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第77回日本循環器学会学術集会 ランチョンセミナー27(LS-27)

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第77回日本循環器学会学術集会 ランチョンセミナー27(LS-27)
第77回日本循環器学会学術集会
ランチョンセミナー27(LS-27)
2013年3月16日
(土)12:50∼13:40
第6会場(パシフィコ横浜 会議センター 3F 304)
横浜市西区みなとみらい1-1-1
座長
平山 篤志
先生
日本大学医学部内科学系 循環器内科学分野 主任教授
冠血流予備量比
(FFR)
を活かし
optimal PCIを目指す
田中 信大
略歴
先生 東京医科大学 循環器内科 准教授
1989年3月 東京医科大学卒業
1989年4月 東京医科大学大学内科学第2講座
1992年6月 神戸市立中央市民病院循環器センター
(∼1994年5月)
1996年4月 東京医科大学医学博士
(甲第967号)
2005年6月 東京医科大学内科学第2講座 講師
2007年8月 オランダ・カタリナ病院臨床留学
(∼2008年1月)
2011年8月 東京医科大学循環器内科 准教授
現在に至る
所属
学会
日本内科学会/日本循環器学会/
日本心血管インターベンション治療学会/
日本超音波医学会/日本冠疾患学会/
日本心エコー図学会/日本心臓病学会/
アメリカ心臓協会/日本心不全学会/
日本心血管画像動態学会/臨床生理学会
心臓核医学検査
(SPECT)
を活かし
optimal PCIを目指す
仁科 秀崇
略歴
先生 筑波メディカルセンター病院 循環器内科 診療科長
1994年
1994年
1997年
2000年
2002年
筑波大学医学専門学群卒業
筑波大学附属病院 内科レジデント
筑波大学附属病院 循環器内科レジデント
筑波学園病院 循環器内科
米国Cedars-Sinai Medical Center.
Cardiac Imaging部門留学
2005年
筑波記念病院 循環器内科
2006年∼ 筑波メディカルセンター病院 循環器内科医長
2008年∼ 同診療科長
現在に至る
所属
学会
日本内科学会/日本循環器学会/
日本心臓病学会/
日本心血管インターベンション治療学会/
日本核医学会/日本心臓核医学会/
米国心臓核医学会
●ランチョンセミナーへの参加にはセミナーチケット
(無料)
が必要です。
(2月28日締切。締切後は変更不可)
●第77回学術集会ホームページにてプレレジストレーションを行います。
プレレジストレーションをお済ませの場合、
ランチョンセミナーのチケットは、
参加証兼領収証
(ネームカード)
と同時に発行されます。
●開催日当日も下記受付にてチケットの発行を行いますが、数に限りがございますのでご了承ください。
●チケットはセミナー開始と同時に無効となりますのでご注意ください。
受付場所
ランチョンセミナー当日受付: パシフィコ横浜 展示ホールA
受付時間
ランチョンセミナー当日受付:7:00∼12:20
共催: 第77回日本循環器学会学術集会/日本メジフィジックス株式会社
第77回日本循環器学会学術集会
ランチョンセミナー27(LS-27)
座長のことば
平山 篤志
日本大学医学部内科学系
循環器内科学分野
近年スタチンや抗血小板などの薬物療法の進歩により循環器疾患の治療戦略が大きく変化し、
たとえば欧米では冠動脈疾患の死亡率がこの
20年で約半減するという予後改善がみられるようになった。
このような十分な内科治療、Optimal Medical Therapy(OMT)
を行えばPCIなどの
血行再建を行わなくてもよいとの意見もある。
これまでの薬物療法とPCIを比較した試験のメタ解析でPCI群の予後改善効果がないというのが
理由である。
しかし、
その中のCOURAGE 試験のRIを用いたサブ解析で血行再建による虚血解除が予後改善に大きく関与していることが示さ
れている。
このことは、OMTに加えて虚血を検出し、必要かつ適切な血行再建の必要性を示していると考えられる。本年のヨーロッパ心臓病で発
表されたFAME2でも虚血を有する症例への血行再建の有用性が示された。
このセミナーでは、冠動脈疾患の患者の予後を改善する血行再建
のあり方についてカテーテルとRI検査の観点から述べてもらうことにする。
冠血流予備量比(FFR)
を活かしoptimal PCIを目指す
田中 信大
東京医科大学
循環器内科
