:インドネシア、カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン 2012年:インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ、フィリピン HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (NO) UNIT 2010 NO NO 2011 144,616,502 67,480,917 212,097,419 2012 183,781,840 110,850,634 294,632,474 203,614,348 166,679,128 370,293,476 2010年:カンボジア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ 2011年:カンボジア、ベトナム、マレーシア、タイ 2012年:カンボジア、ブルネイ、マレーシア、タイ HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (TPR) UNIT 2010 TPR 2011 8,515,247 1,864,616 10,379,863 TPR 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール 28 2012 8,917,816 4,802,462 13,720,278 7,374,180 2,826,908 10,201,088 HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (TEN) UNIT 2010 TEN 2011 22,670,554 17,259,440 39,929,994 TEN 2012 21,358,729 14,186,864 35,545,593 21,098,623 12,419,974 33,518,597 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (PRS) UNIT 2010 PRS PRS 2011 6,847,205 6,847,205 2012 7,788,156 7,788,156 11,821,182 11,821,182 2010年:タイ 2011年:タイ 2012年:タイ HS コード 61 62 品目 ニット衣類 布帛衣類 アパレル/二次製品数量合計 (UNK) UNIT 2010 UNK UNK 2011 - 2010年:シンガポール 2011年:シンガポール 2012年:シンガポール 29 2012 335 335 - 1-2-5. EU (EU:輸出金額) 表 1-2-5-1. 糸類の輸出金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 12,259,908 10,483,899 9,354,079 5106-5110 毛糸 445,975,709 539,201,401 500,933,671 5204-5207 綿糸 255,946,951 305,336,518 259,879,495 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 36,246,884 36,320,014 31,768,204 5401-5406 化繊長繊維糸 1,641,318,486 1,860,189,658 1,702,994,447 5508-5511 化繊紡績糸 366,801,977 402,358,404 363,989,142 5605 金属を交えた糸 2010 糸類金額合計 (USD) 2011 2012 21,371,594 23,691,942 27,720,669 2,779,921,509 3,177,581,836 2,896,639,707 表 1-2-5-2. 織物類の輸出金額 HS コード 品目 5007 絹織物 260,166,077 291,280,207 268,699,246 5111-5113 毛織物 1,148,283,283 1,392,964,971 1,307,030,000 5208-5212 綿織物 2,731,077,332 3,006,138,844 2,599,718,214 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 205,239,546 221,662,233 195,466,509 5407-5408 化繊長繊維の織物 1,170,816,582 1,333,518,303 1,281,130,782 5512-5516 化繊短繊維の織物 1,092,707,129 1,249,670,229 1,185,416,315 5801-5803 パイル、シェニール、テリー 等織物 ニット生地 244,359,695 254,260,410 274,273,168 1,709,109,527 2,039,885,205 1,807,390,991 8,561,759,171 9,789,380,402 8,919,125,225 60 2010 織物類金額合計 (USD) 2012 2011 表 1-2-5-3. 衣類の輸出金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 62 布帛衣類 アパレル/二次製品金額合計 (USD) 2010 2011 2012 7,453,804,209 9,295,998,828 9,264,735,616 13,014,960,232 16,346,447,907 16,876,089,974 20,468,764,441 25,642,446,735 26,140,825,590 30 (EU:輸出数量) 表 1-2-5-4. 糸類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 267,100 164,200 192,400 5106-5110 毛糸 KG 20,943,800 20,118,900 17,470,300 5204-5207 綿糸 KG 34,352,900 31,598,600 29,761,000 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 10,256,800 7,814,300 5,645,200 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 251,703,400 247,650,400 236,571,500 5508-5511 化繊紡績糸 KG 45,318,300 49,110,000 41,067,100 5605 金属を交えた糸 KG 399,900 470,800 503,500 363,242,200 356,927,200 331,211,000 糸類数量合計 (KG) 2012 2011 2010 表 1-2-5-5. 織物類の輸出数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 17,231,233 14,884,168 5111-5113 毛織物 M2 105,872,932 106,532,248 94,891,805 5208-5212 綿織物 M2 744,710,589 661,268,670 584,242,059 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 M2 32,030,793 28,695,137 24,618,271 5407-5408 化繊長繊維の織物 M2 605,489,620 628,702,105 659,946,865 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 332,983,872 340,092,749 333,220,449 5801-5803 パイル、シェニール、テ M2 リー等織物 39,238,520 35,912,424 38,183,006 1,877,557,559 1,816,087,501 1,749,326,716 2010 織物類数量合計 (M2) HS コード 品目 UNIT 60 ニット生地 KG 2011 2010 織物類数量合計 (KG) 2012 2011 14,224,261 2012 258,328 266,494 278,794 258,328 266,494 278,794 出所:European Commission, ‘TRADE Market Access Database” 表 1-2-5-6. 衣類の輸出数量 HS コード 品目 61 ニット衣類 KG 1,081,892 1,217,106 1,280,866 62 布帛衣類 KG 906,250 1,093,895 1,129,397 1,988,142 2,311,001 2,410,263 UNIT 2010 アパレル/二次製品数量合計 (KG) 出所:European Commission, ‘TRADE Market Access Database” 31 2011 2012 (EU:輸入金額) 表 1-2-5-7. 糸類の輸入金額 HS コード 品目 5004-5006 絹糸 5106-5110 毛糸 242,842,819 323,154,701 251,534,044 5204-5207 綿糸 1,308,073,958 1,618,536,507 1,134,388,797 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 5401-5406 化繊長繊維糸 5508-5511 化繊紡績糸 5605 金属を交えた糸 2010 2011 2012 67,646,000 糸類金額合計(USD) 101,686,720 85,926,413 154,814,605 171,100,367 162,733,943 2,101,816,358 2,630,980,258 2,246,160,148 725,612,794 906,486,959 709,629,360 24,377,918 25,941,629 24,141,261 4,625,184,452 5,777,887,141 4,614,513,966 表 1-2-5-8. 織物類の輸入金額 HS コード 品目 5007 絹織物 285,803,272 349,775,665 300,298,985 5111-5113 毛織物 168,130,942 192,441,468 169,702,766 5208-5212 綿織物 2,355,499,207 2,798,497,223 2,160,676,753 5309-5311 麻織物等植物繊維の織物 184,684,656 215,561,270 173,828,130 5407-5408 化繊長繊維の織物 1,284,472,133 1,613,802,526 1,627,922,851 5512-5516 化繊短繊維の織物 1,115,120,033 1,329,808,397 1,092,274,091 5801-5803 パ イ ル 、シ ェニ ール 、テ リー等織物 ニット生地 261,580,740 288,380,886 269,210,207 1,709,109,527 2,039,885,205 1,807,390,991 7,364,400,510 8,828,152,640 7,601,304,774 60 2010 織物類金額合計(USD) 2011 2012 表 1-2-5-9. 衣類の輸入金額 HS コード 品目 61 ニット衣類 41,242,421,603 47,046,537,252 41,552,347,364 62 布帛衣類 41,626,937,704 48,296,758,352 43,079,310,369 82,869,359,307 95,343,295,604 84,631,657,733 アパレル/二次製品金額合計(USD) 2010 32 2011 2012 (EU:輸入数量) 表 1-2-5-10. 糸類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5004-5006 絹糸 KG 1,628,500 1,854,700 1,549,800 5106-5110 毛糸 KG 18,318,700 17,961,800 13,512,200 5204-5207 綿糸 KG 325,311,900 273,954,300 249,079,400 5306-5308 麻糸等の植物繊維系 KG 67,688,600 57,238,000 48,843,100 5401-5406 化繊長繊維糸 KG 621,450,000 656,474,000 609,434,100 5508-5511 化繊紡績糸 KG 182,706,300 182,880,700 159,044,700 5605 金属を交えた糸 KG 1,135,200 1,336,900 1,284,200 1,218,239,200 1,191,700,400 1,082,747,500 2010 糸類数量合計 (KG) 2011 2012 表 1-2-5-11. 織物類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 5007 絹織物 M2 63,536,481 63,600,537 5111-5113 毛織物 M2 24,986,826 24,847,109 21,151,105 5208-5212 綿織物 M2 2,028,706,191 1,818,037,528 1,590,947,615 5309-5311 麻織物等植物繊維の織 M2 物 化繊長繊維の織物 M2 167,668,947 153,375,177 138,570,000 5407-5408 1,095,289,374 1,282,811,876 1,312,854,413 512-5516 化繊短繊維の織物 M2 1,170,830,108 1,163,745,648 1,036,192,660 5801-5803 パイル、シェニール、 M2 テリー等織物 115,409,199 122,014,222 135,503,105 4,666,427,126 4,628,432,097 4,287,293,423 2010 織物類数量合計 (M2) HS コード 品目 UNIT 60 ニット生地 KG 2011 2010 織物類数量合計 (KG) 2012 2011 52,074,525 2012 227,790 252,541 278,864 227,790 252,541 278,864 出所:European Commission, ‘TRADE Market Access Database” 表 1-2-5-12. 衣類の輸入数量 HS コード 品目 UNIT 61 ニット衣類 KG 1,380,440 1,251,003 1,362,424 布帛衣類 KG 1,255,460 1,083,367 1,219,801 2,635,900 2,334,370 2,582,225 62 2010 アパレル/二次製品数量合計 (KG) 出所:European Commission, ‘TRADE Market Access Database” 33 2011 2012 1-3. 繊維・アパレル製品の国際移動 本項では、対象 5 ヵ国の繊維製品(糸類、繊維類、衣類)の輸出において、製品群ごと の輸出トップの仕向国と、その輸出額を算出し、各国からの繊維材料、繊維製品の貿易の 流れを概観することを試みた。 次ページの図 1-3-1. は、各国からの主な輸出の流れをイメージして頂くために作成した 簡略図である。各国から出る矢印の先が最大の仕向地となり、それが糸類、繊維類、衣類 の製品群ごとに示されている。 統計データの入手可能性には限りがあるため、以下の方法で各国の第 1 位の仕向国を決 定した。 1) Global Trade Atlas を利用し、HS4 桁ベースの対象品目(表 1-2-1. 対象の HS コー ドと品目を参照)の全てに関し、金額ベースで各国の輸出先 1 位から 5 位にランクさ れる国をリストアップする。 2) 製品群ごとに、もっとも多く 5 位以内にランクされる国、上位最大 5 ヵ国までを選出 する。 3) その 5 ヵ国それぞれへの品目別輸出額を全て合計する。 (EU からの糸類の輸出先第 1 位を決める場合において、仮に米国が最も多く EU からの品目別輸出額 5 位以内にラ ンクされる国として上位(5 ヵ国以内)にはいったとすると、HS5004 から始まる、 表 1-2-1. に示された品目の金額(EU から米国への輸出金額)全てを合計する。その 結果米国の金額が他の 4 ヵ国よりも多ければ、EU の糸類の輸出先として、米国が最 大と決まる。結果、図 1-3-1. において、EU から米国への糸類の矢印が引かれること になる。 ) 4) ASEAN に関しては、品目ごとの集計が困難なため、参考として、繊維製品全体の輸 出先として最大の米国を、全ての製品群において第 1 位とした。輸出金額のデータは、 米国商務省のデータを使用した。 34 図 1-3-1. 繊維・アパレル製品の国際移動 糸類:US$ 358 mil. スイス カナダ 衣料品:US$ 26,190 mil. 衣料品:US$ 4,226 mil. EU 衣料品:US$ 1,694 mil. 糸類: US$ 328 mil. 中国 韓国 生地: US$ 1,809 mil. アメリカ 衣料品:US$390 mil. 生地:US$ 1,148 mil. 糸類:US$ 2,341 mil. 生地:US$ 1,259 mil. 日本 生地:US$ 4,065 mil. モロッコ 糸類:US$ 994 mil. 香港 メキシコ 糸類:US$ 283 mil. ASEAN ホンジュラス 生地:US$ 339 mil. 衣料品:US$17,433 mil. :糸類 :生地(織物類) :衣料品 35 2. 主要 EPA/FTA の原産地規則の特徴 2-1. NAFTA 北米自由貿易協定 (NAFTA: North American Free Trade Agreement) は、米国、カナ ダ、メキシコの 3 か国間の自由貿易協定で、2012 年の時点で、概ね域内 GDP は 19.2 兆米 ドル、人口約 4.6 億人に及ぶ、EU を凌ぐ世界最大級の大規模経済圏となっている。 同協定は、1992 年 8 月に基本合意に達し、同年 12 月に正式署名、1994 年 1 月 1 日に発効 した。 