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消費者包装
包装(消費者包装)の基準実施要領
1
基準制定の主旨
私たちの日常生活のうえで、大きな役割を果たしている商品の包装・容器は、その中身
の保護、輸送、保管、売買、使用中の取扱いの利便性、販売促進等の諸機能をもっている。
これらのうち消費者包装(消費者の手もとにわたる包装・容器)は、近年になり大量生
産及び大量販売に伴って改善合理化がはかられてきたが、その反面、販売競争の激化から
消費者包装本来の役割及び機能を拡大し逸脱してまで販売促進機能を強調するようにな
ってきた。
このため必要以上に経費をかけた包装・容器、必要以上に大きな包装等過大な包装商品
が数多く出まわるようになってきた。
その結果、包装経費の商品価値への転嫁による価格上昇の問題、さらに社会問題として
廃棄物の量的増大及び質的変化によるごみ処理上の問題、環境汚染問題、限りある資源の
浪費の問題等が生じてきた。
そこで、これらの過大包装がもたらす社会的弊害を是正して消費者包装本来の目的を達
成するために、川崎市消費者の利益の擁護及び増進に関する条例(昭和 49 年 10 月 8 日条
例第 53 号)に基づいて包装(消費者包装)の基準及び過大包装(昭和 51 年 7 月 1 日施行)
を定めたものである。
なお、平成 13 年 4 月 1 日で包装(消費者包装)の基準を一部改正した。
2
基準の内容
(1) 対象商品
贈答品、当用品、土産品等全ての消費者包装が対象になる。
(2) 対象事業者
消費者包装を直接提供する川崎市内の事業者が対象になる。
(3) 過大包装
川崎市消費者の利益の擁護及び増進に関する条例施行規則(昭和 50 年 3 月 31 日規則
第 27 号)第3条の6第1項第1号から第6号までのいずれか一に該当する消費者包装
であり、かつ、川崎市消費者保護委員会の意見を聴いて市長が判定したものをいう。
(4) 過大包装の判定
本基準では、全ての消費者包装を対象にしているため、商品個々の特性等を勘案しな
がら総合的に判断して行う。
1
―規則第 3 条の6
抜粋―
(過大包装)
第 3 条の 6
前条第 1 号に規定する過大な包装とは、次の各号の一に該当する消費者
包装(以下「過大包装」という。)をいう。
2
(1)
内容品以外の空間容積が原則として 20 パーセント以上あるもの
(2)
内容品の価格に比べて必要以上に経費をかけているもの
(3)
無理な詰合せ又は抱合せをしているため必要以上に大きいもの
(4)
明らかに後使用を偽装したもの
(5)
上げ底、十二ひとえ、メガネ等内容品を実質以上に見せかけてごまかしたもの
(6)
廃棄処理上問題のあるもの
過大包装の判定は、前項の基準に基づき、委員会の意見を聴いて市長が行うもの
とする。
◎
用語について
★
消費者包装
消費者の手もとにわたる包装であり、容器も含む。
★
内容品
詰合せ等の場合はその詰合せした商品をいい、単品の場合はその中身をいう。
★
空間容積
内容品以外の空間容積とは、商品の外装(箱、樽、かん等の外部の包装をいう。)
及び個装(商品個々の包装をいう。)の最も大きい部分を基準とし直方体とみな
して各々を計測して外装の値から個装の値及び必要空間を減じて得た数値であ
る。
★
必要空間
商品の保護、固定、詰め込み取り出し等のために必要な空間で、隣接する商品
と商品の幅10ミリメートル以下の緩衝材、及び商品と包装箱の内側の側面との
厚さ5ミリメートル以下の部分をいう。
2
(測り方例)
包装・容器
5㎜
11 ㎝
平面図
5㎜
10 ㎜
5㎜
5㎜
22 ㎝
5㎜
6㎝
立面図
5㎜
内容品
9㎝
平面図
10 ㎝
5㎝
立面図
外
装
11×22×6=1、452㎤
内
装
10×21×5=1、050㎤
緩 衝 材
1×10×5=
50㎤
3
必要空間
外装-内装+緩衝材=452㎤(空間容積から除外される部分)
個
9×10×5×2個=900㎤
装
空間容積
外装-個装-必要空間=100㎤
内容品以外の空間容積率〔空間容積÷(外装-必要空間)
〕
100÷(1、452-452)=10.0%
★
原則として20パーセント以上
内容品以外の空間容積が原則として20パーセント以上あるものを過大包装
として指導の対象としているが、商品によってはその特性上やむを得ず20パー
セントを超えるものもあり、また、20パーセント以下にとどめても支障のない
商品もある。
したがって、ガイドライン的要素として示したものであり20パーセント以下
であっても改善の余地のあるものは、過大包装として判定されるものもあり得る。
★
必要以上の経費
商品価格のおおむね15パーセント以上が包装経費である場合をいい、既に昭
和 47 年 8 月商業包装適正化推進委員会の「適正包装の考え方とその推進策に関
する報告」(通産省)でも打ち出され、それに基づき関連業界においても自主基
準として実施されている。
★
無理な詰合せ又は抱合せ
常識的に判断して不必要と思われる商品を詰合せ又は抱合せすることをいう。
★
後使用(あとしよう)
商品の包装・容器を本来の目的に使用後、他の目的に使用することをいう。ま
た、二次使用と同意語である。
★
上げ底
内容品の保護又は品質保全の限度を超えて、外見から容易に判明することがで
きないように容器の底を上げることをいう。
★
十二(じゅうに)ひとえ
内容品の保護又は品質保全の限度を超えて、内装を重ねることをいう。
★
メガネ
容器又は外装に切抜きをし、中が見える部分にのみ内容品を入れて、全体に入
っているかのように見せかけることをいう。
★
ガクブチ
内容品の保護又は品質保全の限度を超えて、外観から容易に判明することがで
きないように、額縁状の広い幅の縁どりを施すことをいう。
★
アンコ
内容品の保護又は品質保全の限度を超えて、容器の底又は個々の内容品の間に
紙片、木毛等を詰めることをいう。
4
★
廃棄処理上問題のあるもの
消費者包装を廃棄処理する場合において、廃棄物の量的増大を伴うもの、有
害物質を排出するもの等をいう。
(5) 内容品の個別販売
詰合せ又は抱合せした消費者包装及び後使用を目的とした消費者包装を取扱うとき
は、消費者の基本的権利の一つである選択の自由を確保するため、内容品のみの販売も
併せて行うこととした。
◎
用語について
★
詰合せ
同種の商品を一つに包装することをいう。
★
抱合せ
異種の商品を一つに包装することをいう。
3
適正な消費者包装
適正な消費者包装の基本的な考え方は、経済的又は社会的状況の推移とともに変化して
いくものであるが、少なくとも現状では省資源の観点から可能なかぎり再生及び再利用が
できること並びに流通コストの低減と併せてごみ量の増大及び処理上困難な問題につな
がらないことが望ましい。また、消費者包装は贈答品、土産品、当用品等をすべて包含し
たものであり、内容品に相応適切で必要最小限にとどめ、かつ、総合的に判断されるべき
ものである。
したがって、現段階では次の7つの要件を満たす消費者包装が適正な消費者包装と考え
るべきである。
1
内容品の保護又は品質保全が適切であること。
2
包装・容器は物理的及び衛生的に安全であること。
3
内容品が消費者の購入単位として適切であること。
4
内容品及び包装・容器の表示又は説明が適切であること。
5
内容品以外の空間容積が必要以上に大きくならないこと。
6
内容品の価格に比べて包装経費を必要以上にかけていないこと。
7
廃棄処理上適当であること。
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