冠動脈狭窄の機能的重症度指標である冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve: FFR)
は、心カテ室内で結果が得られ、再現性
があり、PCI手技中に経時的に観察することも可能であり、
その有効性が注目されている。
FFRは正常値が1.0、虚血の閾値が0.75∼0.80と明確で、
また閾値の境界域は比較的狭く、関心領域(狭窄枝)
ごとに評価できるため、
臨床的に使用しやすい指標である。
Defer studyによって、中等度狭窄であってもFFR値が0.75以上である病変、
すなわち虚血の存在しない病変は、
内科的に観察してもそ
の予後は良好で、
そのような病変に対するステント治療ではさらなる予後の改善効果は望めないことが示された。FAME studyでは、多枝
病変症例における個々の病変の治療適応をFFRガイドによって決定することにより、
ステント数・医療費を抑制するのみでなく、
その後の
予後も改善し得たことが報告された。
これらの結果を受けて、FFR値をガイドとしたPCI適応の決定は、
ガイドラインにおいても推奨され、広
く使用されるに至った。
さらに最近では、至的薬物療法(optimal medical therapy)
が重要であるとは言え、FFR 0.80以下の機能的に
有意と判断された狭窄においては、
その後の病態不安定化による緊急冠血行再建の予防においてはPCIが重要な役割を示すことが
FAME 2 studyで証明された。今後はFFRガイドのPCIがCABGと比べ、同等以上の成績を出せるのかが注目される。
生命予後の改善を目指すPCIを行うことはPCIの本質であり、FFRはPCIのqualityを客観的な立場から上昇させうるデバイスとなりうる。
心臓核医学検査(SPECT)
を活かしoptimal PCIを目指す
仁科 秀崇
筑波メディカルセンター病院
循環器内科
近年、FAME studyでpressure wireを用いて得られるFFRを指標とした血行再建(FFR guided PCI)
は視覚的な病変狭窄度を指標と
したangiography-guided PCIと比較してPCI後の心血管イベントを減らすことが示された。FAME-II studyではFFRが低い症例では至
適薬物療法単独よりも薬物療法下のPCIがその後の緊急PCIを減らすことが、
さらにFFR値により心筋虚血がないと判断された症例で
は至適薬物療法で良好な予後が得られることが示された。
これらのstudyの結果、臨床でPCIを行うinterventionalistの間で
ischemia-guided PCIの重要性がより強く認識されるようになったといっても過言ではないだろう。
心臓核医学検査(心筋血流SPECT)
も同様に心筋虚血を検出するための検査であるが、
その最大の強みは心筋虚血の有無のみなら
ずその範囲(ischemic burden)
を定量的に評価することでリスクの層別化、治療方針決定のマネージメントに役立てることができること
であるといえる。長い歴史の中で蓄積された膨大なエビデンスは一貫してischemic burdenが無いか軽度の症例では内科的療法で予後
が良好であること、ischemic burdenが多くなるほど心血管イベントのリスクは高くなり、同時に血行再建による利益が大きくなること、
ま
た、治療によりischemic burdenが減少した症例では患者の予後が改善することを示しており患者の利益を考えてPCIの適応を決定す
る上で重要な情報を得ることができる。一方でSPECTが心筋血流量の相対的評価法であるという特性から最も予後の悪いグループに
属する可能性のある左主幹部病変を含む多枝疾患症例においてはischemic burdenを過小評価してしまう危険性があるという弱みも
存在する。
この点を克服するためにはSPECTのみならず運動負荷心電図の所見や、
負荷心エコー図、
負荷心筋血流MRIなど他の非侵
襲的検査法を組み合わせて総合的に治療の適応を判断する必要に迫られることは少なくない。
また、pressure wireの操作性、安全性の
向上や測定法の標準化による臨床使用の拡大に伴い、非侵襲的な心筋虚血評価法であるSPECTと侵襲的な評価法である血管造影
所見やFFR、
および臨床医のclinical senseを駆使して総合的な判断のもとoptimal PCIを目指すことが要求される場面は今後増えて
いくと考えられる。
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