対外共通関税を持たず、労働力移動の自由化、経済政策の協調を内容に含んでいないも のの、重要産業分野に関しては厳しい原産地基準を定め、加盟国相互の投資を優遇する規 則や、サービス貿易、知的財産権に関する規則、実効性の高い紛争解決手段の導入、政府 調達における優遇を定める等、実効性の高い経済統合の枠組みを持っている。更に環境問 題、労働者保護の問題に関しては、補完協定で規定されている。 第 1 部 (PART ONE) から第 8 部 (PART EIGHT) までの大分類と付録 (ANNEX I~ VII) で構成され、その下に 22 の章が内容に応じて振り分けられている。繊維・アパレル製 品に関する各種規定は、第 2 部の「物品の貿易」の中の、附属書 300-B「繊維及びアパレ ル製品」にあり、品目別規則は附属書 401 にある。原産地規則の基本原則に関しては、第 4 章「原産地規則」に規定されている。 (第 2 部:物品貿易と付属書 300-B「繊維及びアパレル製品」の構成)(仮訳) 以下、物品貿易に関する規定のある第 2 部の構成を示す。 表 2-1-1. 第 2 部:物品貿易 第 3 章:内国民待遇及び市場アクセス 附属書 300-A:自動車分野における貿易及び投資 附属書 300-B:繊維及びアパレル製品 第 4 章:原産地規則 附属書 401:品目別規則 第 5 章:税関手続き 第 6 章:エネルギーと基礎石油化学製品 第 7 章:農業及び衛生・植物検疫対策 第 8 章:緊急措置 36 以下、同様に繊維・アパレル製品に関する規定のある、附属文書 300-B の構成も合わせ て示す。 表 2-1-2. 附属書 300-B:繊維及びアパレル製品(繊維章) 第 1 項:適用範囲 第 2 項:関税の撤廃 第 3 項:輸出入の禁止、制限及び協議の段階 第 4 項:二国間の緊急措置(関税行動) 第 5 項:2国間の緊急措置(数量規制) 第 6 項:特別規定 第 7 項:原産地規則の見直し及び改定 第 8 項:ラベル表示の必要条件 第 9 項:中古衣類及びその他の中古品物の貿易 第 10 項:定義 別表 1.1:附属文書 300-B で取り扱われる品物 別表 2.1:関税撤廃 スケジュール 2.1.B:関税の段階的廃止の例外規定 別表 2.1 の特定規定 別表 2.4:特定の繊維及びアパレル製品の関税撤廃 別表 3.1:輸出入の禁止、制限の及び協議レベルの管理 スケジュール 3.1.1:メキシコから米国への輸出に関する制限及び協議レベルの撤廃スケジュ ール スケジュール 3.1.2:メキシコから米国への輸出に対する制限及び協議レベル スケジュール 3.1.3:変換係数 別表 5.1:二国間緊急措置(数量制限) 別表 6:特別条項 スケジュール 6.B.1:非原産品のアパレル及び完成品に関する特恵関税扱い スケジュール 6.B.2:非原産品の綿製又は人造繊維製アパレル及び完成品に関する特恵関税扱 い スケジュール 6.B.3:非原産品の綿製又は人造繊維製紡績糸に関する特恵関税扱い 別表 10.1:国別の定義 37 (原産地認定基準) 一般的な規定は、第 2 部:物品の貿易の中の、第 4 章「原産地規則」において示されて いる。繊維及びアパレル製品の品目別規則は、同じ第 2 部の附属書 401 に、繊維・アパレ ル製品の特別規定や関税撤廃スケジュールに関しては附属書 300-B に規定がある。 以下に、原産品の定義を含め、NAFTA の原産地規則全般に関する規定のキーポイントを示 す。 表 2-1-3. 原産地規則の概略 401 条:原産品 (a) 完全生産品: 一方または双方の締約国の区域において完全に得られ、または生産される産品 (b) 原産材料のみを使用する産品: 一方または双方の締約国の区域において原産材料のみから完全に生産される産品 (c) 非原産材料を使う場合(1): 締結国における加工または製造により関税番号変更基準を満たす場合 (d) 非原産材料を使う場合(2): (HS 第 61 類から第 63 類に分類される物品を除いて、)締結国において加工または製 造が完全になされるが、使用される非原産材料の関税分類が以下の理由により変更さ れないもの (i) 組立あるいは分解されていない物品が締約国の域内に輸入されたが、HS の解釈に 係る総則 2(a)項に基づき、組み立てられた物品として分類されたケース。 (ii) 当該物品に対する関税分類番号の項(4 桁目)が、同物品の部品としてみなされた 物品の項番号と同じで、号(6 桁目)ベースには区分できない場合。あるいは当該 物品の関税分類番号の号が、同物品の部品としてみなされた物品に対する号番号と 同じであるケース。 (iii) 第 402 条により定められた物品の域内原産割合が、取引価額方式で 60%以上、純 費用方式で 50%以上であり、かつ、その他の適用要件を満たしているケース。 402 条:域内原産割合 当該産品の輸出者または生産者の選択に応じて、a)取引価額方式、b)純費用(ネットコス ト)方式、という二つの方法のいずれかによって行うことが出来る。 404 条:累積: 「協定の締約国で作られたものは、他の締約国で作られたものとみなす」という「累積」 の考え方が採用されている。404 条によると、ある締約国域内で生産された産品は、特恵 関税が申請されている産品の輸出者または生産者の判断により、その他の締約国のいずれ かで生産されたものとみなすことができる。 (但し、当該産品の生産に使用される全ての非 原産材料は関税分類を変更され、同物品が当該の域内原産割合の用件、ならびに NAFTA 38 第 4 章に述べる各要件を満たしている場合に限る。 ) 405 条:僅少の非原産材料(De Minimis:デミニマス) 部品の生産に使用された非原産材料が付属書 401 に規定されている関税番号変更基準の条 件をみたさない場合でも、使用する原材料の総額が産品の価額の 7%以下であれば原産品 とみなす。 (但し、域内原産割合の用件や第 4 章に定められた要件を満たし、且つ 405 条 に定められた例外品目等を除く。) (また、HS 第 50 類から第 63 類に属する繊維・アパレ ル製品に関しては、産品の価額ではなく、関税番号を決定づける部分の重量比で 7%以下 であれば、このデミニマスが適用される。 ) 411 条:積替え 積送基準として、 「積み卸しや積み直しなどの作業を除き、締約国以外の区域であらたな作 業が行われた場合、非原産材料となる」積み替え条項が規定されている。 第 5 章「通関手続き」 501 条:原産地証明書 NAFTA では、第 5 章の 501 条において、原産地証明書に関する規定がある。原則、輸 出国当局に対して正式に申請する必要がなく、生産者または輸出者による自己証明方式と なっている。個別原産地規則を満たして NAFTA 締約国に輸出しようとする同産品の生産 者もしくは輸出者が、証明書に記入しそこに署名することが求められるだけとなっている。 品目別規則の特徴 繊維・アパレル製品に関する原産地規則では、関税番号変更基準と加工工程基準の両方 が採用されており、基本的にはその組み合せによって品目別の規則がそれぞれ異なる。(以 下に述べるように、原糸原則 (yarn forward) が採用されており、多くの品目において繊維、 または原糸から締約国域内である必要があり大変厳しいものになっている。 それぞれの品目別規則は附属文書 401 に規定されており、以下は、繊維・アパレル製品 の品目別規則の特徴を示す。 (a) 繊維・アパレル製品の場合は、域内原産割合は考慮されない。 (b) 第 61 類、第 62 類、第 63 類の類規則によると、これらの類に属する産品の原産規則 は、当該製品の関税分類を決定する構成部分についてのみ適用される。 (c) 第 61 類、第 62 類の多くの製品に関し、製品自体に加え、裏地に関する関税番号変更 基準の規定がある。 (d) 附属文書 401 の第 62 類にある品目別規則より、第 62 類の類規則 2 又は HS 第 6205.20-6205.30 の類規則が優先される場合がある。 原糸原則 (yarn forward) の適用 もう一つの重要な要件として、いわゆる「原糸原則 (yarn forward) 」といわれる条件 39 がある。これは、NAFTA で初めて採用され、中東諸国との FTA を除き、米韓 FTA など米 国が結んだ他の殆どの FTA でも採用されている原則で、繊維・アパレル製品が原産品とし て認定されるためには、一部の産品を除き、使用される繊維または原糸(及び織編地)が 全て域内生産品でなければならないという非常に厳しい条件である。 (関税削減スケジュール) NAFTA における関税引き下げ・撤廃スケジュールとしては、原則的には FTA 発効後、 品目により、1) 即時撤廃、2) 5 年以内、3) 10 年以内、4) 15 年以内のいずれかの期間で撤 廃されることになっている。 繊維・アパレル製品に関しては、附属文書 300-B「繊維及びアパレル製品」の第 2 項に、 「本協定に別段の定めがある場合を除いて、各締結国は原産品である繊維及びアパレル製 品にかかる関税を、附属文書 302.2(関税の撤廃)のスケジュール及び別表 2.1 にある簡易 参照リストに基づいて、段階的に撤廃しなければならない。 」とある。 附属文書 300-B の別表 2.1 には、以下のように各締結二国間別の関税撤廃スケジュール に関する規定(仮訳)が示されている。以下の規定にあるように、2003 年 1 月 1 日には、 繊維・アパレル製品に関する、米国、カナダ、メキシコ間の関税は完全に撤廃されること となっている。 A.米国とカナダ間の貿易 第 302 条の規定により、米国とカナダは相手国の原産品である繊維及びアパレル製品に 対する関税を段階的に撤廃しなければならない。同関税撤廃は、本協定の附属文書 302.2 に組み入れられ、各国のスケジュールを規定している、米国とカナダの自由貿易協定の附 属文書 401.2 及びその改定文書に従って行われなければならない。 B.米国とメキシコ間の貿易 スケジュール 2.1.Bの規定による場合を除き、第 302 条の規定により、米国とメキシコ は相手国の原産品である繊維及びアパレル製品に対する関税を、附属文書 302.2 の該当ス ケジュールに従って、下記に示されているように、段階的に撤廃しなければならない (a) 各締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーAに分類される 繊維及びアパレル製品の関税は 1994 年 1 月 1 日には完全に撤廃され、当該製品は免税 とならなければならない。 (b) 締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーB6に分類される繊 維及びアパレル製品の関税は、1994 年 1 月 1 日に、パーセント比率で、基準レートに 等しい額の引下げを行わなければならない。その後、関税は 1995 年 1 月 1 日にスター 40 トする 5 年間に等分割で取り除かれ、1995 年 1 月 1 日には当該製品は免税とならなけ ればならない。 (c) 締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーCに分類される繊 維及びアパレル製品の関税は、1994 年 1 月 1 日にスタートする 10 年間に等分割で取 り除かれ、2003 年 1 月 1 日には当該製品は免税とならなければならない。 (d) サブパラグラフ(b)又は(c)に規定される、カテゴリーB6又はC用の計算式を 適用した際に、価格の 20 パーセントを超えている場合には、その年の関税は、本来適 用される関税率に変えて、価格の 20 パーセントとする。 C.カナダとメキシコ間の貿易 第 302 条の規定により、カナダとメキシコは相手国の原産品である繊維及びアパレル製 品に対する関税を、附属文書 302.2 の該当スケジュールに従って、下記に示されているよ うに、段階的に撤廃しなければならない (a) 各締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーAに分類される 繊維及びアパレル製品の関税は 1994 年 1 月 1 日には完全に撤廃され、当該製品は免税 とならなければならない。 (b) 各締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーB1に分類される 繊維及びアパレル製品の関税は、1994 年 1 月 1 日にスタートする 6 年間に等分割で取 り除かれ、1999 年 1 月 1 日には当該製品は免税とならなければならない。 (c) 各締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーB+に分類される 繊維及びアパレル製品の関税は、1994 年 1 月 1 日から基準税率に対して下記のパーセ ントで取り除かれ、2001 年 1 月 1 日には当該製品は免税とならなければならない。 (i) 1994 年 1 月 1 日 20 パーセント (ii) 1995 年 1 月 1 日 0 パーセント (iii) 1996 年 1 月 1 日 10 パーセント (iv) 1997 年 1 月 1 日 10 パーセント (v) 1998 年 1 月 1 日 10 パーセント (vi) 1999 年 1 月 1 日 10 パーセント (vii) 2000 年 1 月 1 日 10 パーセント (viii) 2001 年 1 月 1 日 30 パーセント (d) 各締結国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテゴリーCに分類される 繊維及びアパレル製品の関税は、1994 年 1 月 1 日にスタートする 10 年間に等分割で 取り除かれ、2003 年 1 月 1 日には当該製品は免税とならなければならない。 41 D. 全ての締結国間での貿易 附属文書 302.2 に規定される各国のスケジュールに規定されている、段階的撤廃のカテ ゴリーDに分類される原産品である繊維・アパレル製品は引き続き免税の扱いをうける。 (特殊ルール、特記事項) TPL (Tariff Preference Level) の適用 一定数量までにおいて、附属文書 401 に規定されている品目別規則に適合しない非原産 品であっても、一カ国以上の NAFTA 締約国において重要な加工工程が行われる、糸、織 編地、および繊維製品に対して、NAFTA の特恵関税が適用される場合がある。そのような 物品の輸入数量が定められた量を超える場合、MFN 税率が適用される。 検証手続き: NAFTA 第 506 条に基づき、税関当局は次の方法により、NAFTA の保護を受けて輸入 される物品の原産資格を検証するための権限を有する。 a) 他の締約国の域内に所在する輸出者もしくは生産者へ宛てる質問書。 b) 記録を調査し、物品の生産に使用された施設の検査を目的とした、他の締約国の域 内に所在する生産者もしくは輸出者の施設への訪問。 c) 締約国同士で合意したその他の方法。 検証により輸出者もしくは生産者が自社の物品の原産地について繰り返し虚偽の申告を していた場合、適用される原産地規則を遵守していることを証明しない限り、輸入締約国 は、同一物品に対して特恵関税待遇の適用を停止することができる。また、上記 b)おける 施設への訪問を生産者もしくは輸出者が正式に承諾しない場合も、輸入国により特恵関税 待遇が拒否されることとなる。 繊維・アパレル製品のセーフガード 附属文書 300-B には、 「二国間緊急措置」として、セーフガード規定が盛り込まれてい る。第 4 項では、関税措置に関する規定が盛り込まれており、本協定の特恵関税の恩恵を 受ける繊維又はアパレル製品の自国内への輸入数量が増加し、自国の産業に重大な損害が もたらされる危険のある場合は、輸入国は、そのような損害を防止するために、必要最小 限の範囲と期間において、関税率引き下げ・撤廃の停止、または MFN 水準への関税率の引 き上げ等の緊急措置を講じることができる。 一方、第 5 項では、関税率の変更による規制ではなく、数量規制による緊急措置の手続 きが規定されている。上記と同様の恐れがある場合、輸入国は、当該輸出国に対して、重 大な損害又は損害の恐れを解消するための協議を要請することができる。 42 2-2. 米豪 FTA 米国・オーストラリア自由貿易協定 (AUSFTA: The United States-Australia Free Trade Agreement) (以下、米豪 FTA)に関する交渉は、2003 年 3 月に開始され、2004 年 2 月には基本合意に達し、2005 年 1 月 1 日に発効された。 オーストラリア側では自由化率(10年以内の関税撤廃の品目割合)は 99%以上となっ ている。 。一方アメリカ側では、自由化率は 96%となっている。 米豪 FTA も、NAFTA や米韓 FTA など、米国が締結している他の協定と同様、物品の 貿易のみならず、投資、金融サービス、知的財産権、労働、環境等の分野をカバーする、 包括的な経済連携協定となっており、 23 の章と付録 (Annex I~Annex III) から構成され、 原産地規則に関しては、一般原則が第 5 章に、繊維・アパレル製品に特有な規則は第 4 章 に規定されている。 (繊維章の条文構成) 上記の通り、繊維・アパレル製品に関しては、原産地規則、及び繊維・アパレル製品に 特有のルールが、第 4 章及びその附属書 4-A に規定されている。以下、第 4 章の条文構成 (仮訳)である。 表 2-2-1. 第 4 章:繊維章 第 4.1 条:二国間緊急措置 第 4.2 条:原産地規則及び関連事項 原産地規則 協議 デミニマス(僅少の非原産材料) セット品の取扱い 第 4.3 条:繊維・アパレル製品についての税関協力 第 4.4 条:定義 附属書 4-A:繊維・アパレル製品の品目別規則 (第 42 類、第 50 類から第 63 類、第 70 類、及び第 94 類) 43 (原産地認定基準) 上記の通り、基本的な規定は、第 5 章「原産地規則」において示されている。繊維・ア パレル製品に特有の規定は、第 4 章「繊維章」に、繊維・アパレル製品の品目別規則は、 同第 4 章の附属書 4-A に規定がある。 以下に、原産品の定義を含め、米豪 FTA の原産地規則全般に関する規定のキーポイントを 示す。 表 2-2-2. 原産地規則の概略 第5章 5.1 条:原産品 (a) 完全生産品: 一方または双方の締約国の区域において完全に得られ、または生産される産品 (b) 以下の場合に当てはまる、締約国での生産品: (i) 産品の生産に使用されている各々の非原産材料が、附属書 4-A(繊維・アパレル製 品の品目別規則)または附属書 5-A(その他の品目別規則)に規定されている関税 番号変更基準を満たす場合、或いは (ii) 域内原産割合の要件を満たす場合、或いは (iii) 附属書 4-A、或いは附属書 5-A に規定されているその他の要件を満たす場合 (c) 原産材料のみを使用する産品: 一方または双方の締約国の区域において原産材料のみから完全に生産される産品 (d) 第 4 章、又は第 5 章のその他の規定により原産品とみなされる産品 域内原産割合: 控除方式 (built-down method) と積上げ方式 (built-up method) 第5章 5.3 条:累積: 「協定の締約国で作られたものは、他の締約国で作られたものとみなす」という「累積」 の考え方が採用されている。5.3 条によると、一方の締約国域内で生産された産品は、も う一方の締約国で生産されたものとみなすことができる。 (但し、当該産品が締約国のいず れかで生産され、5.1 条の要件、及び第 5 章或いは第 4 章に規定されるその他の要件を満 たす場合に限る。 ) 第5章 5.2 条・第 4 章 4.2 条の 6:僅少の非原産材料(De Minimis:デミニマス) 部品の生産に使用された非原産材料が附属書 5-A(繊維・アパレル製品を除く)に規定さ れている関税番号変更基準の条件をみたさない場合でも、使用する原材料の総額が産品の 調整後の価額 2 の 10%以下であれば原産品とみなす。 (一部の例外を除く。) (また、HS第 50 類から第 63 類に属する繊維・アパレル製品に関しては、産品の価額ではなく、関税番 号を決定づける部分の総重量の 7%以下であれば、このデミニマスが適用される。) 第4章 4.2 条:原産地規則及び関連事項 2 輸出国から輸入国への輸送に関わる、輸送費、保険料、その他の関連サービスの費用を含まない金額 44 セット品の取扱い 附属書 4-A に規定される繊維・アパレル製品の原産地規則にもかかわらず、繊維・アパレ ル製品で、統一システムの解釈の一般ルール 3 に基づいてセットとして小売販売される産 品であっても、セットを構成するそれぞれの産品が原産品であるか、又はセットに含まれ る非原産品の合計価値が当該セット製品の関税価値の 10%以下の場合以外は原産品と認 められない。 第5章 5.12 条:特恵関税の申請 輸入者が特恵関税の申請を、輸入者の知識または当該製品が原産品に相当するという、輸 入者が所有する情報を基に行うことが出来る。(輸入者自己証明) 品目別規則の特徴 NAFTA やその他の米国が結んでいる FTA 同様、繊維・アパレル製品に関する原産地規 則では、関税番号変更基準と加工工程基準の両方が採用されており、基本的にはその組み 合せによって品目別規則がそれぞれ異なる。 (以下に述べるように、原糸原則 (yarn forward) が採用されており、多くの品目において繊維、または原糸から締約国域内での生 産品である必要があり大変厳しいものになっている。 それぞれの品目別規則は附属書 4-A に規定されており、以下は、繊維・アパレル製品の 品目別規則の特徴を示す。概ね、先の NAFTA の場合と類似している。 (a) 繊維・アパレル製品の場合は、域内原産割合は考慮されない。 (b) 第 61 類、第 62 類、第 63 類の類規則によると、これらの類に属する産品の原産規則 は、当該製品の関税分類を決定する構成部分についてのみ適用される。 (c) 第 61 類、第 62 類の多くの製品に関し、製品自体に加え、裏地に関する関税番号変更 基準の規定がある。 原糸原則 (yarn forward) の適用 いわゆる「原糸原則 (yarn forward) 」が、NAFTA 同様この米豪 FTA においても採用 されている。繊維・アパレル製品が原産品として認定されるためには、一部の産品を除き、 使用される繊維または原糸(及び織編地)が全て域内生産品でなければならないという非 常に厳しい条件である。 45 (関税削減スケジュール) オーストラリア側の繊維・アパレル製品の関税は、以下の 5 つの譲許類型に従って撤廃 され、2015 年 1 月 1 日には完全に撤廃される。これにより、米国の繊維・アパレル製品の 輸出も促進され、綿、人造繊維、糸、織編地の対オーストラリア輸出が特に伸びると期待 されている。 (a) 一部選定された製品に加え、基準税率が 3%以下の製品の関税は、協定の発効後、 即時撤廃される。 (基準税率が 0%の品目は、引き続き無税。) (b) ほとんどの繊維と糸の関税は、協定発効後すぐに 3%となり、2010 年の 1 月 1 日に は撤廃される。 (c) 様々な種類の製品が含まれる別の繊維・アパレル製品群では、発効後すぐに 5.5% となり、2010 年 1 月 1 日に 3%、2015 年 1 月 1 日に 0%(撤廃)へと引き下げら れる。 (d) 殆どの織編地、カーペット類に関しては、発効後すぐに 8%となり、2010 年 1 月 1 日に 3%へ引き下げられ、2015 年 1 月 1 日に撤廃される。 (e) アパレル製品のうち関税が 25%以上であった産品については、発効後すぐに 15.5% となり、 2010 年 1 月 1 日に 8%へ引き下げられ、 2015 年 1 月 1 日には撤廃される。 一方米国側では、以下のような規定となっている。 (a) 譲許分類 A の品目に関しては、発効後すぐに関税撤廃となる。(基準税率が 0%の 品目(譲許分類 E)は、引き続き無税。 ) (b) 譲許分類 I の品目に関しては、基準税率が引き続き適用される。 (c) 譲許分類 T1US の品目に関しては、発効後すぐに規定最大 税率の 3%以下に引き 下げられ、2010 年 1 月 1 日には撤廃される。 (d) 譲許分類 TXUS の品目に関しては、 発効後すぐに規定最大税率の 5.5%以下に、 2010 年 1 月 1 日以降は 3%に引き下げられ、2015 年 1 月 1 日には撤廃される。 (e) 譲許分類 T2US の品目に関しては、発効後すぐに規定最大税率の 8%以下に、2010 年 1 月 1 日以降は 3%に引き下げられ、2015 年 1 月 1 日には撤廃される。 (f) 譲許分類 T3US の品目に関しては、発効後すぐに規定最大税率の 15.5%以下に、 2010 年 1 月 1 日以降は 8%に引き下げられ、2015 年 1 月 1 日には撤廃される。 (上記米国側の項目(c)から(f) において、基準税率が 3%を超え、且つ規定最大税率以 下の場合、基準税率に 0.9 を掛けたものが税率となる。基準税率が規定最大税率を上回 る場合は、期待最大税率が適用される。 ) 46 (特殊ルール、特記事項) 原産地規則の一部改正 オーストラリア連邦議会の両院合同条約委員会(JSCOT)は 2011 年 5 月、米豪 FTA の 繊維・アパレル製品の原産地規則の改正(ビスコースレーヨン(人絹)製品に関して、原 糸の原産国にかかわらず、両国の製造業者が特恵関税を受けることを可能とする)が提言 され、2012 年 6 月に発効した。 繊維・アパレル製品に関する税関協力: 第 4 章の 4.3 条の規定により、米豪の両締約国は、以下の目的のため協力しなければな らない。 (a) 繊維・アパレル製品に関連する法執行または法執行の支援 (b) 正確な原産地申請の確保 (c) 繊維・アパレル製品の貿易に影響する国際協定を施行するための施策の実行又は 施策実行支援、及び (d) 繊維・アパレル製品の貿易に影響する国際協定の逸脱行為の防止 輸入締約国からの要請がある場合、輸出締約国は原産地申請が適正であるかどうかの検 証を行わなければならない。検証には、輸出者、生産者、又は繊維・アパレル製品の輸出 国から輸入国までの輸送に携わる事業者の敷地内への、 (輸出締約国の監督官庁同席の)訪 問検証も含まれる。 検証の結果、適正な原産地申請であることが確認できなかった場合、或いは上記の輸出 者、生産者等が訪問検証を拒否した場合、輸入締約国は、同一物品に対して特恵関税待遇 の適用を停止することができる。 繊維・アパレル製品のセーフガード 第 4 章の附属書 4-A には、 「二国間緊急措置」として、セーフガード規定が盛り込まれ ている。本協定による関税引き下げ又は撤廃の結果、本協定の優遇措置の恩恵を受ける繊 維・アパレル製品の自国内への輸入数量が増加し、自国の産業に重大な損害がもたらされ る危険のある場合は、輸入締約国は、そのような損害を防止するために必要な範囲におい て、MFN 水準への関税率の引き上げ等の緊急措置を講じることができる。 47 2-3. 米韓 FTA 米韓 FTA (Free Trade Agreement between the United States of America and the Republic of Korea) (略称:KORUS FTA)は、その取り扱われる分野の範囲の広さを特 徴とする二国間経済連携協定であり、東アジアの国による初の本格的な対米 FTA と言われ ている。また、アメリカにとってもこの 20 年ほどの間で、最も商業的に重要な意義のある 協定であるとも言われている。工業製品、農産物等の物品貿易にとどまらず、サービス、 対外投資、政府調達、知的財産権保護、競争政策、労働者権利と環境の保護などを含む、 包括的協定となっている。前文、24 の章、付属書 I~III で構成され、内容は、NAFTA(北 米自由貿易協定)に概ね準じている。 交渉は 2006 年 2 月から開始され、ほぼ 1 年で合意に達し、2007 年 4 月 1 日には協定が 締結されたが、更に追加交渉による合意が 2010 年 12 月 3 日に署名された。その後 2006 年の交渉開始から 5 年以上の歳月を経て、2011 年 10 月 12 日にアメリカ上院議会で可決、 批准された。 一方、韓国側でも、国内で賛否両論渦巻く中、2011 年 11 月 22 日に米韓 FTA は韓国国 会で批准された。そして最終的に、2012 年 3 月 15 日、同協定は正式に発効された。 (繊維章の条文構成) 繊維及びアパレル製品に関しては、品目別原産地規則、繊維・アパレル製品に特有のル ールが、第 4 章及びその付属書に規定されている。以下、条文構成の和訳(仮訳)である。 表 2-3-1. 第 4 章:繊維及びアパレル 第 4 章:繊維及びアパレル 第 4.1 条:二国間緊急措置 第 4.2 条:原産地規則及び関連事項 第 6 章の適用(原産地規則及び原産地手続) • 協議 • 国内で商業利用できる数量での供給ができない繊維、糸、及び生地を含む製品について の過渡的手続き • 僅少性 • 組み品の取扱い 第 4.3 条:繊維・アパレル製品についての通関協力 第 4.4 条:繊維・アパレル製品の貿易問題に関する委員会 第 4.5 条:定義 付属書 4-A 繊維・アパレル製品の原産地規則 • 解釈のための一般的注釈 48 付属書 4-B 商業利用できる数量での供給ができない繊維、糸、及び生地 別表 4-B-1 商業利用できる数量での供給ができない繊維、糸、及び生地 • 韓国側リスト • 米国側リスト (原産地認定基準) 「原産地規則および原産地手続」基本的な規定は第 6 章において示されているが、繊維・ アパレル製品に関しては、品目別規則は全て第 4 章において記述されており、原則的には 第 4 章の規定に従って原産性が判断されることになる。 最初に、米韓 FTA における原産品の基本的な定義を以下の通り示す。 原産品の定義 完全生産品: 一方または双方の締約国の区域において完全に得られ、または生産される産品 原産材料のみを使用する産品: 一方または双方の締約国の区域において原産材料のみから完全に生産される産品 非原産材料を使う場合: 品目ごとに付属書 6-A(繊維・アパレル製品以外) 、付属書 4-A(繊維・アパレル製品) に規定されている。 以下は、米韓 FTA の原産地規則全般におけるキーポイントである。 表 2-3-2. 原産地規則の概略 非原産品を使用する場合の原産品認定基準: 関税番号基準を原則として、一部の品目に対しては、付加価値基準が設定されている。品 目により、関税番号変更基準と付加価値基準の両方を満たす必要がある。また、定められ た特定の加工を締約国区域で行わなければならない加工工程基準は、化学品、プラスチッ ク・ゴムの他、繊維・アパレル製品にも適用される。 第6章 6.4 条:域内原産付加価値の計上方法 基本的に控除方式 (built-down method) と積み上げ方式 (built-up method) のいずれか の選択 第6章 6.5 条:累積 「協定の締約相手国で作られたものは、もう一方の締約国で作られたものとみなす」とい う「累積」の考え方が採用された。最終製品に使われる材料が韓国、或いは米国を原産地 とする場合、その材料は最終工程が行われる国の原産品とみなす。 第4章 4.2 条 7.:僅少の非原産材料(De Minimis:デミニマス) 49 部品のウェイトが小さいにもかかわらず、HS コードが完成品と同じために関税番号変更 基準の条件を見たさない場合、使用する原材料の総額が産品の価格の 10%以下であれば原 産品とみなす、僅少の非原産材料 (De Minimis) 規則が採用された。 (繊維・アパレル製 品に関しては、非原産の糸の重量が、総重量の 7%以下である場合に適用される。) 第6章 6.13 条:積み替え 積送基準として、 「積み卸しや積み直しなどの作業を除き、米国・韓国以外の区域であらた な作業が行われた場合、非原産材料となる、 」積み替え条項が規定されている。 第6章 6.15 条:原産地証明の申請 原産地の証明には、自己証明方式が採用されている。従って、特定機関による証明は求め られず、書式も特に指定されていない。 (利用企業の手続き上の負担を軽減し、利用しやす くなるよう配慮したものと考えられている。)同時に、他の締約国に所在する輸出者あるい は生産者への訪問を可能にするなど、原産品であることの確認条項が規定された。 北朝鮮開城(ケソン)工業団地生産品の原産認定「朝鮮半島域外加工地域委員会」 (Committee on Outward Processing Zones on the Korean Peninsula) が設置されてお り、開城工業団地で生産された産品に特恵制度を適用するか否かを検討することになった。 協定発効 1 年後に初会合が開催されることになっている。 関税番号変更基準と加工工程基準の併用 繊維・アパレル製品に関する原産地規則では、関税番号変更基準と加工工程基準の両方 が採用されている。また、多くの製品において締約国内での完全な製造工程 (wholly formed and finished) が求められており、非常に厳しいもとのとなっている。付属書 4-A の規定(解 釈のための一般注釈)では、締約国の原産品とするには、以下の条件を満たす必要がある とされている。 (a) 当該産品の生産に使用される非原産品がそれぞれ、この附属書に定められる関税分類 番号に変更される場合。ただし、当該産品の生産は一方若しくは双方の締約国の区域 において完全に行われる場合に限る。又は、当該産品が、その非原産品の関税分類変 更を必要としないことを規定するこの章のその他の要件を満たす場合に限る。 (仮訳) (b) 当該産品がこの章及び第 6 章(原産地及び原産地証明)におけるその他の要件を満た す場合。 (仮訳) つまり、 (例外を除き、 )生産が韓国、米国どちらかの締約国において完全に行われるか、 或いは各品目別に定められた関税番号変更基準と加工工程基準の組み合わせによる要件を 満たした場合、且つ積み替えに関する規則等、第 6 章に規定されている条件を満たした場 合に原産品として認められることになる。 50 原糸原則 (yarn forward) の適用 もう一つの重要な要件として、いわゆる「原糸原則 (yarn forward) 」といわれる条件 がある。これは、NAFTA 他、米国が結んだ他の FTA でも採用されている原則で、繊維・ アパレル製品が原産品として認定されるためには、使用される原糸等が域内生産品でなけ ればならないという非常に厳しい条件である。(但し、商業利用できる数量での供給ができ ない繊維、糸、及び生地に関しては、期限付きで、若干量まで適用が免除されるなど、一 部例外が認められる場合もある。また、韓国側では、業界の意向を受けて、200 余りの品目 についてこの原糸原則の対象外とするよう米国に要求し、結果リネン織編地、合繊婦人用 ジャケット、合繊紳士用シャツなど、HS10 桁ベースで 33 品目について対象除外を確保し たとされる。 ) NAFTA、米豪 FTA でも採用されている本ルールは、締約相手国への輸出促進よりも、 国内繊維産業保護を目的とした政策であろう。近年の米国の産業構造の変化にともない、 繊維産業の全産業に対する割合が低下している。米商務省のデータによると、1990 年に繊 維産業が国内 GDP に占める割合は 2.4%であったが、2011 年には 1.1%へと大きく落ち込 んでいる。雇用者数の産業別構成比においても、1990 年が 4.1%であったのに対し、2011 年は 2.0%と半分以下のシェアとなっている。 繊維・アパレル製品の原産地規則概要 上記の完全にいずれかの締約国で生産が行われる場合も含め、特定の加工を締約国内で 行うことが、原産品として認定されるためには求められている。更に、品目別に関税番号 変更基準も定められている。以下、繊維・アパレル製品原産地規則の概要である。 規則 1:織物・編物(第 50 類、第 52 類、第 54 類、第 55 類、第 58 類、第 60 類) 一方、もしくは双方の締約国の区域にて完全に形成され最終仕上げされたもので、原産 品として認定される繊維原料および原糸、或いは別表 4-B-1(商業利用できる数量での供給 ができない繊維、糸、及び生地)が使用されている必要がある。 規則 2:繊維製品(アパレル) (第 61 類、第 62 類) 品目別に定められた関税番号変更基準に加えて、一方若しくは双方の締約国の区域にお いて裁断され若しくは特定の形状に編まれ、かつ、縫い合わされ又は組み立てられている 場合で、その外側の(襟や袖口を除く該当箇所の)織物類が別途規定された材料である場 合、原産品とみなす。 51 規則 3:繊維製品(アパレル) (第 61 類、第 62 類)裏地に関する規定 衣類の目に見える裏地生地が第 61 類の類規則 1 又は第 62 類に記載されていても、その 生地の材料が別表 4-B-1 に挙げられ、かつ、その産品が附属書 4-A にて規定される特恵関 税措置のその他の要件をすべて満たす場合、締約国の原産品とみなす。 (関税削減スケジュール(譲許表) ) 米韓 FTA の特徴の一つとして、物品貿易での高い自由化率も含まれる。最終的に、米国 側では全ての物品の関税が撤廃される。一方、韓国側でも、品目数ベースで 99.7%、貿易 額(2006 年)ベースでも 99.3%に及ぶと言われる。一部の農産物が韓国側の非自由化品目 として残ったのみである。日本が締結した EPA においては、例えば対メキシコの EPA で は貿易額ベースで 87%、対マレーシアで 94%、対フィリピンで 92%(外務省資料)である。 これらとの比較においても、いかに米韓 FTA の自由化率(関税撤廃の度合い)が高いかが 伺える。 従って、繊維・アパレル製品においても、関税は韓国側で 2016 年までに、米国側で 2021 年までに完全撤廃される。より具体的には、韓国側の全 1,296 品目のうち、即時関税撤廃 が 1,265 品目、実に 97.6 パーセントに上る。残りのうち 7 品目が FTA 発効後 3 年以内に、 24 品目が 5 年以内に撤廃され、2016 年には完全に撤廃される。米国側でも、全 1,597 品目 のうち、既に無関税のものが 223 品目、即時撤廃が 1,148 品目で、実質的に発効後即時撤 廃となる品目は合計で 1,371 品目。残りの 154 品目が 5 年以内に、72 品目が 10 年以内に 撤廃される。 以下の表は、関税引き下げ・撤廃スケジュールの譲許類型とその内容の概要(米韓両国 に共通に適用されるもの。別途他製品に関しては、韓国のみに提供される類型もある)で ある。繊維・アパレルに関しては、区分 A、C(韓国のみ)、D、G(米国のみ)、K(米国 のみ)が該当する。 表 2-3-3. 関税引き下げ・撤廃スケジュールの区分定義(両国共通) 区分 譲許類型 協定による規定内容 A 即時撤廃 協定発効時と共に即時撤廃 B 2 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の 1 月 1 日から撤廃。 C 3 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、3 年目の 1 月 1 日から撤廃。 D 5 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、5 年目の 1 月 1 日から撤廃。 E 6 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、6 年目の 1 月 1 日から撤廃。 F 7 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、7 年目の 1 月 1 日から撤廃。 G 10 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、10 年目の 1 月 1 日から撤廃。 52 区分 譲許類型 協定による規定内容 H 15 年均等撤廃 発効時を含め 2 回の毎年均等な引き下げにより、15 年目の 1 月 1 日から撤廃。 (一部 10 年以内に撤廃される例外あり) 発効時に 5%、2 年目の 1 月 1 日にさらに 5%、3~5 年目の 1 月 1 日に 7%ずつ、 10 年非均等撤廃 I 6 年目、7 年目それぞれの 1 月 1 日に 10%ずつ、8 年目の 1 月 1 日に 12%、9 年 目の 1 月 1 日に 17%引き下げを行い、10 年目の 1 月 1 日に 20%引き下げを行い、 10 年目の 1 月 1 日から撤廃。 J 12 年非均等撤廃 K 無関税維持 発効 1~8 年目は引き下げを行わず、9 年目の 1 月 1 日から 4 年にわたり均等な 引き下げにより、12 年目の 1 月 1 日から撤廃。 現行の無関税待遇を維持。 出所:米韓 FTA 協定文を基に、また「韓米 FTA を読む」 (ジェトロ)を参考に矢野経済研究所作成 表 2-3-4. 繊維・アパレル製品の関税引き下げ・撤廃スケジュール 韓国 米国 区 譲許類型 繊維製品 分 繊維製品 品目数 構成比 全品目数 K 無関税維持 A 即時撤廃 C 3 年均等撤廃 D 5 年均等撤廃 G 協定発効時点から 無税 1,296 一定期限内に撤廃 10 年均等撤 廃 1,296 合計 品目数 構成比 全品目数 0 0% 223 1,265 97.6% 1148 7 0.5% 24 0 0% 1.9% 154 9.3% 0 0% 72 3.9% 1,296 100% 1,597 100% 1,598 1,597 出所:米韓 FTA 協定文を基に、また「韓米 FTA を読む」 (ジェトロ)を参考に矢野経済研究所作成 (特殊ルール、特記事項) 商業利用できる数量での供給ができない繊維、糸、及び生地 付属書 4-B に規定されている条項で、原糸原則が当てはまらない品目に関する救済措置が 講じられている。商業利用できるだけの十分な数量を、必要な一定の期間内で確保できな かった場合、 そのような繊維原料等が非原産品であっても EPA 特恵関税の対象となり得る。 53 関係者間で異議が無い場合、該当する品目を別表 4-B-1 のリストに加えることになってい る。但し、米韓 FTA 発効後の暦年で 5 年間と期限が限られている。 (現時点で、韓国側、 米国側ともにリストにあがっている品目は無い。 ) 繊維・アパレル製品の原産証明の厳格運用 米韓 FTA を通じて、中国産の繊維・アパレル産品の迂回輸入に対して、米国は特に警戒し ていると言われる。そのため、第 4 章の 4.3 条として、 「繊維・アパレル製品についての税 関協力」として、韓国が繊維・アパレル企業の情報を毎年米国側に提供することや、輸入 締約国関係者が、輸出締約国の輸出者、生産者の施設への立ち入り検査に立ち会うことが 出来ること、立ち入り検査が拒否された場合、特恵関税の適用を輸入国が拒否できること 等が規定されている。この規定の目的の一つとして、「繊維・アパレル製品の貿易に影響す る国際協定の迂回防止」が挙げられている。以下、この規定の概要である。 1) 繊維・アパレル製品生産に携わる企業に関する情報提供: 韓国は、同国の所轄官庁(産業資源部)を通じて、同国の繊維・アパレル製品の生産に 従事する企業に関する下記の情報を収集し、毎年米国に提供しなければならならず、これ は協定発効後 1 年以内に行われなければならない。また、その情報を毎年更新しなければ ならない。但し、生産される繊維又はアパレル製品が、繊維、糸、生地の全てが米国に輸 出されない製品の生産に使用される場合、また米国に輸出している場合でも、製品の関税 分類を決定づける製品の構成要素として使用されない場合、また米国の輸入業者と直接契 約をしない中小企業に関しては、(vii)から(ix) までの情報を提供する必要はない。 (i) 名前と住所、韓国国内にあるすべての繊維・アパレル製品関連施設を含む (ii) 電話番号、FAX番号、及びEメールアドレス (iii) 企業の場合は、オーナー、取締役及び会社役員の氏名と国籍、及び企業内での地位 (iv) 従業員数、及び従業員の職種 (v) 生産される繊維・アパレル製品の概要、及び生産能力 (vi) 繊維・アパレル製品の生産に使用される機械の種類と台数 (vii) 使用機械の週単位のおよその稼動期間 (viii) 製品の生産に使用される織物又はアパレル製品、生地、糸、繊維のサプライヤーの情 報、及び (ix) 米国内の顧客それぞれの氏名(名称)及び連絡先情報 54 2) 原産確認のための調査: 輸出締約国は、輸入締約国の要請に応じて、繊維・アパレル製品の原産確認のための調 査を行わなければならない。これは、FTA の特恵関税の適用を輸入業者が申請しているか 否かに関わらず行わなければならない。また、これを輸出者が自発的に実施することもで きる。 輸出締約国は、輸入締約国が原産確認のための検査に立ち会うこと認めなければならな い。これには、輸出者、生産者の施設への訪問も含まれる。施設への訪問は事前通告なし に行われなければならず、輸入締約国関係者の立会が拒否された場合には、輸入締約国は、 特恵関税適用の停止などの措置を講じることが出来る。 繊維・アパレル製品のセーフガード 4.1 条には、 「締結二国間緊急措置」として、セーフガード規定が盛り込まれている。本 協定の特恵関税の恩恵を受ける繊維又はアパレル製品の自国内への輸入数量が増加し、自 国の産業に重大な損害がもたらされる危険のある場合は、輸入国は、そのような損害を防 止するために、必要な範囲と期間において、関税率引き下げ・撤廃の停止、または MFN 水 準への関税率の引き上げ等の緊急措置を講じることができる。(適用可能期間は、基本的に 2 年。2 年までの延長が可能。 ) 繊維及びアパレル製品のセーフガード(4.1 条)は、WTO の「繊維及び繊維製品(衣類 を含む)に関する協定」(Agreement on Textiles and Clothing) ( 「WTO 繊維協定」)の対 象品目に限って適用することが出来る。 その「WTO 繊維協定」は、2004 年 12 月 31 日に発効後 10 年の経過措置が満了したた め失効し、同協定におけるセーフガードの適用も停止されている。 WTO におけるセーフガードの適用が停止されたにも関わらず米韓 FTA においてセーフ ガードが設定された背景には、繊維およびアパレル製品が米国にとってセンシティブ品目 となっているため、米国内の業界に配慮して、NAFTA 等他の FTA と同様、繊維分野につ いて特別なセーフガードの導入を米国側が強く求めたことがあると言われている。韓国側 としても、実際のセーフガードの必要性より、米国が市場開放に対する業界の懸念を払拭 するために繊維・アパレル製品に関するセーフガードの導入を強く求めたものと見ている。 55 2-4. EU 韓国 FTA EU 韓国自由貿易協定 (‘Free Trade Agreement between the European Union and its Member States, of the one part, and the Republic of Korea, of the other part’) (以下、 EU 韓国 FTA)に関する交渉は、EU と韓国の両国・地域により、2007 年 5 月に開始され、 8 回に渡る交渉会合を経て、2010 年 10 月に署名、2011 年 7 月 1 日に発効された。 これは EU にとって、その 5 年前の 2006 年に始まった「競合する世界におけるグロー バル・ヨーロッパ」という通商政策の中で、アジアとの新しい関係を目指す上での一定の 成果を上げたこと意味する。EU 韓国 FTA は、EU にとってアジアの国と結ぶ最初の FTA というだけでなく、EU・韓国の両国・地域の経済にとって大きな利益を実現するには、両 国・地域はどのように協力すべきかを探るためのベンチマークとなり得ると理解されてい る。また、この協定によって、アジアのみならず、世界中に EU の市場の開放性をアピー ルすることが出来るとも期待されている。 一方、韓国にとってこの協定は、中国に次いで大きな輸出先である EU との貿易に関し、 ごく一部の農産品を除いてほとんど全ての品目で関税が近い将来撤廃されることになり、 輸出政策上非常に大きな意味を持つ。 EU 韓国 FTA が扱う分野は、物品の貿易(関税及び非関税障壁) 、サービス貿易、政府 調達、知的財産権、等と非常に広範な範囲に及ぶ。また、関税の削減・撤廃に関しても、 これまで EU が結んできた FTA と比較すると非常に高度なものとなっていると言われてい る。 協定の構成としては、15 の章と議定書により構成され、各章は、1) 物品(第 1 章から 第 6 章) 、2) サービス(第 7 章及び第 8 章) 、3) ルール(第 9 章から第 13 章) 、4) その他 (第 14 章及び第 15 章) 、の 5 つに分類に属している。米韓 FTA とは異なり、繊維・アパ レル製品単独の章は設けられておらず、原産地規則に関しての記述は、議定書に示されて いる。 (原産地規則の内容構成) 原産地規則の定義は、議定書( 「原産品の定義及び行政協力の手法に関する議定書」の A 節(セクション A)の「原産地規則」に規定されている。また、品目別規則は、附属書 II に、繊維・アパレル製品も含めて、全て掲載されている。 以下、当該箇所の構成内容(仮訳)を示す。 56 表 2-4-1. 議定書: 「原産品」の定義及び行政協力の手法に関する議定書 A 節:原産地規則 第 1 項:一般規定 第 1 条:定義 第 2 項:原産品の定義 第 2 条:原産品 第 3 条:原産地の累積 第 4 条:完全に得られる産品 第 5 条:十分に作業又は加工される産品 第 6 条:十分でない作業及び加工 第 7 条:原産品としての資格の単位 第 8 条:附属品、予備部品及び道具 第 9 条:セット品の取扱い 第 10 条:中立的な要素 第 11 条:会計の分離 (原産地認定基準) EU 韓国 FTA の原産地規則も、これまで見てきた米国の FTA とほぼ同様で、1) 完全生 産品、2) 原産材料から成る産品、3) 非原産材料が含まれる場合、別途定められた要件を満 たす場合、に原産品と認められる。但し、非原産材料が含まれる場合は、域内で行われた 「作業または加工が十分であるか」が重要になってくる。 また、EU 韓国 FTA の原産地規則のもう一つの特徴は、これまで EU が結んできた FTA の原産地規則に比べて大幅に緩和されたものになっており、過去の FTA では関税分類変更 基準と付加価値基準の両方を満たす必要があることが多かったが、EU 韓国 FTA では、両 基準のいずれかを満たせばよいという、選択型のケースがある。 表 2-4-2. 原産地規則の概略 議定書 第 2 条:原産品 特恵関税措置の適用に際し、以下に掲げる産品は、締約国の原産品とする。 (a) 締約国内で完全に得られる産品(第 4 条に、完全に得られる生産品に関する具体的な 規定がある。) (b) 締約国内で産出された産品で、当該締約国内で得られない材料(非原産材料)を含む 場合で、その材料が当該締約国内にて十分な作業又は加工が行われている場合(第 5 条において、より詳しい規定があるが、具体的には、附属書 II の各品目別規則に基準 が設定されている。) (c) 本協定の規定に従って原産品として認められる材料のみから締約国内で産出された産 57 品 議定書 第 5 条:原産地の累積 上記の議定書の第二条の規定とは別に、 「ある締約国内で得られ、他の締約国の原産材料が 使われていても、第六条に規定される業務(十分ではない作業又は加工)を超えた内容の 作業又は加工が行われた場合に限り、当該締約国の原産品とみなすことができる。その材 料は必ずしも十分な作業又は加工が施されていなくてもかまわない。 」とある。 議定書 第 5 条・議定書 附属書 I 注釈 5、および 6:僅少の非原産材料(De Minimis: デミニマス) 議定書の第 5 条 2 項において、デミニマス(僅少の非原産材料)が規定されている。一般 的には、工場渡し価格の 10%を超えない非原産品に関しては、非原産品として考慮されな いことになっている。但し、繊維・アパレル製品の場合は、附属書 I の注釈 5、6 に別途規 定されている。注釈 5 によると、特定の品目に関しては、絹、羊毛、粗獣毛、繊獣毛、馬 毛、綿、等 20 種類ほどの指定された基本繊維材料が二つ以上組み合わされて使用された 製品の場合には、非原産材料がその基本繊維材料の総重量の 10%以下の場合、品目別規則 のコラム(3)に記載される条件はその製品の製造に使用された基本繊維材料には適用され ない。また注釈 6 によると、特定の品目に関しては、既に完成した製品にコラム(3)のルー ルを満たさない繊維材料(裏地や芯地を除く)が使われている場合でも、それらの材料が 当該製品以外統一システムの項に属し、その製品の工場渡し価格の 8%を超えない金額で あればそれらの材料は使用可能となる。 議定書 第 13 条:直接輸送(積み替えの規定) 協定で規定される特恵関税措置は、規定された(原産品の)要件を満たすとともに締約国 間を直接輸送される場合に適用されるのが原則であるが、他の領地を経由しても、その地 で自由な流通のために開放されることなく、積み卸し、再積み込み、その他積荷を良好に 保つための作業以外の作業が行われなければ、直接輸送でなくとも特恵関税措置が適用さ れる。以上の条件を満たすことを、通関の際に、(a) 第三国での原産品の積み替え又は貯 蔵に関する状態の証拠、(b) 輸出国から中継国経由の経路を示した単一の輸送書類、(c) 中 継国の税関当局が発行する証明書(産品の説明、荷降ろし、再積み込みの日付、中継国で の産品の状態などを記載したもの)のいずれかを持って証明する必要がある。 第 4 章 第 9 条:セット品の取扱い 統一システム(HS)の一般ルール 3 の定義に従って、あるセット品が原産品かどうかを判 断する際、そのセットを構成するすべての材料が原産品であり、セット及び産品が本協定 に規定される要件すべてを満たす場合、そのセットは原産品とみなされる。あるセットが、 原産品と非原産品で構成される場合、非原産品の価額がそのセットの工場渡し価額の 15% を超えない場合に限り、そのセット全体は原産品とみなされる。 原産地証明: 原産地の証明には、自己証明方式が採用されている。監督官庁により「原産地証明 58 (certificate of origin) 」が発行されるのではなく、輸出者自身が「原産地申告 (origin declaration) 」をインボイス、引き渡し通知書 (delivery note)、或いは商品についての詳 細な記述がされているその他の商業書類に添付することによって原産性が認められる。 (EU 韓国 FTA 以外の FTA で必要であった、EUR.1 と呼ばれる原産地証明は必要とされ ない。)但し、自己証明方式を利用できるのは、税関当局により、「認定事業者」として認 められる必要がある。一方で、委託貨物の金額の合計が 6,000 ユーロを超えない場合は、 認定事業者でなくとも自己証明方式が利用できる。 (一回の輸出が 6,000 ユーロを超えなけ れば、輸出の回数は問われない。) 「原産地申告」は、輸出の際に添付される必要があるが、 輸出後でも、韓国への輸入の場合で 1 年、EU への輸入の場合で 2 年以内であれば提出が 可能となっている。 品目による様々な原産認定基準 繊維・アパレル製品に関する品目別規則では、1)関税番号変更基準によるもの、2)関税 番号変更基準、又は加工工程基準(2 工程)と付加価値基準の組み合わせによる条件を選べ るものという形態が比較的多いが、使用すべき材料の種類が指定されている場合もあり、 品目により比較的多様な基準が設けられている。 上記のように、EU 韓国 FTA では、作業または加工が十分であるかどうかが、原産性が あるかどうかの判断において重要であり、作業または加工が十分であるかの基準は、議定 書の附属書 II で品目別に記述されている。EU では、このような原産地基準を、 「リスト・ ルール」と呼ばれている。 織物基準 (fabric forward) の採用 アパレル製品に関しては、織物基準が採用された。織物基準とは、NAFTA や米韓 FTA において採用されていた原糸基準 (yarn forward) よりも緩やかなルールで、原糸からでは なく、織物が域内生産品であればよいというもの。2 段階の工程を経ればよいとの意味から、 二工程基準とも呼ばれる。また、これに関連し、繊維糸および織物に対しては、ビスコー スレーヨン糸およびナイロンステープル糸は、一定範囲内で域外産のものを使えるよう規 定されている。 (関税削減スケジュール) EU 韓国 FTA の関税引き下げ・撤廃スケジュールは、米韓 FTA と同様、或いはそれ以 上に自由化率の高いものとなっている。全体では、EU 側を例にとると、品目ベースで 99.6%、 貿易額ベースで 100%の関税を 5 年以内に撤廃する。特に鉱工業品に関しては、EU 側では 5 年以内、韓国側でも 7 年以内に全ての品目の関税を撤廃する。これは撤廃まで 10 年を要 する品目がある米韓 FTA と比較しても、より自由化率が高いと言える。以下は、関税撤廃 に関する規定がある附属書 2-A の構成である。 59 表 2-4-3. 附属書 2-A:関税の撤廃 (韓国) 韓国の関税率 一般注釈 韓国の関税譲許表 EU の関税率 一般注釈 EU の関税譲許表 付録 2-A-1:韓国(関税割り当て) 付録 2-A-2:EU(参入価格制度) また以下は、EU 韓国 FTA の関税引き下げ・撤廃スケジュールの区分の一覧である。 表 2-4-4. 関税引き下げ・撤廃スケジュールの区分定義 区分 譲許類型 協定による規定内容 0 即時撤廃 協定発効時と共に即時撤廃 2 3 年均等撤廃 発効時を含め 3 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 3 4 年均等撤廃 発効時を含め 4 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 5 6 年均等撤廃 発効時を含め 6 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 6 7 年均等撤廃 発効時を含め 7 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 7 8 年均等撤廃 発効時を含め 8 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 10 11 年均等撤廃 発効時を含め 11 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 12 13 年均等撤廃 発効時を含め 13 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 13 14 年均等撤廃 発効時を含め 14 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 15 16 年均等撤廃 発効時を含め 16 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 18 19 年均等撤廃 発効時を含め 19 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 20 21 年均等撤廃 発効時を含め 21 回の毎年均等な引き下げにより、2 年目の初日から撤廃。 10-A、10-B、12-A、16-A 等、11 年から 17 年の非均等撤廃の規定あり。 S-A、S-B 等、季節関税の規定あり。 E 現行関税維持 基本税率を維持 X 譲許対象外 協定で定められた関税に関する義務を負わない品目 出所:EU 韓国 FTA 協定文を基に、また「EU 韓国 FTA の概要と解説」 (ジェトロ)を参考に矢野経済研 究所作成 60 繊維・アパレル製品に関しては、EU 側では、毛糸類、羊毛・獣毛の織物類の一部(HS8 桁ベースで合計 6 品目)が上記区分の 5(6 年均等撤廃により、2016 年 7 月 1 日より撤廃) に属しているのみで、それ以外の HS50 類から HS63 類の品目の全てが区分 0 の即時撤廃 となっている。 一方韓国側でも、毛糸類の一部(HS10 桁ベースで 2 品目のみ)が上記区分の 7(8 年均等 撤廃により、2018 年 7 月 1 日より撤廃)に属するのみで、それ以外は全て即時撤廃される。 (特殊ルール、特記事項) 二国間セーフガード 第 3 章の第 3.1 条には、 「締結二国間緊急措置」として、セーフガード規定が盛り込まれ ている。 本協定による関税の引き下げ、又は撤廃の結果として、FTA 特恵関税の恩恵を受ける一 方の締約国の産品の、他の締約国への輸入数量が(絶対量として、又は国内産と比較した 相対量として)増加し、輸入締約国の産業に重大な損害がもたらされた場合、又は損害が もたらされる危険のある場合は、輸入締約国は、そのような損害を防止するために、一定 の条件のもと、当該産品の関税を MFN(最恵国待遇)税率まで引き上げることが出来る。 この二国間セーフガードは時限的な措置で、それぞれの品目について、原則として関税 撤廃後の 10 年間の移行期間中に、所定の条件を満たした場合に発動することが出来、移行 期間を過ぎるとこの二国間セーフガードを発動することは出来ない。 61 2-5. ASEAN 中国 FTA (ACFTA) ASEAN 中国 FTA の正式名称は、 「ASEAN と中国の包括的経済協力枠組み協定 (The Framework Agreement on Comprehensive Economic Co-operation between the Association of Southeast Asian Nations and the People’s Republic of China) 」 。 (通称 ACFTA と呼ばれるため、以下 ACFTA とする。 )アセアン 10 か国と中国の自由貿易地域を 目指した協定で、物品貿易協定、サービス貿易協定、投資協定の三つの主協定から構成さ れている。 同協定は、2002 年 11 月に署名されたが、上記主協定の署名、発効時期はそれぞれ異な り、段階的に自由化が進められてきた。 「物品貿易協定」については、2004 年 11 月に署名、 2005 年 7 月に発効(関税引き下げ開始)されている。 「サービス貿易協定」は 2007 年 1 月 署名、2007 年 7 月発効。 「投資協定」は 2009 年 8 月に署名、2010 年 1 月に発効されてい る。 物品貿易に関しては、第 1 条から第 23 条までに各規定が分かれており、附属書 I には、 ノーマルトラックと呼ばれる分類の品目に関する関税譲許スケジュールが、附属書 II には、 センシティブトラックと呼ばれる分類に当てはまる品目の譲許スケジュールが、附属書 III には ACFTA の原産地規則がそれぞれ規定されている。 近年、両国・地域間の貿易量は拡大傾向にある。そしてこの ACFTA により、更なる拡 大と共に、人口ベースで 19 億人の世界最大の巨大市場の創設が期待されている。 (物品貿易協定と原産地規則の内容構成) 上記の物品貿易に関する条文構成と、附属書 III の原産地規則に関する記述の構成を以下に 示す。 表 2-5-1. 物品貿易協定の構成(仮訳) 第 1 条:定義 第 2 条:国際課税と規制における内国民待遇 第 3 条:関税の引き下げ及び撤廃 第 4 条:透明性 第 5 条:原産地規則 第 6 条:譲歩の変更 第 7 条:WTO の法規 第 8 条:量的規制と非関税障壁 第 9 条:緊急輸入制限措置 第 10 条:関与の促進 第 11 条:国際収支の保護措置 62 第 12 条:一般的例外 第 13 条:安全保障の例外 第 14 条:中国の市場経済に関する認識 第 15 条:国家、地域および地方政府 第 16 条:制度的取り決め 第 17 条:見直し 第 18 条:付属書および将来的な法律文書 第 19 条:改定 第 20 条:雑則 第 21 条:紛争解決処理 第 22 条:預託 第 23 条:効力の発生 附属書 I:ノーマトラックに分類される関税分類品目に対する関税引き下げ及び撤廃の形式 附属書 II:センシティブトラックに分類される関税分類品目に対する関税引き下げ及び撤廃の 形式 附属書 III:ASEAN 中国自由貿易地域の原産地規則 表 2-5-2. 附属書 III:ASEAN 中国自由貿易地域の原産地規則 規則 1:定義 規則 2:原産基準 規則 3:完全に得られる産品 規則 4:完全には得られない、又は生産されない産品 規則 5:累積の原産地規則 規則 6:品目別基準 規則 7:最小限の作業及び処理 規則 8:直接輸送 規則 9:梱包の扱いについて 規則 10:付属品、スペアパーツ、工具類 規則 11:中立的な要素 規則 12:原産地証明 規則 13:見直し及び改訂 添付書類 A:ASEAN 中国自由貿易地域の原産地規則運用のための認定手続き 添付書類 B:品目別規則 63 (原産地認定基準) 原則的には、1) 完全生産品(締約国で完全に得られる産品) 、2) 完全生産品ではないが 一定の条件を満たすもの、が原産品として認められる。以下、附属書 III に規定される、原 産地基準のキーポイントを示す。 表 2-5-3. 原産地規則の概略 規則 2:原産基準 締約国によって輸入される製品は、以下のいずれかの原産要件を満たすことにより、原産 品として認められ、特恵関税の対象となる。 (a) 完全生産品:その土地で完全に得られる生産品、又は規則 3 の定義に従って生産され る品(締約国で採取、育成、狩猟、捕獲されたもの等) (b) 非完全生産品で一定の条件を満たすもの:全部がその土地で生産又は得られた産品で なくとも、規則 4(付加価値基準) 、規則 5(累積)、規則 6(品目別規則)のいずれか の要件を満たすもの) 規則 4:完全には得られない、又は生産されない産品 完全生産品でなくとも原産品となり得る条件の一つが規則 4 の規定である。満たすべき付 加価値基準が規定されており、以下のいずれかの条件を満たせばよい。 (i) 容量の 40%以上がいずれかの締約国の原産である (ii) 締約国の領地外を原産とする材料、成分、または生産品の合計価額が、生産品のFOB 価格の 60%を超えないもので、生産の最終工程が締約国領域内で行われている(こ れはつまり、残りの 40%がACFTA締約国内のものである必要があるが、その割合の ことを「ACFTA容量」 3という。「ACFTA容量)の産出の方法も規則 4 にある。 ) 規則 5:累積の原産地規則 原産品の要件を満たす生産品で、本協定によって優遇措置を受けられる最終完成品の材料 として締約国の領地内で使用されるものは、当該完成品の加工作業や処理作業が実施され る当該締約国の領地を原産とする生産品であるとみなされる(累積のルール) 。ただし、最 終完成品に対する「ACFTA 容量」が 40%以上でなければならない。 規則 6:品目別基準 非完全生産品が原産品とみなされるためのもう一つの条件が、十分な加工が締約国にて行 われていることであり、添付文書 B の「品目別規則」を満たす生産品は、十分な加工がさ れたとみなされる。 規則 8:直接輸送(積み替えの規定) 規則 8 によると、次のいずれかに当てはまる生産品は、輸出締約国から輸入締約国へ直接 積送されるものとみなされる。 (a) 他の ACFTA 締約国の領地を経由して輸送される生産品 3 (ACFTA 圏外の材料の価額+原産地未定材料の価額)÷ 本船渡し価格 (FOB) × 100 (%) 64 (b) ACFTA 締約国でない国の領地を経由しないで輸送される生産品 (c) ACFTA 締約国でないいくつかの国を経由して輸送された生産品で、そのような国での 積み替え又は一時的保管の有無にかかわらず、以下の場合: (i) 通過輸入手続が地理的理由から正当化された場合、又は輸送上必要と判断された場 合 (ii) 当該生産品が経由国での貿易又は消費の対象にならない場合 (iii) 当該生産品を良好な状態に保存するために必要な作業以外の作業(積み卸し、再積 込み、その他)が行われていない場合 規則 12:原産地証明書 輸出者又は権限を委任されたその代理人により、書面による原産地証明書の申請が必要と なる。輸出締約国の政府当局が原産地証明書を発行する。ある生産品が特恵関税の対象と なると、それは、添付文書 A に規定される「運用上の証明手続き」に従い、本協定の他の 締約国にも通知される。 (原産地証明を発行した政府当局の名前、住所、署名の見本等が通 知される。 ) 品目別規則の特徴 品目別規則には、A. 排他的規則・基準と、B. 代替可能な規則の 2 種類がある。A. の排 他的規則・基準とは、品目別規則にある基準のみが適用されるもので、原産地証明書のフ ォームEを申請する場合、品目別規則のみを基準としなければならない。第 51 類の繊維関 連製品(羊毛、獣毛類の一部)の 6 品目(HS6 桁ベース)のみが A. に分類される。 一方 B. においては、品目別規則は、附属書 III の原産基準の規則 4 の一般規則に対する 代替として適用される。輸出車は、フォーム E を申請する際、規則 4 の一般規則か、添付 文書 B の品目別規則のどちらかを基準とすればよい。 繊維・アパレル製品では、加工工程基準を採用 規則 4 の一般規則が付加価値基準であるのに対し、添付文書 B の品目別規則では、一部 を除く繊維・アパレル製品では加工工程基準が採用されている。 (他の品目では関税番号変 更基準のものもある。 )(a) 繊維及び糸、(b) 絨毯その他の紡織用繊維の床用敷物; 特殊糸並 びに紐、綱及びケーブル並びにこれらを使った製品、(c) 衣類及び衣類付属品とその他織物 製品の既製品、の 3 つの製品群ごとに必要な加工工程、作業が示されている。 (関税削減スケジュール) ACFTA の関税の譲許スケジュールは、ノーマルトラック (normal track)、センシティ ブトラック (sensitive track) に分かれており、センシティブトラックは、センシティブリ スト (sensitive list)と高度センシティブリスト (highly sensitive list) に分かれ、その他、 一部引き下げ対象外の品目もある。 65 ノーマルリストにリストアップされた品目の関税は、ASEAN先行加盟6ヵ国と中国 (ASEAN6 4+中国)では 2010 年までに全て撤廃され、カンボジア、ラオス、ミャンマー、 ベトナム(CLMV:ASEAN新規加盟4ヵ国)は 2015 年までに撤廃される。 センシティブトラックにリストアップされた品目は、ASEAN6+中国の場合は 2015 年ま でに 50%以下、CLMVは 2018 年までに 50%以下に引き下げることとなっている。付属書 IIには、各国がセンシティブリスト、又は高度センシティブリストに加えることができる品 目数の上限 5が示されている。 繊維・アパレル製品においても、ブルネイの HS63 類(紡織用繊維製品) (4 品目)、マ レーシアの HS52 類(綿織物) (21 品目)、インドネシアの HS62 類(28 品目)、フィリピ ンの HS61 類(衣類) (28 品目)等、一部センシティブリストに含まれている品目がある。 高度センシティブリストにも、フィリピンの HS63 類(衣類) (4 品目)、中国の HS51 類(羊 毛、繊獣毛及び馬毛の糸並びにこれらの織物)(6 品目)などが含まれている。 。 4 ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの 6 ヵ国 5 例えば、ASEAN6+中国の場合、HS6 桁ベースの 400 品目以内、且つ 2001 年の貿易統計の輸出額全体の 10%以内 66 3-5. 海外主要 FTA の比較 表 3-5-1. 繊維・アパレル製品の原産地規則等の比較表 NAFTA 米豪 FTA 発効日 1994 年 1 月 1 日 2005 年 1 月 1 日 原産地規則章 第4章 原産地規則 基本原則 繊維章の有無 品目別規則 記載箇所 第5章 第4章 米韓 FTA 2012 年 3 月 15 日 第6章 第 4.2 条 第 4 章 第 4.2 条 EU 韓国 FTA ACFTA 2011 年 7 月 1 日 2010 年 1 月 1 日 議定書 第 A 節 附属書 III 1)完全生産品 1)完全生産品 1)完全生産品 1)完全生産品 2) 原 産 材 料 の み 2) 原 産 材 料 の み 2) 原 産 材 料 の み 2) 原 産 材 料 の み 1)完全生産品 を使用する産品 を使用する産品 を使用する産品 を使用する産品 2) 非 原 産 材 料 を 3) 非 原 産 材 料 を 3) 非 原 産 材 料 を 3) 非 原 産 材 料 を 3) 非 原 産 材 料 を 使う場合、一定の 使う場合、一定の 使う場合、一定の 使う場合、一定の 使う場合、一定の 条件を満たすも 条件を満たすも 条件を満たすも 条件を満たすも 条件を満たすも の の の の の 附属書 300-B 第4章 第4章 なし なし 附属書 401 附属書 4-A 附属書 4-A 附属書 II 添付書類 B 関税番号変更基 関税番号変更基 関税番号変更基 関税番号変更基 関税番号変更基 準及び加工工程 準及び加工工程 準及び加工工程 準及び加工工程 準及び加工工程 基準 基準 基準 基準 基準 有り 有り 有り 有り 有り 品目別規則 原産品判定基準 累積 67 NAFTA 米豪 FTA 米韓 FTA EU 韓国 FTA ACFTA 有り(指定された 有り(関税番号を 有り(関税番号を 有り(関税番号を 基本繊維材料の 決定づける部分 決定づける部分 決定づける部分 総重量の 10%以 の総重量比で 7% の総重量比で 7% の総重量比で 7% 下、製品の工場渡 以下) 以下) 以下) し価格の 8%以下 デミニマス 僅少の非原産材 料 なし 等細かい規定) センシティブリ 繊維・アパレル製 品の譲許スケジ 2003 年 1 月に完 2015 年 1 月 1 日 2021 年までに完 2018 年 7 月 1 日 ストの品目以外、 全撤廃 に完全撤廃 全撤廃 に完全撤廃 2015 年までに撤 ュール 廃 自己証明方式(認 原産地証明書 自己証明 自己証明 自己証明 定業者、又は 当局が発効する 6,000 ユーロ以内 証 明 書 (Form-E) の輸出は申告書 の申請が必要 のみで可) *加工工程基準は 2 工程 その他 * 原 糸 原 則 (yarn * 原 糸 原 則 (yarn * 原 糸 原 則 (yarn *非原産材料を含 forward) forward) forward) む場合、「十分な *TPL、SSL 6 *SSL *SSL 作業が締約国で ---- なされたか」が重 要 6 Short-Supply List: 特定の原糸や織布に関し、締約国域内で商業利用できる数量の供給が困難な場合、締約国外から の供給も可能とする原糸原則 (yarn forward) の例外措置 68 3. 主要繊維企業・アパレル企業のサプライチェーン 本章では、世界規模で展開しているアパレル企業の生産体制、ロジスティクス、サプラ イチェーン、及びマーケティングに関する情報を文献調査を基にまとめた。具体的には、 近年急成長を遂げているファストファッションの代表的ブランドであるスペインの ZARA、 スウェーデンの H&M、繊維を含めた素材メーカーとして日本を代表する東レの三社を事例 として取りあげ、世界でも最先端を行く商品供給体制の一部を参考として紹介する。 3-1. 事例 1:ZARA(ZARA Espana, S.A.) ZARA (ZARA Espana, S.A.) は、世界最大のファッション企業と言われる、スペインの インディテックス社 (Inditex: Industria de Diseno Textil, S.A.) の傘下にあり、世界各地 の主要都市に合計 1,808(2013 年 10 月末時点)の店舗を展開する代表的なファストファッ ションブランドである。ファストファッションとは、最新の流行を採り入れながら比較的 低価格の衣料品を、極めて短いサイクルで大量生産し、世界規模で販売するファッション ブランドやその業態のことであり、ZARA の場合、衣服のデザインから生産、店舗へのデ リバリーまでに要する時間は最短で 2 週間と言われる。競合企業である H&M 社が約 3 週 間、ギャップが約 6 週間とも言われ、ZARA の製品供給体制がいかに効率が良いかが伺え る。 表 3-1-1. インディテックス社の概要 社名 創業 Industria de Diseno Textil, S.A. (Inditex) 1975 年(ZARA1号店オープン) (持ち株会社のインディテックス社の設立: 1985 年) 創業者 アマンシオ・オルテガ氏 本社所在地 スペイン 売上高(連結) 159.46 億ユーロ(2012 年度:2012 年 2 月 1 日~2013 年 1 月 31 日) 従業員数 約 12 万人 ラ・コルーニャ ZARA(1,808) 、ZARA Kids(164) 、Pull & Bear(834) 、Massimo Dutti 保有ブランド(店舗数) (649) 、Bershka(934)、Stradivarius(842) 、Oysho(542)、ZARA HOME (388) 、Uterque(88) (2013 年 10 月末時点) 出所:インディテックス社ウェブサイト (http://www.inditex.com/en) 本社での在庫集中管理と物流センターへの商品の集約 インディテックス社のサプライチェーンの特徴は、スペイン国内にある 8 つの物流セン ターへの生産した商品の集約とこれによる徹底した在庫管理である。中国、バングラデシ 69 ュ等の国外で生産した商品であっても、完成後はこの物流センターに一旦輸送され、そこ から本社で集中管理された発注情報に従って、世界各地の店舗に出荷される。 物流センターに在庫が滞留する時間は、最長でも 2 日間。商品の発注から 2 時間後には 仕分けが完了、8 時間後には出荷される。輸送にかかる時間は、欧州域外では 3~4 日かか る例外もあるが、通常は空輸で 48 時間、欧州の店舗には陸路で 36 時間以内に届けられる。 この本社での在庫集中管理を行うために、数年前から各店舗における商品発注権限を無 くした。 「コマーシャル」と呼ばれるカントリーマネージャーが、毎日送られてくる販売状 況や在庫情報などの定量情報に加え、担当国のエリアマネージャーや店舗マネージャーか ら得る、市場状況などの情報を加味して新商品のデザインの参考にしたり、各店舗への商 品供給量を決めたりする。定量情報としては、販売データだけでなく、買わなくとも店舗 を訪れた人が「手に取った」数も含まれる。そして、これら定量情報で伝わらない各地の 流行、顧客の嗜好等に関する情報を、電話で各カントリーマネージャーが収集する。 各店舗は形式的には「発注」をいう手続きを踏むが、実質的には上記の方法を通じて在 庫が本社で集中管理される方式(在庫の自動補充)が 2006 年からとられてきたという。そ のためのキーとなるのが先述の物流センターである。中国で生産された製品が、一旦スペ インに送られ、再び上海など中国国内の店舗に配送される場合もあり、物流コストや時間 の面で極めて非効率にも思えるが、この集中在庫管理のためにインディテックス社では全 ての商品を一旦スペインの物流センターへ集約する方法をとっている ZARA のデザイン 世界各地の店舗から集められた販売情報、流行に関する情報、顧客の声等の情報はすぐ にデザイナーにも伝えられ、次の商品開発に反映される。2 週間ごとに製品会議が開かれ、 新たなデザインが承認されると、数週間のうちに世界の店舗に新製品が並ぶ。 ZARA でも、一般的なアパレル企業と同様、春夏、秋冬のコレクションも作るが、シー ズン前にデザインを固めるのは、全体の 2 割程度。それ以外は、シーズン中の売れ行き、 顧客の声を参考にしながらデザインをしていく。但し、コレクションも含めてデザインを ゼロから作ることはなく、ファッションショーやファッション雑誌、テレビや映画で採用 されている服、ストリートファッションのデザイン等を取り入れて売れそうなデザインを 作る。これは、デザイナーが作りたいものを作るのではなく、消費者が求めるものを作る という思想が根底にあるからである。 こうしたこともあり、デザインは専属のデザイナーだけでなく、取引先が提案し、それ が採用されることもある。例えば、生地メーカーがあらかじめ ZARA に相応しいと思われ るデザインのサンプルを作り、頻繁に提案することもある。 ZARA の生産体制 70 ZARA の生産体制は、商品のタイプ別に大きく二つの種類に分かれる。一つは、ニット 製品やデザインがシンプルなベーシック衣料の場合で、これらは多くの場合、中国やバン グラデシュなどの工場に生産が外注される。 もう一つはファッション性の高い製品、つまりそのときどきの流行に沿った商品の場合 である。このような商品は、すぐに市場に投入する必要があるため、主に本社周辺にある 12 の製造子会社のいずれかで生産される。ZARA の商品の約半分は自社で生産されている。 但し、正確には生産工程のうち、自社で行うのは裁断と検品で、労働集約的な縫製作業は 小規模な下請け工場に委託しているが、自社内で生産も行うのはファストファッションブ ランドでは異例と言える。インディテックス社の ZARA 以外のブランドでは、自社工場で はなく、全て生産は外注しているが、ファッション性が高い商品は、スペインやポルトガ ルなどの近隣諸国で生産されている。自社工場で ZARA 製品を作る場合で、裁断から縫製、 検品までの時間が約 10 日。それ以外のブランドの場合でも 14 日以内。このような近隣諸 国での生産は、インディテックスグループ全体では、数量ベースで約半分。トルコなどの 比較的地理的に近い国も含めると、その割合は約 65%にも達するこのような体制をとるの は、ファッションは鮮度が最も重要と考えているからと言われる。 本社工場で検品された ZARA の製品は、レールに吊るされたまま先の物流センターに自 動搬送される。レールの全長は 360 キロメートルにも達する。そして、物流センターに搬 送された商品は、2 日以内に世界各地の ZARA ストアに向け出荷されることになる。 図 3-1-1. ZARA のサプライチェーン ファッション性の高い商品 ベーシック衣料品 スペイン本社周辺の自社工場で 中国・バングラデシュ等の工場 裁断 で生産(外注) 近隣の下請け工場で縫製(外注) 本社工場で検品 スペイン各地の物流センターに 保管後、仕分け・出荷 本社隣接の物流センターに保管 後、仕分け・出荷 世界各地の店舗 世界各地の店舗 出所:NIKKEI BUSINESS 「グローバル経営の教科書」の記事をもとに矢野経済研究所作成 71 3-2. 事例 2:H&M 社(Hennes & Mauritz AB) H&M 社 (Hennes & Mauritz AB) は、スウェーデンのストックホルムに本拠を置く、 売上規模で世界トップクラスのアパレル企業である。上記のインディテックス社(米ドルベ ースの直近年間売上高は 216.33 億米ドル)と拮抗しており、2012 年度の連結売上高は、 188.2 億米ドルとなっている。 (アメリカの信用調査会社、D&B 社のデータベースによる。 ) 同社の特徴は、売上規模の大きさもさることながら、その利益率の高さにある。2012 年度 の税引き後利益率は約 13.3 パーセント、粗利率は実に 59.1 パーセントに達している。 H&M 社は、全てのブランドを合わせると、世界 53 カ国で 3,132(2013 年 11 月末時点) の店舗を展開。主要ブランドの H&M だけで 2,936 店舗に達する。日本にも 2008 年に進出 しており、39 店舗を展開している。 表 3-2-1. H&M 社の概要 社名 H & M Hennes & Mauritz AB 創業 1947 年 創業者 アーリン・パーソン氏 本社所在地 スウェーデン 売上高(連結) 従業員数 ストックホルム 1,285.62 億スウェーデン・クローナ(2012 年度:2012 年 12 月 1 日~2013 年 11 月 31 日) 約 11 万 6 千人 H&M(2,936)、COS(85)、Monki(79)、Weekday(21)、Other Stories 保有ブランド(店舗数) (8) 、Cheap Monday(3) (グループトータルで 3,132 店舗、うち 110 店舗 がフランチャイズ) (2013 年 11 月末時点) 出所:H&M 社 Full-year report (http://about.hm.com/content/dam/hm/about/documents/en/cision/2014/01/1280856_en.pdf) H&M 社の商品と販売 2008 年 9 月の所謂リーマンショック以降の数年間でさえ 10%前後の成長を記録した H&M 社の商品の特徴は、 「安くて上品 (シック)」と言い表される。 社名の Hennes & Mauritz の”Hennes” は、英語の”hers”に相当するスウェーデン語であり、その名が表すように創業 当初は女性用のアパレルのみを販売していたが、 現在では男性用、 子供用のアパレルに加え、 アクセサリー、靴、自社ブランドの化粧品等も販売している。ターゲットとする年齢層も男 性用・女性用のアパレルの場合で 18 歳から 45 歳と、家族全員の服飾が揃う。女性用のノ ースリーブのブラウスが 1,190 円、男性用シャツが 999 円からという値付けである。ブラ ウス・シャツ類では 2,000 円~3,000 円前後のものも多く、比較的高価格なものでも 5,000 円~6,000 円前後と非常に手頃な値段設定である。 ファストファッションの名が示す通り、流行性の高いモデルは 2 週間ほどで店頭から消 え、人気のデザイナーの商品では店頭に並んだその日に完売することもあるという。年間 72 50 万点以上、1 日平均 1,300 点もの新商品が市場に投入されており、 「ファッションは常に 新鮮でなくてはならない」という考えから、このような多品種の商品展開をしている。 「顧客を飽きさせない経営」 、「常に変化があり、新しいものに出会える店」を目指して おり、各店舗の品ぞろえも商圏の特性により様々だという。 「家族全員の服飾が揃う店」で あることは、顧客ターゲット層が広いということでもある。つまり、特定の店舗の周辺の消 費者の属性や嗜好等の特徴に合わせて品ぞろえを変える必要があるが、H&M 社の多品種展 開がそれを可能にし、比較的多様な立地に店舗展開が可能になっているとも考えられる。 このように消費者の属性や商品のコンセプト、デザインに幅がある場合、ブランドや店 名を明確に分ける場合も多いが、H&M 社では敢えてそうせず、出店場所によって対象顧客 層を特定し、 それに沿った品揃えや展示方法を決めている。そして、 このような販売手法が、 変化を実現し、鮮度を保っている。 商品開発にも特徴がある。H&M 社の本社ビルには、180 人ものデザイナーが働いてい る。採用するデザインを決める会議では、デザイナーのアイディアのみならず、世界中から 集められた販売データ、予算、協力工場による素材の調達の見込みや工場の稼働状況等が検 討され、 予算を含めた条件に合った見た目の新しいデザインのみが採用される。 「おしゃれ」 なデザインが売りではあるが、最先端のファッションを取り入れたものは一部に過ぎず、売 れ筋の商品のリニューアルや人気のファッションを他の商品に応用することも多い。 こうし たプロセスも同社の高い利益率に貢献している。 物流の効率化:徹底した販売データ管理と世界各地にある物流センター 先述のインディテックス社が、在庫の集中管理のためスペインの物流センターに完成し た商品を集約するのに対し、H&M 社では欧州、北米、アジア等世界各地に合わせて 25 か 所ほどの物流センターを有する。インディテックス社が持つ 8 拠点に対して拠点の数は多 いが、 市場の拡大に呼応して、 欧州地区では物流センターの大型化や統合が進められている。 輸送距離、輸送コストの面で一部マイナス面もあると思われるが、物流拠点の大規模化によ る効率向上メリットのほうが大きいという判断と考えられる。物流センターに集められた商 品の 2 割程度はそのまま各ショップに送られ、残りは倉庫に保管され、販売状況に応じて 各店舗に配送される。 独自に構築した POS(販売時点管理)システムにより送られてくるデータに従って、倉 庫から毎日ショップに商品が陸送される。売れ残りが無いように配送数がコントロールされ、 在庫コストも最小化される。 H&M 社の生産委託先の工場の 7 割近くは中国を中心としたアジア地域にある。一方、 店舗数では欧米が圧倒的に多い。工場から物流センターまでの輸送は船便に頼っている。イ ンディテックス社が航空便をより頻繁に使いリードタイム短縮を図っているのに対し、 H&M 社の方法は輸送時間が長くなりリードタイムの点で引けを取る要因となっている。そ れでも船便を使うことにより輸送コストが低減できるのは確実で、同社はリードタイムの短 73 さより、 色、 サイズを含む販売データを分析しその結果を次の商品開発に活かすことにより、 常に新しく、低価格の商品を市場に送り出すことを重視する。 製造コストの低いアジア諸国での生産 H&M 社の高利益率のもう一つの源泉は、中国、バングラデシュ、カンボジア、インド など、製造コスト(労賃)の低いアジア諸国への移行を進めてきたことである。アジアでの 生産は多くの SPA などの繊維・アパレル関連企業も実施してきたことであり、もちろん珍 しいことではない。 特に労働集約型の縫製作業における安い人件費はダイレクトに利益の源 泉となる。その結果、H&M 社も含め多くのアパレル企業はデザインやマーケティングなど、 付加価値の高い業務に特化できる。 本社近くやそのほかの(スペイン)国内に物流センターを持ち、更に本社近郊に自社の 製造工場を持つことにより、 先のインディテックス社はより短納期で最新デザインの商品を 市場に投入している。一方 H&M 社では、より安い製造コストを重視し、輸送やその他の 物流方法による多少のデメリットがあるものの、1 年先まで先行して商品のデザインを決め、 売れ行きにより後から微調整を行うだけにすること、徹底した販売データ分析を行いその結 果を商品のデザインや出荷数量に反映させることにより新しい商品、 売れる商品を店頭に無 駄なく並べることに成功している。 その結果が順調な業績と高利益率に繋がっていると考え られる。 図 3-2-1. H&M 社のサプライチェーン 中国・バングラデシュ・カンボジア・インド等、アジア地域を 中心に、世界で約 700 の協力工場での生産(縫製) 欧州の物流センター 欧州各地の店舗 北米の物流センター 北米各地の店舗 アジアの物流センター アジア各地の店舗 注)上記の図は、大まかな商品の流れをわかりやすく示すために簡略化されたもの。 出所:NIKKEI BUSINESS 「グローバル経営の教科書」の記事をもとに矢野経済研究所作成 74 3-3. 事例 3:東レ株式会社 東レ株式会社(以下、東レ)は、1926 年(大正 15 年) 、三井物産株式会社の出資により 東洋レーヨン株式会社として設立された、現在、合成繊維では国内最大手の化学素材メーカ ーである。 表 3-3-1. 東レの概要 社名 東レ株式会社 創業 1926 年(東洋レーヨン株式会社) 代表者 日覺 本社所在地 〒103-8666 東京都中央区日本橋室町 2-1-1 日本橋三井タワー 売上高(連結) 1 兆 5,923 億円(2012 年度:2012 年 4 月 1 日~2013 年 3 月 31 日) 繊維事業の売上高 6,322 億円(2012 年度) 従業員数 42,584 人(国内外の関係会社含む) (2013 年 3 月末現在) 昭廣氏(代表取締役社長) 下記製品の製造及び販売 繊維事業 ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、 人工皮革、アパレル製品等 プラスチック・ケミカル事業 ナイロン・ABS・PBT・PPS 等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォ ーム、ポリエステル・ポリプロピレン・PPS 等のフィルム及びフィルム加工 品、合成繊維・プラスチック原料、ゼオライト触媒、医・農薬原料等のファ インケミカル、動物薬等(但し、下記「情報通信材料・機器事業」に含まれる フィルム・樹脂製品を除く) 情報通信材料・機器事業 事業内容 情報通信関連フィルム・樹脂製品、電子回路・半導体関連材料、液晶用カラ ーフィルター及び同関連材料、プラズマディスプレイパネル用材料、磁気記 録材料、印写材料、情報通信関連機器等 炭素繊維複合材料事業 炭素繊維・同複合材料及び同成形品等 環境・エンジニアリング事業 総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、環境関連機器、水処理用 機能膜及び同機器、住宅・建築・土木材料等 ライフサイエンス 医薬品、医療製品 その他 75 分析・調査・研究等のサービス関連事業等 出所:東レ株式会社ウェブサイト (http://www.toray.co.jp/)、及び同社「アニュアルレポート 2013」 創業時の社名が示す通り、レーヨン生産から始まり、これまでポリエステル、ナイロン、 アクリルという三大合成繊維、高機能フィルム、エンジニアリングプラスチック、炭素繊維 複合材料、電子情報材料、高機能膜、医薬・医療材など多様な商品を開発し、基礎材料から 加工製品まで幅広い事業を展開して発展してきた。 繊維事業の 2012 年度の連結売上高は 6,322 億円。全社売上の 1 兆 5,923 億円の 40 パー セント近くを占める。また、この繊維事業の規模は、競合の東洋紡の 1,511 億円(2013 年 3 月期の産業マテリアル事業と衣料繊維事業の合計) 、帝人の 1,112 億円(2013 年 3 月期の 高機能繊維・複合材料事業の売上) 、旭化成の 1,096 億円(2013 年 3 月期の繊維事業の売 上)に比較しても群を抜いている。 ユーザーとの「戦略的パートナーシップ」による、技術に裏付けられた新たな消費者ニ ーズへの対応 東レは、自らの特徴として、 「東レの DNA は、 『研究・技術開発力の維持・強化』と『お 客様との戦略的パートナーシップ』を通じた独自のマーケティング力である」と表現する。 東レのコア技術は、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジ ーの 4 つである。1 つ目の DNA として、これらの技術を高度化し、時には融合させて発展 させていくことが競争力の源泉となっている。 もう一つの DNA は、素材メーカーである同社より川下にいる、つまり消費者により近 いユーザー企業と協力することにより、時代と市場のニーズを的確にとらえ、新しいファッ ションやライフスタイルを提案し、 自社の技術と製品の新たな用途を開拓する力をつけるこ とを意味する。 東レの繊維事業の好調さは、DNA と呼ばれる、これらの基本戦略とその実行が実を結ん だ結果と言える。 発売から 10 年で累計 3 億枚を販売したとされる機能性衣料「ヒートテック」は、ユニ クロと東レが共同開発したものであることはよく知られている。 「シルキードライ」、「ウル トラライドダウン」といったヒット商品も同様に両者の提携により開発されたものである。 また、東レはユニクロ以外にも、青山商事と共同でスポーツ機能をもつビジネスシャツ「ミ ステリードライ」の開発しており、ユナイテッドアローズの「サーモグリーン」の素材も東 レが供給している。 「戦略的パートナーシップ」による独自のマーケティング力を築いていくに当たって、 ユニクロとのパートナーシップが東レに大きな影響を与えたと言われている。ユニクロと東 レの繊維事業本部との連携は、2000 年以降特に深められてきたと言われている。この年に 東レでは、ユニクロ向けの総合窓口である GO(グローバルオペレーション)推進室を発足 76 させており、それ以来この GO 推進室とコンタクトするだけで、ユニクロは東レの繊維事 業本部だけでなく、生産本部や研究本部とも連絡がとれる体制となった。 2006 年には「戦略的パートナーシップ」が締結され、両社の連携は更に深化していき、 資本提携は無いものの、 バーチャルカンパニーであるかのように製版一体で運営される体制 が整った。東レが素材の開発と生産、ユニクロがマーケティングと販売を担当しているが、 そのために必要なコストや開発計画などの情報も極力共有してきたと言われる。 両社は 2010 年までの 5 年間で、累計 2,000 億円の取引額を目標としていたが、実績は 2,500 億円と目標を大きく上回り、両社の取り組みが成功したことを裏付けている。 ユニクロとの提携を通じ、東レには様々な「消費者の声」が届けられることになった。 「洗濯機で簡単に洗えるセーターが欲しい」、 「着ていて暖かい下着があればいいな」といっ た消費者の希望をユニクロが東レに伝え、東レが持前の技術の組み合わせと応用によってこ れらを実現する。つまり、 「何がつくれるか」、 「作れるものをどう売るか」ではなく「消費 者が何を欲しているか」 、 「それを作るためにはどうすればいいか」と考えるようになったと いうことである。こうして先の DNA が東レの繊維事業の好調さに結びついてきた。 変化したバリューチェーン ユニクロとの提携は、東レの繊維ビジネス全体のバリューチェーンにも変化をもたらし たと言われる。 従来の日本の繊維業界のバリューチェーンは、 「繊維メーカー」、 「糸商社」、 「テキスタイ ルメーカー」 、 「生地商社」 、 「縫製会社」 、 「卸商社」 、 「アパレル」、 「問屋」、 「小売り」と、何 層にも重なるプレーヤーが存在してきたが、ユニクロのような SPA と提携する場合では、 素材の開発・製造から縫製までという、バリューチェーンの中の何段階ものプロセスを東レ が自社のみで担当するケースが多くなったと言われる。投資リスクも大きいが、成功すれば 利益も大きくなる。 ここでも、素材、製糸、紡績、織り編み、染め、縫製など全てにおいて、東レが高い技 術を持っていたことがバリューチェーンの変革を実現させ、 高収益を実現する大きな要因と なっている。 繊維事業の好業績に寄与する東レのサプライチェーン 東レの繊維事業の好調さを支えてきたもう一つの重要な要因は、同社が構築してきたグ ローバルサプライチェーンである。 東レは、中国や韓国、タイ、マレーシア、インドネシアなどのアジア、英国やチェコな どのヨーロッパ、北米等に多くの製造拠点を持っており、これら海外拠点を商品や販売先に より組み合わせた最適生産が可能であることが東レの強みとなっている。 例えば、インドネシアの関連工場で生地を織り、マレーシアの関連会社で染色し、ベト ナムの協力工場で縫製し、完成品のシャツを日本に輸入する、という流れがある。また婦人 77 向けボトムスの場合は、タイの関連会社で織り編みから染色までを行い、ベトナムの協力工 場で縫製をしている。素材から縫製まで全てアセアン域内で完結するため、製造プロセスで 関税はかからない。AJCEP、或いは日・ベトナム EPA 等の二国間協定の EPA を活用する ことにより、日本への輸入を無税とすることが可能である。アセアンのみならず、アセアン と FTA を締結している中国も合わせて、ほぼアジア全体で EPA/FTA を活用したサプライ チェーンの最適化に取り組んでいる。関税削減効果やリードタイムの短縮、その他製造コス トの最小化等の観点から最適な場所で最適な量を作る選択肢を東レは数多く有しており、 戦 術の幅が非常に広いといえる。 図 3-3-1. 東レのサプライチェーンの例 インナー 紳士シャツ 原糸・原綿 インドネシア 石川工場・愛媛工場・ スーツ・ボトム 中国 中国 紡績・ タイ インドネシア 織り編み 染色 タイ・マレーシア インドネシア 縫製 中国 インドネシア ASEAN・南アジア 中国 中国 中国 中国 大手 SPA(日本) 通販業者(日本) 中国 市場・顧客 欧米日・ASEAN アパレル(欧米) 出所:NIKKEI BUSINESS 「グローバル経営の教科書」の記事、図表をもとに矢野経済研究所作成 78 4. 日本の繊維関連商社のサプライチェーンの特徴と現在の EPA/FTA 活用状況 今回の調査において、繊維製品を取り扱う国内の主要な商社 5 社に対して直接訪問によ るヒアリングを行った。ヒアリングの主な目的は、日本の繊維関連企業全体の傾向として、 原料の調達から二次製品の販売までのサプライチェーンの特徴、EPA/FTA の活用の現状と 今後の活用に関する意向、今後生産拠点や市場としてどの国・地域が注目されているか等を 把握することにある。従って、以下に述べるヒアリング結果としての傾向と分析は、特定の 企業のものではなく、あくまで国内の主要繊維企業全体の特徴と傾向である。 4-1. サプライチェーンの特徴 日本市場への中国生産の二次製品が主流でありつつも、チャイナ・プラス・ワンとし てのアセアンの重要性が増す 第一に挙げられる特徴は、衣料品としての製品の主要な市場は日本であること、そして その縫製拠点は主に中国であることである。そしてその縫製拠点は、大部分を占めてきた中 国から徐々にアセアン地域を中心とした、東アジア以外のアジアの国々に移管されつつある ということである。海外で生産した製品の日本市場向けの割合は、概ね 8 割から 9 割以上 と見られ、その日本向けの概ね 6 割から 9 割以上が中国で縫製されたものである。 一方、原材料としての綿花、羊毛、糸、ファイバー等に関しては、その性質上多岐に渡 るため、調達国もインド、パキスタン、中国、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、台湾、 韓国、アセアン(タイ、インドネシア、ベトナム等)など様々な国から様々な材料を買い付 けている。そのため、特に特徴的な傾向はみられなかった。織物等の生地に関しても、中国、 アセアン、台湾、日本等で生産された製品を中国、アセアン等の縫製拠点に移して縫製する という流れが比較的多いようであるが、 一部欧州等それ以外の地域から調達する場合もある。 (日本から輸出された生地を利用して海外で縫製し、その製品を日本へ再輸入する場合、い わゆる暫 8(関税暫定措置法第 8 条:加工再輸入減税制度)の規定により減税対象となり得 るため、特恵関税が適用されない場合は、この制度を利用していることもある。 ) 先に、主な市場である日本への製品の輸入は、中国で縫製されたものが主であると述べ たが、あらためて、その割合は概ね 65%から 95%程度である。残りの大部分がアセアン(ア セアン諸国)となっている。アセアンの中では、タイ、ベトナム、インドネシアが比較的縫 製拠点としては進んでいる。 つまり生産能力や品質において一定のレベルに達していると一 般的に認識されており、次いでミャンマー、カンボジアが続き、更に縫製業を主要産業とす るバングラデシュの名も挙がった。 79 製品の生産拠点の考え方と中国生産の優位性 縫製拠点を決めるにあたっての主な検討材料としては、1)労働力と人件費(労賃) 、2)地 理的条件、3)物流上の条件、4)資材・原材料の調達における利便性等がある。労働力には、 熟練工の割合や絶対数としての生産能力も含まれると思ってよい。更にこれらに EPA/FTA や LDC 等の関税メリットという要素とその他の要素も加わって縫製(生産)拠点が決定さ れる。場合によっては 30%近い関税が無税、または数パーセント程度まで下がる EPA/FTA の活用による関税メリットは非常に大きいと考えられる一方、製造・販売の実務に携わる企 業の観点からは、一般的にそれ以外の要素がまず重要になることが多いことがわかった。 AJCEP によりほとんどのアセアン加盟国との貿易において関税が大幅に引き下げられ る可能性が出てきており、これは中国からの輸入に比べて有利な点ではあるが、生産拠点を 移す場合、企業にとっては相応のリスクも伴うのが現実である。中国とアセアン主要国を比 べた場合、生産拠点としての中国の優位性は、一般的な傾向として依然以下のような点で存 在する。 まずは生産性が挙げられる。長年の経験の蓄積もあり、技術水準や作業効率の面でまだ まだ中国に一日の長があると言われている。 (例えば、中国で 1 日 30 枚できるものがある として、同じものをアセアンで作った場合,まだ 20 枚程度しかできない。 )その結果、中 国生産のほうが納期は短く、例えばアセアン生産の場合リードタイムとして 4 ヵ月必要な 場合も、中国生産の場合は 2~3 ヵ月で済む。更に、多様な製品の生産に対応できる点も中 国生産の場合のメリットである。 アセアンの場合、国によってはインフラの整備が不十分であることも多く、地理的にも 日本により近い中国が有利という面も当然否定できない。人的資源に関しては、まだまだ豊 富にあるという見方と縫製業における人的資源の確保が難しくなってきたという見方の両 方があった。中国の中でも地域による違いもあると考えられるため、どちらも間違いではな いと思われる。 それ以外に挙げられた意見として、文化面、慣習面での違いもあったが、これはある意 味日本企業にとって最も重要なファクターの一つかも知れない。 日本語が解るスタッフが多 い、 日本の商習慣や日本人のメンタリティを理解してくれる等の面で一緒に仕事がしやすい、 という意見はほとんどの取材先で聞かれた。 更に(ボタンなどの)副資材の価格、材料調達のしやすさなどでも、アセアンでも状況 はかなりよくなってきているものの、依然中国に優位性がある。 これらの面から、アセアン各国の場合、EPA の活用により関税低減メリットが享受でき る可能性があるものの、トータルコストを考えた場合のメリットは、まだいくぶん中国にあ るという意見が多かった。 一方で、コスト対品質という観点で、中国産製品の品質が以前に比べ相対的に落ちてい るというコメントもあった。つまり、同じコストを投入した場合の品質が過去に比べ落ちて いる。逆に言えば、同じ品質を維持しようと思えば、以前よりもコストをかける必要がある 80 ことになる。人件費の高騰、人員の確保の困難さがこのような結果に繋がっているのだと言 えよう。 将来的には、中国生産とアセアン生産の合計を 100%とした場合、アセアン生産の比率 を少ない企業で概ね 20%、多い企業で概ね 50%にするのが適切、あるいはそのくらいにし たいと考えているというコメントが大勢であった。これは、単にカントリーリスクやコスト 面でアセアンが有利になっていくということだけではなく、 市場としてアセアンが伸びてい く可能性も見据えての数字と思われる。市場が日本や中国だけでなく、インドネシアやシン ガポール、タイといったアセアン諸国であれば、地理的に近い域内での生産は極めて合理性 がある。 4-2. EPA/FTA の活用状況 EPA/FTA の活用状況は様々 日本の繊維関連企業が最も多く活用している EPA/FTA は、多国間協定の AJCEP に加 え、二国間協定の IJEPA(日・インドネシア) 、JTEPA(日・タイ)、IJCEPA(日・イン ド)等である。一説によると、中小規模の企業の場合、2~3 割の企業しか EPA や FTA の 活用ができてないと言われている中で、 今回のヒアリング対象企業では上記のアジア各国と の EPA は大部分の取引において活用されている。 (ヒアリング対象企業は、一般的な定義 においては大企業に全て属する。 )しかしながら、貿易取引全体としては、EPA を結んでい ない中国との取引が大半を占める現状では、アセアンからの輸入の割合と同程度か、少ない と考えられる。 EPA が利用できない場合は、LDC の特恵関税等を適用している。EPA や特恵関税を含 めて、関税低減の制度として利用できるものは全て利用しているという企業もあれば、EPA の活用は準備中という企業もあった。これは、例えばアセアン製の製品を日本へ輸入するこ とを考えた場合、アセアンでの生産活動の歴史や規模によるようである。まだアセアンで生 産を始めたばかりの企業においては、EPA を活用するため準備中という状況であり、自ず と活用実績は少ない(或いは無い) 。一方、その逆で既に同地域での生産活動が長い企業、 或いは域内の複数の国で生産を行っている企業、生産規模が大きい企業では EPA の活用率 も高くなる傾向にある。今回のヒアリングの内容から判断して、国内の繊維関連の主要企業 においては、アセアンからの輸入に関しては全輸入案件の少なくとも約 6 割から 8 割程度 で EPA を活用しており、それ以外の案件でも、ほとんどの場合何らかの特恵関税や減税措 置を受けていると思われる。 EPA/FTA 活用のための社内体制と情報収集法 企業によっては、EPA/FTA に関する全社向け情報収集と発信を、例えば物流やロジステ 81 ィクスを担当する部署が行っている。しかしながら、そのような企業でも、最終的な実務と しては、各製品を担当する専門部署が独自で情報収集を行うことになっている。これは、製 品群ごとに原産品として認められるためのルールも細かく定められており、 一部署で全ての 製品の情報を収集・管理・発信することは現実的ではないためである。 結果として、製品ごとの各専門部署では、様々なソースを使って情報を収集している。 利用しようとする EPA/FTA の原文の参照、経済産業省、JETRO のウェブサイトや資料の 閲覧、税関や輸入組合等の機関が実施する EPA/FTA に関する各種セミナー、取引先や乙仲 を通じた情報収集等が主な手段となっている。 4-3. EPA/FTA に関するメリットと運用上の問題点 EPA/FTA を利用するメリット EPA/FTA 締結のメリットは、締結国から日本への輸入における関税削減効果の他にも法 制度整備、人的資源移動の自由化、知的財産保護等の投資環境整備が挙げられるが、今のと ころ、EPA/FTA を利用する目的は、関税削減メリットのみであるとする企業がほとんどで あった。 一方、経済連携協定により人的資源の移動の自由度が増せば、海外スタッフへの技術の 伝承がしやすくなるのでその点は期待したいという声もあった。ただ現時点では、投資環境 の整備、 ビジネス環境の整備等をメリットと考えている企業は一般的にあまりないようであ る。海外進出を検討する場合も、まず現地の規制、法務、税制等に注意を向け、これらがク リアになって EPA の減税メリットも検討するという考え方が一般的のようである。 その他特定の協定に関して言えば、アセアン加盟国でのアパレル製品(HS コード第 61 類及び 62 類)の生産、日本への輸入という場合を例にとると、タイ、インドネシア等との 二国間協定の場合において、 他のアセアン加盟国で生産された生地の使用許諾がされている ため、生産材料の調達のオプションが多くなり便利であるという意見が聞かれた。(一方、 AJCEP の場合、材料が原産品とされるのは、締約国の範囲に留まっているため、締約国で ないインドネシア産の生地が対象とならないことは不便な点とされる。) 更に、AJCEP が締結されたため、中国から他国への生産拠点の移管が現実的になり、そ の点で有益であったとする企業もあった。人件費の高騰やリスク分散の観点から中国生産の 比率を下げ、他国への生産拠点の移行をある程度進める必要性を各企業が感じる中、アセア ンとの EPA の存在がアセアンへの生産拠点の移管に合理性を与えたということである。新 たな国での生産は、技術や生産効率、素材の確保その他の面で、しばらくは困難を伴う。こ れらの点で、中国と比較して不利な立場であったアセアン諸国への生産拠点の移管が EPA の存在のお蔭である程度容易になったことも大きなメリットとする意見もあった。 82 83 煩雑な手続きと難解な条文 EPA/FTA の規定に従って輸出入する製品を締結相手国の原産品と認められるには、エビ デンス(証拠)が必要でることを考えれば、ある程度細かく複雑な作業と手続きが必要とな ることは致し方なく、 現状のものをよりシンプルにすることは難しいと考える企業もある一 方、多くの企業では手続きの煩雑さが問題点として挙げられた。この煩雑さにより、リソー スの比較的限られた企業では EPA/FTA の活用が進まないものと推測される。 また、条文自体が理解し難く、その都度深く読み解く必要があることも不便な点として 挙げられた。理解し、運用するまでに時間がかかり、そのためにビジネス機会の喪失が起こ ることもあり得ると考えられている。 協定ごとに異なる品目別規則 1)デミニマス(僅少の非原産材料)の適用において、重量比の基準が協定によっては 7% の場合もあれば 10%の場合もあること、2)適用する HS コードが、2002 年のものの場合も あれば、2007 年のものもあること、3)日インド協定において、あらゆる織物及び編み物製 原材料を原産性の確認において考慮する必要があること、4)日ペルー協定において、一部ア パレル・二次製品において糸の製造から(3 工程基準)求められること等が協定ごとに異な る品目別規則の例として挙げられた。更に、積送基準において、第三国を経由して輸送され る場合の原産性維持のためのルールが異なるという点も不便な点として指摘された。 関税分類を決定する構成部分に対する考え方の違い 例えば、AJCEP 附属書 2 第 11 部注釈 2 では、 「第 61 類から第 63 類までの各類の産品 が原産品であるか否かを決定するにあたり、当該産品について適用される規則は、当該産品 の関税分類を決定する構成部分についてのみ適用されるものとし、当該構成部分は、当該産 品に係る規則に定める CTC(関税分類の変更)に基づく規則を満たさなければならない。」 と規定されている一方で、関税率表国内分類例規 61 類 1.二以上の材料からなる衣類の分 類基準における「通常、衣類は、身ごろ(スカート又はズボンの身ごろを含む。) 、襟及び袖 の表側の生地を構成する材料(織物、編み物、革等をいう。以下同じ。)によって特性が与 えられているものと認められる。したがって、第 43 類注 4 に定める場合を除き、表側の生 地が二以上の材料で構成されている衣類 (例えば、 革と編物とで縫製されているジャケット) は、その表側の生地 (出)袖裏、襟の折り返し部分等着用した際外部から見えない部分を除 くものとし、衣類の身ごろ等に装飾的効果をもたせるための加工(例えば、ひだ付け)を施 したため外部から見えにくくなった部分を含める。 」に占める面積が最も大きい構成材料に よりその所属を決定する。 」と規定されており、両規定では、分類を決定する構成部分の考 え方が異なる。 AJCEP の規定では、通常ボタンやタグ等は「当該産品の関税分類を決定する構成部分」 には含まれない。従って、ボタンやタグ等の原産地は、当該産品の原産性を決定するにあた 84 って考慮する必要はない。この意味では、これは申請者の負担を軽減する便利な規定である が、 「当該産品の関税分類を決定する構成部分」が衣類のどの部分であるかは明示されてい ない。一方関税率表国内分類例規では、上記の通りどの構成部分が関税分類を決定する際に 考慮されるべきかのガイドラインが明示されている。 EPA における構成部分に対する考え方が、長年慣れ親しんだ国内分類例規と同様の考え となれば、EPA による関税率低減、または関税撤廃の適用を視野に入れて生産しようとす る産品の原産性の判断が容易になると期待できる。一方、AJCEP の規定では、第三国産原 材料を使用した場合、都度、当該構成部分にあたるものかどうかを税関に確認する必要が生 じるため、これは不便と感じるという意見もあった。 AJCEP の未発効国 多くの企業が AJCEP を活用している中、インドネシアが締約国に入っておらず、イン ドネシア産の原材料を使って他のアセアン加盟国で生産を行った場合、EPA の減税措置が 得られない場合がある。 インドネシアが AJCEP 未発効であることは、同国の判断となるため容易に状況を変え ることは出来ないと思われるが、AJCEP を活用する立場からインドネシアの加盟が望まれ ることは大変よく理解できる。 原産地証明書の記載事項 原産地証明書の記載事項についても、以下の点で不便を感じるという意見が出た。 ① 原産地基準 一般特恵関税(GPS)では、完全生産品か否かの二者択一での記載であったが、EPA の 場合、多くの協定では原産材料からなる原産品という項目が加わり、三つの分類となってい る。この新たに加わった原産材料からなる原産品という概念が、関係者の理解を得るのに苦 労する点だという。一方、日インド協定のように、二者択一の一般特恵関税の適用の場合と 同じ考えに立った基準に整理されることを望むという意見もあった。 ② 遡及発給日 遡及発給となる基準日が、協定により異なる。例えば、 「船積みの日」が基準日となるこ ともあれば、 「船積みの日を含む 3 日」となることもある。この点に関しても、全ての協定 で統一されると便利であると考えるという意見があった。 ③ FOB 価格の記載 AJCEP などで、FOB 価格の記載が輸出国において求められることがある。ところが、 これは仲介取引の場合では、荷受人に購入価格を知られることになり、ビジネスを円滑に行 85 う上で問題となる。AFTA(ASEAN 自由貿易協定)の ATIGA(物品貿易に関する協定) においても 2014 年 1 月から FOB 価格を不記載とすると聞いており、我が国が締結してい る EPA においても、現状 FOB 価格の記載を求めているものに対しては、FOB 価格の不記 載の運用を実施してほしいという意見があった。 ④ 記載事項の不備 原産地証明書の記載事項に不備があった場合、その内容により証明書が無効になる場合、 引き続き有効な場合とあり、その取扱いの基準が不明確であったり、各税関で対応が異なっ たりと解りにくい面があった。昨年(2013 年)10 月に、 「不備のある経済連携協定 (EPA) 原産証明書等の取扱い」という資料により、不備の内容に応じた留意点が周知されたため、 以前より解りやすくなったが、更に明確になることを望むという意見があった。 4-4. 今後の戦略 新たな生産(縫製)拠点候補 多くの企業にとって、アセアンでの生産を今より増やすことが当面の目標である。これ は即ち、特に中国生産からの移行が過渡期であり、これから益々アセアンでの生産を増やす 必要性と余地があるということかも知れない。各社、アセアン各国での合弁会社の設立等を 通じ、現地での足場を固めている、或いは今ある生産インフラの活用度を高めるという方向 で動いている。一方、新たに生産拠点を設けることは、実務面で様々な作業が必要となり、 時間もコストもかかること、稼働開始してしばらくは、生産効率も悪く、当面の収益性が下 がることが予想される。そのため、各社とも、生産拠点を移す、あるいは新たな拠点を設け ることに対する検討は、慎重に行っているようだ。 また、アセアン以外で今後期待できる、或いは面白い国として、トルコ、及びモンゴル、 ウズベキスタン、カザフスタン等の中央アジアが挙げられた。特にトルコは、素材の調達も 支障が無いとみられ、縫製技術も高く品質的にも信頼がおけ、地理的に欧州市場をターゲッ トとした場合最適であるため、有望な生産拠点になり得るという意見が出た。モンゴル、ウ ズベキスタン、カザフスタン等の中央アジアは、原材料の綿が豊富にあること、モンゴルを 中心としてカシミア繊維の産地であることから比較的関心が高いようであった。 今後の注目市場 注目市場、今後ビジネスを拡大させていきたい国として、中国、アセアン、アメリカ、 等が挙げられた。特に中国、アセアンが日本の企業にとって重要市場である。中国の場合、 市場として開拓の余地があり、 今後増やしていくアセアン生産の商品を中国の顧客に販売し たいということも聞かれた。これがアセアン生産の規模拡大に繋がり、よりスケールメリッ 86 トも出せると考えられる。また、その後はアセアン生産の商品を、アセアンで販売する、つ まり素材から生産、消費までをアセアンで一貫して行うプロセスを築くことも近い将来、日 本企業の多くが目指すところであろう。 また中国、アセアンに関しては、市場のキャパシティが拡大していること、生産国内・ 域内で販売することの合理性に寄るところが大きい。但し、アセアンに関しては市場の成熟 度に関連して、各社にとっての位置づけが異なる。つまり、日本製の比較的高級品の市場と してはまだ成熟していないため、 アセアンよりは欧米市場でのビジネスを拡大させたいと考 える企業もある一方で、アセアンでも十分中間層も育ってきているので、積極的に拡大させ たいという企業もあった。 この違いは、恐らく販売する製品の種類によるものと思われる。同じ繊維製品でも、比 較的品質重視の寝具関連、 タオル等の製品は欧米でも質の高い日本製品は需要があると思わ れる。 一方、 アパレル製品、 中でもある程度高級とされるブランド品の場合は事情が異なる。 ファッションブランドの場合、欧米、特にヨーロッパの高級ブランドのブランド力は他を圧 倒しているため、いかに日本製品の質が高くても、欧米市場で世界的な高級ブランドに対抗 することは難しい。その点、アセアンの市場では、欧米の高級ブランドも浸透してきている 一方で、 日本のブランドが受け入れられる余地があり、一定の競争力もあると見られている。 欧米の市場を狙わない理由としては、これ以外にも、欧州は景気が悪く市場拡大が見込めな い。また、アメリカには既に GAP、ユニクロの他、ヨーロッパのファストファッションブ ランドなどの製品が市場に溢れており、市場が飽和状態にあるため、敢えて進出に踏み切る 必然性が見い出せないという意見もあった。 日本の繊維企業の課題 海外での販売に対する方針は各社様々であるが、共通の課題と言えるのは、これまでの ヒアリング結果を顧みても、日本以外での販売を伸ばすということであろう。これは繊維・ アパレル業界に限らず日本企業全体の課題でもある。その意味では、やはり EPA/FTA によ る関税削減メリットは少なからず日本企業の課題解決に寄与する可能性は十分にあると考 えられる。二国間協定も含めたアセアンとの EPA の活用は、主要繊維企業としては必須と なりつつあり、EPA の活用により優位に立つというより、EPA を活用しないと不利になる という側面が強くなってきていることも事実である。 他方、各社で聞かれたコメントとして、技術の伝承の問題がある。これは競争力の維持 と言い換えることもできるかもしれない。製品の生産の大部分が海外に移管されている現在、 日本国内に貴重な開発技術、生産技術を残していく術がなくなりつつあると言われている。 特に糸から生地の生産までに於ける技術は、日本企業のレベルは高く、その技術をいかに伝 え、競争力を保っていくかは重要な課題である。また、製品のデザイン力は中国、アセアン の企業と比較して、日本企業に優位性がある。生産技術、デザイン等の面でいかに競争力を 保てるのか、物流等も含め、日本の繊維企業(特に商社)はどの機能にフォーカスすべきな 87 のか、どう選択と集中をしていくべきなのかが重要な課題となっている。 88 5. 総括:日本繊維企業の EPA/FTA を活用した海外ビジネス展開の方向性 本調査では、貿易統計データの収集と集計、海外 FTA の条文を含めた文献調査を主体に、 繊維貿易の概況と、5 つの海外主要 FTA の原産地規則の概要についてまとめた。また、同 じく文献調査により、国内外のトップ企業のサプライチェーンについても 3 つの例を参考 に紹介している。同時に、国内の主要繊維商社 5 社にヒアリングを行い、EPA/FTA 活用の 現状とサプライチェーンの概要についての情報を収集した。 特に実務者の生の声を聴けるヒ アリングで得た情報は貴重であった。 その結果、今後日本の繊維企業が EPA/FTA を活用しながら海外でのビジネス、或いは 海外とのビジネスを推進するために必要となるであろうことがいくつか浮かび上がってき た。EPA/FTA をどう活用するか、EPA/FTA を企業が活用しやすくするために何が必要か、 以下に考えられるポイントをまとめた。 EPA/FTA の活用を促進するためのポイント EPA/FTA 情報提供 EPA/FTA の専門家による中小企業支援 アジアの EPA/FTA の充実 EPA/FTA 情報提供 輸出入に携わる企業が、EPA/FTA に関する情報を収集するための方法や情報源は様々で ある。各税関、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO) 、各業界団体、経済産業省の発信 する情報、乙仲や取引先などが今回のヒアリングでも挙げられた。当然、協定の条文の原文 も参照する必要がある。 様々な情報があることは一見便利なようだが、最も拠り所とすべきものがどれなのか判 断が難しい。協定の原文も、海外の FTA であれば英語で読む必要があり、また言語が何で あれ解釈自体も難しい。そのため、EPA/FTA を利用する側の意見として、「ここに行けば 全ての疑問が解決する」という場が欲しいとの声も聞かれた。 EPA/FTA の専門家による中小企業支援 国内の大手企業においても、EPA/FTA の活用は手続きや費用面等の理由で容易ではない と推測される。ましてや、リソースに限りがある中小企業にとっては、EPA/FTA の運用は 非常に負担が大きいと思われる。 したがって、ビジネスの現場を理解し、実務経験がある EPA/FTA の専門家、コンサル タント的な存在が身近にいれば中小企業にとっては心強い。セミナー形式を発展させて、授 業形式の情報提供や教育の場が持てれば、EPA/FTA の利用も促進されるのではないだろう 89 か。 アジアの EPA/FTA の充実 多くの日本企業が、日本、中国、ASEAN、或いは西南アジア等、アジア圏内中心にビジ ネス、貿易活動を行っている。海外ビジネスは、まず地理的、文化的に近い国から始めると いうことは、自然な流れでもあり、国際ビジネスのセオリーでもある。先に挙げられた、イ ンドネシアが AJCEP(日 ASEAN 包括的経済連携)に参加していない点が不便だという意 見、中国、ASEAN 間の物の流れが今後増えていくであろうという点、香港、台湾も重要な 繊維ビジネス相手国である点、等を考慮しても、アジア域内での日本企業のビジネスが有利 になる仕組み作りが望まれている。 EPA/FTA を活用した海外市場開拓への企業の取り組み EPA/FTA のメリットを再検討してみる 徹底したマーケティングにより技術を世界で売る 未開拓の市場を狙う EPA/FTA のメリットを再検討してみる 海外の企業では、FTA の有無をサプライチェーンや生産拠点を考える際に重視すること も多いと言われる。どの国から輸出入を行うかの判断は、当然、工場の生産能力、市場、国 ごとの規制や法律等、 様々な要素を考慮しなくてはならないが、他の条件が似通っていれば、 FTA を使える国を優先するという選択肢は合理的に思える。EPA/FTA による関税削減メリ ットが大きければ、文化的違いが大きくとも、それを乗り越えて中国以外の国で生産するこ とも必要であろう。 先に述べたように、対 EU 貿易において、韓国が EU と結んだ FTA の効果が出始めてい ると言われる。海外の FTA を利用することも含めて、再検討する価値は十分にあると思わ れる。 徹底したマーケティングで技術を世界で売る 繊維・アパレル産業の中で、日本の重要な得意分野のひとつは素材開発の技術であろう。 「3.主要繊維企業・アパレル企業のサプライチェーン」で事例として取り上げた東レがユニ クロとの提携により業績を伸ばしたことも、消費者の声を徹底して聞き、持ち前の技術をビ ジネスで活かせたからであろう。素材メーカーもエンドユーザーの声を聞く。そのことが重 要であることが証明された。 確立された世界的ブランドを持つ欧米企業に、ブランド力、デザイン力で勝負すること 90 は容易ではないが、技術を売ることを皮切りに、より多くの日本企業がグローバルビジネス で成功されることを期待したい。 未開拓の市場を狙う 繊維・アパレル産業の歴史が長く、世界的なブランドも多い欧米市場で日本のアパレル 企業が勝負するのは確かに容易ではないと思われる。そうであるならば、是非とも中東、ア フリカ、 中南米などのこれから市場の成長が期待される地域にいち早く打って出る意味は大 きい。暑い地域、寒い地域に適した機能素材を使った製品を広め、新たな市場も開拓してい くことを期待したい。 91 <参考資料> NAFTA 協定書、及び附属書 米豪 FTA 協定書、及び附属書 米韓 FTA 協定書、及び附属書 EU 韓国 FTA 協定書、及び附属書 ASEAN 中国 FTA 協定書、及び附属書 「米国通商代表部ウェブサイト」http://www.ustr.gov/ 「NAFTA ウェブサイト」https://www.nafta-sec-alena.org/ 「欧州委員会ウェブサイト」http://ec.europa.eu/index_en.htm 「韓国税関ウェブサイト」http://www.customs.go.kr/ 「ASEAN ウェブサイト」http://www.asean.org/ 「韓米 FTA を読む」ジェトロ(日本貿易振興機構)発行、2008 年 3 月 「EU 韓国 FTA の概要と解説」ジェトロ(日本貿易振興機構)発行、2011 年 5 月 「ユーロトレンド」 (EU 韓国 FTA に関する韓国政府説明資料(仮訳) ) 、ジェトロ(日本貿 易振興機構)発行、2009 年 10 月 「図解よくわかる FTA(自由貿易協定) 」嶋正和、日刊工業新聞社発行、2010 年 11 月 「季刊 国際貿易と投資 Autumn 2002/No.49」 ( 「NAFTA 域内貿易の展開」滝井光夫)、 (財)国際貿易投資研究所発行、2002 年 9 月 「メキシコが締結する FTA の原産地規則と原産地証明制度」 ジェトロ(日本貿易振興機構) メキシコ・センター発行、2008 年 3 月 「みずほレポート 開始後 1 年の ASEAN1-中国 FTA (ACFTA)」みずほ総合研究所発行、 2006 年 8 月 「日経ビジネス グローバル経営の教科書」日経 BP 社発行、2013 年 5 月 “Textile Outlook International No 160”, Textiles Intelligence Limited, Jan, 2013 92